JP2007318860A5 - - Google Patents

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回転電機
本発明は、回転子鉄心に界磁用磁石が設置された回転子を有する回転電機に関する。
従来の、埋め込み磁石構造の回転子を有する回転電機は、一般的に界磁用磁石が回転子に固定されている。このような回転電機の誘起電圧は、界磁磁束と回転子の回転速度に比例するため、回転速度に対する誘起電圧の関係は図8の直線abで示したような特性となる。そのため、仮に電源の電圧が電圧cで制限される電動機を例とすれば、この電動機の最高回転速度は回転速度dで制限される狭い運転域となる。
そこで、界磁磁束を回転子の回転速度に応じて変化させる埋め込み磁石構造の回転子を有する回転電機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図13は第1従来技術を示す埋め込み磁石構造の回転子を有する回転電機の分解斜視図であって、(A)は低回転、(B) は高回転の場合である。
図13における回転電機は、図示しない複数の固定子磁極に回転磁界を発生するための巻線を有する固定子と、複数の固定子磁極に対して回転すると共に、回転軸100に固定された界磁用磁石103、104を有する複数の回転子101、102と、該複数の回転子の合成した磁極の位相を第1回転子101の磁極に対して第2回転子102の回転に伴い変化させる機構を備え、該機構は第2回転子102に設けた長溝105と、ガバナ固定板106に設けた長穴108と、先端がガバナ107と弾性部材110で接続され、その弾性力で引き合うように長穴108および長溝105に沿って動く可動側軸109より構成されている。具体的には、第1回転子101に設置された第1界磁用磁石103と、第2回転子102に設置された第2界磁用磁石104は、回転速度の低い時には図13(A)に示されているように同じ極性の磁極が軸方向に揃い、回転速度の高い時には図13(B)に示されているように、該機構を用いて異なる極性の磁極が軸方向に揃う構造となっている。この技術によれば、回転子の回転速度が高い時に界磁用磁石の磁束が相殺することで誘起電圧を下げ、その分高速運転領域を広げることが可能となる。
一方、上述した埋め込み磁石構造の回転子に対して、表面磁石構造の回転子を有し、界磁磁束を回転子の回転速度に応じて変化させる回転電機も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
図14は第2従来技術を示す表面磁石構造の回転子を有する回転電機の正面図である。
図14において、回転軸120に取り付けた可動回転子121の回転子鉄心122の表面には界磁用磁石123が固定され、また、に示すように一対の螺旋状の回動用案内溝124が設けられている。溝124は180度対称に配置され、では径方向外側に向かうにつれて反時計方向に曲がっている。溝124にはそれぞれ、ウエイト125が軸方向に挿入されており、ウエイト125が溝の中を自在に滑動乃至回動することができる。このような構成で、ウェイト120とつるまきバネ126を用いて、界磁磁束を回転子の回転速度に応じて変化させる。
特開平10−155262号公報(第9頁、図3) 特開2004−242461号公報(第9頁、図3)
ところが、従来技術は以下の問題があった。
第1従来技術の埋め込み磁石構造の回転子を有する回転電機では、図13の分解斜視図では分かりにくいが、界磁磁束を回転子の回転速度に応じて変化させる機構を回転子鉄心の内側に挿入して組み立てた場合、該機構は完全には回転子鉄心の軸方向の長さには収まらず、回転子鉄心から突出して設けられる構成になるため、回転子全体の軸方向長さが増大し、回転電機の小型化に不利であった。また、界磁磁束を回転子の回転速度に応じて変化させる機構を構成する部品数が多いため、回転電機構造を複雑化するだけであった。
第2従来技術の表面磁石構造の回転子を有する回転電機では、回転子の回転速度が高い時に界磁用磁石による磁束が回転子鉄心内で短絡しないため、固定子の巻線に鎖交する磁束を相殺し高速運転領域を広げることは可能になるが、固定子に発生する鉄損の低減が不十分である。そのため回転子の回転速度が高くなるほど鉄損の増加で効率は低下し、また回転電機が高温となり定格出力は低下するという問題があった。
また、第1および第2従来技術では、低回転時において、負荷の大きさに関係なく、大きな界磁磁束となる。そのため、無負荷に近い状態でも損失トルクを伴い、回転子の起動トルクが増大したり、位置決め精度が悪化したりするという問題があった。また、ガバナ機構の耐久性確保、異常振動の抑制、コスト低減に労力を要するという問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、回転子の回転速度に関係なく、負荷の大きさに応じて界磁磁束を変化させることができると共に、不要な損失を伴うことのない、小型で簡単な構造の回転子を有する回転電機を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は次のように構成したものである。
請求項1に記載の発明は、固定子鉄心に固定子巻線を巻回してなる固定子と、回転子鉄心に界磁用磁石を有する回転子を有しており、前記回転子は、回転軸に固定された固定側回転子鉄心と、該固定側回転子鉄心に軸方向に隣接して前記固定側回転子鉄心に対して相対回動可能に装着された回動側回転子鉄心と、よりなる2組の回転子鉄心を備えた回転電機において、前記回転子に作用する電磁トルクに応じて前記回動側回転子鉄心が前記固定側回転子鉄心に対し相対回動することを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の回転電機において、前記固定側回転子鉄心は、前記回動側回転子鉄心との対向面側に形成してなる凹部と、前記凹部に円周方向に沿って圧入固定された複数のピンと、を設けてあり、前記回動側回転子鉄心は、前記固定側回転子鉄心の凹部と嵌合するように設けた段差部と、前記段差部の内径側を複数の凸状に形成してなる凸部と、前記複数の凸部間のガイド溝に挿入されるコイルスプリングと、前記コイルスプリングと前記凸部の間におけるガイド溝に挿入されると共に前記ピンを係止するための孔部を有し、かつ、前記コイルスプリングにより付勢されるスプリングシートとを備えたことを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の回転電機において、前記2組の回転子鉄心に設けた界磁用磁石は、回転方向に極性が順次異なった磁極を有することを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の回転電機において、前記回動側回転子鉄心は、前記トルクが小さい時には界磁磁束は小さく、前記トルクが大きい時には界磁磁束は大きくなるように、前記固定側回転子鉄心に対し相対回動するものであることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の回転電機において、前記回転子は、前記トルクが小さい時には、前記2組の回転子鉄心の間に働くトルクまたは前記コイルスプリングの付勢力により、前記2組の回転子鉄心の異なる磁極が軸方向に揃うように相対回動し、界磁磁束を減ずるものであることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の回転電機において、前記コイルスプリングが挿入される前記ガイド溝内にグリースを充填してあり、前記回動側回転子鉄心の段差部の前記固定側回転子鉄心との対向面側に前記グリースの漏れを防止するためのシール部材を設けたことを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1または2に記載の回転電機において、前記固定側回転子鉄心の軸方向端部に、前記回転軸の負荷側を軸支持する負荷側軸受の軸方向の位置を固定するつば部を設けたことを特徴としている。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の回転電機において、前記固定子によって作られる回転磁界の磁極は、前記回動側回転子鉄心の磁極の位置に対して、最大のトルクが発生する位置に設けられることを特徴としている。
請求項1、2に記載の発明によると、回転子は、固定側と回動側の2組の回転子鉄心を有し、回転子に作用する電磁トルクに応じて回動側回転子鉄心が固定側回転子鉄心に対し相対回動するため、負荷の大きさに応じて界磁磁束を変化させ、不要な損失を伴わない回転電機を提供することができる。
また、請求項3に記載の発明によると、回転子鉄心は、各々が回転方向に順次異なった磁極を有するように界磁用磁石を設置するため、小さな相対回動で、固定子の巻線に鎖交する界磁磁束を大きく変化させることができる。
また、請求項4に記載の発明によると、回動側回転子鉄心は、前記トルクが小さい時には界磁磁束は小さく、前記トルクが大きい時には界磁磁束は大きくなるように、固定側回転子鉄心に対し相対回動するため、負荷に応じた適切な界磁磁束を得ることができる。
また、請求項5に記載の発明によると、前記回転子は、前記トルクが小さい時には、2組の回転子鉄心の間に働くトルクまたは設置されたスプリングの付勢力により、2組の回転子鉄心の異なる磁極が軸方向に揃うように相対回動し、界磁磁束が減ずるため、不要な損失を伴わない、簡単な構造の回転子を有する回転電機を提供できる。
また、請求項6に記載の発明によると、コイルスプリングの取付け部であるガイド溝内にグリースを充填し、さらに回動側回転子鉄心の段差部の前記固定側回転子鉄心との対向面側に前記グリースの漏れを防止するためのシール部材を設けるため、グリースが回動側回転子鉄心内部に確保され、ガイド溝内のコイルスプリングとスプリングシート部の耐久性を得られるとともに、グリースのダンパ効果と段差部に設けられたシール部材の摩擦抵抗により、異常振動を抑制できる。
また、請求項7に記載の発明によると、固定側回転子鉄心の内周側に設けたつば部が負荷側軸受の内輪と当接して軸受の押さえとして作用するため、負荷側軸受の軸方向の位置を確実に固定することができる。
また、請求項8に記載の発明によると、回転電機の固定子によって作られる回転磁界の磁極は、回動側回転子鉄心の磁極の位置に対して、最大のトルクが発生する位置に設けられるため、回動側回転子鉄心の回動位置に関係なく、適切な界磁磁束を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施例を示す電動機の軸方向側断面図、図2は図1に示す電動機の正断面図であって、回転子は回動側回転子鉄心を段差部端面側から見た図に相当するものである。また、図3は図1の回転子を構成する固定側回転子鉄心および回動側回転子鉄心を分解した分解斜視図である。
なお、本実施例は、スピンドルモータ等高頻度の起動、停止を繰返す用途に供する電動機を想定している。また、本電動機は、回転方向が回転軸を負荷側より見て、右回転側のみ駆動するに適した構造となっている。
図1乃至図3において、Rは回転子、Sは固定子、1は固定側回転子鉄心、1aはつば部、1bは凹部、2は回動側回転子鉄心、2aは段差部、2bは凸部、2cはガイド溝、3および4は界磁用磁石、5は回転軸、6はピン、7はスプリングシート、7aは孔部、8はコイルスプリング、9および10はOリング、11は固定子鉄心、12は固定子巻線、20は負荷側軸受、21は反負荷側軸受、22は回路基板、23は回転位置検出部である。
本発明の特徴は以下のとおりである。
すなわち、固定子鉄心11に固定子巻線12を巻回してなる固定子Sと、固定子Sと磁気的空隙を介して設けられると共に、回転子鉄心に界磁用磁石3、4を有する回転子Rと、を有する電動機において、回転子Rは、図1に示すとおり、回転軸5に固定された固定側回転子鉄心1と、該固定側回転子鉄心1に軸方向に隣接して固定側回転子鉄心1に対して相対回動可能に装着された回動側回転子鉄心2と、よりなる2組の回転子鉄心を備えている。また、図1および図3に示すとおり、固定側回転子鉄心1は、回転方向に順次異なった8つの磁極を有するように界磁用磁石3を設置すると共に、同様に、回動側回転子鉄心2も、回転方向に極性が順次異なった8つの磁極を有するように界磁用磁石4を設置している。
それから、一方の固定側回転子鉄心1は、図1乃至図3に示すように、回動側回転子鉄心2との対向面側に形成してなる凹部1bと、凹部1bに円周方向に沿って圧入固定された複数のピン6と、を設けている。また、他方の回動側回転子鉄心2は、図1乃至図3に示すように、固定側回転子鉄心1の凹部1bと嵌合するように設けた段差部2aと、前記段差部の内径側を複数の凸状に形成してなる凸部2bと、複数の凸部2b間のガイド溝2cに挿入されるコイルスプリング8と、コイルスプリング8と凸部2bの間におけるガイド溝2cに挿入されると共にピン6を係止するための孔部7aを有し、かつ、コイルスプリング8により付勢されるスプリングシート7と。を備えており、回転子Rに作用する電磁トルクに応じて回動側回転子鉄心2が固定側回転子鉄心1に対し相対回動し、負荷の大きさに応じて界磁磁束が変化する構造となっている。
つまり、回動側回転子鉄心2は、トルクが小さい時には界磁磁束は小さく、トルクが大きい時には界磁磁束は大きくなるように、固定側回転子鉄心1に対し相対回動するものである。
さらに、コイルスプリング8が挿入されるガイド溝2c内にはグリースを充填してあり、回動側回転子鉄心2の段差部2aの固定側回転子鉄心1との対向面側にグリースを保持し、グリースの漏れを防止するためのシール部材となるOリング9、10を設けている。
また、固定側回転子鉄心1の軸方向端部に、回転軸5の負荷側を軸支持する負荷側軸受20の軸方向の位置を固定するつば部1aを設けている。
図4は第1実施例の回転子の界磁磁束が変化する原理を示した説明図であって、(a)は低トトルク時、(b)はトルク増大時、(c)は高トルク時の場合である。
図4に示すように、界磁用磁石3を有する固定側回転子鉄心2と、界磁用磁石4を有する回動側回転子鉄心4とを備えた回転子において、低トルク時、回転子は2組の回転子鉄心の間に働くトルクまたはコイルスプリングの付勢力により、2組の回転子鉄心の異なる磁極が軸方向におおよそ揃うように相対回動するため、界磁磁束は小さい。トルク増大時には、前記スプリングの付勢力に反する方向及び回転子の回転方向に回動し、界磁磁束を強める。また、高トルク時には、2組の回転子鉄心の同じ磁極が軸方向に揃い界磁磁束は大きい状態となる。
図5は第1実施例による回転磁界の磁極位置の説明図である。
図5において、θeは、図4の低トルク時において示した、固定側の界磁用磁石3と回動側の界磁用磁石4の相対回動角度である。θeを適正に設けることで、本電動機の無負荷最大回転数を調整するとともに、起動を容易にする。固定子によって作られる回転磁界の磁極は、回動側回転子鉄心2の磁極の位置に対して、適切な位置に設けられるように電動機への負荷電流を流す。
図5に示すφは、回動側回転子鉄心2の磁極中心に対する、回動側回転子鉄心2を駆動するに最適な回転磁界の磁極中心の相対角度を示す。
回転磁界の磁極を、回動側回転子鉄心2の磁極の位置に対して、適切な位置に設ける方法として、図1に示した回転位置検出部23に示すように、回転軸上にエンコーダ等を設ける場合、例えば、回転磁界の磁極位置は、事前に調査した電動機の負荷電流に応じた回動側の磁極位置に対して、最大トルクが発生する位置に調整する。または、回路基板22上の22aに示す位置に回転位置検出部を設け、直接回動側の磁極位置を検出し、その位置に対し、回転磁界の磁極位置を適切に調整しても良い。
図6は第1実施例による電動機の加速特性の説明図である。
図6に示すように、本発明の電動機の加速特性Fは、充分な加速と高回転を両立できる。従来の界磁磁束を変化しない電動機の加速特性Gは、加速は良いが電圧飽和により高回転まで駆動できない。
高回転に調整した同電動機の加速特性Hは、所望の高回転は得られても、加速が悪くなる。
図7は本第1実施例による電動機のトルク定数の相対回動角度特性である。
図7は、トルク定数の最大値に対する比を相対回動角度θeの電気角に対し示したものであるが、図に示すように、相対回動角度の増大に伴いトルク定数は増大する。
したがって、本発明の第1実施例は、回転子が固定側と回動側の2組の回転子鉄心を有し、回転子に作用する電磁トルクに応じて回動側回転子鉄心が固定側回転子鉄心に対し相対回動するため、負荷の大きさに応じて界磁磁束を変化させ、不要な損失を伴わない回転電機を提供することができる。
また、回転子鉄心は、各々が回転方向に順次異なった磁極を有するように界磁用磁石を設置するため、小さな相対回動で、固定子の巻線に鎖交する界磁磁束を大きく変化させることができる。
また、コイルスプリングの取付け部であるガイド溝内にグリースを充填し、さらに回動側回転子鉄心の段差部の固定側回転子鉄心との対向面側にグリースの漏れを防止するためのシール部材を設けるため、グリースが回動側回転子鉄心内部に確保され、ガイド溝内のコイルスプリングとスプリングシートの耐久性を得られるとともに、グリースのダンパ効果と段差部に設けられたシール部材の摩擦抵抗により、異常振動を抑制できる。
また、固定側回転子鉄心の内周側に設けたつば部が負荷側軸受の内輪と当接して軸受の押さえとして作用するため、負荷側軸受の軸方向の位置を確実に固定することができる。
図9は、本発明の第2実施例を示す電動機の回転子の正断面図である。
本発明の第2実施例が第1実施例と異なる点は、固定側回転子鉄心に固定された2つのピン16と回動側回転子鉄心のガイド溝に挿入されたスプリングシート17に対し、回動側回転子鉄心13を双方向駆動とした点であり、無負荷時、2組の回転子鉄心の異なる磁極が軸方向に完全に揃う構造とする。
第1実施例と同様に、回動側の界磁用磁石14に対し、回転磁界の磁極を適切に調整するため、磁極は図に示すように、右回転側に駆動する場合は正駆動時回転磁界の磁極25の位置とし、左回転側に駆動する場合は逆回転時回転磁界の磁極の位置26とする。
図10は、本発明の第3の実施例を示す電動機の回転子であって、(a)は正断面図、(b)は側断面図である。
本発明の第3実施例が第1実施例と異なる点は、表面磁石構造の電動機に替えて、埋め込み磁石構造の電動機とした点であり、特に高回転時の鉄損低減に留意した実施例である。
具体的には、回転子は、界磁用磁石34を内部に挿入する回転子鉄心31、32と、回転子鉄心31、32を支持する保持部材35、36とに分けて構成したものであり、界磁用磁石34は2組の回転子鉄心31、32にV字に挿入され、回転子鉄心表面に磁極を作り出している。
本実施例は、永久磁石電動機でありながら高起動トルクと高回転を両立できるものであり、一般に、掃除機やエアタオル等の家電用電動機、またはインパクトドライバやグラインダー等の工具用電動機などの、高起動トルクと高回転を両立する用途に有用である。
図11は、第3実施例の回転子の界磁磁束が変化する原理説明図である。
図に示すように、界磁磁束を変化する仕組みは実施例1と同じであり、図11の(a)に示すように駆動トルクの増大に伴い、回動側回転子鉄心42が固定側回転子鉄心41と同じ磁極が揃うように回動する。図11の(b)の2組の回転子鉄心の異なる磁極が軸方向に揃う状態では、界磁用磁石の磁束が回転子鉄心内で短絡し、回転子外部への界磁磁束を極端に減ずる。そのため、鉄損を著しく低減することができる。
図12は第3実施例の電動機の加速特性の説明図である。
図に示すように、本発明の電動機の加速特性Fは、充分な加速と高回転を両立できる。従来の界磁磁束を変化しない電動機の加速特性Gは、加速は良いが誘起電圧飽和により高回転まで駆動できない。同サイズの従来の整流子付き電動機の加速特性Hは、所望の高回転は得られても、起動トルクで劣るため加速が悪くなる。
本発明を産業用回転電機に利用することによって、回転子の回転速度に関係なく、負荷の大きさに応じて界磁磁束を変化させ、不要な損失を伴わない、簡単な構造の回転子を有する回転電機を提供することができるようになり、作業性が向上する。
本発明の第1実施例を示す電動機の軸方向側断面図である。 図1に示す電動機の正断面図であって、回転子は回動側回転子鉄心を段差部端面側から見た図に相当するものである。 図1の回転子を構成する固定側回転子鉄心および回動側回転子鉄心を分解した分解斜視図である。 第1実施例の回転子の界磁磁束が変化する原理を示した説明図であって、(a)は低トトルク時、(b)はトルク増大時、(c)は高トルク時の場合である。 第1実施例による回転磁界の磁極位置の説明図である。 第1実施例による電動機の加速特性の説明図である。 第1実施例による電動機のトルク定数の相対回動角度特性である。 一般の回転速度に対する誘起電圧の関係を示した図である。 本発明の第2実施例を示す電動機の回転子の正断面図である。 本発明の第3実施例を示す電動機の回転子であって、(a)は正断面図、(b)は側断面図である。 第3実施例の回転子の界磁磁束が変化する原理説明図である。 第3実施例の電動機の加速特性の説明図である。 第1従来技術を示す埋め込み磁石構造の回転子を有する回転電機の分解斜視図でであって、(A)は低回転、(B) は高回転の場合である。 第2従来技術を示す表面磁石構造の回転子を有する回転電機の正面図である。
R 回転子、
S 固定子、
1 固定側回転子鉄心、
1a つば部、
1b 凹部、
2 回動側回転子鉄心、
2a 段差部、
2b 凸部、
2c ガイド溝、
3、4 界磁用磁石、
5 回転軸、
6 ピン、
7 スプリングシート、
7a 孔部、
8 コイルスプリング、
9、10 Oリング、
11 固定子鉄心、
12 固定子巻線、
20 負荷側軸受
21 反負荷側軸受
22 回路基板
23 回転位置検出部
24 回転磁界の磁極
25 正駆動時回転磁界の磁極
26 逆駆動時回転磁界の磁極
31 固定側回転子鉄心
32 回動側回転子鉄心
34 回動側界磁用磁石
35 固定側保持部材
36 回動側保持部材
41 固定側回転子鉄心
42 回動側回転子鉄心

Claims (8)

  1. 固定子鉄心に固定子巻線を巻回してなる固定子と、回転子鉄心に界磁用磁石を設けてなる回転子と、を有しており、
    前記回転子は、回転軸に固定された固定側回転子鉄心と、該固定側回転子鉄心に軸方向に隣接して前記固定側回転子鉄心に対して相対回動可能に装着された回動側回転子鉄心と、よりなる2組の回転子鉄心を備えた回転電機において、
    前記回転子に作用する電磁トルクに応じて前記回動側回転子鉄心が前記固定側回転子鉄心に対し相対回動することを特徴とする回転電機。
  2. 前記固定側回転子鉄心は、前記回動側回転子鉄心との対向面側に形成してなる凹部と、前記凹部に円周方向に沿って圧入固定された複数のピンと、を設けてあり、
    前記回動側回転子鉄心は、前記固定側回転子鉄心の凹部と嵌合するように設けた段差部と、前記段差部の内径側を複数の凸状に形成してなる凸部と、前記複数の凸部間のガイド溝に挿入されるコイルスプリングと、前記コイルスプリングと前記凸部の間におけるガイド溝に挿入されると共に前記ピンを係止するための孔部を有し、かつ、前記コイルスプリングにより付勢されるスプリングシートとを備えたことを特徴とする請求項1記際の回転電機。
  3. 前記2組の回転子鉄心に設けた界磁用磁石は、回転方向に極性が順次異なった磁極を有することを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機。
  4. 前記回動側回転子鉄心は、前記トルクが小さい時には界磁磁束は小さく、前記トルクが大きい時には界磁磁束は大きくなるように、前記固定側回転子鉄心に対し相対回動するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機。
  5. 前記回転子は、前記トルクが小さい時には、前記2組の回転子鉄心の間に働くトルクまたは前記コイルスプリングの付勢力により、前記2組の回転子鉄心の異なる磁極が軸方向に揃うように相対回動し、界磁磁束を減ずるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機。
  6. 前記コイルスプリングが挿入される前記ガイド溝内にグリースを充填してあり、
    前記回動側回転子鉄心の段差部の前記固定側回転子鉄心との対向面側に前記グリースの漏れを防止するためのシール部材を設けたことを特徴とする請求項2に記載の回転電機。
  7. 前記固定側回転子鉄心の軸方向端部に、前記回転軸の負荷側を軸支持する負荷側軸受の軸方向の位置を固定するつば部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機。
  8. 前記固定子によって作られる回転磁界の磁極は、前記回動側回転子鉄心の磁極の位置に対して、最大のトルクが発生する位置に設けられることを特徴とする請求項1記載の回転電機。
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