JP2012043546A - リチウム二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極、およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リチウムイオン二次電池用負極材を、シリコン(Si)粒子と、黒鉛性粒子と、炭素性物質とを含有し、ラマンスペクトルで観測される1350cm−1付近のピーク(PD)と1580cm−1付近のピーク(PG)の強度比であるR値(PD/PG)の平均値が0.7〜1.2であり、且つその標準偏差が0.14以下であって、水銀圧入法で測定される細孔容量が1.1ml/g〜2.0ml/gであって、BET法によって得られる比表面積が5m2/g〜30m2/gである複合粒子を含んで構成する。
【選択図】なし
Description
リチウムイオン二次電池の容量は年々高容量化されてきており、その容量は上市された当初からセル換算で2倍以上になっている。近年では、モバイル機器の小型化、高性能化が著しく、リチウムイオン二次電池の高容量化に対する要求は、更に増してきている。
黒鉛の理論容量は372mAh/gであり、現在のリチウムイオン二次電池はその容量をほとんど利用している。そのため、負極の高容量化は、黒鉛高密度化により体積容量を向上させることによって達成してきた。しかし、この黒鉛高密度化も限界に近づいてきており、理論容量が高く、リチウムイオンを吸蔵・放出できる金属(以下、単に「金属」という場合がある。)が、黒鉛に変わる負極材として期待されている。
<1> シリコン(Si)粒子と、黒鉛性粒子と、炭素性物質とを含有し、以下(1)〜(3)の全てを満たす複合粒子を含むリチウムイオン二次電池用負極材。
(1)ラマンスペクトルで観測される1350cm−1付近のピーク(PD)と1580cm−1付近のピーク(PG)の強度比であるR値(PD/PG)の平均値が0.7〜1.2であり、且つその標準偏差が0.14以下である。
(2)水銀圧入法で測定される細孔容量が1.1ml/g〜2.0ml/gである。
(3)BET法によって得られる比表面積が5m2/g〜30m2/gである。
<7> 前記<5>に記載のリチウムイオン二次電池用負極を用いてなるリチウムイオン二次電池。
また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材は、シリコン(Si)粒子の少なくとも1種と、黒鉛性粒子(以下、「黒鉛性物質」ともいう)の少なくとも1種と、炭素性物質の少なくとも1種とを含有し、以下(1)〜(3)の全てを満たす複合粒子を含むことを特徴とする。
(1)ラマンスペクトルで観測される1350cm−1付近のピーク(PD)と1580cm−1付近のピーク(PG)の強度比であるR値(PD/PG)の平均値が0.7〜1.2であり、且つその標準偏差が0.14以下である。
(2)水銀圧入法で測定される細孔容量が1.1ml/g〜2.0ml/gである。
(3)BET法から得られる比表面積が5m2/g〜30m2/gである。
前記複合粒子は、ラマンスペクトルで観測される1350cm−1付近のピーク(PD)と1580cm−1付近のピーク(PG)の強度比であるR値(PD/PG)の平均値が0.7〜1.2であり、且つその標準偏差が0.14以下であることを特徴とする。
ラマンスペクトルで観測される1350cm−1付近のピーク(PD)は炭素の非晶質構造に対応し、前記複合粒子では、主に炭素性物質に帰属することができる。また、1580cm−1付近のピーク(PG)は黒鉛結晶構造に対応し、前記本複合粒子では主に黒鉛性物質に帰属することができる。
一方、R値の平均値が小さいほど、すなわちラマンスペクトルで炭素性物質よりも黒鉛性物質のほうが相対的に多く検出されるほど、炭素性物質とシリコン粒子で覆われていない黒鉛性物質の表面が露出していると考えることができる。
複合粒子がこのような状態であることによって、シリコン粒子がリチウムイオンの吸蔵・放出に際して膨張・収縮しても、導電性を維持することができ、サイクル性を大幅に改善できると考えられる。
本発明における複合粒子について、ラマンスペクトルで観測されるR値(PD/PG)の平均値は0.7〜1.2であるが、0.75〜1.15であることが好ましく、0.8〜1.1であることがより好ましい。
R値の平均値が0.7未満の場合にはサイクル性が低下する傾向がある。これは例えば、複合粒子中の黒鉛性物質が炭素性物質およびシリコン粒子によって十分に被覆されておらず、炭素性物質とシリコン粒子が偏在しているため、充放電サイクルに伴うシリコン粒子の膨張収縮により複合粒子内の導電ネットワークが欠落するためと考えることができる。なお、前記複合粒子のR値の上限は、1.2を超えることはない。これはラマンスペクトルで観測される1350cm−1付近のピーク(PD)強度と、1580cm−1付近のピーク(PG)強度の比から導かれるものである。
本発明において、ラマンスペクトルで観測されるR値の標準偏差は、0.14以下であるが、0.12以下であることが好ましく、0.10以下であることがより好ましい。
R値の標準偏差が0.14を超えるとサイクル性が低下する傾向がある。これは例えば、前記の理由と同様に、複合粒子中の炭素性物質およびシリコン粒子が均一に分布しておらず、少なくとも一部の複合粒子については部分的に偏在しているためと考えられる。
R値の標準偏差は小さいほど、シリコン粒子、炭素性物質、および黒鉛性物質がより均一に分散していることを示しており、その下限値は0である。
本発明におけるR値(PD/PG)の平均値は、波長514.5nmのアルゴンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、1580cm−1付近のピークPGと1350cm−1付近のピークPDの強度比から求めることができる。なお、測定は7回行い、その測定されたR値の平均値を、本発明におけるR値の平均値とする。また、標準偏差は各測定値から、下記の式より算出することができる。
すなわち前記複合粒子においては、シリコン粒子、黒鉛性物質、炭素性物質が均一に分散していることに加えて、複合粒子が多孔質化していることが特徴となる。これらのすべての条件を満足することによって、高容量とサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池用負極材を得ることが可能となる
一方、負極材が高容量化するほど、単位体積あるいは単位面積あたりのリチウムイオンの移動量は必然的に増加する。そのため、複合粒子内に空隙が少ない場合はリチウムイオンの移動律速が起こり、充放電できなくなることによる容量低下、あるいは局部的な抵抗上昇による電解液の分解などが起こる可能性がある。
前記複合粒子は、水銀圧入法によって測定される細孔容量が、1.1ml/g〜2.0ml/gであるが、1.1ml/g〜1.8ml/gであることが好ましく、1.2ml/g〜1.8ml/gであることがより好ましい。
細孔容量が1.1ml/g未満であると、複合粒子内のリチウムイオンの移動性が低く、容量が低下したり出力特性が低下したりする場合がある。また2.0ml/gを超えると複合粒子の構造維持が困難になる場合がある。
前記複合粒子のBET法によって得られる比表面積(以下、「BET比表面積」ということがある)は5m2/g〜30m2/gであるが、6m2/g〜26m2/gであることが好ましく、7m2/g〜20m2/gであることがより好ましく、8m2/g〜16m2/gであることがさらに好ましい。
BET比表面積が5m2/g未満の場合には、複合粒子内のリチウムイオンの移動性が低く、容量が低下したり出力特性が低下したりする場合がある。また、BET比表面積が30m2/gを超えると初回充放電効率が低下する場合がある。
前記複合粒子はシリコン粒子の少なくとも1種を含む。シリコン粒子は、ケイ素からなるが、不可避的に混入する他の原子を本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。シリコン粒子の純度としては特に制限されないが、電池容量の観点から、80質量%以上であることが好ましい。
尚、シリコン粒子の体積平均粒子径はレーザー回折式粒度分布測定装置によって測定される。
本発明においては複合粒子中のシリコン粒子の含有比率が1〜30質量%であることが好ましく、1〜25質量%であることがより好ましく、1〜23質量%であることがさらに好ましい。
前記複合粒子は炭素性物質の少なくとも1種を含む。炭素性物質とは、黒鉛性物質のような特定の結晶構造を有していない炭素からなる物質を意味する。炭素性物質はシリコン粒子と黒鉛性物質とを結着させること、さらに両粒子間の導電性を構築する役割を果たすと考えられる。
炭素性物質は、これを構成する炭素性物質前駆体を後述する焼成工程で炭化することにより形成される。従って、炭素性物質は、用いる前駆体の種類によってその構造が大きく影響される。炭素性物質を構成する前駆体としては、フェノール樹脂、スチレン樹脂等の高分子化合物、ピッチ等の炭化可能な固体物などを用いることが可能であるが、充放電効率、容量などの電極特性及びコストなどの観点から、ピッチを用いて構成されることが好ましい。
炭素性物質のシリコン粒子に対する含有比率が20質量%以上であることで複合粒子構造を形成し易くなり、サイクル性が向上する。また100質量%以下であることで、複合粒子内の空隙が減少することを抑制し、リチウムイオンの移動性が良好になり、容量および出力特性が向上する。
前記複合粒子は、黒鉛性粒子の少なくとも1種を含む。黒鉛性粒子(黒鉛性物質)は、人造黒鉛および天然黒鉛に大別されるが、電池容量と高純度の観点から人造黒鉛であることが好ましい。
形状については特に制限はなく、鱗片状、球状などが挙げられる。中でも複合粒子化時に内部空隙を形成しやすい観点から、鱗片状のものであることが好ましい。
体積平均粒子径が3μm以上であることで、初回充放電効率が低下することを抑制できる。また、体積平均粒子径が20μm以下であることで、複合粒子内の細孔容量、比表面積が低下することを抑制でき、リチウムイオンの移動性の低下、容量および出力特性の低下を抑制することができる。
本発明における複合粒子の体積平均粒子径は特に制限されないが、3μm〜20μmであることが好ましく、5〜18μmであることがより好ましく、7〜15μmであることがさらに好ましい。
体積平均粒子径が3μm以上であることで、初回充放電効率がより向上する。また、体積平均粒子径が20μm以下であることで複合粒子内におけるリチウムイオンの移動性が向上し、容量および出力特性画より向上する。
前記複合粒子の製造方法は、シリコン粒子、黒鉛性粒子、炭素性物質前駆体、および分散媒体を、超音波分散処理して分散物を得る工程と、前記分散物を焼成処理して、前記炭素性物質前駆体を炭素性物質に炭化する工程と、を含み、必要に応じてその他の工程を含んで構成される。
本発明においては超音波分散処理することで、シリコン粒子、黒鉛性物質、および炭素性物質前駆体が分散媒中に均一に分散した分散物を得ることができる。
尚、ここでいう均一に分散した分散物とは、これを用いて後述する焼成工程により複合粒子を形成した場合に、本発明の複合粒子が満足する前記(1)〜(3)の条件を満たすような状態の分散物であることを意味する。
焼成温度については、800〜1200℃が好ましく、850〜1100℃がより好ましく、900〜1000℃がさらに好ましい。
焼成温度が800℃以上であることで、炭素性物質前駆体の炭化を十分に行うことができ、初回充放電効率が向上する。また、焼成温度が1200℃以下であることで、シリコン微粒子が炭素性物質と反応して炭化ケイ素になることを抑制し、容量が低下することを抑止できる。
粉砕処理の方法は特に制限されず、通常用いられるカッターミル、ハンマーミル、ジェットミル、ボールミル、ビーズミルなどを用いて行うことができる。
また、湿式混合法及びメカノケミカル法では、フェノール樹脂、スチレン樹脂等の高分子化合物、ピッチ等の炭化可能な固体物などを、固形のまま、または溶解物などにして処理を行うことができる。
また、湿式混合法及びメカノケミカル法においては、800℃以上であることで、炭素性物質の炭化を十分に行うことができ、初回充放電効率がより向上する。また、焼成温度が1200℃以下であることで、シリコン粒子が炭素性物質と反応して炭化ケイ素になることを抑制し、容量がより向上する。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材は、前記複合粒子の少なくとも1種を含み、
必要に応じてその他の成分を含んで構成される。
前記複合粒子を含むことで、高容量で、サイクル性の高いリチウムイオン二次電池用負極を構成することができる。
前記その他の成分としては、例えば、バインダ樹脂、導電助剤等を挙げることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法は、前記複合粒子の製造方法によって複合粒子を得る工程を含むものである。これにより前記複合粒子を含むリチウムイオン二次電池用負極材を効率よく製造することができる。
複合粒子の製造方法については既述の通りである。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、既述の本発明のリチウムイオン二次電池用負極材を用いてなることを特徴とする。これにより高容量を有し、サイクル性に優れるリチウムイオン二次電池を構成することが可能になる。
有機結着剤の含有比率が1質量%以上であることで密着性が良好で、充放電時の膨張・収縮によって負極が破壊されることが抑制される。一方、30質量%以下であることで、電極抵抗が大きくなることを抑制できる。
また、シート状、ペレット状等の形状に成形された負極材スラリーと集電体との一体化は、例えば、ロール、プレス、もしくはこれらの組み合わせ等、公知の方法により行うことができる。
この熱処理により溶媒の除去、バインダの硬化による高強度化が進み、粒子間及び粒子と集電体間の密着性が向上できる。尚、これらの熱処理は、処理中の集電体の酸化を防ぐため、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気、真空雰囲気で行うことが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、既述の本発明のリチウムイオン二次電池用負極を用いてなることを特徴とする。例えば、上記本発明のリチウムイオン二次電池用負極と正極とをセパレータを介して対向して配置し、電解液を注入することにより構成することができる。
(複合粒子の作製)
まず、体積平均粒子径25μmのシリコン粉末(純度99.9%)を、メチルナフタレン、分散材(花王(株)製:L−1820)とともに、ビーズミル(アシザワファインテック製:LMZ)で体積平均粒子径0.2μmまで粉砕してシリコンスラリーを調製した。
このシリコンスラリー1800g(固形分25%)、コールタールピッチ(炭素化率50%、炭素性物質)600g、体積平均粒子径8μmの鱗片状人造黒鉛900g、及び3000gのメチルナフタリンをSUS製容器に入れて攪拌し、さらに通液型の超音波ホモジナイザー(ギンセン製:GSD600HAT)で循環しながら1時間、超音波分散処理して分散物を得た。
得られた分散物を、加圧ニーダに投入して200℃でメチルナフタレンを蒸発させ、シリコン粒子、黒鉛性粒子、および炭素性物質前駆体から成る混合塊状物を得た。
得られた混合塊状物を、窒素雰囲気の焼成炉で、900℃、1時間焼成した。焼成した塊状物はカッターミル(大阪ケミカル製:WB−1)で粗粉砕し、次いでジェットミル(日本ニューマティック製:IDS)で体積平均粒子径が13μmになるように粉砕し、さらに気流式分級機(日本ニューマティック製:MDS−2)で超微粉を除去して体積平均粒子径15μmの複合粒子を得た。
粉砕・分級処理した複合粒子300gと30gのコールタールピッチをフラスコに入れ、テトラヒドロフラン400gを添加し、70℃で1時間、加熱混合した。その後、ロータリーエバポレータを用いてテトラヒドロフランを除去し、残渣を黒鉛製のルツボに入れ、窒素雰囲気下、1050℃で1時間焼成した。
ラマンスペクトル測定装置NRS−1000型(励起光:アルゴンイオンレーザ 514.5nm、日本分光社製)を使用した。得られた複合粒子を、スライドガラスを用いて軽く平滑化した後、20倍の対物レンズ(測定範囲4μm相当)を用いて、任意の7箇所について測定を行った。
測定されるラマンスペクトルの一例を図1に示した。図1において上のラインはR値が大きい場合(R=0.88)のラマンスペクトルの一例であり、下のラインはR値が小さい場合(R=0.47)のラマンスペクトルの一例である。
細孔分布測定装置オートポア9520型(島津製作所製)を使用して水銀圧入法による細孔容量を測定した。試料は予め200℃で15時間減圧乾燥し、そのうち0.2g程度を測定に使用した。測定条件は、水銀パラメータを、接触角130°、表面張力485mN/mに設定し、9kPa〜400MPaの圧力範囲で行った。
窒素吸着測定装置ASAP−2010(島津製作所製)を使用し、相対圧0.04〜0.20の範囲において5点、窒素吸着を測定し、BET法を適用してBET比表面積を算出した。
レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−3000J(島津製作所製)を使用し、得られた複合粒子を界面活性剤と共に精製水中に分散させた分散液を試料水槽に入れ、超音波をかけながらポンプで循環させながら測定した。得られた粒度分布の累積50%粒径(50%D)を体積平均粒子径とした。
複合粒子中に含まれるシリコンの含有率を以下のようにして測定した。得られた複合粒子3gをアルミナ坩堝に入れ、大気下で900℃、60時間熱処理した。得られた灰分は全て酸化されていると見なし、以下の式より、シリコン含有率を測定した。
シリコン含有率(%)=(灰分量×28.09/60.09)/複合粒子質量×100
得られた複合粒子の95部に対して、バインダとして、ポリアクリロニトリルを主骨格とする樹脂(日立化成工業製、LSR7)を5部添加し、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)を適量入れて固練した後、さらにNMPを添加し固形分35%のスラリーを作製した。
得られたスラリーを、アプリケータを用いて固形分塗布量が7mg/cm2になるように銅箔に塗布し、90℃定置運転乾燥機にて2時間、乾燥した。乾燥後、電極密度1.4g/cm3程度になるようロールプレスし、さらに真空下、160℃で2時間、熱処理して、チウムイオン二次電池用負極を得た。得られたリチウムイオン二次電池用負極を、14mmφの円形に打ち抜き、これを評価用試料として使用した。
評価用セルは、CR2016型コインセルに上記負極と金属リチウムを40μmのポリプロピレン製セパレータを介して対向させ、電解液を注入することにより作製した。電解液はエチルカーボネートとメチルエチルカーボネートを体積比3対7の混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度になるように溶解させ、これに1.5質量%のビニルカーボネートを添加した後、さらにフルオロエチレンカーボネートを20体積%添加したものを使用した。
評価用セルは25℃の恒温槽内に入れ、サイクル試験した。充電は、2mAの定電流で0Vまで充電後、0Vの定電圧で電流値が0.2mAになるまで行った。また放電は、2mAの定電流で1.5Vの電圧値まで行った。放電容量と充放電効率は、初回充放電試験の結果とした。
また、サイクル性は、前記充放電条件にて50回充放電試験した後の放電容量を初回の放電容量を比較し、その容量維持率として評価した。
実施例1において、炭素被覆をせず、粉砕、分級後に窒素雰囲気下で900℃、1時間焼成した以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製し、同様の評価を行った。
実施例1において、炭素被覆をしなかった以外は、実施例1と同様にして負極材を作製し、同様の評価を行った。
実施例1において、通液型の超音波ホモジナイザーで分散混合せず、ニーダで混合した以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製し同様の評価を行った。
実施例1において、複合粒子作製時のコールタールピッチ量を800gとし、鱗片状人造黒鉛量を800gとし、通液型の超音波ホモジナイザーで分散混合せず、ニーダで混合した以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製し同様の評価を行った。
実施例1において、複合粒子作製時のコールタールピッチ量を800gとし、鱗片状人造黒鉛量を800gとした以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製し同様の評価を行った。
実施例1において、複合粒子作製時のコールタールピッチ量を400gとし、鱗片状人造黒鉛量を1000gとし、通液型の超音波ホモジナイザーで分散混合せず、ニーダで混合した以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製し同様の評価を行った。
Claims (7)
- シリコン(Si)粒子と、黒鉛性粒子と、炭素性物質とを含有し、以下(1)〜(3)の全てを満たす複合粒子を含むリチウムイオン二次電池用負極材。
(1)ラマンスペクトルで観測される1350cm−1付近のピーク(PD)と1580cm−1付近のピーク(PG)の強度比であるR値(PD/PG)の平均値が0.7〜1.2であり、且つその標準偏差が0.14以下である。
(2)水銀圧入法で測定される細孔容量が1.1ml/g〜2.0ml/gである。
(3)BET法によって得られる比表面積が5m2/g〜30m2/gである。 - 前記シリコン(Si)粒子の体積平均粒子径が、0.1μm〜1μmであり、その含有率が1〜30質量%である請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
- 前記黒鉛性粒子の体積平均粒子径が、3μm〜20μmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
- 前記複合粒子の体積平均粒子径が、3μm〜20μmである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法であって、
シリコン粒子、黒鉛性粒子、炭素性物質前駆体、および分散媒体を、超音波分散処理して分散物を得る工程と、
前記分散物を焼成処理して、前記炭素性物質前駆体を炭素性物質に炭化する工程と、
を含むリチウムイオン二次電池用負極材の製造方法。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用負極材を有してなるリチウムイオン二次電池用負極。
- 請求項5に記載のリチウムイオン二次電池用負極を用いてなるリチウムイオン二次電池。
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