JP2012041486A - エポキシ樹脂組成物および繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物および繊維強化複合材料の製造方法 Download PDF

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雅幸 三好
Shinji Kawachi
真二 河内
Kenichi Yoshioka
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Abstract

【課題】低粘度、高Tg、高弾性率であり、なおかつタフネスに優れるエポキシ樹脂組成物、およびかかる維強化複合材料用エポキシ樹脂を適用することにより優れた耐熱性、圧縮強度、耐衝撃性、耐疲労性、引張を有し、航空機造材などとして最適な繊維強化複合材料を提供すること。
【解決手段】特定のエポキシ樹脂を含み、特定条件を満たす主剤[A1]と、3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを含み、特定条件を満たす硬化剤[B1]を予めそれぞれ調合し、使用するまでは[A1]と[B1]を別々に保管し、使用前に[A1]と[B1]を混合することを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、航空機部材、宇宙機部材、自動車部材、船舶部材などに用いられる繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として好適に用いられるポキシ樹脂組成物の繊維強化複合材料の製造方法に関し、特にレジン・トランスファー・モールディング(Resin Transfer Molding、以下、RTMと略記することがある。)成形法に最適なエポキシ樹脂組成物繊維強化複合材料の製造方法に関する。
従来、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの強化繊維と、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂などの熱硬化性樹脂の硬化物からなる繊維強化複合材料は、軽量でありながら、強度、弾性率などの機械特性や耐熱性、さらには耐食性に優れるため、航空機部材、宇宙機部材、自動車部材、船舶部材、土木建築材、スポーツ用品などの多くの分野に応用されてきた。特に、高性能が要求される用途では、連続繊維を用いた繊維強化複合材料が用いられ、強化繊維としては比強度、比弾性率に優れた炭素繊維が、マトリックス樹脂としては機械特性、耐熱性および耐薬品性が高く、炭素繊維との接着性に優れたエポキシ樹脂が多く用いられている。
エポキシ樹脂はそれを硬化させる作用を有する化合物(以下、硬化化合物という)を配合することによりエポキシ樹脂組成物となし、それを硬化させてエポキシ樹脂硬化物となす。
特に、繊維強化複合材料を航空機部材に用いる場合は、エポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物が、高耐熱性、高弾性率であり、かつタフネスに優れることが必要とされる、このような観点で、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルメタン、フルオレン骨格を有する芳香族アミン化合物などが硬化化合物として用いられている。中でも、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンや4,4’−ジアミノジフェニルスルホンは、特に耐熱性および弾性率が高い硬化物を得られることから、航空機分野におけるエポキシ樹脂の硬化化合物として広く用いられている(特許文献1〜3参照)。
一方、近年、強化繊維基材に直接液状の熱硬化性樹脂を含浸させ、硬化させるRTM成形法においては、成形コストや環境負荷を低減するポテンシャルが高いことから、航空機部材への適用が拡大されている。
RTM法に用いられるエポキシ樹脂組成物には、製造時にすでに硬化化合物をエポキシ樹脂に配合している一液型と、エポキシ樹脂を主成分とする主剤と、硬化化合物を含む硬化剤を別々に製造、保管し、使用前に主剤と硬化剤を所定量配合する二液型の2つのタイプがある。
一液型エポキシ樹脂組成物の硬化化合物としては、比較的反応性が低い芳香族アミン化合物が用いられ、成形に使用されるまでは低温で保管されることが多いが、硬化反応を完全に停止させることが出来ないため、温度および時間管理を厳格に行う必要がある。このため、一液型エポキシ樹脂組成物は保管および輸送に大型の冷蔵設備が必要であり、管理コストが非常に高くなるという問題がある。
これに対して、二液型エポキシ樹脂組成物は主剤と硬化剤を別々に製造し、成形などに使用するまでは主剤と硬化剤を別々に保管するため、すなわち、成形などに使用するまで主剤と硬化剤とが混合されていないため、硬化反応は実質的に無く、長期保存性が飛躍的に改善されるだけではなく、管理コストも大幅に削減可能である。
二液型エポキシ樹脂組成物をRTM法に用いるためには、強化繊維基材への含浸を容易とするために、主剤および硬化剤を液状化する技術が求められる。しかしながら、航空機用プリプレグで使用されているジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルメタン、フルオレン骨格を有する芳香族アミン化合物等は、融点が150℃以上の固形であるため、そのままでは硬化剤に使用することができない。
一方、アミノ安息香酸エステル、脂肪族アミン化合物の一部は液体であるが、得られるエポキシ樹脂硬化物の耐熱性、弾性率が低く樹脂特性が不十分であり、液状芳香族アミン化合物であるジエチルトルエンジアミン、ジアミノジフェニルメタンのアルキル基誘導体の一部は25℃で液体であるが、得られる硬化物が非常に脆くタフネス(靭性)が、不十分である。
これらの硬化剤に対する課題について、特許文献4には液状芳香族アミン化合物に、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルメタン誘導体といった固形芳香族アミン化合物を加熱溶解させ液状硬化剤を得る技術が掲示されている。
しかしながら、これらの固形芳香族アミン化合物は、結晶性が高いことから、液状硬化剤を25℃において長期間保存すると固形芳香族アミン化合物の結晶体が析出するといった課題があった。
また、特許文献5には、硬化剤の長期保存性を改善するために、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンと4,4’−ジアミノジフェニルスルホンといった2つの異性体を配合することによって、結晶体の析出を抑制し、液状芳香族アミン化合物に溶かし込む技術が掲示されている。
しかしながら、該特許文献の技術を用いても、ジアミノジフェニルスルホンを硬化剤100重量部中に40重量部程度しか溶かし込むことができず、十分なタフネスを得ることが出来ない。
以上の様な理由により、長期保存性の良い二液型のエポキシ樹脂組成物を用いて、耐熱性や力学物性に優れ、且つ高いタフネスを示す繊維強化複合材料の製造方法が望まれていた。
米国特許第6379799号明細書 特開平3−221535号公報 特開平2−113020号公報 特開2004−256571号公報 国際公開第2003/040206号
本発明の目的は、かかる従来技術の背景に鑑み、低粘度、高耐熱性、高弾性率、高タフネスであり、かつ長期保存性に優れる二液型エポキシ樹脂組成物を提供すること、および、かかる二液型エポキシ樹脂組成物を適用することにより優れた熱的特性、圧縮強度、耐疲労性および引張特性を有し、航空機部材などとして最適な繊維強化複合材料を提供することにある。
本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、構成要素[A]を含み、条件[1]を満たす主剤[A1]と、構成要素[B]および構成要素[C]を含み、条件[2]を満たす硬化剤[B1]とをそれぞれ予め調合し、使用するまでは[A1]と[B1]を別々に保管し、使用前に[A1]と[B1]を混合することを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法である。
構成要素[A]:1分子中にエポキシ基を2つ以上、かつ芳香環を1つ以上有するエポキシ樹脂。
構成要素[B]:3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン。
構成要素[C]:25℃において、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された粘度が1〜2000mPa・sであるアミン化合物。
条件[1]:50℃において、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された主剤[A1]の粘度が1〜30000mPa・sである。
条件[2]:25℃において、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された硬化剤[B1]の粘度が1〜50000mPa・sである。
また、本発明の繊維強化複合材料の製造方法は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、構成要素[A]を含み、条件[1]を満たす主剤[A1]と、構成要素[B]および構成要素[C]を含み、条件[2]を満たす硬化剤[B1]をそれぞれ予め調合し、使用するまでは[A1]と[B1]を別々に保管し、使用前に[A1]と[B1]を混合して得たエポキシ樹脂組成物を、シート状の強化繊維に含浸させて後、加熱硬化させることを特徴とする、繊維強化複合材料の製造方法である。
構成要素[A]:1分子中にエポキシ基を2つ以上、かつ芳香環を1つ以上有するエポキシ樹脂
構成要素[B]:3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン。
構成要素[C]:25℃において、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された粘度が1〜2000mPa・sであるアミン化合物
条件[1]:50℃において、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された主剤[A1]の粘度が1〜30000mPa・sである。
条件[2]:25℃において、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された硬化剤[B1]の粘度が1〜50000mPa・sである。
本発明によれば、耐熱性、力学物性およびタフネスが高く、且つ長期保存性に優れた新規な二液型エポキシ樹脂組成物を使用することにより、耐熱性、圧縮特性、引張特性および耐疲労性に優れ、航空機部材、宇宙機部材、自動車部材、船舶部材などに好適に用いることができる繊維強化複合材料を得ることができる。
エポキシ樹脂組成物は一般に、エポキシ樹脂と硬化剤を予め配合している一液型のものと、エポキシ樹脂と硬化剤を別々に保管し、使用前に両者を混合して使用する二液型のものが存在する。
一液型のエポキシ樹脂組成物の場合、保管中にも硬化反応が進行するため硬化化合物としては反応性が低く、固形状のものを選択する場合が多い。しかしながら、25℃の温度環境下では、少しずつ硬化反応が進行するため冷凍保管が必要になり、管理費用が増加する。また、固形状の硬化化合物を使用するため、強化繊維に一液型エポキシ樹脂組成物を含浸させるためにはプレスロールを使用して高い圧力で押し込む必要があり製造コストも増加する。
一方、二液型のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂から構成される主剤と硬化剤を別々に保管するため、保管条件に特に制限なく長期保管も可能であり、管理費用を削減できる。また、主剤および硬化剤とも液状のものとすることで、主剤と硬化剤を混合した混合物も低粘度な液状とすることができ、RTM法などの簡便な方法で強化繊維に含浸、成形まで行うことができる。
本発明においてエポキシ樹脂組成物は前述した利点から二液型の製造方法で製造される。
本発明では、構成要素[A]を含む主剤[A1]と、構成要素[B]および[C]を含む硬化剤[B1]をそれぞれ別々に製造し、使用直前に[A1]と[B1]を混合してエポキシ樹脂組成物とする。
構成要素[A]:1分子中にエポキシ基を2つ以上、かつ芳香環を1つ以上有するエポキシ樹脂。
構成要素[B]:3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン。
構成要素[C]:25℃において、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された粘度が1〜2000mPa・sであるアミン化合物。
[A1]と[B1]を混合する場合、25℃にて混合作業を行っても良いが、速やかに混合できることから、30〜90℃で加熱した状態で混合することが好ましい。また、混合するに際しては、別々の容器に保持した主剤[A1]と硬化剤[B1]を混合機に液送し、インラインで混合する方法なども、好適に用いられる。
主剤[A1]は、50℃の温度における粘度が1〜30000mPa・sであることが必須であり、好ましくは1〜15000mPa・sであり、より好ましくは1〜6000mPa・sである。すなわち、主剤[A1]の粘度が1mPa・s以上とすることで、揮発性の高い低分子量の化合物の配合量を抑制し、成形中の主剤[A1]の蒸発を抑制することができ、30000mPa・s以下とすることで、強化繊維への含浸性に優れるエポキシ樹脂組成物を得ることができる。ここで、粘度の測定はJIS Z8803(1991)における「円すい−平板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、標準コーンローター(1°34’×R24)を装着したE型粘度計((株)トキメック製、TVE−30H)を使用して、回転速度50回転/分で測定する。なお、粘度はエポキシ樹脂組成物を調整後、測定温度で5分間保持した後に測定するものとする。
主剤[A1]の50℃の温度における粘度を1〜30000mPa・sの範囲とするためには、50℃において液状のエポキシ樹脂を主剤[A1]100重量部中に40〜100重量部配合することが好ましく、60〜100重量部であればさらに好ましい。
主剤[A1]を構成する構成要素[A]とは、1分子中にエポキシ基を2つ以上、かつ芳香環を1つ以上有するエポキシ樹脂である。ここで、エポキシ樹脂とは、分子内にエポキシ基を有する化合物を指す。
構成要素[A]としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、2,2’,6,6’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテル、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−4−アミノ−3−メチルフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタンのトリグリシジルエーテル、テトラキス(p−ヒドロキシフェニル)エタンのテトラグリシジルエーテル、フェノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエーテル、フェノールとジシクロペンタジエンの縮合物のグリシジルエーテル、ビフェニルアラルキル樹脂のグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、5−エチル−1,3−ジグリシジル−5−メチルヒダントイン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとトリレンイソシアネートの付加により得られるオキサゾリドン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。構成要素[A]としては、特に1分子中にエポキシ基を3つ以上、かつ芳香環を1つ以上有するエポキシ樹脂が、耐熱性の高い硬化物が得られるため好ましい。
かかる1分子中にエポキシ基を3つ以上、かつ芳香環を1つ以上有するエポキシ樹脂としては、次式(I)で示されるエポキシ樹脂が好ましく用いることができる。
Figure 2012041486
ここで、構造式(I)で示されるエポキシ樹脂において、R〜Rが水素であれば高Tgの硬化物を得ることができ、また、R〜Rの少なくとも1つが炭素数1〜4のアルキル基であれば、高Tgを維持しつつ、粘度が低下することで取扱い性が向上する。また、R〜Rの少なくとも1つがハロゲンであれば、得られる硬化物に難燃性を付与することができる。
式(I)で示される4官能エポキシ樹脂としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−3,3’−ジブロモ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂を挙げることができる。
また、50℃において液状のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。特にN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノールが、低粘度でありながらも耐熱性の高い硬化物が得られるため好ましい。
構成要素[A]の配合量は主剤[A1]100重量部に対して40〜100重量部、好ましくは51〜100重量部であることが好ましい。この範囲内において、耐熱性および弾性率に優れた硬化物を得ることができる。
さらには、構成要素[A]が1分子中にエポキシ基を3つ以上、かつ芳香環を1つ以上有するエポキシ樹脂である場合や、式(I)で示されるエポキシ樹脂である場合、その配合量が主剤[A1]100重量部中に40〜100重量部であることが必須であり、好ましくは、70〜100重量部であり、特に好ましいのは80〜100重量部である。配合量が適正範囲内である場合、耐熱性および弾性率が非常に優れる硬化物を得ることができる。
主剤[A1]には、50℃の温度における粘度が適正範囲を外れない範囲において可塑剤、染料、顔料、無機充填材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カップリング剤、界面活性剤などを必要に応じて含むことができる。また、コアシェルポリマー粒子などの高靱性化剤を含むことができる。
硬化剤[B1]は、25℃の温度における粘度が1〜50000mPa・sであることが必須であり、好ましくは1〜30000mPa・s、より好ましくは1〜10000mPa・sである。すなわち、硬化剤[B1]の粘度が1mPa・s以上とすることで、揮発性の高い低分子量の化合物の配合量を抑制し、成形中の主剤組成物[A1]の蒸発を抑制することができ、50000mPa・s以下とすることで、強化繊維への含浸性に優れるエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
硬化剤[B1]の25℃の温度における粘度を1〜50000mPa・sの範囲とするためには、硬化剤[B1]100重量部中に構成要素[B]を30〜100重量部配合することで達成できる。
硬化化合物として、ジアミノジフェニルスルホンやジアミノジフェニルメタンなどの固形芳香族アミン化合物を用いると、耐熱性や弾性率などが優れた硬化物を得ることができる。しかしながら、これらの固形芳香族アミン化合物は結晶性が強く、単独では25℃の温度で固形のため、RTMには使用できない。また、液状とするため液状芳香族アミン化合物と高温で混合しても、低温で長時間保管すると結晶体として析出するという問題があった。
ところが、これらの固形芳香族アミン化合物は複数種の異性体、例えば、ジアミノジフェニルスルホンなら、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンと4,4’−ジアミノジフェニルスルホンの2つの異性体を組み合わせて、液状芳香族アミン化合物と混合すると、単一の異性体と液状芳香族アミン化合物の組み合わせより、はるかに結晶体の析出が起こりにくくなる。
この方法でジアミノジフェニルスルホンやジアミノジフェニルメタンの配合量を単一異性体より増やすことが可能であるが、ジアミノジフェニルスルホンやジアミノジフェニルメタンの配合量は硬化剤中に40重量%が限界であり、硬化物の物性を大きく向上させるまでには至っていない。
しかしながら、アルキル基が置換しているジアミノジフェニルメタン(以下、アルキル置換ジアミノジフェニルメタンと略記する)は、置換基であるアルキル基が立体障害を起こし、分子の配列を乱す効果があるため、液状芳香族アミン化合物への溶解性が向上する。現在、市販されているアルキル置換ジアミノジフェニルメタンにおいて、立体障害が大きいアルキル基はイソプロピル基である。
以上の理由により、本発明では硬化剤[B1]を構成する構成要素[B]としては3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンと3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンの2つのアルキル置換ジアミノジフェニルメタンを用いる。これらのアルキル置換ジアミノジフェニルメタンは混合物である。これらのアミン化合物は、分子内のフェニル基にイソプロピル基が結合しており、イソプロピル基の立体障害により、アルキル基が置換していないジアミノジフェニルスルホンより結晶性を低下させている。また、立体障害の大きいイソプロピル基を有する2種類のアミン化合物を組み合わせる相乗効果によって、結晶体の再析出を防止して、長期保存性を向上することができる。
構成要素[B]において、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンの配合量が、構成要素[B]100重量部中に30〜95重量部であることが必須であり、好ましくは60〜85重量部、より好ましくは、75〜85重量部である。3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンの配合量を30重量部以上とすることにより、耐熱性、弾性率に優れた硬化物を得ることができ、さらには30〜95重量部の範囲とすることで、2つの異性体を配合することによる結晶体の析出抑制効果を得ることができ、液状芳香族アミン化合物と混合して液状化した後、25℃の温度で長期間結晶体の析出なく保管することが可能となる。
構成要素[C]は、硬化剤[B1]を25℃で液状化させるために配合されるものであり、具体的には25℃において、粘度が1〜2000mPa・sであることを必須とするアミン化合物であり、好ましくは1〜1500mPa・s、より好ましくは1〜1000mPa・sであるアミン化合物である。ここで、25℃の温度における粘度は、JIS Z8803(1991)における「円すい−平板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、標準コーンローター(1°34’×R24)を装着したE型粘度計((株)トキメック製、TVE−30H)を使用して、回転速度50回転/分で測定する。なお、粘度はエポキシ樹脂組成物を調整後、測定温度で5分間保持した後に測定するものとする。
構成要素[C]の25℃の温度における粘度が1mPa・s未満とすることは実質的に困難であることから1mPa・s以上とし、2000mPa・s以下とすることで、得られる硬化剤[B1]の粘度を下げ、主剤[A1]と混合して得られたエポキシ樹脂組成物が、強化繊維への含浸性に優れたものとなる。
構成要素[C]は、その配合量が硬化剤[B1]100重量部中に10〜70重量部であることが必須であり、好ましくは10〜50重量部、さらに好ましくは10〜30重量部である。構成要素[C]の配合量を10重量部以上とすることで、得られる硬化剤[B1]の粘度を十分下げることができ、50重量部以下とすることで耐熱性、弾性率およびタフネスの低下を最小限に抑えることができる。
得られる硬化物の耐熱性、弾性率およびタフネスの低下を最小限に抑えることができることから、構成要素[C]におけるアミン化合物は芳香族アミン化合物であることが好ましい。硬化剤[B1]を構成する構成要素[C]とは、例えば、ヘキサメチレンジアミン、1,3−ペンタンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン化合物や、イソホロンジアミン、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン、4、4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンなどの脂環式ジアミン化合物などが挙げられる。さらには、2,2’−ジエチルジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(N−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N−エチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(N−sec−ブチルアニリン)、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンおよびこれらの混合物を挙げることができる。
さらに、構成要素[C]におけるアミン化合物は次式、(II)、(III)、(IV)のいずれかで示される芳香族ジアミン化合物およびこれらの混合物であることが好ましい。
Figure 2012041486
Figure 2012041486
Figure 2012041486
(上記化学式中R〜R16は、それぞれ水素、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基から選ばれる置換基である。)
ここで、高Tgの硬化物が得られるという観点からR〜R16が水素、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。また、難燃性を付与できるという観点からR〜R16の少なくとも1つがハロゲンであることが好ましい。
なかでも、2,4−ジエチル−6−メチル−m−フェニレンジアミン、4,6−ジエチル−2−メチル−m−フェニレンジアミン、4,6−ジエチル−m−フェニレンジアミンなどのジエチルトルエンジアミンを用いることが好ましい。この場合、高Tg、高弾性率のエポキシ樹脂硬化物が得られる。かかる芳香族ジアミン化合物としては三菱化学(株)製の“jERキュア” (登録商標)Wやハンツマン・ジャパン社製の“Aradur” (登録商標)5200USを用いることができる。
硬化剤[B1]は、構成要素[B]、構成要素[C]以外のアミン化合物を含むこともできる。その他のアミン化合物としては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどの固形芳香族アミン化合物が挙げられる。
また、硬化剤[B1]は、硬化促進剤、可塑剤、染料、顔料、無機充填材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、カップリング剤、界面活性剤などを必要に応じて含むことができる。また、コアシェルポリマー粒子などの高靱性化剤を含むことができる。
硬化剤[B1]は、構成要素[C]に構成要素[B]、場合によりその他の成分を溶解させ液状化することで得ることができる。
例えば、所定量の構成要素[C]に、構成要素[B]である3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンと3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンをそれぞれ所定量投入し、攪拌しながら130〜150℃の温度まで加熱して溶解させ、25℃まで冷却することで硬化剤[B1]を得ることができる。
また、構成要素[B]である3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンと3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンをそれぞれ所定量混ぜ合わせた後、この混合物を50℃〜200℃の温度で加熱攪拌することで液状化することができる。得られた液状の構成要素[B]は25℃でも終日は液状の状態を保っている。次いで、得られた液状の構成要素[B]と構成要素[C]を所定の割合で混合することで硬化剤[B1]を得ることができる。このとき、液状の構成要素[B]と構成要素[C]を混合する温度は50〜100℃の比較的低温で、且つ、短時間で硬化剤[B1]を得ることができる。
硬化剤[B1]は、このように、構成要素[B]を構成要素[C]に50℃〜200℃に加熱し溶解させて得ることができるが、溶解後に25℃まで冷却し、それを25℃にて30日保管した後にレーザー顕微鏡を用いて倍率50倍においての観察でも構成要素[B]の結晶体が確認できないという長期保存性を有していることが好ましい。より好ましくは365日以上保管した後に構成要素[B]の結晶体が確認できないことである。構成要素[B]の結晶体が析出した場合、そのままの状態で主剤[A1]と混合してエポキシ樹脂組成物として使用すると、強化繊維への含浸不良が発生し、得られる繊維強化複合材料の物性が低下する恐れがある。また、一度析出した結晶体は、加熱してもなかなか再溶解しないことが一般的に知られており、再溶解にはコストが大きくかかることもある。
なお、長期保存性の評価については、硬化剤組成物[B1]40mlを50ml入りのガラス瓶に秤量し、25℃の温度環境下に保管し、所定時間毎に0.3gを採取し、2枚のガラスプレートに挟み、キーエンス社製のレーザー顕微鏡VK−9510などのレーザー顕微鏡を用い、倍率50倍において結晶体の有無を確認した。この測定において、結晶体が析出するまでの時間を、硬化剤の液状保持時間とした。
本発明において主剤[A1]と、硬化剤組成物[B1]はそれぞれ予め調合し、使用するまでは[A1]と[B1]を別々に保管しておく。そして、使用前に[A1]と[B1]の二液を混合してエポキシ樹脂組成物を得るが、速やかに混合できることから、30〜90℃の温度に加熱した状態で混合することが好ましい。また、混合するに際しては、別々の容器に保持した主剤[A1]と硬化剤[B1]を混合機に液送し、インラインで混合する方法が好適に用いられる。
また、二液型エポキシ樹脂組成物とは、主剤と硬化剤とが、成形などに使用するまでは混合されていなければよく、複数の主剤や複数の硬化剤を用いて三液や四液となっていても二液型エポキシ樹脂組成物というし、主剤と硬化剤以外に硬化促進剤、離型剤、高靱性化剤、接着向上剤などの第3の液や第4の液を用いても二液型エポキシ樹脂組成物であることに変りはない。
本発明で得られる二液型エポキシ樹脂組成物は、主剤[A1]と硬化剤[B1]を所定の割合で混合することにより硬化が可能となる。具体的には主剤[A1]に含まれるエポキシ基の数と、硬化剤[B1]に含まれる活性水素の数の比率を、好ましくは0.7〜1.3、より好ましくは0.8〜1.2となるように混合する。すなわち、かかる比率を0.7〜1.3の範囲とすることで、さらに高Tg、高弾性率の硬化物が得られる。
混合する時の温度は25℃でも良いが、混合時間が短縮できることから40〜80℃の温度にて行うことが好ましい。
主剤[A1]と硬化剤[B1]を混合して得られる二液型エポキシ樹脂組成物の70℃の温度における粘度は、250mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは150mPa・s以下である。
70℃における粘度が250mPa・s以下とすることにより、さらに強化繊維への含浸性が優れ、品位の優れる繊維強化複合材料が得られる。
本発明で得られる二液型エポキシ樹脂組成物を、航空機部材に用いる場合、通常、最終硬化が160〜200℃の温度にて、0.5〜2時間で硬化が行われる。
本発明で得られる二液型エポキシ樹脂組成物を、180℃で2時間硬化した硬化物のゴム状態弾性率は22〜4MPaであることが好ましく、18〜4MPaであればより好ましい。なお、ゴム状態弾性率の測定はJIS K7244−7(2007)に従い、動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社製、ARES−2KFRTN1−FCO−STD)を使用して、サンプル厚み2.0mm、幅12.7mm、スパン長40mmとし、ねじり振動周波数1.0Hz、発生トルク3〜200gf・cm、昇温速度5.0℃/分の条件下で、−40〜300℃の温度範囲で動的ねじり測定(DMA測定)を行い、温度−30〜290℃の貯蔵弾性率を求める。得られた貯蔵弾性率の低温側のベースラインと、貯蔵弾性率が急激に変化する部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度とし、ガラス転移温度を50℃上回る温度での貯蔵弾性率をゴム状態弾性率と定義する。
ゴム状態弾性率は硬化物の架橋密度と比例関係にあり、また、タフネスは硬化物の架橋密度と反比例関係があるため、ゴム状態弾性率とタフネスには反比例の関係が成り立つ。よって、ゴム状態弾性率が22〜4MPaである場合、架橋密度が十分低く、タフネスに優れるエポキシ樹脂硬化物が得られる。
また、本発明で得られる二液型エポキシ樹脂組成物を、180℃で2時間硬化した硬化物の25℃における曲げ弾性率は2.6〜4.5GPaの範囲にあることが好ましく、3.0〜4.5GPaの範囲であれば、さらに好ましい。なお、曲げ弾性率の測定は得られた硬化物から厚さ2mm、幅10mm、長さ60mmのサンプルを切り出し、25℃の温度にて、材料万能試験機(例えば、インストロン・ジャパン(株)製、“インストロン”(登録商標)5565型P8564)を用い、試験速度2.5mm/分、支店間距離32mmで曲げ試験を行い、JIS K7171−1994に従って曲げ弾性率を求めた。
曲げ弾性率が2.6GPa以上の場合、圧縮強度に優れた繊維強化複合材料が得られ、4.5GPa以下の場合、さらに耐衝撃性、耐疲労性に優れる繊維強化複合材料が得られる。
本発明で得られる二液型エポキシ樹脂組成物を、シート状の強化繊維に含浸させて後、加熱硬化させることで繊維強化複合材料を製造することができる。繊維強化複合材料を得る具体的方法としては、例えば、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法、プルトルージョン法、RTM法などが挙げられる。なかでも、複雑形状の繊維強化複合材料を効率よく得られるという観点から、RTM法を用いることが好ましい。ここで、RTM法とは型内に配置したシート状の強化繊維、いわゆる強化繊維基材を型内に配置し、その型内に液状のエポキシ樹脂組成物を注入して、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物を含浸させて後、加熱硬化して繊維強化複合材料を得る方法を意味する。
本発明において、RTM法に用いる型は、剛性材料からなるクローズドモールドを用いてもよく、剛性材料のオープンモールドと可撓性のフィルム(バッグ)を用いることも可能である。後者の場合、強化繊維基材は、剛性材料のオープンモールドと可撓性フィルムの間に設置することができる。剛性材料としては、スチールやアルミニウムなどの金属、繊維強化プラスチック(FRP)、木材、石膏など既存の各種のものが用いられる。可撓性のフィルムの材料には、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などが用いられる。
RTM法において、剛性材料のクローズドモールドを用いる場合は、加圧して型締めし、繊維強化複合材料エポキシ樹脂組成物を加圧して注入することが通常行われる。このとき、注入口とは別に吸引口を設け、真空ポンプに接続して吸引することも可能である。吸引を行い、特別な加圧手段を用いることなく大気圧のみでエポキシ樹脂組成物を注入することも可能である。この方法は、複数の吸引口を設けることにより大型の部材を製造することができるため、好適に用いることができる。
RTM法において、剛性材料のオープンモールドと可撓性フィルムを用いる場合は、通常、吸引を行い、特別な加圧手段を用いることなく大気圧のみでエポキシ樹脂を注入する。大気圧のみでの注入で良好な含浸を実現するためには、樹脂拡散媒体を用いることが有効である。さらに、強化繊維からなる繊維基材あるいはプリフォームの設置に先立って、剛性材料の表面にゲルコートを塗布することが好ましく行われる。
なお、型として剛性材料のクローズドモールドを用いる場合、型内とは、当該クローズドモールドで形成されるキャビティー内のことを意味し、剛性材料のオープンモールドと可撓性フィルムを用いる場合、型内とは、当該オープンモールドと可撓性フィルムに囲まれる空間内のことを意味する。
RTM法において、強化繊維基材にエポキシ樹脂組成物を含浸した後、加熱硬化が行われる。加熱硬化時の型温は、通常、エポキシ樹脂組成物の注入時における型温より高い温度が選ばれる。加熱硬化時の型温は80〜200℃であることが好ましい。加熱硬化の時間は1〜20時間が好ましい。加熱硬化が完了した後、脱型して繊維強化複合材料を取り出す。その後、得られた繊維強化複合材料をより高い温度で加熱して後硬化を行ってもよい。後硬化の温度は150〜200℃が好ましく、時間は1〜4時間が好ましい。
本発明において、RTM法の一種である、例えば、VaRTM法、SCRIMP(Seeman’s Composite Resin Infusion Molding Process)法、特表2005−527410記載の樹脂供給タンクを大気圧よりも低い圧力まで排気し、循環圧縮を用い、かつ正味の成形圧力を制御することによって、樹脂注入プロセス、特にVaRTM法をより適切に制御するCAPRI(Controlled Atmospheric Pressure Resin Infusion)法などを好適に用いることができる。
このようなRTM法により繊維強化複合材料を製造するに際し、強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などが使用できる。なかでも特に軽量でありながら、強度、弾性率などの機械特性に優れる繊維強化複合材料が得られるという観点から炭素繊維が好ましく用いられる。
炭素繊維としては、アクリル系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維が挙げられ、なかでも引張強度の高いアクリル系の炭素繊維が好ましく用いられる。
本発明で用いる炭素繊維としては、成形された構造部材の特性と重量との観点から、200GPa〜400GPaの範囲であることが好ましい。弾性率がこの範囲より低いと、構造部材の剛性が不足し軽量化が不十分となる場合があり、逆に弾性率がこの範囲より高いと、一般に炭素繊維の強度が低下する傾向がある。より好ましい弾性率は、250GPa〜370GPaの範囲内である。ここで、炭素繊維の引張弾性率は、JIS R7601−2006に従い測定される。
また、本発明で用いる炭素繊維としては、6,000〜70,000フィラメントで構成されたストランドであり、繊度が400〜5,000texの範囲であることが好ましく、より好ましくは12,000〜25,000フィラメントで構成されたストランドであり、繊度が800〜1,800texである。ここで、繊度とは炭素繊維ストランド1000m当たりの重量(以下、texと言う)を指す。炭素繊維フィラメント数および繊度がかかる範囲とすることにより、炭素繊維ストランドの屈曲が小さな強化繊維基材が得られ、圧縮強度などの機械特性に優れる繊維強化複合材料が得られる。
強化繊維は、前記強化繊維単独または複数種、さらには他の化学繊維などと組み合わせて強化繊維基材として用いる。かかる強化繊維基材としては、少なくとも炭素繊維を有するものであることが好ましい。強化繊維基材としては、強化繊維がほぼ同方向に引き揃えられたものや、織物、ニット、ブレイド、マットなどを用いることができる。なかでも高い力学物性および強化繊維の繊維体積含有率が高い繊維強化複合材料が得られるという観点から、強化繊維が実質的に一方向に配向されており、ガラス繊維または化学繊維で固定された、いわゆる一方向織物が好ましく用いられる。また、一方向に配列された強化繊維束と異なる方向に少なくとも2層以上が交差積層され、補助繊維糸(ステッチ糸)からなる経編により一体化された、いわゆる多軸ステッチ基材なども好適に用いることができる。
本発明における強化繊維基材には、強化繊維の配向ズレ防止、強化繊維基材同士の仮接着および得られる繊維強化複合材料の耐衝撃性を向上させるなどの目的のため、バインダーを適宜付着させておくことができる。バインダーの組成に特に制限がなく、熱可塑性樹脂を主成分としたものや、熱硬化性樹脂を主成分として硬化性があるものおよび硬化性がないものなど、既存のものが使用できる。
本発明で得られる繊維強化複合材料は、強化繊維の繊維体積含有率が45〜70%の範囲内であることが好ましく、50〜65%の範囲内であることがより好ましく、さらには55〜60%の範囲内であることが好ましい。繊維体積含有率が45%以上の場合、さらに高弾性率であり軽量化効果に優れる繊維強化複合材料が得られ、70%以下の場合、強化繊維同士の擦過による強度低下がなく、さらに引張強度などの力学特性に優れる繊維強化複合材料が得られる。
本発明にて得られる二液型エポキシ樹脂組成物は、主剤と硬化剤を別々に製造、保管することで長期保存性に優れており、該主剤組成物と硬化剤組成物を混合したエポキシ樹脂組成物は低粘度であるため、大型の繊維強化複合材料をより効率よく得ることができる。また、該エポキシ樹脂組成物を用いて、本発明にて製造した繊維強化複合材料は、圧縮強度が特に優れ、かつ、耐衝撃性、耐疲労性が特に優れるため、胴体、主翼、尾翼、動翼、フェアリング、カウル、ドア、座席、内装材などの航空機部材、モーターケース、主翼などの宇宙機部材、構体、アンテナなどの人工衛星部材、外板、シャシー、空力部材、座席などの自動車部材、構体、座席などの鉄道車両部材、船体、座席などの船舶部材など多くの構造材料に好ましく用いることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。実施例で用いた樹脂原料、エポキシ樹脂組成物の調整法、硬化物の作製法、各特性の測定法を次に示した。
<樹脂原料> エポキシ樹脂組成物の調整のための樹脂原料には次の市販品を用いた。
(1)主剤の原料(エポキシ樹脂)
(a)構成要素[A]であるエポキシ樹脂
・“アラルダイト” (登録商標)MY721(N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、エポキシ当量:113g/mol、ハンツマン・ジャパン社製)
・“jER” (登録商標)825(ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、エポキシ当量:175g/mol、三菱化学(株)製)。
(b)その他のエポキシ樹脂
・“ヘロキシ” (登録商標)107(シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル:脂肪族エポキシ樹脂、エポキシ当量:160g/mol、三菱化学(株)製)。
(2)硬化剤の原料
(a)構成要素[B]である芳香族アミン化合物
・“ロンザキュア” (登録商標) M−MIPA(3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、活性水素当量:78g/mol、固形(融点:72℃)、ロンザジャパン(株)製)
・“ロンザキュア” (登録商標)M−DIPA(3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、活性水素当量:93g/mol、固形(融点:30℃)、ロンザジャパン(株)製)。
(b)構成要素[C]であるアミン化合物
・“jERキュア” (登録商標)W(2,4−ジエチル−6−メチル−m−フェニレンジアミンと4,6−ジエチル−2−メチル−m−フェニレンジアミンを主成分とする混合物、活性水素当量:45g/mol、液状(25℃での粘度:100〜400mPa・s)、三菱化学(株)製)
・“カヤハード” (登録商標) A−A(2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(活性水素当量:64g/mol、液状(25℃での粘度:2000〜3000mPa・s)、日本化薬(株)製)。
・“アンカミン” (登録商標)2049(4、4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)[脂環式アミン化合物]、活性水素当量:60g/mol、エアープロダクツジャパン(株)製)。
(c)その他のアミン化合物
・“ロンザキュア” (登録商標) M−DEA(3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、活性水素当量:78g/mol、固形(融点:88℃)、ロンザジャパン(株)製)
・“キュアハード” (登録商標)MED−J(3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、活性水素当量:71g/mol、固形(融点温度:84℃)、イハラケミカル(株)製)。
<二液型エポキシ樹脂組成物の調整>
表1〜4に示すエポキシ樹脂組成物を次の手順で調整した。70℃に加熱した主剤の原料(エポキシ樹脂)を300ml入りのステンレスビーカーに所定量秤量し、均一になるまでスパチュラを用いて撹拌して、主剤を得た。硬化剤の原料を300ml入りのステンレスビーカーに所定量秤量し、50℃〜200℃に加熱して、固形物が溶解するまでスパチュラを用いて撹拌し、硬化剤を得た。次に、70℃に加熱した主剤、硬化剤を混合し、均一になるまでスパチュラを用いた撹拌をして、エポキシ樹脂組成物を得た。
<硬化剤の液状保持時間測定>
硬化剤40mlを50ml入りのガラス瓶に秤量し、25℃温度環境下に保管し、所定時間毎に0.3gをサンプリングし、結晶体析出の有無を確認した。サンプリングした硬化剤を2枚のガラスプレートに挟み、キーエンス社製のレーザー顕微鏡VK−9510を用い、倍率50倍において結晶体析出の有無を確認した。この測定において、結晶体が析出するまでの時間を、硬化剤の液状保持時間とした。
<エポキシ樹脂組成物の70℃における粘度測定>
エポキシ樹脂組成物の70℃における初期粘度を、JIS Z8803(1991)における「円すい−平板形回転粘度計による粘度測定方法」に従い、標準コーンローター(1°34’×R24)を装着したE型粘度計((株)トキメック製、TVE−30H)を使用して、回転速度50回転/分で測定した。なお、初期粘度はエポキシ樹脂組成物を調整後、70℃で5分間保持した後に測定した。
<エポキシ樹脂組成物の硬化物作製法>
エポキシ樹脂組成物を厚さ2mm、および6mmの板状キャビティーを備えた型内に注入し、次の条件でオーブン中にて加熱硬化して樹脂硬化板を得た。
(1)30℃から180℃までを速度1.5℃/minで昇温する。
(2)180℃で2時間保持する。
(3)180℃から30℃まで、速度2.5℃/minで降温する。
<エポキシ樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)およびゴム状態弾性率測定>
上記方法で得た厚さ2mmの樹脂硬化板から、長さ55mm、幅12.7mmの試験片を切り出し、JIS K7244−7(2007)に従い、動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社製、ARES−2KFRTN1−FCO−STD)を使用して、ねじり振動周波数1.0Hz、発生トルク3〜200gf・cm、昇温速度5.0℃/分の条件下で、−40〜300℃の温度範囲で動的ねじり測定(DMA測定)を行い、−30〜290℃の温度範囲における貯蔵弾性率を求める。得られた温度−貯蔵弾性率曲線において低温側のベースラインと、貯蔵弾性率が急激に変化する部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とし、ガラス転移温度を50℃上回る温度での貯蔵弾性率をゴム状態弾性率とした。
<エポキシ樹脂硬化物の曲げ弾性率測定>
上記方法で得た厚さ2mmの樹脂硬化板から、長さ60mm、幅10mm、の試験片を切り出し、材料万能試験機(インストロン・ジャパン(株)製、“インストロン”(登録商標)5565型P8564)を用い、試験速度2.5mm/分、支点間距離32mmで3点曲げ試験を行い、JIS K7171−1994に従い、曲げ弾性率を求めた。測定温度は25℃とした。
<炭素繊維を有してなる強化繊維基材1の作製>
実施例11、比較例9、10で用いた炭素繊維を有してなる強化繊維基材1は、“トレカ”(登録商標)クロス(CK6244C)を使用した。強化繊維基材1は、PAN系の無撚糸である炭素繊維束“トレカ”(登録商標)T700S−12K(東レ(株)製、12000フィラメント)を1.31本/cmの密度で引き揃え、該繊維束を経糸と緯糸として2軸に直交した平織組織の織物である。強化繊維基材1の炭素繊維目付は210g/mであった。
<炭素繊維を有してなる強化繊維基材2の作製>
実施例12で用いた炭素繊維を有してなる強化繊維基材2は次のようにして作製した。PAN系の無撚糸である炭素繊維束“トレカ”(登録商標)T800H−6K−40B(東レ(株)製、6000フィラメント)を4.48本/cmの密度で引き揃え、該繊維束を経糸と緯糸として2軸に直交した平織組織の織物を製作し、強化繊維基材2とした。得られた強化繊維基材の炭素繊維目付は200g/mであった。
<炭素繊維を有してなる強化繊維基材3の作製>
実施例13で用いた炭素繊維を有してなる強化繊維基材3は次のようにして作製した。PAN系の無撚糸である炭素繊維束“トレカ”(登録商標)T800S−24K−10E(東レ(株)製、24000フィラメント)を1.0本/cmの密度で引き揃え、該繊維束を経糸と緯糸として2軸に直交した平織組織の織物を製作し、強化繊維基材3とした。得られた強化繊維基材の炭素繊維目付は190g/mであった。
<炭素繊維を有してなる強化繊維基材4の作製>
実施例14で用いた炭素繊維を有してなる強化繊維基材4は次のように作製した。PAN系の無撚糸である炭素繊維束“トレカ”(登録商標)T800S−24K−10E(東レ(株)製、24000フィラメント)を経糸として1.8本/cmの密度で引き揃えて一方向性シート状強化繊維束群を形成した。緯糸としてガラス繊維ECE225 1/0 1Z(日東紡(株)製)を用い、前記一方向性シート状強化繊維束群に直交する方向に3本/cmの密度で配列し、織機を用いて該経糸と該緯糸が互いに交差するように織り込み、実質的に炭素繊維が一方向に配列された平織組織の織物を作製し、強化繊維基材4とした。得られた強化繊維基材の炭素繊維目付は190g/mであった。
<炭素繊維を有してなる強化繊維基材5の作製>
実施例15で用いた炭素繊維を有してなる強化繊維基材5は次のように作製した。PAN系の無撚糸である炭素繊維束“トレカ”(登録商標)T800S−24K−10E(東レ(株)製、24000フィラメント)を経糸として1.8本/cmの密度で引き揃え、これに平行、かつ交互に配列された補助経糸としてガラス繊維束ECE225 1/0 1Z(日東紡(株)製、200フィラメント)を1.8本/cmの密度で引き揃えて一方向性シート状強化繊維束群を形成した。緯糸としてポリアミド繊維束(ポリアミド66、7フィラメント)を用い、前記一方向性シート状強化繊維束群に直交する方向に3本/cmの密度で配列し、織機を用いて該補助経糸と該緯糸が互いに交差するように織り込み、実質的に炭素繊維束が一方向に配列されクリンプの無い一方向織物を作製し、強化繊維基材5とした。得られた強化繊維基材の炭素繊維目付は190g/mであった。
<RTM法による繊維強化複合材料の作製>
繊維強化複合材料はRTM法で次のようにして作製した。400mm×400mm×1.14mmの板状キャビティーを有する金型に、395mm×395mmに切り出した強化繊維基材を、炭素繊維の経糸繊維方向を0°方向として、同一方向に引き揃えて6枚積層して、プリフォームを作製し、型締めを行った。続いて、金型を70℃の温度に加温した後、予め別途70℃の温度に加温したエポキシ樹脂組成物を、樹脂注入装置を用い、注入圧0.2MPaで型内に注入し、強化繊維基材に含浸させた。含浸後、金型を速度1.5℃/minで130℃の温度まで昇温し、130℃の温度で2時間保持した後、30℃の温度にまで降温し、脱型した。脱型後、次の条件でオーブン中にて後硬化を行い、繊維強化複合材料を得た。
(1)30℃から180℃の温度まで、速度1.5℃/minで昇温する。
(2)180℃の温度で2時間保持する。
(3)180℃から30℃の温度まで、速度2.5℃/minで降温する。
<Tg測定用試験片の作製>
上記方法で得た繊維強化複合材料を用い、90°方向を試験片の長さ方向として、長さ55mm、幅12.7mmの矩形試験片を切り出した。
<繊維強化複合材料のTg測定>
上記方法で得たTg測定用試験片を用い、SACMA SRM18R−94に準拠し、DMA法によりTgを測定した。装置は動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント社製、ARES−2KFRTN1−FCO−STD)を用いた。昇温速度は5℃/min、測定周波数は1Hzとした。得られた温度−貯蔵弾性率G’曲線におけるガラス状態での接線と転移状態での接線との交点温度値をTgとした。
<繊維強化複合材料の0°方向引張試験片の作製>
上記方法で得られた繊維強化複合材料を用い、ASTM D3039−00に準拠し、タブを接着した後、0°方向を試験片の長さ方向として、長さ254mm、幅12.7mmの矩形試験片を切り出した。
<繊維強化複合材料の0°方向引張試験>
上記方法で得られた0°方向引張試験片を用い、23℃環境下においてASTM D3039−00に準拠し、材料万能試験機(インストロン・ジャパン(株)製、“インストロン”(登録商標)5565型P8564)を用いて試験速度1.27mm/minで引張試験を実施した。サンプル数は5個とし、その平均値を用いた。
<繊維強化複合材料の0°方向圧縮試験片の作製>
上記方法で得られた繊維強化複合材料を用い、SACMA−SRM 1R−94に準拠し、タブを接着した後、0°方向を試験片の長さ方向として、長さ80.0mm、幅15.0mmの矩形試験片を切り出した。
<繊維強化複合材料の0°方向圧縮試験>
上記方法で得られた0°方向圧縮試験片を用い、23℃環境下においてSACMA−SRM 1R−94に準拠し、材料万能試験機(インストロン・ジャパン(株)製、“インストロン”(登録商標)5565型P8564)を用いて試験速度1.0mm/minで圧縮試験を実施した。サンプル数は5個とし、その平均値を用いた。
<実施例1〜3>
表1に示す樹脂原料を用いて、前記した<二液型エポキシ樹脂組成物の調整>にしたがって、主剤および硬化剤を調整後、エポキシ樹脂組成物を調整した。硬化剤の液状保持時間、エポキシ樹脂組成物の70℃における初期粘度を測定した結果を表1に示す。この結果、いずれも十分に低粘度であった。次にこの各々のエポキシ樹脂組成物から、前記した<エポキシ樹脂組成物の硬化物作製法>にしたがって、硬化物を作製し、Tg、曲げ弾性率、ゴム状態弾性率を測定した結果を表1に示す。この結果、Tg、弾性率、ゴム状態弾性率のいずれもが優れることがわかった。なかでも、実施例3は、Tg、弾性率が非常に高く、特に優れることがわかった。
<実施例4、5>
表1に示す樹脂原料を用いて、前記した<二液型エポキシ樹脂組成物の調整>にしたがって、主剤および硬化剤を調整後、エポキシ樹脂組成物を調整した。硬化剤の液状保持時間、エポキシ樹脂組成物の70℃における初期粘度を測定した結果を表1に示す。この結果、いずれも十分に低粘度であった。次にこの各々のエポキシ樹脂組成物から、前記した<エポキシ樹脂組成物の硬化物作製法>にしたがって、硬化物を作製し、Tg、曲げ弾性率、ゴム状態弾性率を測定した結果を表1に示す。この結果、Tg、弾性率、ゴム状態弾性率のいずれもが優れることがわかった。なかでも、実施例5は、実施例3.4と比べてTg、弾性率。ゴム状態弾性率に優れ、さらに硬化剤の液状保持時間が非常に優れることがわかった。
Figure 2012041486
<実施例6〜8>
表1,2に示す樹脂原料を用いて、前記した<二液型エポキシ樹脂組成物の調整>にしたがって、主剤および硬化剤を調整後、エポキシ樹脂組成物を調整した。硬化剤の液状保持時間、エポキシ樹脂組成物の70℃における初期粘度を測定した結果を表1,2に示す。この結果、いずれも十分に低粘度であった。次にこの各々のエポキシ樹脂組成物から、前記した<エポキシ樹脂組成物の硬化物作製法>にしたがって、硬化物を作製し、Tg、曲げ弾性率、ゴム状態弾性率を測定した結果を表1,2に示す。この結果、Tg、弾性率、ゴム状態弾性率のいずれもが優れることがわかった。なかでも、実施例7,8は、実施例5,6と比べてゴム状態弾性率が非常に低く、タフネスが優れることがわかった。また、実施例8は、実施例7と比べて硬化剤の液状保持時間が非常に優れることがわかった。
<実施例9、10>
表2に示す樹脂原料を用いて、前記した<二液型エポキシ樹脂組成物の調整>にしたがって、主剤および硬化剤を調整後、エポキシ樹脂組成物を調整した。硬化剤の液状保持時間、エポキシ樹脂組成物の70℃における初期粘度を測定した結果を表2に示す。この結果、いずれも十分に低粘度であった。次にこの各々のエポキシ樹脂組成物から、前記した<エポキシ樹脂組成物の硬化物作製法>にしたがって、硬化物を作製し、Tg、曲げ弾性率、ゴム状態弾性率を測定した結果を表2に示す。この結果、Tg、弾性率、ゴム状態弾性率のいずれもが優れることがわかった。なかでも、実施例10は、実施例8,9と比べてTg、弾性率が特に優れることがわかった。
Figure 2012041486
<比較例1>
表3に示す樹脂原料を用いて、前記した<二液型エポキシ樹脂組成物の調整>にしたがって、主剤および硬化剤を調整後、エポキシ樹脂組成物を調整した。硬化剤の液状保持時間、エポキシ樹脂組成物の70℃における初期粘度を測定した結果を表3に示す。この結果、十分に低粘度であった。次にこのエポキシ樹脂組成物から、前記した<エポキシ樹脂組成物の硬化物作製法>にしたがって、硬化物を作製し、Tg、曲げ弾性率、ゴム状態弾性率を測定した結果を表3に示す。この結果、Tg、弾性率が大幅に低く不十分であることがわかった。ここで用いたエポキシ樹脂組成物は、構成要素[A]を含まないものであった。
<比較例2>
表3に示す樹脂原料を用いて、前記した<二液型エポキシ樹脂組成物の調整>にしたがって、主剤および硬化剤を調整後、エポキシ樹脂組成物を調整した。硬化剤の液状保持時間、エポキシ樹脂組成物の70℃における初期粘度を測定した結果を表3に示す。この結果、十分に低粘度であった。次にこのエポキシ樹脂組成物から、前記した<エポキシ樹脂組成物の硬化物作製法>にしたがって、硬化物を作製し、Tg、曲げ弾性率、ゴム状態弾性率を測定した結果を表3に示す。この結果、ゴム状態弾性率が大幅に高く、タフネスが不十分であることがわかった。ここで用いたエポキシ樹脂組成物は、構成要素[B]を含まないものであった。
<比較例3>
表3に示す樹脂原料を用いて、前記した<二液型エポキシ樹脂組成物の調整>にしたがって、主剤および硬化剤を調整後、エポキシ樹脂組成物を調整した。硬化剤の液状保持時間、エポキシ樹脂組成物の70℃における初期粘度を測定した結果を表3に示す。この結果、十分に低粘度であったが、液状保持時間が大幅に短く不十分であることがわかった。次にこのエポキシ樹脂組成物から、前記した<エポキシ樹脂組成物の硬化物作製法>にしたがって、硬化物を作製し、Tg、曲げ弾性率、ゴム状態弾性率を測定した結果を表3に示す。ここで用いたエポキシ樹脂組成物は、構成要素[C]を含まないものであった。
<比較例4〜6>
表3に示す樹脂原料を用いて、前記した<二液型エポキシ樹脂組成物の調整>にしたがって、主剤および硬化剤を調整後、エポキシ樹脂組成物を調整した。硬化剤の液状保持時間を測定した結果を表3に示す。70℃における初期粘度を測定しようとしたが、硬化剤の液状保持時間が非常に短く、硬化剤中の固形分が析出し70℃における初期粘度測定が実施出来なかった。次にこのエポキシ樹脂組成物から、前記した<エポキシ樹脂組成物の硬化物作製法>にしたがって、硬化物を作製し、Tg、曲げ弾性率、ゴム状態弾性率を測定した結果を表3に示す。
<比較例7、8>
表3に示す樹脂原料を用いて、前記した<二液型エポキシ樹脂組成物の調整>にしたがって、主剤および硬化剤を調整後、エポキシ樹脂組成物を調整した。硬化剤の液状保持時間、エポキシ樹脂組成物の70℃における初期粘度を測定した結果を表3に示す。この結果、液状保持時間が大幅に短く不十分であることがわかった。次にこのエポキシ樹脂組成物から、前記した<エポキシ樹脂組成物の硬化物作製法>にしたがって、硬化物を作製し、Tg、曲げ弾性率、ゴム状態弾性率を測定した結果を表3に示す。ここで用いたエポキシ樹脂組成物は、構成要素[B]を含まないものであった。
Figure 2012041486
<実施例11>
実施例8で調整したエポキシ樹脂組成物と強化繊維基材1を用い、前記した<RTM法による繊維強化複合材料の作製>にしたがって、繊維強化複合材料を作製した結果、炭素繊維の体積含有率が56%である品位の良い成形体が得られた。これらの繊維強化複合材料のTg、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度を測定した結果、いずれも優れることがわかった。得られた繊維強化複合材料について測定した炭素繊維の体積含有率、Tg、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度を表4にまとめた。
<実施例12>
実施例8で調整したエポキシ樹脂組成物と強化繊維基材2を用い、RTM法で繊維強化複合材料を作製した結果、炭素繊維の体積含有率が56%である品位の良い成形体が得られた。これらの繊維強化複合材料のTg、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度を測定した結果、いずれも優れることがわかった。得られた繊維強化複合材料について測定した炭素繊維の体積含有率、Tg、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度を表4にまとめた。
<実施例13>
実施例8で調整したエポキシ樹脂組成物と強化繊維基材3を用い、RTM法で繊維強化複合材料を作製した結果、炭素繊維の体積含有率が55%である品位の良い成形体が得られた。これらの繊維強化複合材料のTg、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度を測定した結果、いずれも優れることがわかった。
なかでも実施例11〜12と比べて、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度が特にすぐれることがわかった。得られた繊維強化複合材料について測定した炭素繊維の体積含有率、Tg、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度を表4にまとめた。
<実施例14>
実施例8で調整したエポキシ樹脂組成物と強化繊維基材4を用い、RTM法で繊維強化複合材料を作製した結果、炭素繊維の体積含有率が56%である品位の良い成形体が得られた。この繊維強化複合材料のTg、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度を測定した結果、いずれもが特に優れることがわかった。
なかでも実施例13と比べて、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度が特にすぐれることがわかった。得られた繊維強化複合材料について測定した炭素繊維の体積含有率、Tg、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度を表4にまとめた。
<実施例15>
実施例8で調整したエポキシ樹脂組成物と強化繊維基材5を用い、RTM法で繊維強化複合材料を作製した結果、炭素繊維の体積含有率が56%である品位の良い成形体が得られた。この繊維強化複合材料のTg、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度を測定した結果、いずれもが特に優れることがわかった。
なかでも実施例11〜14と比べて、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度が特にすぐれることがわかった。得られた繊維強化複合材料について測定した炭素繊維の体積含有率、Tg、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度を表4にまとめた。
<比較例9>
比較例1で調整したエポキシ樹脂組成物と強化繊維基材1を用い、RTM法で繊維強化複合材料を作製した結果、炭素繊維の体積含有率が56%である品位の良い成形体が得られた。この繊維強化複合材料のTg、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度を測定した結果、Tg、0°方向圧縮強度が大幅に低く不十分であることがわかった。得られた繊維強化複合材料について測定した炭素繊維の体積含有率、Tg、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度を表4にまとめた。
<比較例10>
比較例2で調整したエポキシ樹脂組成物と強化繊維基材1を用い、RTM法で繊維強化複合材料を作製した結果、炭素繊維の体積含有率が57%である品位の良い成形体が得られた。この繊維強化複合材料のTg、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度を測定した結果、0°方向引張強度が大幅に低く不十分であることがわかった。得られた繊維強化複合材料について測定した炭素繊維の体積含有率、Tg、0°方向圧縮強度、0°方向引張強度を表4にまとめた。
Figure 2012041486

Claims (11)

  1. 構成要素[A]を含み、条件[1]を満たす主剤[A1]と、構成要素[B]および構成要素[C]を含み、条件[2]を満たす硬化剤[B1]とをそれぞれ予め調合し、使用するまでは[A1]と[B1]を別々に保管し、使用前に[A1]と[B1]を混合することを特徴とするエポキシ樹脂組成物の製造方法。
    構成要素[A]:1分子中にエポキシ基を2つ以上、かつ芳香環を1つ以上有するエポキシ樹脂。
    構成要素[B]:3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン。
    構成要素[C]:25℃において、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された粘度が1〜2000mPa・sであるアミン化合物。
    条件[1]:50℃において、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された主剤[A1]の粘度が1〜30000mPa・sである。
    条件[2]:25℃において、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された硬化剤[B1]の粘度が1〜50000mPa・sである。
  2. 硬化剤[B1]は構成要素[B]を構成要素[C]に50℃〜200℃に加熱し溶解させて得られるものであり、25℃にて30日保管した後に光学顕微鏡を用いて倍率50倍においての観察で構成要素[B]の結晶体が確認できない、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  3. 3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンの配合量が構成要素[B]100重量部に対して30〜95重量部である、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  4. 構成要素[A]が1分子中にエポキシ基を3つ以上、かつ芳香環を1つ以上有するエポキシ樹脂であり、その配合量が主剤[A1]100重量部に対して40〜100重量部である、請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  5. 構成要素[A]が次式(I)で示されるエポキシ樹脂であり、その配合量が主剤[A1]100重量部に対して40〜100重量部である、請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
    Figure 2012041486
    (上記化学式中R〜Rは、それぞれ水素、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基から選ばれる置換基である。)
  6. 構成要素[C]の配合量が硬化剤[B1]100重量部に対して10〜70重量部である、請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  7. 構成要素[C]におけるアミン化合物が芳香族アミン化合物である、請求項1〜6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  8. 芳香族アミン化合物が、次の(II)、(III)、(IV)のいずれかで示される芳香族ジアミン化合物である、請求項7に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
    Figure 2012041486
    Figure 2012041486
    Figure 2012041486
    (上記化学式中R〜R16は、それぞれ水素、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基から選ばれる置換基である。)
  9. 構成要素[A]を含み、条件[1]を満たす主剤[A1]と、構成要素[B]および構成要素[C]を含み、条件[2]を満たす硬化剤[B1]をそれぞれ予め調合し、使用するまでは[A1]と[B1]を別々に保管し、使用前に[A1]と[B1]を混合して得たエポキシ樹脂組成物を、シート状の強化繊維に含浸させて後、加熱硬化させることを特徴とする、繊維強化複合材料の製造方法。
    構成要素[A]:1分子中にエポキシ基を2つ以上、かつ芳香環を1つ以上有するエポキシ樹脂
    構成要素[B]:3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン。
    構成要素[C]:25℃において、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された粘度が1〜2000mPa・sであるアミン化合物
    条件[1]:50℃において、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された主剤[A1]の粘度が1〜30000mPa・sである。
    条件[2]:25℃において、JIS Z8803(1991)における「円すい−板形回転粘度計による粘度測定方法」に従って測定された硬化剤[B1]の粘度が1〜50000mPa・sである。
  10. 前記シート状の強化繊維は、型内に配置されており、その型内に前記エポキシ樹脂組成物を注入する、請求項9に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  11. 前記エポキシ樹脂組成物の注入に際して、前記型内を減圧吸引する、請求項10に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
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