JP2012080616A - 可変磁束モータ - Google Patents

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【課題】 ロータコアの内部に永久磁石が埋め込まれたロータを備える可変磁束モータにおいて、ロータがステータから軸方向に露出したときの該ロータの露出部分からの磁束がステータへ軸方向に漏れることを防止すること。
【解決手段】 本発明による可変磁束モータ1、2は、ステータコアにコイルが巻装されたステータ21と、磁性体からなるロータコアの内部に磁石36,38が埋め込まれ、ステータに対して径方向外側又は径方向内側に対面して回転するロータ30と、ステータに対するロータの軸方向の相対位置を変更して、コイルと鎖交する磁石の磁束を調整するアクチュエータ40と、ステータに対して軸方向に並び、ロータがステータから軸方向に露出した時に該ロータの露出部分の少なくとも一部が対面するように配置されるリング状の磁性体部材70とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ステータに対するロータの軸方向の相対位置を変更するアクチュエータを備える可変磁束モータに関する。
従来から、この種の可変磁束モータは知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。可変磁束モータでは、ステータに対するロータの軸方向の相対位置を変化させることでトルク定数を可変することができるので、比較的大きいトルクが必要とされる低速回転から比較的小さなトルクでよい高速回転まで効率的にカバーすることができる。尚、特許文献1には、ステータがロータを径方向外側から囲繞するインナロータタイプの可変磁束モータが開示され、特許文献2には、ロータがステータを径方向外側から囲繞するアウタロータタイプの可変磁束モータが開示されている。特許文献1及び2に開示されるモータは、ロータの表面に永久磁石が設けられるタイプのSPM(Surface Permanent Magnet)モータである。
また、ロータの内部に永久磁石が埋め込まれたタイプのIPM(Interior Permanent Magnet)モータも知られている(例えば、特許文献3参照)。尚、IPMモータでは、磁石トルクに加えてリラクタンストルクによる回転力が加わり、高トルクと高効率/低発熱を実現することができる。
特開平5−300712号公報 特開2009−95078号公報 特開2004−92978号公報
しかしながら、IPMモータと可変磁束モータとを組み合わせた場合、即ち、内部に永久磁石が埋め込まれたロータを用いて可変磁束モータを構成した場合、ステータに対するロータの軸方向の相対位置を変化させた際に、ロータがステータから軸方向に露出するが、この際、当該ロータの露出部分からの磁束が永久磁石の外周側の鉄(ロータ鉄芯)を介してステータへ軸方向に漏れるという問題点が生じる。このような磁束の漏れが発生すると、その分だけ大きくステータに対するロータの軸方向の相対位置を変化させる必要が生じ、その可動用のスペースを確保する必要性からモータの軸方向の大型化を招いてしまう。
そこで、本発明は、ロータコアの内部に永久磁石が埋め込まれたロータを備える可変磁束モータにおいて、ロータがステータから軸方向に露出したときの該ロータの露出部分からの磁束がステータへ軸方向に漏れることを防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一局面によれば、ステータコアにコイルが巻装されたステータと、
磁性体からなるロータコアの内部に磁石が埋め込まれ、前記ステータに対して径方向外側又は径方向内側に対面して回転するロータと、
前記ステータに対する前記ロータの軸方向の相対位置を変更して、前記コイルと鎖交する前記磁石の磁束を調整するアクチュエータと、
前記ステータに対して軸方向に並び、前記ロータが前記ステータから軸方向に露出した時に該ロータの露出部分の少なくとも一部が対面するように配置されるリング状の磁性体部材とを備えることを特徴とする、可変磁束モータが提供される。
本発明によれば、ロータコアの内部に永久磁石が埋め込まれたロータを備える可変磁束モータにおいて、ロータがステータから軸方向に露出したときの該ロータの露出部分からの磁束がステータへ軸方向に漏れることを防止することができる。
図1(A)及び図1(B)は、本発明の一実施例による可変磁束モータ1の主要断面を示す概略図であり、図1(A)は、ロータ移動量が最小値(ゼロ)である状態を示し、図1(B)は、ロータ移動量が最大値である状態を示す。 図2(A)は、ステータ21側から視た磁性体リング70及び座部16の平面図であり、図2(B)は、図2(A)のラインA−Aに沿った断面図を示す。 図1(A)のラインB−Bに沿った断面図である。 図1(B)のラインC−Cに沿った断面図である。 無負荷時のロータ移動量とコイル鎖交磁束との関係を示す図である。 磁性体リング70の機能を模式的に示す断面図(軸より上半分のみの断面図)であり、図6(A)は磁性体リング70が無い比較例の状態を示し、図6(B)は磁性体リング70が設けられる本実施例の状態を示す。 ロータ30の露出部分からの磁性体リング70への磁束の流れを模式的に示す断面図(図1(B)のラインC−Cに沿った断面に相当)である。 他の実施例による磁性体リング700を示す図である。 ロータ30の露出部分からの磁性体リング700への磁束の流れを模式的に示す断面図である。 本発明の他の一実施例による可変磁束モータ2の概略構成を示す概略的な断面図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1(A)及び図1(B)は、本発明の一実施例による可変磁束モータ1の主要断面を示す概略図である。以下の説明において、軸方向とは、可変磁束モータ1の回転軸(回転中心)12が延在する方向を指し、径方向とは、回転軸12に沿って視て、回転軸12を中心とした径方向(回転軸12に垂直な方向)を指す。従って、径方向外側又は外周側とは、回転軸12に垂直な方向で回転軸12から離れる側を指し、径方向内側とは、回転軸12に垂直な方向で回転軸12に向かう側を指す。また、周方向とは、回転軸12まわりの回転方向に対応する。
図1(A)は、ロータ30のステータ21に対する軸方向の相対移動量(以下、ロータ移動量ともいう)が最小値(ゼロ)である状態を示し、図1(B)は、ロータ移動量が最大値である状態を示す。また、図1(A)に示すロータ30の軸方向の位置を「最小移動位置」と称し、図1(B)に示すロータ30の軸方向の位置を「最大移動位置」と称する。
可変磁束モータ1は、インナロータタイプであり、ステータ21がロータ30の外周側を囲繞するように設けられる。ステータ21は、外周側がモータハウジング10に固定される。ステータ21は、例えば円環状の強磁性体の積層鋼板からなり、ステータ21の内周部には、コイル22が巻回される複数のスロット23(図3参照)が形成される。回転軸12は、モータハウジング10にベアリング14を介して回転可能に支持される。
ロータ30は、回転軸12に対して回転不能な態様で回転軸12に接続(保持)される。また、回転軸12に沿ったロータ30の可動範囲では、ロータ30は、回転軸12に対して軸方向に摺動可能で且つ回転軸12に対して回転不能な態様で、回転軸12に接続(保持)される。かかる接続態様は、例えば非円形断面の回転軸12まわりへのロータ30の嵌合(例えばスプライン嵌合)により実現されてもよい。尚、回転軸12に沿ったロータ30の可動範囲の終端は、回転軸12の断面を変化させること(例えば、スプライン溝の終端)で規定されてよい。
ロータ30は、スプリング18により最小移動位置(図1(A)参照)に向けて付勢される。スプリング18は、回転軸12まわりを取り巻く態様で回転軸12まわりに挿通される。スプリング18は、一端がロータ30にブッシュ等の低摩擦部材50を介して当接し、他端が座部16に支持される。座部16は回転軸12に固定される。尚、ロータ30は、常態では、スプリング18の付勢力により最小移動位置に保持される。
可変磁束モータ1は、ロータ30とステータ21との間の軸方向の相対位置を変化させるアクチュエータ40及び駆動部材42を備える。アクチュエータ40は、駆動部材42を軸方向に沿って移動させることで、スプリング18からの付勢力に抗してロータ30を軸方向に沿って最大移動位置(図1(B)参照)まで駆動することができる。アクチュエータ40の作動は、図示されない制御装置により実現されてもよい。ロータ30は、最大移動位置と最小移動位置との間の任意の位置で保持することが可能な態様でリニアに制御されてもよい。尚、駆動部材42の先端部は、ブッシュ等の低摩擦部材52を介してロータ30に当接されてもよい。
可変磁束モータ1は、ステータ21に対して軸方向にオフセットして配置されたリング状の磁性体部材70(以下、「磁性体リング70」という)を備える(図2参照)。磁性体リング70は、ステータ21に対してロータ30が移動する側(露出側)に軸方向にオフセットして配置される。磁性体リング70は、磁性材料から形成される円筒状(リング状)の部材である。磁性体リング70は、図1(A)及び図1(B)に示すように、ロータ30に対して径方向外側に設けられる。即ち、磁性体リング70は、ステータ21と同様の態様で、ロータ30の外周側に設けられる。磁性体リング70は、ステータ21と同様に、ロータ30の外径よりも僅かに大きい内径を有する。磁性体リング70は、ステータ21に対して軸方向で可能な限り近接する態様で、ステータ21に対して軸方向にオフセットして配置されてよい。図示の例では、磁性体リング70は、ステータ21のコイル22の端部(コイルエンド)に対して最小限の必要なクリアランス分だけ離間して配置されている。ステータ21からロータ30が軸方向に露出した状態では、図1(B)に示すように、磁性体リング70とロータ30の露出部分とは軸方向で重なって径方向で対向する。磁性体リング70の機能については後に詳説する。
磁性体リング70は、モータハウジング10等のような固定部材に固定されてもよいが、好ましくは、ロータ30と一体に回転するように構成される。図示の例では、磁性体リング70は、座部16の外周縁に固定・支持されている。尚、座部16は、上述の如く回転軸12と一体に回転する。また、磁性体リング70は、座部16と一体に形成されてもよい。
図3は、図1(A)のラインB−Bに沿った断面図を示す。図4は、図1(B)のラインC−Cに沿った断面図を示す。
ロータ30は、例えば円環状の強磁性体の積層鋼板からなる。ロータ30の内部には、図3に示すように、永久磁石36,38が埋め込まれている。永久磁石36,38は、互いに磁極が異なり、周方向に交互に配置される。図示の例では、永久磁石36は、例えばS極が径方向外側に向く2つの永久磁石36a,36bの組み合わせからなる。永久磁石36a,36bは、径方向外側に開く“ハ”の字状に配置されている。同様に、永久磁石38は、例えばN極が径方向外側に向く2つの永久磁石38a,38bの組み合わせからなる。永久磁石38a,38bは、径方向外側に開く“ハ”の字状に配置されている。尚、ロータ30の内部の永久磁石36,38の配置態様は任意であり、他の態様であってもよい。例えば、径方向外側に開口する“コ”の字状に配置されてもよいし、単に接線方向に直線状に配置されてもよい。また、より複雑な構成として、ロータ30は、例えば特許文献3に開示されるような周方向内外の2つのロータ要素から構成されてもよい。また、図示の例では、ロータ30は、永久磁石36a,36bの間、及び、永久磁石38a,38bの間に、周方向に沿って磁気抵抗を変化させるための空隙39aを有し、永久磁石36a,36bの端部及び永久磁石38a,38bの端部に隣接して空隙39bを有しているが、かかる空隙39a,39bも任意に設定されてよい。要するに、ロータ30は、ロータ30の内部に永久磁石を備えるものであれば任意であってよい。
可変磁束モータ1の動作の一例の概要について説明する。例えば低速回転時のような比較的大きいトルクが必要とされる状況下では、アクチュエータ40は作動されず、ロータ30は最小移動位置(図1(A)参照)に維持される。次いで、ロータ30の回転速度が増加するにつれて、ロータ30は、アクチュエータ40の作動により最小移動位置から最大移動位置(図1(B)参照)に向けて軸方向に移動される。ロータ30は最小移動位置から軸方向に移動されると、ロータ30がステータ21から軸方向で露出し、ロータ30とステータ21との間の軸方向で重なる部分が減少する。これに伴い、ロータ30とステータ21との間の径方向の対向面積が減少し(コイル鎖交磁束が減少し)、発生トルクが減少する。このようにして、可変磁束モータ1は、ロータ30とステータ21との間の軸方向の相対位置を変化させることでトルク定数を可変することができ、比較的大きいトルクが必要とされる低速回転から比較的小さなトルクでよい高速回転まで効率的にカバーすることができる。また、可変磁束モータ1は、内部に永久磁石36,38が埋め込まれたロータ30を備えるので、磁石トルクに加えてリラクタンストルクによる回転力が加わり、高トルクと高効率/低発熱を実現することができる。
図5は、無負荷時のロータ移動量とコイル鎖交磁束との関係を示す図である。図5において、横軸は、ロータ30の最小移動位置(図1(A)参照)をゼロとしたときのロータ移動量を示し、ロータ30の軸方向の全長を基準(100%)として割合で示す。尚、ここでは、説明の複雑化を防止するために、ロータ30が最小移動位置にあるとき、ロータ30の軸方向の端面とステータ21の軸方向の端面とは実質的に同一面内に存在することを想定する(図1(A)参照)。従って、ロータ30がステータ21から完全に露出するまでの間は、ロータ移動量は、ロータ30におけるステータ21に対して軸方向で重ならない露出部分の軸方向の長さ(ロータ露出量)に相当する。例えば、図1(A)に示す状態(ロータ30の最小移動位置)では、ロータ30におけるステータ21に対して軸方向で重ならない露出部分の軸方向の長さは、ゼロであり、従って、ロータ移動量は、0[%]である。他方、ロータ30がステータ21から完全に露出した後は、ロータ30におけるステータ21に対して軸方向で重ならない露出部分の軸方向の長さは一定(=ロータ30の軸方向の全長)であり、従って、ロータ移動量が更に増加してもロータ露出量は増加しない。尚、図1(B)に示す状態(ロータ30の最大移動位置)では、ロータ移動量は、コイルエンド部分の存在に起因して100[%]を超えている。縦軸は、コイル鎖交磁束を示し、ロータ移動量がゼロのときを基準(100%)として割合で示す。
図5には、上述の本実施例による可変磁束モータ1の可変磁束特性が実線で示される。また、図5には、理想的な可変磁束特性(磁束の漏れの無い可変磁束特性)が点線C1で示されると共に、比較例として、ロータの内部に永久磁石が埋め込まれているモータであって上述のような磁性体リング70を備えていないモータに関する可変磁束特性が示される。
理想的な可変磁束特性は、図5にて点線C1で示すように、ロータ移動量とコイル鎖交磁束とが比例関係となる。即ち、ロータ30がステータ21から完全に露出するまでは(ロータ移動量が100%になるまでは)、ロータ移動量の増加に比例してコイル鎖交磁束が減少する。この理想的な可変磁束特性は、ロータ表面に永久磁石が設けられるSPMモータに関する可変磁束特性に実質的に対応する。SPMモータの場合、ロータ表面が永久磁石で構成されているので、ロータ表面を介したステータへの磁束の軸方向の漏れが実質的に無いためである。
他方、比較例(磁性体リング70を備えていない通常のIPMモータ)の場合、図5にて一点鎖線で示すように、ロータ移動量が増加してもコイル鎖交磁束が理想的な可変磁束特性のようには減少しない。これは、図6(A)に模式的に示すように、通常のIPMモータの場合には、露出部分のロータ内の永久磁石からの磁束が永久磁石の外周側の鉄(ロータ鉄芯)を介してステータへ軸方向に漏れるためである(矢印M1参照)。従って、比較例の場合、同等のコイル鎖交磁束の低減量を得るために必要なロータ移動量が、理想的な可変磁束特性に比べて顕著に大きくなる。例えば、図5に示すように、60%のコイル鎖交磁束を得るために必要なロータ移動量は、理想的な可変磁束特性では約40%のロータ移動量で良いのに対して、比較例では80%近くのロータ移動量が必要である。これは、その分だけ軸方向に長い空間をロータ露出用に確保する必要があることを意味し、モータ軸方向の大型化を招くという不都合を生む。
これに対して、本実施例によれば、図5にて実線で示すように、理想的な可変磁束特性とは完全に一致しないものの、理想的な可変磁束特性に近い可変磁束特性を実現することができる。即ち、ロータ移動量が増加すると、コイル鎖交磁束が理想的な可変磁束特性に近い態様で減少する。これは、ロータ30の露出部分に対して径方向に対向する磁性体リング70の存在に起因して、図6(B)及び図7に模式的に示すように、ロータ30の露出部分からの磁束が永久磁石外周側の鉄(ロータ鉄芯)を介して磁性体リング70へ向かうためである(矢印M2参照)。より具体的には、図7に示すように、永久磁石38aのN極からの磁束は、磁性体リング70へ向かい、磁性体リング70内を通って、永久磁石38aに隣接する永久磁石36bのS極へと戻り、閉磁路が形成される。また、永久磁石38bのN極からの磁束は、磁性体リング70へ向かい、磁性体リング70内を通って、永久磁石38bに隣接する永久磁石36aのS極へと戻り、閉磁路が形成される。このように、本実施例では、ロータ30の露出部分からの磁束は、磁性体リング70内を通るため、磁束がステータ21へ軸方向に漏れることが防止され、ロータ移動量に応じたコイル鎖交磁束の低減が可能となる。従って、本実施例では、例えば、60%のコイル鎖交磁束を得るために必要なロータ移動量は、図5に示すように、理想的な可変磁束特性と約50%のロータ移動量で足りる。このように本実施例によれば、磁性体リング70を備えることによって、ロータ30の露出部分からステータ21への軸方向の磁束の漏れを防止することができ、モータ軸方向の大型化を防止することができる。
また、本実施例による可変磁束特性は、図5にて区間X1、X2に示すように、磁性体リング70とステータ21との間の軸方向の離間に起因して(即ち、コイルエンド部分に関連した離間分の影響に起因して)、理想的な可変磁束特性からのずれが発生する。しかしながら、他の区間では、本実施例による可変磁束特性は、理想的な可変磁束特性と略同様の態様で線形的に変化するので、制御し易い構成を実現することができる。尚、本実施例による可変磁束特性は、上述の如くコイルエンド部分の存在に起因してロータ移動量が100%でもコイル鎖交磁束がゼロにならない。しかしながら、コイル鎖交磁束をゼロにする必要がある場合は、ロータ30を更に軸方向に移動させることで(即ち、図1(B)参照)、コイル鎖交磁束をゼロにすればよい。
尚、上述の如くロータ30の露出部分からの磁束が磁性体リング70を通る場合、ロータ30の回転に伴う鉄損が生じうるが、磁性体リング70がロータ30と共に回転する好ましい構成では、かかる鉄損を防止することができる。
図8は、他の実施例による磁性体リング700を示す図であり、図8(A)は、ステータ21側から視た磁性体リング700及び座部16の平面図であり、図8(B)は、図8(A)のラインD−Dに沿った断面図を示す。
図8に示す他の実施例の磁性体リング700は、図8(A)に示すように、周方向に分割された構成を有する。即ち、磁性体リング700は、複数の磁性体部位700aを周方向に等間隔に(リング状に)配列して構成される。複数の磁性体部位700aは、好ましくは、ロータ30の磁極数に応じた数で設けられる。本例では、ロータ30の磁極数は8つであり(図2参照)、従って、磁性体リング700は、リング状に等間隔に配列された8つの磁性体部位700aを備える。本実施例では、磁性体リング700が固定される座部16は、ロータ30と共に回転する。従って、磁性体リング700とロータ30との間の周方向の位置関係は、ロータ30の回転中一定である。磁性体部位700aは、永久磁石38aと永久磁石36bとの隣接部(V字型の径方向外側頂部)、及び、永久磁石38bと永久磁石36aとの隣接部にそれぞれ対応して設けられる(図9参照)。図示の例では、永久磁石38aと永久磁石36bとの隣接部(合計4箇所)に合計4つの磁性体部位700aが設けられ、永久磁石38bと永久磁石36aとの隣接部(合計4箇所)に合計4つの磁性体部位700aが設けられている。
図9は、ロータ30の露出部分からの磁性体リング700への磁束の流れを模式的に示す断面図であり、図1(B)のラインC−Cに沿った断面に相当する。図9に示すように、磁性体リング700を用いた場合も、上述した磁性体リング70と同様、永久磁石38aのN極からの磁束は、磁性体リング700へ向かい、磁性体リング700内を通って、永久磁石38aに隣接する永久磁石36bのS極へと戻り、閉磁路が形成される。また、永久磁石38bのN極からの磁束は、磁性体リング700へ向かい、磁性体リング700内を通って、永久磁石38bに隣接する永久磁石36aのS極へと戻り、閉磁路が形成される。このように、本実施例では、ロータ30の露出部分からの磁束は、磁性体リング700内を通るため、磁束がステータ21へ軸方向に漏れることが防止され、ロータ移動量に応じたコイル鎖交磁束の低減が可能となる。即ち、本実施例によれば、磁性体リング700を備えることによって、ロータ30の露出部分からステータ21への軸方向の磁束の漏れを防止することができ、モータ軸方向の大型化を防止することができる。また、上述の如く周方向に沿って分割された磁性体リング700を用いる場合には、分割の無い磁性体リング70を用いる場合に比べて、少ない重量(材料)で同等な効果を得ることができ、効率的な構成を実現することができる。
図10は、本発明の他の一実施例による可変磁束モータ2の概略構成を示す概略的な断面図であり、図10(A)は、ロータ30が最小移動位置にある状態を示し、図10(B)は、ロータ移動量が約50%の状態を示す。尚、109では、ステータ21、ロータ30及び磁性体リング70(又は700)についての断面部分のみが示されている。本実施例の可変磁束モータ2は、アウタロータタイプのモータである点が上述の実施例(図1乃至図9参照)による可変磁束モータ1と異なる。尚、磁性体リング70(又は700)は、上述の如く、ステータ21の外径に対応した中空の円筒状(リング状)の形態を有するが、分割されない磁性体リング70については中実であってもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例では、ロータ30がステータ21に対して軸方向で移動されているが、これに加えて若しくはこれに代えて、ステータ21がロータ30に対して軸方向で移動されてもよい。
また、上述の実施例では、ロータ30は、アクチュエータ40及び駆動部材42により軸方向に突き出される(押し出される)態様で、ステータ21に対して軸方向で移動されているが、送りねじ等のような他の態様で駆動されてもよい。また、アクチュエータ40としては、電気モータ、油圧アクチュエータ、ソレノイド等の任意の駆動源が利用されてもよい。また、遠心力を利用してロータ30とステータ21との間の軸方向の相対位置を変化させてもよい。
尚、上述の実施例による可変磁束モータ1は、自動車の車輪駆動モータを始め、任意の用途に用いることができる。
1、2 可変磁束モータ
10 モータハウジング
12 回転軸
16 座部
18 スプリング
21 ステータ
22 コイル
23 スロット
30 ロータ
36、38 永久磁石
40 アクチュエータ
42 駆動部材
50 低摩擦部材
70,700 磁性体リング

Claims (3)

  1. ステータコアにコイルが巻装されたステータと、
    磁性体からなるロータコアの内部に磁石が埋め込まれ、前記ステータに対して径方向外側又は径方向内側に対面して回転するロータと、
    前記ステータに対する前記ロータの軸方向の相対位置を変更して、前記コイルと鎖交する前記磁石の磁束を調整するアクチュエータと、
    前記ステータに対して軸方向に並び、前記ロータが前記ステータから軸方向に露出した時に該ロータの露出部分の少なくとも一部が対面するように配置されるリング状の磁性体部材とを備えることを特徴とする、可変磁束モータ。
  2. 前記リング状の磁性体部材は、前記ロータと一体に回転する、請求項1に記載の可変磁束モータ。
  3. 前記リング状の磁性体部材は、周方向に沿って互いに離間して配列された複数の部位からなり、
    該複数の部位は、前記ロータの異なる磁極が隣接する前記磁石の隣接部に対面する位置である、請求項1又は2に記載の可変磁束モータ。
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