JP2012021435A - オイル希釈燃料推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、オイル希釈燃料推定装置に関し、ガソリンにアルコールを混合したアルコール混合燃料を使用する場合であっても、オイルを希釈する燃料の量を正確に把握可能なオイル希釈燃料推定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ECU70は、オイル希釈の基本希釈量ODBASEを算定する(ステップ110)。続いて、算定した基本希釈量ODBASEを、エンジン10の運転状態に応じて補正するための各種補正係数を求める。(ステップ110)。続いて、算定した基本希釈量ODBASEを、アルコール混合燃料による蒸発特性の変化に応じて補正するための各種補正係数を求める(ステップ120)。ステップ110,120で求めた補正係数をステップ110で算定した基本希釈量ODBASEに積算してオイル希釈量ODを推定する(ステップ130)。
【選択図】図3

Description

この発明は、オイル希釈燃料推定装置に関し、より詳細には、ガソリンにアルコールを混合したアルコール混合燃料を使用可能な内燃機関に適用されるオイル希釈燃料推定装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、インジェクタから噴射された後にピストンとシリンダとの間から漏れ出してオイルを希釈するガソリン量を推定するオイル希釈燃料推定装置が開示されている。この推定装置においては、機関運転状態に基づいて、このガソリン量の変化に関する補正を行っている。具体的には、シリンダ壁温、機関回転数及び機関負荷からガソリンの増加量を算出し、その一方で、オイル温度及び機関回転数からガソリンの減少量を算出し、これらを加算することで求めた変化量を、前回値に加える補正をしている。これにより、オイルを希釈するガソリン量を、エンジン運転状態に関らず把握することができる。
また、上記特許文献1には、ガソリンにアルコールを混合したアルコール混合燃料を使用可能な内燃機関、いわゆるフレキシブルフューエルビーグル(FFV)にこの推定装置を適用した技術も開示されている。具体的には、上記変化量や、上記変化量を前回値に加算して求めたガソリン量が目標値よりも小さい場合、燃料中のアルコール濃度を推定している。このように、一定条件が満たされた場合にアルコール濃度を推定することで、例えばオイルから蒸発するガソリンの影響が小さい状況でアルコール濃度を推定できる。
特開2004−137953号公報 特開2009−236057号公報 特開2009−191805号公報 特開2009−275632号公報
しかしながら、アルコールは、ガソリン同様オイルに溶解する。そのため、アルコール混合燃料を用いた内燃機関に適用する場合には、ガソリンのみならずアルコールの溶解によるオイル希釈を考慮する必要がある。この点、上記特許文献1においては、何ら考慮されていない。そのため、オイル希釈量の推定に大きな誤差を生じることになるので、例えばオイルから蒸発した燃料が吸気内に吸入された場合には、目標空燃比に対して空燃比が大きくズレることになる。従って、ドライバビリティや排気エミッションの悪化に繋がるおそれがあった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ガソリンにアルコールを混合したアルコール混合燃料を使用する場合であっても、オイルを希釈する燃料の量を正確に把握可能なオイル希釈燃料推定装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、オイル希釈燃料推定装置であって、
アルコールをガソリンに混合した混合燃料を気筒内に噴射可能なインジェクタと、
前記インジェクタから噴射された後にピストンとシリンダとの間から漏れ出してオイルを希釈する前記混合燃料の基本希釈量を、前記インジェクタからの噴霧貫徹力に基づいて算出する手段と、
機関温度、機関回転数及び機関負荷から、噴霧状態にある前記混合燃料の前記オイルへの溶け込みに関連した溶け込み特性値を算出して前記基本希釈量を補正する手段と、
オイル温度及び機関回転数から、オイル希釈状態にある前記混合燃料の前記オイルからの蒸発に関連した蒸発特性値を算出して前記基本希釈量を補正する手段と、
噴霧状態にある前記混合燃料の共沸現象による蒸発特性の変化に関する共沸特性値を算出して、前記基本希釈量を補正する手段と、
オイル希釈状態にある前記混合燃料の共沸現象による蒸発特性の変化に関するオイル内共沸特性値を算出して、前記基本希釈量を補正する手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
オイル温度及びクランクケース圧から、クランクケース内においてオイル希釈状態にある前記混合燃料の前記オイルからの蒸発量に関連したケース内共沸特性値を算出して、前記基本希釈量を補正する手段を更に備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
補正後の前記基本希釈量を、次回時における前記基本希釈量に加算する手段を更に備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、オイルを希釈する混合燃料の基本希釈量をインジェクタからの噴霧貫徹力に基づいて算出し、この基本希釈量を、溶け込み特性値、蒸発特性値、共沸特性値及びオイル内共沸特性値を用いて補正することができる。溶け込み特性値はオイルへ溶け込む混合燃料の量に関するパラメータであり、蒸発特性値はオイルから蒸発する混合燃料の量に関するパラメータである。従って、溶け込み特性値及び蒸発特性値を用いて基本希釈量を補正することにより、機関運転状態に関らずオイル希釈量を推定できる。また、共沸特性値は、共沸現象により蒸発特性が変化する噴霧状態の混合燃料の量に関するパラメータであり、オイル内共沸特性値は、共沸現象により蒸発特性が変化するオイル希釈状態の混合燃料の量に関するパラメータである。従って、共沸特性値及びオイル内共沸特性値を用いて基本希釈量を補正することにより、アルコールの混合による感度係数を加味できる。従って、アルコール混合燃料を使用する場合であっても、オイル希釈量を正確に把握できる。
オイル希釈状態にある混合燃料は、クランクケース内において蒸発する。そのため、その蒸発性は、オイル温度のみならずクランクケース内の圧力によっても影響を受ける。第2の発明によれば、上記基本希釈量を、オイル温度及びクランクケース圧から算出したケース内共沸特性値を用いて補正することができる。従って、第1の発明の共沸特性値によって上記基本希釈量を過度に補正し過ぎることを抑制できるのでオイル希釈量を高精度に把握できる。
第3の発明によれば、補正後の前記基本希釈量を次回時における前記基本希釈量に加算することができる。従って、オイル内に蓄積していくオイル希釈量の高精度な把握を継続して行うことができる。
本発明の実施の形態のシステム構成を説明するための図である。 二成分混合溶液における圧力と温度との関係を表した図である。 実施の形態において、オイル希釈量ODを算出するためにECU70が実行する具体的な算出ルーチンを示した図である。
[システム構成の説明]
以下、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態のシステム構成を説明するための図である。本実施形態のシステムは、内燃機関としてのエンジン10を備えている。エンジン10は、ガソリンで運転可能であるとともに、ガソリンにアルコール(例えば、エタノール)を混合したアルコール混合燃料によっても運転可能になっている。エンジン10は直列四気筒型エンジンであるが、エンジン10の気筒数および気筒配置は特に限定されるものではない。
エンジン10は、内部にピストン12を有するシリンダブロック14を備えている。ピストン12は、クランク機構を介してクランク軸16と接続されている。クランク軸16は、シリンダブロック14の一部をなすクランクケース18の内部に設けられている。クランク軸16の近傍には、クランク角センサ20が設けられている。クランク角センサ20は、クランク軸16の回転角度(クランク角)を検出するように構成されている。また、シリンダブロック14には、エンジン10の冷却水温Twを検出する冷却水温センサ22が設けられている。
クランクケース18の底部には、オイル24を貯留するオイルパン26が設けられている。オイルパン26には、オイル24のオイル温度TOILを検出するオイル温度センサ28が設けられている。また、クランクケース18には、クランクケース18内の圧力PCCを検出するための圧力センサ30が設けられている。
シリンダブロック14の上部にはシリンダヘッド32が組み付けられている。シリンダヘッド32は、シリンダヘッドカバー34により覆われている。ピストン12上面からシリンダヘッド32までの空間は燃焼室36を形成している。シリンダヘッド32には、燃焼室36内に直接、燃料を噴射するインジェクタ38が設けられている。また、シリンダヘッド32には、燃焼室36内の混合気に点火する点火プラグ40が設けられている。また、シリンダヘッド32は、燃焼室36と連通する吸気通路42及び排気通路44を備えている。
吸気通路42の途中にはサージタンク46が設けられている。サージタンク46の上流にはスロットルバルブ48が設けられている。スロットルバルブ48は、スロットルモータ50により駆動される電子制御式のバルブである。スロットルバルブ48は、アクセル開度センサ52により検出されるアクセル開度AAに基づいて駆動されるものである。スロットルバルブ48の近傍には、スロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ54が設けられている。スロットルバルブ48の上流には、エアフロメータ56が設けられている。エアフロメータ56は吸入空気量Gaを検出するように構成されている。一方、排気通路44の途中には、排気ガスを浄化する触媒58が設けられている。触媒58の上流には、排気空燃比を検出するOセンサ60が設けられている。
また、本実施形態のシステムは、ブローバイガスを還元するブローバイガス還元機構を有している。ブローバイガスとは、ピストン12とシリンダ壁面との隙間を通って、すなわち、ピストンリングの背面を通ってクランクケース18内に流れ込むガスである。ブローバイガスは、未燃燃料やオイルミストを含むガスである。このブローバイガス還元機構は、ブローバイガス通路62を備えている。ブローバイガス通路62は、シリンダヘッドカバー34の内部とクランクケース18の内部とを連通するように形成されている。
シリンダヘッドカバー34には、PCV(Positive Crankcase Ventilation)バルブ64が設けられている。PCVバルブ64は、負荷KLが高いほど、ECU70により大きな開度にされる流量制御弁である。PCVバルブ64には、PCV通路66の一端が接続されている。PCV通路66の他端は、サージタンク46よりも下流の吸気通路42と連通している。また、シリンダヘッドカバー34には、PCV通路66とは独立した通路68の一端が接続されている。通路68の他端は、スロットルバルブ48よりも上流の吸気通路42と連通している。
負荷KLが低い場合には、スロットルバルブ48よりも下流の吸入負圧が大きくなるので、ブローバイガスは、通路68を経由してクランクケース18に流入した吸入空気と共に、PCVバルブ64、PCV通路66を経由して燃焼室36に流入する。一方、負荷KLが高い場合には、スロットルバルブ48の上流も下流も同程度の吸入負圧となる。この負圧は、負荷KLが低い場合に比べて低いものの、ブローバイガスの発生が増えてエンジン10内(クランクケース18内)の圧力が高まるため、ブローバイガスはPCV通路66、通路68の双方から吸い出されて燃焼室36に流入する。
また、本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)70を備えている。ECU70の入力側には、上述したクランク角センサ20、冷却水温センサ22、オイル温度センサ28、圧力センサ30、アクセル開度センサ52、スロットル開度センサ54、エアフロメータ56、Oセンサ60その他車両やエンジン10の制御に必要な各種のセンサが接続されている。
一方、ECU70の出力側には、インジェクタ38、点火プラグ40、スロットルバルブ48、PCVバルブ64等を含む各種のアクチュエータが接続されている。ECU70は、上述した各種のセンサによりエンジン10の運転情報を検出し、その検出結果に基づいて各アクチュエータを駆動することにより、エンジン10の運転制御を行う。
[空燃比フィードバック制御]
ECU70によるエンジン10の運転制御の一つに、Oセンサ60の出力に基づく空燃比フィードバック制御がある。空燃比フィードバック制御においては、ECU70は、エアフロメータ56やクランク角センサ20の出力に基づいて1回転当たりの吸入空気量を検出する。また、ECU70は、その吸入空気量に対する目標空燃比を実現する燃料噴射量を、基本燃料噴射量として算出する。
また、ECU70は、この基本燃料噴射量を補正するための補正係数として、空燃比フィードバック係数KFBを算出する。空燃比フィードバック係数KFBは、Oセンサ60によって燃料リッチな排気空燃比が検出されている間は減少方向に更新され、燃料リーンな排気空燃比が検出されている間は増加方向に更新される。従って、排気空燃比が燃料リッチである間は、燃料噴射量を徐々に減少させることができ、排気空燃比が燃料リーンである間は、燃料噴射量を徐々に増加させることができる。このように、ECU70が空燃比フィードバック制御を実行することで、排気空燃比を目標空燃比近傍に維持できる。
[実施の形態の特徴]
燃料は、燃焼室36内での気化促進を目的として噴霧状態でインジェクタ38から噴射される。しかしながら、噴霧状態の燃料がシリンダ壁面に付着した場合には、気化しにくくなる。また、付着した燃料が、ピストンリングを介してクランクケース18側に移動した場合には、オイル希釈の発生原因となる。
オイル希釈が生じた場合には、燃焼室36内で実際に燃焼する燃料量が少なくなるので、排気空燃比が目標空燃比に比べて燃料リーン側に大きくズレてしまう。その一方で、オイルを希釈する燃料がオイルから蒸発し、ブローバイガスと共に燃焼室36内に流入した場合には、燃焼室36内で実際に燃焼する燃料量が多くなるので、排気空燃比が目標空燃比よりも燃料リッチ側に大きくズレてしまう。このように、オイル希釈が生じると空燃比ズレが生じてしまう。
ところで、燃料にアルコール混合燃料を用いた場合には、ガソリンとアルコールの共沸現象によって燃料の蒸発特性が変化する。図2は、二成分混合溶液における圧力と温度との関係を表した図である。図2に示すように、飽和蒸気圧の異なる二成分を混合した溶液においては、一定の幅を有する2相領域が形成される。この2相領域においては、各成分の気液両相が存在し、それらの割合が圧力と温度とで規定されることになる。
図2に示す2相領域が形成されることで、高沸点成分の飽和蒸気圧曲線が高圧・低温側にシフトするので、高沸点成分は相対的に低沸点化する。従って、二成分混合溶液においては、高沸点成分が蒸発し易くなる。ここで、アルコール混合燃料は二成分混合溶液を形成するので、燃料中のアルコールは、ガソリンの低沸点成分の影響を受けて沸点以下でも蒸発することになる。従って、噴霧状態の燃料のシリンダ壁面への付着量が変化する。
また、燃料にアルコール混合燃料を用いた場合、オイル中に溶け込んだガソリンとアルコールの共沸現象によって燃料の蒸発特性が変化する。そのため、噴霧状態の燃料のシリンダ壁面への付着量が変化するのと同様に、オイル希釈状態の燃料の蒸発量も変化する。
これらのことから、燃料にアルコール混合燃料を用いた場合には、単一燃料を用いた場合とは異なった空燃比ズレが生じる可能性がある。そこで、本実施の形態においては、以下の方法により、燃料の蒸発特性の変化を加味した上で、燃料のオイル希釈量ODを算出している。
図3は、本実施の形態において、オイル希釈量ODを算出するためにECU70が実行する具体的な算出ルーチンを示した図である。この算出ルーチンは、インジェクタ38からの燃料噴射タイミング毎に実行されるものとする。
図3に示す算出ルーチンによれば、先ず、ECU70は、空燃比フィードバック係数KFBを読み込む(ステップ100)。上述したように、ECU70は、空燃比フィードバック制御において、Oセンサ60の出力信号を基に空燃比フィードバック係数KFBを算出している。ここで、ガソリンの理論空燃比は14.7付近であるのに対し、エタノールの理論空燃比は9.0付近であるように、ガソリンとアルコールとは理論空燃比が異なる。そのため、アルコール混合燃料をインジェクタ38から噴射した場合、Oセンサ60で検出される実空燃比は、単一燃料を噴射した場合の目標空燃比よりも燃料リッチ側ないしは燃料リーン側にズレることになる。
本実施の形態では、ガソリンの理論空燃比を目標空燃比の初期値に設定している。そのため、Oセンサ60で検出される実空燃比は、この目標空燃比の初期値よりもアルコールの濃度分だけ燃料リッチ側ないしは燃料リーン側にズレることになる。ECU70は、この空燃比ズレとアルコール濃度範囲との関係を示した濃度マップを別途記憶している。そのため、本ステップの処理を実行することにより、ECU70は、アルコールの濃度範囲を絞り込むことができる。
本ステップにおいてECU70が読み込む空燃比フィードバック係数KFBは、このようにして絞り込んだアルコールの濃度範囲が考慮されたものである。例えばエタノールはガソリンよりもエネルギー密度が低いのでので、目標空燃比近傍とするためには、燃料中のエタノール濃度が高いほど燃料噴射量を多くする必要がある。そのため、空燃比フィードバック係数KFBは、燃料中のエタノール濃度が高いほど大きくなるように算出される。
続いて、ECU70は、オイル希釈の基本希釈量ODBASEを算定する(ステップ110)。具体的に、ECU70は、基本燃料噴射量FABASEに空燃比フィードバック係数KFBを積算すること燃料噴射量FAを算出し、算出した燃料噴射量FAを、基本希釈量ODBASEと燃料噴射量FAとの関係を示した基本希釈量マップに適用することで基本希釈量ODBASEを求める。ここで、基本希釈量マップは、噴霧ペネトレーション(貫徹力)係数KPENを燃料噴射量FAに積算することで求まる基本希釈量ODBASEと、燃料噴射量FAとの関係を定めることにより作成したものであり、ECU70内に別途記憶されているものである。また、噴霧ペネトレーション係数KPENは、インジェクタ38の噴射口形状等により決定される値である。一般に、噴霧ペネトレーションが小さいほど燃料の気化が促進されるのでオイル希釈量ODは少なくなる。
続いて、ECU70は、算定した基本希釈量ODBASEを、エンジン10の運転状態に応じて補正するための各種補正係数を求める。先ず、ECU70は、冷却水温センサ22が検出した冷却水温Twを取得し、この冷却水温Twに応じた補正係数KTWを求める。冷却水温Twはシリンダ壁温TCYLと相関があり、シリンダ壁温TCYLは付着した燃料のオイル溶け込み性に影響を及ぼす。具体的に、シリンダ壁温TCYLが低いほど燃料が気化し難くなるのでオイルに溶け込み易くなる。そのため、補正係数KTWは、シリンダ壁温TCYLが低いほど大きな値となるよう設定されている。
続いて、ECU70は、クランク角センサ20が検出した回転角度からエンジン回転数NEを算出し、このエンジン回転数NEに応じた補正係数KNE1を求める。エンジン回転数NEは、冷却水温Tw同様、付着した燃料のオイル溶け込み性に影響を及ぼす。具体的に、エンジン回転数NEが低いほどガス流動が小さく燃料が気化し難くなるのでオイルに溶け込み易くなる。そのため、補正係数KNE1は、エンジン回転数NEが低いほど大きな値となるよう設定されている。
続いて、ECU70は、エアフロメータ56が検出した吸入空気量Ga及びスロットル開度センサ54が検出したスロットル開度TAから負荷KLを求め、この負荷KLに応じた補正係数KKLを求める。負荷KLは、冷却水温Tw同様、付着した燃料のオイル溶け込み性に影響を及ぼす。具体的に、負荷KLが高いほど圧力が高く燃料が気化し難くなるのでオイルに溶け込み易くなる。そのため、補正係数KKLは、負荷KLが高いほど大きな値となるよう設定されている。
続いて、ECU70は、オイル温度センサ28が検出したオイル温度TOILを取得し、このオイル温度TOILに応じた補正係数KTOILを求める。オイル温度TOILは、溶け込んだ燃料の蒸発性に影響を及ぼす。具体的には、オイル温度TOILが高いほど燃料が蒸発し易くなる。そのため、補正係数KTOILは、オイル温度TOILが高いほど大きな値となるよう設定されている。
続いて、ECU70は、クランク角センサ20が検出した回転角度からエンジン回転数NEを算出し、このエンジン回転数NEに応じた補正係数KNE2を求める。エンジン回転数NEは、付着した燃料のオイル溶け込み性だけでなく、溶け込んだ燃料の蒸発性にも影響を及ぼす。具体的には、エンジン回転数NEが高いほどオイルが循環撹拌されるので燃料が蒸発し易くなる。そのため、補正係数KNE2は、エンジン回転数NEが高いほど大きな値となるよう設定されている。
ステップ110に続いて、ECU70は、算定した基本希釈量ODBASEを、アルコール混合燃料による蒸発特性の変化に応じて補正するための各種補正係数を求める(ステップ120)。上述したように、アルコール混合燃料は二成分混合溶液を形成するので、燃料中のアルコールは、ガソリンの低沸点成分の影響を受けて沸点以下でも蒸発する。具体的に、エタノール混合燃料では、エタノールが沸点(約80℃)よりも低い温度で蒸発する。よって、噴霧状態の燃料が蒸発し易くなるので、基本希釈量ODBASEとしては減少することになる。ECU70は、このような蒸発特性の変化に応じた補正係数KVAP1(<1)を求める。
また、上述したように、オイル中に溶け込んだガソリンとアルコールは、ガソリンの低沸点成分の影響を受けて沸点以下でも蒸発する。よって、オイル希釈状態の燃料が蒸発し易くなるので、基本希釈量ODBASEとしては減少することになる。ECU70は、このような蒸発特性の変化に応じたKVAP2(<1)を求める。
続いて、ECU70は、クランクケース18内の蒸発平衡による補正を行う。具体的に、ECU70は、圧力センサ30が検出したクランクケース18内の圧力PCCを取得し、この圧力PCCに応じた補正係数KPCCを求める。上述したように、オイル温度TOILは、溶け込んだ燃料の蒸発性に影響を及ぼす。しかしながら、オイルに溶け込んだ燃料はクランクケース18内において蒸発するため、その蒸発性は、オイル温度TOILのみならず圧力PCCによっても影響を受ける。そこで、ECU70は、圧力PCCに応じた補正係数KPCCを求める。これにより、オイル温度TOILによる過度の補正を抑制する。
ステップ120に続いて、ECU70は、オイル希釈量ODを推定する(ステップ130)。具体的には、ステップ100で算定した基本希釈量ODBASEに、ステップ110で求めた補正係数KTW,KNE,KKL,KTOIL,KNE2、ステップ120で求めた補正係数KVAP1,KVAP2,KPCCを積算する。これにより、基本希釈量ODBASEに対して、エンジン10の運転状態に応じた補正、アルコール混合燃料による蒸発特性の変化に応じた補正、クランクケース18内の蒸発平衡による補正を行うことができるので、オイル希釈量ODを正確に算出することができる。
ステップ130で推定したオイル希釈量ODは、次回の算出ルーチン実行時に、基本希釈量ODBASEに加算される。このようにオイル希釈量ODを加算することで、オイル内に蓄積していく燃料を高精度に推定できる。特に、ショートトリップ運転が繰り返されるような場合には、オイル内に蓄積する燃料が増加する傾向にあるので、空燃比ズレが大きくなる可能性が高い。この点、図3に示す算出ルーチンを用いれば、オイル希釈量ODの推定を継続して行うことができる。従って、ショートトリップ運転が繰り返されるような場合においても、オイル内に蓄積していく燃料を高精度に推定できる。
なお、本実施の形態においては、インジェクタ38からの噴射燃料でエンジン10を駆動するシステムを前提としたが、インジェクタ38の他にエンジン10の吸気ポート内に燃料を噴射するポートインジェクタを更に備えるいわゆるデュアル噴射型システム、エンジン10の他にモーターを搭載したいわゆるハイブリッドシステム、或いはデュアル噴射型システムとハイブリッドシステムとを組み合わせたシステムを前提としてもよい。これらのシステムに本発明を適用する場合には、ポートインジェクタとの噴き分けやモーターアシストによって、インジェクタ38からの燃料噴射量が減少するので、その減少分の補正係数を上記の基本燃料噴射量FABASEに乗算することで、本実施の形態のシステムと同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においては、オイル温度センサ28によってオイル24のオイル温度TOILを検出したが、冷却水温Twをオイル温度TOILとして代用したり、エンジン10の運転状態からオイル温度TOILを推定したりするようにしてもよい。また、上記ハイブリッドシステム等を適用する場合には、エンジン10の間欠運転によりオイル温度OILの低下が生じるので、間欠運転とオイル温度OILとの間には相関があると言える。そのため、エンジン10の間欠運転時間や、その間の燃料噴射量からオイル温度TOILを推定してもよい。
また、本実施の形態においては、圧力センサ30によってクランクケース18内の圧力PCCを検出したが、例えば負荷KL及びエンジン回転数NEといったエンジン10の運転状態からクランクケース18内の圧力PCCを推定してもよい。
10 エンジン
12 ピストン
14 シリンダブロック
18 クランクケース
24 オイル
38 インジェクタ
70 ECU

Claims (3)

  1. アルコールをガソリンに混合した混合燃料を気筒内に噴射可能なインジェクタと、
    前記インジェクタから噴射された後にピストンとシリンダとの間から漏れ出してオイルを希釈する前記混合燃料の基本希釈量を、前記インジェクタからの噴霧貫徹力に基づいて算出する手段と、
    機関温度、機関回転数及び機関負荷から、噴霧状態にある前記混合燃料の前記オイルへの溶け込みに関連した溶け込み特性値を算出して前記基本希釈量を補正する手段と、
    オイル温度及び機関回転数から、オイル希釈状態にある前記混合燃料の前記オイルからの蒸発に関連した蒸発特性値を算出して前記基本希釈量を補正する手段と、
    噴霧状態にある前記混合燃料の共沸現象による蒸発特性の変化に関する共沸特性値を算出して、前記基本希釈量を補正する手段と、
    オイル希釈状態にある前記混合燃料の共沸現象による蒸発特性の変化に関するオイル内共沸特性値を算出して、前記基本希釈量を補正する手段と、
    を備えることを特徴とするオイル希釈燃料推定装置。
  2. オイル温度及びクランクケース圧から、クランクケース内においてオイル希釈状態にある前記混合燃料の前記オイルからの蒸発量に関連したケース内共沸特性値を算出して、前記基本希釈量を補正する手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のオイル希釈燃料推定装置。
  3. 補正後の前記基本希釈量を、次回時における前記基本希釈量に加算する手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載のオイル希釈燃料推定装置。
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