JP2012082792A

JP2012082792A - 電動圧縮機

Info

Publication number: JP2012082792A
Application number: JP2010231396A
Authority: JP
Inventors: Hirotada Shimaguchi; 博匡島口; Toshikatsu Miyaji; 俊勝宮地; Tatsuya Ozaki; 達也尾崎
Original assignee: Calsonic Kansei Corp
Current assignee: Marelli Corp
Priority date: 2010-10-14
Filing date: 2010-10-14
Publication date: 2012-04-26
Also published as: WO2012050063A1; US20130207509A1; EP2628949A1; CN103154515A

Abstract

【課題】ステータの振動を抑えつつ、ケースの変形を防ぐことができる電動圧縮機を提供することを目的としている。
【解決手段】円筒状のハウジング２内で、該ハウジング２内に配置された電動モータ３で圧縮機４を駆動する電動圧縮機１であって、前記電動モータ３が前記ハウジング２に固定されて通電により磁力を発生する固定子７と、この固定子７の内側に回転自在に配置されて前記固定子７が発生した磁力により回転する回転子９とで形成され、前記固定子７は該固定子７と線膨張係数が近似した材質の筒体６に圧入され、該筒体６が前記ハウジング２の内壁１０に部分的に複数箇所で圧入されていることを特徴とする。
【選択図】図３

Description

本発明は、電動圧縮機に関するものである。

この種の電動圧縮機は、筒状のハウジング内に圧縮機構と、この圧縮機構を駆動する電動モータと、電動モータを駆動制御する駆動回路とが内蔵されている。

ハウジング内に内蔵される上記電動モータは、固定子と、この固定子の内側で回転する回転子とで形成されており、固定子は、複数枚の積層鋼板を積層させ、これに巻線することで形成されている。このような固定子は、特許文献１で開示されているように、ハウジングの内周に焼きバメによって固定されている。

一方、特許文献２で開示されている密閉形スクロール圧縮機では、モータをハウジング（ケース）内に固定する場合、モータフレームの内周にモータのステータを圧入または焼き嵌めして固定し、モータをモータフレームごと円筒状の中ケース内に挿入してフレーム部材にボルトで固定している。

特開２００９−２２８５４６号公報特開２００９−９７４１７号公報

しかしながら、特許文献１のような電動圧縮機では、ハウジングがアルミ製で、ステータが鉄製なので、焼きバメによってステータをハウジング内周に固定する場合、ステータとハウジングとの間にしめ代を設けているが、常温でのしめ代が非常に大きくなってしまう。しめ代が大きいので、ハウジングが均一の肉厚で形成されていればハウジングが均一に伸びるが、取り付け足などを設けるためにハウジングの肉厚は均一ではなく肉厚の厚い部分と薄い部分が存在し、肉厚の薄い部分に力が加わると変形が大きくなる。ハウジングの変形が大きくなると、軸芯ずれが生じるという課題がある。

一方、特許文献２のような圧縮機では、ステータはモータフレームに焼き嵌めされた状態でケースに挿入し、フレーム部材にボルト固定するため、作業工数、部品点数が増えるという課題がある。

また、ステータの振動が大きいので、ボルト固定によってケースに固定されるステータがケース内で振動すると騒音が発生するという課題を有している。

そこで、本発明は、作業工数や部品点数が少なく、ステータのハウジング内での振動を抑えつつ、ハウジングの変形を抑制することができる電動圧縮機の提供を目的とする。

上記の課題を解決するために、請求項１に記載の本発明は、円筒状のハウジング２内で、該ハウジング２内に配置された電動モータ３で圧縮機４を駆動する電動圧縮機１であって、前記電動モータ３が前記ハウジング２に固定されて通電により磁力を発生する固定子７と、この固定子７の内側に回転自在に配置されて前記固定子７が発生した磁力により回転する回転子９とで形成され、前記固定子７は該固定子７と線膨張係数が近似した材質の筒体６に圧入され、該筒体６が前記ハウジング２の内壁に部分的に複数箇所で圧入されていることを特徴とする。

請求項２に記載の発明は、請求項１記載の電動圧縮機１であって、前記筒体６を前記ハウジング２の内壁に圧入する箇所は、軸方向で少なくとも２箇所以上で圧入されていることを特徴とする。

請求項３に記載の発明は、請求項１または請求項２に記載の電動圧縮機１であって、前記ハウジング２の内壁１０には該内壁１０から内径方向に突出する後端部側圧入壁１１と先端部側圧入壁１８が設けられ、前記筒体６には前記ハウジング２の先端部側圧入壁１８の対向する位置に先端圧入部２１と、前記ハウジング２の後端部側圧入壁１１に対向する位置に後端圧入部２２とが設けられていることを特徴とする。

請求項４に記載の発明は、請求項１〜請求項３に記載の電動圧縮機１であって、前記筒体６を前記ハウジング２の内壁に圧入する箇所は、周方向で少なくとも３箇所以上で圧入されていることを特徴とする。

本発明によれば、固定子は該固定子と線膨張係数が近似した材質の筒体に圧入して固定されるので、固定子を形成する複数枚の積層鋼板が全体的に固定されるから固定子の振動を抑えることができる。従って、騒音を防止することができる。

また、筒体がハウジングの内壁に部分的に複数箇所で圧入されているので、大きなシメ代を設けても、ハウジングの変形を防止することができる。

さらに、ハウジングの内壁に段差を設けているので、圧入負荷を低減することができるのでハウジングへの筒体の挿入が容易となる。

電動圧縮機の断面図。（ａ）図１のＸ−Ｘ線拡大簡略断面図。（ｂ）図２（ａ）の断面図。図２（ｂ）の要部拡大断面図。他の実施の形態の要部拡大簡略断面図。他の例の鉄製リングの分解斜視図。

以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。

以下、図１〜４を用いて本発明に係る電動圧縮機の実施の形態について説明する。

図１に示すように、電動圧縮機１は、円筒状のハウジング２と、このハウジング２に収容される電動モータ３の駆動力によって冷媒を圧縮する圧縮機４と、電動モータ３の駆動を制御する駆動回路部５とからなっている。

本実施形態の電動モータ３は、ハウジング２に固定されて通電により磁力を発生する固定子７と、この固定子７の内側に回転自在に配置されて固定子７が発生した磁力により回転する回転子９とで形成され、固定子７はこの固定子７と線膨張係数が近似した材質の鉄製リング（筒体）６に圧入され、この鉄製リング６がハウジング２の内壁に部分的に複数箇所で圧入されている。

また、鉄製リング６をハウジング２の内壁に圧入する箇所は、電動圧縮機１の軸方向で少なくとも２箇所以上で圧入されている。

上記円筒状のハウジング２は、フロントハウジング２ａと、このフロントハウジング２ａに一端側が連結・固定されるミドルハウジング２ｂと、ミドルハウジング２ｂの他端側と連結され上記電動モータ３が収容されるリヤハウジング２ｃとで形成されている。リヤハウジング２ｃ内には、ミドルハウジング２ｂ側の一側開口８から電動モータ３が鉄製リング６とともに挿入され、他側の内壁１０に圧入されて固定されている。

リヤハウジング２ｃの他側の内壁１０には、内壁１０から内径方向に突出する後端部側圧入壁１１が、電動モータ３の挿入方向に沿って、リヤハウジング２ｃの内壁全周に渡って形成されている。この後端部側圧入壁１１とリヤハウジング２ｃの内壁１０との連続部分に後端部側の段差１２が形成され、この段差１２には後端部側圧入壁１１からリヤハウジング２ｃの内壁１０に向けてテーパ面１７が形成されている。

また、リヤハウジング２ｃの内壁には、後端部側圧入壁１１の電動モータ３の挿入方向先端側に電動モータ３の挿入方向に沿って、後端部側圧入壁１１から内径方向に突出する先端部側圧入壁１８がリヤハウジング２ｃの周方向全域に渡って形成されている。この先端部側圧入壁１８と後端部側圧入壁１１との連続部分に先端部側の段差１９が形成され、この段差１９には先端部側圧入壁１８から後端部側圧入壁１１に向けてテーパ面２０が形成されている。

さらに、先端部側圧入壁１８の電動モータ３の挿入方向の先端側には、先端部側圧入壁１８よりさらに内径側に突出して支持壁１３が、リヤハウジング２ｃの内壁全周に渡って形成されている。この支持壁１３には、リヤハウジング２ｃに圧入された電動モータ３の先端部が当接し、リヤハウジング２ｃ内での電動モータ３が位置決めされる。

そして、電動モータ３は、後端部側圧入壁１１と先端部側圧入壁１８に圧入されると共に、支持壁１３にその先端部が当接することによりリヤハウジング２ｃ内の所定の位置に固定される。

電動モータ３は、上記したように固定子７と、回転子９とで形成され、固定子７は鉄製リング６に圧入されている。固定子７は、一般に薄いケイ素鋼板で製造されており複数枚の鋼板を積層した積層鋼板によって形成されている。この積層鋼板に導電線が巻き掛けられてコイルが形成され、通電によって磁力を発生する。

また、本実施の形態の固定子７は、固定子７と線膨張係数が近似した材質の筒体としての鉄製リング６が固定子７の外周に圧入されている。固定子７の外周に鉄製リング６を圧入することにより積層された複数枚の鋼板が全体的に強固に一体化され、個々の鋼板の振動による騒音を防止している。この鉄製リング６が固定子７を内側に圧入した状態でリヤハウジング２ｃに圧入される。

鉄製リング６の一側先端部（リヤハウジング２ｃ内への固定子７の挿入方向の先端部側）には、リヤハウジング２ｃの先端部側圧入壁１８に対向する位置に先端圧入部２１が設けられ、リヤハウジング２ｃの後端部側圧入壁１１に対向する位置に後端圧入部２２が設けられている。先端圧入部２１は鉄製リング６の外周部に形成され、リヤハウジング２ｃの先端部側圧入壁１８に圧入される。また、先端圧入部２１の最先端部には、テーパ面１６が形成されている。後端圧入部２２は鉄製リング６の外径方向に突出する凸部１４が鉄製リング６の周方向の全域に設けられている。この凸部１４は、一方の端部には鉄製リング６の内径方向に向けてテーパ面２３が設けられおり、リヤハウジング２ｃの後端部側圧入壁１１に圧入される。

そして、リヤハウジング２ｃに設けた先端部側圧入壁１８と後端部側圧入壁１１とは、リヤハウジング２ｃの軸方向に位置がずれており、これらの先端部側圧入壁１８及び後端部側圧入壁１１に圧入される鉄製リング６の先端圧入部２１及び後端圧入部２２も鉄製リング６の軸方向に位置がずれている。これらのずれ位置は、リヤハウジング２ｃ側と、鉄製リング６側とで略等しく設定されている。

さらに、鉄製リング６側の凸部１４を後端部側圧入壁１１に圧入する直前位置、すなわちテーパ面１７に位置させた状態では、鉄製リング６の先端圧入部２１はリヤハウジング２ｃの先端部側圧入壁１８に圧入されることはなくテーパ面２０上に位置している。これにより、鉄製リング６の後端圧入部２２を後端部側圧入壁１１に圧入すると、鉄製リング６の先端圧入部２１が先端部側圧入壁１８に同時に圧入されることになり、一度の圧入工程によって２箇所を同時に圧入することができる。また、鉄製リング６にテーパ面１６，２３を設けることにより、容易に鉄製リング６をリヤハウジング２ｃに挿入することができる。

なお、本実施の形態では固定子７と線膨張係数が近似した材質として鉄製リング６を用いているが、線膨張係数が固定子７と近似したものであれば他の材質のものでも良い。

上述したようにリヤハウジング２ｃ内に圧入固定された電動モータ３によって回転駆動される圧縮機４は、フロントサイドブロック４ａ、シリンダブロック４ｂ、リヤサイドブロック４ｃ、ロータ軸４ｄ、ロータ４ｅなどから構成されている。フロントサイドブロック４ａとリヤサイドブロック４ｃは、ボルトによってシリンダブロック４ｂに固定され、ロータ軸４ｄの左端部と中央部はフロントサイドブロック４ａとリヤサイドブロック４ｃによって回転自在に支持されている。ロータ４ｅは、シリンダブロック４ｂに収容されロータ軸４ｄによって回転自在に支持されている。この圧縮機４は、フロントハウジング２ａ内に収容された駆動回路部５によって駆動制御される。この場合、エアコンシステムの熱負荷変化に応じて電動モータ３の回転数を制御することで、圧縮機４の駆動が制御される。

次に図４を用いて他の実施の形態について説明する。上記実施形態と同構成部分については、図面に同符号を付して説明し重複した説明は省略する。

上記実施の形態では、リヤハウジング２ｃの内周全域に先端部側圧入壁１８及び後端部側圧入壁１１を形成したが、本実施の形態では、先端部側圧入壁１８及び後端部側圧入壁１１を周方向の３箇所に、等間隔で設けた例である。本実施の形態においても鉄製リング６には、先端圧入部２１、後端圧入部２２がそれぞれ形成され、先端圧入部２１及び後端圧入部２２は鉄製リング６の外周全域に設けられている。

上記各実施の形態によれば、固定子７を固定子７と線膨張係数が近似した材質の鉄製リング６に圧入して固定されるので、固定子７を形成する複数枚の積層鋼板が全体的に固定されることになり、固定子７の振動を抑えることができ、従って騒音の発生を防止することができる。

また、鉄製リング６が、リヤハウジング２ｃの内壁１０に部分的に複数箇所（先端圧入部２１を先端部側圧入壁１８に、後端圧入部２２を後端部側圧入壁１１に圧入する）で圧入されるので、リヤハウジング２ｃの内径と鉄製リング６との間に大きなシメ代を設けても、リヤハウジング２ｃの変形を防止することができる。

さらに、リヤハウジング２ｃの内壁１０に先端部側圧入壁１８、後端部側圧入壁１１を設けることで２つの段差１２、１９を軸方向にずれた位置に設けているので、一度の圧入工程によって軸方向にずれた２箇所を同時に圧入することができ、リヤハウジング２ｃ内への鉄製リングの組み付けが容易となり、引いては電動モータ３のリヤハウジング２ｃへの組み付け性が向上する。

また、上記実施の形態では、圧入箇所を軸方向で少なくとも２箇所、周方向で少なくとも３箇所設けているが、軸方向で３箇所以上、周方向で４箇所以上設けても良い。

また、上記実施の形態では、鉄製リング６を筒状に形成した例を示したが、固定子７の積層鋼板を強固に一体固定することができる形状であれば、筒状以外の形状でも良く、例えば、図５に示すように鉄製リング６６の外周壁に窓部１５を設けた形状であっても良い。

本発明は、電動圧縮機に利用することができる。

１電動圧縮機
２ハウジング
３電動モータ
４圧縮機
６筒体
７固定子
９回転子

Claims

円筒状のハウジング（２）内で、該ハウジング（２）内に配置された電動モータ（３）で圧縮機（４）を駆動する電動圧縮機（１）であって、
前記電動モータ（３）が前記ハウジング（２）に固定されて通電により磁力を発生する固定子（７）と、
この固定子（７）の内側に回転自在に配置されて前記固定子（７）が発生した磁力により回転する回転子（９）とで形成され、
前記固定子（７）は該固定子（７）と線膨張係数が近似した材質の筒体（６）に圧入され、該筒体（６）が前記ハウジング（２）の内壁（１０）に部分的に複数箇所で圧入されていることを特徴とする電動圧縮機（１）。
請求項１記載の電動圧縮機（１）であって、
前記筒体（６）を前記ハウジング（２）の内壁（１０）に圧入する箇所は、軸方向で少なくとも２箇所以上で圧入されていることを特徴とする電動圧縮機（１）。
請求項１または請求項２に記載の電動圧縮機（１）であって、
前記ハウジング（２）の内壁（１０）には該内壁（１０）から内径方向に突出する後端部側圧入壁（１１）と先端部側圧入壁（１８）が設けられ、前記筒体（６）には前記ハウジング（２）の先端部側圧入壁（１８）の対向する位置に先端圧入部（２１）と、前記ハウジング（２）の後端部側圧入壁（１１）に対向する位置に後端圧入部（２２）とが設けられていることを特徴とする電動圧縮機（１）。
請求項１〜請求項３に記載の電動圧縮機（１）であって、
前記筒体（６）を前記ハウジング（２）の内壁（１０）に圧入する箇所は、周方向で少なくとも３箇所以上で圧入されていることを特徴とする電動圧縮機（１）。