JP2012080615A - 可変磁束モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータコアの内部に永久磁石が埋め込まれたロータを備える可変磁束モータにおいて、ロータがステータから軸方向に露出したときの該ロータの露出部分からの磁束がステータへ軸方向に漏れることを防止すること。
【解決手段】本発明による可変磁束モータ1,2は、ステータコアにコイルが巻装されたステータ21と、磁性体からなるロータコアの内部に磁石36,38が埋め込まれ、ステータに対して径方向外側又は径方向内側に対面して回転するロータ30と、ステータに対するロータの軸方向の相対位置を変更して、コイルと鎖交する磁石の磁束を調整するアクチュエータ40とを備え、ロータは、少なくとも前記磁石よりも径方向におけるステータ側に、軸方向の前記磁束を遮蔽する磁束遮蔽部34を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステータに対するロータの軸方向の相対位置を変更するアクチュエータを備える可変磁束モータに関する。
従来から、この種の可変磁束モータは知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。可変磁束モータでは、ステータに対するロータの軸方向の相対位置を変化させることでトルク定数を可変することができるので、比較的大きいトルクが必要とされる低速回転から比較的小さなトルクでよい高速回転まで効率的にカバーすることができる。尚、特許文献1には、ステータがロータを径方向外側から囲繞するインナロータタイプの可変磁束モータが開示され、特許文献2には、ロータがステータを径方向外側から囲繞するアウタロータタイプの可変磁束モータが開示されている。特許文献1及び2に開示されるモータは、ロータの表面に永久磁石が設けられるタイプのSPM(Surface Permanent Magnet)モータである。
また、ロータの内部に永久磁石が埋め込まれたタイプのIPM(Interior Permanent Magnet)モータも知られている(例えば、特許文献3参照)。尚、IPMモータでは、磁石トルクに加えてリラクタンストルクによる回転力が加わり、高トルクと高効率/低発熱を実現することができる。
特開平5−300712号公報 特開2009−95078号公報 特開2004−92978号公報
しかしながら、IPMモータと可変磁束モータとを組み合わせた場合、即ち、内部に永久磁石が埋め込まれたロータを用いて可変磁束モータを構成した場合、ステータに対するロータの軸方向の相対位置を変化させた際に、ロータがステータから軸方向に露出するが、この際、当該ロータの露出部分からの磁束が永久磁石の外周側の鉄(ロータ鉄芯)を介してステータへ軸方向に漏れるという問題点が生じる。このような磁束の漏れが発生すると、その分だけ大きくステータに対するロータの軸方向の相対位置を変化させる必要が生じ、その可動用のスペースを確保する必要性からモータの軸方向の大型化を招いてしまう。
そこで、本発明は、ロータコアの内部に永久磁石が埋め込まれたロータを備える可変磁束モータにおいて、ロータがステータから軸方向に露出したときの該ロータの露出部分からの磁束がステータへ軸方向に漏れることを防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一局面によれば、ステータコアにコイルが巻装されたステータと、
磁性体からなるロータコアの内部に磁石が埋め込まれ、前記ステータに対して径方向外側又は径方向内側に対面して回転するロータと、
前記ステータに対する前記ロータの軸方向の相対位置を変更して、前記コイルと鎖交する前記磁石の磁束を調整するアクチュエータとを備え、
前記ロータは、少なくとも前記磁石よりも径方向におけるステータ側に、軸方向の前記磁束を遮蔽する磁束遮蔽部を備えることを特徴とする、可変磁束モータが提供される。
本発明によれば、ロータコアの内部に永久磁石が埋め込まれたロータを備える可変磁束モータにおいて、ロータがステータから軸方向に露出したときの該ロータの露出部分からの磁束がステータへ軸方向に漏れることを防止することが可能となる。
図1(A)及び図1(B)は、本発明の一実施例による可変磁束モータ1の主要断面を示す概略図であり、図1(A)は、ロータ移動量が最小値(ゼロ)である状態を示し、図1(B)は、ロータ移動量が最大値である状態を示す。 図1(A)のラインA−Aに沿った断面図である。 図1(A)のラインB−Bに沿った断面図である。 無負荷時のロータ移動量とコイル鎖交磁束との関係を示す図である。 磁束遮蔽部34による磁束遮蔽機能を模式的に示す断面図(軸より上半分のみの断面図)であり、図5(A)は磁束遮蔽部34が無い比較例の状態を示し、図5(B)は磁束遮蔽部34が設けられる本実施例の状態を示す。 磁束シミュレーション結果を簡易的に示した断面図であり、図6(A)は磁束遮蔽部34が無い比較例の結果を示し、図6(B)は磁束遮蔽部34が設けられる本実施例の結果を示す。 磁束遮蔽部34の他の配置例を概略的に示す断面図である。 図7に示す配置例における無負荷時のロータ移動量とコイル鎖交磁束との関係を示す図である。 本発明の他の一実施例による可変磁束モータ2の概略構成を示す概略的な断面図である。 図1(A)のラインB−Bに沿った断面図であり、磁束遮蔽部34の他の構成例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1(A)及び図1(B)は、本発明の一実施例による可変磁束モータ1の主要断面を示す概略図である。以下の説明において、軸方向とは、可変磁束モータ1の回転軸(回転中心)12が延在する方向を指し、径方向とは、回転軸12に沿って視て、回転軸12を中心とした径方向(回転軸12に垂直な方向)を指す。従って、径方向外側又は外周側とは、回転軸12に垂直な方向で回転軸12から離れる側を指し、径方向内側とは、回転軸12に垂直な方向で回転軸12に向かう側を指す。また、周方向とは、回転軸12まわりの回転方向に対応する。
図1(A)は、ロータ30のステータ21に対する軸方向の相対移動量(以下、ロータ移動量ともいう)が最小値(ゼロ)である状態を示し、図1(B)は、ロータ移動量が最大値である状態を示す。また、図1(A)に示すロータ30の軸方向の位置を「最小移動位置」と称し、図1(B)に示すロータ30の軸方向の位置を「最大移動位置」と称する。
可変磁束モータ1は、インナロータタイプであり、ステータ21がロータ30の外周側を囲繞するように設けられる。ステータ21は、外周側がモータハウジング10に固定される。ステータ21は、例えば円環状の強磁性体の積層鋼板からなり、ステータ21の内周部には、コイル22が巻回される複数のスロット23(図2参照)が形成される。回転軸12は、モータハウジング10にベアリング14を介して回転可能に支持される。
ロータ30は、ロータ本体部32と磁束遮蔽部34とを備える。ロータ本体部32と磁束遮蔽部34とは、ロータ30の軸方向に沿って互いに隣接して設けられる。図1に示す例では、ロータ本体部32と磁束遮蔽部34とは、それぞれ4つずつ交互にロータ本体部32の軸方向に沿って積層されて一体化されている。ロータ本体部32及び磁束遮蔽部34の構成の詳細は後述する。
ロータ30は、回転軸12に対して回転不能な態様で回転軸12に接続(保持)される。また、回転軸12に沿ったロータ30の可動範囲では、ロータ30は、回転軸12に対して軸方向に摺動可能で且つ回転軸12に対して回転不能な態様で、回転軸12に接続(保持)される。かかる接続態様は、例えば非円形断面の回転軸12まわりへのロータ30の嵌合(例えばスプライン嵌合)により実現されてもよい。尚、回転軸12に沿ったロータ30の可動範囲の終端は、回転軸12の断面を変化させること(例えば、スプライン溝の終端)で規定されてよい。
ロータ30は、スプリング18により最小移動位置(図1(A)参照)に向けて付勢される。スプリング18は、回転軸12まわりを取り巻く態様で回転軸12まわりに挿通される。スプリング18は、一端がロータ30にブッシュ等の低摩擦部材50を介して当接し、他端が座部16に支持される。座部16は回転軸12に固定される。尚、ロータ30は、常態では、スプリング18の付勢力により最小移動位置に保持される。
可変磁束モータ1は、ロータ30とステータ21との間の軸方向の相対位置を変化させるアクチュエータ40及び駆動部材42を備える。アクチュエータ40は、駆動部材42を軸方向に沿って移動させることで、スプリング18からの付勢力に抗してロータ30を軸方向に沿って最大移動位置(図1(B)参照)まで駆動することができる。アクチュエータ40の作動は、図示されない制御装置により実現されてもよい。ロータ30は、最大移動位置と最小移動位置との間の任意の位置で保持することが可能な態様でリニアに制御されてもよい。尚、駆動部材42の先端部は、ブッシュ等の低摩擦部材52を介してロータ30に当接されてもよい。
図2は、図1(A)のラインA−Aに沿った断面図を示す。図3は、図1(A)のラインB−Bに沿った断面図を示す。尚、図1(A)のラインA−Aは、ロータ30のロータ本体部32が存在する軸方向の位置に対応する。また、図1(A)のラインB−Bは、磁束遮蔽部34が存在する軸方向の位置に対応する。
ロータ本体部32(図2参照)は、例えば円環状の強磁性体の積層鋼板からなる。ロータ本体部32の内部には、図2に示すように、永久磁石36,38が埋め込まれている。永久磁石36,38は、互いに磁極が異なり、周方向に交互に配置される。図示の例では、永久磁石36は、例えばS極が径方向外側に向く2つの永久磁石36a,36bの組み合わせからなる。永久磁石36a,36bは、径方向外側に開く“ハ”の字状に配置されている。同様に、永久磁石38は、例えばN極が径方向外側に向く2つの永久磁石38a,38bの組み合わせからなる。永久磁石38a,38bは、径方向外側に開く“ハ”の字状に配置されている。尚、ロータ本体部32の内部の永久磁石36,38の配置態様は任意であり、他の態様であってもよい。例えば、径方向外側に開口する“コ”の字状に配置されてもよいし、単に接線方向に直線状に配置されてもよい。また、より複雑な構成として、ロータ本体部32は、例えば特許文献3に開示されるような周方向内外の2つのロータ要素から構成されてもよい。また、図示の例では、ロータ本体部32は、永久磁石36a,36bの間、及び、永久磁石38a,38bの間に、周方向に沿って磁気抵抗を変化させるための空隙39aを有し、永久磁石36a,36bの端部及び永久磁石38a,38bの端部に隣接して空隙39bを有しているが、かかる空隙39a,39bも任意に設定されてよい。要するに、ロータ本体部32は、ロータ本体部32の内部に永久磁石を備えるものであれば任意であってよい。
磁束遮蔽部34(図3参照)は、磁束を遮蔽する特性を有する材料からなり、典型的には樹脂やステンレス等の非磁性体材料から形成される。図示の例(図3参照)では、磁束遮蔽部34は、ロータ本体部32と略同一の断面形状を有する板(遮蔽板)から構成される。尚、図示の例では、磁束遮蔽部34は、4枚の遮蔽板からなるが、かかる構成では、ロータ本体部32を構成する積層鋼板と、遮蔽板とを交互に積層・接合することで一体化してロータ30が製造されてよい。
磁束遮蔽部34は、図1(A)に示すように、ロータ30の軸方向に沿った所定位置(図示例では、軸方向に沿った4箇所)に設けられる。この所定位置(磁束遮蔽部34の設置位置)の好ましい例については、磁束遮蔽部34の機能と共に後に詳説する。尚、磁束遮蔽部34は、後に詳説するように、ロータ30がステータ21に対して軸方向で露出する状態において、当該露出した部分においてロータ本体部32の外周側の磁性体部分32a(図2参照)を介してステータ21に向けて軸方向に漏れうる磁束を遮蔽する。
可変磁束モータ1の動作の一例の概要について説明する。例えば低速回転時のような比較的大きいトルクが必要とされる状況下では、アクチュエータ40は作動されず、ロータ30は最小移動位置(図1(A)参照)に維持される。次いで、ロータ30の回転速度が増加するにつれて、ロータ30は、アクチュエータ40の作動により最小移動位置から最大移動位置(図1(B)参照)に向けて軸方向に移動される。ロータ30は最小移動位置から軸方向に移動されると、ロータ30がステータ21から軸方向で露出し、ロータ30とステータ21との間の軸方向で重なる部分が減少する。これに伴い、ロータ30とステータ21との間の径方向の対向面積が減少し(コイル鎖交磁束が減少し)、発生トルクが減少する。このようにして、可変磁束モータ1は、ロータ30とステータ21との間の軸方向の相対位置を変化させることでトルク定数を可変することができ、比較的大きいトルクが必要とされる低速回転から比較的小さなトルクでよい高速回転まで効率的にカバーすることができる。また、可変磁束モータ1は、内部に永久磁石36,38が埋め込まれたロータ30を備えるので、磁石トルクに加えてリラクタンストルクによる回転力が加わり、高トルクと高効率/低発熱を実現することができる。
図4は、無負荷時のロータ移動量とコイル鎖交磁束との関係を示す図である。図4において、横軸は、ロータ30の最小移動位置(図1(A)参照)をゼロとしたときのロータ移動量を示し、ロータ30の軸方向の全長を基準(100%)として割合で示す。尚、ここでは、説明の複雑化を防止するために、ロータ30が最小移動位置にあるとき、ロータ30の軸方向の端面とステータ21の軸方向の端面とは実質的に同一面内に存在することを想定する(図1(A)参照)。従って、ロータ30がステータ21から完全に露出するまでの間は、ロータ移動量は、ロータ30におけるステータ21に対して軸方向で重ならない露出部分の軸方向の長さ(ロータ露出量)に相当する。例えば、図1(A)に示す状態(ロータ30の最小移動位置)では、ロータ30におけるステータ21に対して軸方向で重ならない露出部分の軸方向の長さは、ゼロであり、従って、ロータ移動量は、0[%]である。他方、ロータ30がステータ21から完全に露出した後は、ロータ30におけるステータ21に対して軸方向で重ならない露出部分の軸方向の長さは一定(=ロータ30の軸方向の全長)であり、従って、ロータ移動量が更に増加してもロータ露出量は増加しない。尚、図1(B)に示す状態(ロータ30の最大移動位置)では、ロータ移動量は、略100[%]である。縦軸は、コイル鎖交磁束を示し、ロータ移動量がゼロのときを基準(100%)として割合で示す。
図4には、上述の本実施例による可変磁束モータ1の可変磁束特性が実線で示される。また、図4には、理想的な可変磁束特性(磁束の漏れの無い可変磁束特性)が点線C1で示されると共に、比較例として、ロータの内部に永久磁石が埋め込まれているモータであって上述のような磁束遮蔽部34を備えていないモータに関する可変磁束特性が示される。
理想的な可変磁束特性は、図4にて点線C1で示すように、ロータ移動量とコイル鎖交磁束とが比例関係となる。即ち、ロータ移動量の増加に比例してコイル鎖交磁束が減少する。この理想的な可変磁束特性は、ロータ表面に永久磁石が設けられるSPMモータに関する可変磁束特性に実質的に対応する。SPMモータの場合、ロータ表面が永久磁石で構成されているので、ロータ表面を介したステータへの磁束の軸方向の漏れが実質的に無いためである。
他方、比較例(磁束遮蔽部34を備えていない通常のIPMモータ)の場合、図4にて一点鎖線で示すように、ロータ移動量が増加してもコイル鎖交磁束が理想的な可変磁束特性のようには減少しない。これは、図5(A)に模式的に示すように、通常のIPMモータの場合には、露出部分のロータ内の永久磁石からの磁束が永久磁石の外周側の鉄(ロータ鉄芯)を介してステータへ軸方向に漏れるためである(矢印M1参照)。従って、比較例の場合、同等のコイル鎖交磁束の低減量を得るために必要なロータ移動量が、理想的な可変磁束特性に比べて顕著に大きくなる。例えば、図4に示すように、75%のコイル鎖交磁束を得るために必要なロータ移動量は、理想的な可変磁束特性では約25%のロータ移動量で良いのに対して、比較例では60%を超えるロータ移動量が必要である。これは、その分だけ軸方向に長い空間をロータ露出用に確保する必要があることを意味し、モータ軸方向の大型化を招くという不都合を生む。
これに対して、本実施例によれば、図4にて実線で示すように、理想的な可変磁束特性とは完全に一致しないものの、理想的な可変磁束特性に近い可変磁束特性を実現することができる。即ち、ロータ移動量が増加すると、コイル鎖交磁束が理想的な可変磁束特性に近い態様で減少する。これは、図5(B)に模式的に示すように、磁束遮蔽部34が、露出したロータ本体部32におけるロータ表面の磁性体部分32a(図2参照)を介してステータ21に向けて軸方向に漏れうる磁束M2を遮蔽するためである。具体的には、図5(B)では、露出したロータ本体部32におけるロータ表面の磁性体部分32aを介してステータ21に向けて軸方向に漏れうる磁束が矢印M2にて模式的に示される。このような磁束の漏れは、永久磁石36,38の外周側の磁性体部分32aを軸方向で分断する磁束遮蔽部34により遮蔽される。従って、本実施例では、例えば、75%のコイル鎖交磁束を得るために必要なロータ移動量は、図4に示すように、理想的な可変磁束特性と同様に約25%のロータ移動量で足りる。このように本実施例によれば、磁束遮蔽部34により磁束の軸方向の漏れを防止することができ、モータ軸方向の大型化を防止することができる。
図6は、磁束シミュレーション結果を簡易的に示した断面図(軸より上半分のみの断面図)であり、図6(A)は磁束遮蔽部34が無い比較例の結果を示し、図6(B)は磁束遮蔽部34が設けられる本実施例の結果を示す。磁束遮蔽部34が無い比較例では、図6(A)にて磁束M1で示すように、ロータ露出部分からステータへと漏れた磁束を含むのに対して、本実施例では、図6(B)にて磁束M3で示すように、ロータ露出部分からの磁束がステータ21へと漏れることが無い。
ここで、図4を再度参照するに、本実施例では図1等に示すように4つの磁束遮蔽部34が軸方向に等間隔に配置されているので、図4に示す本実施例の可変磁束特性は、各磁束遮蔽部34がステータ21との境界位置に来る各ロータ移動量(図示の例では、25%、50%、75%及び100%)にて、コイル鎖交磁束が理想的な可変磁束特性に実質的に一致している。即ち、ロータ30が軸方向に移動する過程で各磁束遮蔽部34がステータ21の端部位置に軸方向で一致するとき、ロータ30の露出部分全体からの磁束の軸方向の漏れが該磁束遮蔽部34より遮蔽され、そのときのコイル鎖交磁束が理想的な可変磁束特性の値と実質的に一致する。尚、図5(B)はロータ移動量が略50%の状態を示し、この状態では、図5(B)の左から2番目の磁束遮蔽部34の位置がステータ21の端部位置に軸方向で一致している。
従って、磁束遮蔽部34は、好ましくは、最大移動位置にあるときのロータ30のステータ21側の端部位置に配置される。例えば、使用時に実現されるロータ移動量が0〜100%の範囲である場合、磁束遮蔽部34は、好ましくは、ロータ移動量が100%である状態で、ロータ30の露出部分におけるステータ21側の端部位置(即ちロータ30におけるステータ21側の底部)に配置される。また、使用時に実現されるロータ移動量が0〜75%の範囲である場合、磁束遮蔽部34は、好ましくは、ロータ移動量が75%である状態で、ロータ30の露出部分におけるステータ21側の端部位置(即ちロータ30におけるステータ21側の底部から1/4の高さの位置)に配置される。かかる構成によれば、ロータ30が最大移動位置にあるときにロータ30の露出部分全体からの磁束の軸方向の漏れが磁束遮蔽部34により防止されるので、最大移動位置での磁束の軸方向の漏れが略完全に防止される。これにより、磁束の漏れに起因したモータ軸方向の長さの増大を効率的に防止することができる。
また、磁束遮蔽部34が軸方向に複数個配置される場合、磁束遮蔽部34は、好ましくは、最大移動位置にあるときのロータ30のステータ21側の端部位置に1つ配置されると共に、その他が軸方向に等間隔に配置される。例えば、図1及び図5(B)等に示す例のように、使用時に実現されるロータ移動量が0〜100%の範囲である場合、磁束遮蔽部34は、25%、50%、75%及び100%の各ロータ移動量にそれぞれ対応して、それぞれのロータ移動量のときのロータ30の露出部分におけるステータ21側の端部位置にそれぞれ設けられてよい。尚、磁束遮蔽部34の個数は、任意であり、ロータ30の軸方向の長さや、使用時に実現されるロータ移動量の範囲等に応じて適切に決定されてよい。
尚、磁束遮蔽部34は、使用時に露出されることが無い部分には設けられなくてよい。例えば、使用時に実現されるロータ移動量が0〜75%の範囲である場合、磁束遮蔽部34は、露出しない76%から100%の範囲内には設けないことが好ましい。これにより、上述の磁束の漏れの防止機能を維持しつつ、磁束遮蔽部34によるロータ30の軸方向の長さの増加を最小限に抑えることができる。
図7は、磁束遮蔽部34の他の配置例を概略的に示す断面図(軸より上半分のみの断面図)である。図8は、図7に示す磁束遮蔽部34の配置例により実現される可変磁束特性(無負荷時のロータ移動量とコイル鎖交磁束との関係)を示す図である。尚、図8には、理想的な可変磁束特性が点線C1にて対比的に示されている。
図7に示す例では、使用時に実現されるロータ移動量が0〜75%の範囲であり、3つの磁束遮蔽部34が軸方向に等間隔に配置される。即ち、磁束遮蔽部34は、25%、50%及び75%の各ロータ移動量にそれぞれ対応して、それぞれのロータ移動量のときのロータ30の露出部分におけるステータ21側の端部位置にそれぞれ設けられる。図7はロータ移動量が50%の状態を示し、この状態では、図7の左から2番目の磁束遮蔽部34の位置がステータ21の端部位置に軸方向で一致している。図7に示す磁束遮蔽部34の配置例により実現される可変磁束特性は、図8に示すように、各磁束遮蔽部34がステータ21との境界位置に来る各ロータ移動量(図示の例では、25%、50%及び75%)にて、コイル鎖交磁束が理想的な可変磁束特性に実質的に一致している。
図9は、本発明の他の一実施例による可変磁束モータ2の概略構成を示す概略的な断面図であり、図9(A)は、ロータ30が最小移動位置にある状態を示し、図9(B)は、ロータ移動量が約50%の状態を示す。尚、図9では、ステータ21及びロータ30についての断面部分のみが示されている。本実施例の可変磁束モータ2は、アウタロータタイプのモータである点が上述の実施例による可変磁束モータ1と異なる。
本実施例においても、ロータ30は、上述と同様のロータ本体部32と磁束遮蔽部34とを備える。また、ロータ30は、図示しない駆動手段(図1のアクチュエータ40及び駆動部材42参考)により同様に軸方向に移動可能とされる。尚、図示の例では、使用時に実現されるロータ移動量が0〜100%の範囲であり、4つの磁束遮蔽部34が軸方向に等間隔に配置される。即ち、磁束遮蔽部34は、25%、50%、75%及び100%の各ロータ移動量にそれぞれ対応して、それぞれのロータ移動量のときのロータ30の露出部分におけるステータ21側の端部位置にそれぞれ設けられている。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、磁束遮蔽部34は、ロータ30の軸方向の任意の場所に任意の数で配置されてもよい。例えば、上述の実施例では、複数の磁束遮蔽部34がロータ30の露出部分の底部から等間隔に配置されているが、任意の間隔で配置されてもよい。但し、複数の磁束遮蔽部34を等間隔で配置すると、各磁束遮蔽部34間での可変磁束特性(図8参照)が略同様となるため、制御し易い構成となる。また、上述の実施例では、磁束遮蔽部34は、最大移動位置にあるときのロータ30の露出部分の底部に配置されているが、これについても必須ではない。但し、最大移動位置にあるときのロータ30の露出部分の底部に磁束遮蔽部34が配置される場合には、最大移動位置(即ち制御範囲の端点)で理想的な可変磁束特性と一致するので、制御し易い構成となる。また、最大移動位置にて磁束の漏れを防止できるので、磁束の漏れに起因したモータ軸方向の長さの増大を効率的に防止することができる。
また、上述の実施例では、製造容易性の観点から、磁束遮蔽部34は円環状の板からなり、ロータ本体部32を構成する積層鋼板に積層されているが、磁束遮蔽部34は、原理上、永久磁石36,38の外周側の磁性体部分32a(永久磁石36a,36b、38a,38bよりも径方向外側の部分)に対応する領域に設けられればよい。即ち、図10に示すように、磁束遮蔽部34は、永久磁石36,38の外周側の磁性体部分32aに対応する領域R1のみに形成され、その他の領域R2は、例えば積層鋼板により構成されてもよい。
また、上述の実施例では、ロータ30がステータ21に対して軸方向で移動されているが、これに加えて若しくはこれに代えて、ステータ21がロータ30に対して軸方向で移動されてもよい。
また、上述の実施例では、ロータ30は、アクチュエータ40及び駆動部材42により軸方向に突き出される(押し出される)態様で、ステータ21に対して軸方向で移動されているが、送りねじ等のような他の態様で駆動されてもよい。また、アクチュエータ40としては、電気モータ、油圧アクチュエータ、ソレノイド等の任意の駆動源が利用されてもよい。また、遠心力を利用してロータ30とステータ21との間の軸方向の相対位置を変化させてもよい。
尚、上述の実施例による可変磁束モータ1、2は、自動車の車輪駆動モータを始め、任意の用途に用いることができる。
1、2 可変磁束モータ
10 モータハウジング
12 回転軸
16 座部
18 スプリング
21 ステータ
22 コイル
23 スロット
30 ロータ
32 ロータ本体部
34 磁束遮蔽部
36、38 永久磁石
40 アクチュエータ
42 駆動部材
50 低摩擦部材

Claims (5)

  1. ステータコアにコイルが巻装されたステータと、
    磁性体からなるロータコアの内部に磁石が埋め込まれ、前記ステータに対して径方向外側又は径方向内側に対面して回転するロータと、
    前記ステータに対する前記ロータの軸方向の相対位置を変更して、前記コイルと鎖交する前記磁石の磁束を調整するアクチュエータとを備え、
    前記ロータは、少なくとも前記磁石よりも径方向におけるステータ側に、軸方向の前記磁束を遮蔽する磁束遮蔽部を備えることを特徴とする、可変磁束モータ。
  2. 前記磁束遮蔽部は、非磁性材料により形成される、請求項1に記載の可変磁束モータ。
  3. 前記アクチュエータにより前記ロータを所定距離だけ軸方向の相対位置を変更可能であって、前記ロータにおける前記ステータから軸方向に露出する側から前記所定距離に対応した第1の位置に、前記磁束遮蔽部が設けられる、請求項1又は2に記載の可変磁束モータ。
  4. 前記磁束遮蔽部は、前記ロータにおける軸方向に沿って離間した複数の位置に設けられ、該複数の位置は、前記第1の位置及び第2の位置を含み、
    前記第2の位置は、前記第1の位置と前記ロータにおける前記ステータから軸方向に露出する側の端部との間の少なくとも1つの位置に対応する、請求項3に記載の可変磁束モータ。
  5. 前記磁束遮蔽部は、軸方向に均等な間隔で離間する、請求項4に記載の可変磁束モータ。
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