JP5741149B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1に示すように、車両に搭載される内燃機関として、フィード圧に燃圧調整された燃料を吸気ポートに噴射するポート噴射インジェクタと、上記フィード圧よりも高圧(直噴圧)に燃圧調整された燃料を筒内に噴射する直噴インジェクタとを備えたものが実用化されている。更に、同機関において、機関運転状態に基づき定められた噴射量指令値に対応した量の燃料を、上記ポート噴射インジェクタからの噴射と上記直噴インジェクタからの噴射とに分けて噴射する噴き分け噴射を行うことも知られている。
上記噴き分け噴射では、例えば次のようにポート噴射インジェクタからの燃料噴射、及び直噴インジェクタからの燃料噴射を行うことが可能である。すなわち、所定の噴分率に基づいて上記噴射量指令値をポート噴射指令値と直噴指令値とに分け、ポート噴射指令値に対応した量の燃料をポート噴射インジェクタから噴射するとともに、直噴指令値に対応した量の燃料を直噴インジェクタから噴射する。
ポート噴射インジェクタや直噴インジェクタなどのインジェクタから噴射される燃料の量は、インジェクタ内の燃圧と同インジェクタの開弁時間とに基づいて決まる。このことから、噴き分け噴射においては、ポート噴射インジェクタから噴射される燃料量がポート噴射指令値に対応した値となるよう同インジェクタの開弁時間が制御されるとともに、直噴インジェクタから噴射される燃料量が直噴指令値に対応した値となるよう同インジェクタの開弁時間が制御される。
なお、噴き分け噴射で用いられる上記噴分率については、機関負荷や機関回転速度といった機関運転状態に基づいて可変設定することが好ましい。
例えば、機関負荷が大きくなるほど、筒内温度が上昇してノッキングが発生しやすくなるとともに、直噴インジェクタの温度が高くなって同インジェクタの噴孔周りでのデポジット生成が生じやすくなる。これらのことを抑制するため、機関負荷が高くなるほど直噴インジェクタからの燃料噴射の割合が大となるよう、上記噴分率を機関負荷に基づいて可変設定することが考えられる。この場合、機関負荷が大きくなるほど、噴き分け噴射における直噴インジェクタからの燃料噴射の割合が大とされることで、同インジェクタから噴射される燃料の気化潜熱を利用した筒内の冷却や、燃料が直噴インジェクタを通過することによる同インジェクタの冷却が行われる。これにより、機関高負荷時の筒内温度の上昇に伴うノッキング発生や、直噴インジェクタの温度上昇に伴う同インジェクタの噴孔周りでのデポジット生成が抑制される。
また、機関回転速度が高くなるほど、ピストンの移動速度が速くなって吸気ポートから筒内に流れ込む空気の流れに乱れが生じやすくなることから、このときに直噴インジェクタから燃料を噴射することで、同燃料の筒内での空気との混合が進みやすくなる。こうした特性を考慮して、機関回転速度が高くなるほど直噴インジェクタからの燃料噴射の割合が大となるよう、上記噴分率を機関回転速度に基づいて可変設定することが考えられる。この場合、機関回転速度が高くなるほど、噴き分け噴射における直噴インジェクタからの燃料噴射の割合が大とされることで、同インジェクタから噴射される燃料を筒内で空気と効果的に混合することができ、それら燃料と空気との混合気の良好な燃焼を実現できるようになる。
特開2010−116845公報(段落[0026]、[0033]〜[0041]、図2)
上記噴き分け噴射において、ポート噴射インジェクタからポート噴射指令値に対応した量の燃料噴射を行うべく同インジェクタの開弁時間を制御したとき、その開弁時間分の同インジェクタの開弁によって得られる燃料噴射量がポート噴射指令値に対応する値よりも多くなることがある。例えば、ポート噴射インジェクタの開弁時間を制御したとき、同インジェクタ内の燃圧(フィード圧)が上記開弁時間を求める際に用いた値(適正値)よりも高くなるという状況が考えられる。こうした状況(以下、フィード圧の上昇異常という)が生じている場合、ポート噴射インジェクタから噴射される燃料量がポート噴射指令値に対応する値よりも多くなる。
ここで、フィード圧の上昇異常に伴い、ポート噴射インジェクタから噴射される燃料量がポート噴射指令値に対応する値よりも多くなるとしても、そうした余剰分の燃料を以後の噴き分け噴射におけるポート噴射インジェクタの燃料噴射量から適切に減量することができれば問題はない。しかし、上記余剰分の燃料を以後の噴き分け噴射におけるポート噴射インジェクタの燃料噴射量から必ずしも適切に減量することができるとは限らず、そうした適切な減量を実現できない可能性もある。この場合、ポート噴射インジェクタの燃料噴射量と直噴インジェクタの燃料噴射量との合計値を機関運転状態に基づき定められた噴射量指令値に対応した量に維持するため、ポート噴射インジェクタの燃料噴射量から上記適切に減量できなかった分の燃料量を直噴インジェクタの燃料噴射量から減量せざるを得なくなる。
このように、ポート噴射インジェクタの燃料噴射量から適切に減量できなかった分の燃料量を直噴インジェクタの燃料噴射量から減量した場合、ポート噴射インジェクタの燃料噴射量が適正値よりも多くなる一方、直噴インジェクタの燃料噴射量が適正値よりも少なくなることは避けられない。そして、直噴インジェクタの燃料噴射量が適正値よりも少なくなると、同インジェクタから噴射される燃料の気化潜熱を利用した筒内の冷却や、燃料が直噴インジェクタを通過することによる同インジェクタの冷却についての冷却効果が不十分になる。その結果、筒内温度の上昇に伴うノッキング発生や、直噴インジェクタの温度上昇に伴う同インジェクタの噴孔周りでのデポジット生成を抑制しきれなくなるという問題が生じる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、噴き分け噴射が行われる状況のもとでのフィード圧の上昇異常に伴う筒内温度や直噴インジェクタの温度の過上昇を抑制でき、そうした過上昇に起因するノッキングの発生や直噴インジェクタの噴孔周りでのデポジット生成を抑制できる内燃機関の制御装置を提供することにある。
請求項1記載の発明によれば、噴き分け噴射が行われる状況のもとで、フィード圧の上昇異常が生じている旨判断されると、制御手段による点火時期遅角制御を通じて内燃機関の点火時期が遅角される。ここで、噴き分け噴射の実行時にフィード圧の上昇異常が生じることで、その噴き分け噴射における直噴インジェクタの燃料噴射量が適正値よりも少なくなるおそれがある。この場合、直噴インジェクタから噴射される燃料の気化潜熱を利用した筒内の冷却や、燃料が直噴インジェクタを通過することによる同インジェクタの冷却を行おうとしても、その際の冷却効果が不十分になる。その結果、筒内温度の上昇に伴うノッキング発生や、直噴インジェクタの温度上昇に伴う同インジェクタの噴孔周りでのデポジット生成を抑制しきれなくなる。このようなとき、上述した点火時期遅角制御により内燃機関の点火時期を遅角することができるため、その点火時期の遅角を通じて筒内での混合気の燃焼温度を低下させることができる。そして、上記混合気の燃焼温度の低下により、噴き分け噴射が行われる状況のもとでのフィード圧の上昇異常に伴う筒内温度や直噴インジェクタの温度の過上昇を抑制でき、そうした温度の過上昇に起因するノッキングの発生や直噴インジェクタの噴孔周りでのデポジット生成を抑制できるようになる。
なお、制御手段により実行される上記点火時期遅角制御は、内燃機関の点火時期を遅角量分だけ遅角させることで実現される。そして、このときの遅角量は、機関運転状態に応じて求められる可変値とするとよい。
この遅角量を上述したように可変値とすれば、上記遅角量が筒内温度や直噴インジェクタの温度をノッキング発生や同インジェクタの噴周りでのデポジット生成を抑制することができ且つ可能な限り小さい値となるよう、機関運転状態に応じて上記遅角量を可変値とすることができる。これにより、内燃機関の点火時期の遅角を可能な限り小さく抑えつつ、ノッキング発生や直噴インジェクタの噴周りでのデポジット生成を抑制することができる
請求項記載の発明によれば、噴き分け噴射が行われる状況のもとで、フィード圧の上昇異常が生じている旨判断されると、制御手段による噴き分け縮小制御を通じて直噴インジェクタのみから噴射量指令値に対応した量の燃料が噴射される。ここで、噴き分け噴射の実行時にフィード圧の上昇異常が生じることで、その噴き分け噴射における直噴インジェクタの燃料噴射量が適正値よりも少なくなるおそれがある。この場合、直噴インジェクタから噴射される燃料の気化潜熱を利用した筒内の冷却や、燃料が直噴インジェクタを通過することによる同インジェクタの冷却を行おうとしても、その際の冷却効果が不十分になる。その結果、筒内温度の上昇に伴うノッキング発生や、直噴インジェクタの温度上昇に伴う同インジェクタの噴孔周りでのデポジット生成を抑制しきれなくなる。このようなとき、上述した噴き分け縮小制御により、直噴インジェクタのみから噴射量指令値に対応した量の燃料が噴射されるようにすることができる。このように直噴インジェクタのみからの燃料の噴射を行うことで、その燃料の気化潜熱を利用して筒内の温度を効果的に低下させたり、直噴インジェクタに燃料を流して同インジェクタの温度を効果的に低下させたりすることができる。これにより、噴き分け噴射が行われる状況のもとでのフィード圧の上昇異常に伴う筒内温度や直噴インジェクタの温度の過上昇を抑制でき、そうした温度の過上昇に起因するノッキングの発生や直噴インジェクタの噴孔周りでのデポジット生成を抑制できるようになる。
さらに、機関運転状態が機関回転速度及び機関負荷に基づき予め定められた噴き分け領域内にあるときに噴き分け噴射が行われる。こうした噴き分け領域内の高負荷側では、筒内での混合気の燃焼温度が高くなりやすいことから、筒内温度や直噴インジェクタの温度が過上昇しやすく、それに伴いノッキングや直噴インジェクタの噴孔周りでのデポジットの生成が生じやすくなる。こうしたことを考慮して、制御手段による噴き分け縮小制御では、フィード圧の上昇異常時に噴き分け領域が低負荷側に縮小され、且つ、その縮小分に対応した領域にて噴射量指令値に対応した量の燃料の噴射が直噴インジェクタのみから行われる。これにより、上述した高負荷側での筒内温度や直噴インジェクタの温度の過上昇を的確に抑制でき、ひいてはそれに伴うノッキングや直噴インジェクタの噴孔周りでのデポジットの生成も的確に抑制できるようになる。
第1実施形態の制御装置が適用されるエンジン全体を示す略図。 同エンジンにおける直噴領域、ポート噴射領域、噴き分け領域を示す説明図。 (a)〜(c)は、ポート噴射インジェクタでの実際の燃料噴射量、及び、直噴インジェクタでの実際の燃料噴射量の変化を示す略図。 点火時期遅角制御でのエンジンの点火時期の遅角態様を示す説明図。 同エンジンの点火時期の制御手順を示すフローチャート。 第2実施形態の噴き分け縮小制御における噴き分け領域の縮小態様を示す説明図。 上記噴き分け縮小制御における噴き分け領域の縮小態様の他の例を示す説明図。 上記噴き分け縮小制御の実行手順を示すフローチャート。
[第1実施形態]
以下、本発明を自動車用エンジンの制御装置に具体化した第1実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1に示されるエンジン1の吸気通路2には、燃焼室3に吸入される空気の量(吸入空気量)を調整すべく開閉動作するスロットルバルブ4が設けられている。このスロットルバルブ4の開度(スロットル開度)は、自動車の運転者によって踏み込み操作されるアクセルペダル5の踏み込み量(アクセル踏込量)に応じて調節される。また、エンジン1は、吸気通路2から燃焼室3の吸気ポート2aに向けて燃料を噴射するポート噴射インジェクタ6と、燃焼室3内(筒内)に燃料を噴射する直噴インジェクタ7とを備えている。これらインジェクタ6,7には、燃料タンク8内に蓄えられた燃料が供給される。
すなわち、燃料タンク8内の燃料は、フィードポンプ9によって汲み上げられた後に低圧燃料配管31を介してポート噴射インジェクタ6に供給される。この低圧燃料配管31内の燃料の圧力は、フィードポンプ9の駆動制御を通じてフィード圧に調整されるとともに、同配管31に設けられたプレッシャレギュレータ32によって過上昇しないようにされる。また、フィードポンプ9によって汲み上げられた低圧燃料配管31内の燃料の一部は、高圧燃料ポンプ10で上記フィード圧よりも高圧(以下、直噴圧という)の状態に加圧された後に高圧燃料配管33を介して直噴インジェクタ7に供給される。
エンジン1においては、インジェクタ6,7から噴射される燃料と吸気通路2を流れる空気とからなる混合気が燃焼室3に充填され、この混合気に対し点火プラグ12による点火が行われる。そして、点火後の混合気が燃焼すると、そのときの燃焼エネルギによりピストン13が往復移動し、クランクシャフト14が回転するようになる。一方、燃焼後の混合気は排気として排気通路15に送り出される。
また、自動車には、エンジン1の各種運転制御を行う電子制御装置16が搭載されている。同電子制御装置16には、上記制御に係る各種演算処理を実行するCPU、その制御に必要なプログラムやデータの記憶されたROM、CPUの演算結果等が一時記憶されるRAM、外部との間で信号を入・出力するための入・出力ポート等が設けられている。
電子制御装置16の入力ポートには、以下に示す各種のセンサ等が接続されている。
・アクセル踏込量を検出するアクセルポジションセンサ17。
・スロットル開度を検出するスロットルポジションセンサ18。
・吸気通路2を通過する空気の量(エンジン1の吸入空気量)を検出するエアフローメータ19。
・クランクシャフト14の回転に対応した信号を出力するクランクポジションセンサ20。
・エンジン1の冷却水温を検出する水温センサ21。
・排気通路15を流れる排気中の酸素濃度に対応した信号を出力する空燃比センサ22。
・低圧燃料配管31内の燃料の圧力(フィード圧)を検出する第1圧力センサ23。
・高圧燃料配管33内の燃料の圧力(直噴圧)を検出する第2圧力センサ24。
また、電子制御装置16の出力ポートには、ポート噴射インジェクタ6、直噴インジェクタ7、フィードポンプ9、高圧燃料ポンプ10、及び点火プラグ12といった各種機器の駆動回路等が接続されている。
そして、電子制御装置16は、上記各種センサ等から入力した信号に基づきエンジン回転速度やエンジン負荷といったエンジン運転状態を把握し、その把握したエンジン運転状態に基づいてインジェクタ6,7、フィードポンプ9、及び点火プラグ12といった各種機器の駆動回路に対し指令信号を出力する。こうしてエンジン1の燃料噴射制御、インジェクタ6,7に供給される燃料の圧力(燃圧)制御、エンジン1の点火時期制御など、エンジン1の各種運転制御が電子制御装置16を通じて実施される。ちなみに、上記エンジン回転速度は、クランクポジションセンサ20からの検出信号に基づき求められる。また、エンジン負荷は、エンジン1の吸入空気量に対応するパラメータと上記エンジン回転速度とから算出される。なお、吸入空気量に対応するパラメータとしては、エアフローメータ19からの検出信号に基づき求められるエンジン1の吸入空気量の実測値、スロットルポジションセンサ18からの検出信号に基づき求められるスロットル開度、及びアクセルポジションセンサ17からの検出信号に基づき求められるアクセル踏込量等があげられる。
ポート噴射インジェクタ6に供給される燃料の圧力、すなわち低圧燃料配管31内の圧力(フィード圧)は、低圧燃料配管31内での燃料蒸気(ベーパ)の発生を抑制することを考慮して調整される。具体的には、エンジン運転状態から推測される低圧燃料配管31周りの温度が高くなって同配管31内にベーパが生じやすくなるほど、フィード圧の目標値が上記ベーパの発生を抑制し得る値となるよう高く設定される。そして、第1圧力センサ23によって検出されるフィード圧が上記目標値となるようフィードポンプ9が駆動制御される。一方、直噴インジェクタ7に供給される燃料の圧力、すなわち高圧燃料配管33内の圧力(直噴圧)は、燃焼室3内の圧力に抗して直噴インジェクタ7からの燃料を噴射することを考慮して調整される。詳しくは、第2圧力センサ24によって検出される直噴圧に基づき、その直噴圧が直噴インジェクタ7から燃焼室3内への燃料を行うことの可能な値となるよう、高圧燃料ポンプ10が駆動制御される。
また、エンジン1の燃料噴射制御の一つとして行われる燃料噴射量制御は、エンジン回転速度及びエンジン負荷といったエンジン運転状態に基づき噴射量指令値Qfin を求め、その噴射量指令値Qfin に対応した量の燃料をポート噴射インジェクタ6と直噴インジェクタ7との少なくとも一方から噴射させることで実現される。なお、上記噴射量指令値Qfin は、空燃比センサ22からの検出信号が燃焼室3内の混合気を理論空燃比で燃焼させたときの値となるよう、同空燃比センサ22からの検出信号に基づいて増減補正(空燃比フィードバック補正)される。すなわち、空燃比センサ22からの検出信号が燃焼室3内の混合気を理論空燃比で燃焼させたときの値よりもリッチ側の値であるとき、すなわち上記混合気の燃焼がリッチ燃焼であるときには、噴射量指令値Qfin が減量補正されることにより、燃焼室3に供給される燃料の量が減量されて燃焼室3内の混合気の空燃比が理論空燃比に近づけられる。一方、空燃比センサ22からの検出信号が燃焼室3内の混合気を理論空燃比で燃焼させたときの値よりもリーン側の値であるとき、すなわち上記混合気の燃焼がリーン燃焼であるときには、噴射量指令値Qfin が増量補正されることにより、燃焼室3に供給される燃料の量が増量されて燃焼室3内の混合気の空燃比が理論空燃比に近づけられる。
次に、エンジン1のポート噴射インジェクタ6や直噴インジェクタ7を用いた燃料噴射について説明する。
エンジン1においては、エンジン回転速度及びエンジン負荷に応じて区画されたエンジン運転領域毎に、すなわち図2に示されるポート噴射領域、直噴領域、及び噴き分け領域毎に、燃料噴射のために使用されるインジェクタ6,7が選択される。
図2において、エンジン1の低回転低負荷領域は、ポート噴射インジェクタ6のみから噴射量指令値Qfin 分の燃料の噴射を行うポート噴射領域となっている。これは、エンジン1の低回転低負荷領域では、ピストン13の移動速度が遅くなる関係から燃焼室3内でのピストン13の移動による空気と燃料との混合が行われにくく、ポート噴射インジェクタ6のみから燃料を噴射して同燃料を吸気ポート2a内で予め空気と混合した後に燃焼室3に吸入することが好ましいためである。また、エンジン1の低回転低負荷領域では、同エンジン1の騒音レベルが小さいことから、仮に直噴インジェクタ7からの燃料噴射を行ったとすると同インジェクタ7の開弁時の騒音が問題となり、こうした問題を回避するためにもエンジン1の低回転低負荷領域がポート噴射領域とされている。
また、エンジン1の高回転高負荷領域は、直噴インジェクタ7のみから噴射量指令値Qfin 分の燃料の噴射を行う直噴領域となっている。これは、エンジン1の高回転高負荷領域では、直噴インジェクタ7から噴射された燃料の気化潜熱によりピストン13を冷却したりすることが、エンジン1の吸気充填効率を高めて同エンジン1の出力を向上するうえで好ましいためである。従って、直噴領域については、直噴インジェクタ7から燃焼室3内への直接的な燃料噴射によってエンジン1の出力向上が見込める領域に設定される。なお、図2において、エンジン1の高負荷運転領域と低負荷運転領域との間の領域は、それら高負荷領域と低負荷領域との両方の特性を有していることから、そうした特性に対応すべくポート噴射インジェクタ6と直噴インジェクタ7との両方からの燃料噴射を行う噴き分け領域となっている。
ここで、上記噴き分け領域でのポート噴射インジェクタ6及び直噴インジェクタ7からの燃料噴射(噴き分け噴射)について詳しく述べる。この噴き分け噴射を行う際には、噴射量指令値Qfin が定められた噴射率に基づいてポート噴射指令値Q1と直噴指令値Q2とに分けられる。このように分けられたポート噴射指令値Q1と直噴指令値Q2との合計値は、上記噴射量指令値Qfin と等しい値になる。そして、ポート噴射インジェクタ6からポート噴射指令値Q1に対応した量の燃料噴射が行われるよう同インジェクタ6が駆動される一方、直噴インジェクタ7から直噴指令値Q2に対応した量の燃料噴射が行われるよう同インジェクタ7が駆動される。このときのポート噴射インジェクタ6の実際の燃料噴射量Q1real、及び直噴インジェクタ7の実際の燃料噴射量Q2realを図3(a)に模式的に示す。
なお、上記噴き分け噴射で用いられる噴分率は、エンジン回転速度やエンジン負荷といったエンジン運転状態に基づいて可変設定される。具体的には、エンジン負荷が大きくなるほど、直噴インジェクタ7からの燃料噴射の割合が大となるよう上記噴分率が可変設定される。このように噴分率を可変設定するのは、エンジン負荷が大きくなるほど、エンジン1の筒内温度が上昇してノッキングが発生しやすくなるとともに、直噴インジェクタ7の温度が高くなって同インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成が生じやすくなるためである。すなわち、機関負荷が大きくなるほど、噴き分け噴射における直噴インジェクタからの燃料噴射の割合が大となるようにすれば、同インジェクタ7から噴射される燃料の気化潜熱を利用した筒内の冷却や、燃料が直噴インジェクタ7を通過することによる同インジェクタ7の冷却を効果的に行うことが可能になる。その結果、上述したノッキングの発生やデポジットの生成を的確に抑制できるようになる。一方、エンジン回転速度が高くなるほど、直噴インジェクタ7からの燃料噴射の割合が大となるようにも上記噴分率の可変設定が行われる。このように噴分率を可変設定するのは、エンジン回転速度が高くなるほど、ピストン13の移動速度が速くなって吸気ポート2aから筒内に流れ込む空気の流れに乱れが生じやすくなることから、このときに直噴インジェクタ7から燃料を噴射することで、同燃料の筒内での空気との混合を効果的に行うことができるためである。
上記噴き分け噴射において、ポート噴射インジェクタ6によるポート噴射指令値Q1分の燃料噴射は、例えば次のように実現される。すなわち、第1圧力センサ23によって検出されるフィード圧のもとで、ポート噴射指令値Q1分の燃料をポート噴射インジェクタ6から噴射するために必要な同インジェクタ6の開弁時間t1が求められる。そして、その開弁時間t1だけポート噴射インジェクタ6を開弁させることで、同インジェクタ6によるポート噴射指令値Q1分の燃料噴射が行われる。一方、直噴インジェクタ7による直噴指令値Q2分の燃料噴射は、例えば次のように実現される。すなわち、第2圧力センサ24によって検出される直噴圧のもとで、直噴指令値Q2分の燃料を直噴インジェクタ7から噴射するために必要な同インジェクタ7の開弁時間t2が求められる。そして、その開弁時間t2分だけ直噴インジェクタ7を開弁させることで、同インジェクタ7による直噴指令値Q2分の燃料噴射が行われる。
ところで、上記噴き分け噴射の実行時、例えば第1圧力センサ23に異常が発生して同センサ23によって検出されるフィード圧が実値(真値)よりも低くなり、そうした不正確なフィード圧に基づきフィードポンプ9が駆動制御されると、実際のフィード圧が目標値に対し過上昇するおそれがある。なお、このように実際のフィード圧が目標値に対し過上昇することを以下では「フィード圧の上昇異常」と言う。
このフィード圧の上昇異常時、ポート噴射指令値Q1分の燃料をポート噴射インジェクタ6から噴射すべく、第1圧力センサ23によって検出されるフィード圧を用いて開弁時間t1を求め、その求められた開弁時間t1だけポート噴射インジェクタ6を開弁すると、その開弁によって得られる燃料噴射量Q1realがポート噴射指令値Q1よりも多くなる。これは、フィード圧の実値は第1圧力センサ23によって検出された値よりも高くなることから、第1圧力センサ23によって検出されたフィード圧に基づき求められる開弁時間t1だけポート噴射インジェクタ6を開弁したとすると、上記フィード圧の実値と検出値との差に対応した分だけ同インジェクタ6から多くの燃料が噴射されるためである。なお、図3(b)に斜線で示す部分は、ポート噴射インジェクタ6の実際の燃料噴射量Q1realのうちポート噴射指令値Q1よりも多い分(以下、余分燃料量Yという)を示している。
上述したように、ポート噴射インジェクタ6の実際の燃料噴射量Q1realがポート噴射指令値Q1よりも余分燃料量Yだけ多くなると、その影響が空燃比センサ22の検出信号に現れることから、同検出信号に基づく噴射量指令値Qfin の空燃比フィードバック補正を通じて、その噴射量指令値Qfin が上記余分燃料量Y分だけ減量される。このように余分燃料量Y分だけ減量された噴射量指令値Qfin は、上記噴分率を用いてポート噴射指令値Q1と直噴指令値Q2とに分けられる。そして、上記ポート噴射指令値Q1に基づくポート噴射インジェクタ6からの燃料の噴射が行われるとともに、上記直噴指令値Q2に基づく直噴インジェクタ7からの燃料噴射が行われる。このときのポート噴射インジェクタ6の実際の燃料噴射量Q1real、及び直噴インジェクタ7の実際の燃料噴射量Q2realをそれぞれ図3(c)に模式的に示す。
この図から分かるように、燃料噴射量Q1realと燃料噴射量Q2realとの合計値に関しては上記空燃比フィードバック補正を通じて余分燃料量Y分の減量が実現されているものの、ポート噴射インジェクタ6実際の燃料噴射量Q1realに関しては上記余分燃料量Yよりも少ない量しか減量されていない。言い換えれば、ポート噴射インジェクタ6の燃料噴射量Q1realから余分燃料量Yを適切に減量することが実現できておらず、そうした減量を実現できなかった分の燃料量を直噴インジェクタ7の実際の燃料噴射量Q2realから減量することで、燃料噴射量Q1real,Q2realの合計値を噴射量指令値Qfin に対応した値に維持した状態となっている。
このように、余分燃料量Yのうちポート噴射インジェクタ6の燃料噴射量Q1realから減量できなかった分の燃料量を直噴インジェクタ7の燃料噴射量Q2realから減量した場合、上記燃料噴射量Q1realが適正値(図3(a))よりも多くなる一方、上記燃料噴射量Q2realが適正値(図3(a))よりも少なくなることは避けられない。そして、直噴インジェクタ7の燃料噴射量Q2realが適正値よりも少なくなると、同インジェクタ7から噴射される燃料の気化潜熱を利用した筒内の冷却や、燃料が直噴インジェクタ7を通過することによる同インジェクタ7の冷却を行う際の冷却効果が不十分になる。その結果、筒内温度の上昇に伴うノッキング発生や、直噴インジェクタ7の温度上昇に伴う同インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成を抑制しきれなくなるという問題が生じる。
そこで本実施形態では、噴き分け噴射が行われる状況のもとで、フィード圧の上昇異常が生じている旨判断されるとき、図4に示すようにエンジン1の点火時期を遅角量分だけ遅角する点火時期遅角制御が実行される。この点火時期遅角制御でのエンジン1の点火時期の遅角により、燃焼室3内での混合気の燃焼温度を低下させることができる。そして、燃焼室3内での混合気の燃焼温度の低下により、噴き分け噴射が行われる状況のもとでのフィード圧の上昇異常に伴う筒内温度や直噴インジェクタ7の温度の過上昇を抑制でき、そうした温度の過上昇に起因するノッキングの発生や直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成を抑制できるようになる。
なお、上記点火時期遅角制御で用いられる遅角量としては、ノッキング発生や直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成に関して最も厳しい条件を想定したうえで、それらを抑制することの可能な固定値とすることが考えられる。また、上記遅角量に関しては、エンジン回転速度やエンジン負荷といったエンジン運転状態に応じて求められる可変値とすることも可能である。
図5は、上記点火時期遅角制御を実行するための点火時期制御ルーチンを示すフローチャートである。この点火時期制御ルーチンは、電子制御装置16を通じて、例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
同ルーチンにおいては、まずフィード圧の上昇異常が生じているか否かが判断される(S101)。例えば、フィードポンプ9に対する燃料の吐出量の指令値と空燃比センサ22の検出信号との推移をモニタし、それら指令値及び検出信号の推移がフィード圧の上昇異常の発生を表す推移となることに基づき、S101の処理でフィード圧の上昇異常が生じている旨判断される。このようにフィード圧の上昇異常が生じている旨判断されると、エンジン運転状態が噴き分け領域にあるか否かが判断される(S102)。S101とS102とのいずれかで否定判定がなされた場合、言い換えれば上述したエンジン1でのノッキングや直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成が生じる状況でない場合には、通常どおりの点火時期制御が実行される(S105)。このときには上記点火時期遅角制御が実行されることはない。
一方、S102で肯定判定であれば、噴き分け制御中での上記フィード圧の上昇異常により、エンジン1でのノッキングや直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成が生じる状況であるか否かを判断するための処理(S103、S104)が実行される。詳しくは、S103の処理では、エンジン1でのノッキング発生や直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成が生じるおそれがあるほど筒内温度が高くなりやすいエンジン1の高負荷であるか否かが判断される。また、S104の処理では、エンジン1の冷却水温が所定値以上であるか否か、すなわちエンジン1でのノッキング発生や直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成が生じるおそれがあるほど筒内温度が高いと予測されるほどエンジン1の冷却水温が高くなっているか否かが判断される。
これらS103及びS104の処理で共に肯定判定であれば、噴き分け制御中での上記フィード圧の上昇異常によりエンジン1でのノッキングや直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成が生じる状況である旨判断され、その判断に基づいて上記点火時期遅角制御が実行される(S106)。一方、S103とS104とのうちのいずれかで否定判定がなされると、噴き分け制御中での上記フィード圧の上昇異常によりエンジン1でのノッキングや直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成が生じる状況でない旨判断され、その判断に基づいて上記S105の処理が実行される。すなわち、通常どおりの点火時期制御が実行される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)噴き分け噴射が行われる状況のもとで、フィード圧の上昇異常が生じている旨判断されると、点火時期遅角制御の実行を通じてエンジン1の点火時期が遅角量分だけ遅角される。これにより、燃焼室3内での混合気の燃焼温度を低下させることができ、その混合気の燃焼時におけるNOxの発生を抑制することができる。そして、燃焼室3内での混合気の燃焼温度の低下により、噴き分け噴射が行われる状況のもとでのフィード圧の上昇異常に伴う筒内温度や直噴インジェクタ7の温度の過上昇を抑制でき、そうした温度の過上昇に起因するノッキングの発生や直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成を抑制できるようになる。
(2)点火時期遅角制御で用いられる遅角量をエンジン運転状態に応じて求められる可変値とすれば、上記遅角量が筒内温度や直噴インジェクタ7の温度をノッキング発生や同インジェクタ7の噴周りでのデポジット生成を抑制することができ且つ可能な限り小さい値となるよう、エンジン運転状態に応じて上記遅角量を可変とすることができる。これにより、エンジン1の点火時期の遅角を可能な限り小さく抑えつつ、ノッキング発生や直噴インジェクタ7の噴周りでのデポジット生成を抑制することができる。なお、上記遅角量を可変値ではなく上述したように固定値とすれば、同遅角量を可変値とする場合のように、その遅角量を可変とするための電子制御装置16の制御負荷が生じることを抑制できるようになる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図6〜図8を参照して説明する。
この実施形態では、噴き分け噴射が行われる状況のもとでフィード圧の上昇異常が生じている旨判断されたとき、第1実施形態のように点火時期遅角制御を行う代わりに、噴射量指令値Qfin に対応した量の燃料を直噴インジェクタ7のみから噴射する噴き分け縮小制御が行われる。
この噴き分け縮小制御では、フィード圧の上昇異常時に噴き分け領域を図6の実線で示す状態から二点鎖線で示す状態へと低負荷側に縮小し、且つ、その縮小分に対応した領域を直噴領域とする。その結果、噴き分け縮小制御により噴き分け領域から直噴領域へと変化した領域では、直噴インジェクタ7のみから噴射量指令値Qfin に対応した量の燃料が噴射されるようになる。なお、噴き分け縮小制御での噴き分け領域の縮小態様は、図6に示す態様に限定されるものではなく、それ以外の態様を採用することも可能である。例えば、図7に示す態様で噴き分け領域を縮小させるようにしてもよい。
上記噴き分け縮小制御によって噴き分け領域から直噴領域へと変化した領域で、直噴インジェクタ7のみから噴射量指令値Qfin に対応した量の燃料が噴射されると、その燃料の気化潜熱を利用して筒内の温度を効果的に低下させたり、直噴インジェクタ7を通過する燃料により同インジェクタ7の温度を効果的に低下させたりすることが可能になる。その結果、噴き分け噴射が行われる状況のもとでのフィード圧の上昇異常に伴う筒内温度や直噴インジェクタ7の温度の過上昇を抑制でき、そうした温度の過上昇に起因するノッキングの発生や直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成を抑制できるようになる。
図8は、上記噴き分け縮小制御を実行するための噴き分け制御ルーチンを示すフローチャートである。この噴き分け縮小制御ルーチンは、電子制御装置16を通じて、例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
同ルーチンにおいては、フィード圧の上昇異常が生じているか否かの判断(S201)、及び、エンジン運転状態が噴き分け領域にあるか否かの判断(S202)が行われる。S201とS202とのいずれかで否定判定がなされた場合、言い換えれば上述したエンジン1でのノッキングや直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成が生じる状況でない場合には、通常どおりの燃料噴射制御が行われる(S205)。詳しくは、図6や図7の実線で区画された直噴領域、噴き分け領域、及びポート噴射領域毎に各領域に対応した燃料噴射形態での燃料噴射が実行される。このときには上記噴き分け縮小制御が実行されることはない。
一方、S202で肯定判定であれば、噴き分け制御中での上記フィード圧の上昇異常により、エンジン1でのノッキングや直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成が生じる状況であるか否かを判断するための処理(S203、S204)が実行される。詳しくは、S203の処理ではエンジン1の高負荷であるか否かが判断され、S104の処理ではエンジン1の冷却水温が所定値以上であるか否かが判断される。これらS203及びS204の処理で共に肯定判定であれば、噴き分け制御中での上記フィード圧の上昇異常によりエンジン1でのノッキングや直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成が生じる状況である旨判断され、その判断に基づいて上記噴き分け縮小制御が実行される(S206)。一方、S203とS204とのうちのいずれかで否定判定がなされると、噴き分け制御中での上記フィード圧の上昇異常によりエンジン1でのノッキングや直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成が生じる状況でない旨判断され、その判断に基づいて上記S205の処理が実行される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(3)噴き分け噴射が行われる状況のもとでフィード圧の上昇異常が生じている旨判断されると、噴き分け縮小制御の実行を通じて噴き分け領域が低負荷側に縮小され、且つ、その縮小分に対応した領域が直噴領域とされる。その結果、噴き分け縮小制御により噴き分け領域から直噴領域へと変化した領域では、直噴インジェクタ7のみから噴射量指令値Qfin に対応した量の燃料が噴射される。上記噴き分け縮小制御によって噴き分け領域から直噴領域へと変化した領域で、直噴インジェクタ7のみから噴射量指令値Qfin に対応した量の燃料が噴射されると、その燃料の気化潜熱を利用して筒内の温度を効果的に低下させたり、直噴インジェクタ7に燃料を流すことにより同インジェクタ7の温度を効果的に低下させたりすることが可能になる。その結果、噴き分け噴射が行われる状況のもとでのフィード圧の上昇異常に伴う筒内温度や直噴インジェクタ7の温度の過上昇を抑制でき、そうした温度の過上昇に起因するノッキングの発生や直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジット生成を抑制できるようになる。
(4)噴き分け領域において、上記噴き分け縮小制御により縮小される領域、すなわち噴き分け領域内の高負荷側の領域では、燃焼室3内での混合気の燃焼温度が高くなりやすいことから、筒内温度や直噴インジェクタ7の温度が過上昇しやすく、それに伴いノッキングや直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジットの生成が生じやすくなる。このため、上記噴き分け縮小制御において、噴き分け領域が低負荷側に縮小され、且つ、その縮小分に対応した領域にて噴射量指令値Qfin に対応した量の燃料の噴射が直噴インジェクタ7のみから行われることで、上述した高負荷側での筒内温度や直噴インジェクタ7の温度の過上昇を的確に抑制できる。更に、それら筒内温度や直噴インジェクタ7の温度の過上昇に伴うノッキングや直噴インジェクタ7の噴孔周りでのデポジットの生成も的確に抑制できるようになる。
[その他の実施形態]
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第1及び第2実施形態において、フィード圧を第1圧力センサ23によって検出する代わりに、エンジン運転状態やフィードポンプ9に対する吐出量の指令値などから推定してもよい。この場合、推定されるフィード圧が目標値となるようフィードポンプ9が駆動制御されるため、フィード圧の上昇異常がフィードポンプ9の異常やプレッシャレギュレータ32の異常に起因して生じる。また、ポート噴射インジェクタ6の開弁時間t1は上記推定されるフィード圧に基づいて求められることとなり、そのことが原因でフィード圧の上昇異常に伴ってポート噴射インジェクタ6の燃料噴射量Q1realが適正値よりも多くなる。
・第1及び第2実施形態において、噴き分け制御における噴分率を実験等により求められる最適値で固定してもよい。
・第1実施形態において、図5の点火時期制御ルーチンにおけるS103やS104の処理を省略してもよい。なお、第1実施形態のようにS103やS104の処理を実行した場合には、必要な領域のみで点火時期の遅角が行われるようになり、その遅角に起因するエンジン1の燃費悪化を最小限に抑えることが可能になる。
・第2実施形態において、図8の噴き分け制御ルーチンにおけるS203やS204の処理を省略してもよい。なお、第2実施形態のようにS203やS204の処理を実行した場合には、噴き分け縮小制御の実行に伴うエンジン1の燃料噴射形態の切り換えを可能な限り少なくし、その切り換えに伴うエンジン1のトルク変動(燃焼変動)を生じにくくすることが可能になる。
・第2実施形態において、噴き分け縮小制御の実行時に噴き分け領域全体が直噴領域となるように同噴き分け領域を縮小してもよい。
1…エンジン、2…吸気通路、2a…吸気ポート、3…燃焼室、4…スロットルバルブ、5…アクセルペダル、6…ポート噴射インジェクタ、7…直噴インジェクタ、8…燃料タンク、9…フィードポンプ、10…高圧燃料ポンプ、12…点火プラグ、13…ピストン、14…クランクシャフト、15…排気通路、16…電子制御装置(制御手段)、17…アクセルポジションセンサ、18…スロットルポジションセンサ、19…エアフローメータ、20…クランクポジションセンサ、21…水温センサ、22…空燃比センサ、23…第1圧力センサ、24…第2圧力センサ、31…低圧燃料配管、32…プレッシャレギュレータ、33…高圧燃料配管。

Claims (2)

  1. フィード圧に燃圧調整された燃料を吸気ポートに噴射するポート噴射インジェクタと、前記フィード圧よりも高圧に燃圧調整された燃料を筒内に噴射する直噴インジェクタとを備える内燃機関に適用され、噴射量指令値に対応した量の燃料を前記ポート噴射インジェクタからの噴射と前記直噴インジェクタからの噴射とに分けて噴射する噴き分け噴射を行う内燃機関の制御装置において、
    前記噴き分け噴射が行われる状況のもとで、前記フィード圧の上昇異常が生じている旨判断されるとき、内燃機関の点火時期を遅角する点火時期遅角制御を行う制御手段を備え
    前記制御手段は、前記点火時期遅角制御として内燃機関の点火時期を遅角量分だけ遅角させるものであり、その遅角量を機関運転状態に応じて求められる可変値とする
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. フィード圧に燃圧調整された燃料を吸気ポートに噴射するポート噴射インジェクタと、前記フィード圧よりも高圧に燃圧調整された燃料を筒内に噴射する直噴インジェクタとを備える内燃機関に適用され、噴射量指令値に対応した量の燃料を前記ポート噴射インジェクタからの噴射と前記直噴インジェクタからの噴射とに分けて噴射する噴き分け噴射を行う内燃機関の制御装置において、
    前記噴き分け噴射が行われる状況のもとで、前記フィード圧の上昇異常が生じている旨判断されるとき、前記噴射量指令値に対応した量の燃料を前記直噴インジェクタのみから噴射する噴き分け縮小制御を行う制御手段を備え
    前記噴き分け噴射は、機関運転状態が機関回転速度及び機関負荷に基づき予め定められた噴き分け領域内にあるときに実施されるものであり、
    前記制御手段は、噴き分け縮小制御として、フィード圧の上昇異常時に前記噴き分け領域を低負荷側に縮小し、且つ、その縮小分に対応した領域にて噴射量指令値に対応した量の燃料の噴射を前記直噴インジェクタのみから行う
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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