JP2012056653A - エレベータシステム - Google Patents

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佳弘 竹田
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Abstract

【課題】乗場で行先階を登録した乗客がその乗場に到着した乗りかごに誤って乗車することを防ぐと共に、不審者の乗車を防いでセキュリティを確保する。
【解決手段】群管理制御装置11は、乗場行先階登録装置16に行先階を登録した乗客を識別する登録者識別装置31と、登録者識別装置31によって識別された乗客の情報とその乗客の行先階とを関連付けて記録する情報記録部21と、乗りかご内に乗車した乗客を識別する乗車者識別装置33と、乗車者識別装置33によって識別された乗客の情報と情報記録部21に記録された乗客の情報とを照合する情報照合部23と、情報照合部23による照合結果に基づいて、乗場行先階登録装置16に行先階を登録した乗客と乗りかご内に乗車した乗客とが一致しない場合に乗りかごの戸開状態を維持して運転を停止すると共に警告発生指令を出力する運転制御部24と、運転制御部24から出力された警告発生指令を受けて警告を発する音声アナウンス装置35、表示装置36とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、各階床の乗場にて行先階を登録するための乗場行先階登録装置を備えたエレベータシステムに関する。
近年、ビル内の各階床の乗場に乗場行先階登録装置を設置しておき、乗客がエレベータの乗りかごに乗る前に行先階を事前に登録できるようにしたエレベータシステムが実現化されている。
通常、乗場行先階登録装置を持たないエレベータシステムでは、乗場に「乗場呼びボタン」と呼ばれる上方向と下方向のボタンのみが設置されており、そのボタン操作によって登録された乗場呼びに対して最適な乗りかごを割り当てている。この場合、上記乗場呼びには、上方向または下方向の情報しか含まれていないため、乗りかごの割当に際して乗客の行先階は考慮されない。
これに対し、乗場行先階登録装置を持つエレベータシステムでは、乗客の行先階を事前に知ることができるため、例えば同じ階に行く乗客に対して同じ乗りかごを割り当てるなどして、効率的な運行制御を行うことができる。
また、ICカードに予め乗客の行先階などの情報を記録しておき、乗場に設置されたカード読取装置で上記ICカードの情報を読み取ることで、乗場にて行先階の登録を行うようにしたシステムも考えられている。
特開2006−117398号公報
上述した乗場にて行先階の登録が可能なシステムでは、乗場に乗りかごが到着して乗客が乗車した際に、既に行先階の登録済みであるため、改めて行先階を指定する操作は不要である。しかしながら、同じ階に別の乗りかごが応答するような場合に、乗客が誤って乗車してしまう可能性がある。この場合、その乗りかごは他の乗客が登録した行先階に向かってしまうため、途中で下車しなければならない。
一方、乗場に乗りかごが到着したときに、誰でも乗車できるため、不審者が意図的に乗り込む可能性があり、セキュリティの点で弱いといった問題がある。
そこで、乗場で行先階を登録した乗客がその乗場に到着した乗りかごに誤って乗車することを防ぐと共に、不審者の乗車を防いでセキュリティを確保することのできるエレベータシステムが求められる。
本実施形態に係るエレベータシステムは、各階床の乗場にて行先階を登録するための乗場行先階登録装置を備えたエレベータシステムにおいて、上記乗場行先階登録装置に行先階を登録した乗客を識別する登録者識別手段と、この登録者識別手段によって識別された乗客の情報とその乗客の行先階とを関連付けて記録する情報記録手段と、乗りかご内に乗車した乗客を識別する乗客識別手段と、この乗客識別手段によって識別された乗客の情報と上記情報記録手段に記録された乗客の情報とを照合する情報照合手段と、この情報照合手段による照合結果に基づいて、上記乗場行先階登録装置に行先階を登録した乗客と上記乗りかご内に乗車した乗客とが一致しない場合に上記乗りかごの戸開状態を維持して運転を停止すると共に警告発生指令を出力する制御手段と、この制御手段から出力された警告発生指令を受けて警告を発する警告手段とを具備したことを特徴とする。
図1は第1の実施形態に係るエレベータシステムの全体構成を示す図である。 図2は同実施形態におけるエレベータシステムの群管理制御装置の機能構成を示すブロック図である。 図3は同実施形態における群管理制御装置の情報記録部の構成を示す図である。 図4は同実施形態における乗りかごを正面から見た場合の構成図である。 図5は同実施形態における乗りかごを上から見た場合のかご内の様子を模式的に示した図である。 図6は同実施形態における群管理制御装置の処理動作を示すフローチャートである。 図7は第2の実施形態におけるエレベータシステムの群管理制御装置の機能構成を示すブロック図である。 図8は同実施形態における乗客人数検出装置として乗りかご内にカメラを設置した例を示す図である。 図9は同実施形態における群管理制御装置の処理動作を示すフローチャートである。 図10は第3の実施形態におけるエレベータシステムの群管理制御装置の機能構成を示すブロック図である。 図11は同実施形態における群管理制御装置の情報記録部の構成を示す図である。 図12は同実施形態における同乗者数登録装置として乗りかご内にICリーダを設置した例を示す図である。 図13は同実施形態における群管理制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るエレベータシステムの全体構成を示す図であり、複数台のエレベータが群管理制御された構成が示されている。
このエレベータシステムは、主制御装置である群管理制御装置11と、この群管理制御装置11に伝送ケーブル1を介して接続された複数のエレベータ制御装置12a,12b,12c…と、これらのエレベータ制御装置12a,12b,12c…によって運転が制御される各号機の乗りかご13a,13b,13c…とを備える。
乗りかご13a,13b,13c…は、図示せぬ巻上機の駆動により、昇降路内を昇降動作する。乗りかご13a,13b,13c…の底部には、かご内の積載荷重を検出するための荷重センサ14a,14b,14c…が設置されている。これらの荷重センサ14a,14b,14c…にて検出された積載荷重の信号は、それぞれに乗りかご13a,13b,13c…に対応したエレベータ制御装置12a,12b,12c…を介して群管理制御装置11に与えられる。
また、このエレベータシステムでは、各階床の乗場15a,15b,15c…に乗場行先階登録装置16a,16b,16c…を備える。
乗場行先階登録装置16a,16b,16c…は、乗場にて乗客の行先階を事前に登録するための装置であり、それぞれに乗客がボタン操作により行先階を入力するための操作部17a,17b,17c…と、この操作部17a,17b,17c…によって登録された行先階の確認表示を行うための表示部18a,18b,18c…とを有する。これらの乗場行先階登録装置16a,16b,16c…は、伝送ケーブル2を介して群管理制御装置11に接続されている。
このような構成において、エレベータの乗客は、乗りかご13a,13b,13c…に乗車する前に、各階床の乗場15a,15b,15c…に設置された乗場行先階登録装置16a,16b,16c…を通じて行先階を登録することができる。
今、ある階床の乗場行先階登録装置16aにて行先階が登録されたとすると、その行先階の情報は当該階床の情報と共に乗場呼びとして群管理制御装置11に送られる。群管理制御装置11では、エレベータ制御装置12a,12b,12c…から得られる乗りかご13a,13b,13c…の運転状態に基づいて当該乗場呼びを割り当てる乗りかごを決定し、その乗りかごに対応したエレベータ制御装置に乗場呼びの割当信号を出力する。例えば、1号機の乗りかご13aに乗場呼びが割り当てられたとすると、エレベータ制御装置12aに割当信号が出力される。
このとき、乗場行先階登録装置16aの表示部18aに乗客が登録した行先階に対して1号機が応答する旨が表示されるので、乗客は1号機の到着位置で待機していれば良い。また、乗客が1号機の乗りかご13aに乗車したとき、既に自分の行先階が登録された状態なので、乗りかご13a内で行先階を登録する操作は不要である。
一方、群管理制御装置11では、事前に乗客の行先階を知ることができるため、同じ階に行きたい乗客が多数存在する場合に、同じ乗りかごを割り当てるなどして運行効率を上げることができる。
以上は乗場行先登録装置を有するエレベータシステムの一般的な構成である。本実施形態では、さらに以下のような構成を備える。
すなわち、各階床の乗場15a,15b,15c…に登録者識別装置31a,31b,31c…が設置されている。この登録者識別装置31a,31b,31c…は、それぞれに乗場行先階登録装置16a,16b,16c…に行先階を登録した乗客を識別する。
なお、図1の例では、登録者識別装置31a,31b,31c…が乗場行先階登録装置16a,16b,16c…に一体化された構成が示されているが、特にこの構成に限るものではなく、登録者識別装置31a,31b,31c…が乗場行先階登録装置16a,16b,16c…とは独立して設けられていても良い。
また、この登録者識別装置31a,31b,31c…としては、例えばRFID(Radio Frequency Identification)技術を利用することも考えられる。すなわち、エレベータを利用する乗客にICタグ32を持たせておき、ICリーダからなる登録者識別装置31a,31b,31c…によって、そのICタグ32に記録されたID情報(識別情報)を所定の範囲内で非接触に読み取る。
なお、ICタグ32の情報を非接触で読み取る方法については周知であるため、ここではその詳しい説明は省略するものとする。また、ICタグ32にはID情報の他に乗客の行先階を記録しておき、乗場行先階登録装置16a,16b,16c…にその行先階を自動登録できるような構成にしても良い。
登録者識別装置31a,31b,31c…は、乗場行先階登録装置16a,16b,16c…と共に伝送ケーブル2を介して群管理制御装置11に接続されており、乗客を識別した結果(ICタグ32に記録されたID情報)を群管理制御装置11に与える。
図2は同実施形態におけるエレベータシステムの群管理制御装置11の機能構成を示すブロック図である。
なお、以下では、図1に示した各階床の乗場15a,15b,15c…や乗場行先階登録装置16a,16b,16c…、登録者識別装置31a,31b,31c…のうちの1つを代表して、乗場15、乗場行先階登録装置16、登録者識別装置31として説明する。同様に、各号機に対応したエレベータ制御装置12a,12b,12c…や乗りかご13a,13b,13c…についても、これらのうちの1つを代表して、エレベータ制御装置12、乗りかご13として説明する。
群管理制御装置11は、情報記録部21と、割当て制御部22と、情報照合部23と、運転制御部24と、指令部25とを備える。
情報記録部21は、乗場15で行先階を登録した乗客の情報とその乗客の行先階とを関連付けて記録する。割当て制御部22は、乗場行先階登録装置16にて登録された乗客の行先階を含む乗場呼びを最適な乗りかご13に割り当て、当該階床に応答させる制御を行う。
情報照合部23は、情報記録部21に記録された乗客の情報と乗りかご13内の乗客の情報とを照合する。運転制御部24は、情報照合部23の照合結果に基づいて乗りかご13の運転を制御する。指令部25は、運転制御部24から出力される指令を各部に対して出力する。
また、図1に示したように各階床の乗場15には、乗場行先階登録装置16にて行先階を登録した乗客を識別(特定)するための登録者識別装置31が設けられる。この登録者識別装置31によって識別された乗客の情報は、その乗客が登録した行先階の情報と共に群管理制御装置11に送られて、情報記録部21に記録される。
具体的には、登録者識別装置31としてICリーダが用いられ、乗客が持つICタグ32に記録されたID情報により乗客を識別(特定)する。この場合、乗客が乗場行先階登録装置16にて行先階の登録操作を行ったときに、その行先階が確定されたことをトリガーにして、その乗客と行先階とを関連付けて情報記録部21に記録するものとする。
乗客と行先階とを関連付けて記録する方法としては、例えば乗客と行先階の情報にそれぞれ同一のインデックスを付加して記録する方法や、情報記録部21の中に記録テーブルを作成し、その記録テーブルの同一行に乗客と行先階の情報を記録するといった方法がある。
図3に群管理制御装置11の情報記録部21に作成された記録テーブルに乗客と行先階の情報を記録する場合の例を示す。この例では、乗客Aと乗客Bが3階、乗客Cが5階を登録した場合が示されている。また、ICタグ32から読み取ったIDで乗客が識別されている。この例では、乗客AはID11、乗客BはID12、乗客CはID13によって識別されている。
なお、図3の例では1つの記録テーブルしか図示されていないが、この記録テーブルは各階床毎に用意される。
一方、各号機の乗りかご13には、かご内の乗客を識別するための乗車者識別装置33が設けられる。乗車者識別装置33としては、登録者識別装置31と同様にICリーダが用いられる。
図4および図5に乗りかご13の内部構成の具体例を示す。
図4は乗りかご13を正面から見た場合の構成図、図5は乗りかご13を上から見た場合のかご内の様子を模式的に示した図である。
かご内の複数箇所にICリーダである乗車者識別装置33が設けられる。乗車者識別装置33が複数箇所に設けられているのは、乗りかご13の外にいる人のICタグ32を誤検知しないように、無線によるICリーダの検知範囲を狭く設計してあるためである。図5の例では、正面に2つ、側面に1つずつ、背面に1つある。これらの乗車者識別装置33によって、かご内の乗客が持つICタグ32に記録されたID情報を読み取り、そのID情報にて当該乗客を識別(特定)する。
乗車者識別装置33は群管理制御装置11に接続され、乗車者識別装置33によって識別された乗客の情報は群管理制御装置11に与えられる。
また、乗りかご13の中には、音声アナウンスを行うための音声アナウンス装置35と、表示案内を行うための表示装置36が設けられている。図4に示すように、この音声アナウンス装置35と表示装置36は、例えばかごドア37aの近傍の上部に設置される。なお、この音声アナウンス装置35と表示装置36の設置位置については特に限定されるものではないが、表示装置36については、かご内の乗客がどこにいても視認できるような位置に設置されることが望ましい。
なお、図4において、図中の38aと38bは戸開ボタンと戸閉ボタンである。通常のエレベータのように行先階を指定するためのボタンはない。
また、乗りかご13には、かごドア37aの戸開閉動作を制御するためのドア制御装置37が設けられている。
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
図6は第1の実施形態における群管理制御装置11の処理動作を示すフローチャートである。
まず、乗場15にて、乗客が乗場行先階登録装置16の操作部17を操作して行先階(目的階)を登録する(ステップA11)。このとき、乗場15に設置された登録者識別装置31によって乗客が識別され、その識別情報(ID)が行先階の情報と共に群管理制御装置11に送られる(ステップA12)。
詳しくは、乗客が持つICタグ32に記録されたIDがICリーダである登録者識別装置31によって非接触で読み取られ、乗場行先階登録装置16に登録された行先階の情報と共に伝送ケーブル2を介して群管理制御装置11に送られる。
群管理制御装置11では、乗客の識別情報(ID)と行先階の情報を受け取ると、図3のように情報記録部21に関連付けて記録する。そして、群管理制御装置11は、行先階の情報に基づいて最適な乗りかご13を選択し、その乗りかご13に対応したエレベータ制御装置12に割当て指令を出して、行先階の登録がなされた階床に向かわせる(ステップA13)。
ここで、乗りかご13が着床して戸開すると(ステップA14のYes)、乗りかご13内に設置された乗車者識別装置33によって、乗りかご13内に乗車した乗客が識別され、その識別情報が群管理制御装置11に送られる(ステップA15)。
詳しくは、乗客が持つICタグ32に記録されたIDがICリーダである乗車者識別装置33によって非接触で読み取られ、伝送ケーブル2を介して群管理制御装置11に送られる。
群管理制御装置11では、乗車者識別装置33にて識別された乗客の情報と、情報記録部21に記録された乗客の情報とを照合する(ステップA16)。その結果、両者が一致した場合、具体的には乗りかご13内の乗客が持つICタグ32から読み取ったIDが情報記録部21に記録されたIDと一致すれば(ステップA16のYes)、群管理制御装置11は、乗客が正しい乗りかご13に乗っているものと判断し、乗りかご13を戸閉して出発する(ステップA17)。
一方、乗りかご13内の乗客が持つICタグ32から読み取ったIDが情報記録部21に記録されたIDと一致しない場合には(ステップA16のNo)、群管理制御装置11は、乗客が誤って乗りかご13に乗っているものと判断し、指令部25を通じてかご内の音声アナウンス装置35と表示装置36に対して警告指示を出す(ステップA18)。
これにより、例えば「このエレベータは**階に向かいます。間違って乗車している方がいますので、ご確認下さい。」といったような警告メッセージが音声アナウンス装置35を通じて音声アナウンスされると共に、表示装置36に文字表示される。この間、戸開状態が保持されており、乗りかご13の運転は停止されている(ステップA19)。該当する乗客が降りると、乗りかご13が戸閉して出発する。
なお、ここでは乗りかご13に音声アナウンス装置35および表示装置36を設けて、音声と表示の両方で警告する構成としたが、どちらか一方で警告することでも良い。また、建物内の監視室41に発報して、監視員に知らせるようにしても良い。
このように第1の実施形態によれば、乗場で行先階を登録した乗客が乗場に到着した別の乗りかご13に誤って乗車したような場合に、その旨が音声および表示で警告され、その間、乗りかご13の運転が停止した状態にある。したがって、誤って乗車した乗客は直ぐに気付いて降車することができる。
また、例えばICタグ32を持たない乗客、つまり、登録者識別装置31によって識別(特定)できない乗客が乗りかご13に乗車した場合には、乗りかご13内の乗車者識別装置33によって識別されないため、乗りかご13は戸開した状態で停止している。したがって、不審者が勝手に乗りかご13に乗車して各階床に移動することを防止することができ、例えばセキャリティ対策が要求されているマンション等のビルにおいて有効である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
上記第1の実施形態のように乗場15での認証結果(ID)と乗りかご13での認証結果(ID)とを照合することにより、乗りかご13に誤って乗車した乗客あるいは不正に乗車した乗客を検出することができる。しかし、例えばICタグ32を持たない乗客が正規の乗客と一緒に乗りかご13に乗り込んだ場合には、それを検出することができない。第2の実施形態では、このような正規の乗客に紛れて一緒に乗り込んだ不正の乗客を検出するものである。
図7は第2の実施形態におけるエレベータシステムの群管理制御装置11の機能構成を示すブロック図である。なお、上記第1の実施形態における図2の構成と同一部分には同一符号を付して、その説明は省略するものとする。
第2の実施形態では、乗りかご13に乗客人数を検出するための乗客人数検出装置34が設けられている。この乗客人数検出装置34としては、具体的にはカメラが用いられる。
すなわち、図8に示すように、かご内の全体を撮影できるように、天井等に乗客人数検出装置34としてのカメラを設置しておき、そのカメラで撮影された画像を解析処理することで乗客人数を検出する。なお、カメラの撮影画像を用いて乗客を認識することは、一般的な画像解析技術を用いて行うことができるため、ここでは詳しい説明を省略するものとする。
また、別の方法として、図1に示した荷重センサ14を用いて乗客人数を検出することも可能である。すなわち、乗客一人の平均体重を例えば65kgと定めて、荷重センサ14によって検出された積載荷重を上記平均体重で割ることで、現在の乗客人数が求まる。ただし、乗客によって体重が異なり、また、荷物等によって荷重が変わってくるため、精度的には上記撮影画像を用いる方法が好ましい。
次に、第2の実施形態の動作について説明する。
図9は第2の実施形態における群管理制御装置11の処理動作を示すフローチャートである。なお、図9において、ステップB11〜B15までの処理は、図6のステップA11〜A15までの処理と同様である。
すなわち、群管理制御装置11は、乗場15で行先階を登録した乗客を登録者識別装置31にて識別すると共に、乗りかご13が着床、戸開した際に、乗りかご13に乗車した乗客を乗車者識別装置33にて識別する(ステップB11〜B15)。
ここで、群管理制御装置11は、さらに乗客人数検出装置34によって乗りかご13内の乗客人数を検出する(ステップB16)。具体的には、乗客人数検出装置34としてカメラを用いて、そのカメラの撮影画像を解析処理して乗客人数を検出する。あるいは、乗客人数検出装置34として荷重センサ14を用いて、その荷重センサ14によって検出された積載荷重から乗客人数を検出する。
乗客人数が得られると、群管理制御装置11は、乗客の識別情報と人数を照合する(ステップB17)。詳しくは、乗りかご13内で乗車者識別装置33によって得られた乗客の識別情報(ID)と乗場15で登録者識別装置31によって得られた乗客の識別情報(ID)とを比較すると共に、両者が一致した識別情報のカウント数と乗りかご13内で乗客人数検出装置34によって得られた乗客人数とを比較する。
その結果、乗客の識別情報と人数が共に一致した場合、つまり、乗りかご13内の乗客の識別情報が情報記録部21に記録された識別情報と一致し、さらに、その一致した識別情報をカウントして得られる乗客人数と乗りかご13内で検出された乗客人数とが一致すれば(ステップB17のYes)、群管理制御装置11は、正規の乗客のみが乗りかご13に乗っているものと判断し、乗りかご13を戸閉して出発する(ステップB18)。
一方、乗客の識別情報あるいは人数が一致しなかった場合には(ステップB17のNo)、群管理制御装置11は、乗客が誤って乗りかご13に乗っているものと判断し、指令部25を通じてかご内の音声アナウンス装置35と表示装置36に対して警告指示を出す(ステップA18)。
これにより、乗客の識別情報が一致しない場合には、例えば「このエレベータは**階に向かいます。間違って乗車している方がいますので、ご確認下さい。」といったような警告メッセージが音声アナウンス装置35を通じて音声アナウンスされると共に、表示装置36に文字表示される。
また、乗客人数が一致しない場合には、例えば「乗客人数が合いません。ご確認下さい。」といったような警告メッセージが音声アナウンス装置35を通じて音声アナウンスされると共に、表示装置36に文字表示される。この間、戸開状態が保持されており、乗りかご13の運転は停止されている(ステップB20)。該当する乗客が降りると、乗りかご13が戸閉して出発する。
このように第2の実施形態によれば、上記第1の実施形態に加え、乗りかご13内の乗車人数を検出することにより、不正な乗客が正規の乗客に紛れ込んで乗車することを防ぐことができる。この場合、不正な乗客つまり不審者が乗っていれば、その不審者が降りるまでは、乗りかご13は戸開して止まっているため、乗りかご13内での犯罪を未然に防ぐことができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
上記第1および第2の実施形態では、乗りかご13への乗車には登録者識別装置31および乗車者識別装置33の識別対象であるICタグ32を必要とするため、知り合いなどの同乗者が一緒にいた場合に乗車させることができずに不具合である。第3の実施形態では、このような同乗者が一緒にいた場合での救済方法について説明する。
図10は第3の実施形態におけるエレベータシステムの群管理制御装置11の機能構成を示すブロック図である。なお、上記第2の実施形態における図7の構成と同一部分には同一符号を付して、その説明は省略するものとする。
第3の実施形態では、乗客が連れている同乗者の人数を登録するための同乗者数登録装置42が設けられている。また、図11に示すように、情報記録部21は同乗者数登録装置42に登録された同乗者数が当該乗客に関連付けて記録されるようになっている。
同乗者数登録装置42としては、例えば乗客が持つICタグ32の情報を読み取るICリーダが用いられる。ただし、図12に示すように、乗車者識別装置33のような非接触型ではなく、乗客が自分のICタグ32の情報を直接読み込ませるような接触型のICリーダとする。この同乗者数登録装置42は、乗りかご13内のかごドア37aの近傍に設置されており、乗客が自分のICタグ32の情報を読み込ませた回数を同乗者数として登録する。
次に、第3の実施形態の動作について説明する。
図13は第3の実施形態における群管理制御装置11の処理動作を示すフローチャートである。なお、図13において、ステップC11〜C20までの処理は、図6のステップB11〜B20までの処理と同様である。
すなわち、群管理制御装置11は、乗場15で行先階を登録した乗客を登録者識別装置31にて識別すると共に、乗りかご13が着床、戸開した際に、乗りかご13に乗車した乗客を乗車者識別装置33にて識別する(ステップC11〜C15)。
さらに、群管理制御装置11は、乗客人数検出装置34によって乗りかご13内の乗客人数を検出した後、乗客の識別情報と人数が一致するか否かを判断し、乗客の識別情報と人数が共に一致すれば、乗りかご13を戸閉して出発する(ステップC16〜C18)。一方、乗客の識別情報あるいは人数が一致しなかった場合には、音声アナウンス装置35と表示装置36を通じて警告を出し、戸開状態を保持して乗りかご13の運転を停止しておく(ステップC19〜C20)。
ここで、乗客が同乗者を連れている場合において、乗りかご13に乗車すると、例えば「乗客人数が合いません。ご確認下さい。」といったような警告メッセージが音声アナウンス装置35を通じて音声アナウンスされると共に、表示装置36に文字表示される。
同乗者を連れた乗客は、この警告メッセージを受けて、乗りかご13内に設置された同乗者数登録装置42に同乗者の人数を登録する。具体的には、乗客が自分のICタグ32を同乗者の人数だけ同乗者数登録装置42に直接接触させる。例えば、同乗者が2人いれば、自分のICタグ32を同乗者数登録装置42に2回続けて直接接触させる。このとき登録された同乗者数は、図11のように情報記録部21に当該乗客のIDと関連付けて記録される。
同乗者数が登録されると(ステップC21のYes)、群管理制御装置11は、情報記録部21を参照して当該乗客の同乗者数を現在の乗客人数に加算した後(ステップC22)、上記ステップC17にて再度人数の照合を行う。
すなわち、図11の例で言えば、行先階の登録者である乗客Aが同乗者数として1人を登録した場合には、乗客の識別情報をカウントして得られる乗客人数に同乗者数の1人を加算して、乗客人数検出装置34にて検出された乗客人数と比較する。これにより、両者の乗客人数が一致して(ステップC17のYes)、乗りかご13が戸閉して出発することになる(ステップC18)。
このように第3の実施形態によれば、上記第1および第2の実施形態に加え、乗客が同乗者の人数を登録できるようにしたことで、ICタグ等を持たない外部の人を同乗者として連れている場合でも、乗りかご13に乗せて移動することができる。
なお、上記第3の実施形態では、同乗者数登録装置42として乗りかご13内に設置された接触型のICリーダを例として説明したが、乗場15に設置された乗場行先階登録装置16に同乗者数を登録する機能を持たせることでも良い。このような構成によれば、乗りかご13内に同乗者数登録用のICリーダなどを設置することは不要となり、乗場15にて乗客の行先階と同乗者数の両方を簡単に登録できて便利である。
以上のように、これらの実施形態によれば、乗客が乗場で行先階を登録した際に、その乗場に到着した乗りかごに誤って乗車することを防ぐと共に、不審者の乗車を防いでセキュリティを確保することのできるエレベータシステムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1,2…伝送ケーブル、11…群管理制御装置、12a,12b,12c…エレベータ制御装置、13a,13b,13c…乗りかご、14a,14b,14c…荷重センサ、15a,15b,15c…乗場、16a,16b,16c…乗場行先階登録装置、17a,17b,17c…操作部、18a,18b,18c…表示部、21…情報記録部、22…割当て制御部、23…情報照合部、24…運転制御部、25…指令部、31…登録者識別識装置、32…ICタグ、33…乗車者識別装置、34…乗客人数検出装置、35…かご内の音声アナウンス装置、36…かご内の表示装置、37…ドア制御装置、37a…かごドア、38a…戸開ボタン、38b…戸閉ボタン、41…監視室。

Claims (7)

  1. 各階床の乗場にて行先階を登録するための乗場行先階登録装置を備えたエレベータシステムにおいて、
    上記乗場行先階登録装置に行先階を登録した乗客を識別する登録者識別手段と、
    この登録者識別手段によって識別された乗客の情報とその乗客の行先階とを関連付けて記録する情報記録手段と、
    乗りかご内に乗車した乗客を識別する乗客識別手段と、
    この乗客識別手段によって識別された乗客の情報と上記情報記録手段に記録された乗客の情報とを照合する情報照合手段と、
    この情報照合手段による照合結果に基づいて、上記乗場行先階登録装置に行先階を登録した乗客と上記乗りかご内に乗車した乗客とが一致しない場合に上記乗りかごの戸開状態を維持して運転を停止すると共に警告発生指令を出力する制御手段と、
    この制御手段から出力された警告発生指令を受けて警告を発する警告手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータシステム。
  2. 上記登録者識別手段は、
    上記乗場に設置された第1のタグリーダを用いて、上記乗場で行先階を登録した乗客が持つICタグの情報を当該乗客の識別情報として読み取り、
    上記乗客識別手段は、
    上記乗りかご内に設置された第2のタグリーダを用いて、上記乗りかごに乗車した乗客が持つICタグの情報を当該乗客の識別情報として読み取ることを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  3. 上記乗りかご内の乗客の人数を検出する乗客人数検出手段を備え、
    上記制御手段は、
    上記乗客人数検出手段によって検出された乗客の人数と上記情報記録手段に記録された乗客の人数とを比較し、両者の人数が違う場合に上記乗りかごの戸開状態を維持して運転を停止すると共に警告発生指令を出力することを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  4. 上記乗客人数検出手段は、
    上記乗りかご内に設置されたカメラの撮影画像を解析して乗客の人数を検出することを特徴とする請求項3記載のエレベータシステム。
  5. 上記乗客人数検出手段は、
    上記乗りかごの底部に設置された荷重センサから得られる積載荷重に基づいて乗客の人数を検出することを特徴とする請求項3記載のエレベータシステム。
  6. 乗客の同乗者数を登録する同乗者数登録手段を備え、
    上記制御手段は、
    上記同乗者数登録手段に登録された同乗者数を上記情報記録手段に記録された乗客の人数に加味して、上記乗客人数検出手段によって検出された乗客の人数と比較することを特徴とする請求項3記載のエレベータシステム。
  7. 上記同乗者数登録手段は、
    上記乗りかご内に設置された第3のICリーダを用いて、上記乗りかごに乗車した乗客が持つICタグの情報を連続して読み取った回数を同乗者数として登録することを特徴とする請求項6記載のエレベータシステム。
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