JP4114427B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の可変動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の吸気弁を開閉弁するための動弁装置であって、吸気弁を開弁するタイミング(開弁タイミング)を変更することができるようになっている動弁装置が、特開2001−65375号公報に開示されている。ところで、内燃機関の温度(機関温度)が低くなるにつれて、内燃機関の内部摩擦による出力損失の大きさ(以下、機関フリクション度合と称す)が増大することから、例えば、内燃機関が始動された直後のように機関温度が比較的低いときに、要求されている出力を内燃機関から出力させるためには、比較的大きな機関トルクが必要である。そこで、上記公報では、機関温度が比較的低いときには、吸気弁の開弁タイミングを早めることによって、燃焼室に吸入される空気の量(吸気量)を増大し、これによって、比較的大きな機関トルクを内燃機関から出力させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、要求されるトルク(要求トルク)、或いは、要求される出力(要求出力)を確実に内燃機関から出力させるためには、内燃機関のフリクション度合を考慮して、吸気量を制御する必要がある。ここで、上記公報では、機関フリクション度合を代表するパラメータとして、機関温度を採用しているが、実際には、機関フリクション度合は機関温度以外の要因によっても左右される。
【0004】
そして、このことは、一般的に、内燃機関の燃焼室に吸入される吸気の量を目標量に制御するための制御装置に対する制御量を設定する場合にも当てはまり、また、広くは、内燃機関の燃焼室から排出される排気ガスの量を目標量に制御するための制御装置に対する制御量を設定する場合にも当てはまる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、従来と異なる方法によって、内燃機関の燃焼室に吸入される吸気の量または燃焼室から排出される排気ガスの量が確実に目標量となるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、1番目の発明では、内燃機関の燃焼室に吸入される吸気の量または燃焼室から排出される排気ガスの量を目標量に制御するための制御装置において、内燃機関が、機関に要求されるトルクが一定である条件下で、かつ機関回転数が予め定められた目標機関回転数になるように機関吸気量が制御される回転数制御が実行されているときの機関吸気量に基づいて、機関内部摩擦による出力損失の大きさとして定義される内燃機関のフリクション度合が推定され、該推定されたフリクション度合に基づいて吸気の量または排気ガスの量が目標量となるように制御される。
【0007】
2番目の発明では、1番目の発明において、燃焼室に吸入される吸気の量または燃焼室から排出される排気ガスの量を制御するために吸気弁または排気弁の開弁量または開閉タイミングの少なくとも一方を変更可能な可変動弁装置を具備する。ここで、可変動弁装置は、後述する実施形態において、開弁量変更機構、または、リフトタイミング変更機構に相当する。
【0009】
3番目の発明では、1番目の発明において、燃焼室に吸入される吸気の量を目標量に制御するための吸気量制御装置を具備し、内燃機関の運転条件がアイドリング運転が実行される運転条件にあるときに機関回転数が予め定められた目標機関回転数に維持されるように上記吸気量制御装置の制御量を制御するアイドリング時回転数制御が実行されるようになっており、該アイドリング時回転数制御中における吸気量制御装置の制御量が上記フリクション度合を推定するための内燃機関の制御量として採用される。ここで、予め定められた目標機関回転数は、後述する実施形態において、目標アイドル回転数に相当する。
【0010】
4番目の発明では、3番目の発明において、内燃機関の運転条件がアイドリング運転が実行される運転条件にあるときであっても内燃機関の温度が予め定められた温度よりも低いときには上記アイドリング時回転数制御が実行されずに、燃焼室に吸入される吸気の量が内燃機関の運転を維持するのに最低限必要とされる吸気量として設定された目標最低吸気量となるようにする冷間アイドリング時吸気量制御が実行され、一方、内燃機関の運転条件がアイドリング運転が実行される運転条件であるときに内燃機関の温度が上記予め定められた温度よりも高いときにのみ上記アイドリング時回転数制御が実行されるようにし、冷間アイドリング時吸気量制御中においては上記目標最低吸気量がアイドリング時回転数制御中に推定された内燃機関のフリクション度合に基づいて補正される。
【0011】
5番目の発明では、1〜4番目の発明のいずれか1つにおいて、上記推定されたフリクション度合が内燃機関の温度に基づいて補正される。
6番目の発明では、1〜5番目の発明のいずれか1つにおいて、内燃機関の温度が予め定められた温度よりも高いときに内燃機関の制御量と内燃機関の運転状態とに基づいて内燃機関のフリクション度合が推定される。
【0012】
7番目の発明では、1〜6番目の発明のいずれか1つにおいて、内燃機関の温度が安定したときに内燃機関の制御量と内燃機関の運転状態とに基づいて内燃機関のフリクション度合が推定される。
【0013】
8番目の発明では、1〜7番目の発明のいずれか1つにおいて、内燃機関の温度が予め定められた温度であるときに内燃機関の制御量と内燃機関の運転状態とに基づいて内燃機関のフリクション度合が推定される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を説明する。図1は4ストローク内燃機関を示す全体図である。図1において、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はピストン、4はシリンダヘッド、5は燃焼室、6は吸気弁、7は吸気ポート、8は排気弁、9は排気ポート、10は点火栓、11は燃料噴射弁を夫々示す。吸気ポート7は吸気枝管12を介してサージタンク13に連結される。
【0015】
サージタンク13は吸気ダクト14を介してエアクリーナ15に連結される。吸気ダクト14には、燃焼室5内に吸入される空気の量(吸気量)を検出するためのエアフローメータ16が取り付けられる。また、シリンダブロック2には、内燃機関を冷却するための冷却水の温度を検出するための水温センサ17が取り付けられる。吸気弁6には動弁装置18が連結されており、吸気弁6はこの動弁装置18によって開閉弁せしめられる。また、排気ポート9は排気マニホルド19に連結される。
【0016】
電子制御ユニット30はディジタルコンピュータからなり、双方向性バス31を介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)32、ROM(リードオンリメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備する。アクセルペダル20にはアクセルペダル20の踏込量に比例した出力電圧を発生するトルクセンサ21が接続される。トルクセンサ21の出力電圧はAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、クランク角センサ22は、例えば、クランクシャフトが30度回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスが入力ポート35に入力される。このクランク角センサ22の出力パルスから機関回転数が算出される。
【0017】
さらに、油温センサ23は内燃機関を潤滑するための潤滑油の温度に比例した出力電力を発生し、この出力電力は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。この油温センサ23の出力電力に基づいて、潤滑油の温度が推定される。また、水温センサ17およびエアフローメータ16の出力信号は、対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。
【0018】
一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して点火栓10および燃料噴射弁11に接続され、これら点火栓10および燃料噴射弁11の作動は、電子制御ユニット30によって制御される。
【0019】
次に、動弁装置18について説明する。動弁装置18は、吸気弁6のリフト量と吸気弁の開弁期間に相当する作用角とを同時に変更するための機構を備える。この機構によれば、図2に示したように、吸気弁6のリフト曲線は、図2の曲線Luと図2の曲線Llとの間で連続的に変更可能である。なお、以下の説明では、吸気弁のリフト量と作用角とを合わせて吸気弁の開弁量と称し、上記機構を開弁量変更機構と称す。
【0020】
図2に示した例では、吸気弁6が曲線Luに沿ってリフトせしめられるときには、吸気弁6の開弁量は最も大きく、燃焼室5内に吸入される空気の量(吸気量)は最も多い。一方、図2に示した例では、吸気弁6が曲線Llに沿ってリフトせしめられるときには、吸気弁6の開弁量は最も小さく、吸気量は最も少ない。また、図2に示した例では、吸気弁6が曲線Lmに沿ってリフトせしめられるときには、吸気弁6の開弁量は、最も大きい開弁量と最も小さい開弁量との間の量となり、したがって、吸気量も最も多い吸気量と最も少ない開弁量との間の量となる。
【0021】
また、動弁装置18は、吸気弁6の開弁開始タイミング、すなわち、リフトタイミングを変更するためのリフトタイミング変更機構を備える。このリフトタイミング変更機構によれば、図3に示したように、吸気弁6のリフト曲線は、図3の曲線Laと曲線Lrとの間で連続的に変更可能である。もちろん、図3の曲線La、Lrは図2の曲線Luと曲線Llとの間の曲線のいずれか1つである。
【0022】
図3に示した例では、吸気弁6が曲線Laに沿ってリフトせしめられるときには、吸気弁6のリフトタイミングは最も早い。一方、図3に示した例では、吸気弁6が曲線Lrに沿ってリフトせしめられるときには、吸気弁6のリフトタイミングは最も遅い。また、図3に示した例では、吸気弁6が曲線Lmに沿ってリフトせしめられるときには、吸気弁6のリフトタイミングは、最も早いリフトタイミングと最も遅いリフトタイミングとの間のタイミングとなる。
【0023】
次に、内燃機関の基本的な運転制御について説明する。内燃機関の運転(機関運転)中においては、トルクセンサ21からの出力電圧に基づいて内燃機関に要求されるトルク(要求トルク)が算出されると共に、クランク角センサ22からの出力パルスに基づいて機関回転数が算出される。そして、これら要求トルクと機関回転数とに基づいて、燃焼室5内に吸入すべき空気の量(以下、目標吸気量と称す)が算出される。第1実施形態では、こうした目標吸気量は、図4に示したように、機関回転数Nと要求トルクTとの関係でもってマップの形で予めROM33に記憶されており、機関運転中、このマップから目標吸気量TGaが算出される。
【0024】
斯くして、目標吸気量TGaが算出されると、燃焼室5内に吸入される空気(吸気)の量、具体的には、エアフローメータ16によって検出される吸気量がこの目標吸気量TGaとなるように、動弁装置18の開弁量変更機構によって吸気弁6のリフト曲線が図2の曲線Luと曲線Llとの間で制御せしめられる。詳細には、吸気量が目標吸気量TGaよりも少ないときには、吸気弁6のリフト曲線は図2の曲線Luに近づけられる。一方、吸気量が目標吸気量TGaよりも多いときには、吸気弁6のリフト曲線は図2の曲線Llに近づけられる。
【0025】
また、第1実施形態では、燃焼室5内の空燃比が予め定められた目標空燃比となるように、エアフローメータ16によって検出される吸気量に基づいて、燃料噴射弁11からの燃料噴射量が制御される。詳細には、空燃比が目標空燃比よりも大きく、したがって、空燃比が目標空燃比よりもリーン側にずれているときには、燃料噴射量は増大せしめられる。一方、空燃比が目標空燃比よりも小さく、したがって、空燃比が目標空燃比よりもリッチ側にずれているときには、燃料噴射量は減少せしめられる。
【0026】
さらに、第1実施形態では、燃焼室5内の混合気の圧縮比が最も高くなるように、動弁装置18のリフトタイミング変更機構によって吸気弁6のリフト曲線が図3の曲線Laと曲線Lrとの間で制御せしめられる。詳細には、吸気弁6のリフトタイミングが混合気の圧縮比を最も高めるタイミングよりも早いときには、吸気弁6のリフト曲線は図3の曲線Lrに近づけられ、したがって、吸気弁6のリフトタイミングは遅角せしめられる。一方、吸気弁6のリフトタイミングが混合気の圧縮比を最も高めるタイミングよりも遅いときには、吸気弁6のリフト曲線は図3の曲線Laに近づけられ、したがって、吸気弁6のリフトタイミングは進角せしめられる。
【0027】
ところで、機関運転中に摺動し合う内燃機関の部品間には、フリクション(内部摩擦による出力損失)が生じる。したがって、要求されている出力(要求出力)を内燃機関から出力させるためには、目標吸気量を設定するときに、このフリクション(以下、機関フリクションと称す)分だけ多く目標吸気量を設定しなければならない。しかしながら、要求出力を内燃機関から出力させることができる目標吸気量TGaを実験等によって求めて図4に示したような目標吸気量算出マップを作成すれば、このマップから算出される目標吸気量TGaには、実質的に、機関フリクションが既に反映されている。
【0028】
したがって、機関フリクションが目標吸気量を求めるための実験が行われたときの値(以下、基準値と称す)からずれない限り、図4に示したような実験等から求められたマップから算出される目標吸気量は、内燃機関から要求出力を出力させることができる吸気量である。ところが、実際には、機関運転中に、機関フリクションは大きくなったり小さくなったりするので、吸気量が図4に示したようなマップから算出される目標吸気量に維持されたとしても、内燃機関からは要求出力は出力されないことがある。
【0029】
一般的には、内燃機関の温度(機関温度)が高くなると、内燃機関を潤滑する潤滑油の潤滑特性が向上することから、機関フリクションが小さくなり、一方、機関温度が低くなると、潤滑油の潤滑特性が低下することから、機関フリクションが大きくなることが知られている。したがって、機関温度は機関フリクション度合を代表するパラメータであると言える。
【0030】
しかしながら、実際には、機関フリクションは機関温度以外のパラメータの変動の影響を受けても変動する。例えば、潤滑油が劣化すれば、機関温度が低くなったときの機関フリクションの増大割合が小さくなる。また、機関運転中に摺動し合う内燃機関の部品が摩耗によって磨り減れば、機関フリクションは小さくなり、或いは、場合によっては、大きくなったりする。
【0031】
また、目標吸気量算出マップを予め実験等によって求めるとは言っても、全ての内燃機関について個別に目標吸気量算出マップを求めることは非常に煩雑な作業である。したがって、1つの内燃機関について目標吸気量算出マップを求め、斯くして求められた目標吸気量算出マップを同じタイプの内燃機関に適用することが一般的である。しかしながら、タイプが同じであるとは言っても内燃機関毎に製造精度のバラツキがあるので、タイプが同じ全ての内燃機関に共通の目標吸気量算出マップが適用された場合、要求出力を内燃機関から出力させることができないことがある。
【0032】
そこで、第1実施形態では、機関運転中に、機関フリクションを代表するパラメータとして、機関温度以外のパラメータを採用し、このパラメータから機関フリクション度合を推定し、この機関フリクション度合の推定値に基づいて目標吸気量算出マップを補正するようにしている。詳細には、第1実施形態では、目標吸気量算出マップを作成したときに前提とした機関フリクション度合を基準値とし、機関フリクション度合の推定値がこの基準値よりも大きいほど目標吸気量算出マップから算出される目標吸気量が多くなるように目標吸気量算出マップを補正し、一方、機関フリクション度合の推定値が基準値よりも小さいほど目標吸気量算出マップから算出される目標吸気量が少なくなるように目標吸気量算出マップを補正するようにしている。
【0033】
こうして補正された目標吸気量算出マップから算出される目標吸気量は、機関フリクション度合に応じて補正された吸気量である。したがって、この目標吸気量に吸気量が制御されれば、機関フリクション度合が基準値から変動していたとしても、確実に、要求出力を内燃機関から出力させることができる。
【0034】
ところで、要求トルクが一定となったときに機関回転数が予め定められた一定の機関回転数に維持されるように吸気量を制御する回転数制御が実行されるようになっている場合において、機関フリクション度合がその基準値のままであれば、回転数制御中の吸気量はそのときの要求トルクと機関回転数とに基づいて目標吸気量算出マップから算出される目標吸気量に等しいはずである。
【0035】
そして、機関フリクション度合がその基準値よりも大きくなっていれば、上記回転数制御中の吸気量は目標吸気量算出マップから算出される目標吸気量よりも多くなっているはずであり、その一方で、機関フリクション度合がその基準値よりも小さくなっていれば、上記回転数制御中の吸気量は目標吸気量算出マップから算出される目標吸気量よりも少なくなっているはずである。
【0036】
すなわち、上記回転数制御中の吸気量に基づいて、基準値に対する機関フリクション度合のずれ、すなわち、機関フリクション度合を推定することができる。
【0037】
そこで、第1実施形態では、或る特定の条件が成立したとき、すなわち、要求トルクが一定であるという条件が成立したときに吸気量を制御することによって機関回転数を予め定められた目標機関回転数に維持するための回転数制御が実行されるようになっており、機関フリクションを代表する機関温度以外のパラメータとして、この回転数制御中の吸気量を採用するようにしている。そして、第1実施形態では、回転数制御中の吸気量が目標吸気量算出マップから算出される目標吸気量よりも多いほど機関フリクション度合が基準値よりも大きくなっていると推定し、一方、回転数制御中の吸気量が目標吸気量算出マップから算出される目標吸気量よりも少ないほど機関フリクション度合が基準値よりも小さくなっていると推定する。そして、第1実施形態では、この機関フリクション度合の推定値に基づいて、目標吸気量算出マップを補正する。
【0038】
なお、第1実施形態において、機関フリクションを代表する機関温度以外のパラメータとして、吸気量の代わりに、吸気弁の作用角またはリフト量を採用してもよいし、また、燃焼室5内に吸入される空気の量を制御するためのスロットル弁が吸気ダクト14に配置されている場合においては、このスロットル弁の開度を採用してもよい。
【0039】
ところで、アクセルペダル20の踏込量が零とされ、要求トルクが非常に小さくなったとき(以下、アイドリング運転時と称す)に、吸気量を要求トルクと機関回転数とに基づいて目標吸気量算出マップから算出される目標吸気量に制御していると、機関回転数が極端に小さくなることがあり、この場合、内燃機関の運転が不安定になってしまう。
【0040】
そこで、第1実施形態では、アイドリング運転時において内燃機関を安定して運転させるのに最低限必要な機関回転数を目標機関回転数(以下、目標アイドル回転数と称す)として予め設定しておき、アイドリング運転時には、機関回転数がこの目標アイドル回転数に維持されるように吸気量を制御するアイドリング時回転数制御(以下、IS制御と称す)を実行するようにしている。
【0041】
ところで、アイドリング時回転数制御(IS制御)中においては、要求トルクが一定であるという条件が成立しており且つ吸気量が制御されて機関回転数が予め定められた目標機関回転数に維持されている。
【0042】
したがって、第1実施形態では、機関フリクションに影響を与える機関温度以外のパラメータとしてIS制御中の吸気量が採用される。すなわち、機関フリクション度合がその基準値のままである場合にアイドリング時回転数制御(IS制御)中に燃焼室に吸入されると予想される空気の量(以下、基準量と称す)とIS制御中の吸気量とを比較し、IS制御中の吸気量が基準量よりも多いほど機関フリクション度合がその基準値よりも大きくなっていると推定され、一方、IS制御中の吸気量が基準量よりも少ないほど機関フリクション度合がその基準値よりも小さくなっていると推定される。
【0043】
こうした機関フリクション度合の推定を図5を参照して説明すれば、以下のようになる。すなわち、図5の関係に従うと、IS制御中の吸気量Gaiが基準量Gairよりも大きくなるほど機関フリクション度合Fがその基準値Frよりも大きく推定され、一方、IS制御中の吸気量Gaiが基準量Gairよりも小さくなるほど機関フリクション度合Fが基準値Frよりも小さく推定される。なお、図5の関係では、IS制御中の吸気量Gaiの増大に対する機関フリクション度合Fの増大割合は一定であるが、これ以外の関係に基づいて、IS制御中の吸気量Gaiから機関フリクション度合Fを推定するようにしてもよい。
【0044】
ところで、内燃機関の運転が始動されてから或る一定の時間が経過するまでの間(以下、機関始動時と称す)のように機関温度が非常に低いことがある。このように機関温度が非常に低いときに、アクセルペダル20の踏込量が零とされた場合には、上述したアイドリング時回転数制御(IS制御)を実行して機関回転数を目標アイドル回転数に維持するよりも、内燃機関の運転を維持するのに最低限必要な吸気量を予め設定しておき、吸気量をこの予め設定した吸気量に維持するほうが、内燃機関を安定して運転せしめることができる。
【0045】
そこで、第2実施形態では、アイドリング運転時であって機関温度が予め定められた温度よりも低いとき(以下、冷間運転時と称す)に内燃機関の運転を維持するのに最低限必要な吸気量を目標吸気量(以下、目標最低吸気量と称す)として予め設定しておき、アイドリング運転時であっても冷間運転時(以下、冷間アイドリング運転時と称す)には吸気量を上記目標最低吸気量とする冷間アイドリング時吸気量制御(以下、LI制御と称す)を実行し、一方、アイドリング運転時であって機関温度が上記予め定められた温度よりも高いとき(以下、暖機運転時と称す)にのみIS制御を実行するようにしている。これによれば、内燃機関がより安定して運転せしめられることとなる。なお、第2実施形態において、LI制御中には、機関フリクション度合の推定は行われない。
【0046】
ところで、冷間アイドリング時吸気量制御(LI制御)用の目標最低吸気量を機関フリクション度合に応じて補正すれば、LI制御中において、内燃機関をより安定して運転せしめることができる。
【0047】
そこで、第2実施形態では、上述した実施形態に従って推定される機関フリクション度合の推定値に基づいて、LI制御用の目標最低吸気量算出マップを補正するようにしている。詳細には、機関フリクション度合の推定値がその基準値よりも大きいほど目標最低吸気量マップから算出される目標最低吸気量が多くなるように目標最低吸気量マップを補正し、一方、機関フリクション度合の推定値がその基準値よりも小さいほど目標最低吸気量マップから算出される目標最低吸気量が少なくなるように目標最低吸気量マップを補正するようにしている。これによれば、LI制御中において、内燃機関がより安定して運転せしめられることとなる。また、これによれば、内燃機関が始動された直後の冷間運転時にもLI制御が実行されるので、内燃機関の始動性が向上することとなる。
【0048】
なお、冷間アイドリング時吸気量制御(LI制御)中においては、吸気量が或る一定の吸気量に維持される。このように、吸気量が或る一定の吸気量に維持されている場合において、機関フリクション度合がその基準値からずれていなければ、機関回転数は或る一定の機関回転数になるはずである。そこで、吸気量が或る一定の吸気量に維持されている場合においては、機関回転数から機関フリクション度合を推定するようにしてもよい。
【0049】
また、吸気量が或る一定の吸気量に維持されている場合において、機関フリクション度合がその基準値からずれていなければ、内燃機関のトルクは或る一定の値になるはずである。そこで、吸気量が或る一定の吸気量に維持されている場合においては、内燃機関のトルクから機関フリクション度合を推定するようにしてもよい。
【0050】
次に、図6〜図8に示されている関係を利用した場合における冷間アイドリング時吸気量制御(LI制御)用の目標最低吸気量の設定、LI制御中の吸気弁の目標開弁量の設定、および、LI制御中の吸気弁の目標リフトタイミングの設定の例を説明する。
【0051】
この例では、機関フリクション度合の推定値Fに基づいて図6に示されている関係から冷間アイドリング時吸気量制御(LI制御)用の目標最低吸気量TGailが設定され、ここでは、機関フリクション度合の推定値Fが大きくなるのにほぼ比例して目標最低吸気量TGailは大きく設定される。次いで、斯くして設定された目標最低吸気量TGailに基づいて、図7に示されている関係から吸気弁6の目標開弁量TLが設定され、ここでは、目標最低吸気量TGailが大きくなるのにほぼ比例して吸気弁6の目標開弁量TLが大きく設定される。次いで、斯くして設定された吸気弁6の目標開弁量TLに基づいて、図8に示されている関係から吸気弁6の目標リフトタイミングTTが設定され、ここでは、吸気弁6の目標開弁量が大きくなるのにほぼ比例して目標リフトタイミングTTが進角側に設定される。なお、目標リフトタイミングは、燃焼室5内における混合気の圧縮比が最も高くなるタイミングとされる。
【0052】
なお、図6において、Frは機関フリクション度合の基準値であり、TGailrは機関フリクション度合が基準値Frであるときの目標最低吸気量である。また、図6では、機関フリクション度合の推定値Fの増大に対する目標最低吸気量TGailの増大割合は一定であり、図7では、目標最低吸気量TGailの増大に対する吸気弁の目標開弁量TLの増大割合は目標最低吸気量TGailが大きい領域ほど大きく、図8では、吸気弁の目標開弁量TLの増大に対する吸気弁の目標リフトタイミングTTの進角側への移行割合は吸気弁の目標開弁量TLが大きい領域ほど小さくなる。
【0053】
ところで、上述したように、機関フリクション度合は内燃機関の温度(機関温度)によっても変動するので、アイドリング運転時以外のとき(以下、通常運転時と称す)に機関温度に基づいて目標吸気量算出マップを補正するようにすれば、より確実に、要求出力を内燃機関から出力させることができる。
【0054】
そこで、第3実施形態では、上述した実施形態に従って機関フリクション度合の推定値に基づいて目標吸気量算出マップを補正すると共に、通常運転時においては、機関温度が高くなるほど目標吸気量算出マップから算出される目標吸気量が少なくなるように目標吸気量算出マップを補正し、一方、機関温度が低くなるほど目標吸気量算出マップから算出される目標吸気量が多くなるように目標吸気量算出マップを補正するようにしている。これによれば、より確実に、要求出力が内燃機関から出力されることとなる。
【0055】
もちろん、冷間アイドリング時吸気量制御(LI制御)中に機関温度に基づいて目標最低吸気量算出マップを補正するようにすれば、内燃機関をより安定して運転せしめることができる。
【0056】
そこで、第4実施形態では、上述した実施形態に従って機関フリクション度合の推定値に基づいて目標最低吸気量算出を算出するための目標最低吸気量算出マップを予め作成しておき、LI制御中においては、機関温度が高くなるほど目標最低吸気量算出マップから算出される目標最低吸気量が少なくなるように目標最低吸気量算出マップを補正し、一方、機関温度が低くなるほど目標最低吸気量算出マップから算出される目標最低吸気量が多くなるように目標最低吸気量算出マップを補正するようにしている。これによれば、内燃機関がより安定して運転せしめられることとなる。
【0057】
なお、機関温度は、水温センサ17によって検出される冷却水の温度から推定されてもよいし、油温センサ23によって検出される潤滑油の温度から推定されてもよいし、これら冷却水の温度および潤滑油の温度から推定されてもよい。
【0058】
ところで、機関フリクション度合は機関回転数が大きくなるほど大きくなる。したがって、通常運転時において目標吸気量を設定するときにそのときの機関回転数を考慮すれば、通常運転時に、より確実に、要求出力を内燃機関から出力させることができる。
【0059】
そこで、第5実施形態では、機関回転数に基づいて目標吸気量算出マップを補正するようにしている。詳細には、上述した実施形態に従って機関フリクション度合の推定値に基づいて目標吸気量算出マップを補正すると共に、通常運転時においては、機関回転数が大きくなるほど目標吸気量算出マップから算出される目標吸気量が多くなるように目標吸気量算出マップを補正し、一方、機関回転数が小さくなるほど目標吸気量算出マップから算出される目標吸気量が少なくなるように目標吸気量算出マップを補正するようにしている。これによれば、通常運転時において、より確実に、要求出力が内燃機関から出力されることとなる。
【0060】
また、冷間アイドリング時吸気量制御(LI制御)用の目標最低吸気量を設定するときにそのときの機関回転数を考慮すれば、LI制御において、内燃機関をより安定して運転せしめることができる。
【0061】
そこで、第6実施形態では、機関回転数に基づいてLI制御用の目標最低吸気量算出マップを補正するようにしている。詳細には、第6実施形態では、上述した実施形態に従って機関フリクション度合の推定値に基づいて目標最低吸気量算出マップを補正すると共に、LI制御中においては、機関回転数が大きくなるほど目標最低吸気量算出マップから算出される目標最低吸気量が多くなるように目標最低吸気量算出マップを補正し、一方、機関回転数が小さくなるほど目標査定吸気量算出マップから算出される目標最低吸気量が少なくなるように目標最低吸気量算出マップを補正するようにしている。これによれば、LI制御中において、内燃機関がより安定して運転せしめられることとなる。
【0062】
次に、図9に示されている関係を利用した場合における機関始動時のLI制御用の目標最低吸気量の設定の例を説明する。この例では、機関フリクション度合がその基準値であると推定され且つ機関温度がその基準温度である場合には、図6の関係Aから、機関始動時のLI制御用の目標最低吸気量が算出される。この関係Aによれば、例えば、機関回転数が或る所定の値Nrであるときには目標最低吸気量は値Gail1と算出される。
【0063】
ところが、機関フリクション度合がその基準値よりも大きいと推定された場合には、機関フリクション度合がその基準値よりも大きい分だけ算出される目標最低吸気量が多くなるように、例えば、機関回転数が或る所定の値Nrであるときに算出される目標最低吸気量が値Gail2と算出されるように、図9の関係Aが原点を中心として回転移動することによって補正せしめられ、関係Bとされる。
【0064】
さらに、機関始動時のLI制御中の機関温度がその基準温度よりも低い場合には、図6の関係Bは、機関温度がその基準温度よりも低い分だけ算出される目標最低吸気量が多くなるように、例えば、機関回転数が或る所定の値Nrであるときに算出される目標最低吸気量が値Gail3と算出されるように、図9の関係Bが原点を中心としてさらに回転移動することによって補正せしめられ、直線Cとされる。この関係Cによれば、例えば、機関回転数が或る所定の値Nrであるときには目標最低吸気量は値Gail3と算出される。
【0065】
ところで、機関温度が低いときよりも高いときのほうが、機関温度の変動幅は小さい。ここで、上述した実施形態に従って機関フリクション度合を推定する場合、機関温度の変動幅が大きいときよりも小さいときのほうが、より正確に、機関フリクション度合を推定することができる。
【0066】
そこで、第7実施形態では、機関温度を考慮しつつ機関フリクション度合を推定するようにしている。すなわち、第7実施形態では、上述した実施形態に従って機関フリクション度合を推定する条件が成立したときであっても機関温度が予め定められた温度よりも低いときには機関フリクション度合の推定を行わず、上述した実施形態に従って機関フリクション度合を推定する条件が成立し且つ機関温度が予め定められた温度よりも高いときにのみ機関フリクション度合の推定を行うようにしている。これによれば、より正確に、機関フリクション度合が推定されることとなる。
【0067】
もちろん、機関温度があまりに高すぎても、機関フリクション度合をより正確に推定することができない場合もある。そこで、第8実施形態では、上述した実施形態に従って機関フリクション度合を推定する条件が成立したときであっても機関温度が予め定められた温度範囲内にないときには機関フリクション度合の推定を行わず、上述した実施形態に従って機関フリクション度合を推定する条件が成立し且つ機関温度が予め定められた温度範囲内にあるときのみ機関フリクション度合の推定を行うようにしている。これによれば、より正確に、機関フリクション度合が推定されることとなる。
【0068】
また、第9実施形態では、機関温度の変動を考慮しつつ機関フリクション度合を推定するようにしている。すなわち、第9実施形態では、上述した実施形態に従って機関フリクション度合を推定する条件が成立したときであっても機関温度の変動が大きいとき、すなわち、安定していないとき、には機関フリクション度合の推定を行わず、上述した実施形態に従って機関フリクション度合を推定する条件が成立し且つ機関温度の変動が小さいとき、すなわち、安定したときにのみ機関フリクション度合の推定を行うようにしている。これによれば、より正確に、機関フリクション度合が推定されることとなる。
【0069】
もちろん、第7実施形態〜第9実施形態とを適宜組み合わせてもよい。例えば、第7実施形態と第9実施形態とを組み合わせた場合には、上述した実施形態に従って機関フリクション度合を推定する条件が成立したときであっても機関温度が予め定められた温度よりも低いか、或いは、機関温度が安定していないときには機関フリクション度合の推定を行わず、上述した実施形態に従って機関フリクション度合を推定する条件が成立し且つ機関温度が予め定められた温度よりも高く且つ機関温度が安定したときにのみ機関フリクション度合の推定を行うようにされる。
【0070】
なお、上述した実施形態においては、アイドリング運転時となる度に機関フリクション度合が推定され、この機関フリクション度合の推定値に基づいて目標吸気量算出マップが補正されるので、機関温度が比較的高いときの機関フリクション度合に基づいて目標吸気量算出マップが補正されていることが圧倒的に多い。すなわち、目標吸気量算出マップは暖機運転時の機関フリクション度合に基づいて補正されていることが多い。したがって、暖機運転時の通常運転時に、こうして補正された目標吸気量算出マップを用いて吸気量が制御されれば、確実に、内燃機関から要求出力を出力させることができる。
【0071】
しかしながら、冷間運転時、特に、機関始動時の冷間アイドリング運転時においては、暖機運転時の機関フリクション度合の推定値に基づいて補正された目標吸気量算出マップを用いて吸気量が制御されても、必ずしも、内燃機関から要求出力を出力させることはできず、却って、内燃機関から出力される出力が要求出力から大きくずれてしまうことさえある。
【0072】
ところが、冷間時の通常機関運転用の吸気量制御、或いは、冷間時のアイドリング運転用の吸気量制御において、図4のマップから算出された目標吸気量TGaを機関温度に応じて補正している実施形態によれば、より確実に、内燃機関から要求出力を出力させることができる。
【0073】
ところで、上述したように、機関温度が変わると機関フリクション度合も変わることがある。したがって、上述した実施形態において、機関フリクション度合を推定したときの機関温度がその時々で異なると、実際の機関フリクション度合に変化がなくても、推定される機関フリクション度合に変化が生じることがある。すなわち、この場合、機関フリクション度合の推定値は、真の機関フリクション度合に相当しないことになる。そして、このことは、正確に、要求出力を内燃機関から出力させるという観点からは好ましくない。
【0074】
そこで、第10実施形態では、上述した実施形態に従って推定される機関フリクション度合を予め定められた温度における機関フリクション度合として推定し、この予め定められた温度における機関フリクション度合に基づいて目標吸気量算出マップを補正するようにしている。これによれば、より正確に、要求出力が内燃機関から出力されることとなる。
【0075】
なお、第10実施形態においては、上述した実施形態に従って機関フリクション度合を推定する条件が成立し且つ機関温度が予め定められた機関温度となっているときに機関フリクション度合を推定することによって予め定められた機関温度における機関フリクション度合を推定してもよいし、上述した実施形態に従って機関フリクション度合を推定し、このときの機関温度に基づいてこの機関フリクション度合の推定値を予め定められた機関温度における機関フリクション度合に換算することによって予め定められた機関温度における機関フリクション度合を推定してもよい。
【0076】
図10は機関始動時のLI制御用の目標最低吸気量を算出するためのマップを作成するための制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。図10のルーチンでは、始めに、ステップ10において、冷却水の温度Twと潤滑油の温度Toとが検出される。次いで、ステップ11において、アイドリング時回転数制御(IS制御)中であるか否かが判別される。
【0077】
ステップ11において、IS制御中であると判別されたときには、ルーチンはステップ12に進んで、潤滑油の温度Toが所定の範囲内にある(Tol<To<Toh)か否かが判別される。ステップ12において、Tol<To<Tohであると判別されたときには、ルーチンはステップ13に進んで、冷却水の温度Twが所定の温度範囲内にある(Twl<Tw<Twh)か否かが判別される。ステップ13において、Twl<Tw<Twhであると判別されたときには、ルーチンはステップ14に進んで、吸気量Gaiが検出される。次いで、ステップ15において、ステップ14で検出された吸気量Gaiに基づいて機関フリクション度合が推定される。次いで、ステップ16において、ステップ15で推定された機関フリクション度合の推定値に基づいて目標最低吸気量マップが補正されることによって、機関始動時のLI制御用の目標最低吸気量算出マップが作成される。
【0078】
なお、ステップ11において、IS制御中ではないと判別されたとき、および、To≦TolまたはTo≧Tohであると判別されたとき、および、Tw≦TwlまたはTw≧Twhであると判別されたときには、ルーチンは終了する。
【0079】
図11は、機関始動時であって冷間アイドリング時における吸気量制御(LI制御)用の目標最低吸気量、吸気弁の目標開弁量、および、吸気弁の目標リフトタイミングを設定するための制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。図11のルーチンでは、始めに、ステップ20において、機関始動時であるか否かが判別される。ステップ20において、機関始動時ではないと判別されたときには、ルーチンは終了する。一方、ステップ20において、機関始動時であると判別されたときには、ルーチンはステップ21に進んで、冷却水の温度Twと潤滑油の温度Toとが検出される。
【0080】
次いで、ステップ22において、ステップ20で検出された冷却水の温度Twと潤滑油の温度Toとに基づいて、機関温度Teが推定される。次いで、ステップ23において、ステップ22で推定された機関温度Teに基づいて、図10のルーチンに従って作成された機関始動時のLI制御用の目標最低吸気量算出マップが補正される。
【0081】
次いで、ステップ24において、ステップ23で補正された目標最低吸気量算出マップから目標最低吸気量TGailが算出される。次いで、ステップ25において、ステップ24で算出された目標最低吸気量TGailに基づいて、吸気弁の目標開弁量TLが算出される。次いで、ステップ26において、ステップ25で算出された目標開弁量TLに基づいて、吸気弁の目標リフトタイミングTTが算出される。
【0082】
なお、上述した実施形態において、各種パラメータに基づいて目標吸気量算出マップ、或いは、目標最低吸気量算出マップ自体を補正するのではなく、各マップから算出される値を各種パラメータに基づいて補正するようにしてもよいことは明らかである。
【0083】
また、上述した実施形態では、連続的に吸気弁の開弁量を変更可能な開弁量変更機構を備えた動弁装置に関連して本発明を説明したが、例えば、段階的に開弁量を変更可能な開弁量変更機構を備えた動弁装置にも本発明は適用可能である。また、上述した実施形態では、連続的に吸気弁のリフトタイミングを変更可能なリフトタイミング変更機構を備えた動弁装置に関連して本発明を説明したが、段階的にリフトタイミングを変更可能なリフトタイミング変更機構を備えた動弁装置にも本発明は適用可能である。
【0084】
また、上述した実施形態において、機関フリクション度合を推定する条件に加えて、或いは、それに代えて、内燃機関の運転が開始されてから一定期間が経過したときという条件を採用してもよい。
【0085】
また、上述では、動弁機構が燃焼室内に吸入される吸気量を変更するための吸気量制御装置を具備する場合について説明したが、燃焼室から排出される排気ガスの量を変更するために、動弁機構が排気弁の開弁量(リフト量および作用角)を変更するための機構、および、排気弁のリフトタイミングを変更するための機構の少なくとも一方を具備する場合にも、本発明は適用可能である。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、燃焼室に吸入される吸気の量または燃焼室から排出される排気ガスの量に影響するフリクション度合が内燃機関の制御量と内燃機関の運転状態とから推定され、この推定されたフリクション度合に基づいて制御装置の制御量が設定されるので、確実に、燃焼室に吸入される吸気の量または燃焼室から排出される排気ガスの量が目標量に制御される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動弁装置を備えた内燃機関の全体図である。
【図2】吸気弁の開弁量に関する動弁装置の作用を説明するための図である。
【図3】吸気弁のリフトタイミングに関する動弁装置の作用を説明するための図である。
【図4】目標吸気量を算出するためのマップを示す図である。
【図5】アイドリング時回転数制御中の吸気量Gaiと機関フリクション度合Fとの関係を示す図である。
【図6】冷間アイドリング時吸気量制御における機関フリクション度合Fと目標最低吸気量TGailとの関係を示す図である。
【図7】冷間アイドリング時吸気量制御における目標最低吸気量TGailと吸気弁の目標開弁量TLとの関係を示す図である。
【図8】冷間アイドリング時吸気量制御における吸気弁の目標開弁量TLと吸気弁の目標リフトタイミングTTとの関係を示す図である。
【図9】冷間アイドリング時吸気量制御中の機関回転数Nと機関フリクション度合Fとの関係を示す図である。
【図10】機関始動時であって冷間アイドリング時における吸気量制御用の目標最低吸気量算出マップを作成するためのルーチンを示すフローチャートである。
【図11】機関始動時における冷間アイドリング時吸気量制御用の目標最低吸気量等を設定するためのルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…本体
6…吸気弁
10…点火栓
11…燃料噴射弁
16…エアフローメータ
17…水温センサ
18…動弁装置
23…油温センサ
Claims (8)
- 内燃機関の燃焼室に吸入される吸気の量または燃焼室から排出される排気ガスの量を目標量に制御するための制御装置であって、内燃機関が、機関に要求されるトルクが一定である条件下で、かつ機関回転数が予め定められた目標機関回転数になるように機関吸気量が制御される回転数制御が実行されているときの機関吸気量に基づいて、機関内部摩擦による出力損失の大きさとして定義される内燃機関のフリクション度合が推定され、該推定されたフリクション度合に基づいて吸気の量または排気ガスの量が目標量となるように制御されることを特徴とする制御装置。
- 燃焼室に吸入される吸気の量または燃焼室から排出される排気ガスの量を制御するために吸気弁または排気弁の開弁量または開閉タイミングの少なくとも一方を変更可能な可変動弁装置を具備することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 燃焼室に吸入される吸気の量を目標量に制御するための吸気量制御装置を具備し、内燃機関の運転条件がアイドリング運転が実行される運転条件にあるときに機関回転数が予め定められた目標機関回転数に維持されるように上記吸気量制御装置の制御量を制御するアイドリング時回転数制御が実行されるようになっており、該アイドリング時回転数制御中における吸気量制御装置の制御量が上記フリクション度合を推定するための内燃機関の制御量として採用されることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 内燃機関の運転条件がアイドリング運転が実行される運転条件にあるときであっても内燃機関の温度が予め定められた温度よりも低いときには上記アイドリング時回転数制御が実行されずに、燃焼室に吸入される吸気の量が内燃機関の運転を維持するのに最低限必要とされる吸気量として設定された目標最低吸気量となるようにする冷間アイドリング時吸気量制御が実行され、一方、内燃機関の運転条件がアイドリング運転が実行される運転条件であるときに内燃機関の温度が上記予め定められた温度よりも高いときにのみ上記アイドリング時回転数制御が実行されるようにし、冷間アイドリング時吸気量制御中においては上記目標最低吸気量がアイドリング時回転数制御中に推定された内燃機関のフリクション度合に基づいて補正されることを特徴とする請求項3に記載の制御装置。
- 上記推定されたフリクション度合が内燃機関の温度に基づいて補正されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の制御装置。
- 内燃機関の温度が予め定められた温度よりも高いときに内燃機関の制御量と内燃機関の運転状態とに基づいて内燃機関のフリクション度合が推定されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の制御装置。
- 内燃機関の温度が安定したときに内燃機関の制御量と内燃機関の運転状態とに基づいて内燃機関のフリクション度合が推定されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の制御装置。
- 内燃機関の温度が予め定められた温度であるときに内燃機関の制御量と内燃機関の運転状態とに基づいて内燃機関のフリクション度合が推定されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の制御装置。
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