JP5169958B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に係り、詳しくは、内燃機関の吸気通路内に燃料を噴射供給するポート噴射用インジェクタと、前記内燃機関の気筒内に燃料を噴射供給する筒内噴射用インジェクタとを備え、これら各インジェクタから噴射される燃料の噴射割合を機関運転状態に基づいて可変設定する内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
一般に、車載内燃機関のポート噴射用インジェクタにより噴射された燃料の一部は、吸気通路の壁面や吸気バルブの表面に一旦付着するとともに、これが気化することにより燃焼室に供給される。このような吸気通路の壁面や吸気バルブの表面に付着する燃料の量(以下、「壁面付着量」という)は、車両の加速時や減速時のように燃料噴射量が大きく増減するときにそれに伴って変化する。例えば、車両の加速時において吸気量が増大することにより燃料噴射量が増大すると、これに伴い壁面付着量が増大する。そのため、燃焼室に実際に供給される燃料量が要求燃料噴射量に対して一時的に不足し、空燃比が目標空燃比よりもリーンになる傾向にある。一方、車両の減速時において吸気量が減少することにより燃料噴射量が減少すると、これに伴い壁面に付着した燃料が気化するため壁面付着量が減少する。そして、この気化燃料が燃焼室に供給されることにより、燃焼室に実際に供給される燃料量が要求燃料噴射量に対して一時的に多くなり、空燃比が目標空燃比よりリッチになる傾向にある。また、このように壁面付着量が燃料噴射量等に応じて変化する際には応答遅れをもって変化し平衡状態に達するようになる。
そこで従来では、特許文献1に記載されるように、壁面付着量が平衡状態に達するまでの時間を考慮して、図9に示すように、壁面付着量の変化量に相当する燃料量を、機関回転速度や機関水温に基づいて即時補正量とテーリング補正量とに分配し、これら補正量を要求燃料噴射量に対して加算又は減算することにより、燃焼室における空燃比を目標空燃比に一致させようとしている。
特開平5−18289号公報
近年、内燃機関において、吸気通路内に燃料を噴射供給するポート噴射用インジェクタと、内燃機関の筒内に燃料を噴射供給する筒内噴射用インジェクタとを備えたいわゆるデュアルインジェクションシステムを採用するものが実用化されている。こうした内燃機関では、上記各インジェクタから噴射される燃料の噴射割合が機関運転状態に基づいて可変設定される。
ここで、こうした内燃機関では、各インジェクタから噴射される燃料の噴射割合に応じて吸気通路の壁面や吸気バルブの表面の温度(以下、「バルブ温度」という)が変化する。すなわち、図10に示すように、筒内噴射用インジェクタから噴射される燃料の噴射割合(筒内噴射割合)が高いときほど、バルブ温度が上昇する傾向がある。そのため、筒内噴射割合が0%から100%の間で変動するときには、バルブ温度が極めて大きい温度範囲内で変動するようになり、壁面付着量もそれに伴って大きく変動するようになる。
したがって、デュアルインジェクションシステムを採用する内燃機関にあっては、特許文献1に記載されるようなポート噴射用インジェクタが単独で設けられた内燃機関と比較して、バルブ温度が実際に平衡状態に達するのに極めて長い期間(例えば20秒〜30秒)を要することとなり、壁面付着量についてもこうした長い期間をかけて徐々に平衡状態に達する傾向にある。
このため、上記特許文献1に記載されるように、壁面付着量を一定の比率をもって即時補正量とテーリング補正量とに分配しこれらを燃料噴射量に反映させるだけでは、上述したように極めて長い応答遅れ期間をもって変化するそのときどきの壁面付着量に応じて各インジェクタの燃料噴射量を補正することは困難となり、空燃比を適切に制御することができなくなるおそれがある。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポート噴射用インジェクタと筒内噴射用インジェクタとを備える内燃機関にあって、バルブ温度が変化する場合であっても、空燃比を適切に制御することのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の吸気通路内に燃料を噴射供給するポート噴射用インジェクタと、前記内燃機関の気筒内に燃料を噴射供給する筒内噴射用インジェクタとを備え、これら各インジェクタから噴射される燃料の噴射割合を機関運転状態に基づいて可変設定する内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記各インジェクタの燃料噴射態様が変化したとき、その変化前における壁面付着量と前記燃料噴射態様の変化後に平衡状態に達するときにおける壁面付着量との差を総付着量差として算出する総付着量差算出手段と、前記燃料噴射態様の変化前におけるバルブ温度と前記燃料噴射態様の変化後に平衡状態に達するときにおけるバルブ温度との差を総バルブ温度差として算出する総バルブ温度差算出手段と、前記算出される総バルブ温度差に基づいて前記燃料噴射態様の変化後における前記バルブ温度の変化度合を推定し、この変化度合に基づき前記総付着量差の一部を逐次付着量差として逐次算出する逐次付着量差算出手段と、前記燃料噴射態様の変化前後のバルブ温度の乖離度として算出される前記総バルブ温度差の絶対値が所定値より大きいときには、前記逐次付着量差に基づき前記各インジェクタの燃料噴射量を逐次補正し、前記燃料噴射態様の変化前後のバルブ温度の乖離度として算出される前記総バルブ温度差の絶対値が所定値以下であるときには、前記総付着量差算出手段により算出された総付着量差に基づき前記各インジェクタの燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正手段とを備えることを要旨とする。
上記構成では、算出される総バルブ温度差に基づいて燃料噴射態様の変化後におけるバルブ温度の変化度合を推定するとともに、この変化度合に基づき総付着量差の一部を逐次付着量差とし、燃料噴射態様の変化前後のバルブ温度の乖離度として算出される前記総バルブ温度差の絶対値が所定値より大きいときには、この逐次付着量差に基づき各インジェクタの燃料噴射量を逐次補正するようにしている。
したがって、各インジェクタの燃料噴射態様の変化に伴ってバルブ温度が変化する場合であっても、そのバルブ温度の推移及び壁面付着量の推移に適合するように各インジェクタの燃料噴射量を補正することができ、空燃比を適切に制御することができるようになる。
なお、各インジェクタの燃料噴射態様の変化には、総燃料噴射量の変化、各インジェクタの噴射割合の変化、及びそれら双方の変化が含まれる。また、上記壁面付着量は、吸気通路の壁面及び吸気バルブの表面に付着する燃料の量に相当する。また、バルブ温度は、こうした付着燃料が発生する部分の温度、すなわち吸気通路の壁面及び吸気バルブにおける吸気通路側の表面の温度に相当する。
また、前記燃料噴射量補正手段は、前記燃料噴射態様の変化前後のバルブ温度の乖離度として算出される前記総バルブ温度差の絶対値が所定値以下であるときには、前記総付着量差算出手段により算出された総付着量差に基づき前記各インジェクタの燃料噴射量を補正することを要旨とする。
ここで、各インジェクタの燃料噴射態様が変化した場合であっても、この燃料噴射態様の変化前後のバルブ温度の乖離度、すなわち上記総バルブ温度差算出手段により算出される総バルブ温度差の絶対値が比較的小さいときには、この乖離度が大きいときに比較して、燃料噴射態様の変化後において、バルブ温度及び壁面付着量が比較的早期に平衡状態に達するようになる。そのため、こうした乖離度が比較的小さいときには、上述した逐次付着量差を算出することなく、燃料噴射態様の変化前後の総付着量差に基づいて各インジェクタの燃料噴射量の補正量を直接算出したとしても、空燃比のずれが生じにくくなる。
そこで、上記構成では、燃料噴射態様の変化前後のバルブ温度の乖離度として算出される総バルブ温度差の絶対値が所定値以下であるときには、総付着量差に基づき各インジェクタの燃料噴射量を補正するようにしている。したがって、燃料噴射態様の変化前後のバルブ温度の乖離度が小さいときにおける燃料噴射量の補正量の算出に際する処理負担を軽減することができるようになる。
ここで、上述したバルブ温度は、燃焼室における燃焼熱の影響により上昇し、ポート噴射用インジェクタによる燃料噴射や付着燃料の気化、さらに吸気通路を流通する吸気の影響により低下する。そのため、機関回転速度が高いときほど、単位時間あたりの上昇量又は低下量が大きくなる傾向がある。
したがって、請求項に記載の発明によるように、機関回転速度が高いときほど、バルブ温度の変化度合が大きいと推定するとともに、逐次付着量差の絶対値を大きな値として算出することができる。
また、燃料噴射態様の変化前におけるバルブ温度と燃料噴射態様の変化後に平衡状態に達するときにおけるバルブ温度との乖離度が大きいときほど、単位時間あたりのバルブ温度の上昇量又は低下量は大きくなる傾向がある。
したがって、請求項に記載の発明によるように、前記バルブ温度の乖離度が大きいときほど、前記バルブ温度の変化度合が大きいと推定するとともに、前記逐次付着量差の絶対値を大きな値として算出することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記逐次付着量差算出手段により算出された前記逐次付着量差の積算量が前記総付着量差算出手段により算出された前記総付着量差に達する以前に前記各インジェクタの燃料噴射態様が変化したときには、前記総付着量差算出手段は、それまでに算出された前記逐次付着量差の積算量に基づいて今回の燃料噴射態様の変化開始前における前記壁面付着量を算出するとともに、今回の燃料噴射態様の変化による前記総付着量差を算出し、前記総バルブ温度差算出手段は、それまでに推定された前記バルブ温度の変化度合に基づき、今回の燃料噴射態様の変化開始前における前記バルブ温度を算出するとともに、今回の燃料噴射態様の変化による前記総バルブ温度差を算出し、前記逐次付着量差算出手段は、今回の燃料噴射態様の変化による前記総バルブ温度差及び前記総付着量差に基づいて前記逐次付着量差を逐次算出することを要旨とする。
ここで、壁面付着量及びバルブ温度が未だ平衡状態に達していない状態において、さらに燃料噴射態様の変化が生じると、この変化に伴い壁面付着量及びバルブ温度の平衡状態が変化する。
そのため、上記構成では、逐次付着量差の積算量が総付着量差に達する以前に燃料噴射態様の変化がさらに生じたとき、すなわち壁面付着量及びバルブ温度が平衡状態に達する以前に燃料噴射態様の変化がさらに生じたときには、今回の燃料噴射態様の変化による総バルブ温度差及び総付着量差に基づいて逐次付着量差を逐次算出するようにしている。これにより、今回の燃料噴射態様の変化に伴う影響が考慮されて各インジェクタの燃料噴射量が補正されるようになり、たとえ平衡状態に達する前に燃料噴射態様の変化が生じた場合であっても、空燃比が適切に制御されるようになる。
請求項に記載されるように、上述した総バルブ温度差算出手段はこれを、各インジェクタから噴射される燃料の噴射割合の変化が大きいときほど前記バルブ温度の乖離度が大きくなるようにこれを算出する、といった態様をもって具体化することができる。
本発明にかかる内燃機関の燃料噴射制御装置を具体化した一実施形態において、これが適用された内燃機関とその周辺構成を示す模式図。 総燃料噴射量及びポート噴射割合と壁面付着量との関係を示す図。 同実施形態において実行される「燃料噴射量算出処理」の処理手順を示すフローチャート。 機関負荷及び筒内噴射割合とバルブ温度との関係を示す図。 同実施形態において実行される「補正量算出処理」の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態において実行される「逐次付着量差算出処理」の処理手順を示すフローチャート。 バルブ温度の乖離度及び機関回転速度とバルブ温度の変化度合との関係を示す図。 同実施形態において実行される「補正量算出処理」の実行態様を示すタイミングチャート。 従来技術における燃料噴射量の補正態様を示すタイミングチャート。 筒内噴射割合とバルブ温度との関係を示す図。
以下、本発明にかかる内燃機関の燃料噴射制御装置を具体化した一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
図1に示すように、内燃機関10の気筒内には、ピストン11が往復動可能に収容されており、同ピストン11には、コネクティングロッド13を介してクランク軸14が連結されている。このピストン11の頂面と気筒内の内周面とによって区画形成された燃焼室12には、吸気通路16及び排気通路17がそれぞれ接続されている。そして、燃焼室12と吸気通路16との間には吸気バルブ18が設けられ、燃焼室12と排気通路17との間には排気バルブ19が設けられている。
この内燃機関10は、吸気通路16内の吸気バルブ18に向けて燃料を噴射供給するポート噴射用インジェクタ20と、気筒内のピストン11の頂面に向けて燃料を噴射供給する筒内噴射用インジェクタ21とを備えており、いわゆるデュアルインジェクションシステムが採用されている。そして、燃焼室12には、吸気通路16を通じて供給される空気と上記各インジェクタ20,21からそれぞれ噴射供給される燃料との混合気に点火する点火プラグ15が取り付けられている。
内燃機関10における各種制御は、電子制御装置30によって行われる。この電子制御装置30は、機関制御にかかる演算処理を実行する中央処理装置(CPU)、機関制御に必要なプログラムや各種の情報を記憶するためのメモリ、外部との信号の入出力を行うための入力ポート及び出力ポート等を備えている。この入力ポートには、機関運転状態を検出する各種センサが接続されている。こうした各種センサとしては、例えば、クランク軸14の近傍に設けられて機関回転速度NEを検出する機関回転速度センサ31、内燃機関10の機関冷却水温Twを検出する水温センサ32、吸気通路16内の吸気量を検出するエアフロメータ33、運転者による図示しないアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルポジションセンサ34等がある。一方、上記出力ポートには、点火プラグ15、インジェクタ20,21等の駆動回路が接続されている。
そして、電子制御装置30は、上記各種センサから入力された検出信号に基づいて内燃機関10の運転状態を把握し、その把握した運転状態に応じて上記出力ポートに接続された各駆動回路に指令信号を出力する。これにより、上述したポート噴射用インジェクタ20及び筒内噴射用インジェクタ21の燃料噴射態様を機関運転状態に適合させるための燃料噴射制御が実行される。
具体的には、上記燃料噴射態様として、各インジェクタ20,21からそれぞれ噴射供給される燃料噴射量の合計量である総燃料噴射量FIや、上記各インジェクタ20,21の噴射割合R(ポート噴射割合Rp、筒内噴射割合Re)が機関運転状態に基づいて決定される。例えば、アクセルポジションセンサ34により検出されるアクセルペダル踏込量が増大し、これに伴いエアフロメータ33により検出される吸気量が増加すると、この吸気量に応じて燃焼室12に供給されるべき要求燃料噴射量、すなわち総燃料噴射量FIが増加する。さらに、この総燃料噴射量FIが上述したポート噴射割合Rp及び筒内噴射割合Reに応じて分配され、インジェクタ20,21から適切な噴射時期にそれぞれ噴射供給される。これにより、吸気量に応じた総燃料噴射量FIが燃焼室12に供給されて、燃焼室12内の空燃比AFが目標空燃比AFt近傍に制御される。なお、ポート噴射割合Rpは、総燃料噴射量FIに占めるポート噴射用インジェクタ20の噴射量(ポート噴射量PFI)の割合に相当し、筒内噴射割合Reは、総燃料噴射量FIに占める筒内噴射用インジェクタ21の噴射量(筒内噴射量EFI)の割合に相当する。
ここで、ポート噴射用インジェクタ20から噴射された燃料の一部は、吸気通路16の壁面16aや吸気バルブ18の表面18aに一旦付着するとともに、この付着燃料が気化することにより燃焼室12に供給される。こうした吸気通路16の壁面16aや吸気バルブ18の表面18aに付着する燃料の量(壁面付着量QMW)は、上述したような総燃料噴射量FIの変化や各インジェクタ20,21の噴射割合Rの変化、及びそれら双方の変化といった燃料噴射態様の変化に伴い変化する。具体的には、ポート噴射量PFIが増加すると壁面付着量QMWが増加し、ポート噴射量PFIが減少すると壁面付着量QMWが減少する傾向がある。
例えば、図2に示すように、ポート噴射割合Rpが100%であるときにおいて、総燃料噴射量FI(要求燃料噴射量)がX点に示す噴射量FIxからY点に示す噴射量FIyに増加したときには、壁面付着量QMWが付着量QMWxから付着量QMWyに増加する。これにより、燃焼室12に実際に供給される燃料量が総燃料噴射量FIに対して一時的に不足し、空燃比AFが目標空燃比AFtよりもリーンになる。
これに対し、図2に示すY点からX点に総燃料噴射量FI(要求燃料噴射量)が減少したときには、これに伴い壁面に付着した燃料が気化するため、壁面付着量QMWが、付着量QMWyから付着量QMWxに減少する。これにより、燃焼室12に実際に供給される燃料量が総燃料噴射量FIに対して一時的に多くなり、空燃比AFが目標空燃比AFtよりリッチになる傾向にある。
そこで、上記各インジェクタ20,21の各噴射量を決定するべく実行される「燃料噴射量算出処理」では、上述したような燃料噴射態様の変化に伴う空燃比AFのずれが補正される。図3は、本実施形態の電子制御装置30により実行される「燃料噴射量算出処理」の処理手順を示している。同図3に示す一連の処理は、所定のクランク角度(720°CA)毎に実行され、具体的には、内燃機関10の1サイクル(吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程)につき一回実行される。
本処理が開始されると、まず、要求燃料噴射量FIが算出される(ステップS100)。この要求燃料噴射量FIは、上述した総燃料噴射量FIに相当し、エアフロメータ33により検出される吸気量に基づき算出される。
続いて、補正量FMWが読み込まれる(ステップS110)。この補正量FMWは、燃料噴射態様の変化に伴う空燃比AFのずれを補正するべく別のルーチン処理によって算出された補正量であって、壁面付着量QMWが増加するときには、上記ステップS100において算出された要求燃料噴射量FIを増量補正するべく正の値として算出される。一方、壁面付着量QMWが減少するときには、上記ステップS100において算出された要求燃料噴射量FIを減量補正するべく負の値として算出される。この補正量FMWの算出処理は、後に詳述する。
そして、下記(1)式により、補正燃料噴射量FIRが算出される(ステップS120)。

FIR←FI+FMW …(1)

次に、噴射割合R(ポート噴射割合Rp、筒内噴射割合Re)に基づき、ポート噴射量PFI及び筒内噴射量EFIが算出されて(ステップS130)、本処理が終了される。これにより、内燃機関10の1サイクル中に実行されるポート噴射量PFI及び筒内噴射割合Reがそれぞれ算出される。
ところで、壁面付着量QMWは、バルブ温度Tvによっても変化する。このバルブ温度Tvは、付着燃料が発生する部分の温度、すなわち吸気通路16の壁面16a及び吸気バルブ18における吸気通路16側の表面18aの温度に相当する。具体的には、このバルブ温度Tvは、上述した付着燃料の気化に伴い低下し、燃焼室12における燃料熱の影響により上昇する。そのため、筒内噴射割合Reが高いときほど、バルブ温度Tvが上昇する傾向がある。例えば、図4に示すように、筒内噴射割合Reが同図4のA点からB点に上昇すると、これに伴いバルブ温度Tvが上昇する。そして、このようにバルブ温度Tvが上昇すると、付着燃料の気化が促進されるため、壁面付着量QMWもそれに伴って変動するようになる。したがって、筒内噴射割合Reが0%から100%まで変動する本実施形態にあっては、バルブ温度Tvが極めて大きい温度範囲内(例えば図4に示す130〜250℃)で変動するようになり、壁面付着量QMWもそれに伴って大きく変動するようになる。
ここで、燃料噴射態様の変化に伴いバルブ温度Tvが変化するときには、バルブ温度Tvが平衡状態に達するまでに極めて長い期間(例えば20秒〜30秒)を要する場合がある。例えば、先の図2に示すポート噴射割合Rp100%のX点からポート噴射割合Rp50%のZ点に燃料噴射態様が変化するとき、すなわち筒内噴射割合Reが高い割合に変化するときには、燃料噴射態様の変化後、比較的長い期間をかけてバルブ温度Tvが徐々に上昇する。これに伴い、壁面付着量QMWは、付着量QMWx(X点)から付着量QMWz(Z点)に徐々に減少する。
これに対し、図2におけるX点からY点に燃料噴射態様が変化するとき、すなわちポート噴射割合Rpが一定(100%)に保持された状態で総燃料噴射量FIが増量されるときには、バルブ温度Tvの変化を伴わないため、この燃料噴射態様の変化後における壁面付着量QMWは、付着量QMWx(X点)から付着量QMWy(Y点)に比較的早期に収束する。
そこで、本実施形態では、こうした燃料噴射態様の変化に伴うバルブ温度Tvの変化度合を考慮した上で、先の図3に示す「燃料噴射量算出処理」のステップS110における補正量FMWを算出するようにしている。
次に、こうした補正量FMWを算出する処理について、図5〜図7を併せて参照して説明する。図5に示す「補正量算出処理」は、電子制御装置30により所定のクランク角度(720°CA)毎に各々独立して開始される。なお、この電子制御装置30が、総付着量差算出手段、総バルブ温度差算出手段、逐次付着量差算出手段、燃料噴射量補正手段としての機能を備えている。
本処理が開始されると、まず、総付着量差ΔQMWが算出される(ステップS200)。具体的には、下記(2)式に示すように、今回の処理時(以下、「タイミングT1」とする)における機関運転状態に基づき決定される壁面付着量QMWから、その1サイクル(720°CA)前である前回の処理時(以下、「タイミングT0」とする)における壁面付着量QMWi−1が減算されることにより算出される。

ΔQMW←QMW−QMWi−1 …(2)

なお、上記壁面付着量QMWi−1が燃料噴射態様の変化前における壁面付着量QMWi−1に相当し、上記壁面付着量QMWが、燃料噴射態様の変化後に平常状態に達するときにおける壁面付着量QMWに相当する。したがって、上記(2)式により、燃料噴射態様の変化前後の壁面付着量QMWの差である総付着量差ΔQMWが算出される。
上記壁面付着量QMWは、タイミングT1における機関運転状態を示す種々のパラメータ、例えば機関回転速度センサ31により検出される機関回転速度NE、水温センサ32により検出される機関冷却水温Tw、エアフロメータ33により検出される吸気量に応じた機関負荷KL、噴射割合R等に基づき決定される。こうした機関運転状態と壁面付着量QMWとの関係は、予め決定されて電子制御装置30のメモリに記憶されている。
なお、燃料噴射態様の変化に伴い壁面付着量QMWが増加するときには、上記総付着量差ΔQMWは正の値として算出され、壁面付着量QMWが減少するときには、上記総付着量差ΔQMWは負の値として算出される。また、燃料噴射態様の変化が生じなかった場合には、上記総付着量差ΔQMWは「0」と算出される。
次に、総バルブ温度差ΔTvが算出される(ステップS210)。具体的には、下記(3)式に示すように、今回の処理時(タイミングT1)における機関運転状態に基づき決定されるバルブ温度Tvから前回の処理時(タイミングT0)におけるバルブ温度Tvi−1が減算されることにより算出される。

ΔTv←Tv−Tvi−1 …(3)

なお、上記バルブ温度Tvi−1が、燃料噴射態様の変化前におけるバルブ温度Tvi−1に相当し、上記バルブ温度Tvが、燃料噴射態様の変化後に平常状態に達するときにおけるバルブ温度Tvに相当する。したがって、上記(3)式により、燃料噴射態様の変化前後のバルブ温度Tvの差である総バルブ温度差ΔTvが算出される。
上記バルブ温度Tvは、筒内噴射割合Reが高いときほど高くなるように、図4に示す機関負荷KL及び噴射割合Rと、バルブ温度Tvとの関係図に基づき決定される。この図4に示す関係図は、予め決定されて電子制御装置30のメモリに記憶されている。
なお、燃料噴射態様の変化に伴いバルブ温度Tvが上昇するときには、上記総バルブ温度差ΔTvは正の値として算出され、バルブ温度Tvが低下するときには、上記総バルブ温度差ΔTvは負の値として算出される。これにより、筒内噴射割合Reの変化が大きいときほど総バルブ温度差ΔTvの絶対値、すなわち燃料噴射態様の変化前後のバルブ温度Tvの乖離度|ΔTv|が大きくなるように算出される。また、燃料噴射態様の変化が生じなかった場合には、上記総バルブ温度差ΔTvは「0」と算出される。
そして、バルブ温度Tvの乖離度|ΔTv|が所定値αより大きいか(|ΔTv|>α)否かが判定される(ステップS220)。この乖離度|ΔTv|は、上述したように、上記ステップS210において算出された総バルブ温度差ΔTvの絶対値に相当する。また、所定値αは、乖離度|ΔTv|が十分小さく、燃料噴射態様の変化後においてバルブ温度Tvが迅速に平衡状態に達すると判断することのできる値(例えば、20℃)が予め設定されている。
ここで、図4に示すように、燃料噴射態様が変化した場合にあって、その変化の前後において筒内噴射割合Reが同一であるときには(例えば同図4のC点からD点に示すように燃料噴射態様が変化したとき)、たとえ機関負荷KLが変化した場合であっても、こうした燃料噴射態様の変後におけるバルブ温度Tvの乖離度が小さい。そのため、燃料噴射態様の変化後においてバルブ温度Tvは迅速に平衡状態に達する。そこで、本実施形態では、ポート噴射割合Rpが100%(筒内噴射割合Re:0%)に保持された場合であって、機関負荷KLが変動する際に生じるバルブ温度Tvの変動範囲(例えば、20℃)が所定値αとして設定されている。
この判定処理により、乖離度|ΔTv|が所定値α以下である旨(|ΔTv|≦α)判定される場合には(ステップS220:NO)、上記ステップS200で算出された総付着量差ΔQMWが補正量FMWに設定されて(ステップS240)、本処理は終了される。
この場合には、今回の処理時(タイミングT1)における上記壁面付着量QMWが、次回の処理時(以下、「タイミングT2」とする)において、前回の壁面付着量QMWi−1として読み込まれる。
なお、こうして設定された補正量FMWが、先の図3に示す「燃料噴射量算出処理」のステップS110において読み込まれ、各インジェクタ20,21の燃料噴射量に反映される。すなわち、このようにバルブ温度差ΔTvの乖離度|ΔTv|が所定値α以下(|ΔTv|≦α)であるときには、燃料噴射態様の変化前後における壁面付着量QMWの差(総付着量差)ΔQMWが、内燃機関10の1サイクル中、すなわちタイミングT1からタイミングT2の間に実行される燃料噴射において補正される。
一方、上記ステップS220の判定処理により、乖離度|ΔTv|が所定値αよりも大きい旨(|ΔTv|>α)判定される場合には(ステップS220:YES)、燃料噴射態様の変化後においてバルブ温度Tv及び壁面付着量QMWが平衡状態(Tv、QMW)に達するまでに長い期間を要すると判断される。そこで、この場合には、こうした長い期間におけるそのときどきの壁面付着量QMWに応じて各インジェクタ20,21の燃料噴射量を補正するべく、図6に示す「逐次付着量差算出処理」が実行される(ステップS230)。
次に、このステップS230において実行される「逐次付着量差算出処理」の処理手順について図6を参照して説明する。この一連の処理は、上記「補正量算出処理」のサブルーチンとして実行され、ステップS230に移行した後、所定のクランク角度(720°CA)毎に繰り返し実行される。なお、同図6に示す一連の処理の初回処理は、燃料噴射態様が変化した上記タイミングT1から開始されるため、これら一連の処理の初回実行時を、「タイミングT1」として以下説明する。また、以下の説明において「1サイクル」とは、この「逐次付着量差算出処理」の1周期(720°CA)を示す。
本処理が開始されると、まず、初回実行時(タイミングT1)であるか否かが判定される(ステップS300)。そして、初回実行時(タイミングT1)であるときには(ステップS300:YES)、ステップS320に移行する。
ステップS320では、バルブ温度Tvの変化量ΔTvm及びバルブ温度Tvが推定される(ステップS320)。具体的には、所定のクランク角度(720°CA)におけるバルブ温度Tvの実際の変化量ΔTvmが、バルブ温度Tvが上昇する際には正の値として推定され、バルブ温度Tvが低下する際には負の値として推定される。なお、こうした単位時間あたり(1サイクルあたり)の変化量ΔTvmの絶対値|ΔTvm|がバルブ温度Tvの変化度合に相当する。すなわち、この「逐次付着量差算出処理」のn回目実行時(n≧1)におけるバルブ温度TvをTv、その1サイクル前におけるバルブ温度TvをTvn−1とすると、本ステップの処理において下記(4)式に示す変化量ΔTvmが推定される。

ΔTvm=Tv−Tvn−1 …(4)

例えば、初回実行時(タイミングT1)には、この1サイクル前であって燃料噴射態様の変化前であるタイミングT0からこのタイミングT1までの変化量ΔTvmが推定される。なお、初回実行時(n=1)における1サイクル前のバルブ温度Tvn−1は、燃料噴射態様変化前におけるバルブ温度Tvi−1に相当する。
ここで、バルブ温度Tvは、燃焼室12における燃焼熱の影響により上昇し、ポート噴射用インジェクタ20による燃料噴射や付着燃料の気化、さらに吸気通路16を流通する吸気の影響により低下する。そのため、機関回転速度NEが高いときほど、単位時間あたり(1サイクルあたり)の上昇量又は低下量が大きくなり、変化度合|ΔTvm|が大きくなる傾向がある。
また、この変化度合|ΔTvm|が推定される時点の1サイクル前におけるバルブ温度Tvと、その後平衡状態に達するときにおけるバルブ温度(平衡温度)Tvとの乖離度が大きいときほど、変化度合|ΔTvm|が大きくなる傾向がある。すなわち、初回実行時に推定される変化度合|ΔTvm|は、その1サイクル前である燃料噴射態様変化前におけるバルブ温度Tvi−1と平衡温度Tvとの乖離度(総バルブ温度差ΔTvの絶対値)が大きいときほど、大きくなる傾向がある。
さらに、2回目以降の処理時(n回目実行時)に推定される変化度合|ΔTvm|は、その1サイクル前(n−1回目実行時)におけるバルブ温度Tvn−1と平衡温度Tvとの乖離度|Δtv|(=|Tv−Tvn−1|)が大きいときほど、大きくなる傾向がある。
そこで、図7に示すように、機関回転速度NEが高いときほどバルブ温度Tvの変化度合|ΔTvm|が大きくなるともに、乖離度(|ΔTv|,|Δtv|)が大きいときほどバルブ温度Tvの変化度合|ΔTvm|が大きくなるといった、機関回転速度NE及び乖離度(|ΔTv|,|Δtv|)と、バルブ温度Tvの変化度合|ΔTvm|との関係が予め決定されている。同図7に示す関係は、電子制御装置30のメモリに記憶されている。そして、初回実行時における本ステップの処理では、上記ステップS210において算出された総バルブ温度差ΔTvの絶対値である乖離度|ΔTv|と、この初回実行時における機関回転速度NEとに基づいて、変化度合|ΔTvm|が推定され、これにより変化量ΔTvmが推定される。また、2回目以降の処理時(n回目実行時)には、上述した乖離度|Δtv|(=|Tv−Tvn−1|)と、このn回目実行時における機関回転速度NEとに基づいて、変化度合|ΔTvm|が推定され、これにより変化量ΔTvmが推定される。
なお、こうして変化量ΔTvmが推定されると、このときのバルブ温度Tvが下記(5)式により併せて推定される(ステップS320)。

Tv←Tvn−1+ΔTvm …(5)

こうして推定されたバルブ温度Tvが、この次の処理時において、1サイクル前におけるバルブ温度Tvn−1として読み込まれることにより、上記乖離度|Δtv|(=|Tv−Tvn−1|)が算出される。
次に、上記推定された変化量ΔTvmに基づき、逐次付着量差ΔQMWmが算出される(ステップS330)。具体的には、所定のクランク角度(720°CA)における壁面付着量QMWの変化量が、下記(6)式により逐次付着量差ΔQMWmとして算出される。

ΔQMWm←(ΔTvm/ΔTv)・ΔQMW …(6)

例えば、初回実行時(タイミングT1)には、この1サイクル前であって燃料噴射態様の変化前であるタイミングT0からタイミングT1までの壁面付着量QMWの変化量が算出される。これにより、乖離度|ΔTv|が所定値αよりも大きいときには(|ΔTv|>α)、上記ステップS200(図5)において算出された総付着量差ΔQMWの一部が、逐次付着量差ΔQMWmとして算出される。
続いて、算出された逐次付着量差ΔQMWmが補正量FMWに設定される(ステップS340)。こうして設定された補正量FMWが、先の図3に示す「燃料噴射量算出処理」のステップS110において読み込まれ、各インジェクタ20,21の燃料噴射量に反映される。これにより、算出された逐次付着量差ΔQMWmがその直後の1サイクル中、例えば、初回実行時において算出された逐次付着量差ΔQMWmは、このタイミングT1からその1サイクル後のタイミングT2の間に実行される燃料噴射時において補正されるようになる。
次に、壁面付着量QMWが平衡状態に達したか否かについて、下記(7)式に基づき判定される(ステップS350)。

|ΔQMW|>|ΣΔQMWm| …(7)

なお、上記(7)式の左辺の|ΔQMW|は、燃料噴射態様の変化前後の総付着量差ΔQMWの絶対値であって、上記ステップS200において算出された総付着量差ΔQMWにより算出される。また、上記(7)式の右辺の|ΣΔQMWm|は、燃料噴射態様の変化後(タイミングT1以降)において算出された逐次付着量差ΔQMWmの積算量ΣΔQMWmの絶対値であって、上記ステップS310において算出された逐次付着量差ΔQMWmに基づき算出される。
これにより、上記(7)式が成立するとき、すなわち逐次付着量差ΔQMWmの積算値の絶対値(右辺)が、総付着量差ΔQMWの絶対値(左辺)に達しておらず、壁面付着量QMWが平衡状態に達していない旨判定される場合には(ステップS350:YES)、本処理が一旦終了され、ステップS300からの処理が再び実行される。
こうしてステップS300からの処理が再び実行されると、ステップS300における判定処理が否定されるため(ステップS300:NO)、続いて、燃料噴射態様がさらに変化したか否かが判定される(ステップS310)。例えば、タイミングT2において実行される2回目実行時には、タイミングT1からタイミングT2の間において、新たな燃料噴射態様の変化が生じたか否かが判定される。そして、燃料噴射態様が変化していない旨判定される場合には(ステップS310:NO)、上述したステップS320〜ステップS350の処理が順に実行される。こうした処理を通じて、1サイクル毎に算出された逐次付着量差ΔQMWmにより補正量FMWが設定されて、これにより、各インジェクタ20,21の燃料噴射量が逐次補正される。そして、ステップS350の判定処理において、バルブ温度Tv及び壁面付着量QMWが平衡状態に達した旨判定される場合には(ステップS350:NO)、先の図5に示す「補正量算出処理」の一連の処理が終了される。
一方、バルブ温度Tv及び壁面付着量QMWが平衡状態に達していない状態で(ステップS350:YES)、上記ステップS310において燃料噴射態様がさらに変化した旨判定される場合には(ステップS310:YES)、この今回の燃料噴射態様の変化に伴って生じる壁面付着量QMWの変化に応じて各インジェクタ20,21の燃料噴射量の補正をする必要が生じる。
そこで、下記(8)式により壁面付着量QMWが算出される(ステップS360)。この壁面付着量QMWは、今回の燃料噴射態様の変化開始前における壁面付着量QMWに相当し、それまでに算出された逐次付着量差ΔQMWmの積算量ΣΔQMWmが、前回の燃料噴射態様の変化開始前(タイミングT0)における壁面付着量QMWi−1に加算されることにより算出される。

QMW←QMWi−1+ΣQMWm …(8)

さらに、ステップS370において、それまでに推定されたバルブ温度Tvの変化量ΔTvmに基づき、今回の燃料噴射態様の変化開始前におけるバルブ温度Tvが算出される(ステップS370)。具体的には、上記ステップS320において推定された最新のバルブ温度Tvが、バルブ温度Tvとして適用される。
なお、上記ステップS360と同様に、それまでに推定された変化量ΔTvmの積算量ΣΔTvmを、前回の燃料噴射態様の変化開始前(タイミングT0)におけるバルブ温度Tvi−1に加算することにより、バルブ温度Tvを算出することもできる(下記(9)式参照)。

Tv←Tvi−1+ΣTvm …(9)

これにより、先の図5に示す「補正量算出処理」の一連の処理が終了される。
なお、こうして算出された壁面付着量QMW及びバルブ温度Tvは、別に独立して開始される「補正量算出処理」のステップS200,S210において、前回の壁面付着量QMWi−1及び前回のバルブ温度Tvi−1としてそれぞれ読み込まれる。これにより、新たに生じた燃料噴射態様の変化に伴って生じる空燃比のずれを補正するための「補正量算出処理」が実行される。
これに対し、上記ステップS350において平衡状態に達した旨判定された上で(ステップS350:NO)、先の図5に示す「補正量算出処理」の一連の処理が終了された場合には、平衡状態に達したときの壁面付着量QMW及びバルブ温度Tvが、別に独立して開始される「補正量算出処理」のステップS200,S210において、前回の壁面付着量QMWi−1及び前回のバルブ温度Tvi−1としてそれぞれ読み込まれる。
次に、図8を参照して、こうして実行される「補正量算出処理」の概要を説明する。同図8には、タイミングt1において、1回目の燃料噴射態様の変化(A状態からB1状態への変化)が生じ、タイミングt2において、2回目の燃料噴射態様の変化(B1状態からB2状態への変化)が生じた例を示している。具体的には、これら燃料噴射態様の変化は、いずれもポート噴射割合Rpが低下する変化であって、これら燃料噴射態様の変化前後において壁面付着量QMWが増加するとともにバルブ温度Tvが低下する。したがって、この「補正量算出処理」では、正の値として補正量FMWが算出され、各インジェクタ20,21の燃料噴射量は、増量補正される。
なお、同図8(b)、(c)の一点鎖線は、2回目の燃料噴射態様の変化が生じなかったときの壁面付着量QMW及びバルブ温度Tvの変化態様を示しており、2回目の燃料噴射態様が生じない場合には、これら壁面付着量QMW及びバルブ温度Tvは、タイミングt3において平衡状態に達する。また、同図8に示す時間は、実際のスケールとは異なっており、実際は、極めて長い時間をもって(20秒〜30秒)平衡状態に達する。
まず、タイミングt1において1回目の燃料噴射態様の変化が生じると、このタイミングt1から開始される「補正量算出処理」において、同図(b)に示す総付着量差ΔQMWと、同図8(c)に示す総バルブ温度差ΔTvとがそれぞれ算出される。具体的には、燃料噴射態様の変化前における壁面付着量QMWi−1と、燃料噴射態様の変化後に平衡状態に達するとき(タイミングt3)における壁面付着量QMWとの差が総付着量差ΔQMWとして算出される。また、燃料噴射態様の変化前におけるバルブ温度Tvi−1と、燃料噴射態様の変化後に平衡状態に達するとき(タイミングt3)におけるバルブ温度Tvとの差が総バルブ温度差ΔTvとして算出される。
こうして算出された総バルブ温度差ΔTvの絶対値、すなわち1回目の燃料噴射態様の変化前後におけるバルブ温度Tvの乖離度|ΔTv|が所定値αより大きいときには(|ΔTv|>α)、同図8に示すように、壁面付着量QMW及びバルブ温度Tvは、タイミングt3に至るまで、長い時間をもって平衡状態に達するようになる。
そこで、サブルーチンとして実行される「逐次付着量差算出処理」において、燃料噴射態様の変化後におけるバルブ温度Tvの変化量ΔTvmが所定のクランク角度(720°CA)毎に推定され、この推定された変化量ΔTvmに基づき、逐次付着量差ΔQMWmが逐次算出される。
そして、算出された逐次付着量差ΔQMWmは、この算出後に実行される「燃料噴射量算出処理」の補正量FMWとして読み込まれ(図3のステップS110)、各インジェクタ20,21の燃料噴射量に反映される。こうして逐次算出される逐次付着量差ΔQMWmによって補正量FMWが1サイクル毎に更新されることにより、各インジェクタ20,21が逐次補正される。
その後、壁面付着量QMW及びバルブ温度Tvが平衡状態に達するタイミングt3よりも前のタイミングt2において2回目の燃料噴射態様の変化が生じると、この2回目の燃料噴射態様の変化前における壁面付着量QMW及びバルブ温度Tvが算出されて、タイミングt1から開始された「補正量算出処理」が終了される。
そして、このタイミングt2から開始される「補正量算出処理」では、上述したようにこのタイミングt2において算出された壁面付着量QMW及びバルブ温度Tvが、壁面付着量QMWi−1及びバルブ温度Tvi−1として読み込まれる。そして、これら壁面付着量QMWi−1及びバルブ温度Tvi−1と、この2回目の燃料噴射態様の変化後に平衡状態に達するときの壁面付着量QMW及びバルブ温度Tvとの差が、それぞれ総付着量差ΔQMW及び総バルブ温度差ΔTvとして算出される。
これにより、2回目の燃料噴射態様の変化前後におけるバルブ温度Tvの乖離度|ΔTv|が所定値αより大きい場合には(|ΔTv|>α)、この燃料噴射態様の変化後において逐次付着量差ΔQMWmが逐次算出されて、この算出された逐次付着量差ΔQMWmにより燃料噴射量が逐次補正される。
以上説明した本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)総バルブ温度差ΔTvに基づいて燃料噴射態様の変化後におけるバルブ温度Tvの変化量ΔTvm(変化度合)が推定されるとともに、この変化量ΔTvmに基づき総付着量差ΔQMWの一部が逐次付着量差ΔQMWmとして算出され、この逐次付着量差ΔQMWmに基づき各インジェクタ20,21の燃料噴射量が逐次補正される。したがって、各インジェクタの20,21の燃料噴射態様の変化に伴ってバルブ温度Tvが変化する場合であっても、そのバルブ温度Tvの推移及び壁面付着量QMWの推移に適合するように各インジェクタ20,21の燃料噴射量(ポート噴射量PFI及び筒内噴射量EFI)を補正することができ、空燃比AFを適切に制御することができるようになる。
(2)燃料噴射態様の変化前後におけるバルブ温度Tvの乖離度|ΔTv|が所定値α以下であって(|ΔTv|≦α)比較的小さいときには、上述した逐次付着量差ΔQMWmが算出されることなく、総付着量差ΔQMWが補正量FMWとして設定され(ステップS240)、総付着量差ΔQMWに基づき各インジェクタ20,21の燃料噴射量(ポート噴射量PFI及び筒内噴射量EFI)が補正される。したがって、上記乖離度|ΔTv|が小さいときにおける燃料噴射量の補正量FMWの算出に際する処理負担を軽減することができるようになる。
(3)壁面付着量QMW及びバルブ温度Tvが平衡状態に達する以前に燃料噴射態様の変化がさらに生じたときには、この今回の燃料噴射態様の変化による逐次付着量差ΔQMWmが逐次算出される。これにより、今回の燃料噴射態様の変化に伴う影響が考慮されて各インジェクタ20,21の燃料噴射量(ポート噴射量PFI及び筒内噴射量EFI)が補正されるため、たとえ平衡状態に達する前に燃料噴射態様の変化が生じた場合であっても、空燃比AFが適切に制御されるようになる。
(4)機関回転速度NEが高く且つ乖離度(|ΔTv|,|Δtv|)が大きいときほどバルブ温度Tvの変化度合が大きいと推定するとともに、逐次付着量差ΔQMWmの絶対値が大きな値として算出されるため、機関回転速度NEのみ、又は乖離度(|ΔTv|,|Δtv|)のみに基づいて推定される態様と比較して、逐次付着量差ΔQMWmをより精密に算出することができるようになる。
(その他の実施形態)
なお、この発明にかかる内燃機関の燃料噴射制御装置は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施形態を適宜変更した例えば次のような形態で実施することもできる。
・上記各実施形態では、「燃料噴射量算出処理」のステップS110で読み込んだ補正量FMWを1サイクル中において各インジェクタ20,21の燃料噴射量に反映させる例を示した。しかし、こうして読み込まれた補正量FMWを、さらに即時補正量kmw1とテーリング補正量kmw2とに分配した上で数サイクルをもって燃料噴射量に反映するようにしてもよい。具体的には、機関運転状態(例えば機関回転速度NE及び機関水温Tw)に応じて決定した即時補正係数k1(例えば0.4)に基づき、即時補正量kmw1(FMW・k1)を算出して、これを要求燃料噴射量FIに加算することにより補正燃料噴射量FIRを決定する。また、上記補正量FMWから即時補正量kmw1を差し引いた残りの値と、機関運転状態(例えば機関回転速度NE)に応じたテーリング補正係数k2(例えば0.05)に基づき、即時補正量kmw2[FMW(1−k1)・k2]を算出して、これを要求燃料噴射量FIに加算することにより補正燃料噴射量FIRを決定する。その後、(kmw1+Σkmw2)が上記補正量FMWの総量となるまでテーリング補正量kmw2を繰り返し演算する。この場合には、燃料噴射態様の変化後における応答遅れに応じてより適切に燃料噴射量を補正することができるとともに、上記各作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、「燃料噴射量算出処理」、「補正量算出処理」、「逐次付着量差算出処理」のいずれも、所定のクランク角度として720°CA毎に実行する例を示した。しかし、各処理について、他の周期をもって実行するようにしてもよい。また、それぞれ異なる周期をもって実行するようにしてもよい。要するに、壁面付着量QMWの推移を効率よく正確に算出することのできる周期を採用するようにすればよい。この場合であっても、「逐次付着量差算出処理」において、同処理の1周期の間における逐次付着量差ΔQMWmを逐次算出するとともに、「燃料噴射量算出処理」の1周期の間に算出された上記逐次付着量差ΔQMWmの合計量を補正量FMWとしてステップS110において読み込むことにより、上記各作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、図5の「補正量算出処理」のステップS200において、機関運転状態を示す種々のパラメータ、すなわち機関回転速度NE、機関冷却水温Tw、機関負荷KL、噴射割合Rに基づき壁面付着量QMWを決定する例を示したが、さらに他のパラメータを加えて壁面付着量QMWを決定するようにしてもよい。例えば、吸気バルブ18のバルブタイミングを可変とするバルブタイミング可変機構(VVT)が内燃機関10に設けられている場合には、このバルブタイミングについても考慮した上で壁面付着量QMWを決定するようにしてもよい。この場合には、こうした機関運転状態と壁面付着量QMWとの関係を予め電子制御装置30のメモリに記憶するようにすればよい。
・上記実施形態では、図5の「補正量算出処理」のステップS210において、図4に示す関係図を参照することにより、筒内噴射割合Reと機関負荷KLとに基づきバルブ温度Tvを決定する例を示した。しかし、こうした同図4に示す関係図は一例であって、適宜変更してもよい。例えば、同図4には、バルブ温度Tvについて7段階の温度が設定されているが、この段階についてさらに細かく設定したりしてもよい。さらに、筒内噴射割合Reと機関回転速度NEとに基づきバルブ温度Tvを決定する態様や、筒内噴射割合Reと機関回転速度NEと機関負荷KLとに基づきバルブ温度Tvを決定する態様や、筒内噴射割合Reのみに基づきバルブ温度Tvを決定する態様を採用してもよい。この場合には、こうした機関運転状態とバルブ温度Tvとの関係図を予め電子制御装置30のメモリに記憶するようにすればよい。
・さらに、上記ステップS210では、今回の処理時(タイミングT1)における機関運転状態に基づき決定されるバルブ温度Tvから前回の処理時(タイミングT0)におけるバルブ温度Tvi−1を減算することにより総バルブ温度差ΔTvを算出する例を示した。しかし、燃料噴射態様の変化パターンに基づき、総バルブ温度差ΔTvを直接決定するようにしてよい。この場合には、燃料噴射態様の変化パターンと総バルブ温度差ΔTvとの関係を予め電子制御装置30のメモリに記憶するようにすればよい。例えば、「筒内噴射割合Reが0%から50%に変化すると総バルブ温度差ΔTvはX℃である」といった関係を記憶するようにすればよい。
・上記実施形態では、燃料噴射態様の変化前後におけるバルブ温度Tvの乖離度|ΔTv|が所定値α以下であるときには(ステップS220:NO)、「逐次付着量差算出処理」を実行せず「補正量算出処理」を終了する例を示した。しかし、このように乖離度|ΔTv|が所定値α以下であっても、「逐次付着量差算出処理」を実行するようにしてもよい。この場合には、乖離度|ΔTv|が十分小さく、同処理の数サイクル以内に(例えば2サイクル)バルブ温度Tvが早期に平衡状態に達するため、図6のステップS350において平衡状態に達した旨判定され、「補正量算出処理」が短期間で終了される。この場合であっても、上記(1)、(3)〜(4)に示した各作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、図6に示す「逐次付着量差算出処理」のステップS320において、バルブ温度Tvの乖離度(|ΔTv|,|Δtv|)と機関回転速度NEとに基づきバルブ温度Tvの変化度合|ΔTvm|を推定する例を示した。しかし、乖離度及び機関回転速度のいずれか一方に基づき変化度合|ΔTvm|を推定するようにしてもよい。この場合であっても、上記(1)〜(3)に示した各作用効果を奏することができる。
・さらに、上記ステップS320において、燃料噴射態様の変化後における噴射割合Rについても考慮した上で上記変化度合|ΔTvm|を推定するようにしてもよい。すなわち、このように、燃料噴射態様の変化後におけるバルブ温度Tvの変化度合|ΔTvm|に関与する各種パラメータに基づいて変化度合|ΔTvm|を推定するようにすればよい。こうした機関運転状態と変化度合|ΔTvm|との関係については、予め決定されて電子制御装置30のメモリに記憶するようにする。こうして推定された変化度合|ΔTvm|に基づいて逐次付着量差ΔQMWmを算出することにより、上記(1)に示した作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、「逐次付着量差算出処理」において、バルブ温度Tvの変化度合|ΔTvm|を1サイクル毎に推定する例を示したが、こうしたバルブ温度Tvの変化度合の推定方法については適宜変更してもよい。例えば、燃料噴射態様の変化が生じたときに、その変化前から平衡状態に達するまでのバルブ温度Tvの変化度合を予め推定するようにしてもよい。例えば、燃料噴射態様の変化前後における総バルブ温度差ΔTvの大きさと機関運転状態に応じたバルブ温度Tvの推移をマップとして予め記憶するようにすればよい。そして、壁面付着量QMW及びバルブ温度Tvが平衡状態に達するまで、又は燃料噴射態様の変化が生じるまで、予め推定したバルブ温度Tvの変化度合に基づいて逐次付着量差ΔQMWmを算出し、これにより各インジェクタ20,21の燃料噴射量を補正するようにすればよい。このように、総バルブ温度差ΔTvに基づいて燃料噴射態様の変化後におけるバルブ温度Tvの変化度合を推定することにより、少なくとも上記(1)に示した作用効果を奏することができる。
10…内燃機関、11…ピストン、12…燃焼室、13…コネクティングロッド、14…クランク軸、15…点火プラグ、16…吸気通路、16a…壁面、17…排気通路、18…吸気バルブ、18a…表面、19…排気バルブ、20…ポート噴射用インジェクタ、21…筒内噴射用インジェクタ、30…電子制御装置、31…機関回転速度センサ、32…水温センサ、33…エアフロメータ、34…アクセルポジションセンサ。

Claims (5)

  1. 内燃機関の吸気通路内に燃料を噴射供給するポート噴射用インジェクタと、前記内燃機関の気筒内に燃料を噴射供給する筒内噴射用インジェクタとを備え、これら各インジェクタから噴射される燃料の噴射割合を機関運転状態に基づいて可変設定する内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記各インジェクタの燃料噴射態様が変化したとき、その変化前における壁面付着量と前記燃料噴射態様の変化後に平衡状態に達するときにおける壁面付着量との差を総付着量差として算出する総付着量差算出手段と、
    前記燃料噴射態様の変化前におけるバルブ温度と前記燃料噴射態様の変化後に平衡状態に達するときにおけるバルブ温度との差を総バルブ温度差として算出する総バルブ温度差算出手段と、
    前記算出される総バルブ温度差に基づいて前記燃料噴射態様の変化後における前記バルブ温度の変化度合を推定し、この変化度合に基づき前記総付着量差の一部を逐次付着量差として逐次算出する逐次付着量差算出手段と、
    前記燃料噴射態様の変化前後のバルブ温度の乖離度として算出される前記総バルブ温度差の絶対値が所定値より大きいときには、前記逐次付着量差に基づき前記各インジェクタの燃料噴射量を逐次補正し、前記燃料噴射態様の変化前後のバルブ温度の乖離度として算出される前記総バルブ温度差の絶対値が所定値以下であるときには、前記総付着量差算出手段により算出された総付着量差に基づき前記各インジェクタの燃料噴射量を補正する燃料噴射量補正手段とを備える
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記逐次付着量差算出手段は、機関回転速度が高いときほど、前記バルブ温度の変化度合が大きいと推定するとともに、前記逐次付着量差の絶対値を大きな値として算出する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記逐次付着量差算出手段は、前記バルブ温度の乖離度が大きいときほど、前記バルブ温度の変化度合が大きいと推定するとともに、前記逐次付着量差の絶対値を大きな値として算出する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記逐次付着量差算出手段により算出された前記逐次付着量差の積算量が前記総付着量差算出手段により算出された前記総付着量差に達する以前に前記各インジェクタの燃料噴射態様が変化したときには、
    前記総付着量差算出手段は、それまでに算出された前記逐次付着量差の積算量に基づいて今回の燃料噴射態様の変化開始前における前記壁面付着量を算出するとともに、今回の燃料噴射態様の変化による前記総付着量差を算出し、
    前記総バルブ温度差算出手段は、それまでに推定された前記バルブ温度の変化度合に基づき、今回の燃料噴射態様の変化開始前における前記バルブ温度を算出するとともに、今回の燃料噴射態様の変化による前記総バルブ温度差を算出し、
    前記逐次付着量差算出手段は、今回の燃料噴射態様の変化による前記総バルブ温度差及び前記総付着量差に基づいて前記逐次付着量差を逐次算出する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記総バルブ温度差算出手段は、各インジェクタから噴射される燃料の噴射割合の変化が大きいときほど前記バルブ温度の乖離度が大きくなるようにこれを算出する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
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