JP6661239B2 - ロータおよびモータ - Google Patents

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Description

本発明は、ロータおよびモータに関するものである。
永久磁石式の同期モータの一種に、ロータのロータコア(鉄心)の外周面(表面)にマグネットを組み付けるSPM(Surface Permanent Magnet)形のモータがある。SPM形のモータは、マグネットがロータコアの外周面に露出しているので、有効磁束量が大きく、トルクリップルが小さいという利点がある。このため、SPM形のモータは、さまざまな分野で使われている。
この種のSPM形のモータにおいて、ロータコアへのマグネットの固定方法がさまざま提案されている。例えば、ロータコアとマグネットとを接着剤を用いて固定する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ロータコアにマグネットの外表面全体を覆うマグネットカバー(カバー部材)を設け、このマグネットカバーにより、ロータコアの外周面にマグネットを保持する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、ロータコアの周方向に配列された複数のセグメント型のマグネットを、ロータコアの両端面に配置した一対のマグネット保持体で保持する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。これによれば、マグネット保持体が、円状の基部と、基部の外周のうちマグネットが接していない円弧各々から延伸しつつロータコアの側面へ近づいて曲がる曲状部と、曲状部に連続して設けられ、マグネットをロータコアの側面に押さえ付ける押圧部と、を備えた構成とされている。
特開2004−222455号公報 特開2010−259304号公報 特開2011−135735号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術にあっては、接着剤を硬化させる設備が必要となり、製造コストがかかる。また、接着剤を硬化させるための温度管理が煩わしいと共に、接着剤が硬化するまでの時間がかかるので、生産効率が悪い。さらに、接着剤とロータコアやマグネットとの熱膨張率の差によって、マグネットが損傷してしまう可能性がある。また、ロータコアへのマグネットの固定時に接着剤が漏れ出てしまい、ロータコアへのマグネットの固定強度が低下してしまう可能性がある。
また、上述の特許文献2に記載の技術にあっては、マグネットカバーを、磁束の流れを妨げない非磁性材料で構成する必要があり、コスト高の原因になっている。また、マグネットカバーの肉厚分だけ、ステータとロータとの間のエアギャップが大きくなってしまい、有効磁束が減少してしまう。このため、マグネットカバーを用いない場合と比較して、所定のモータ性能を得るためのモータサイズが大きくなってしまうという課題がある。
また、上述の特許文献3に記載の技術にあっては、マグネット保持体の円状の基部の外周に設けた曲状部を、ロータコアの側面に近づけて折り曲げることにより、曲状部に連設した押圧部でマグネットをロータコアの側面に押し付けるようにしている。このため、マグネットを安定して強固に押さえ付けることができないおそれがある。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ロータコアへのマグネットの組み付けを容易化でき、且つ製造コストを抑え、確実に安定して且つ強固にロータコアにマグネットを固定できると共に、ロータとステータの間のエアギャップを小さくすることができて、モータサイズの大型化を防止しつつモータ性能の向上を図ることのできるロータおよびモータを提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明に係るロータは、回転軸と、該回転軸に固定されるロータコアと、該ロータコアの円筒外周面に周方向に並べて円環状に配置される複数の扇状セグメント型のマグネットと、前記ロータコアの軸方向両端に配置され、前記マグネットを軸方向に挟むことにより、前記マグネットの前記ロータコアからの脱落を防止する一対のマグネットホルダと、を備え、前記ロータコアは、軸方向に貫通するロータ側貫通孔を有し、前記マグネットホルダは、前記ロータコアの軸方向端部に固定される固定部と、前記マグネットの軸方向端部を押さえる押さえ部と、前記固定部と前記押さえ部とを連結する連結部と、を有し、前記マグネットの外周面の周方向両端に、ロータ径方向に直交する平面よりなる平坦部が設けられ、前記マグネットホルダの前記押さえ部に、隣接する前記マグネットの互いに近接した周方向端部の前記平坦部に跨がって当該平坦部を径方向内方に向けて押さえる爪部が設けられており、前記マグネットホルダの固定部は、前記ロータ側貫通孔に連通する固定部側貫通孔を有し、前記ロータ側貫通孔および前記固定部側貫通孔に挿入され、前記ロータコアと前記マグネットホルダの固定部とをカシメることによって固定する固定ピンを備え、前記固定ピンの先端にカシメによって形成されるカシメ部は、一対の前記マグネットホルダのそれぞれに配置されており、一対の前記マグネットホルダのうち一方の前記マグネットホルダに配置される前記カシメ部と、一対の前記マグネットホルダのうち他方の前記マグネットホルダに配置される前記カシメ部とが、軸方向からみて周方向に交互に配置されていることを特徴とする。
このように構成することで、ロータコアの軸方向両端に配置した一対のマグネットホルダによって、ロータコアの円筒外周面に配された複数のセグメント型のマグネットを、軸方向および径方向に脱落しないように位置決め固定することができる。従って、接着剤等を用いることなく回転軸にマグネットを固定できるので、ロータコアへのマグネットの組み付けを容易化でき且つ製造コストが抑えられる。
また、マグネットの外周面を覆うマグネットカバーを使わず、マグネットの軸方向両端にマグネットホルダを配置するだけでよいので、モータサイズの大型化を防止できると共にコストの削減が図れる。さらに、マグネットの外周面を覆うマグネットカバーを使わないことから、マグネットの外周面のほぼ全体をステータに向けて露出させることができる。
このため、マグネットの有効磁束が減少してしまうことがない上、マグネットとステータ間のエアギャップを小さくすることができる。また、モータサイズの大型化を防止しつつ、モータ特性の向上が図れる。
また、ロータコアに対しマグネットホルダを確実に固定することができる。この結果、ロータコアへのマグネットの固定力を確実に高めることができる。
さらに、マグネットホルダの爪部の位置を、隣り合うマグネットの周方向の端部同士の間の位置に設定している。このため、マグネットホルダを材料費の安価な磁性体で構成した場合にも、マグネットホルダによる有効磁束の漏れを最小に抑えることができる。即ち、マグネットの周方向端部には、磁束がステータのティースに入りにくい未着磁部分(通称Nゾーン)が設けられる。従って、この部分にマグネットホルダの爪部が装着されることにより、有効磁束の漏れを最小に抑えることができることになる。一方、マグネットホルダを磁性体で構成した場合には、マグネットからの磁束がマグネットホルダを通ることになるが、そのことにより、コギング次数上昇によるコギング低減作用が得られる。なお、コギング減少作用は、マグネットの周方向の両端を、平坦部を形成するために削っていることによって更に増すことになる。
また、マグネットの外周面の周方向両端にロータ径方向に直交する平面よりなる平坦部を設け、マグネットホルダの爪部で、隣接するマグネットの両平坦部を径方向内方に押さえ付けるので、確実に安定して且つ強固にロータコアにマグネットを固定できる。
本発明に係るロータにおいて、前記ロータコアの軸方向両端に配置された前記マグネットホルダのうち少なくとも一方のマグネットホルダと円環状に配置される前記複数のマグネットの軸方向端面との間に弾性部材が配置されていることを特徴とする。
このように構成することで、複数のセグメント型マグネットの軸方向の寸法誤差を吸収することができる。即ち、マグネットホルダとマグネットとの間に弾性部材が介在することによって、使用する複数のマグネット間に軸方向の寸法誤差がある場合にも、弾性部材の弾性変形によって、マグネットの寸法誤差を吸収することができる。
また、弾性部材のクッション性により、マグネットの欠けや割れのリスクを低減することができる。即ち、マグネットホルダとマグネットとの間に弾性部材が介在することにより、ロータコアの軸方向両端に配置されたマグネットホルダをカシメ等により締め付けるときに、マグネットに掛かる荷重を緩和することができる。これにより、マグネットの欠けや割れを抑制することが可能になる。
さらに、マグネットホルダとマグネットとの間に弾性部材が介在することにより、モータ回転時のマグネットに掛かる振動や衝撃を抑えることも可能になる(制振効果、減衰効果)。このため、異音の発生やマグネットの損傷リスクを低減することができる。
本発明に係るロータにおいて、前記マグネットの軸方向長さが前記ロータコアの軸方向長さより小さく形成されており、前記弾性部材は、円環状に形成されており、前記性部材が、前記ロータコアの端面に前記固定部によって固定された前記マグネットホルダと前記マグネットの軸方向端面との間に圧縮状態で挟持されていることを特徴とする。
このように構成することで、複数のマグネットをロータコアに固定された一対のマグネットホルダで挟持した際に、弾性部材の弾性力をマグネットに有効に作用させることができる。
本発明に係るロータにおいて、前記性部材の内周が前記ロータコアの外周に嵌合されていることを特徴とする。
このように構成することで、ロータコアに対し弾性部材を確実に径方向に位置決めすることができる。従って、径方向のずれを防止して、ロータバランスを向上させることができる。
本発明に係るロータにおいて、前記連結部は、前記固定部から径方向外側に向かって延びる複数のアームからなり、前記押さえ部は、前記アームの先端に設けられていることを特徴とする。
このように構成することで、マグネットホルダが、ロータコアやマグネットの軸方向端面の全体を覆うことがなくなり、ロータの軽量化を図ることができると共に、マグネットホルダの材料コストの低減が可能になる。また、連結部をアームとすることにより、連結部に弾性を持たせることができる。従って、連結部の弾性力を利用してマグネットの軸方向両端を軸方向および径方向に押さえ付けることができるようになり、ロータコアに対するマグネットの固定性能を向上させることができる。なお、先端に押さえ部を持つアームは、隣接するマグネット間の位置に対応して設けられるので、アームの個数はマグネットの個数と同じになる。
本発明に係るロータにおいて、一対の前記マグネットホルダのうち、少なくとも一方のマグネットホルダが樹脂の成形体で構成され、前記ロータコアは、軸方向に貫通するロータ側貫通孔を有し、一対の前記マグネットホルダのうち、樹脂で構成された一方の前記マグネットホルダの固定部に、前記ロータコアのロータ側貫通孔を介して他方の前記マグネットホルダ側に向かって突出する固定ピンが一体に突設されており、一対の前記マグネットホルダのうち、他方の前記マグネットホルダの固定部に、一方の前記マグネットホルダの前記固定ピンを挿通可能な貫通孔が形成されており、前記固定ピンの先端には、一対の前記マグネットホルダを連結するための熱カシメ部が形成されていることを特徴とする。
このように構成することで、ロータコアにマグネットホルダを確実に固定することができる。この結果、ロータコアへのマグネットの固定力を確実に高めることができる。
本発明に係るモータは、上記に記載のロータと、通電されることにより前記ロータに対して磁気的な吸引力や反発力を生じさせ、前記ロータを回転させるステータと、を備えたことを特徴とする。
このように構成することで、ロータコアへのマグネットの組み付けを容易化でき、且つ製造コストを抑え、確実にロータコアにマグネットを固定可能なモータを提供できる。また、モータサイズの大型化を防止可能なモータを提供できる。
本発明によれば、接着剤等を用いることなく回転軸にマグネットを固定できるので、ロータコアへのマグネットの組み付けを容易化でき、且つ製造コストを抑えることができる。また、マグネットの外周面を覆うマグネットカバーを用いないので、ロータとステータの間のエアギャップを小さくすることができ、モータサイズの大型化を防止しつつ、モータ性能の向上を図ることができる。また、マグネットの周方向両端にロータ径方向に直交する平面よりなる平坦部を設け、マグネットホルダに設けた爪部で、隣接するマグネットの両平坦部を径方向内方に押さえ付けるので、確実に安定して且つ強固にロータコアにマグネットを固定できる。
本発明の実施形態における減速機付モータの斜視図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態におけるステータとロータの関係を軸方向からみて示す図である。 本発明の第1実施形態におけるロータの斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるロータ本体の斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるロータ本体の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるロータ本体のマグネットの組み合わせを軸方向からみた図である。 本発明の第1実施形態におけるロータ本体のロータコアとマグネットと片方のマグネットホルダの組み合わせを軸方向からみた図である。 本発明の第1実施形態におけるマグネット単体の軸方向からみた図である。 本発明の第1実施形態におけるロータ本体の軸方向からみた図である。 本発明の第1実施形態におけるロータ本体の縦断面図で、(a)は一対のマグネットホルダを固定する固定ピンの端部をカシメる前の状態を示す断面図、(b)はカシメた後の状態を示す断面図である。 本発明の第1実施形態におけるロータ本体の縦断面図で、(a)は一対のマグネットホルダを固定する固定ピンの端部をカシメる前の状態を示す断面図、(b)はその要部拡大断面図である。 本発明の第1実施形態におけるモータの、マグネットホルダ(Magホルダ)の有り無しの違いによるコギング特性の違いを示す図で、(a)はコギング解析結果を示す図、(b)はホルダ無しの場合の次数成分分析結果を示す図、(c)はホルダ有りの場合の次数成分分析結果を示す図である。 本発明の第1実施形態におけるロータ本体のゴムワッシャ(弾性部材)によるマグネットの寸法誤差の吸収作用を説明するための縦断面図で、(a)は一対のマグネットホルダを固定する固定ピンの端部をカシメた後の状態を示す断面図、(b)はその要部拡大断面図である。 本発明の第1実施形態におけるロータ本体のゴムワッシャの径方向の位置決め作用を説明するための縦断面図で、(a)は一対のマグネットホルダを固定する固定ピンの端部をカシメる前の状態を示す断面図、(b)はその要部拡大断面図である。 本発明の第1実施形態におけるロータ本体を示す図で、マグネットに対するマグネットホルダの爪部の位置の有用性を説明するための斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるロータの組立時の利点を説明するための斜視図である。 本発明の第2実施形態におけるロータ本体の構成図で、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は縦断面図である。 本発明の第3実施形態におけるロータ本体の構成図で、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は縦断面図、(d)は(c)の部分拡大図である。 本発明の第3実施形態におけるロータ本体の分解斜視図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
(減速機付モータ)
図1は、減速機付モータ1の斜視図、図2は、図1のA−A線に沿う断面図、図3は、モータ部におけるステータとロータを軸方向から見た断面図である。
図1、図2に示すように、減速機付モータ1は、例えば車両に搭載される電装品(例えば、ワイパ、パワーウインドウ、サンルーフ、電動シート等)の駆動源となるものである。減速機付モータ1は、モータ部2と、モータ部2の回転を減速して出力する減速部3と、モータ部2の駆動制御を行うコントローラ部4と、を備えている。
なお、以下の説明において、単に軸方向という場合は、モータ部2の回転軸31の軸方向をいい、単に周方向という場合は、回転軸31の周方向をいい、単に径方向という場合は、回転軸31の径方向をいうものとする。
(モータ部)
モータ部2は、軸方向から見た主要部形状が略六角形状のモータケース5と、モータケース5内に収納されている六角筒状のステータ8(図3参照)と、ステータ8の径方向内側に設けられ、ステータ8に対して回転可能に設けられた略円柱状のロータ9(図3参照)と、を備えている。
(モータケース)
モータケース5は、例えばアルミダイキャスト等の放熱性の優れた材料で形成されている。図2に示すように、モータケース5は、軸方向に分割可能に構成された第1モータケース6と、第2モータケース7と、からなる。第1モータケース6および第2モータケース7は、それぞれ有底六角筒状に形成されており、それぞれの対向する開口部6a,7aを嵌合させることで、内部空間を有するモータケース5を形成している。なお、第1モータケース6は、底部10が、減速部3のギヤケース40と一体的に形成されている。底部10の径方向略中央には、ロータ9の回転軸31を挿通可能な貫通孔10aが形成されている。
(ステータ)
図3に示すように、ステータ8は、ステータコア20と、コイル24と、を有している。ステータコア20は、磁路を形成する正六角形筒状のコア部21と、コア部21から径方向内側に向かって突出する6個のティース22と、を有する。各ティース22は、正六角形筒状のコア部21の角部と角部の間の平坦壁(六角形の辺に相当)の幅方向の中央(六角形の辺の長さの中央)に配置されている。
ステータコア20は、複数の磁性金属薄板を軸方向に積層することにより形成されている。なお、ステータコア20は、複数の磁性金属薄板を軸方向に積層して形成する場合に限られるものではなく、例えば、軟磁性粉を加圧成形することにより形成されていてもよい。このように形成されたステータコア20におけるコア部21の外周が、第1モータケース6および第2モータケース7の内周に固定されている。
ステータコア20の各ティース22には、樹脂製のインシュレータ23がティース22の周囲を覆うように装着されている。各コイル24は、インシュレータ23の上から各ティース22に巻回されている。各コイル24は、コントローラ部4からの給電により、ロータ9を回転させるための磁界を生成する。
(ロータ)
図4は、ロータの斜視図、図5は、ロータ本体の斜視図、図6は、ロータ本体の分解斜視図、図7は、ロータ本体のマグネットの組み合わせを軸方向からみた図、図8は、ロータ本体のロータコアとマグネットと片方のマグネットホルダの組み合わせを軸方向からみた図、図9は、マグネット単体の軸方向からみた図、図10は、ロータ本体の軸方向からみた図である。
図4に示すように、ステータ8に対して回転可能に設けられたロータ9は、回転軸31と、回転軸31に外嵌固定されたロータ本体9Aと、を有する。図5および図6に示すように、ロータ本体9Aは、回転軸31の外周に圧入嵌合された円筒状のロータコア32と、ロータコア32の円筒外周面に周方向に並べて円環状に配置された4個の扇状セグメント型のマグネット(「ロータマグネット」ともいう)33A,33Bと、マグネット33A,33Bを固定するためにロータコア32の軸方向両端面に配置された一対のマグネットホルダ34A,34Bと、を備える。一対のマグネットホルダ34A,34Bは、マグネット33A,33Bを軸方向に挟むことにより、マグネット33A,33Bのロータコア32からの脱落を防止するものである。
(ロータコア)
図4に示す回転軸31は、減速部3を構成するウォーム軸44と一体成形されている。図6に示すロータコア32は、複数の金属板を軸方向に積層することにより形成されている。なお、ロータコア32は、複数の金属板を軸方向に積層して形成する場合に限られるものではなく、例えば、軟磁性粉を加圧成形することにより形成してもよい。
図6に示すように、ロータコア32の径方向略中央には軸方向に貫通する貫通孔32aが形成されており、この貫通孔32aに、回転軸31が圧入されている。なお、貫通孔32aに対して回転軸31を挿入とし、接着剤等を用いて回転軸31にロータコア32を外嵌固定してもよい。
また、ロータコア32には、貫通孔32aの周囲に、複数(例えば、2つ)のカシメ固定用孔(ロータ側貫通孔)32bが軸方向に沿って貫通形成されている。このカシメ固定用孔32bは、ロータコア32とマグネットホルダ34A,34Bとを固定するために用いられる。
(マグネット)
図7〜図9に示すように、セグメント型のマグネット33A,33Bは、例えばフェライト磁石よりなり、それぞれが軸方向断面扇形に形成されている。ここでは、マグネット33A,33Bは4個であるから、それぞれが中心角θ=90°の扇形に形成されている。マグネット33A,33Bは、共に円弧面よりなる内径面33cから外径面33dに向けて着磁されており、図7に示すように、ロータコア32の外周面に円環状に並べて配置したとき、外径面33dの磁極が周方向に交互に逆極性で並ぶように設定されている。つまり、マグネット33A,33Bは、逆極性に着磁されたものが2種類用意されており、ロータコア32の外周面に周方向に沿って交互に配列されている。従って、マグネット33A,33Bの組立体を有するロータ本体9Aは、4極の磁極を持つ。
図9に示すように、マグネット33A,33Bは、軸方向からみた形状が扇形をなしており、内径面(内周面)33cと外径面(外周面)33dが円弧面として形成されている。その際、内径面33cは、ロータ9の軸中心(回転軸31の中心)Oに中心を設定した、曲率半径rの円弧面として形成されている。しかし、外径面33dは、ロータの軸中心Oと各セグメント型のマグネットの外径面33dの周方向の中点P(周方向の両端から中心角θ/2=45°の位置)とを結ぶ線分Lpo上の、軸中心Oよりも中点Pに近い位置に中心O1を設定した、軸中心Oと中点Pを結ぶ線分の長さより小さい曲率半径r1の円弧面として形成されている。
即ち、図10に示すように、ロータ本体9Aとして組み立てた状態で、マグネット33A,33Bの外径面33dの周方向の中点Pの位置が、最も径方向外方の点となるように、マグネット33A,33Bの外径面33dの円弧面形状が設定されている。従って、マグネット33A,33Bの外径面33dの周方向の中点Pの回転軌跡(つまり、ロータ本体9Aの最外周点の回転軌跡)PRよりも内側に入るように、マグネットホルダ34A,34Bの最外周点(後述する爪部の幅方向の両端)の位置を定めることにより、マグネットホルダ34A,34Bの影響を受けずに、マグネット33A,33Bとステータ8との間のエアギャップを設定することができるようになる。
図9に戻り、マグネット33A,33Bの周方向の両端面33tは、ロータ径方向に沿った平面よりなる面取り面として形成されている。また、マグネット33A,33Bの外径面33dの周方向両端には、ロータ径方向に直交する平面よりなる平坦部33sが設けられている。従って、マグネット33A,33Bの周方向の両端面33tと外径面33dの周方向の両端の平坦部33sとが成す角αは90°に設定されている。また、マグネット33A,33Bの軸方向の両端面33eは、軸方向に直交する平面として形成されている。そのほかに、面と面が交わる角部に、エッジを無くすための面取りやアール33f,33g,33h,33u,33vが設けられている。
上述のようにマグネット33A,33Bの周方向の両端面33tを、ロータ径方向に沿った平面よりなる面取り面として形成しているので、図7および図8に示すように、円環状にマグネット33A,33Bを並べたとき、隣接するマグネット33A,33Bの周方向の端面33t同士を密着させることができ、回転方向の位置ずれを防ぐことができる。
(マグネットホルダ)
マグネットホルダ34A,34Bは、金属板にプレス加工を施して形成されたものである。材料としては、安価な磁性材料を用いてもよいし、非磁性材料を用いてもよい。マグネットホルダ34A,34Bは、環状の固定部36と、固定部36の外周部から径方向外側に向かって延びる4つのアーム(連結部)37と、各アーム37の先端に設けられた押さえ部38と、が一体成形されたものである。
固定部36は、ロータコア32の軸方向両端に配置され、ロータコア32に固定される部分である。固定部36の中心には円形の開口部36aが設けられており、開口部36aの直径は、回転軸31の軸径よりも若干大きい程度に設定されている。このような開口部36aに回転軸31が挿通され、ロータコア32の軸方向端面に固定部36が配置される。
固定部36には、ロータコア32のカシメ固定用孔32bに対応する位置に、カシメ固定用孔32bに連通する貫通孔(固定部側貫通孔)39aが形成されている。
4つのアーム37は、帯状に形成されており、軸方向に沿って弾性変形可能とされている。また、4つのアーム37は、周方向に等間隔(90°間隔)に配置されている。
アーム37の先端に設けられた押さえ部38は、マグネット33A,33Bの軸方向両端を押さえ付けるための部分である。押さえ部38の先端には、アーム37の延在方向に対して略直角に屈曲形成されて、アーム37の先端から軸方向に沿って突出した爪部38aが設けられている。爪部38aは、隣接するマグネット33A,33Bの互いに近接した周方向端部の平坦部33sに跨がって当該平坦部33sを径方向内方に向けて押さえ付ける部分である。
図5および図6に示すように、2つのマグネットホルダ34A,34Bの貫通孔36bとロータコア32のカシメ固定用孔32bとに、それぞれカシメピン(固定ピン)30が挿通されている。カシメピン30は、フランジ状の頭部30aをマグネットホルダ34Aの上側面に係合させ、先端30b側をマグネットホルダ34A,34Bの貫通孔36bとロータコア32のカシメ固定用孔32bとに通した上で、先端30bをカシメることにより、ロータコア32とマグネットホルダ34A,34Bとを一体化している。
その際、図6に示すように、ロータコア32の軸方向両端に配置されたマグネットホルダ34A,34Bのうち少なくとも一方のマグネットホルダ(本実施形態では、図6の下側のマグネットホルダ34B)と、円環状に配置される複数のマグネット33A,33Bの軸方向端面との間に、円環状のゴムワッシャ(弾性部材)39を配置する。
この場合、図12に示すように、マグネット33A,33Bの軸方向長さLbは、ロータコア32の軸方向長さLaより寸法Lcだけ小さく形成されている。このため、図11に示すように、カシメピン30の先端30bをカシメて(座屈変形させて)カシメ部30cを形成することにより、マグネットホルダ34A,34Bの固定部36(図6参照)の内面をロータコア32の軸方向両端面に密着させると、円環状のゴムワッシャ39が、マグネットホルダ34Bとマグネット33A,33Bの軸方向端面との間に圧縮状態で挟持される。
図11は、カシメピン30の先端をカシメる前の状態を示す断面図、(b)はカシメた後の状態を示す断面図である。ゴムワッシャ39は、寸法Tuだけ潰れた圧縮状態で、マグネットホルダ34Bとマグネット33A,33Bの軸方向端面との間に挟持される。
また、円環状のゴムワッシャ39の内径は、ロータコア32の外径に対応した設定されている。このため、ゴムワッシャ39の内周39a(図15参照)がロータコア32の外周に嵌合される。
(減速部)
図1および図2に戻り、減速部3は、モータケース5が取り付けられているギヤケース40と、ギヤケース40内に収納されるウォーム減速機構41と、を備えている。ギヤケース40は、例えばアルミダイキャスト等の放熱性の優れた材料により形成されている。ギヤケース40は、内部にウォーム減速機構41を収容しており、第1モータケース6と一体化されている。
ギヤケース40の外部には、3つの固定ブラケット54a,54b,54cが一体成形されている。これら固定ブラケット54a,54b,54cは、不図示の車体等に、減速機付モータ1を固定するためのものである。また、ギヤケース40には、略円筒状の軸受ボス49が突設されている。軸受ボス49は、ウォーム減速機構41の出力軸48を回転自在に支持するためのものである。
ウォーム減速機構41は、ウォーム軸44と、ウォーム軸44に噛合される不図示のウォームホイールと、により構成されている。ウォーム軸44は、モータ部2の回転軸31と同軸上に配置されている。そして、ウォーム軸44は、両端がギヤケース40に設けられた軸受46,47によって回転自在に支持されている。ウォーム軸44のモータ部2側の端部は、軸受46を介してギヤケース40に至るまで突出している。この突出したウォーム軸44の端部とモータ部2の回転軸31との端部が接合され、ウォーム軸44と回転軸31とが一体化されている。
ウォーム軸44に噛合される不図示のウォームホイールには、このウォームホイールの径方向中央に出力軸48が設けられている。出力軸48はウォームホイールの回転軸方向と同軸上に配置されており、ギヤケース40の軸受ボス49を介してギヤケース40の外部に突出している。
(減速機付モータの動作)
次に減速機付モータ1の動作について説明する。
減速機付モータ1は、コントローラ部4からモータ部2の各コイル24に電力が供給されると、ステータ8(ティース22)に所定の磁界が形成され、この磁界とロータ9のマグネット33との間で磁気的な吸引力や反発力が生じ、これにより、ロータ9が継続的に回転する。ロータ9が回転すると、回転軸31と一体化されたウォーム軸44が回転し、さらにウォーム軸44に噛合されているウォームホイールが回転して、ウォームホイールに連結された出力軸48が回転し、所望の電装品が駆動される。
次に作用を述べる。その際、必要に応じて図13〜図17を参照しながら説明する。
図13は、マグネットホルダ(Magホルダ)の有り無しの違いによるコギング特性の違いを示す図で、(a)はコギング解析結果を示す図、(b)はホルダ無しの場合の次数成分分析結果を示す図、(c)はホルダ有りの場合の次数成分分析結果を示す図である。また、図14は、ゴムワッシャ39によるマグネット33A,33Bの寸法誤差の吸収作用を説明するための縦断面図で、(a)は一対のマグネットホルダ34A,34Bを固定するカシメピン(固定ピン)30の先端30bをカシメた後(カシメ部30cを形成した後)の状態を示す断面図、(b)はその要部拡大断面図である。また、図15は、ゴムワッシャの径方向の位置決め作用を説明するための縦断面図で、(a)は一対のマグネットホルダを固定するカシメピンの端部をカシメる前の状態を示す断面図、(b)はその要部拡大断面図である。また、図16は、マグネット33A,33Bに対するマグネットホルダ34A,34Bの爪部38aの位置の有用性を説明するための斜視図である。
以上の説明のように、本実施形態のロータ9によれば、ロータコア32の軸方向両端に配置した一対のマグネットホルダ34A,34Bによって、ロータコア32の円筒外周面に配された複数のセグメント型のマグネット33A,33Bを、軸方向および径方向に脱落しないように位置決め固定することができる。従って、接着剤等を用いることなく回転軸31にマグネット33A,33Bを固定できるので、ロータコア32へのマグネット33A,33Bの組み付けを容易化でき且つ製造コストが抑えられる。
また、マグネット33A,33Bの外周面を覆うマグネットカバーを使わず、マグネット33A,33Bの軸方向両端にマグネットホルダ34A,34Bを配置するだけでよい。このため、モータサイズの大型化を防止できると共にコストの削減が図れる。また、マグネット33A,33Bの外周面を覆うマグネットカバーを使わないことから、マグネット33A,33Bの外周面のほぼ全体をステータ8に向けて露出させることができる。このため、マグネット33A,33Bの有効磁束が減少してしまうことがない上、マグネット33A,33Bとステータ8間のエアギャップを小さくすることができる。よって、モータサイズの大型化を防止しつつ、モータ特性の向上が図れる。
このエアギャップを小さくできる点について、さらに図10を用いて詳述する。マグネット33A,33Bの最大外径部(中点Pの位置)の回転軌跡PR内にマグネットホルダ34A,34Bが全て納まるように、マグネットホルダ34A,34Bの寸法を設定しておくと、エアギャップを決めるのにマグネットホルダ34A,34Bが邪魔しない。つまり、マグネットカバーを用いないことで小さくできるエアギャップをさらに最小化することが可能になる。
また、図16に示すように、マグネットホルダ34A,34Bの爪部38aの位置を、隣り合うマグネット33A,33Bの周方向の端部同士の間の位置に設定しているので、マグネットホルダ34A,34Bを材料費の安価な磁性体で構成した場合にも、マグネットホルダ34A,34Bによる有効磁束の漏れを最小に抑えることができる。即ち、マグネット33A,33Bの周方向端部には、磁束がステータ8のティース22に入りにくい未着磁部分(通称Nゾーン)が設けられる(図16において円Fで囲んだ部分)。このため、この部分にマグネットホルダ34A,34Bの爪部38aが装着されることにより、有効磁束の漏れを最小に抑えることができることになる。
一方、マグネットホルダ34A,34Bを磁性体で構成した場合には、マグネット33A,33Bからの磁束がマグネットホルダ34A,34Bを通ることになるが、そのことにより、図13に示すように、コギング次数上昇によるコギング低減作用が得られる。なお、コギング減少作用は、マグネット33A,33Bの周方向の両端を、平坦部33sなどを形成するために削っていることによって更に増すことになる。
また、図5および図10に示すように、マグネット33A,33Bの周方向両端にロータ径方向に直交する平面よりなる平坦部33sを設けている。そして、マグネットホルダ34A,34Bの爪部38aで、隣接するマグネット33A,33Bの両平坦部33sを径方向内方に押さえ付ける。このため、確実に安定して且つ強固にロータコア32にマグネット33A,33Bを固定できる。
また、ロータコア32にカシメ固定用孔32bを形成すると共に、各マグネットホルダ34A,34Bの固定部36に開口部36aを形成している。そして、カシメ固定用孔32b、および貫通孔36bにカシメピン30を挿入し、このカシメピン30の先端30bを座屈変形させてカシメ部30cを形成している。これにより、ロータコア32に、各マグネットホルダ34A,34Bを固定している。このため、ロータコア32に各マグネットホルダ34A,34Bを確実に固定することができ、ロータコア32へのマグネット33A,33Bの固定力を確実に高めることができる。
また、マグネットホルダ34Bの内面とマグネット33A.33Bの軸方向端面との間に、弾性部材であるゴムワッシャ39を介在させている。このことにより、図14に示すように、マグネット33A,33Bの軸方向寸法誤差を吸収することができる。即ち、マグネットホルダ34Bとマグネット33A,33Bとの間にゴムワッシャ39が介在することによって、使用する複数のマグネット33A,33B間に軸方向の寸法誤差がある場合にも、ゴムワッシャ39の弾性変形によって、マグネット33A,33Bの寸法誤差を吸収することができる。
また、ゴムワッシャ39のクッション性により、マグネット33A,33Bの欠けや割れのリスクを低減することができる。即ち、マグネットホルダ34Bとマグネット33A,33Bとの間にゴムワッシャ39が介在することにより、ロータコア32の軸方向両端に配置されたマグネットホルダ34A,34Bをカシメ等により締め付けるときに、マグネット33A,33Bに掛かる荷重を緩和することができる。これにより、マグネット33A,33Bの欠けや割れを抑制することが可能になる。
また、マグネットホルダ34Bとマグネット33A,33Bとの間にゴムワッシャ39が介在することにより、モータ回転時のマグネット33A,33Bに掛かる振動や衝撃を抑えることも可能になる(制振効果、減衰効果)。このため、異音の発生やマグネット33A,33Bの損傷リスクを低減することができる。
特に、ロータコア32の軸方向寸法Laよりマグネット33A,33Bの軸方向寸法Lbを小さく設定している。このため、複数のマグネット33A,33Bをロータコア32に固定された一対のマグネットホルダ34A,34Bで挟持した際に、ゴムワッシャ39の弾性力をマグネット33A,33Bに有効に作用させることができる。
また、図15に示すように、ゴムワッシャ39の内周39aをロータコア32の外周に嵌合させるので、ロータコア32に対しゴムワッシャ39を確実に径方向に位置決めすることができる。従って、径方向の位置ずれを防止して、ロータバランスを向上させることができる。
さらに、マグネットホルダ34A,34Bの連結部を周方向に等配されたアーム37で構成している。このため、マグネットホルダ34A,34Bが、ロータコア32やマグネット33A,33Bの軸方向端面の全体を覆うことがなくなり、ロータ9の軽量化を図ることができると共に、マグネットホルダ34A,34Bの材料コストの低減が可能になる。
また、連結部をアーム37とすることにより、連結部に弾性を持たせることができる。従って、アーム37の弾性力を利用してマグネット33A,33Bの軸方向両端を軸方向および径方向に押さえ付けることができるようになり、ロータコア32に対するマグネット33A,33Bの固定性能を向上させることができる。
(ロータの組み立て方法)
次に、ロータ9の組み立て方法について説明する。
ここでは、まず、ロータ本体9Aを組み立てる。即ち、ロータコア32の外周にマグネット33A,33Bを配置すると共に、ロータコア32の軸方向両端部にマグネットホルダ34A,34Bを配置する。その際、一方(ウォーム側)のマグネットホルダ34Bとマグネット33A,33Bの軸方向端面との間にゴムワッシャ39を配置する。
その状態で、図11に示すように、カシメピン30の先端30bを、ヨークエンド側(ウォーム側と反対側)のマグネットホルダ34Aの貫通孔36b、ロータコア32のカシメ固定用孔32b、マグネットホルダ34Bの貫通孔36bに順番に通す。カシメピン30の頭部30aは、ヨークエンド側(ウォーム側と反対側)のマグネットホルダ34Aの上面に係合されて止まる。
次に、カシメピン30の先端30bをカシメて塑性変形させ、カシメ部30cを形成する。これにより、ロータコア32とマグネットホルダ34A,34Bとを結合することができ、一対のマグネットホルダ34A,34Bにより、マグネット33A,33Bを挟持することができる。
次に、このようにして得たロータ本体9Aを回転軸31に圧入する。即ち、図17に示すように、ゴムワッシャ39を配置したマグネットホルダ34B側をウォーム軸44側に位置させて、回転軸31をロータコア32の貫通孔32aに圧入する。その際、図17に示すように、ヨークエンド側のマグネットホルダ34Aの固定部36からアーム37にかけての平坦面に、上から押圧力Gを垂直に加えて、ロータ本体9Aを回転軸31に圧入する。
このように、ゴムワッシャ(弾性部材)39を配置しない反ウォーム側(ヨークエンド側)のマグネットホルダ34Aに押圧力を加えて圧入することにより、押す面が安定する。そして、回転軸31に対するロータ本体9Aの軸方向の正確な位置決めが可能になる。因みに、ゴムワッシャ39を配置した側のマグネットホルダ34Bに力を加えて圧入を行ったと仮定した場合は、ゴムワッシャ39の弾性変形の影響で正確な位置を出しにくくなる可能性がある。
(第2実施形態)
次に、図18に基づいて、第2実施形態について説明する。
図18は、第2実施形態におけるロータ本体の構成図で、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は縦断面図である。なお、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の実施形態についても同様)。
この第2実施形態におけるロータ本体9Bでは、ゴムワッシャ39を、片側だけでなく、両側に配置している。即ち、両方のマグネットホルダ34A,34Bとマグネット33A,33Bの軸方向両端面との間にそれぞれゴムワッシャ39を配置している。この点、前述の第1実施形態と相違する点である。
従って、上述の第2実施形態のように、両側にゴムワッシャ39を配置した場合、より衝撃吸収性を高めることができる。
なお、上述の第1実施形態および第2実施形態では、ロータコア32に、各マグネットホルダ34A,34Bがカシメピン30を用いて固定されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、カシメピン30に代わってボルトを用い、このボルトによってロータコア32に各マグネットホルダ34A,34Bを締結固定するように構成してもよい。
また、弾性部材としてゴムワッシャ39を用いた場合を示したが、ゴム以外の材料、例えば、フェルトやウレタンや樹脂等を用いてもよい。
さらに、上述の第1実施形態および第2実施形態では、マグネットホルダ34A,34Bを金属で構成した場合を示したが、樹脂の成形体で構成することも可能である。次の第3実施形態は、マグネットホルダを樹脂の成形体で構成した例を示している。
(第3実施形態)
次に、図19および図20に基づいて、第2実施形態について説明する。
図19は、第3実施形態におけるロータ本体の構成図で、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は縦断面図、(d)は(c)の部分拡大図、図20は、第3実施形態におけるロータ本体の分解斜視図である。
ここで、図19(a)、図19(b)、図19(c)、図19(d)および図20に示すように、第3実施形態におけるロータコア132は、第1実施形態の構成とほぼ同様のものであるが、図20に示すように、中央の貫通孔132aの周囲のカシメ固定用孔(ロータ側貫通孔)の代わりに外周面に、ロータ側貫通孔として、軸方向に真っ直ぐ延びる断面半円状の固定用溝132bが設けられている。この点、前述の第1実施形態と相違する点である。固定用溝132bは、円周方向に90°間隔で4本設けられている。
(マグネットホルダ)
マグネットホルダ134A,134Bは、樹脂の成形体により構成されたものである。これらマグネットホルダ134A,134Bは、環状の固定部136と、固定部136の外周部から径方向外側に向かって延びる4つのアーム状の押さえ部138と、各アーム状の押さえ部138の先端に設けられた爪部138aと、マグネット33A,33B側に位置する内面に突設された固定ピン130と、を一体に有する。
固定部136は、ロータコア32の軸方向両端に配置され、ロータコア32に固定される部分である。固定部136の中心には円形の開口部136aが設けられており、開口部136aの直径は、回転軸31の軸径よりも若干大きい程度に設定されている。このような開口部136aに回転軸31が挿通され、ロータコア32の軸方向端面に固定部136が配置される。
固定部136には、ロータコア32の固定用溝132bに対応する位置に、固定ピン130と貫通孔136bとが形成されている。固定ピン130と貫通孔136bは、90°間隔で交互に2つずつ設けられている。
アーム状の押さえ部138は、固定部136と押さえ部138を連結する連結部137を兼ねている。これら押さえ部138は、マグネット33A,33Bの軸方向両端を押さえ付けるための部分である。押さえ部138の先端には、軸方向に屈曲形成された爪部138aが設けられている。爪部138aは、隣接するマグネット33A,33Bの互いに近接した周方向端部の平坦部33sに跨がって当該平坦部33sを径方向内方に向けて押さえ付ける部分である。これら爪部138aは、固定ピン130と貫通孔136bの位置に対応した位置に設けられている。爪部138aの内側面には、隣接するマグネット33A,33Bの外周部間の隙間に嵌まる三角柱状の突部138bが設けられている。
マグネットホルダ134A,134Bに、それぞれ180°周方向に離間して配置された2本の固定ピン130は、基端が固定部136の内面(マグネット側)に一体化された状態で軸方向に沿って突設されており、先端130bを相手側のマグネットホルダ134A,134Bの貫通孔136bに達する位置まで延ばしている。
これらマグネットホルダ134A,134Bを用いてロータ本体を構成する場合は、まず、ロータコア132の外周にマグネット33A,33Bを配置すると共に、ロータコア132の軸方向両端部にマグネットホルダ134A,134Bを配置する。その際、一方のマグネットホルダ134A(134B)の固定ピン130の位置を他方のマグネットホルダ134B(134A)の貫通孔136bの位置に合わせる。
また、固定ピン130を、ロータコア132の固定用溝132bおよび隣接するマグネット33A,33B間の内周側の隙間に通すと共に、マグネットホルダ134A,134Bの爪部138aの内側面の突部138bを隣接するマグネット33A,33B間の外周側の隙間に通す。これにより、ロータコア132とマグネットホルダ134A,134Bとマグネット33A,33Bの周方向の位置決めが成される。なお、樹脂製のマグネットホルダ134A,134Bを用いることにより、上記第1実施形態のようにゴムワッシャを配置しない。
次に、図19(a)〜(c)に示すように、固定ピン130の先端130bを相手側のマグネットホルダ134A,134Bの貫通孔136bに通し、貫通孔136bを抜けたその先端130bを、図19(d)に示すように、熱カシメ治具150を用いて熱カシメする。このようにして生成した熱カシメ部130cにより、2つのマグネットホルダ134A,134Bが互いに結合され、それにより、マグネット33A,33Bがロータコア132の外周に保持固定される。
以上のように組み立てたロータ本体を回転軸31に圧入することで、第3実施形態のロータを得ることができる。
この第3実施形態では、マグネットホルダ134A,134Bを樹脂製とすることで、マグネットホルダ134A,134B内に磁束が流れなくなり、漏れ磁束を減らして有効磁束を向上させることが可能となる。また、弾性部材としてのゴムワッシャを使用しなくとも、マグネット33A,33Bが破損するリスクを抑えることが可能になる。また、固定ピン130をマグネットホルダ134A,134Bに容易に一体化できるので、別体の固定ピンが不要であり、部品点数を削減することが可能で、より低コスト化が図れる。それ以外の作用効果は第1実施形態と同様である。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、カシメピン30や固定ピン130の本数は任意に変更可能であり、マグネット33A,33Bの個数についても任意に変更可能である。
また、押さえ部38,138の形状や爪部38a,138aの形状を変更することも可能である。押さえ部38,138は、マグネット33A,33Bの軸方向端部を押さえることが可能な形状であればよく、例えば軸方向平面視でリング状に形成されていてもよい。また、アーム37は、固定部36と押さえ部38とを連結可能な構成であればよい。
また、上述の実施形態では、減速機付モータ1は、車両に搭載される電装品(例えば、ワイパ、パワーウインドウ、サンルーフ、電動シート等)の駆動源となるものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな用途に減速機付モータ1を使用することができる。
さらに、上述の実施形態では、セグメント型のマグネット33A,33Bの周方向端部に未着磁部分が設けられるものを示したが、セグメント型のマグネットにおいては未着磁部分が設けられていないものであってもよい。
また、マグネットホルダ34A,34B,134A,134Bとマグネット33A,33Bの軸方向端面との間に配置される弾性部材(ゴムワッシャ39)は、円環状であっても部分的であってもよく、その形状は限定されない。つまり、マグネットホルダ34A,34B,134A,134Bの形状に合わせるなど形状は任意に設定することができ、それによりマグネットホルダ34A,34B,134A,134Bやマグネット33A,33Bに対して、面接触や点接触などの接触に関係する設定を選択することができる。
2…モータ部(モータ)
8…ステータ
9…ロータ
9A,9B…ロータ本体
30…カシメピン(固定ピン)
30c…カシメ部
31…回転軸
32,132…ロータコア
32b…カシメ固定用孔(ロータ側貫通孔)
33A,33B…マグネット
33s…平坦部
34A,34B,134A,134B…マグネットホルダ
36,136…固定部
36b,136b…固定部側貫通孔
37…アーム(連結部)
38,138…押さえ部
38a,138a…爪部
39…ゴムワッシャ(弾性部材)
130…固定ピン
130c…熱カシメ部(カシメ部)
132b…固定用溝(ロータ側貫通孔)

Claims (7)

  1. 回転軸と、
    該回転軸に固定されるロータコアと、
    該ロータコアの円筒外周面に周方向に並べて円環状に配置される複数の扇状セグメント型のマグネットと、
    前記ロータコアの軸方向両端に配置され、前記マグネットを軸方向に挟むことにより、前記マグネットの前記ロータコアからの脱落を防止する一対のマグネットホルダと、
    を備え、
    前記ロータコアは、軸方向に貫通するロータ側貫通孔を有し、
    前記マグネットホルダは、
    前記ロータコアの軸方向端部に固定される固定部と、
    前記マグネットの軸方向端部を押さえる押さえ部と、
    前記固定部と前記押さえ部とを連結する連結部と、
    を有し、
    前記マグネットの外周面の周方向両端に、ロータ径方向に直交する平面よりなる平坦部が設けられ、
    前記マグネットホルダの前記押さえ部に、隣接する前記マグネットの互いに近接した周方向端部の前記平坦部に跨がって当該平坦部を径方向内方に向けて押さえる爪部が設けられており、
    前記マグネットホルダの固定部は、前記ロータ側貫通孔に連通する固定部側貫通孔を有し、
    前記ロータ側貫通孔および前記固定部側貫通孔に挿入され、前記ロータコアと前記マグネットホルダの固定部とをカシメることによって固定する固定ピンを備え、
    前記固定ピンの先端にカシメによって形成されるカシメ部は、一対の前記マグネットホルダのそれぞれに配置されており、
    一対の前記マグネットホルダのうち一方の前記マグネットホルダに配置される前記カシメ部と、一対の前記マグネットホルダのうち他方の前記マグネットホルダに配置される前記カシメ部とが、軸方向からみて周方向に交互に配置されている
    ことを特徴とするロータ。
  2. 前記ロータコアの軸方向両端に配置された前記マグネットホルダのうち少なくとも一方のマグネットホルダと円環状に配置される前記複数のマグネットの軸方向端面との間に弾性部材が配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のロータ。
  3. 前記マグネットの軸方向長さが前記ロータコアの軸方向長さより小さく形成されており、
    前記弾性部材は、円環状に形成されており、
    前記性部材が、前記ロータコアの端面に前記固定部によって固定された前記マグネットホルダと前記マグネットの軸方向端面との間に圧縮状態で挟持されている
    ことを特徴とする請求項2に記載のロータ。
  4. 前記性部材の内周が前記ロータコアの外周に嵌合されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のロータ。
  5. 前記連結部は、前記固定部から径方向外側に向かって延びる複数のアームからなり、
    前記押さえ部は、前記アームの先端に設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のロータ。
  6. 一対の前記マグネットホルダのうち、少なくとも一方のマグネットホルダが樹脂の成形体で構成され、
    対の前記マグネットホルダのうち、樹脂で構成された記マグネットホルダの固定部に、前記固定ピンが一体に突設されていることを特徴とする請求項1に記載のロータ。
  7. 請求項1〜請求項の何れか1項に記載のロータと、
    通電されることにより前記ロータに対して磁気的な吸引力や反発力を生じさせ、前記ロータを回転させるステータと、
    を備えたことを特徴とするモータ。
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