JP2012170308A - ギヤードモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 部品コストの上昇を抑えつつ、シャフトと軸受との間のクリアランスに起因するゴロ音や、ロータがスラスト方向に移動する際に発生するスラスト打音を抑制し得るギヤードモータを提供する。
【解決手段】 一対の軸受21a、21bにより支承されたシャフト15を出力側と反出力側に突出してなるモータ10と、シャフトの出力側に装着されたウォームギア3と、ウォームギアに噛合するウォームホイール4と、シャフトの出力側の端面に当接する第1側圧付与部材8と、シャフトの反出力側の端面に当接する第2側圧付与部材9を備え、第1側圧付与部材8は、シャフトにウォームホイールから離れる方向の力F11を付与すると共に、反出力側方向の力F12を付与し、第2側圧付与部材9は、シャフトにウォームホイールから離れる方向の力F21を付与すると共に、出力側方向の力F22を付与することを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ギヤードモータに係り、詳しくはシャフトと軸受との間のクリアランスなどに起因する騒音や振動を低減する技術に関する。
一般にモータは、軸受内でシャフト(回転軸)を回転可能に支承するために、軸受とシャフトとの間に僅少なクリアランスが確保されている。そのため、ロータが回転すると、ロータ及びシャフトが軸方向に対して直角方向(ラジアル方向)に振動し、大きな騒音(所謂ゴロ音)が発生する場合がある。
この軸受クリアランスに起因するゴロ音を抑制するために、シャフトをラジアル方向に押圧することが考えられている。
例えば特許文献1には、一対の軸受の中間位置に相当する軸受ホルダの外周に円弧状の吸引磁石を取付け、この吸引磁石がシャフトをラジアル方向に磁気吸引して、一対の軸受にそれぞれ側圧を付与するモータが開示されている。
また、特許文献2には、軸受を支持するケースの内周面から延出してシャフトの外周面に当接される押圧弾性部材を備え、この押圧弾性部材によってシャフトを軸受の一方向に押圧するようにしたモータが開示されている。
また、特許文献3には、図9に示すように、シャフト102の出力側にウォームギア103が装着されたモータ101と、このウォームギア103に噛合するウォームホイール104を備えるギヤードモータにおいて、シャフト102の出力側の先端をバネ板105に突き当て、シャフト102にウォームホイール104から離れる方向の側圧を付与することが記載されている。
特開2002−330569号公報 特開2004−64967号公報 特許第3479139号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている発明では、シャフトへの側圧付与の目的のためだけに高価なマグネット部品を必要とするため、部品コストが上昇する問題がある。
また、特に小型モータの場合は、元々トルクは小さいため、磁気的な側圧を付与することにより、トルクリップルやコギングトルクが大きくなり、安定した性能を発揮することができないという問題もある。
さらに、磁気的な側圧を加えるためにモータ内部の構造が複雑になり、製造工程も複雑になるという問題もある。
特許文献2に開示されている発明では、シャフトに側圧を付与するためにモータ径に匹敵する大きな専用部品を必要とするため、部品コストが大幅に上昇するという問題がある。
特許文献3に開示されている発明では、ある程度はゴロ音を抑制できるものの十分ではなく、また、モータの回転方向が切り替わる時にウォームホイールから受ける力によってロータがスラスト方向に移動し、反出力側のスラスト受け部材にシャフトが衝突して発生する音(所謂スラスト打音)を十分に抑制することもできない。
そこで本発明は、従来技術が抱える上記の問題に鑑み、部品コストの上昇を抑えつつ、シャフトと軸受との間のクリアランスに起因するゴロ音や、ロータがスラスト方向に移動する際に発生するスラスト打音を抑制し得るギヤードモータを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のギヤードモータは、
ハウジング内に、少なくとも、一対の軸受により支承されたシャフトを出力側と反出力側に突出してなるモータと、前記シャフトの出力側に装着されたウォームギアと、前記ウォームギアに噛合するウォームホイールと、前記シャフトの出力側の端面に当接する第1側圧付与部材と、前記シャフトの反出力側の端面に当接する第2側圧付与部材を備え、
前記第1側圧付与部材は、前記シャフトに、前記ウォームホイールから離れる方向の力F11を付与すると共に、反出力側方向の力F12を付与するものであり、
前記第2側圧付与部材は、前記シャフトに、前記ウォームホイールから離れる方向の力F21を付与すると共に、出力側方向の力F22を付与するものである、
ことを特徴としているものである。
本発明のギヤードモータにおいては、前記第1側圧付与部材と前記第2側圧付与部材は、前記ハウジングに取付けられた板バネからなることが好ましい。
本発明のギヤードモータによれば、シャフトの出力側と反出力側の双方にウォームホイールから離れる方向の側圧を付与することによって、モータ駆動中のシャフトと軸受との摩擦力を効果的に抑えることができる。また、シャフトの出力側と反出力側の双方に側圧を付与するに際し、これらの側圧の大きさと側圧を付与する位置(軸受からの距離)を調整することにより、モータ駆動中のシャフトと軸受との摩擦力を低く抑えたままで、シャフトの振れ回りを止めることもできる。このため、シャフトと軸受との間のクリアランスに起因するゴロ音を十分に抑制することができる。
本発明の一実施形態例に係るギヤードモータの内部を模式的に示す図である。 図1のギヤードモータの要部を示す断面図である。 図1のギヤードモータにおいて、モータ駆動時にウォームホイール4からウォームギア3に作用する力Fを説明するための模式図である。 図1のギヤードモータにおいて、モータ駆動時にシャフトに作用する力を模式的に示した図である。 図1のギヤードモータにおいて、モータ駆動時にシャフトに作用する力を模式的に示した図である。 モータ駆動時におけるシャフトと軸受の関係を模式的に示した図である。 従来のギヤードモータにおいて、モータ駆動時にシャフトに作用する力を模式的に示した図である。 従来のギヤードモータにおいて、モータ駆動時にシャフトに作用する力を模式的に示した図である。 従来例のギヤードモータの内部を模式的に示す図である。
本発明のギヤードモータは、一対の軸受(21a、21b)により支承されたシャフト(15)を出力側と反出力側に突出してなるモータ(10)と、シャフトの出力側に装着されたウォームギア(3)と、ウォームギアに噛合するウォームホイール(4)と、シャフトの出力側の端面に当接する第1側圧付与部材(8)と、シャフトの反出力側の端面に当接する第2側圧付与部材(9)を備え、
第1側圧付与部材は、シャフトにウォームホイールから離れる方向の力(F11)を付与すると共に、反出力側方向の力(F12)を付与し、第2側圧付与部材は、シャフトにウォームホイールから離れる方向の力(F21)を付与すると共に、出力側方向の力(F22)を付与することを特徴とする。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態例を説明する。
図1は本発明の一実施形態例に係るギヤードモータのハウジングの内部を示す模式図、図2はギヤードモータの要部を示す断面図である。
図1に示すように、ギヤードモータ1は、下ケース2と不図示の上ケースによりほぼ直方体の箱状に形成されたハウジング内に、モータ10、ウォームギヤ3、ウォームホイール4、中間ギヤ5,6、出力ギヤ7が収容されている。
なお、図1には示していないが、ハウジング内には回路基板が収容され、この回路基板にはモータ駆動回路や出力ギヤ7の回転を検出するための回路等が設けられている。
本例のギヤードモータ1は、出力ギヤ7に一体化されている操作軸7aに、例えば自動車のワイパアームを動作させるリンク機構や流路調節弁などを取付けることによって、ワイパアームの駆動や空気調整装置の流路調節弁などを駆動することができるものである。
モータ10は、金属材料によって有底中空筒状に形成されたケーシング11と、ケーシング11の開口部に嵌着され樹脂等の絶縁材料によって形成されたブラケット12を備えている。
ケーシング12の内面には、円筒形状で円周方向に沿ってN極、S極が交互に着磁された永久磁石からなる固定子13が取付けられ、この固定子13の内側には回転子14が配されている。
回転子14は、シャフト15と、シャフト15に取付けられ薄い鋼鈑を複数枚積層してなる電機子コア16と、電機子コア16にコイル状に巻回された銅線17と、銅線17に電気的に接続された整流子18を備えている。
ブラケット12には、2本のブラシ19が整流子18に摺接して電流を流すように設けられている。また、各ブラシ19にそれぞれ電気的に接続された端子20がブラケット12に取付けられて外方に突出している。
シャフト15は、ケーシング11とブラッケット12に固定されている1対の軸受21a、21bにより支承されている。
シャフト15の出力側はケーシング11から外部に突出しており、シャフト15の反出力側はブラッケット12から外部に突出している。
そして、シャフト15の出力側には、ウォームギア3が装着されている。
下ケース2には板バネからなる第1側圧付与部材8と第2側圧付与部材9が設けられており、第1側圧付与部材8はシャフト15の出力側の端面に当接し、第2側圧付与部材9はシャフト15の反出力側の端面に当接している。
図2に示すように、第1側圧付与部材8は、シャフト15の中心線よりもウォームホイール4側において斜めに当接してシャフト15に対し力Fを付与している。また、第2側圧付与部材9は、シャフトの中心線よりもウォームホイール4側において斜めに当接してシャフト15に対し力Fを付与している。なお、ウォームホイール4の回転軸に垂直な面内でシャフト15の軸方向に直交する方向をX方向とし、シャフト15の軸方向をY方向としている。
11は上記FのX方向成分(側圧成分)、F12は上記FのY方向成分(軸方向成分)、F21は上記FのX方向成分(側圧成分)、F22は上記FのY方向成分(軸方向成分)である。
このように、第1側圧付与部材8は、シャフト15に、ウォームホイール4から離れる方向の力F11を付与すると共に、反出力側方向F12の力を付与している。また、第2側圧付与部材9は、シャフト15に、ウォームホイール4から離れる方向の力F21を付与すると共に、出力側方向の力F22を付与している。
モータ駆動時には、通常、図3に示すように、ウォームホイール4からウォームギア3に力Fが作用する。すなわち、紙面反時計回りにウォームホイール4が回転するようにモータが駆動する場合には、図3(a)に示す力Fがウォームギア3に作用し、紙面時計回りにウォームホイール4が回転するようにモータが駆動する場合には、図3(b)に示す力Fがウォームギア3に作用する。
図4は、図3(a)に示す方向にウォームホイール4が回転する場合を例に挙げ、シャフト15の各部に作用する力を模式的に示している。
ラジアル方向(即ち、X方向)の力に起因して発生するゴロ音を考える場合は、モータの回転方向によって大きな違いは無いため、図3(b)に示す方向にウォームホイール4が回転する場合も図4と同様に考えることができる。
図4において、F31は前記FのX方向成分、F32は前記FのY方向成分である。また、Fは回転子14の重心がシャフト15の中心軸からずれることによって生じるロータ回転時の遠心力である。
このFはロータの回転にしたがってシャフト回りに方向が変化するものである。図4(a)はFがF11、F21及びF31と同じ方向の場合を示し、図4(b)はFがF11、F21及びF31と反対の方向の場合を示しており、図4(a)と図4(b)はシャフト15に作用する両極端の荷重状態を示していることになる。
また、図4において、Lはシャフト15の出力側の端面から軸受21aまでの長さ、Lは軸受21aからFの作用点までの長さ、LはFの作用点から軸受21bまでの長さ、Lは軸受21bからシャフト15の反出力側の端面までの長さ、LはFの作用点から軸受21aまでの長さを示している。
図5(a),(b)はそれぞれ、図4(a),(b)の荷重状態において軸受21a及び軸受21bからシャフト15に作用する反力を追加して示したものであり、Fは軸受21aからの反力、Fは軸受21bからの反力である。
図5に示す矢印方向をFとFのプラス方向とすると、以下のようなことが言える。
とFの両方がプラスの場合には、図6(a)に示すように、シャフト15は軸受21a及び軸受21bの右内側に接触した状態となっている。
がプラスでFがマイナスの場合には、図6(b)に示すように、シャフト15は軸受21aの右内側に接触し、軸受21bの左内側に接触した状態となっている。
がマイナスでFがプラスの場合には、図6(c)に示すように、シャフト15は軸受21aの左内側に接触し、軸受21bの右内側に接触した状態となっている。
とFの両方がマイナスの場合には、図6(d)に示すように、シャフト15は軸受21a及び軸受21bの左内側に接触した状態となっている。
モータ駆動中にシャフト15が図6(a)〜(d)のいずれかの状態から他のいずれかの状態に変化することは、シャフト15がラジアル方向(X方向)に振動し易いことを意味し、ゴロ音の発生要因の一つとなる。
したがって、ゴロ音を抑制するためには、モータ駆動中にシャフト15が図6(a)〜(d)のいずれかの状態のまま維持されることが望ましい。つまり、図4(a)と図4(b)のような両極端の荷重状態において、シャフト15が図6(a)〜(d)のいずれかの状態のまま維持されることが望ましい。
また、ゴロ音を抑制するためには、シャフトと軸受の摩擦力が小さいことが望ましい。この摩擦力は軸受からシャフトに作用する反力に比例するため、ゴロ音を抑制するためには、FとFが小さいことが望ましい。
以上のことから、ゴロ音を抑制するためには、図4(a)と図4(b)の荷重状態において、シャフト15が図6(a)〜(d)のいずれかの状態のまま維持されると共に、FとFが小さいことが望ましいものである。
ここで、図5(a)における各力の釣り合い条件から、軸受21aからの反力Fと軸受21bからの反力Fを求めると以下のようになる。
まず、X方向の力の釣り合い条件から、
11+F21+F31+F=F+F ・・式(1)
また、軸受21a周りのモーメントの釣り合い条件から、
11+F31+F(L+L
=F21(L+L+L)+F ・・式(2)
が成り立つ。
式(1)及び式(2)からFとFを求めると、
=(F11+F11+F11+F31+F31
+F31+F−F21)/(L+L) ・・式(3)
=(F21+F21+F21+F
−F11−F31)/(L+L) ・・式(4)
となる。
同様に、図5(b)における各力の釣り合い条件から、軸受21aからの反力Fと軸受21bからの反力Fを求めると以下のようになる。
まず、X方向の力の釣り合い条件から、
11+F21+F31=F+F+F ・・式(5)
また、軸受21a周りのモーメントの釣り合い条件から、
11+F31+F+F(L+L
=F21(L+L+L) ・・式(6)
が成り立つ。
式(5)及び式(6)からFとFを求めると、
=(F11+F11+F11+F31+F31+F31
−F21−F)/(L+L) ・・式(7)
=(F21+F21+F21−F11
−F31−F)/(L+L) ・・式(8)
となる。
一方、従来の図9のギヤードモータのように、一対の軸受により支承されたシャフトを出力側のみに突出させ、シャフトの出力側の端面だけに側圧を付与する場合には、シャフトの各部には図7に示すような力が作用する。
即ち、シャフト15には、前記Fの代わりにスラスト受け部22からY軸方向のF22に相当する力Fだけが作用し、F21に相当する力は作用しない。
なお、図7は、図4と同様に、図3(a)に示す方向にウォームホイール4が回転する場合を例に挙げている。
また、図7(a)は、図4(a)と同様に、FがF11及びF31と同じ方向の場合を示し、図7(b)は、図4(b)と同様に、FがF11及びF31と反対の方向の場合を示しており、図7(a)と図7(b)は両極端の荷重状態を示していることになる。
図8(a),(b)はそれぞれ、図7(a),(b)の状態において軸受21a及び軸受21bからシャフト15に作用する反力を追加して示したものであり、Fは軸受21aからの反力、Fは軸受21bからの反力である。
図8(a)における各力の釣り合い条件から、軸受21aからの反力Fと軸受21bからの反力Fを求めると以下のようになる。
まず、X方向の力の釣り合い条件から、
11+F31+F=F+F ・・式(9)
また、軸受21a周りのモーメントの釣り合い条件から、
11+F31+F(L+L)=F ・・式(10)
が成り立つ。
式(9)及び式(10)からFとFを求めると、
=(F11+F11+F11+F31
+F31+F31+F)/(L+L) ・・式(11)
=(F−F11−F31)/(L+L) ・・式(12)
となる。
同様に、図8(b)における各力の釣り合い条件から、軸受21aからの反力Fと軸受21bからの反力Fを求めると以下のようになる。
まず、X方向の力の釣り合い条件から、
11+F31=F+F+F ・・式(13)
また、軸受21a周りのモーメントの釣り合い条件から、
11+F31+F+F(L+L)=0 ・・式(14)
が成り立つ。
式(13)及び式(14)からFとFを求めると、
=(F11+F11+F11+F31+F31
+F31−F)/(L+L) ・・式(15)
=−(F11+F31+F)/(L+L) ・・式(16)
となる。
本例のギヤードモータにおける各部の代表的な相対寸法として、L:L:L:L=1.5:1:1.5:1を例に挙げ、ロータ回転時にシャフト15がなるべく振れ回らないように、F11とF21とF31の和がFよりも大きくなる範囲内でF11、F21、F31、Fの相対的な大きさを変化させた場合について、軸受21aからの反力Fと軸受21bからの反力Fを求めてみる。
表1に各計算例における各パラメータの値を示す。
計算例1〜12は本発明による図5の荷重状態に対応する。この中で計算例1〜6は、Lだけを変化させたものである。また、計算例7〜12は、Lの変化にともないF11とF21の和(即ち、全側圧)は変えずにF11とF21を変化させたものである。
また、比較計算例1は、従来の図8の荷重状態に対応し、全側圧を計算例1〜12と同じに設定したものである。
Figure 2012170308
表1の計算例1〜16の各値を前記(3)、(4)、(7)及び(8)式に代入して軸受21aからの反力Fと軸受21bからの反力Fを求め、比較計算例1の各値を前記(11)、(12)、(15)及び(16)式に代入して軸受21aからの反力Fと軸受21bからの反力Fを求めた結果を表2に示す。また、F11とF21とF31とFの4つの力の合力の作用点と、2つの軸受の中間点との距離Aを表2に示す。
Figure 2012170308
表2において、FとFが共にプラスの場合はシャフトが図6(a)の状態であり、FがプラスでFがマイナスの場合はシャフトが図6(b)の状態であり、FがマイナスでFがプラスの場合はシャフトが図6(c)の状態であり、FとFが共にマイナスの場合はシャフトが図6(d)の状態であることを示している。
表2から分かるように、計算例1では、図5(a)の荷重状態にあるとき、シャフト15は図6(a)のように軸受21a及び軸受21bの右内側に接触した状態となり、図5(b)の荷重状態にあるとき、シャフト15は図6(b)のように軸受21aの右内側に接触し、軸受21bの左内側に接触した状態となっている。つまり、シャフト15は軸受21b内で振れ回っている。
計算例2では、図5(a)の荷重状態にあるとき、シャフト15は図6(a)のように軸受21a及び軸受21bの右内側に接触した状態となっているが、図5(b)の荷重状態にあるときは、シャフト15が図6(b)の状態になりやすく、シャフト15は軸受21b内で振れ回り易くなっている。
計算例3〜12では、図5(a)と図5(b)の荷重状態にあるとき、シャフト15はどちらも図6(a)のように軸受21a及び軸受21bの右内側に接触した状態となっており、シャフト15は振れ回っていない。
比較計算例1では、図8(a)と図8(b)の荷重状態にあるとき、シャフト15はどちらも図6(b)のように軸受21aに対しては右内側に接触し、軸受21bに対しては左内側に接触した状態となっており、シャフト15は振れ回っていない。
計算例1〜6と計算例7〜12を比較すると、F11とF21を調整することにより、シャフトの振れ回りを止めることができると共に、反力の最大値(絶対値)を小さくできることが分かる。より具体的には、F11とF21とF31とFの4つの力の合力の作用点と、2つの軸受の中間点がなるべく一致するように(即ち、距離Aを小さくするように)、F11とF21を調整することにより、シャフトの振れ回りを止めることができると共に、反力の最大値(絶対値)を小さくできる。
また、従来の構造に相当する比較計算例1では、シャフト15は振れ回っていないものの、計算例1〜12に比べ反力の最大値(絶対値)がかなり大きくなっている。
上記の計算例1〜12と比較計算例1では、ギヤードモータにおける各部の代表的な相対寸法として、L:L:L:L=1.5:1:1.5:1とした場合であるが、通常考えられる範囲内でこれらの相対寸法を変化させた場合を表3に示す。
この中で、計算例13〜24は計算例1〜12のLとLを変化させたものであり、計算例25〜36は計算例1〜12のLを変化させたものである。
また、比較計算例2は比較計算例1のLとLを変化させたものであり、比較計算例3は比較計算例1のLを変化させたものである。
Figure 2012170308
表3の計算例13〜36の各値を前記(3)、(4)、(7)及び(8)式に代入して軸受21aからの反力Fと軸受21bからの反力Fを求め、比較計算例2〜3の各値を前記(11)、(12)、(15)及び(16)式に代入して軸受21aからの反力Fと軸受21bからの反力Fを求めた結果を表4に示す。また、F11とF21とF31とFの4つの力の合力の作用点と、2つの軸受の中間点との距離Aを表4に示す。
Figure 2012170308
表4から分かるように、L、L、L及びLの相対寸法を変化させた場合にも、表2の結果と同様、本発明に相当する計算例ではF11とF21を調整することにより、シャフトの振れ回りを止めることができると共に、反力の最大値(絶対値)を小さくできることが分かる。より具体的には、F11とF21とF31とFの4つの力の合力の作用点と、2つの軸受の中間点がなるべく一致するように(即ち、距離Aを小さくするように)、F11とF21を調整することにより、シャフトの振れ回りを止めることができると共に、反力の最大値(絶対値)を小さくできる。
一方、従来の構造に相当する比較計算例では、シャフト15は振れ回っていないものの、計算例に比べ反力の最大値(絶対値)がかなり大きくなっている。
次に、従来の構造において反力の最大値(絶対値)を小さくできるか検証するため、LとF11の値を表5のように変化させた場合について、軸受21aからの反力Fと軸受21bからの反力Fを求めてみる。
なお、比較計算例4〜11は、比較計算例1においてF11の値だけを変化させたものであり、比較計算例12〜19は、比較計算例1においてLの値を変化させると共にそれに応じてLの値も変化させたものであり、比較計算例20〜27は、比較計算例1においてLとF11の値を変化させると共にLの変化に応じてLの値も変化させたものである。
Figure 2012170308
表5の比較計算例4〜27の各値を前記(11)、(12)、(15)及び(16)式に代入して軸受21aからの反力Fと軸受21bからの反力Fを求めた結果を表6に示す。
Figure 2012170308
表6から分かるように、従来の構造において比較計算例4〜5のようにシャフトに付与する全側圧(F11とF21の和)を本発明の構造に係る計算例よりも小さくしても、軸受からの反力の最大値(絶対値)を小さくすることができない。
また、従来の構造においては比較計算例4〜27のようにLやF11やLの値を様々変化させても、いずれも本発明の構造に係る計算例よりも反力の最大値(絶対値)が大きい。
以上のように、シャフトの出力側のみに側圧を付与する従来のギヤードモータでは、モータ駆動中のシャフトの振れ回りを防ぐことはできるものの、側圧の大きさと側圧を付与する位置(軸受からの距離)を変えても、シャフトと軸受との摩擦力を小さくすることができず、ゴロ音を十分に抑制することができない。
一方、本発明によるギヤードモータでは、シャフトの出力側と反出力側の双方に側圧を付与することによって、モータ駆動中のシャフトと軸受の摩擦力を効果的に抑えることができる。また、シャフトの出力側と反出力側に付与する側圧の大きさや位置を調整することにより、シャフトと軸受の摩擦力を低く抑えたままで、シャフトの振れ回りを止めることもできる。このため、シャフトと軸受との間のクリアランスに起因するゴロ音を十分に抑制することができる。
特に本発明によるギヤードモータでは、シャフトに作用する力の側圧方向の成分(X方向成分)であるF11とF21とF31とFの4つの力の合力の作用点と、2つの軸受の中間点がなるべく一致するようにF11とF21を調整すれば、シャフトと軸受との摩擦力を最小限に抑えることができ、ゴロ音を最小限に抑制することができる。
また、本発明のギヤードモータでは、磁気による側圧を加えていないため、小型モータの性能が安定するとともに始動性に悪影響を与えることも少ない。
また、本発明のギヤードモータにおいて、第1側圧付与部材と第2側圧付与部材として板バネを用いることにより、容易にF11とF21を調整することができると共に、シャフトの軸方向の力(F12やF22)を調整することもできる。
また、図9のようにシャフトの出力側のみにバネ板を当接する従来のギヤードモータでは、図3(a)の状態から図3(b)の状態に回転方向が切り替わる時にはスラスト方向の力をバネ板で吸収することができるものの、図3(b)の状態から図3(a)の状態に回転方向が切り替わる時にはスラスト方向の力をバネ板で吸収することができない。このため、図3(b)の状態から図3(a)の状態に回転方向が切り替わると、反出力側のスラスト受け部材にシャフトが衝突して大きなスラスト打音が発生する。
一方、本例のギヤードモータでは、板バネからなる第1側圧付与部材8がシャフト15の出力側の端面に反出力側方向の力F12を付与し、板バネからなる第2側圧付与部材9がシャフト15の反出力側の端面に出力側方向の力F22を付与している。このため、図3(a)の状態から図3(b)の状態に回転方向が切り替わる時にはスラスト方向の力を第1側圧付与部材8で吸収することができ、図3(b)の状態から図3(a)の状態に回転方向が切り替わる時にはスラスト方向の力を第2側圧付与部材9で吸収することができ、いずれの場合もスラスト打音を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態例を説明したが、本発明はかかる実施形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜の変更や部品の追加等ができることは言うまでもない。
例えばモータ10としては、ブラシモータに限らずブラシレスモータにも適用することができる。また、第1側圧付与部材8及び第2側圧付与部材9としては、シャフト15に所定の側圧を付与することができるものであれば板バネに限らず、任意の構造を適用することができる。
1 ギヤードモータ
2 下ケース
3 ウォームギヤ
4 ウォームホイール
5、6 中間ギヤ
7 出力ギヤ
7a 操作軸
8 第1側圧付与部材
9 第2側圧付与部材
10 モータ
11 ケーシング
12 ブラケット
13 固定子
14 回転子
15 シャフト
16 電機子コア
17 銅線
18 整流子
19 ブラシ
20 端子
21a 出力側の軸受
21b 反出力側の軸受
22 スラスト受け部
101 モータ
102 シャフト
103 ウォームギヤ
104 ウォームホイール
105 バネ板

Claims (2)

  1. ハウジング内に、少なくとも、一対の軸受により支承されたシャフトを出力側と反出力側に突出してなるモータと、前記シャフトの出力側に装着されたウォームギアと、前記ウォームギアに噛合するウォームホイールと、前記シャフトの出力側の端面に当接する第1側圧付与部材と、前記シャフトの反出力側の端面に当接する第2側圧付与部材を備え、
    前記第1側圧付与部材は、前記シャフトに、前記ウォームホイールから離れる方向の力を付与すると共に、反出力側方向の力を付与するものであり、
    前記第2側圧付与部材は、前記シャフトに、前記ウォームホイールから離れる方向の力を付与すると共に、出力側方向の力を付与するものである、
    ことを特徴とするギヤードモータ。
  2. 前記第1側圧付与部材と前記第2側圧付与部材は、前記ハウジングに取付けられた板バネからなることを特徴とする請求項1に記載のギヤードモータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014072928A (ja) * 2012-09-27 2014-04-21 Kyocera Document Solutions Inc トルク調整機構及びこれを備えた電子機器

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