JP5990872B2 - リチウム二次電池負極材、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池負極材、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 Download PDFInfo
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Description
また、上記黒鉛粒子は、その大きな細孔容積のため電極塗工性、電極密着性等が低く、また、急速充電時の充電容量が小さく、第1サイクル目の充放電効率が低くなる等の傾向がある。これを改善するために、外部から力学的エネルギーを与えることなく、粒子表面の平滑化を行って、電極塗工性及び電極密着性を改善したものが提案されている(例えば、特許文献3参照)
[1] 複数の扁平状の粒子が互いに非平行に集合又は結合してなる塊状構造を有し、下記(1)調製条件に記載の配合及び調製方法に従って測定用ペーストを調製した場合に、下記(2)粘度測定条件に従って測定された前記測定用ペーストのペースト粘度が3.0Pa・s以上5.5Pa・s以下の範囲を示す黒鉛粒子を含むリチウムイオン二次電池負極材。
(1)調製条件
前記測定用ペーストの配合:
増粘材:1.5質量%カルボキシメチルセルロース水溶液(1質量%水溶液の粘度:1500〜2500mPa・s、25℃)
(前記黒鉛粒子+前記増粘材)/(前記黒鉛粒子+前記増粘材+水)=0.45(質量比)
(前記黒鉛粒子):(前記増粘材)=99:1(質量比)
調製方法:
前記黒鉛粒子と前記増粘材を練りこみ、次いで、水を加えてペースト化する。
(2)粘度測定条件
使用測定器:
回転粘度計、スピンドル形状:同軸円筒
測定方法:
試験速度10rpmとして前記測定器を作動させ、1分後の測定温度25℃での粘度を測定する。
[2] 前記黒鉛粒子の波長532nmのアルゴンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、R=I1350/I1580(I1350はラマンスペクトルにおいて1350〜1370cm−1の範囲のピーク強度、I1580は1580〜1620cm−1の範囲のピーク強度)で示されるR値が0.1以上0.3以下である[1]記載のリチウムイオン二次電池負極材。
[3] 前記黒鉛粒子の体積平均粒子径(50%D)が10μm以上50μm以下である前記[1]又は[2]記載のリチウムイオン二次電池負極材。
[4] 前記黒鉛粒子のBET法で測定される比表面積が2.0m2/g以上6.0m2/g以下である[1]〜[3]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池負極材。
[5] 前記黒鉛粒子のかさ密度が0.80g/cm3以上1.00g/cm3以下である[1]〜[4]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池負極材。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池負極材とバインダ樹脂を含むリチウムイオン二次電池負極。
[7] 電極密度が1.7g/cm3以上である[6]記載のリチウム二次電池負極。
[8] [6]又は[7]記載のリチウム二次電池負極とリチウム化合物を含む正極と電解質を有するリチウムイオン二次電池。
(1)調製条件
前記測定用ペーストの配合:
増粘材:1.5質量%カルボキシメチルセルロース水溶液(1質量%水溶液の粘度:1500〜2500mPa・s、25℃)
(前記黒鉛粒子+前記増粘材)/(前記黒鉛粒子+前記増粘材+水)=0.45(質量比)
(前記黒鉛粒子):(前記増粘材)=99:1(質量比)
調製方法:
前記黒鉛粒子と前記増粘材を練りこみ、次いで、水を加えてペースト化する。
(2)粘度測定条件
使用測定器:
回転粘度計、スピンドル形状:同軸円筒
測定方法:
試験速度10rpmとして前記測定器を作動させ、1分後の測定温度25℃での粘度を測定する。
即ち、複数の扁平状の粒子が互いに非平行に集合又は結合してなる塊状構造を有する負極材を単に用いただけでは、黒鉛粒子の表面の平滑さが十分でないため、本発明におけるペースト粘度の範囲を示すことができないと考えられる。一方、前記ペースト粘度の範囲を示す前記塊状構造の黒鉛粒子の表面は十分に平滑化されていると推測され、これにより、このような黒鉛粒子を用いたリチウムイオン二次電池負極材を用いた負極において、電解質を注入した際に良好な浸透性を実現することができる。前記塊状構造を有する黒鉛粒子であっても、平滑化されていない黒鉛粒子では、これを用いた同様の測定用ペーストの粘度は一般に7Ps・s以上になり、これでは本発明の優れた効果が得られない。
また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
また、本発明において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
以下、本発明について説明する。
前記負極材に含まれる黒鉛粒子は、複数の扁平状の粒子が互いに非平行に集合又は結合してなる塊状構造を有する黒鉛粒子である。このような黒鉛粒子とすることにより、集電体上に配置させたときに黒鉛結晶が配向しにくく、負極黒鉛にリチウムを吸蔵又は放出しやすくなる。この結果、前記負極材を用いてリチウムイオン二次電池を得た場合には、リチウムイオン二次電池の急速充放電特性及びサイクル特性を向上させることができる。
前記黒鉛粒子が示す前記ペースト粘度は、下記(1)の調製条件に従って調製された測定用ペーストについて下記(2)の測定条件に従って測定された粘度として定義される。
前記測定用ペーストの配合:
増粘材:1.5質量%カルボキシメチルセルロース水溶液(1質量%水溶液の粘度:1500〜2500mPa・s、25℃)
(前記黒鉛粒子+前記増粘材)/(前記黒鉛粒子+前記増粘材+水)=0.45(質量比)
(前記黒鉛粒子):(前記増粘材)=99:1(質量比)
調製方法:
前記黒鉛粒子と前記増粘材を練りこみ、次いで、水を加えてペースト化する。
例えば、50.0gの黒鉛粒子を用いた場合、25℃の条件でプラネタリミキサーを使用して、黒鉛粒子と増粘材34.0gを回転数10rpmで30分間練りこみを行うことができる。ここでプラネタリミキサーは、黒鉛粒子と増粘材が回転する羽根と十分接触できていればよく、例えば、T.K.ハイビスミックスf model−03(プライミクス株式会社製)を用いることができる。ペースト化は、前記黒鉛粒子及び前記増粘材等を含む混合液に水28.0gを少しずつ添加して均一化すればよい。
練り込みに用いられる装置又は器具は、ペーストの種類及び量に応じて適宜選択すればよい。
使用測定器:
回転粘度計、スピンドル形状:同軸円筒
測定方法:
試験速度10rpmとして前記測定器を作動させ、1分後の測定温度25℃での粘度を測定する。
なお、測定開始から1分後の測定時の25℃のときの測定値をペースト粘度とするが、温度条件が大きく変動しない限り、測定開始時の25℃を測定時の温度としてもよい。
前記黒鉛粒子に加えられる力学的エネルギーは、黒鉛粉1kg当り50〜400kJ程度の負荷を加えることで得ることができる。一方、スクリューの自転によって混合されるような機械的な負荷は、例えば、ナウター型のミキサーが一般的に使用されている条件においては、黒鉛粉1kg当り0.1〜1kJの負荷を黒鉛粒子の表面に与えるに過ぎず、表面改質には足りない。
前記黒鉛粒子の波長532nmのアルゴンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、R=I1350/I1580(I1350はラマンスペクトルにおいて1350〜1370cm−1の範囲のピーク強度、I1580は1580〜1620cm−1の範囲のピーク強度)で示されるR値が0.1以上0.3以下であることが好ましい。R値が0.1以上であれば、機械的処理の不足を抑制できる傾向があり、電解質浸透の効果を確実に得ることができる。またR値は、リチウムイオン二次電池の負極材として用いた場合、R値の増加は不可逆容量増加の点で、0.3以下であることが好ましい。0.3以下であれば、リチウムイオン二次電池の寿命低下を確実に抑制できる傾向がある。
ここで、1360cm−1付近のピークとは、通常、炭素の非晶質構造に対応すると同定されるピークであり、例えば1300cm−1〜1400cm−1に観測されるピークを意味する。また1580cm−1付近のピークとは、通常、黒鉛結晶構造に対応すると同定されるピークであり、例えば1530cm−1〜1630cm−1に観測されるピークを意味する。
尚、R値はラマンスペクトル測定装置(例えば、日本分光(株)製NSR−1000型、励起波長532nm)を用いて求めることが出来る。またベースラインは、ベースラインの両端を900cm−1から1000cm−1と1800cm−1から1900cm−1の範囲でそれぞれ1点ずつ選択し、かつ、その2点を結んだ直線に傾きが無いことを確認して求めた。
本発明の負極材は、かさ密度が0.80g/cm3以上1.00g/cm3以下であることが好ましく、0.88g/cm3以上1.00g/cm3以下であることがより好ましく、0.90g/cm3以上0.95g/cm3以下であることがさらに好ましい。かさ密度が0.80g/cm3以上であれば、電極密度を高くすることができ、また負極材を含むリチウムイオン二次電池としたときのサイクル特性が向上する等の傾向がある。
前記負極材には、前記黒鉛粒子の他に、必要に応じて他の成分を含んでいてもよく、このような他の成分の例としては、前記形状以外の各種の形状の炭素粒子、好ましくは黒鉛粒子を挙げることができる。
本発明の前記リチウムイオン二次電池用負極材の製造方法は、黒鉛化可能な骨材又は黒鉛と黒鉛化可能なバインダとに黒鉛化触媒を添加して混合し、焼成して、黒鉛化すること(以下、「原料黒鉛粒子調製工程」という)と、前記黒鉛化することにより得られた黒鉛粒子に機械的な負荷を付与して、前記ペースト粘度を示す前記黒鉛粒子を調製すること(以下、「改質工程」という)を含む。これにより、所定の塊状構造を有し、前記所定のペースト粘度を示す黒鉛粒子を得ることができる。
黒鉛化可能なバインダとしては、石炭系、石油系、人造等の各種ピッチ、タールの他、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が使用可能である。黒鉛化触媒としては、鉄、ニッケル、チタン、ホウ素等、これらの炭化物、酸化物、窒化物等が使用可能である。
またバインダの配合量は、扁平状の黒鉛化可能な骨材又は黒鉛に対し、5質量%〜80質量%添加することが好ましく、10質量%〜80質量%添加することがより好ましく、15質量%〜80質量%添加することがさらに好ましい。バインダの添加量を適切な量とすることで、製造される第一の粒子のアスペクト比や比表面積が大きくなりすぎることを抑制できる。
黒鉛化可能な骨材又は黒鉛とバインダの混合方法は、特に制限はなく、ニーダー等を用いて行われるが、バインダの軟化点以上の温度で混合することが好ましい。具体的にはバインダがピッチ、タール等の際には、50〜300℃が好ましく、熱硬化性樹脂の場合には、20〜100℃が好ましい。
また、焼成は、前記混合物が酸化し難い雰囲気で行うことが好ましく、そのような雰囲気としては、例えば、窒素雰囲気中、アルゴンガス中、真空中で焼成する方法が挙げられる。黒鉛化の温度は2000℃以上が好ましく、2500℃以上であることがより好ましく、2800℃以上であることがさらに好ましく、一方、3200℃以下とすることが好ましい。黒鉛化の温度が2000℃以上とすることにより黒鉛の結晶の発達が良好となり、作製した粒子に残存する黒鉛化触媒の量が少なくなる傾向がある(灰分量の増加抑制)、いずれの場合も充放電容量や電池のサイクル特性が低下する傾向がある。一方、黒鉛化の温度が3200℃以下であれば、黒鉛の昇華を抑制できる傾向がある。
上記に示す製造方法を経ることにより、扁平状の粒子を複数、配向面が非平行となるように集合又は結合させた原料黒鉛粒子を得ることができる。さらに上記製造方法の詳細は、例えば、特許第3285520号公報や、特許第3325021号公報等を参照することもできる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、上述したリチウムイオン二次電池用負極材及びバインダ樹脂を含む。これにより、高い電解質浸透性を有し、良好な電池特性を有するリチウムイオン二次電池を構成することが可能になる。前記リチウムイオン二次電池用負極材は、前記リチウムイオン二次電池用負極材及びバインダ樹脂の他、必要に応じてその他の構成要素を含んでもよい。
前記リチウムイオン二次電池用負極は、例えば、既述の本発明のリチウムイオン二次電池用負極材及びバインダ樹脂(有機結着材)を溶剤とともに撹拌機、ボールミル、スーパーサンドミル、加圧ニーダ等の分散装置により混練して、負極材スラリーを調製し、これを集電体に塗布して負極層を形成する、又は、ペースト状の負極材スラリー(「負極合材」ということがある)をシート状、ペレット状等の形状に成形し、これを集電体と一体化することで得ることができる。成形は通常集電体上に行われる。
リチウムイオン二次電池負極の負極層中のバインダの含有比率は、1質量%〜30質量%であることが好ましく、1質量%〜20質量%であることがより好ましく、1質量%〜15質量%であることがさらに好ましい。
バインダの含有比率が1質量%以上であることで密着性が良好で、充放電時の膨張・収縮によって負極が破壊されることが抑制される。一方、30質量%以下であることで、電極抵抗が大きくなることを抑制できる。
また、シート状、ペレット状等の形状に成形された負極材スラリーと集電体との一体化は、例えば、ロール、プレス、もしくはこれらの組み合わせ等、公知の方法により行うことができる。この一体化する際の圧力は1MPa〜200MPa程度が好ましい。
一般的にリチウムイオン二次電池の負極材の密度は1.5g/cm3〜1.6g/cm3程度の低密度で使用される。また、負極材の密度はリチウムイオン二次電池の容量増加と共に高くなる。本発明のリチウムイオン二次電池用負極材は、負極密度が1.7g/cm3以上の高密度のリチウムイオン二次電池用負極で好適に使用される。本発明におけるリチウムイオン二次電池用負極材は、特定構造を有し、所定のペースト粘度を示す黒鉛粒子を含むので、一般に電解質の注入性が低下する傾向にあるこのような高密度の負極に適用しても、良好な注液性を示すことができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、既述の本発明のリチウムイオン二次電池用負極と、リチウム化合物を含む正極と、電解質とを含む。例えば、上記本発明のリチウムイオン二次電池用負極と正極とを、必要に応じてセパレータを介して対向させて配置し、電解質を注入することにより構成することができる。
セパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルム又はそれらを組み合わせたものを使用することができる。なお、作製するリチウムイオン二次電池の正極と負極が直接接触しない構造にした場合は、セパレータを使用する必要はない。
本発明のリチウムイオン二次電池は、特に限定されないが、ペーパー型電池、ボタン型電池、コイン型電池、積層型電池、円筒型電池、角型電池などとして使用される。
上述した本発明のリチウムイオン二次電池用負極材は、ポータブル機器、電気自動車、電力貯蔵等に用いるのに好適な、高容量でかつ急速充放電特性及びサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池用に好適であるが、リチウムイオン二次電池用に限定されず、リチウムイオンを挿入脱離することを充放電機構とする電気化学装置全般、例えば、ハイブリッドキャパシタなどにも適用することが可能である。
(1)原料黒鉛粒子の作製
コークス粉末100質量部、タールピッチ40質量部、炭化珪素25質量部、及びコールタール20質量部を、250℃以上で加熱混合し、得られた混合物を粉砕し、次いでペレット状に加圧成形し、これを窒素中で900℃で焼成し、黒鉛化炉を用いて3000℃で黒鉛化し、ハンマーミルを用いて粉砕した後、篩分けし、原料黒鉛粒子を作製した。得られた原料黒鉛粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真によれば、この原料黒鉛粒子は、偏平状の粒子が、複数配向面が非平行となるように集合又は結合した塊状構造を有するものであった。
前記原料黒鉛粒子について、原料黒鉛粒子に外部から力学的エネルギーを付与する装置として、ホソカワミクロン(株)社製ノビルタ、MIXsrl社製高速パドルミキサー、ホソカワミクロン(株)社製サイクロミックスを下記の条件で用いた。
上記で得られた黒鉛粒子について以下の測定を行った。
(3−1)レーザー回折式粒度分布計による体積平均粒径
(株)島津製作所製レーザー回折粒度分布測定装置SALD−3000Jを用い、50%Dでの粒子径を平均粒子径とした。測定は試料を界面活性剤(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)を添加したイオン交換水に混合し、超音波を30秒照射して分散させた後、測定を行った。得られた粒度分布の小径側から累積50%粒径(50%D)を体積平均粒径とした。
(3−2)BET法による比表面積
micromeritics社 製品名ASAP 2010を用い、液体窒素温度での窒素吸着を多点法で測定し、BET法に従って算出した。
(3−3)かさ密度測定
容量150mLのメスシリンダーを斜めにし、これに試料粉末100mLを、さじを用いて徐々に投入し、メスシリンダーに栓をした後、メスシリンダーを5cmの高さから粒子容積が変化しなくなるまでタップを繰り返して測定した。
下記のペースト調製条件の配合割合で粘度測定用のペーストを作製し、BROOKFIELD社製 DV−IIIを用い、スピンドル形状:同軸円筒、試験速度:10rpm、測定温度:25℃の条件で測定開始から1分間後の粘度を測定した。
ペースト調製条件
増粘材:1.5質量%カルボキシメチルセルロース水溶液(1質量%水溶液の粘度:1500〜2500mPa・s、25℃)。カルボキシメチルセルロールとしては、ダイセル化学工業株式会社製CMCダイセル(品番:2200)を用いた。
(前記黒鉛粒子+前記増粘材)/(前記負極材+前記増粘材+水)=0.45(質量比)
(前記黒鉛粒子):(前記増粘材)=99:1(質量比)
上記の配合比となるように、前記黒鉛粒子と前記増粘材をスパチュラを用いて5分間練りこみ、そこへ水を加えスパチュラを用いて5分攪拌し、さらに前記バインダを加えて1分攪拌して調製した。
日本分光社 製品名NRS−1000型レーザーラマン分光光度計(励起波長532nm)を使用して、試料黒鉛粒子のラマン分光測定を行った。測定結果のベースライン除去は、ベースラインの両端を900cm−1から1000cm−1と1800cm−1から1900cm−1の範囲でそれぞれ1点ずつ選択し、かつ、その2点を結んだ直線に傾きが無いことを確認して求めた。得られたピーク強度からピーク面積比(R値=I1350/I1580)を算出した。
(3−6)電解質注液性
実施例1〜7について以下の手順で電極を作製し、電解質の注液特性を測定した。
電極に用いるペーストは、以下に示す比率で各材料を混ぜて調製した。
ペースト調製条件
バインダ:スチレンブタジエンゴム
増粘材:1.5質量%カルボキシメチルセルロース水溶液(1質量%水溶液の粘度:1500〜2500mPa・s)。カルボキシメチルセルロールとしては、ダイセル化学工業株式会社製CMCダイセル(品番:2200)を用いた。
(黒鉛粒子+前記バインダ+前記増粘材)/(前記黒鉛粒子+前記バインダ+前記増粘材+水)=0.45(質量比)
(黒鉛粒子):(前記バインダ):(前記増粘材)=98:1:1(質量比)
前記原料黒鉛粒子と、この原料黒鉛粒子を用いた以外は実施例1と同様にして作製した試料電極とについて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1で得られた原料黒鉛粒子と同程度の平均粒径、かさ密度、粘度、ラマンスペクトルピーク比の物性値の球状黒鉛粒子を用いた以外は実施例1と同様にして試料電極を作製し、電解質注液性を評価した。評価結果を表1に示す。
前記原料黒鉛粒子について、ホソカワミクロン社製ナウターミキサーDBY−10に前記原料黒鉛粒子3kgを使用して、自転30rpm、公転0.5rpm、3時間処理を行った。実施例1と同様にして試料電極を作製し、電解質注液性を評価した。評価結果を表1に示す。
このような黒鉛粒子を用いた試料電極では、原料黒鉛粒子に対して機械的な負荷を与えなかった比較例1又は2の試料電極と比較して、注液時間は大幅に短縮されていることが示された。これは、黒鉛粒子表面が平滑化されたことにより、より高密度の負極電極が得られ、電極のプレス時に電極表面付近の粒子形状の過剰な変形を避けることが出来たためと推測される。
また、複数の扁平状の粒子が互いに非平行に集合又は結合してなる塊状構造と、所定のペースト粘度を示す黒鉛粒子を含む負極材は、上述した機械的な負荷を付与することにより簡便に得られることがわかる。
3 セパレータ 4 正極タブ
5 負極タブ 6 正極蓋
7 電池缶 8 ガスケット
Claims (5)
- 複数の扁平状の粒子が互いに非平行に集合又は結合してなる塊状構造を有し、下記(1)調製条件に記載の配合及び調製方法に従って測定用ペーストを調製した場合に、下記(2)粘度測定条件に従って測定された前記測定用ペーストのペースト粘度が3.0Pa・s以上5.5Pa・s以下の範囲を示す黒鉛粒子を含むリチウムイオン二次電池負極材の製造方法であって、前記黒鉛粒子を黒鉛粉1kg当り50〜400kJの負荷を加えることで得る工程を含む、リチウムイオン二次電池負極材の製造方法。
(1)調製条件
前記測定用ペーストの配合:
増粘材:1.5質量%カルボキシメチルセルロース水溶液(1質量%水溶液の粘度:1500〜2500mPa・s、25℃)
(前記黒鉛粒子+前記増粘材)/(前記黒鉛粒子+前記増粘材+水)=0.45(質量比)
(前記黒鉛粒子):(前記増粘材)=99:1(質量比)
調製方法:
前記黒鉛粒子と前記増粘材を練りこみ、次いで、水を加えてペースト化する。
(2)粘度測定条件
使用測定器:
回転粘度計、スピンドル形状:同軸円筒
測定方法:
試験速度10rpmとして前記測定器を作動させ、1分後の測定温度25℃での粘度を測定する。 - 前記黒鉛粒子の波長532nmのアルゴンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、R=I1350/I1580(I1350はラマンスペクトルにおいて1350〜1370cm−1の範囲のピーク強度、I1580は1580〜1620cm−1の範囲のピーク強度)で示されるRの値が0.1以上0.3以下である請求項1記載のリチウムイオン二次電池負極材の製造方法。
- 前記黒鉛粒子の平均粒子径(50%D)が10μm以上50μm以下である請求項1又は2記載のリチウムイオン二次電池負極材の製造方法。
- 前記黒鉛粒子のBET法で測定される比表面積が2.0m2/g以上6.0m2/g以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池負極材の製造方法。
- 前記黒鉛粒子のかさ密度が0.80g/cm3以上1.00g/cm3以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項記載のリチウムイオン二次電池負極材の製造方法。
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