JP3892071B2 - 内燃機関の燃料供給制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の燃料供給制御装置に関し、特に、暖機中の燃料供給制御技術の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の燃料供給制御装置としては、例えば、特開昭50−106033号公報等に開示されるようなものがある。
上記特開昭50−106033号公報に開示のものは、暖機中の機関水温に依存する温度増量特性を、機関回転速度に応じて連続的に変化させて、燃料供給量を補正し、ストールやラフアイドル等の発生を抑制するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、暖機中において、例えば負荷変動(例えば、エアコン作動・非作動切換等)があった場合に、通常時(暖機後)と同等の負荷変動分相当の燃料増量や減量をしても、上記特開昭50−106033号公報に開示のものでは、十分に、ストールやラフアイドル等を抑制できない場合が生じる惧れがあった。
【0004】
なお、始動直後の燃料増量補正係数を、機関回転速度の変化速度(回転変動)に応じて調整するようにして、ストールやラフアイドル等の発生を抑制するようにしたものもあるが(特開平5−141291号公報等参照)、このものでは、負荷変動に伴う回転変動が検出されてから、燃料補正が開始されるので、追従性が悪く、負荷変動直後のストールやラフアイドル等を抑制できるものではない。
【0005】
そこで、本願出願人等は、上記点を踏まえ、種々の解析を行った結果、以下のような新たな知見を得た。即ち、暖機中(冷機時)にあっては、図12に示すように、一定の空燃比(A/F)に制御した混合気を機関に供給しても、回転速度や負荷の増大に応じて排気空燃比がリーン(希薄)化する傾向にあることが実験的に確認された。
【0006】
このことは、暖機中(冷機時)にあっては、回転速度や負荷が増大すると、機関に供された燃料のうち実際の燃焼に供されない燃料分(未燃燃料)が増え、筒内空燃比がリーン化する(例えば、低温時は燃料の気化・霧化特性等が悪いのでシリンダ壁に燃料が付着し易くオイルに溶け込む量が増える等が考えられる)等の理由に依り発生するものと考えられる。
【0007】
つまり、暖機中(冷機時)にあっては、暖機後に比べて、回転速度や負荷の増大に応じて、より一層機関に供給する燃料量を増量する必要があるのである。ところが、従来においては、暖機中であっても、回転速度変動については、回転速度の上昇に連れて機関回転は安定化するものとして、図6に示すように(回転補正係数)、燃料量を減量側に補正するようにしていた。従って、暖機中に比較的リッチ側に空燃比を制御していた従来においてはあまり問題とならないが、近年のように暖機中にも空燃比をリーン化して排気有害成分(特に、HC,CO)の低減を図ろうとした場合には、従来同様に、回転速度の増大に連れて燃料量を減量側に補正してしまうと、ストールやラフアイドル等を発生させてしまう惧れがある。
【0008】
なお、暖機中の負荷増大により発生する実際の筒内空燃比のリーン化に起因するストールやラフアイドル等ついては、従来において、何ら考慮されていないことは前述した通りである。
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、暖機中に空燃比をリーン化する場合おいて、機関温度や機関回転速度や機関負荷に応じて最適に燃料供給量を補正できるようにして、以って暖機中の運転性,排気性能,燃費等を改善できるようにした内燃機関の燃料供給制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の発明にかかる内燃機関の燃料供給制御装置は、図1に示すように、運転状態に応じて燃料供給量を設定する燃料供給量設定手段と、機関温度を検出する機関温度検出手段と、始動時増量が終了した後の暖機中であって機関吸入混合気の空燃比が理論空燃比よりもリーン側に設定されているときに、前記設定された燃料供給量を機関温度に応じて補正する温度補正値を設定する温度補正値設定手段と、暖機中の未燃燃料分を補うように、前記温度補正値設定手段により設定された温度補正値を機関回転速度の増大に応じて燃料増量側に補正する温度補正値回転補正手段と、前記温度補正値回転補正手段により補正された温度補正値に基づいて、前記燃料供給量設定手段により設定された燃料供給量を補正する燃料供給量補正手段と、前記燃料供給量補正手段により補正された燃料供給量を、燃料供給装置を介して機関に供給する燃料供給制御手段と、を含んで構成した。
【0010】
このような構成によって、始動時増量が終了した後の暖機中であって機関吸入混合気の空燃比がリーンに設定されているときに、機関温度に応じた温度補正値(燃料補正係数或いは燃料補正量であって、例えば、後述の基本水温増量率KUBTW)を設定し、この温度補正値を機関回転速度の増大に連れて燃料増量側に補正するようにする。従って、例えば、暖機中に空燃比をリーン化して排気有害成分の低減を図ろうとした場合において、機関回転速度の増大に連れて、機関に供給された燃料のうち実際の燃焼に供されない燃料分(未燃燃料)が増え実際の筒内空燃比がリーン化してしまうようなことを抑制することができるので、以って暖機中の燃料供給制御を高精度なものとすることができ、延いては運転性、排気性能、燃費性能等を向上させることができることとなる。
【0013】
請求項2に記載の発明にかかる内燃機関の燃料供給制御装置は、図2に示すように、運転状態に応じて燃料供給量を設定する燃料供給量設定手段と、機関温度を検出する機関温度検出手段と、始動時増量が終了した後の暖機中であって機関吸入混合気の空燃比が理論空燃比よりもリーン側に設定されているときに、前記設定された燃料供給量を機関温度に応じて補正する温度補正値を設定する温度補正値設定手段と、暖機中の未燃燃料分を補うように、前記温度補正値設定手段により設定された温度補正値を機関負荷の増大と機関回転速度の増大とに応じて燃料増量側に補正する温度補正値回転・負荷補正手段と、前記温度補正値回転・負荷補正手段により補正された温度補正値に基づいて、前記燃料供給量設定手段により設定された燃料供給量を補正する燃料供給量補正手段と、前記燃料供給量補正手段により補正された燃料供給量を、燃料供給装置を介して機関に供給する燃料供給制御手段と、を含んで構成した。
【0014】
このような構成によって、始動時増量が終了した後の暖機中であって機関吸入混合気の空燃比がリーンに設定されているときに、機関温度に応じた温度補正値を設定し、この温度補正値を機関回転速度の増大と機関負荷の増大とに連れて燃料増量側に補正するようにする。従って、例えば、暖機中に空燃比をリーン化して排気有害成分の低減を図ろうとした場合において、機関回転速度や機関負荷の増大に連れて、機関に供給された燃料のうち実際の燃焼に供されない燃料分(未燃燃料)が増え実際の筒内空燃比がリーン化してしまうようなことを抑制することができるので、以って暖機中の燃料供給制御を高精度なものとすることができ、延いては運転性、排気性能、燃費性能等を向上させることができることとなる。
【0017】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、始動時増量が終了した後の暖機中であって機関吸入混合気の空燃比がリーンに設定されているときに、燃料供給量を機関温度に応じて補正する温度補正値を設定し、この温度補正値を機関回転速度の増大に連れて燃料増量側に補正するようにしたので、暖機中に機関回転速度の増大に連れて、機関に供給された燃料のうち実際の燃焼に供されない燃料分(未燃燃料)が増え実際の筒内空燃比がリーン化してしまうようなことを抑制することができるので、以って暖機中の燃料供給制御を高精度なものとすることができ、延いては運転性、排気性能、燃費性能等を向上させることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、始動時増量が終了した後の暖機中であって機関吸入混合気の空燃比がリーンに設定されているときに、燃料供給量を機関温度に応じて補正する温度補正値を設定し、この温度補正値を機関回転速度の増大と機関負荷の増大とに連れて燃料増量側に補正するようにしたので、暖機中に、機関回転速度や機関負荷の増大に連れて、機関に供給された燃料のうち実際の燃焼に供されない燃料分(未燃燃料)が増え実際の筒内空燃比がリーン化してしまうようなことを抑制することができるので、以って暖機中の燃料供給制御を高精度なものとすることができ、延いては運転性、排気性能、燃費性能等を向上させることができることとなる。
【0021】
以下に、本発明の一実施の形態を、添付の図面に基づいて説明する。
一実施の形態の全体構成を示す図3において、機関1の吸気通路4には、エアクリーナ2を介して吸入される吸入空気流量Qを検出するエアフローメータ11及びアクセルペダルと連動して吸入空気流量Qを制御するスロットル弁3が介装されると共に、下流側のマニホールド部分には、後述するコントロールユニット10から運転状態等に応じた所定時期に送信されてくる駆動パルス信号によって通電されて開弁され、気筒毎に燃料を噴射供給する燃料供給装置としての電磁式の燃料噴射弁5が設けられている。
【0022】
そして、機関1の各燃焼室には点火栓6が設けられており、当該点火栓6は、コントロールユニット10において運転状態等に応じて設定される所定点火時期に点火駆動され、これにより燃焼室に吸入された混合気を火花点火して着火燃焼させるようになっている。
なお、機関排気は、排気マニホールド7を介して触媒コンバータ8(例えば、三元触媒,酸化触媒,リーンNOx触媒であって良い)に導入されるが、この触媒コンバータ8の持つ浄化作用により排気中の有害成分は浄化されることとなる。
【0023】
コントロールユニット10は、CPU,ROM,RAM,入・出力I/F,A/D変換器等を備えたマイクロコンピュータからなり、各種センサからの信号が入力されるようになっている。
各種センサとしては、前述したエアフローメータ11の他に、クランク角センサ12や前記スロットル弁3の開度TVOを検出するスロットルセンサ13(スロットル弁3の全閉状態でON信号を発生する「アイドルスイッチIDLE SW」を内蔵させても良い)が設けられる。前記クランク角センサ12は、例えば、4気筒機関の場合には、クランク角180 °毎の基準信号REFやクランク角1〜2°毎の単位角信号POSを出力する。なお、コントロールユニット10では、該クランク角センサ12から入力されるクランク単位角信号POSを一定時間カウントして、或いは、基準信号REFの周期を計測して機関回転速度Nを検出することができるようになっている。
【0024】
また、機関1のウォータージャケット等に臨んで機関水温(水温に限らず、他の部分の機関温度を検出してもよい)TWを検出する機関温度検出手段としての水温センサ14も設けられている。更に、排気マニホールド7に臨んで空燃比センサ15が設けられており、この空燃比センサ15は排気中の特定成分(例えば酸素)濃度を検出し、コントロールユニット10ではこれに基づいて空燃比(或いは所定空燃比に対するリッチ・リーン)を検出できるようになっている。
【0025】
更に、キースイッチ16からは、クランキング開始(始動開始)を検出するための信号としてスタータON信号や、クランキング終了(即ち、始動完了)を検出するための信号としてスタータOFF信号が、コントロールユニット10に入力されるようになっている。
また、A/T変速装置(図示せず)が採用される場合には、シフト位置がニュートラル位置にあるか否かを検出するニュートラルスイッチ(NEUT SW)17が設けられ、この信号もコントロールユニット10に入力されるようになっている。
【0026】
なお、エアコン(図示せず)の作動・非作動を検出するエアコンスイッチ(A/C SW)18や、パワステポンプ(図示せず)の作動・非作動を検出するパワステスイッチ(PWST SW)19や、その他の電気負荷の作動・非作動を検出する電気負荷スイッチ(LOAD SW)20等からの信号も、コントロールユニット10へは入力されている。
【0027】
ところで、コントロールユニット10では、各種センサからの信号を受け、以下のようにして燃料噴射弁5からの燃料供給(噴射)量(駆動パルス幅)を設定するようになっている。
即ち、
エアフローメータ11により検出される吸入空気流量Qと、クランク角センサ12により検出される機関回転速度Nと、に基づいて、基本燃料噴射量(パルス幅)Tp(=K×Q/N,Nは機関回転速度,Kは定数)を求めると共に、運転状態に応じた目標燃空比(増量率)TFBYAを求め、前記Tpと目標燃空比TFBYAとに基づいて、有効燃料噴射量TIPSを求める。
【0028】
なお、前記目標燃空比(増量率)TFBYAは、本実施形態においては、下式により求めるようになっている。
TFBYA=Kas+KTW+KUB+KMR+KHOT +・・・
ここで、Kas;始動及び始動後増量率
KTW;水温増量率(=KTW1×KTW2)
KUB;未燃分増量率(本発明の特徴部分〔追加部分〕である)
KMR;高負荷・高回転増量率
KHOT ;高水温時増量率,・・・等である。
【0029】
ところで、前記水温増量率KTWは、水温増量分KTW1(図5のテーブル参照)と回転補正分KTW2(図6のテーブル参照)〕との掛算により求める従来と同様のものである。一方、前記未燃分増量率KUBは、本発明において初めて採用される機関温度に応じた(暖機中の)回転・負荷変化に起因する未燃分(実空燃比)の変化を補正するためのものである。当該KUBの設定の詳細については、後述する。
【0030】
そして、前記有効燃料噴射量TIPSは、下式により求められる。
TIPS=(Tp+KATHOS)×TFBYA×(α+KBLRC−1)+Ts
ここで、KATHOS;スロットル弁開度変化に応じた加減速時壁流補正量
α;空燃比フィードバック補正係数
KBLRC;空燃比学習補正係数
Ts;電圧補正量(無効噴射パルス幅)である。
【0031】
次に、本実施形態におけるコントロールユニット10が行なう暖機中燃料増量制御ルーチンについて、具体的には、前記未燃分増量率KUBを目標燃空比(増量率)TFBYAの演算に付加させるべく、算出するか否かの判定制御、及び前記未燃分増量率KUBを算出すると判定された場合の当該未燃分増量率KUBの設定制御について、図4のフローチャートに従って説明する。ところで、本発明に係る燃料供給量設定手段、温度補正値設定手段、温度補正値回転補正手段、温度補正値回転・負荷補正手段、燃料供給量補正手段、燃料供給制御手段としての機能は、図4のフローチャートに示すように、当該コントロールユニット10がソフトウェア的に備えるものである。
【0032】
なお、当該ルーチンは、キースイッチ16からスタータON信号が入力されたときに(IGN KEY ONにより)実行開始される。
即ち、
ステップ(図では、Sと記してある。以下同様)1では、キースイッチ16からの信号等に基づいて、スタータ(ST SW)ON→OFFにされたか否か、即ちクランキング(始動)が完了したか否かを判定する。YESであればステップ2へ進み、NOであればYESとなるまで待つ。なお、この際には、従来同様のKasやKTWによる燃料増量補正が行なわれる。
【0033】
ステップ2では、始動時増量、即ち、前記始動及び始動後増量Kas(始動開始からの経過時間等より漸減される増量補正)が0となったか否かを判定する。YESであれば、前記未燃分増量率KUBを目標燃空比(増量率)TFBYAの演算に付加する必要があるか否かを判定すべく、ステップ3へ進む。一方、NOであれば、Kas補正等により機関安定性を高めるべく比較的リッチな混合気が供給されているので、前記未燃分増量率KUBを付加する必要はないとして、Kasが0となるまで待つ。
【0034】
ステップ3では、アイドル判定中か否かを判定する。例えば、アイドル判定は、機関回転速度Nやスロットル弁開度TVO(アイドルスイッチ「IDLE SW」)等に基づいて行なうことができる。NOであれば、アイドル判定中以外であり、回転速度や負荷変動する可能性が高く、前記未燃分増量率KUBを算出すべきと判定し、ステップ4へ進む。一方、YESであれば、アイドル判定中であるとして、他の条件により、前記未燃分増量率KUBを算出するか否かを判定すべく、ステップ5へ進む。
【0035】
ステップ5では、ニュートラルスイッチ(NEUT SW)17がONであるか否かを判定する。NOであれば、機関1と変速装置(図示せず)が連結されており、回転変動や負荷変動の発生の可能性が高いとして、前記未燃分増量率KUBを算出すべきと判定し、ステップ4へ進む。一方、YESであれば、他の条件により、前記未燃分増量率KUBを算出するか否かを判定すべく、ステップ6へ進む。
【0036】
ステップ6では、エアコンスイッチ(A/C SW)18や、パワステスイッチ(PWST SW)19や、電気負荷スイッチ(LOAD SW)20等の信号が入力されているか否かを判定する。何れか1つ入力されてYES判定されれば、回転・負荷変動があるとして、前記未燃分増量率KUBを算出すべきと判定し、ステップ4へ進む。一方、NOであれば、定常的なアイドル運転中(暖機中)であるので、ステップ3へリターンする。
【0037】
なお、ステップ4へ進む場合は、回転・負荷変動が生じる場合であるので、暖機中に機関負荷や機関回転速度が増大した場合の未燃燃料分の増加、即ち実際の筒内空燃比のリーン化を補うために、前記未燃分増量率KUBを、前記目標燃空比(増量率)TFBYAの演算に付加させるべく、当該未燃分増量率KUBを、下式により求める。
【0038】
KUB=KUBTW×KUBTP×KUBN
KUBTW;基本水温増量率(図7の基本水温テーブルTKUBTWの実線を参照して検索等により求める)
KUBTP;負荷補正分(図8のテーブルTKUBTPを参照して検索等により求める)
KUBN;回転補正分(図9のテーブルTKUBNを参照して検索等により求める)
なお、負荷補正分KUBTPと、回転補正分KUBNと、は共に、暖機中に機関負荷や機関回転速度が増大した場合の未燃燃料分の増加、即ち実際の筒内空燃比のリーン化を補うためのものであるので、図8に示したように機関負荷Tpの増加に従って燃料が増量補正されるように、図9に示したように機関回転速度Nの増加に伴って燃料が増量補正されるように設定されている。
【0039】
また、基本水温補正率KUBTWは、図7に示すように設定されている。そして、未燃分増量率KUBを付加して、目標燃空比TFBYA(=Kas+KTW+KUB+KMR+KHOT+・・・)を算出する。
【0040】
そして、前述した式に従い、最終的な有効燃料噴射量(駆動パルス幅)TIPSが算出され、当該有効燃料噴射量TIPSに相当する駆動パルスが、燃料噴射弁5に送られて、気筒毎に所定量に調量された燃料が機関1へ噴射供給されることとなる。なお、未燃分増量率KUBが算出されていない場合は、従来同様に、目標燃空比TFBYA(=Kas+KTW+KMR+KHOT+・・・)に基づいて、前記有効燃料噴射量TIPSが算出され、これに基づいて燃料噴射弁5は駆動されることとなる。
【0041】
ここで、上記の図4のフローを機能ブロック図として表したものを、図10に示す。また、上記図4のフローチャートを実行した場合のタイムチャート(アイドルスイッチがOFFの場合)の一例を、図11に示しておく。
このように、本実施形態によれば、機関水温TWと回転速度Nと機関負荷Tpとに基づいて、機関水温に応じた(暖機中の)燃料増量特性を設定するようにしたので、暖機中に、回転増大、負荷増大等があった場合に、機関1に供給された燃料のうち実際の燃焼に供されない燃料分(未燃燃料)が増大し、実際の筒内空燃比がリーン化してしまうようなことを抑制することができるので、以って暖機中の燃料供給制御を高精度なものとすることができ、延いては運転性、排気性能、燃費性能等を向上させることができる。
【0042】
なお、本実施形態では、機関回転速度Nと、機関負荷Tpと、の両者に基づいて、機関水温に応じた補正量を設定するようにして説明したが、場合によっては、機関回転速度Nと、機関負荷Tpと、の何れか一方を用いて、暖機中の燃料増量特性を(回転速度或いは負荷が増大するに連れて、増量率を増やす方向に)設定するようにしても良い。
【0044】
また、本実施形態では、A/T変速装置を備えた場合について説明したが、M/T変速装置を備えた場合には、図4のフローチャートのステップ5が省略されることは勿論である。以上のように、本実施形態では、機関吸入混合気の空燃比を理論空燃比よりリーン側に設定した場合に、未燃分増量率KUBによる補正を追加するようにし、機関吸入混合気の空燃比を理論空燃比よりリッチ側に設定した場合には、従来同様に、通常のKTWのみによる補正を行なわせるようにしている。
これにより、機関吸入混合気の空燃比を理論空燃比よりリーン側に設定した場合には、暖機中に、回転増大、負荷増大等があった場合に、機関1に供給された燃料のうち実際の燃焼に供されない燃料分(未燃燃料)が増大し、実際の筒内空燃比がリーン化してしまうようなことを抑制することができるので、以って暖機中の燃料供給制御を高精度なものとすることができ、延いては運転性、排気性能、燃費性能等を向上させることができることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明にかかる構成を示すブロック図。
【図2】請求項2に記載の発明にかかる構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態にかかる全体構成を示す図。
【図4】同上実施の形態にかかる暖機中燃料噴射制御ルーチンのフローチャート。
【図5】同上実施の形態にかかるKTW1の検索テーブルの一例を示す図。
【図6】同上実施の形態にかかるKTW2の検索テーブルの一例を示す図。
【図7】同上実施の形態にかかる基本水温増量率KUBTWの検索テーブルの一例を示す図。
【図8】同上実施の形態にかかる負荷補正分KUBTPの検索テーブルの一例を示す図。
【図9】同上実施の形態にかかる回転補正分KUBNの検索テーブルの一例を示す図。
【図10】図4のフローを機能ブロック図化した図。
【図11】図4のフローを実行した場合のタイムチャート。
【図12】暖機中における機関回転速度と機関負荷とが排気空燃比(実際の筒内空燃比)へ与える影響を説明するための図。
Claims (2)
- 運転状態に応じて燃料供給量を設定する燃料供給量設定手段と、
機関温度を検出する機関温度検出手段と、
始動時増量が終了した後の暖機中であって機関吸入混合気の空燃比が理論空燃比よりもリーン側に設定されているときに、前記設定された燃料供給量を機関温度に応じて補正する温度補正値を設定する温度補正値設定手段と、
暖機中の未燃燃料分を補うように、前記温度補正値設定手段により設定された温度補正値を機関回転速度の増大に応じて燃料増量側に補正する温度補正値回転補正手段と、
前記温度補正値回転補正手段により補正された温度補正値に基づいて、前記燃料供給量設定手段により設定された燃料供給量を補正する燃料供給量補正手段と、
前記燃料供給量補正手段により補正された燃料供給量を、燃料供給装置を介して機関に供給する燃料供給制御手段と、
を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置。 - 運転状態に応じて燃料供給量を設定する燃料供給量設定手段と、
機関温度を検出する機関温度検出手段と、
始動時増量が終了した後の暖機中であって機関吸入混合気の空燃比が理論空燃比よりもリーン側に設定されているときに、前記設定された燃料供給量を機関温度に応じて補正する温度補正値を設定する温度補正値設定手段と、
暖機中の未燃燃料分を補うように、前記温度補正値設定手段により設定された温度補正値を機関負荷の増大と機関回転速度の増大とに応じて燃料増量側に補正する温度補正値回転・負荷補正手段と、
前記温度補正値回転・負荷補正手段により補正された温度補正値に基づいて、前記燃料供給量設定手段により設定された燃料供給量を補正する燃料供給量補正手段と、
前記燃料供給量補正手段により補正された燃料供給量を、燃料供給装置を介して機関に供給する燃料供給制御手段と、
を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の燃料供給制御装置。
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