JP2009144613A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Norihisa Nakagawa
徳久 中川
Hiroaki Mizoguchi
紘晶 溝口
Shuntaro Okazaki
俊太郎 岡崎
Koji Ide
宏二 井手
Yasuyuki Tatsumi
康之 巽
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Denso Ten Ltd
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Abstract

【課題】内燃機関の制御装置において、オイル希釈燃料量に基づいてアルコール濃度を高精度に推定することで良好な空燃比制御を可能とする。
【解決手段】内燃機関の運転状態に基づいて燃焼室からオイル貯留室に漏洩してオイルを希釈するオイル希釈燃料量を推定するオイル希釈燃料量推定手段と、オイル希釈燃料量が実フィードバック補正値に与える影響を考慮して混合燃料におけるアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段と、基本燃料噴射量を実フィードバック補正値及びアルコール濃度に応じて補正する燃料噴射量補正手段とを設ける。
【選択図】 図2

Description

燃料にアルコールが混合されたアルコール混合燃料により運転可能な内燃機関の制御装置に関する。
近年、内燃機関にて、燃料性状の異なる複数種類の燃料を用い、それぞれの短所を補って長所を相互補完させる、所謂、多種燃料内燃機関が採用されている。この多種燃料内燃機関が搭載された車両は、一般にフレキシブル燃料自動車(FFV:Flexible Fuel Vehicle)と呼ばれている。その一例としては、ガソリン燃料とエタノール等のアルコール燃料を要求性能に合わせて単独で又は混合して使用し、内燃機関のエミッション性能の向上やガソリン燃料等の化石燃料の消費抑制などのような環境性能の向上を図るものが知られている。
ところで、内燃機関にて、燃料ガスや燃焼ガスなどがピストンとシリンダボアとの隙間からクランクケース内に漏れることで、エンジンオイルを希釈するオイル希釈燃料が多い場合、エンジンオイルから蒸発したブローバイガスには、オイル希釈燃料が含有されることとなり、吸気系に吸入されるオイル希釈燃料が増大する。すると、燃焼室に供給される混合気の空燃比がリッチとなり、燃焼性や排気性能に悪影響を及ぼしてしまう。
そこで、例えば、下記特許文献1に記載されたオイル希釈燃料量推定装置及びそれを用いた内燃機関の制御装置では、エンジンの所定温度領域毎に設定されたオイル希釈燃料指標に応じてオイル希釈燃料量を算出し、この算出されたオイル希釈燃料量に応じて、燃料噴射量を補正するようにしている。
特開2004−197591号公報
上述した従来の内燃機関の制御装置にあっては、オイル希釈燃料量が所定の推定許可希釈量より少ない場合に、アルコール濃度推定を許可している。即ち、エンジンオイルからの蒸発燃料の影響が少ない領域で、アルコール濃度を推定している。この従来の内燃機関の制御装置では、この算出されたオイル希釈燃料量に応じて燃料噴射量を補正しているものの、アルコール濃度に応じて燃料噴射量を補正しておらず、空燃比フィードバック学習を高精度に行うことができない。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、オイル希釈燃料量に基づいてアルコール濃度を高精度に推定することで良好な空燃比制御を可能とする内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の内燃機関の制御装置は、内燃機関の燃焼室または吸気ポートにアルコール燃料とガソリン燃料を噴射可能な燃料噴射手段を有する内燃機関において、前記内燃機関の運転状態に応じて前記燃料噴射手段による基本燃料噴射量を設定する燃料噴射量設定手段と、前記内燃機関の実空燃比を検出する空燃比検出手段と、実空燃比と予め設定された基本空燃比とに基づいて実フィードバック補正値を設定するフィードバック補正値設定手段と、前記内燃機関の運転状態に基づいて燃焼室からオイル貯留室に漏洩してオイルを希釈するオイル希釈燃料量を推定するオイル希釈燃料量推定手段と、オイル希釈燃料量が実フィードバック補正値に与える影響を考慮して燃料におけるアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段と、基本燃料噴射量を実フィードバック補正値及びアルコール濃度に応じて補正する燃料噴射量補正手段と、補正された燃料噴射量に基づいて前記燃料噴射手段を制御する燃料噴射制御手段と、を備えることを特徴とするものである。
本発明の内燃機関の制御装置では、オイル希釈燃料量とオイルの温度に基づいて揮発燃料量を推定する揮発燃料量推定手段を設け、アルコール濃度推定手段は、揮発燃料量に応じて設定される推定フィードバック補正値と実フィードバック補正値との偏差に基づいて燃料におけるアルコール濃度を推定することを特徴としている。
本発明の内燃機関の制御装置では、吸入空気量の変動が予め設定された所定範囲内である定常運転領域を判定する定常運転領域判定手段を設け、前記アルコール濃度推定手段は、定常運転領域にあるときに燃料におけるアルコール濃度を推定することを特徴としている。
本発明の内燃機関の制御装置では、前記アルコール濃度推定手段は、前回推定した燃料におけるアルコール濃度と、今回推定した燃料におけるアルコール濃度との偏差に応じて更新量を限定することを特徴としている。
本発明の内燃機関の制御装置では、実フィードバック補正値の変化量が予め設定された所定値以下に収束したら、前記燃料噴射量補正手段は、基本燃料噴射量の補正を終了することを特徴としている。
本発明の内燃機関の制御装置によれば、内燃機関の運転状態に基づいて燃焼室からオイル貯留室に漏洩してオイルを希釈するオイル希釈燃料量を推定するオイル希釈燃料量推定手段を設けると共に、オイル希釈燃料量が実フィードバック補正値に与える影響を考慮して燃料におけるアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段を設けるので、アルコール濃度を高精度に推定することが可能となり、良好な空燃比制御を行うことができる。
以下に、本発明に係る内燃機関の制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る内燃機関の制御装置を表す概略構成図、図2は、実施例1の内燃機関の制御装置による混合燃料におけるアルコール濃度を推定する制御を表すフローチャート、図3は、混合燃料におけるオイル希釈を説明するための模式図、図4は、アルコール濃度に対する希釈係数を表すグラフ、図5は、アルコール濃度推定領域を説明するためのグラフ、図6は、実施例1の内燃機関の制御装置による制御を表すタイムチャートである。
実施例1の内燃機関の制御装置は、燃料性状の異なる複数種類の燃料、ここでは、アルコールとガソリン燃料、または、アルコール燃料とガソリン燃料とを混合して使用するものである。図1に示すように、シリンダブロック11上にシリンダヘッド12が締結されており、このシリンダブロック11に形成された複数のシリンダボア13にピストン14がそれぞれ上下移動自在に嵌合している。そして、シリンダブロック11の下部にクランクケース15が締結され、このクランクケース15内にクランクシャフト16が回転自在に支持されており、各ピストン14はコネクティングロッド17を介してこのクランクシャフト16にそれぞれ連結されている。
燃焼室18は、シリンダブロック11におけるシリンダボア13の壁面とシリンダヘッド12の下面とピストン14の頂面により構成されており、この燃焼室18は、上部(シリンダヘッド12の下面)の中央部が高くなるように傾斜したペントルーフ形状をなしている。そして、この燃焼室18の上部、つまり、シリンダヘッド12の下面に吸気ポート19及び排気ポート20が対向して形成されており、この吸気ポート19及び排気ポート20に対して吸気弁21及び排気弁22の下端部がそれぞれ位置している。この吸気弁21及び排気弁22は、シリンダヘッド12に軸方向に沿って移動自在に支持されると共に、吸気ポート19及び排気ポート20を閉止する方向(図1にて上方)に付勢支持されている。また、シリンダヘッド12には、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転自在に支持されており、吸気カム及び排気カムが吸気弁21及び排気弁22の上端部に接触している。
なお、図示しないが、クランクシャフト16に固結されたクランクシャフトスプロケットと、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24にそれぞれ固結された各カムシャフトスプロケットとは、無端のタイミングチェーンが掛け回されており、クランクシャフト16と吸気カムシャフト23と排気カムシャフト24が連動可能となっている。
従って、クランクシャフト16に同期して吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が回転すると、吸気カム及び排気カムが吸気弁21及び排気弁22を所定のタイミングで上下移動することで、吸気ポート19及び排気ポート20を開閉し、吸気ポート19と燃焼室18、燃焼室18と排気ポート20とをそれぞれ連通することができる。この場合、この吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24は、クランクシャフト16が2回転(720度)する間に1回転(360度)するように設定されている。そのため、エンジンは、クランクシャフト16が2回転する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程の4行程を実行することとなり、このとき、吸気カムシャフト23及び排気カムシャフト24が1回転することとなる。
また、このエンジンの動弁機構は、運転状態に応じて吸気弁21及び排気弁22を最適な開閉タイミングに制御する吸気可変動弁機構(VVT:Variable Valve Timing-intelligent)25となっている。この吸気可変動弁機構25は、吸気カムシャフト23の軸端部にVVTコントローラ26が設けられて構成され、オイルコントロールバルブ27からの油圧をこのVVTコントローラ26の図示しない進角室及び遅角室に作用させることによりカムスプロケットに対する吸気カムシャフト23の位相を変更し、吸気弁21の開閉時期を進角または遅角することができるものである。この場合、吸気可変動弁機構25は、吸気弁21の作用角(開放期間)を一定としてその開閉時期を進角または遅角する。また、吸気カムシャフト23には、その回転位相を検出するカムポジションセンサ28が設けられている。
吸気ポート19には、吸気マニホールド29を介してサージタンク30が連結され、このサージタンク30に吸気管31が連結されており、この吸気管31の空気取入口にはエアクリーナ32が取付けられている。そして、このエアクリーナ32の下流側にスロットル弁33を有する電子スロットル装置34が設けられている。
排気ポート20には、排気マニホールド35を介して排気管36が連結されており、この排気管36には排気ガス中に含まれる有害物質を浄化処理する三元触媒37及びNOx吸蔵還元型触媒38が装着されている。この三元触媒37は、空燃比(排気空燃比)がストイキのときに排気ガス中に含まれるHC、CO、NOxを酸化還元反応により同時に浄化処理するものである。NOx吸蔵還元型触媒38は、空燃比(排気空燃比)がリーンのときに排気ガス中に含まれるNOxを一旦吸蔵し、排気ガス中の酸素濃度が低下したリッチ燃焼領域またはストイキ燃焼領域にあるときに、吸蔵したNOxを放出し、添加した還元剤としての燃料によりNOxを還元するものである。
吸気管31におけるサージタンク30の下流側と、排気管36における三元触媒37の上流側との間には、排気ガス再循環通路(EGR通路)39が設けられており、このEGR通路39には、EGR弁40とEGRクーラ41が設けられている。また、このEGR通路39におけるEGR弁40より吸気管31側に、EGRガスの温度を検出するEGRガス温度センサ42が設けられている。
シリンダヘッド12には、燃焼室18に直接燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射手段)43が装着されており、このインジェクタ43は、吸気ポート19側に位置して水平上端から下方に所定角度傾斜して配置されている。各気筒に装着されるインジェクタ43はデリバリパイプ44に連結され、このデリバリパイプ44には、高圧燃料供給管45を介して高圧燃料ポンプ46が連結され、この高圧燃料ポンプ46には、低圧燃料供給管47を介して燃料タンク48内の低圧燃料ポンプ(フィードポンプ)49が連結されている。従って、低圧燃料ポンプ49は、燃料タンク48内の燃料を所定の低圧まで加圧して低圧燃料供給管47に供給し、高圧燃料ポンプ46は、低圧燃料供給管47の低圧燃料を所定の高圧まで加圧し、高圧燃料供給管45を介してデリバリパイプ44に供給することができ、インジェクタ43は、デリバリパイプ44内の高圧燃料を燃焼室18に噴射することができる。また、シリンダヘッド12には、燃焼室18の上方に位置して混合気に着火する点火プラグ50が装着されている。
また、内燃機関のシリンダブロック11とスロットル弁33よりも下流側の吸気管31との間には、ブローバイガス循環通路51が設けられており、このブローバイガス循環通路51にはパージ弁52が設けられている。このパージ弁52は、電磁開閉式の一方向一定流量弁である。このブローバイガス循環通路51は内燃機関のクランク室内に発生したブローバイガスを吸気系に排出するものである。従って、燃焼室18などで発生したブローバイガスは、シリンダボア13とピストン14とのピストンリングの合口隙間を通ってクランクケース15内に入り、パージ弁52を開放することで、吸気負圧によりブローバイガス循環通路51を通して吸気管31に吸入される。
車両には、電子制御ユニット(ECU)53が搭載されており、このECU53は、インジェクタ43の燃料噴射タイミングや点火プラグ50の点火時期などを制御可能となっており、検出した吸入空気量、吸気温度、スロットル開度、アクセル開度、エンジン回転数、冷却水温などのエンジン運転状態に基づいて燃料噴射量、噴射時期、点火時期などを決定している。
即ち、吸気管31の上流側にはエアフローセンサ54及び吸気温センサ55が装着され、計測した吸入空気量及び吸気温度をECU53に出力している。電子スロットル装置34にはスロットルポジションセンサ56が設けられ、アクセルペダルにはアクセルポジションセンサ57が設けられており、現在のスロットル開度及びアクセル開度をECU53に出力している。クランクシャフト16にはクランク角センサ58が設けられ、検出したクランク角度をECU53に出力し、ECU53はクランク角度に基づいて各気筒における吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を判別すると共に、エンジン回転数を算出する。また、シリンダブロック11には水温センサ59が設けられており、検出したエンジン冷却水温をECU53に出力している。シリンダブロック11にはノックセンサ60が設けられており、検出したノッキング信号をECU53に出力している。
また、排気管36における三元触媒37より上流側に、空燃比(A/F)センサ61が設けられ、三元触媒37より下流側に、酸素(O)センサ62が設けられている。このA/Fセンサ61及びOセンサ62は、燃焼室18から排気ポート20及び排気マニホールド35を通して排気管36に排気された排気ガスの排気空燃比(酸素量)を検出し、検出した排気空燃比をECU53に出力している。ECU53は、A/Fセンサ61及びOセンサ62が検出した排気空燃比をフィードバックし、エンジン運転状態に応じて設定された目標空燃比と比較することで、燃料噴射量を補正するフィードバック学習補正を実行している。
燃料タンク48には、アルコールとガソリンとの混合燃料が貯留されており、この貯留されている混合燃料の残量を検出する残量センサ63が設けられており、検出した燃料残量をECU53に出力している。また、燃料タンク48には、この燃料タンク48に貯留されている混合燃料におけるアルコール濃度を検出する濃度センサ64が設けられており、検出した混合燃料におけるアルコール濃度をECU53に出力している。
また、ECU53は、エンジン運転状態に基づいて吸気可変動弁機構25を制御可能となっている。即ち、低温時、エンジン始動時、アイドル運転時や軽負荷時には、排気弁22の閉止時期と吸気弁21の開放時期のオーバーラップをなくすことで、排気ガスが吸気ポート19または燃焼室18に吹き返す量を少なくし、燃焼安定及び燃費向上を可能とする。また、中負荷時には、このオーバーラップを大きくすることで、内部EGR率を高めて排ガス浄化効率を向上させると共に、ポンピングロスを低減して燃費向上を可能とする。更に、高負荷低中回転時には、吸気弁21の閉止時期を進角することで、吸気が吸気ポート19に吹き返す量を少なくし、体積効率を向上させる。そして、高負荷高回転時には、吸気弁21の閉止時期を回転数にあわせて遅角することで、吸入空気の慣性力に合わせたタイミングとし、体積効率を向上させる。
更に、ECU53は、エンジン運転状態に基づいてパージ弁52を開閉制御可能となっている。即ち、ECU53は、エンジン運転状態に応じてパージ弁52の開度を変更することで、クランクケース15内に溜まったブローバイガスを吸気負圧によりブローバイガス循環通路51を通して吸気管31に吸入すると共に、その吸入量を調整可能となっている。また、クランクケース15には、エンジンオイルの温度を検出するオイル温度センサ65が設けられており、検出したエンジンオイルの温度をECU53に出力している。
ところで、実施例1の内燃機関は、上述したように、ガソリン燃料にエタノール等のアルコール燃料を所定割合混合したアルコール混合燃料を使用可能なものとなっており、エミッション性能の向上やガソリン燃料等の化石燃料の消費抑制などのような環境性能の向上を図るものとなっている。そして、この内燃機関では、燃焼室18などで発生したブローバイガスが、シリンダボア13とピストン14との隙間を通ってクランクケース15内に入り、ブローバイガス循環通路51を通して吸気管31に吸入される。このとき、エンジンオイルを希釈するオイル希釈燃料が多い場合、エンジンオイルから蒸発したブローバイガスに、オイル希釈燃料が含有されることとなり、吸気系に吸入されるオイル希釈燃料が増大し、空燃比が変動してしまう。そのため、一般的に、オイル希釈燃料を加味した排気空燃比をフィードバックし、目標空燃比とこの排気空燃比とを比較することで、空燃比フィードバック補正値を設定して燃料噴射量を補正している。しかし、ガソリンとアルコールとでは、その燃料性状が大きく異なることから、単にオイル希釈燃料を加味した排気空燃比をフィードバックしただけでは、高精度な空燃比フィードバック制御が困難となる。
そこで、実施例1の内燃機関の制御装置にて、ECU53は、内燃機関の運転状態に応じてインジェクタ43による基本燃料噴射量を設定(燃料噴射量設定手段)し、内燃機関の排気空燃比(実空燃比)と予め設定された基本空燃比とに基づいて実フィードバック学習補正量を設定(フィードバック補正値設定手段)すると共に、内燃機関の運転状態に基づいて燃焼室18からクランクケース(オイル貯留室)15に漏洩してオイルを希釈するオイル希釈燃料量を推定(オイル希釈燃料量推定手段)し、このオイル希釈燃料量が実フィードバック補正量に与える影響を考慮して混合燃料におけるアルコール濃度を推定(アルコール濃度推定手段)し、基本燃料噴射量を実フィードバック補正量及びアルコール濃度に応じて補正(燃料噴射量補正手段)し、補正された燃料噴射量に基づいてインジェクタ43を制御するようにしている。
また、実施例1の内燃機関の制御装置にて、ECU53は、オイル希釈燃料量とオイルの温度に基づいて揮発燃料量を推定(揮発燃料量推定手段)し、揮発燃料量に応じて設定される推定フィードバック補正量と実フィードバック補正量との偏差に基づいて混合燃料におけるアルコール濃度を推定している。
この場合、ECU53は、吸入空気量の変動が予め設定された所定範囲内である定常運転領域を判定(定常運転領域判定手段)し、この定常運転領域にあるときに混合燃料におけるアルコール濃度を推定するようにしている。また、ECU53は、前回推定した混合燃料におけるアルコール濃度と、今回推定した混合燃料におけるアルコール濃度との偏差に応じて更新量を限定するようにしている。更に、ECU53は、実フィードバック補正量の変化量が予め設定された所定値以下に収束したら、基本燃料噴射量の補正を終了するようにしている。
ここで、実施例1の内燃機関の制御装置によるアルコール濃度推定の制御について、図2のフローチャートに基づいて説明する。
本実施例の内燃機関の制御装置によるアルコール濃度推定の制御において、図2に示すように、ステップS11にて、ECU53は、アルコール濃度の学習値(前回値)を取得する。ステップS12にて、ECU53は、筒内への燃料付着量を算出する。この場合、筒内への燃料付着量は、燃料噴射量及び筒内圧等に応じて変動するものであり、燃料噴射量及び筒内圧に応じた筒内燃料付着量のマップとして予め設定することが望ましい。なお、燃料噴射量は、吸入空気量に応じて設定され、筒内圧は、筒内圧センサにより検出されるか、または、エンジン回転数及びエンジン負荷率、エンジン冷却水温に応じて推定される。
そして、ステップS13にて、ECU53は、オイル希釈燃料量Fd、オイル内希釈燃料量SFo、揮発燃料量Feを算出する。ここで、このオイル希釈燃料量Fd、オイル内希釈燃料量SFo、揮発燃料量Feについて簡単に説明する。図3に示すように、燃焼室18の壁面に燃料が付着すると、ここに、上述した燃料の筒内燃料付着量が発生する。この筒内燃料付着量がシリンダボア13とピストン14の隙間を通ってクランクケース15内に入ると、ここに、オイル希釈燃料量Fdが発生する。そして、このオイル希釈燃料量Fdは、クランクケース15内に貯留されているオイルに混入することで、オイル内希釈燃料量SFoが発生し、その一部が蒸発してブローバイガスに混入することで、揮発燃料量Feが発生する。
以下、オイル希釈燃料量Fd、オイル内希釈燃料量SFo、揮発燃料量Feの算出方法について、詳細に説明する。1サイクル当たりの筒内への燃料付着量における所定の割合がオイルに希釈することから、オイル希釈燃料量Fdは、下記数式により算出することができる。
Fd=筒内燃料付着量×K1
ここで、K1は、希釈係数であって、図4に示すように、混合燃料におけるアルコール濃度に対する希釈しやすさを表すものであり、アルコール濃度が高くなるのに伴って大きくなるように設定されている。
また、オイル内に含まれる希釈燃料SFoは、オイルが沸点以上になると気化してブローバイガスを通して吸気系に戻されることから、揮発燃料量Feは、下記数式により算出することができる。
Fe=SFo×K2
ここで、K2は、揮発係数であって、オイル温度及びクランクケース内圧力(オイルパン内圧)の関数で表されるものであり、オイル温度及びクランクケース内圧力が高くなるのに伴って大きくなるように設定されている。
そのため、オイル内に含まれる希釈燃料SFoは、サイクルごとにクランクケース15内に入り込むオイル希釈燃料量Fdの積算値と、オイルから蒸発した燃料がブローバイガスを通して吸気系に戻される揮発燃料量Feを差し引いたものとなり、下記数式により算出することができる。
SFo=SFoi−1+Fd−SFoi−1×K2
これを展開すると、下記数式となる。
SFo=SFoi−1+筒内燃料付着量×K1−SFo×K2
=筒内燃料付着量×K1×(1−K2)i−1
従って、現在の揮発燃料量Feは、下記数式により算出することができる。
Fe=筒内燃料付着量×K1×(1−K2)i−1×K2
なお、iは、今回の算出値、I−1は、前回の算出値である。
ステップS14にて、ECU53は、アルコール濃度の検出条件が成立したかどうかを判定する。このアルコール濃度の検出条件とは、例えば、オイル温度が予め設定された所定以上であるか、つまり、オイルから燃料が蒸発しているかどうかを判定する。この場合、ステップS13で算出した揮発燃料量Feが0以上であるかどうかを判定してもよい。
ここで、アルコール濃度の検出条件が成立していないと判定されたら、何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、アルコール濃度の検出条件が成立したと判定されたら、ステップS15にて、ECU53は、現在のエンジン運転状態が、アルコール濃度を検出するのに適した定常運転領域にあるかどうかを判定する。即ち、図5に示すように、ドライバによるアクセルペダル操作に応じて車両の要求駆動力が変化するため、吸入空気量が変動して車速が変化する。すると、エンジンオイルの温度が上昇し、オイル希釈燃料量Fdが発生することで、オイル内に含まれる希釈燃料SFoが増加すると共に、揮発燃料量Feが増加する。このとき、吸入空気量が大きく変動する領域では、空燃比フィードバック補正量も変動することから、後述する各種の検出精度が低下する。そのため、ここでは、吸入空気量の変動が予め設定された所定範囲内である定常運転領域A1,A2,A3を選択し、この定常運転領域A1,A2,A3にあるときに、各種の検出を実行するようにしている。なお、図5のグラフにて、後述するが、実線で表すものは、実際の数値であり、点線で表すものは、計算で求められた数値である。
この場合、吸入空気量の変動が予め設定された所定範囲内である運転領域を定常運転領域A1,A2,A3としたが、高吸入空気量領域では、揮発燃料量Feによる空燃比フィードバック補正量のずれ量が小さくなることから、検出誤差が大きくなるため、更に、アイドル領域や低車速の低吸入空気量領域である条件を加味して運転領域を定常運転領域とすることが望ましい。
ステップS15にて、現在のエンジン運転状態が定常運転領域A1,A2,A3にないと判定されたら、何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、ここで、現在のエンジン運転状態が定常運転領域A1,A2,A3にあると判定されたら、ステップS16にて、ECU53は、現在の空燃比フィードバック補正量(実空燃比フィードバック補正量)を取得する。この空燃比フィードバック補正量は、前述したように、A/Fセンサ61及びOセンサ62が検出した排気空燃比と、エンジン運転状態に応じて設定された目標空燃比と比較することで算出される。
ステップS17にて、ECU53は、算出された揮発燃料量Feより計算上の空燃比フィードバック補正量を求め、この計算上の空燃比フィードバック補正量と実空燃比フィードバック補正量とのずれ量を推定し、このずれ量に基づいて混合燃料におけるアルコール濃度を推定する。即ち、図6に示すように、エンジンオイルの温度が所定温度以上に上昇し、オイル希釈燃料量Fdが発生することで、オイル内に含まれる希釈燃料SFoが増加(図6実線)し、揮発燃料量Feが増加(図6実線)する。そして、揮発燃料量Feを含んだブローバイガスが吸気系に戻されることから、目標空燃比と実際の排気空燃比がずれ、実際の空燃比フィードバック補正量は燃料噴射量を減量する側に増加(図6実線)する。一方で、オイル希釈燃料量Fdに基づいて希釈燃料SFo及び揮発燃料量Feが算出されるが、これはアルコール濃度が考慮されていないため、図6に点線で表す計算上の希釈燃料SFo及び揮発燃料量Feは、図6に実線で表す実際の希釈燃料SFo及び揮発燃料量Feと相違し、空燃比フィードバック補正量も相違し、空燃比フィードバックずれ量が発生する。
また、ステップS13で算出したオイル内に含まれる希釈燃料SFoと、揮発燃料量Feは、希釈係数K1を用いて算出されることから、図4のグラフから明らかであるように、アルコール濃度に比例したものとなる。そのため、空燃比フィードバックずれ量を図4のグラフに当てはめることで、混合燃料における実際のアルコール濃度を推定することができる。即ち、図4に示すように、アルコール濃度がa%のときの希釈係数を0.1とし、アルコール濃度がb%のときの希釈係数を0.2とすると、アルコール濃度がa%のときの希釈燃料SFo及び揮発燃料量Feを2倍することで、アルコール濃度がb%のときの希釈燃料SFo及び揮発燃料量Feを求めることができる。つまり、算出された揮発燃料量Feより求めた計算上の空燃比フィードバック補正量と、実際の排気空燃比から求めた実空燃比フィードバック補正量とのずれ量から混合燃料におけるアルコール濃度を推定することができる。
ステップS18にて、ECU53は、ステップS11で取得したアルコール濃度学習値(前回推定したアルコール濃度推定値)とステップS17で推定したアルコール濃度推定値との偏差Δadを算出し、ステップS19にて、この偏差Δadが−αと+αとの範囲に入るように、アルコール濃度推定値の更新量を限定、つまり、アルコール濃度推定値を補正する。
また、ステップS20にて、ECU53は、空燃比フィードバック補正量による学習制御が未収束であるかどうかを判定する。即ち、目標空燃比と排気空燃比のとのずれは、オイル希釈燃料量Fdの他に、エアフローセンサ54の検出誤差やインジェクタ43により燃料噴射量誤差などが起因するものがあり、これを排除するために、ECU53は、空燃比フィードバック補正量の変化量が所定範囲に入ったら、空燃比フィードバック補正量が収束したものと判定する。ここで、空燃比フィードバック補正量が収束したと判定されたら、そのままステップS22に移行し、空燃比フィードバック補正量が収束していないと判定されたら、ステップS21にて、偏差Δadが−βと+βとの範囲に入るように、アルコール濃度推定値の更新量を限定、つまり、アルコール濃度推定値を補正する。
そして、ステップS22にて、前回設定したアルコール濃度学習値に偏差Δadを加算することで、アルコール濃度学習値を更新する。その後、ECU53は、基本燃料噴射量を実フィードバック補正量及びアルコール濃度学習値に応じて補正し、補正された燃料噴射量に基づいてインジェクタ43を制御する。
このように実施例1の内燃機関の制御装置にあっては、内燃機関の運転状態に基づいて燃焼室からオイル貯留室に漏洩してオイルを希釈するオイル希釈燃料量を推定するオイル希釈燃料量推定手段と、オイル希釈燃料量が実フィードバック補正量に与える影響を考慮して混合燃料におけるアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段と、基本燃料噴射量を実フィードバック補正量及びアルコール濃度に応じて補正する燃料噴射量補正手段とを設けている。
従って、ECU53は、エンジン運転状態に基づいて燃焼室18からクランクケース15に漏洩してオイルを希釈するオイル希釈燃料量を推定し、このオイル希釈燃料量が実フィードバック補正量に与える影響を考慮して混合燃料におけるアルコール濃度を推定することとなり、アルコール濃度を高精度に推定することが可能となり、良好な空燃比制御を行うことができる。
また、実施例1の内燃機関の制御装置では、オイル希釈燃料量とオイルの温度に基づいて揮発燃料量を推定する揮発燃料量推定手段を設け、アルコール濃度推定手段は、揮発燃料量に応じて設定される推定フィードバック補正量と実フィードバック補正量との偏差に基づいて混合燃料におけるアルコール濃度を推定している。従って、ECU53は、揮発燃料量に応じて算出される推定フィードバック補正量と、検出された実フィードバック補正量とのずれ量に基づいて、混合燃料におけるアルコール濃度を推定することとなり、アルコール濃度を高精度に推定することができる。
また、実施例1の内燃機関の制御装置では、吸入空気量の変動が予め設定された所定範囲内である定常運転領域を判定する定常運転領域判定手段を設け、ECU53は、定常運転領域にあるときに混合燃料におけるアルコール濃度を推定している。従って、空燃比の変化量が大きい運転領域を排除することで、アルコール濃度を高精度に推定することができる。
また、実施例1の内燃機関の制御装置では、ECU53は、前回推定した混合燃料におけるアルコール濃度と、今回推定した混合燃料におけるアルコール濃度との偏差に応じて更新量を限定している。従って、アルコール濃度の更新量を限定することで、急激なアルコール濃度の変化による空燃比フィードバック補正量の変動を抑制し、エンジンの回転変動を抑制することができる。
また、実施例1の内燃機関の制御装置では、ECU53は、実フィードバック補正量の変化量が予め設定された所定値以下に収束したら、基本燃料噴射量の補正を終了している。従って、基本燃料噴射量のずれによる空燃比の変動を排除し、オイル希釈燃料量による空燃比フィードバック補正量のずれを適正に補正することができる。
図7は、本発明の実施例2に係る内燃機関の制御装置による混合燃料におけるアルコール濃度を推定する制御を表すフローチャート、図8は、実施例2の内燃機関の制御装置による制御を表すタイムチャートである。なお、本実施例の内燃機関の制御装置における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の内燃機関の制御装置は、内燃機関の運転状態に基づいて燃焼室18からクランクケース(オイル貯留室)15に漏洩してオイルを希釈するオイル希釈燃料量を推定(オイル希釈燃料量推定手段)し、このオイル希釈燃料量が空燃比に与える影響を考慮して混合燃料におけるアルコール濃度を推定(アルコール濃度推定手段)し、基本燃料噴射量をアルコール濃度に応じて補正(燃料噴射量補正手段)し、補正された燃料噴射量に基づいてインジェクタ43を制御するようにしている。
以下、実施例2の内燃機関の制御装置によるアルコール濃度推定の制御について、図7のフローチャートに基づいて説明する。
本実施例の内燃機関の制御装置によるアルコール濃度推定の制御において、図7に示すように、ステップS31にて、ECU53は、アルコール濃度の学習値(前回値)を取得する。ステップS32にて、ECU53は、筒内への燃料付着量を算出する。そして、ステップS33にて、ECU53は、オイル希釈燃料量Fd、オイル内希釈燃料量SFo、揮発燃料量Feを算出する。このオイル希釈燃料量Fd、オイル内希釈燃料量SFo、揮発燃料量Feの算出方法は、上述した実施例1と同様であるため、説明は使用略する。
ステップS34にて、ECU53は、アルコール濃度の検出条件が成立したかどうか、つまり、オイル温度が予め設定された所定以上であるか、または、ステップS33で算出した揮発燃料量Feが0以上であるかどうかを判定する。ここで、アルコール濃度の検出条件が成立していないと判定されたら、何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、アルコール濃度の検出条件が成立したと判定されたら、ステップS35にて、ECU53は、現在のエンジン運転状態が、アルコール濃度を検出するのに適した定常運転領域にあるかどうかを判定する。
このステップS35にて、現在のエンジン運転状態が定常運転領域にないと判定されたら、何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、ここで、現在のエンジン運転状態が定常運転領域にあると判定されたら、ステップS36にて、ECU53は、A/Fセンサ61またはOセンサ62が検出した現在の排気空燃比を取得する。続いて、ステップS37にて、ECU53は、算出された揮発燃料量Feより計算上の空燃比を求め、この計算上の空燃比と検出した実際の排気空燃比とのずれ量を推定し、このずれ量に基づいて混合燃料におけるアルコール濃度を推定する。
即ち、図8に示すように、エンジンオイルの温度が所定温度以上に上昇し、オイル希釈燃料量Fdが発生することで、オイル内に含まれる希釈燃料SFoが増加(図8実線)し、揮発燃料量Feが増加(図8実線)する。そして、揮発燃料量Feを含んだブローバイガスが吸気系に戻されることから、実際の排気空燃比がリッチ側に変動(図8実線)する。一方で、オイル希釈燃料量Fdに基づいて希釈燃料SFo及び揮発燃料量Feが算出されるが、これはアルコール濃度が考慮されていないため、図8に点線で表す計算上の希釈燃料SFo及び揮発燃料量Feは、図8に実線で表す実際の希釈燃料SFo及び揮発燃料量Feと相違し、空燃比も相違してずれ量が発生する。
また、ステップS33で算出したオイル内に含まれる希釈燃料SFoと、揮発燃料量Feは、希釈係数K1を用いて算出されることから、アルコール濃度に比例したものとなる。そのため、空燃比のずれ量に基づいて混合燃料における実際のアルコール濃度を推定することができる。
ステップS38にて、ECU53は、ステップS31で取得したアルコール濃度学習値(前回推定したアルコール濃度推定値)とステップS37で推定したアルコール濃度推定値との偏差Δadを算出し、ステップS39にて、この偏差Δadが−αと+αとの範囲に入るように、アルコール濃度推定値の更新量を限定、つまり、アルコール濃度推定値を補正する。
また、ステップS40にて、ECU53は、空燃比フィードバック補正量による学習制御が未収束であるかどうかを判定する。ここで、空燃比フィードバック補正量が収束したと判定されたら、そのままステップS42に移行し、空燃比フィードバック補正量が収束していないと判定されたら、ステップS41にて、偏差Δadがーβと+βとの範囲に入るように、アルコール濃度推定値の更新量を限定、つまり、アルコール濃度推定値を補正する。
そして、ステップS42にて、前回設定したアルコール濃度学習値に偏差Δadを加算することで、アルコール濃度学習値を後進する。その後、ECU53は、基本燃料噴射量を実フィードバック補正量及びアルコール濃度学習値に応じて補正し、補正された燃料噴射量に基づいてインジェクタ43を制御する。
このように実施例2の内燃機関の制御装置にあっては、内燃機関の運転状態に基づいて燃焼室からオイル貯留室に漏洩してオイルを希釈するオイル希釈燃料量を推定するオイル希釈燃料量推定手段と、オイル希釈燃料量が空燃比に与える影響を考慮して混合燃料におけるアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段と、基本燃料噴射量を実フィードバック補正量及びアルコール濃度に応じて補正する燃料噴射量補正手段とを設けている。
従って、ECU53は、エンジン運転状態に基づいて燃焼室18からクランクケース15に漏洩してオイルを希釈するオイル希釈燃料量を推定し、このオイル希釈燃料量が検出した排気空燃比に与える影響を考慮して混合燃料におけるアルコール濃度を推定することとなり、アルコール濃度を高精度に推定することが可能となり、良好な空燃比制御を行うことができる。
なお、上述した実施例では、本発明の内燃機関を筒内噴射式エンジンとして説明したが、ポート噴射式エンジンであってもよい。
以上のように、本発明に係る内燃機関の制御装置は、オイル希釈燃料量に基づいてアルコール濃度を高精度に推定することで良好な空燃比制御を可能とするものであり、いずれの内燃機関にも有用である。
本発明の実施例1に係る内燃機関の制御装置を表す概略構成図である。 実施例1の内燃機関の制御装置による混合燃料におけるアルコール濃度を推定する制御を表すフローチャートである。 混合燃料におけるオイル希釈を説明するための模式図である。 アルコール濃度に対する希釈係数を表すグラフである。 アルコール濃度推定領域を説明するためのグラフである。 実施例1の内燃機関の制御装置による制御を表すタイムチャートである。 本発明の実施例2に係る内燃機関の制御装置による混合燃料におけるアルコール濃度を推定する制御を表すフローチャートである。 実施例2の内燃機関の制御装置による制御を表すタイムチャートである。
符号の説明
15 クランクケース(オイル貯留室)
18 燃焼室
19 吸気ポート
20 排気ポート
31 吸気管
34 電子スロットル装置
36 排気管
43 インジェクタ(燃料噴射手段)
48 燃料タンク
50 点火プラグ
53 電子制御ユニット、ECU(燃料噴射量設定手段、フィードバック補正値設定手段、オイル希釈燃料量推定手段、アルコール濃度推定手段、燃料噴射量補正手段、揮発燃料量推定手段、定常運転領域判定手段)
54 エアフローセンサ
58 クランク角センサ
59 水温センサ
64 濃度センサ
65 オイル温度センサ

Claims (5)

  1. 内燃機関の燃焼室または吸気ポートにアルコール燃料とガソリン燃料を噴射可能な燃料噴射手段を有する内燃機関において、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記燃料噴射手段による基本燃料噴射量を設定する燃料噴射量設定手段と、
    前記内燃機関の実空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    実空燃比と予め設定された基本空燃比とに基づいて実フィードバック補正値を設定するフィードバック補正値設定手段と、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて燃焼室からオイル貯留室に漏洩してオイルを希釈するオイル希釈燃料量を推定するオイル希釈燃料量推定手段と、
    オイル希釈燃料量が実フィードバック補正値に与える影響を考慮して燃料におけるアルコール濃度を推定するアルコール濃度推定手段と、
    基本燃料噴射量を実フィードバック補正値及びアルコール濃度に応じて補正する燃料噴射量補正手段と、
    補正された燃料噴射量に基づいて前記燃料噴射手段を制御する燃料噴射制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. オイル希釈燃料量とオイルの温度に基づいて揮発燃料量を推定する揮発燃料量推定手段を設け、アルコール濃度推定手段は、揮発燃料量に応じて設定される推定フィードバック補正値と実フィードバック補正値との偏差に基づいて燃料におけるアルコール濃度を推定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 吸入空気量の変動が予め設定された所定範囲内である定常運転領域を判定する定常運転領域判定手段を設け、前記アルコール濃度推定手段は、定常運転領域にあるときに燃料におけるアルコール濃度を推定することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記アルコール濃度推定手段は、前回推定した燃料におけるアルコール濃度と、今回推定した燃料におけるアルコール濃度との偏差に応じて更新量を限定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の内燃機関の制御装置。
  5. 実フィードバック補正値の変化量が予め設定された所定値以下に収束したら、前記燃料噴射量補正手段は、基本燃料噴射量の補正を終了することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の内燃機関の制御装置。
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