JP2012050911A - 溶出低減材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 炭酸マグネシウムを主成分として含む鉱物が軽焼されてなり、BET比表面積が5〜10m2/gであり、且つ細孔径分布のピーク半径が10〜20nmの範囲内である軽焼生成物と、酸化マグネシウムとを含有することを特徴とする溶出低減材による。また、炭酸マグネシウムを主成分として含む鉱物を650〜1000℃の条件下で焼成するとともに、該焼成による重量減少率が9〜20%となった時点で該焼成を終了させて軽焼生成物とし、該軽焼生成物と酸化マグネシウムとを加えて溶出低減材を調製することを特徴とする溶出低減材の製造方法による。
【選択図】図1
Description
なお、天然に産出するドロマイトは、一般に、CaO/MgOで表わされる複塩のモル比が0.70〜1.63の範囲であり、CaCO3をCaO換算で概ね9〜40重量%、MgCO3をMgO換算で概ね10〜38重量%含有するものである。
さらに、各成分毎については、該溶出低減材100重量部中、軽焼生成物を60〜95重量部とすることが好ましく、80〜90重量部とすることがより好ましく、酸化マグネシウムを5〜25重量部とすることが好ましく、10〜15重量部とすることがより好ましく、水溶性硫酸塩を5〜15重量部とすることが好ましく、9〜12重量部とすることがより好ましい。
必要以上に焼成を進行させると前記鉱物が過剰な脱炭酸によって崩壊して細かくなり、その結果、BET比表面積が小さく、細孔径分布のピーク半径が大きくなる傾向にある。
栃木県葛生地方産出のドロマイト(住友大阪セメント株式会社唐沢鉱業所産)より7つのサンプルを用意し、各々、800℃の電気炉で0分(軽焼せず)、5分、10分、15分、30分、60分、120分軽焼することにより、軽焼生成物を調製した。
上記各粉体について、BET比表面積測定装置(日本ベル社製、高精度ガス吸着装置「BELSORP-mini」)を用いてBET比表面積(m2/g)を測定し、また、ブレーン測定装置(丸菱科学機械製作所製、「ブレーン空気透過粉末度測定器」)を用いてブレーン値(cm2/g)を測定し、さらに、軽焼前の重量に対する軽焼後の重量(すなわち、重量減少率(%))を測定した。結果を下記表1に示す。
各軽焼生成物を、それぞれ、ヒ素および鉛の5、100mg/lの標準溶液100mlに1gの割合で添加し、4時間撹拌混合した後、ろ過した際のろ液中の重金属濃度をICP分析装置(バリアンテクノロジーズジャパンリミテッド社製、装置名「VARIAN ICP 発光分光分析装置 730−ES」)を用いて測定した。その測定結果より、下記の算出式を用いて吸着除去率として求めた。
吸着除去率[%]=(初期濃度−ろ液中濃度)÷ 初期濃度 × 100
また、pHメータ(堀場製作所社製)によりろ液のpHの測定も行った。これらの結果を下記表2および表3に示す。
上記のようにして得られた各軽焼生成物と、硫酸第一鉄一水塩(堺化学工業社製)および酸化マグネシウム含有焼成物(ニッケイインターナショナル社製、酸化マグネシウム含有量79重量%)を混合し、下記表4に示す配合の溶出低減材を調製した。
吸着除去率[%]=(初期濃度−ろ液中濃度)÷ 初期濃度 × 100
また、pHメータ(堀場製作所社製)によりろ液のpHの測定も行った。これらの結果を下記表5および表6、並びに図4に示す。
以下の手順にて模擬汚染土を調製するとともに、前記実施例及び比較例のうちの一部の溶出低減材を、該模擬汚染土を用いてさらに評価した。
砂質土(千葉県成田産)に、硝酸鉛、亜ヒ酸カリウム、フッ化ナトリウムを添加し、2種類の摸擬汚染土AおよびBを作成した。さらに、当該摸擬汚染土AおよびBに対して、環境庁告示46号に準じて溶出試験を実施し、溶出液中の鉛、ヒ素およびフッ素の濃度について以下の装置を用いて測定した。結果を下記表7に示す。
・鉛濃度 グラファイトファーネス原子吸光法(日立製作所社製、装置名「Z−5000型偏光ゼーマン原子吸光光度計」)
・ヒ素濃度 水素化物原子吸光法(日立製作所社製、装置名「Z−5000型偏光ゼーマン原子吸光光度計」)
・フッ素濃度 ランタン−アリザリンコンプレキソン吸光光度法(ビーエルテック社製、「連続流れ分析装置 SWAAT」)
上記実施例および比較例として調製した溶出低減材の一部を用い、摸擬汚染土A、Bに対し、粉体でそれぞれ100kg/m3の割合で添加した。そして、撹拌混合した後の摸擬汚染土に対し、材齢28日経過後において環境庁告示46号に準じて溶出試験を実施し、溶出液中の鉛、ヒ素およびフッ素の濃度について上記装置を用いて測定した。結果を下記表8に示す。
Claims (7)
- 炭酸マグネシウムを主成分として含む鉱物が軽焼されてなり、BET比表面積が5〜10m2/gであり、且つ細孔径分布のピーク半径が10〜20nmの範囲内である軽焼生成物と、酸化マグネシウムとを含有することを特徴とする溶出低減材。
- さらに、水溶性硫酸塩を含有することを特徴とする請求項1記載の溶出低減材。
- 前記水溶性硫酸塩が硫酸第一鉄であることを特徴とする請求項1又は2記載の溶出低減材。
- 炭酸マグネシウムを主成分として含む鉱物を650〜1000℃の条件下で軽焼するとともに、該軽焼による重量減少率が9〜20%となった時点で該軽焼を終了させて軽焼生成物とし、該軽焼生成物と酸化マグネシウムとを加えて溶出低減材を調製することを特徴とする溶出低減材の製造方法。
- 前記軽焼による重量減少率が10〜17%であることを特徴とする請求項4記載の溶出低減材の製造方法。
- 前記軽焼生成物と前記酸化マグネシウムに対し、さらに水溶性硫酸塩を加えることを特徴とする請求項4又は5記載の溶出低減材の製造方法。
- 前記水溶性硫酸塩が硫酸第一鉄であることを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の溶出低減材の製造方法。
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