JP2012098434A - 箔画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写面積率の大きく異なる箔転写面にも転写箔層を良好に転写でき、高品質の箔画像が得られ、且つ、使用中に支持体からトナー像ごと剥離したり或いは転写箔層が剥離したりすることが無い優れた箔画像を得ることができる箔画像形成方法の提供。
【解決手段】支持体上にトナー像の箔転写面4を有するプリント物を形成する工程、プリント物の箔転写面4と転写箔10の転写箔層15とを重ねて加熱加圧する工程、加熱加圧されたプリント物と転写箔10を冷却後にベースフィルム11を剥がす工程を経る箔画像形成方法において、トナーは樹脂とワックスを含有し、トナーの構造はコア部とシェル層を有するコア・シェル構造のもので、コア部にワックスを含有し、樹脂は分子量分布にて分子量6万以上の成分が15質量%以上30質量%以下で、THFに不溶解分がなく、トナーは粒径分布においてCV値が15〜18であることを特徴とする箔画像形成方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真画像形成方法で作成したプリント物のトナー像の箔転写面と転写箔の転写箔層とを重ね合わせて加熱加圧し、加熱されたプリント物と転写箔を冷却した後、転写箔のベースフィルムを剥がして箔画像を形成する箔画像形成方法に関する。
画像支持体上に、金・銀・アルミ或いはホログラム等の転写箔を用いて箔転写により箔画像を形成する技術が知られている。箔転写は、通常、転写させる画像が凸部に浮き上がる金属金型を加熱し、この凸部をベースフィルム、離型層、着色層、接着層からなる転写箔を押し当てることで、転写箔の接着層を溶融して画像支持体に接着させ、冷却後に離型層によりベースフィルムをはがすことで画像支持体状に箔画像を形成するホットスタンピング法で行われる。しかし、このホットスタンピング法は、金属金型の作成に時間とコストがかかり、多品種小ロットの転写物製造には不向きであった。
この金型作成の時間とコストを削減する目的で、油相または油相と水相に微粒子状のホットメルト接着剤を分散させてなるホットメルト含有W/O型エマルジョンインクを用いて被転写基材にインク層を形成した後、該インク層と転写箔を重ね合わせて加熱圧着する箔画像形成方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、ホットメルト含有W/O型エマルジョンインクを用いて支持体上にインク層を形成した後、該インク層と転写箔を重ね合わせて加熱圧着する方法は、金型を使用しない点でホットスタンピング法の時間とコストを削減する効果があるが、原稿毎孔版原紙を作成する必要があり、効果は不十分であった。
又、支持体上に定着されたトナー像を形成した後、該トナー像上に転写箔を重ね、さらに該転写箔の上に上記支持体よりも薄い可とう性シートをかさね合わせた後、これらの可とう性シート、転写箔及び支持体を1対のローラ間を通して加圧加熱した後、前記トナー像が冷えてから、上記支持体から可とう性シート、転写用シートの順に剥離することを特徴とする箔画像形成方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平5−279608号公報 特開昭61−252190号公報
しかしながら、公知の電子写真画像形成装置を用いて作成したプリント物のトナー像に上記の方法で箔画像を作成すると、トナー像に転写箔層が完全に転写されず良好な箔画像が得られないという問題があった。
又、トナー像と転写箔層との接着性が弱いため使用中に転写箔層が剥離したり、或いは、トナー像と支持体の接着性が弱いため支持体からトナー像ごと剥離したりして実用上問題があった。
本発明の目的は、少量多品種の箔画像を容易に作成でき、転写面積率の大きく異なる箔転写面にも転写箔層を良好に転写でき、ベタ画像でも細線画像でも高品質の箔画像が得られ、且つ、使用中に支持体からトナー像ごと剥離したり或いは転写箔層が剥離したりすることが無い優れた箔画像を得ることができる箔画像形成方法を提供することにある。
本発明の目的は、下記構成により達成される。
1.少なくとも電子写真画像形成装置にトナーを装填して支持体上にトナー像の箔転写面を有するプリント物を形成する工程、
プリント物の箔転写面と、転写箔層とベースフィルムを有する転写箔の転写箔層とを重ね合わせて加熱加圧する工程、
加熱加圧されたプリント物と転写箔を冷却した後、転写箔のベースフィルムを剥がす工程
を経て箔画像を形成する箔画像形成方法において、
前記トナーは少なくとも樹脂とワックスを含有し、
前記トナーの構造はコア部とシェル層を有するコア・シェル構造のもので、該シェル層にはワックスを含有せず、該コア部にのみワックスを含有し、
前記樹脂は分子量分布にて分子量6万以上の成分が15質量%以上30質量%以下で、テトラヒドロフラン溶媒に不溶解分がなく、
前記トナーは粒径分布においてCV値が15以上18以下である
ことを特徴とする箔画像形成方法。
2.前記コア・シェル構造のシェル層の厚さが、300nm以上1000nm以下であることを特徴とする前記1に記載の箔画像形成方法。
3.前記樹脂の分子量分布にて分子量10万以上の成分が、5%質量%以上15%質量%以下であることを特徴とする前記1または2に記載の箔画像形成方法。
本発明の箔画像形成方法は、少量多品種の箔画像を容易に作成でき、転写面積率の大きく異なる箔転写面にも転写箔層を良好に転写でき、ベタ画像でも細線画像でも高品質の箔画像が得られ、且つ、使用中に支持体からトナー像ごと剥離したり或いは転写箔層が剥離したりすることが無い優れた箔画像を得ることができる優れた効果を有する。
箔画像形成方法の一例を示す模式図である。 トナー粒子の断面を示す模式図である。 支持体上にトナー像の箔転写面を有するプリント物を形成する工程で用いる電子写真画像形成装置の一例を示す模式図である。 プリント物の箔転写面と転写箔の転写箔層とを重ね合わせて加熱加圧する工程で用いる転写箔層転写装置の一例を示す模式図である。
本発明者らは、少量多品種の箔画像を容易に作成することができ、転写面積率の大きく異なる箔転写面へ転写箔層を良好に転写でき、ベタ画像でも細線画像でも高品質の箔画像が得られ、且つ、使用中に箔画像からトナー像及び転写箔層が剥がれない箔画像が得られる箔画像形成方法について検討を行った。
先ず、本発明の箔画像形成方法で、本発明に係るトナーを用いて箔画像を形成すると、本発明の目的が達成できることについて説明する。
本発明の箔画像形成方法は、電子写真画像形成方法によりプリント物を形成し、プリント物のトナー像の箔転写面に転写箔の転写箔層を転写して箔画像を得ることを特徴とする方法である。
プリント物のトナー像の箔転写面と転写箔の転写箔層とを重ね合わせ、加熱加圧すると、箔転写面のトナーと転写箔層の接着層が溶融もしくは軟化し、接着層とトナーとが接着する。その後、冷却固化することにより接着層とトナーとの間の接着力が強化される。その後、転写箔のベースフィルムを剥離すると、トナー像の部分のみに転写箔層が転写された箔画像が得られる。
尚、本発明で用いられる電子写真画像形成方法によれば、少量多品種のプリント物を得ることは容易である。
本発明者らは、転写箔の接着層と箔転写面のトナーとの接着力を強くするためには、まず、転写箔の接着層とトナーの化学的親和力を高めることが必要と推察した。
化学的親和力を高める方法としては、
(1)転写箔側に、支持体上のトナーと相溶性のよい接着補助層をもたせることや、プライマー処理などの特別な処理をする
(2)転写箔の接着層と相溶性の良いトナーを用いる
ことなどが考えられる。
(1)の方法は、専用の転写箔を作成することになるため、コストが高くなってしまう。また使用できる転写箔が限定されてしまい、本来箔を用いる目的である表現力を付与の選択幅を狭めてしまうことになる。
(2)の方法は、汎用的な転写箔を使用でき、かつ充分な接着性を持った箔画像を得られ望ましい。
一般に、転写箔の接着層には、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂の様な極性の高いホットメルト樹脂が使用されている。この接着層とトナー像の箔転写面との接着性を持たせるには、アクリル系樹脂で特に極性基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂のようなエステル結合を多く含有するトナーを使用すると、化学的親和力を高めることができると考えられる。
しかしながら、エステル結合を多く含有するトナーを実際に電子写真画像形成装置に装填して用いると、トナーが感光体や中間転写体に付着し、トナーフィルミングが発生し、実用上問題があった。
又、転写面積率の大きく異なるプリント物(例えば、ベタ画像と細線を有するプリント物)から箔画像を作成する時には、ベタ画像と細線を同時に転写できないので、転写箔の種類を変えて複数回の作業を行って作成していた。そのため、ベタ画像と細線を有する箔画像の作成には、複数の転写箔の準備と複数回の作業が必要であった。
種々検討の結果、転写面積率の大きく異なる画像が混在していても、転写箔の種類を変ず、1回の作業で高品質の箔画像が得られ、且つ、使用中に箔画像からトナー像及び転写箔層が剥がれない箔画像を得るには、トナーの物性制御が重要であり、特に箔画像の細線再現性とベタ画像再現性を確保するにはワックス機能の制御、トナー粒度分布の制御、樹脂の分子量の制御が重要な因子であることを見出した。
以下、本発明について説明する。
《箔画像形成方法》
本発明の箔画像形成方法は、
少なくとも電子写真画像形成装置にトナーを装填して支持体上にトナー像の箔転写面を有するプリント物を形成する工程、
プリント物の箔転写面と転写箔の転写箔層とを重ね合わせて加熱加圧する工程、
重ねて加熱加圧された支持体と転写箔を冷却した後、転写箔のベースフィルムを剥がす工程を経て箔画像を形成する方法である。
図1は、箔画像形成方法の一例を示す模式図である。
図1において、Aはプリント物を形成する工程、Bは加熱加圧する工程、Cは箔画像を形成する工程、1はプリント物、2は支持体、3はトナー像、4は箔転写面、10は転写箔、11はベースフィルム、12は離型層、13は着色層、14は接着層、15は転写箔層、20は箔画像を示す。
尚、本発明で云う箔転写面とは、支持体上に形成されたトナー像の表面のことで、転写箔層転写装置で転写箔の接着層が直接接する面のことを云う。
図1に示すプリント物1は支持体2の上にトナー像3を形成したものである。転写箔10はベースフィルム11の上に、離型層12、着色層13、接着層14の順で設けた転写箔層15を有するものである。箔画像20はプリント物1のトナー像3の上に転写箔層15が転写されて形成されたものである。
図1のAの工程は、電子写真画像形成方法を採用した電子写真画像形成装置にトナーを装填し、支持体2上にトナー像3を形成し、プリント物1を形成する工程である。
図1のBの工程は、加圧加熱ロールを有する転写箔層転写装置を用い、支持体上のトナー像の箔転写面4と転写箔の転写箔層15とを重ね合わせて加熱加圧する工程である。この工程で、トナー像の箔転写面4と転写箔層15の接着層14とが接着する。
図1のCの工程は、加熱加圧したプリント物1と転写箔10を冷却した後、プリント物1から転写箔10のベースフィルム11を剥がし、トナー像3上に転写箔15を有する箔画像20を形成する工程である。
次に、本発明の箔画像形成方法で用いられる部材について説明する。
《プリント物》
プリント物は、支持体とトナー像で構成される。
トナー像を形成するトナーはカラートナー、黒トナー等着色剤を含有した有色トナーでも良いが、箔画像形成方法箔においてはトナーが色を有している必要は無く、コストを考えると着色剤を含有しないトナーを用いることが望ましい。
〈支持体〉
支持体としては、電子写真画像形成方法に用いることができるものであれば特に制限はなく、例えば紙、プラスチック、金属、木材、布、天然または合成の皮革等が用いられる。
《トナー》
本発明で用いられるトナーは下記の特性を有するものである。
1.トナーは少なくとも樹脂とワックスを含有する
2.トナーの構造はコア部とシェル層を有するコア・シェル構造のもので、該シェル部にはワックスを含有せず、該コア部にワックスを含有する
3.トナーを構成する樹脂は分子量分布にて分子量6万以上の成分が15質量%以上30質量%以下で、該樹脂はテトラヒドロフラン溶媒に不溶解分がない
4.トナーは粒径分布においてCV値が15以上18以下である。
尚、本発明においてトナーとは、トナー粒子の集合体のことである。
樹脂とワックスを含有するトナーを用いることで、
電子写真画像形成装置で、定着装置への巻き付きの発生を防止できる。
コア部とシェル層を有するコア・シェル構造で、該コア部にワックスに含有するトナーを用いることで、
接着層との接着性を阻害する箔転写面のワックス存在率を低く抑えることができ、箔転写面と接着層間の接着性を良好にすることができる。
分子量分布にて分子量6万以上の成分が15質量%以上30質量%以下の樹脂を用いて作製したトナーを用いることで、
箔画像形成時にベタ画像部にも細線画像部にも転写箔層を接着して転写することができ、且つ、使用中に箔画像からトナー像及び転写箔層が剥がれない箔画像が得られる。
テトラヒドロフラン溶媒に不溶解分がない樹脂を用いて作製したトナーを用いることで、テトラヒドロフラン溶媒に溶解しない樹脂は、熱溶融が極端に進みにくくなり、転写箔層との接着性を発現しにくくなってしまう。
分子量10万以上の成分が15質量%より少ないとトナー内部での凝集力が低下し、細線再現性が低下しやすくなり、30質量%より多いと箔転写時の転写温度が高くなり、箔転写時にブリスターなどの画像欠陥が発生しやすくなる。
粒径分布においてCV値が15以上18以下のトナーを用いることで、
トナー像の箔転写面が均一となり、ベタ画像部にも細線画像部にも転写箔層を良好に転写することができる。
図2は、トナー粒子の断面を示す模式図である。
図2において、1はコア部、2はシェル層、3は樹脂、4はワックス、5はトナー粒子、tはシェル層の厚さを示す。
《トナーの構造》
本発明で用いられるトナーの構造は、コア部とシェル層を有するコア・シェル構造のもので、該シェル層にはワックスを含有せず、該コア部にのみワックスを含有する。尚、コア・シェル構造のシェル層の厚さは、300nm以上1000nm以下であることが好ましい。
トナーの構造は、トナーを80〜200nmの切片とし、透過型電子顕微鏡装置(TEM)で観察することができる。
透過型電子顕微鏡装置(TEM)としては、例えば「H−9000NAR」(日立製作所社製)、「JEM−200FX」(日本電子社製)等が挙げられる。
透過型電子顕微鏡による観察方法は、トナーの構造を観察する際に行なわれる通常の方法で行なわれる。例えば、まず、観察用のトナー試料を作製する。常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナーを充分分散させた後、包埋し、硬化させてブロックを作製する。作製したブロックを、ダイヤモンド刃を備えたミクロトームを用い、厚さ80〜200nmの薄片状に切り出して測定用試料を作製する。次に、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてトナーの断面形態の写真撮影をする。当該写真からトナー中におけるコア部とシェル層を目視で確認する。必要に応じて画像処理装置「ルーゼックスF」(ニコレ社製)で撮影された画像情報を演算処理して、トナー内におけるコア部の粒径とシェル層の層厚を測長、ワックスの存在を確認することが可能である。
又、測定用試料は場合によっては四酸化ルテニウム、又は四三酸化オスミウム等で染色し、コア部とシェル層、ワックスの存在を目視観察しやすくしても良い。
本発明では、10,000倍の倍率で50個以上のトナーの投影面からコア部とシェル層を有することを確認し、トナー内におけるコア部の大きさとシェル層の厚さ、ワックスの存在を透過型電子顕微鏡写真の結果により算出する。尚、観察の倍率は、トナー粒子1個の断面構造が判る範囲で調整する。
シェル層の厚さは、トナーのTEM(透過型電子顕微鏡)写真より、コア部を目視観察により確認し、トナーの最表面から、コア部までの距離をランダムに十点測定し、その平均値からシェル層の膜厚を算出する。尚、TEM撮影を行うトナーの数は、最低でも50個以上とする。
《トナーを構成する樹脂の分子量》
トナーを構成する樹脂の分子量は、分子量分布にて分子量6万以上の成分が15質量%以上30質量%以下であり、分子量10万以上の成分が、5%質量%以上15%質量%以下であることが好ましい。
樹脂の分子量は、分子量分布測定が可能な公知の方法であれば、特に限定されるものではない。すなわち、分子量によりわずかに異なる溶解性等の物性差を定量して、その分子量の樹脂全体に対する質量比の測定、算出が可能な方法であれば特に限定されるものではない。例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC法)、光散乱法、X線小角散乱法等による測定法が挙げられ、その中でも、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(以下、GPC法ともいう)が好ましい方法である。その理由は、トナー粒子を直接測定し、得られた測定値よりコンピュータ等の演算手段により当該樹脂の分子量分布が算出可能なことから、他の測定方法に比べて容易かつ高精度に定量が可能なので好ましい方法といえる。以下に、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法による分子量の測定手順を説明する。
先ず、トナー粒子を1mg/mlとなる様にテトラヒドロフランに溶解する。溶解条件は、室温下で超音波分散機を用いて5分間行う。次に、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理した後、下記測定装置に試料溶解液を10μl注入する。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ法の測定条件を下記に示す。
装置:HLC−8220(東ソー社製)
カラム:TSKguardcolumm+TSKgelSuperHZM−M 3連(東ソー社製)
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.2ml/分
検出器:屈折率検出器(RI検出器)
トナー粒子の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用のポリスチレンは10点用いる。
分子量6万以上の成分の割合(質量%)は、GPCのスチレン換算検量線において、6万に相当する溶出時間でGPCチャートを切り出し、チャート全体面積に対する6万以上部分のチャート面積の比率から算出して求めることができる。
《樹脂のテトラヒドロフラン溶媒へ不溶な成分》
トナーを構成する樹脂は、100℃のテトラヒドロフラン溶媒に不溶な成分が無く、完全に溶解するものである。100℃のテトラヒドロフラン溶媒に不溶な成分が有ると転写箔層とトナーとの接着性が不十分となる。
テトラヒドロフラン溶媒に溶解しない樹脂成分の有無は、樹脂をテトラヒドロフラン溶剤に以下の条件で溶解して評価する。
トナーサンプル0.5〜1.0gを秤量し、円筒濾紙(例えば、東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてテトラヒドロフラン100〜200mlを用い、100℃に加熱した状態で6時間抽出した後、100℃で円筒濾紙を数時間乾燥し、円筒濾紙の上に残存する不溶樹脂成分の有無を目視で評価する。
トナー中のテトラヒドロフラン溶媒への溶解性を評価するときは、樹脂以外のテトラヒドロフラン不溶分、例えばトナー中のカーボンブラック、マグネタイトのような顔料等を適切な手段で除去しておくことが必要である。
次に、トナーを構成する材料について説明する。
《トナーを構成する材料》
本発明のトナーは、少なくとも樹脂とワックスとを含有する。
〈樹脂〉
トナーを構成する樹脂は、定着性の観点からスチレンアクリル系樹脂を用いて作製することが好ましい。
スチレンアクリル樹脂を形成することが可能な重合性単量体としてスチレン単量体とアクリル酸エステル単量体の例を示すが、本発明に使用可能なスチレン単量体とアクリル酸エステル単量体は以下に示すもののみに限定されるものではない。
先ず、スチレン単量体には、例えば、以下のものが挙げられる。すなわち、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等
また、アクリル酸エステル単量体は、以下に示すアクリル酸エステル単量体とメタクリル酸エステル単量体が代表的なものであり、アクリル酸エステル単量体には、例えば、以下のものが挙げられる。すなわち、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等が挙げられる。
メタクリル酸エステル単量体には、例えば、以下のものが挙げられる。すなわち、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等が挙げられる。
これらのアクリル酸エステル単量体あるいはメタクリル酸エステル単量体は、1種類単独で使用することができる他に、2種以上を組み合わせて使用することも可能である。すなわち、スチレン単量体と2種類以上のアクリル酸エステル単量体を用いて共重合体を形成すること、スチレン単量体と2種類以上のメタクリル酸エステル単量体を用いて共重合体を形成すること、あるいは、スチレン単量体とアクリル酸エステル単量体及びメタクリル酸エステル単量体とを併用して共重合体を形成することのいずれも可能である。
シェル層を構成する樹脂は、耐熱保管性の観点からコア部を構成する樹脂より軟化点が高いものが好ましいが、同熱特性の樹脂組成でも問題ない。
〈ワックス〉
本発明に用いられるワックスとしては、加熱ローラへの巻き付き防止効果が有り、樹脂と一部相溶するものが好ましく用いられる。
ワックスとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類、カルナウバワックス、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワックス、モンタンワックス、セレシン、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の好物・石油系ワックスが挙げられる。好ましくは、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチル、べへン酸ベヘニル等の炭素数12乃至30の長鎖アルキルモノアルコールと炭素数12乃至30の高級脂肪酸のエステル類、イタコン酸ジベヘニル、マレイン酸ジステアリル、アコニット酸トリステアリル等の多価カルボン酸と炭素数12乃至30の長鎖アルキルアルコールからなるエステル類、トリステアリン酸グリセリド、トリベヘン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等の多価アルコールと炭素数12乃至30の高級脂肪酸からなるエステル類、テトラステアリン酸ジグリセリド、テトラベヘン酸ジグリセリド、ヘキサベヘン酸トリグリセリド、デカステアリン酸で課グリセリド、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート等の炭素数12乃至30の高級脂肪酸と多価アルコール多量体のエステル類、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリべへネート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類、コレステリルステアレート、コレステリルベヘネート、コレステリルオレエート等のコレステロール脂肪酸エステル類等が挙げられる。これらは、融点、溶融粘度、融解熱量等により選択され、単独又は2種以上併用しても良い。
本発明で用いられるワックスは、その融解熱量が100J/g以上300J/g以下のものが好ましく用いられる。尚、ワックスの融解熱量もトナーと同様の方法で測定することができる。
トナーが含有するワックスの量は、トナー全質量に対して、0.5質量%以上20質量%以下が好ましい。
本発明で用いられるワックスは、その融点が50℃以上100℃以下のものが好ましい。この融点範囲のワックスを用いると、低温定着時にも加熱ローラへの巻き付き防止に効果が有り好ましい。
次に、本発明で用いられるトナーの製造について説明する。
《トナーの製造》
本発明で用いられるトナーの好ましい製造方法としては、種々の態様の製造方法を採ることができるが、コア用粒子を凝集させてコア部となるコア粒子を作製する工程と、当該コア部の表面にシェル層用樹脂粒子によりシェル層を形成する工程を経て、コア・シェル構造のトナーを作製する方法を挙げることができる。
以下、トナーの製造方法の一例を挙げて説明する。
(1)重合性単量体とワックス粒子の混合液中の重合性単量体を重合してコア用粒子の分散液を調製する工程
(2)重合性単量体を重合してシェル用粒子の分散液を調製する工程
(3)水系媒体中でコア用粒子を凝集、融着させてコア粒子を形成する工程
(4)コア粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整する工程
(5)コア粒子の分散液中に、シェル用粒子を添加してコア粒子(以下、コア部とも云う)の表面にシェル用粒子を凝集、融着させてシェル層を形成し、コア・シェル構造の粒子を形成する工程
(6)コア・シェル構造の粒子を熱エネルギーにより熟成して、コア・シェル構造の粒子の形状を調整し、トナー母体粒子の分散液を作製する工程
(7)トナー母体粒子の分散液を冷却後、トナー母体粒子を固液分離し、当該トナー母体粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(8)洗浄処理されたトナー母体粒子を乾燥する乾燥工程、
(9)乾燥処理されたトナー母体粒子に外添剤を添加、混合してトナーを調製する工程。
トナーは、シェル層の厚さが薄くかつ厚さが一定していることが好ましく、シェル層形成後は粒径の一定した形状の揃ったトナーが好ましい。このような構造と形状を有するトナーを作製するためには、コア部は極めて粒径の揃った、均一な形状にしておき、そこにシェル用粒子を添加してシェル化を行うことになる。そして、シェル化を行う時に最終的にトナーの形状制御を行って適切な形状を付与させるものであるが、それには粒径が揃った均一な形状を有するコア部を作製するのが最も重要である。この様なコア部であれば、その表面にシェル用粒子が均一に付着し、結果として極めて均一なトナー粒子を作製することができる。
コア部の形状は、コア粒子を形成する工程、熟成して形状を調整する工程の加熱温度、加熱時間等を制御することにより制御することができる。
この中で、熟成工程における時間制御が効果的である。熟成工程は、コア部の円形度を調整することを目的としていることから、この時間を制御することにより、CV値を調整できる。
次に、トナーを作製する際に使用する、界面活性剤、重合開始剤、外添剤について説明する。
(界面活性剤)
前述の重合性単量体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものではないが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
(重合開始剤)
本発明に係るコア部及びシェル層を構成する樹脂は、スチレン単量体とアクリル酸エステル単量体をラジカル重合して形成されるスチレンアクリル系共重合体を含有するものを挙げることができる。スチレンアクリル系共重合体を形成する場合、公知の油溶性あるいは水溶性の重合開始剤を使用することができる。油溶性の重合開始剤としては、アゾ系またはジアゾ系重合開始剤や過酸化物系重合開始剤を挙げることができる。
(外添剤)
外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子、有機微粒子および滑剤などを使用することができる。無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物粒子の使用が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。
この外添剤の添加量は、トナー中に好ましくは0.1質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上4.0質量%以下が寄り好ましい。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
《トナーの粒径》
トナーの粒径は、トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)で3μm以上8μm以下のものが好ましい。トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)を上記範囲にすることにより、カブリが無く、微小なドット画像までより忠実に形成することができるプリント物が得られ好ましい。
体積基準におけるメディアン径(D50)は、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピュータシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行いトナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、コールターマルチサイザー3のアパチャ径は50mmのものを使用する。
《トナーの粒度分布におけるCV値》
本発明で用いられるトナーは、粒度分布におけるCV値(変動係数)が15以上18以下のものである。
トナーの粒度分布におけるCV値は、トナー粒子の粒度分布における分散度を体積基準で表したもので、以下の式によって定義される。
CV値(%)=(個数粒度分布における標準偏差)/(体積基準の粒度分布におけるメディアン径(D50))×100
尚、個数粒度分布における標準偏差と体積基準の粒度分布におけるメディアン径(D50)は、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピュータシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出することができる。
《現像剤》
本発明に係るトナーを現像剤として用いる場合、本発明に係るトナーを単独で用いる一成分系現像剤でも、また、トナーとキャリアからなる二成分系現像剤であっても、いずれも本発明の効果を発現することができる。
また、二成分現像剤として用いる場合に使用されるキャリアは、特に制限されるものではなく、公知のキャリアを使用することができ、樹脂被覆キャリアを挙げることができる。
ここで、樹脂被覆キャリアについて説明する。キャリアの体積基準におけるメディアン径(D50)は20μm以上80μm以下のものが好ましく、良好な画質が得られることと耐フィルミング性を向上させる視点から25μm以上60μm以下がより好ましい。また、樹脂被覆キャリアを構成する核体粒子にはフェライトやマグネタイト造粒物等を用いることができ、その中でもフェライトが好ましい。フェライト組成は、キャリア付着防止の観点より、公知のものの中でもマンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライトが好ましい。
《転写箔》
転写箔の種類としては、金属箔、カラー顔料箔、ホログラム箔等、種々のものがあるが、本発明ではその種類は限定されるものではない。
本発明で用いる転写箔としては、市販のホットメルトタイプの転写箔を挙げることができる。中でも軟式ビニルまたはプラスチックに転写することを目的とした転写箔が好適に用いられる。
転写箔の層構成としては、ベースフィルムの上に離型層、着色層、必要に応じ接着層を順次積層した層構成のものを挙げることができる。
転写箔の層構成は、図1の転写箔10図に記載されております。
図1において、10は層構成、11はベースフィルム、12は離型層、13は着色層、14は接着層、15は転写箔層を示す。
箔画像は、離型層、着色層及び必要に応じ設けた接着層で構成される転写箔層がトナー像の箔転写面へ転写されて形成される。
〈ベースフィルム〉
ベースフィルムとしては、転写箔層転写装置の加熱加圧に耐え、ベースフィルムの上に転写箔層を設けることができるものが用いられる。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂シートが用いられる。ベースフィルムの厚みは7〜75μmが好ましく、強度と作業性の兼ね合いから、10〜20μmがより好ましい。
〈転写箔層〉
転写箔層は、離型層、着色層及び接着層で構成される。
(離型層)
離型層は、箔転写時にベースフィルムから転写箔層が離れやすくするために設けるものである。離型層としては、例えば、シリコーン樹脂やオレフィン系樹脂、ワックス等が使用される。
(着色層)
着色層は、トナー像の上に形成されたときに着色或いは反射像を形成する層である。
本発明において、着色層とは、着色剤を含有する着色剤層、金属等を蒸着した反射層、或いは着色剤層と反射層の両方からなる層の総称を云う。
着色剤層
着色剤層は、少なくとも着色剤とバインダー樹脂から構成される。着色剤は有機顔料、無機顔料、染料等特に限定されない。バインダー樹脂は特に限定されないが、耐熱性の観点からユリア樹脂、メラミン系樹脂等のアミノ系硬化樹脂、セルロース樹脂、アクリル系樹脂等が好ましく用いられる。
反射層
反射層は、メタリックな光沢を有する仕上がりの箔画像を形成するために用いるもので、金属等を用いて公知の方法で反射層を設けることにより形成されたものである。反射層を形成する金属材料としては、例えばアルミニウム、スズ、銀、クロム、ニッケル、金等の単体のほかに、ニッケルークロムー鉄合金や青銅、アルミ青銅等の合金をしようすることも可能である。反射層を形成する手段としては、例えば蒸着方やスパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法が挙げられる。また、反射層には、例えば水洗シーライト加工、エッチング加工、レーザー加工等の公知の加工方法を利用して規則的な模様を付与するパターンニング処理を施すことも可能である。
(接着層)
接着層は、加熱加圧後、冷却されたときトナー像の箔転写面と接着する特性を有する主に樹脂を構成材料とする層である。
接着層を構成する樹脂としては、加熱により軟化し、トナー像の箔転写面と密着した状態で冷却することにより固化して接着力が生じるホットメルト接着剤が用いられる。ホットメルト接着剤としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、塩化ビニル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリエステル系接着剤、アクリル樹脂系接着剤など、任意の熱可塑性樹脂系接着剤が挙げられる。
次に、本発明に係るトナーを用いてプリント物を得る方法について説明する。
プリント物の構成は、図1のプリント物1に記載されております。
図1において、1はプリント物、2は支持体、3はトナー像、4は箔転写面を示す。
尚、本発明において、箔転写面とは転写箔の転写箔層が転写されるトナー像の表面のことである。
《プリント物の形成方法》
プリント物は、電子写真画像形成装置にトナーを装填し、支持体上にトナー像を形成する方法で得ることができる。
詳細には、
(1)感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程
(2)トナーを装填して、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程
(3)感光体上に形成されたトナー像を支持体上に転写する転写工程
(4)支持体上に転写されたトナー像を加熱定着する定着工程。
なお、上記4つの工程の他の工程を有していてもよい。例えば、トナー像を転写した後、感光体表面に残留するトナーを除去するクリーニング工程を有するものが好ましい。また、転写工程では、感光体より支持体上へのトナー像の転写を、中間転写体を介して行うものでもよい。
図3は、支持体の上にトナー像を有するプリント物を形成する工程で用いる電子写真画像形成装置の一例を示す模式図である。
図3において、Aは電子写真画像形成装置、50は感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器(帯電手段)で、感光体50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
感光体への一様帯電の後、像露光手段としての像露光器53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
帯電器52により感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を現像工程(手段)により顕像化する。一方、未露光部電位は現像スリーブ541に印加される現像バイアス電位により現像されない。
次に、静電潜像は現像手段としての現像器54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられ、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541により現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成され、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材により制御される。該現像剤の搬送量は適用される有機電子写真感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cmの範囲である。
本発明に係るトナーは、二成分系現像剤あるいは一成分系現像剤のいずれの現像剤として使用可能である。現像スリーブ(現像ローラ)径は20〜5mm、好ましくは18〜7mmがよく、現像スリーブの線速は200〜1800mm/secが好ましい。
なお、図中の70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
また、本発明に係るトナーを用いる画像形成方法で実施可能な定着方法は、特に限定されるものではなく、公知の定着方式により対応が可能である。公知の定着方式としては、加熱ローラと加圧ローラからなるローラ定着方式、加熱ローラと加圧ベルトからなる定着方式、加熱ベルトと加圧ローラで構成される定着方式、加熱ベルトと加圧ベルトからなるベルト定着方式等がありいずれの方式でもよい。また加熱方式としてはハロゲンランプによる方式、IH定着方式など、公知のいずれの加熱方式を採用することができる。
《箔画像の形成方法》
図4は、プリント物のトナー像の箔転写面に転写箔の転写箔層を転写する工程で用いる転写箔層転写装置の一例を示す模式図である。
図4において、Bは転写箔層転写装置、1はプリント物、10は転写箔、100は加熱ロール、101はアルミニウム製基体上に配置したシリコーンゴム層、102は熱源、200は加圧ロール、201はアルミニウム製基体上に配置したシリコーンゴム層、202は加圧スプリング、300はプリント物の搬送方向を示す。
箔画像は、以下の様にして形成することができる。
(1)プリント物のトナー像の箔転写面と転写箔の転写箔層とを重ね合わせる
(2)重ね合わせたプリント物と転写箔を転写箔層転写装置の加熱ロールと加圧ロールの間に挿入し、加熱加圧する
(3)重ね合わせられたプリント物と転写箔は、加熱された状態で排出される。
(4)排出されたプリント物と転写箔は冷却され、プリント物から転写箔のベースフィルムが剥がされ、箔画像が形成される。
転写箔層転写装置の仕様
(加熱加圧ロールの仕様)
加熱ロール:外径100mm、厚さ10mmのアルミニウム製基体上に厚さ3mmのシリコーンゴム層を配置したもの
加圧ロール:外径80mm、厚さ10mmのアルミニウム製基体上厚さ3mmのシリコーンゴム層を配置したもの
熱源:加熱ロールの内部にハロゲンランプを配置(サーミスタにより温度制御)
加熱ロールと加圧ロールのニップ幅:7mm
(加熱ロールの温度設定)
加熱ロールの表面温度:130〜250℃で可変
(搬送速度)
23mm/sec
尚、転写箔層転写装置としては、電子写真画像形成装置の定着装置の温度、圧力条件等を変えることで用いることもできる。
プリント物に転写箔を転写して作成した箔画像は、画像の装飾性が要求される用途の他に、偽造防止、セキュリティ用途としても用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。
《コア用粒子の分散液の製造》
〈コア用粒子1の分散液の製造〉
第一段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部とイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、再度液温80℃とし、下記単量体混合液を1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂粒子(1H)」とする。
単量体混合液
スチレン 480質量部
n−ブチルアクリレート 250質量部
メタクリル酸 68.0質量部
n−オクチル−3メルカブトプロピオネート 16.0質量部
第二段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水800質量部に溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱後、前記樹脂粒子(1H)を260質量部と、下記混合液を90℃にて溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック(株)製)を用いて1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
混合液
スチレン 245質量部
n−ブチルアクリレート 120質量部
n−オクチルメルカプタン 1.5質量部
パラフィンワックス 95質量部
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を82℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子を得た。これを「樹脂粒子(1HM)」とする。
第三段重合
さらに、過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下に下記単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し樹脂粒子を得た。これを「コア用粒子1の分散液」とする。
単量体溶液
スチレン 435質量部
n−ブチルアクリレート 130質量部
メタクリル酸 33質量部
n−オクチルメルカプタン 8質量部
〈コア用粒子2〜9の分散液の作製〉
コア用粒子1の分散液の作製において、第三段重合の単量体混合液の滴下条件、滴下終了後の加熱撹拌条件を変更して樹脂の分子量が異なる「コア用粒子2〜9の分散液」を作製した。
《シェル用粒子の分散液の作製》
〈シェル用粒子1の分散液の作製〉
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム2.3質量部とイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、再度液温80℃とし、下記単量体混合液を1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子を作製した。これを「シェル用粒子1の分散液」とする。
単量体混合液
スチレン 520質量部
n−ブチルアクリレート 210質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 16質量部
〈シェル用粒子2の分散液の作製〉
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム2.3質量部をイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、再度液温80℃とし、下記混合液を1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子を作製した。これを「シェル用粒子2の分散液」とする。
混合液
スチレン 520質量部
n−ブチルアクリレート 210質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 16質量部
パラフィンワックス 95質量部
《トナー1の作製》
(凝集・融着工程)
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、「コア用粒子1の分散液」を固形分換算で300質量部と、イオン交換水1400質量部と、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3質量部をイオン交換水120質量部に溶解させた溶液を仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム35質量部をイオン交換水35質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、90℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。
この状態で、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子(コア粒子)の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径が7.5μmになった時点で、「シェル用粒子1の分散液」を固形分換算で45質量部添加し、コア粒子の表面にシェル層を形成させた。その後、塩化ナトリウム150質量部をイオン交換水600質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、融着工程として液温度90℃にて加熱撹拌することにより、「FPIA−2100」(シスメックス社製)による測定で円形度0.965になるまで、粒子間の融着を進行させた。その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、撹拌を停止した。
(洗浄・乾燥工程)
凝集・融着工程にて生成した粒子を分離機「MARKIII型式番号60×40」(松本機械(株)製)で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。該ウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー母体粒子1」を作製した。
(外添工程)
上記で作製したトナー母体粒子1に、疎水性のシリカ「NAX50」(日本アエロジル社製)を1質量%、疎水性のシリカ「R805」(日本アエロジル社製)を1質量%、疎水性のチタニア「MT150A1」(テイカ社製)を0.3質量%添加し、ヘンシェルミキサーを用いて60分間混合(周速42m/秒、混合温度38℃)して、「トナー1」を作製した。尚、得られたトナーを構成する樹脂は分子量6万以上の成分が17質量%、分子量10万以上の成分が7質量%で、テトラヒドロフラン溶媒に全量溶解した。
〈トナー2〜11の作製〉
トナー1の製造で用いたコア用粒子1の分散液を、「コア用粒子2〜11の分散液」に変更した以外は同様にして「トナー2〜11」を作製した。
〈トナー12〜15の作製〉
トナー1の製造で用いたシェル用粒子1の分散液の量を変更してシェル層の厚さが異なる「トナー12〜15」を作製した。
〈トナー16の作製〉
トナー1の製造で用いたシェル用粒子1の分散液を、「シェル用粒子2の分散液」に変更した以外は同様にして「トナー16」を作製した。
〈トナー17の作製〉
トナー1の製造において、シェル層を形成せず、コア用粒子1の分散液からトナー母体粒子17を作製した以外は同様にして「トナー17」を作製した。
表1に、得られたトナーのCV値、シェル層の厚さ、樹脂の分子量(分子量6万以上の割合、分子量10万以上の割合)、テトラヒドロフラン(THF)溶媒に不溶解分の有無を示す。
Figure 2012098434
尚、CV値、シェル層の厚さ、樹脂の分子量、テトラヒドロフラン溶媒に不溶解分の有無は前記の方法で測定、判定した結果である。
(現像剤の調製)
上記で作製した「トナー1〜17」の各々に対し、下記キャリアをトナー濃度が4質量%になるようにV型混合機にて混合し、「現像剤1〜17」を調製した。
尚、キャリアとしては、フェライトコア粒子100質量部とシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体樹脂粒子5質量部を攪拌羽根付き高速混合機に投入し、120℃で30分間攪拌混合して機械的衝撃力の作用でフェライトコア粒子の表面に樹脂コート層を形成し、体積基準のメディアン径(D50)が60μmのフェライトキャリアを用いた。
(転写箔の準備)
転写箔として金箔「BL 2号金2.8」、ホログラム箔「KP015YPP」(いずれも(株)村田金箔製)を準備した。
《電子写真特性の評価》
トナーの電子写真特性の評価は、市販の電子写真画像形成装置「Bizhub500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」に上記で作製したトナーを順次装填し、30℃、80%RH環境下で50万枚連続プリントを実施し、感光体上のトナーフィルミングの程度を目視確認するとともに、トナーフィルミングに起因する画像欠陥発生の有無で評価した。尚、◎、○を合格とする。
評価基準
◎:50万枚のプリントまで、感光体上にトナーフィルミングが確認されず、画像欠陥発生も無い
○:50万枚のプリントまでに、感光体上にトナーフィルミングは確認されたが、50万枚のプリントまで画像欠陥発生は無い
×:50万枚のプリントまでに、感光体上にトナーフィルミングが観察され、50万枚のプリントまでに画像欠陥発生も有り。
《箔画像の評価》
〈プリント物1〜17の作成〉
「プリント物1〜17」は、市販の電子写真画像形成装置「Bizhub500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」を用い、上記で作製したトナー1〜17を上記電子写真画像形成装置に装填し、6ポイントの数字と10cm角の原稿を「OKトップコート紙(坪量157g/m、紙厚131μm)」(王子製紙社製)にトナー像を形成して作成した。
〈箔画像1〜17の作成〉
「箔画像1〜17」は、上記で作成した「プリント物1〜17」のトナー像の箔転写面と金箔「BL 2号金2.8」の接着層面が接するように重ね合わせ、図4に示す転写箔層転写装置の加熱ロール表面の温度を180℃に設定した加熱加圧ロール間を通し、室温まで冷却した後、プリント物から転写箔のベースフィルムを剥離し、トナー像への転写箔層の転写を行い作成した。
〈箔画像18の作成〉
「箔画像18」は、上記で作成した「プリント物1」のトナー像の箔転写面とホログラム箔「KP015YPP」の接着層面が接するように重ね合わせ、図4に示す転写箔層転写装置の加熱ロール表面の温度を180℃に設定した加熱加圧ロール間を通し、室温まで冷却した後、プリント物からホログラム箔のベースフィルムを剥離し、トナー像への転写箔層の転写を行い作成した。
(細線再現性の評価)
細線再現性は、上記で作成した箔画像の表面を目視で観察し評価した。尚、◎、○を合格とする。
評価基準
◎:2mm角のトナー像上に忠実に転写箔層が転写されている
○:2mm角のトナー像上に転写箔層が転写されていない部分が10%未満ある
×:2mm角のトナー像上に転写箔層が転写されていない部分が10%以上ある。
(ベタ画像再現性の評価)
ベタ画像再現性は、上記で作成した箔画像の表面を目視で観察し評価した。尚、◎、○を合格とする。
評価基準
◎:10cm角のトナー像上に忠実に転写箔層が転写されている
○:10cm角のトナー像上に転写箔層が転写されているが、部分的にしわが見られる
×:10cm角のトナー像上に転写箔層が転写されていない部分がある。
(接着性の評価)
接着性の評価は、テープ剥離試験で行った。
箔画像の転写箔層上に「メンディングテープ」(住友3M製)を貼りつけた後、剥した部分の箔画像を目視にて観察し評価した。尚、◎、○を合格とする。
テープ剥離法
(1)「メンディングテープ」(住友3M社製:No.810−3−12相当)を軽く張り付ける
(2)1kPaの圧力でテープを3.5回往復擦り付ける
(3)180°の角度、200gの力でテープを剥がす
(4)剥離後の箔画像を目視で観察する
評価基準
◎:転写箔層に剥離された部分が無く良好
○:転写箔層に剥離された部分が見られるが、実用上問題なし
×:転写箔層に剥離された部分が多く、実用上問題有り。
表2に評価結果を示す。
Figure 2012098434
表2に示す様に、本発明の構成を満たすトナーは良好な電子写真特性を示し、本発明の構成を満たすトナーを用いて作成したプリント物上に転写箔の転写箔層を転写する箔画像形成方法で作成した箔画像は、良好な細線再現性とベタ画像再現性、良好な転写箔層の接着性を有することが確認された。
一方、本発明の構成を有さないトナーでは、上記評価項目中のいずれかで評価基準を満たしていないことが確認された。
A プリント物を形成する工程
B 加熱加圧する工程
C 箔画像を形成する工程
1 プリント物
2 支持体
3 トナー像
4 箔転写面
10 転写箔
11 ベースフィルム
12 離型層
13 着色層
14 接着層
15 転写箔層
20 箔画像

Claims (3)

  1. 少なくとも電子写真画像形成装置にトナーを装填して支持体上にトナー像の箔転写面を有するプリント物を形成する工程、
    プリント物の箔転写面と、転写箔層とベースフィルムを有する転写箔の転写箔層とを重ね合わせて加熱加圧する工程、
    加熱加圧されたプリント物と転写箔を冷却した後、転写箔のベースフィルムを剥がす工程
    を経て箔画像を形成する箔画像形成方法において、
    前記トナーは少なくとも樹脂とワックスを含有し、
    前記トナーの構造はコア部とシェル層を有するコア・シェル構造のもので、該シェル層にはワックスを含有せず、該コア部にのみワックスを含有し、
    前記樹脂は分子量分布にて分子量6万以上の成分が15質量%以上30質量%以下で、テトラヒドロフラン溶媒に不溶解分がなく、
    前記トナーは粒径分布においてCV値が15以上18以下である
    ことを特徴とする箔画像形成方法。
  2. 前記コア・シェル構造のシェル層の厚さが、300nm以上1000nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の箔画像形成方法。
  3. 前記樹脂の分子量分布にて分子量10万以上の成分が、5%質量%以上15%質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の箔画像形成方法。
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