JP2005218146A - モールドモータ - Google Patents

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Tsutomu Natsuhara
勉 夏原
Hiromiki Inoue
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Abstract

【課題】 ステータとロータのエアーギャップを十分小さくでき、さらに、軸受近傍の騒音、振動の低減を図ったモールドモータを提供する。
【解決手段】 ステータ2と、これを挟んで配設された二つの軸受3と、ロータ4と、これらを覆う樹脂外装部5とを備えたモールドモータ1が、ステータ2と軸受3aとを樹脂外装部5を形成する樹脂成形材料で一体成形したモールド体6と、軸受3bをモールド体6に結合せしめる軸受台7を有するので、ステータ2と軸受3aとが樹脂外装部5を形成する樹脂成形材料で一体成形されたモールド体6として形成される結果、ロータ4を保持する軸受孔8近傍の寸法精度(特に、同軸度)を向上せしめることができ、後加工なしで使用してもステータ2とロータ4のエアーギャップを十分小さくできるためモータの特性低下を防止でき、且つ、軸受近傍の騒音、振動の低減を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステータと、これと一定のエアーギャップを保ちながら回転自在に保持されるロータと、これらを覆う樹脂外装部とを備えたモールドモータに関するものである。
従来から、機械制御用の駆動部等にはインナーロータ型モータが好適に用いられている。かかるインナーロータ型モータにおいては、特にステータの磁極歯部分において磁気的な吸引力や反発力が断続的に発生して振動を生じることが多く、このステータの振動がモータ全体の振動となって大きな騒音の原因となるという問題があった。これに対して、例えば、特開平11−234946号公報に開示するように、ステータの外側に吸音材を配設することで騒音を低減させる構造のもの等も提案されているが、このような構造で効果的に騒音を低減せしめるためには吸音材として十分な厚みを有するものを用いる必要があり、結果的にモータ全体の外殻が大型化してしまうという問題があった。
一方、かかるインナーロータ型モータの内でも、所謂モールドモータにおいては、ステータを樹脂成形材料と一体成形する場合には、ステータを含む成形部材と軸受を含む部材とが、別部材として形成されるため、ロータを保持する軸受孔近傍の寸法精度を確保するのが困難であり、後加工なしで使用すると、軸受近傍の騒音、振動の増大に加えて、ステータとロータのエアーギャップを必要以上に大きくする必要があり、モータとしての性能そのものが低下してしまうという問題が生じる結果となった。
特開平11−234946号公報
本願発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、ステータとロータのエアーギャップを十分小さくでき、さらに、軸受近傍の騒音、振動の低減を図ったモールドモータを提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明のモールドモータにあっては、ステータと、前記ステータを挟んで配設された二つの軸受と、前記ステータと一定のエアーギャップを保ちながら前記二つの軸受を介して回転自在に保持されるロータと、これらを覆う樹脂外装部とを備えたモールドモータにおいて、前記モールドモータが、前記ステータと前記二つの軸受の一方の軸受とを前記樹脂外装部を形成する樹脂成形材料で一体成形したモールド体と、前記二つの軸受の他の一方の軸受を前記モールド体に結合せしめる軸受台と、を有することを特徴とするものである。
請求項2に係る発明のモールドモータにあっては、請求項1記載のモールドモータにおいて、前記軸受台が、前記他の一方の軸受を前記モールド体の方向に弾力付勢し得る弾性体を有することを特徴とするものである。
請求項3に係る発明のモールドモータにあっては、請求項1または請求項2記載のモールドモータにおいて、前記樹脂成形材料が、熱硬化性樹脂を使用してなることを特徴とするものである。
本願発明のモールドモータでは、ステータと、前記ステータを挟んで配設された二つの軸受と、前記ステータと一定のエアーギャップを保ちながら前記二つの軸受を介して回転自在に保持されるロータと、これらを覆う樹脂外装部とを備えたモールドモータにおいて、前記モールドモータが、前記ステータと前記二つの軸受の一方の軸受とを前記樹脂外装部を形成する樹脂成形材料で一体成形したモールド体と、前記二つの軸受の他の一方の軸受を前記モールド体に結合せしめる軸受台とを有するので、ステータと前記二つの軸受の一方の軸受とが樹脂外装部を形成する樹脂成形材料で一体成形されたモールド体として形成される結果、ロータを保持する軸受孔近傍の寸法精度(特に、同軸度)を向上せしめることができ、後加工なしで使用してもステータとロータのエアーギャップを十分小さくできるためモータの特性低下を防止でき、且つ、軸受近傍の騒音、振動の低減を図ることができることとなった。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。尚、本発明のモールドモータは、下記の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。ここで、図1は、本願発明の第一の実施形態であるモールドモータ1の構成の概略を示す断面図である。図2は、本願発明の第一の実施形態であるモールドモータ1を形成するモールド体6の構成の概略を示す断面図である。図3は、本願発明の第一の実施形態であるモールドモータ1を形成する軸受台7の構成の概略を示すもので、(a)は、断面図、(b)は、正面図である。
すなわち、図1、図2に示すように、本願発明の第一の実施形態に係るモールドモータ1は、ステータ2と、このステータ2を挟んで配設された二つの軸受3(ここでは、軸受3a、3b)と、ステータ2と一定のエアーギャップを保ちながら前記二つの軸受3a、3bを介して回転自在に保持されるロータ4と、これらを覆う樹脂外装部5とを備えたモールドモータである。さらに、ステータ2は、ステータ鉄心9を具備し、かかるステータ鉄心9には絶縁部材10が設置され、この絶縁部材10の上からコイル11を巻回してステータ巻線としている。
かかる本願発明の第一の実施形態に係るモールドモータ1は、図2に示すように、ステータ2と前記二つの軸受の一方の軸受3aとを樹脂外装部5を形成する樹脂成形材料で一体成形したモールド体6と、前記二つの軸受の他の一方の軸受3bを前記モールド体6に結合せしめる軸受台7とを有することを特徴とするものである。かかるモールド体6におけるステータ2と一定のエアーギャップを保ちながら回転自在に保持されるロータ4の軸12の一端に軸受3aが、圧入可能に形成されており、ロータ4を所定位置に配置した後、開放端13を前記二つの軸受の他の一方の軸受3bを所定位置に配置した軸受台7で覆うように固定し、モールドモータ1とするものである。
この結果、ステータ2と前記二つの軸受の一方の軸受3aとが樹脂外装部5を形成する樹脂成形材料で一体成形されたモールド体6として形成される結果、ロータ4を保持する軸受孔8近傍の寸法精度(特に、同軸度)を向上せしめることができ、後加工なしで使用してもステータ2とロータ4のエアーギャップを十分小さくできるためモータの特性低下を防止でき、且つ、軸受近傍の騒音、振動の低減を図ることができることとなった。なお、本実施形態では、ステータ2と軸受3aとを樹脂外装部5を形成する樹脂成形材料で一体成形してモールド体6を形成したが、ステータ2と一体成形される軸受は、前記二つの軸受3a、3bのいずれでもよく、特に限定されない。
また、本実施形態に係るモールドモータ1においては、図3に示すように、軸受台7が、前記他の一方の軸受(本実施形態では、軸受3b)を前記モールド体6の方向に弾力付勢し得る弾性体14を有する構造としている。弾性体14としては、例えば、図3に示すようなゴム等のエラストマー類を使用した突起部を有するもの等が挙げられるが、金属製バネ(コイルばね、板バネ等)の弾性力を利用したもの等も当然に可能であり、その構造、形状、材質等には、特に制限はなく、上記課題解決に寄与し得る限りにおいて限定はない。
この結果、弾力付勢の与圧により軸受3のスラスト方向の寸法誤差を吸収でき、軸受近傍の騒音、振動のさらなる低減を図ることができることとなる。
一方、本実施形態に係るモールドモータ1において樹脂外装部5を形成する樹脂成形材料としては、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を使用してなる樹脂成形材料が好適に使用可能である。すなわち、かかる熱硬化性樹脂を使用してなる樹脂成形材料は、熱可塑性樹脂成形材料に比較して、成形、硬化後の熱時剛性が高く、高温時の寸法変化が小さいため、モータ温度上昇時のモールド体6の寸法変化を低減でき、軸受孔8近傍の寸法精度、特に、ステータ2と軸受3aの同軸度を向上せしめることができ、軸受近傍の騒音、振動の一層の低減を図ることができることとなる。さらには、熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂に比較して剛性が高いので、ステータ2を含むモールド体6の剛性自体が向上し、モールドモータ1自身の固有振動数が増大し、騒音、振動の一層の低減に寄与し得ることとなる。
本願発明の第一の実施形態であるモールドモータ1の構成の概略を示す断面図である。 本願発明の第一の実施形態であるモールドモータ1を形成するモールド体6の構成の概略を示す断面図である。 本願発明の第一の実施形態であるモールドモータ1を形成する軸受台7の構成の概略を示すもので、(a)は、断面図、(b)は、正面図である。
符号の説明
1 モールドモータ
2 ステータ
3 軸受
3a 軸受
3b 軸受
4 ロータ
5 樹脂外装部
6 モールド体
7 軸受台(軸受3b)
8 軸受孔(軸受3a)
9 ステータ鉄心(ステータ2)
10 絶縁部材(ステータ2)
11 コイル(ステータ2)
12 軸(ロータ4)
13 開放端(モールド体6)
14 弾性体

Claims (3)

  1. ステータと、前記ステータを挟んで配設された二つの軸受と、前記ステータと一定のエアーギャップを保ちながら前記二つの軸受を介して回転自在に保持されるロータと、これらを覆う樹脂外装部とを備えたモールドモータにおいて、前記モールドモータが、前記ステータと前記二つの軸受の一方の軸受とを前記樹脂外装部を形成する樹脂成形材料で一体成形したモールド体と、前記二つの軸受の他の一方の軸受を前記モールド体に結合せしめる軸受台と、を有することを特徴とするモールドモータ。
  2. 前記軸受台が、前記他の一方の軸受を前記モールド体の方向に弾力付勢し得る弾性体を有することを特徴とする請求項1記載のモールドモータ。
  3. 前記樹脂成形材料が、熱硬化性樹脂を使用してなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のモールドモータ。
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