JP2012038855A - 非晶質半導体膜の結晶化方法、並びに薄膜トランジスタ、半導体装置、表示装置、及びその製造方法 - Google Patents

非晶質半導体膜の結晶化方法、並びに薄膜トランジスタ、半導体装置、表示装置、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】同一の基板内において、半導体膜を選択的に結晶化し非晶質状態と結晶性状態の半導体膜を作り分けること、更に非晶質半導体と微結晶半導体が混在したTFTを得ることが可能となる簡便な方法を得る。
【解決手段】この発明の非晶質半導体膜の結晶化方法においては、基板1上の酸化シリコン膜31が表層となる第一の領域と窒化シリコン膜33が表層となる第二の領域に形成された非晶質半導体膜5に対して、同じ照射条件により連続的にエネルギービームLBを照射することにより、この第一の領域に形成された非晶質半導体膜5のみを結晶性半導体膜52に変換し、第二の領域に形成された非晶質半導体膜5を非晶質半導体膜51に維持するアニール工程を備えたものである。
【選択図】図2

Description

本発明は非晶質半導体膜の結晶化方法と、これを応用した薄膜トランジスタ(以下、TFT)、半導体装置、表示装置及びその製造方法に関する。
近年、画素内に配置される画素TFTと同時形成した駆動用TFTにより構成される駆動回路を画素部周辺部に作りこみ、外部に実装する駆動用ICを省略する駆動回路一体型と呼ばれる液晶表示装置が実用化されており、小型の液晶表示装置などで採用されることが多くなっている。この様な液晶表示装置においては、駆動用TFTについて、駆動回路の動作のため要求される駆動速度を実現する必要があることから、従来から画素TFTに用いられてきたアモルファスシリコンTFT(以下、アモルファスTFT)よりも駆動能力に優れる多結晶シリコンTFTが用いられることが多い。更に、画素TFTと駆動用TFTは同時に形成することが製造コスト的に有利であることから、駆動用TFTへの要求に合わせ、画素TFTについても多結晶シリコンTFTを用いることが多い。然しながら、画素TFTについては、多結晶シリコンTFTが有する高い電界効果移動度や低い閾値電圧シフトは不要であり、逆にアモルファスTFTと比べて特性バラツキやリーク電流が大きいことが、画素TFTに用いた場合に表示ムラの起因となるなど、必ずしも画素TFTに多結晶シリコンTFTを用いることは容易ではない。従って、駆動用TFTに多結晶シリコンTFTを用いるのに併せて、画素TFTにも多結晶シリコンTFTを用いるには、多結晶シリコンTFT特性バラツキやリーク電流を抑制するために最新技術の導入や並々ならない製造管理が必要となり製造コストが非常に高くなっていた。つまり、画素TFTと駆動用TFTは、其々要求されるTFT特性が異なるものに対し、両者への要求を同じTFTにより同時に満たすものを製造しようとするために、多大な労力や製造コストをかけることとなっていた。
以上説明の様な製造コストの増大を招かないために、画素TFT用には非晶質半導体膜を用いてアモルファスTFTを形成するのに並行して、駆動用TFT用には非晶質半導体膜を多結晶半導体膜に変換させて用いることにより多結晶シリコンTFTを形成し、同じ基板上において、アモルファスTFTと多結晶シリコンTFTを作り分ける方法が望まれる。この様な課題を解決する方法として、特許文献1では、非晶質半導体膜に部分的に選択してレーザー光などの強光のエネルギービームを照射し、非晶質半導体膜の一部を多結晶半導体膜に変換する結晶化アニール法について開示されている。
また、特許文献1にも開示されている通り、半導体膜と接する側のゲート絶縁膜としては、アモルファスTFTの場合には窒化シリコン膜(SiN膜)が適しており、多結晶シリコンTFTの場合には酸化シリコン膜が適している。例えば、アモルファスTFTのゲート絶縁膜を酸化シリコン膜とした場合には、閾値電圧がエンハンスする問題点に加え、負バイアスをゲート電極に印加した時に閾値電圧シフトが発生する。逆に多結晶シリコンTFTのゲート絶縁膜を窒化シリコン膜とした場合には、レーザー照射パワーを大きくするなどの調整を行ったとしても界面付近でのトラップ密度や欠陥準位が下げることができないことから、閾値電圧がディプレション側にシフトしてしまうといった問題が発生する。
また、特許文献1では、選択的にレーザーを照射させて多結晶シリコンTFTを形成しているが、例えば、液晶表示装置の駆動回路領域に対して選択的にレーザーを照射させて多結晶シリコンTFTを形成しようとする場合、駆動回路領域は連続的に配列しているわけではない。即ち、各々の駆動回路領域に対して位置合わせを行い、特定の領域に選択的にレーザー照射を行わなければならない。勿論、これら駆動回路の配置は、液晶表示装置ごとに透明絶縁性基板上で位置や領域が異なる。特に、携帯電話などに用いられる小型の液晶表示装置の場合では、駆動回路領域は狭くなり、より高いレーザー照射位置精度を必要とする。また、逆に現状のレーザー照射位置精度を考慮した上で、駆動回路領域のみを多結晶シリコンに変換しようとすると、レーザー照射位置のずれ量を見込んで駆動回路領域と表示領域を大きく離間する必要がある。従って、表示領域以外の額縁領域が大きくなってしまい、最近の液晶表示装置で求められるレベルの狭額縁化を達成することができない。更には、小型の液晶表示装置を製造する際には、一枚の透明絶縁性基板より非常に多くの台数を多面取り(同時形成)する製造方法が量産効率の点より一般的であり、この様に多面取りにより製造する場合、複数の液晶表示装置が透明絶縁性基板上にアレイ状に配置されている。このアレイ状に配置される個々の液晶表示装置が備える駆動回路領域に対して、其々レーザー照射することが必要となることから、各々の駆動回路領域に対して、位置合わせを行い、特定の領域に選択的にレーザー照射を行い、次の領域へ移動する工程を、一枚の透明絶縁性基板あたり非常に多くの回数繰り返さなければならない。従って、この様な方法を採用することは、レーザー照射処理にあまりにも時間がかかり過ぎてしまい生産性に問題があり現実的ではない。つまり、仮に駆動回路領域の位置精度を凌ぐ位置精度を有するレーザー装置ができたとしても、量産性も含めて実用化することは容易ではない。
また、選択的にエネルギービームを照射する方法としては、一部分を開口したマスクを介して、エネルギービームを照射する方法も考えられ、レーザー光以外の赤外光、フラッシュランプを使用して短時間に1000〜1200℃まで上昇させて加熱する急速加熱アニール(apid hermal nnealing:RTA)法などの基板全面にエネルギーを照射する方法にも応用可能である。しかし、一部分を開口したマスクを介してエネルギービームを照射する方法は、先に説明した生産性の問題は回避できるものの、マスクと基板の位置合わせの精度の問題が、先に説明したレーザー照射位置のずれ量の問題と同様に存在することから、やはり、狭額縁化の妨げになる。
特開平5−107560公報
本発明は、以上説明の様な問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、画素TFTなどに用いるのに適した非晶質半導体膜を能動層としたアモルファスTFTと、駆動用TFTなどに用いるのに適した結晶性半導体膜を能動層とした多結晶シリコンTFTとを同一の基板内に混在して形成させることを可能とし、同一の基板内に配置される半導体膜について、選択的に結晶化し、非晶質半導体膜と結晶性半導体膜を精度良く作り分けることのできる簡便な方法と、これを応用したTFT、半導体装置、表示装置、及びその製造方法を提供するものである。
本発明の非晶質半導体膜の結晶化方法においては、透明絶縁性基板より構成される基板上の酸化シリコン膜が表層となる第一の領域と窒化シリコン膜が表層となる第二の領域を形成する工程と、この第一の領域における第一の絶縁膜上と第二の領域における第二の絶縁膜上に其々の絶縁膜表面に接して非晶質半導体膜を形成する工程と、これら第一の領域と第二の領域に形成された非晶質半導体膜の双方に対して、同じ照射条件により連続的にエネルギービームを照射することにより、第一の領域に形成された非晶質半導体膜のみを結晶性半導体膜に変換し、第二の領域に形成された非晶質半導体膜を非晶質状態に維持するアニール工程を備えたものである。
本発明は、比較的簡便なアニール処理方法により、透明絶縁性基板より構成される基板上に非晶質半導体膜及び微結晶半導体膜を作り分けること、或いは非晶質半導体TFT及び結晶性半導体TFTを混在して備えた半導体装置を得ることが可能となる。
本実施の形態1における駆動回路一体型液晶表示装置における液晶表示パネルを示す平面図である。 本発明の実施の形態1の液晶表示装置に用いられるTFTを示す断面図である。 本発明の実施の形態1の液晶表示装置に用いられるTFTの製造方法を説明する断面図である。 本発明の実施の形態1におけるTFTの製造過程における半導体膜のラマン分析による分析データである。 本実施の形態1における液晶表示装置の製造過程におけるマザーアレイ基板の構成を示す平面概略図である。 本発明の実施の形態2の液晶表示装置に用いられるTFTを示す断面図である。 本発明の実施の形態2の液晶表示装置に用いられるTFTの製造方法を説明する断面図である。 本発明の実施の形態3の液晶表示装置に用いられるTFTを示す断面図である。 本発明の実施の形態3の液晶表示装置に用いられるTFTの製造方法を説明する断面図である。
実施の形態1.
始めに、本発明の第1の実施形態として、基板上に結晶性半導体TFTと非晶質半導体TFTを混在して備えた半導体装置の一例である駆動回路一体型の液晶表示装置に本発明を適用した場合を例にとって説明するものとする。先ず、図1は、本実施の形態1における液晶表示装置を構成する液晶表示パネルを示す平面図である。なお、図は模式的なものであり、示された構成要素の正確な大きさなどを反映するものではない。また、図面が煩雑とならない様、発明の主要部以外の省略や構成の一部簡略化などを適宜行っている。以下の図においても同様とする。更に、以下の図においては、図中、既出の図において説明したものと同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態1の液晶表示パネルでは、ガラス基板等の透明絶縁性基板より構成される二枚の基板が対向して配置されるが、図1に示す様に、一方の透明絶縁性基板より構成される基板には画像を表示する単位となる画素103に対応して液晶へ電圧印加する表示電圧の供給のオンとオフを制御するスイッチング素子となる画素TFT105が配置されている。画素TFT105は画素103ごとにアレイ状に配列していることから、この画素TFT105が配置される基板をアレイ基板100と呼ぶ。また、アレイ基板100には、画像を表示する表示領域101と表示領域101を囲むように設けられた額縁領域102とが設けられている。この表示領域101には、複数のゲート配線(走査信号線)108、複数の蓄積容量配線110、及び複数のソース配線(表示信号線)109が形成されている。
複数のゲート配線108及び複数の蓄積容量配線110は対向して配置されており、其々が平行に設けられている。ゲート配線108及び蓄積容量配線110とソース配線109とは、互いに直交するように配置されている。そして、隣接するゲート配線108及び蓄積容量配線110と、隣接するソース配線109とで囲まれた領域が画素103となる。アレイ基板100では画素103がマトリクス状に配列される。
画素103内には、少なくとも1つの画素TFT105と、画素TFT105と接続された蓄積容量107が直列に接続されるように形成されている。画素TFT105は画素電極に表示電圧を供給するためのスイッチング素子となる。画素TFT105のゲート電極はゲート配線108に接続され、ゲート配線108から供給されるゲート信号(走査信号)によって画素TFT105のオンとオフを制御している。画素TFT105のソース電極はソース配線109に接続されている。画素TFT105がオンされると画素TFT105のソース電極側からドレイン電極側に電流が流れる。これによって、ドレイン電極に接続された画素電極に表示電圧が印加される。そして、画素電極と対向電極との間に、表示電圧に応じた電界が生じる。更に、蓄積容量107は画素電極と対向電極との間に形成される容量と並列に接続されている。よって、画素電極に電圧印加されるのと同時に蓄積容量107にも電圧印加が生じ、一定時間電荷を保持することができる。
更に、アレイ基板100の額縁領域102には、駆動回路104が設けられる。例えば駆動回路には走査信号駆動回路と表示信号駆動回路がある。表示領域101内の画素TFT105と同時に形成された駆動用TFT106によって回路が構成されている。ゲート配線108は表示領域101から額縁領域102まで延設されている。そして、ゲート配線108は走査信号用の駆動回路104に接続される。また、ソース配線109は同様に表示領域101から延設され、表示信号用の駆動回路104に接続される。これら駆動回路104は外部配線111を介して外部端子に接続させる。外部端子には、プリント基板112が実装され、電気的に接続されている。
プリント基板112上には各種信号を制御するICチップ113が実装されており、それら信号として、ゲート信号(走査信号)はゲート配線108に供給され、順次、画素TFT105が選択される。同様に、ソース信号(表示信号)はソース配線109に供給され、表示データに応じた表示電圧が各画素103に供給される。また、アレイ基板100の最表面には配向膜が形成されている。アレイ基板100は以上の様に構成される。
以下、図示説明は省略するが、アレイ基板100にはガラス基板等の透明絶縁性基板より構成されるもう一枚の基板である対向基板が対向して配置されている。対向基板は、例えばカラーフィルタ基板(CF基板)であり、視認側に配置される。対向基板には、例えばガラス基板の上にカラーレジスト(色材)、ブラックマトリクス(BM)、対向電極、及び配向膜等が形成されている。なお、例えば横電界方式やフリンジフィールドスイッチング(ringe ield witching:FFS)モードの液晶表示装置の様に対向電極がアレイ基板100側に配置される場合もある。そして、アレイ基板100と対向基板との間に液晶が注入されている。アレイ基板100と対向基板との外側には、偏光板が貼り付けられており、以上の様に液晶表示パネルは構成されている。更に、以上の様に構成された液晶表示パネルの反視認側には位相差板などの光学フィルムを介して、バックライトユニットが配設される。また、液晶表示パネルとこれら周辺部材は樹脂や金属などよりなるフレーム内に適宜収納される。本実施の形態1の液晶表示装置は以上の様に構成される。
続いて、本実施の形態1の液晶表示装置の表示動作について簡単に説明する。画素電極と対向電極との電界によって、液晶が駆動される。即ち、基板間の液晶の配向方向が変化し、液晶を通過する光量が変化する。即ち、バックライトユニットから液晶表示パネルを透過する透過光のうち、視認側の偏光板を通過する光の光量が変化する。液晶の配向方向は、印加される表示電圧によって変化する。従って、表示電圧を制御することによって、視認側の偏光板を通過する光量を変化させることができる。即ち、画像として視認される光量を制御することができる。なお、この一連の動作で、蓄積容量107については表示電圧の保持に寄与する。
次に、図2を参照してアレイ基板100上に配置される、画素TFT105に用いられる非晶質半導体TFT、及び駆動用TFT106に用いられる結晶性半導体TFTの一例である微結晶半導体TFTの構成について説明する。図2は本発明の実施の形態1の液晶表示装置に用いられるTFTを示す断面図である。なお、本実施の形態1の液晶表示装置に用いられるTFTは逆スタガ構造のTFTである。
図2に示す様に、ガラスなどの透明絶縁性基板より構成される基板1上には、画素TFT105の形成される領域と駆動用TFT106の形成される領域の其々の領域(点線による波括弧と対応するTFTの符号で領域を図示している)に対して、駆動用TFT106となる微結晶半導体TFTを構成する第一のゲート電極であるゲート電極22と、画素TFT105となる非晶質半導体TFTを構成する第二のゲート電極であるゲート電極21が形成されている。なお、基板1としては、ガラスなどの透明絶縁性基板のみであっても良いし、ガラスなどの透明絶縁性基板表面に、ゲート電極21、22よりも下層において、何らかの機能を持たせた下地層やその他の構成が適宜形成されていても構わない。
そして、ゲート電極21、22を覆うように、ゲート電極21、22上を含む基板1上に第一の絶縁膜31が形成されている。第一の絶縁膜31には、酸化シリコン膜(SiO膜)を用いる。画素TFT105の形成される領域では、第一の絶縁膜31上を部分的に覆う第二の絶縁膜33として窒化シリコン膜(SiN膜)が形成されている。言い換えると、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33には、駆動用TFT106の形成される領域の少なくともゲート電極22上を含む領域において開口部34が形成されている。なお、開口部34については、特に第二の絶縁膜33により囲まれる開口部に限られず、部分的に形成された第二の絶縁膜33が形成されない、即ち、第二の絶縁膜33により覆われない領域の全てが該当する。また、以上の構成により、駆動用TFT106となる微結晶半導体TFTを構成するゲート絶縁膜である第一のゲート絶縁膜42は、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31により構成され、画素TFT105となる非晶質半導体TFTを構成するゲート絶縁膜である第二のゲート絶縁膜41は、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31と窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33との積層膜により構成される。
更に画素TFT105の形成される領域では、第二の絶縁膜33により覆われる領域の第二の絶縁膜33表面上にTFTの能動層となる非晶質半導体膜51が直接接して形成されている。一方、駆動用TFT106の形成される領域では、第二の絶縁膜33により覆われない第二の絶縁膜33に形成された開口部34の領域において第一の絶縁膜31が表層となるが、その開口部34の領域における第一の絶縁膜31表面上にTFTの能動層となる微結晶半導体膜52が直接接して形成されている。この微結晶半導体膜52は、非晶質半導体膜をエキシマレーザー照射により加熱して結晶化させた結晶性半導体膜である。より具体的には、本実施の形態1における非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52としては、非晶質シリコン膜及び微結晶シリコン膜を用いている。なお、一般的には、微結晶半導体膜は多結晶半導体膜の範疇であるが、本明細書中では、100nm程度、若しくはそれ以下の略同一の大きさの小さい結晶粒により構成される結晶性半導体膜を特に区別して微結晶半導体膜と呼ぶことにする。
なお、微結晶半導体膜52の下層に形成される酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31は、第二の絶縁膜33の下層に形成され第二のゲート絶縁膜41を構成するとともに、少なくとも微結晶半導体膜52の下層に形成されていれば良い。窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33に形成される開口部34は、少なくとも微結晶半導体膜52の下層において第二の絶縁膜33が存在しない領域が形成されれば良く、逆に駆動用TFT106の形成領域となる駆動回路104全体或いは画素TFT105における非晶質半導体膜51の下を除く全ての領域に設けられても良い。更に、言い換えると窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33は、少なくとも非晶質半導体膜51の下層において設けられていれば良く、逆に画素TFT105の形成領域となる表示領域101全体或いは駆動用TFT106における微結晶半導体膜52の下を除く全ての領域に設けられても良い。
更に、画素TFT105における非晶質半導体膜51上には、非晶質半導体膜61と、二つに互いに分離して形成される不純物を含んだ非晶質半導体膜71s、71dとが積層されて構成される非晶質半導体層81が形成されている。また、駆動用TFT106における微結晶半導体膜52上にも、画素TFT105と同様に、非晶質半導体膜62と、二つに互いに分離して形成される不純物を含んだ非晶質半導体膜72s、72dとが積層されて構成される非晶質半導体層82が形成されている。ここで、非晶質半導体膜51と非晶質半導体層81は同一の平面形状にパターニングされており、同様に微結晶半導体膜52と非晶質半導体層82は同一の平面形状にパターニングされている。なお、本実施の形態1においては、画素TFT105及び駆動用TFT106に共通する非晶質半導体層81及び非晶質半導体層82に形成される不純物領域は、この様に不純物を含んだ非晶質半導体膜71s、71d及び非晶質半導体膜72s、72dを非晶質半導体層61及び非晶質半導体層62上に積層して形成される構成であるが、非晶質半導体層61及び非晶質半導体層62の一部に不純物を注入し、二つに互いに分離した不純物領域を形成しても良い。
更に、画素TFT105及び駆動用TFT106に共通して、二つに互いに分離して形成される不純物を含んだ非晶質半導体膜71s、71d(或いは72s、72d)と接して金属膜よりなるソース電極91s(或いは92s)及びドレイン電極91d(或いは92d)を形成している。ソース電極91s(或いは92s)下層の能動層領域はソース領域と呼び、ドレイン電極91d(或いは92d)下層の能動層領域はドレイン領域と呼ぶ。ソース領域及びドレイン領域に挟まれた能動層領域はチャネル領域と呼ぶ。その結果、ソース電極91s(或いは92s)及びドレイン電極91d(或いは92d)は不純物を含んだ非晶質半導体膜71s(或いは72s)及び71d(或いは72d)を介して非晶質半導体膜61(或いは62)及び非晶質半導体膜51(或いは微結晶半導体膜52)と接続されており、この不純物を含んだ非晶質半導体膜71s、71d(或いは72s、72d)はソース電極91s(或いは92s)及びドレイン電極91d(或いは92d)との接続抵抗を下げ、オーミック接続させる役割を担っている。また、非晶質半導体膜61(或いは62)は、チャネル領域では、ソース領域及びドレイン領域における膜厚に対して同じ、若しくは薄くなっている。この様にして画素TFT105及び駆動用TFT106が形成されている。
以上、構成について説明を行った画素TFT105及び駆動用TFT106の動作について簡単に説明する。画素TFT105のゲート電極21にゲート電圧を印加すると、能動層である非晶質半導体膜51におけるチャネル領域の主にゲート絶縁膜41側にチャネルが形成される。そして、ソース配線側から信号電圧を与えた場合、ソース電極91sを介してソース領域からチャネル領域のチャネル部分を介してドレイン領域に電流が流れ、ドレイン電極91dに電流が流れる。同様に駆動用TFT106についても、ゲート電極22にゲート電圧を印加すると、能動層である微結晶半導体膜52におけるチャネル領域の主にゲート絶縁膜42側にチャネルが形成される。そして、ソース電極92sを介してソース領域からチャネル領域のチャネル部分を介してドレイン領域に電流が流れ、ドレイン電極92dに電流が流れる。なお、画素TFT105及び駆動用TFT106を構成する非晶質半導体TFT及び微結晶半導体TFTにおけるソース電極91s及びドレイン電極91d或いはソース電極92s及びドレイン電極92dを能動層である非晶質半導体膜51或いは微結晶半導体膜52へ接続する接続手段としては、先に説明したとおり、接続抵抗を下げ、オーミック接続させるために不純物を含んだ非晶質半導体膜71s(或いは72s)及び71d(或いは72d)を形成する方法や非晶質半導体層61及び非晶質半導体層62の一部に不純物を注入する方法を例示した。然しながら、TFTとして最低限機能できれば良いことから、基本的には非晶質半導体TFT或いは微結晶半導体TFTにソース電極91s(或いは92s)及びドレイン電極91d(或いは92d)が電気的に接続して形成されれば良く、具体的接続手段としては何れの構成を用いても良い。
次に、本実施の形態1の液晶表示装置の製造方法について図3を用いて説明する。図3(a)〜(f)は本発明の実施の形態1の液晶表示装置に用いられるTFTの製造工程の途中段階における断面模式図である。
先ず、透明絶縁性基板より構成される基板1上にスパッタ法を用いて金属膜を成膜する。基板1としては、例えばガラス基板や石英基板を用いることができ、更にガラス基板や石英基板などの透明絶縁性基板表面に金属膜の形成前に何らかの機能を持たせた下地層やその他の構成などを形成しておいても良い。金属膜としては、アルミニウム(Al)若しくはそれを含む合金、好ましくは高融点金属であるモリブデン(Mo)、クロム(Cr)などを用いることができる。金属膜として高融点金属を用いることにより、後のレーザー照射において熱ダメージによる損傷を抑えることができる。そして、金属膜上に、感光性樹脂であるフォトレジストをスピンコートによって塗布し、塗布したフォトレジストを露光、現像する第一のフォトリソ工程(写真製版工程)を行う。これにより所望の平面形状にフォトレジストがパターニングされる。その後、フォトレジストをマスクとして、金属膜をエッチングし、所望の形状にパターニングする。その後、フォトレジストパターンを剥離する。これにより、ゲート電極21及び22がパターニング形成される。なお、ゲート電極21及び22の端面はテーパー形状とすることが望ましい。テーパー形状とすることにより、以後に行われる成膜の被膜性が向上する。例えば、以後に行われる酸化シリコン膜の成膜の場合、被膜性が良くなり絶縁耐圧が向上するという効果を奏する。この様に後に画素TFT105の形成される領域と駆動用TFT106の形成される領域の其々の領域(点線による波括弧と対応するTFTの符号で領域を図示している)に対して、ゲート電極21及び22が形成され、続いて、形成されたゲート電極21及び22上を含む基板1上に、プラズマCVD法を用いて第一の絶縁膜31として酸化シリコン膜を、例えば、200nmの膜厚に成膜する。更に第一の絶縁膜31上に窒化シリコン膜32を、例えば、100nmの膜厚に成膜する。そして第二のフォトリソ工程によって、図中点線による波括弧と105を付している領域、即ち、後に画素TFT105の形成される領域にフォトレジストPRを形成する。以上の工程により、図3(a)に示す構成となる。
続いて、フォトレジストPRをマスクとして、窒化シリコン膜32をエッチング除去し、開口部34を形成する。これにより、開口部34を有し、第一の絶縁膜31上を部分的に覆う第二の絶縁膜33が形成される。この窒化シリコン膜32をエッチング除去し、第二の絶縁膜33を形成する工程では、窒化シリコン膜32のエッチング速度は酸化シリコン膜のエッチング速度と比べ速いことから、窒化シリコン膜32のエッチング終了直後のオーバーエッチ時において、下層の酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31の表層が当該エッチングに曝されることにより生ずる第一の絶縁膜31表層の削れ量を低く抑えることができる。その結果、駆動用TFT106の領域では良質の酸化シリコン膜表面を露出できる。以上の工程により、図3(b)に示す様に、駆動用TFT106の第一のゲート電極22上には、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31により構成される第一のゲート絶縁膜42が、画素TFT105の第二のゲート電極21上には、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31と窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33との積層膜により構成される第二のゲート絶縁膜41が其々形成される。
そして、以上の様に開口部34の領域である第二の絶縁膜33により覆われず第一の絶縁膜31が表層となる領域と、それ以外の第二の絶縁膜33により覆われ第二の絶縁膜33が表層となる領域を備えた下地膜の構成が形成された透明絶縁性基板より構成される基板1上に非晶質半導体膜5を成膜する。本実施の形態1においては、非晶質半導体膜5は、例えば非晶質シリコン膜により基板1の略全面に渡り40nm程度の膜厚で形成される。また、非晶質半導体膜5は、第一のゲート絶縁膜42上においては、表層となる酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31表面と接し、第二のゲート絶縁膜41上においては、表層となる窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33表面と接して形成される。非晶質半導体膜5については、この後のレーザー照射によるアブレーション等を抑制する目的で300度程度の脱水素処理を行なう。以上の工程により、図3(c)に示す構成となる。
そして表面が露出した非晶質半導体膜5は自然酸化膜を形成し易いことから、フッ酸系溶液(具体的には濃度数%程度の希フッ酸やバッファードフッ酸が用いられる。)による非晶質半導体膜5表面の自然酸化膜の除去処理を行う。この自然酸化膜の除去処理は自然酸化膜の除去と同時に非晶質半導体膜5表面の大気からの汚染を取り除く効果も得られる。そして、この自然酸化膜の除去処理後直ちに、横幅を広げたラインビームに成型したエキシマレーザー光を上方からスキャンさせることにより非晶質半導体膜5に対しレーザー光LBの照射を行うアニール工程を行う。ここでは、同じ照射条件で、特に同一照射エネルギー密度にて基板1全体に対して連続的にレーザー光LBの照射を行った。以上の様にアニール工程を行うことにより、非晶質半導体膜5は、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31表面と接する領域においては微結晶状態の微結晶半導体膜52へ変換され、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33表面と接する領域においては非晶質状態に維持された非晶質半導体膜51となり、図3(d)に示す構成となる。即ち、同一照射エネルギー密度でレーザー光LBが照射されるのにも関わらず、非晶質半導体膜5から微結晶状態の微結晶半導体膜52へ変換される領域と非晶質状態に維持された非晶質半導体膜51となる領域に作り分けがされている。また、非晶質半導体膜51が得られる領域と微結晶半導体膜52が得られる領域の位置精度は、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33を部分的に形成する精度に等しく、フォトレジストPRの形成精度と窒化シリコン膜のパターニング精度に依存することから、1μm以下程度の高い位置精度で非晶質半導体膜51と微結晶半導体膜52の作り分けが可能である。
ここで微結晶半導体膜52と非晶質半導体膜51の作り分けを可能とする本実施の形態1のレーザー照射によるアニール工程について詳細な説明を加える。非晶質半導体膜5にレーザー照射がされた際、非晶質半導体膜5に吸収されたレーザー光は熱に変換される。その熱が例えば40nmに形成されている非晶質半導体膜5の加熱溶融に使われ、非晶質半導体膜5から微結晶半導体膜52への変換に寄与する。然しながら、その熱の一部は下方の基板1側に伝播してしまい非晶質半導体膜5の加熱に使われない。つまり、基板1側への伝播によりレーザー照射エネルギーの一部をロスしてしまうことになる。先ず、駆動用TFT106の領域では、レーザー照射される非晶質半導体膜5の下層に接して、先に説明したとおり、200nmの膜厚の酸化シリコン膜によりなる第一の絶縁膜31が配置されている。ここで、酸化シリコン膜は比較的熱伝導性が低いことから、この第一の絶縁膜31は、先に説明した下方の基板1側に伝播してしまう熱を基板側へ伝達することを防ぎ非晶質半導体膜5内に蓄積することができる。従って、レーザー照射によって微結晶半導体膜52へ変換するのに要するレーザー照射エネルギー密度を抑えることができる。特に、本実施の形態1では、酸化シリコン膜の膜厚は200nmと比較的厚く形成されていることから、効果的に基板側への熱の伝達を防ぎ、微結晶半導体膜52へ変換するのに要するレーザー照射エネルギー密度を大きく抑えることができる。それに対し、画素TFT105の領域では、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31上に100nmの窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33が形成されている。窒化シリコン膜は酸化シリコン膜と比べ熱伝導性が高く、先に説明した下方の基板1側への熱の伝播を防ぐ効果が弱い。従って、下方の第一の絶縁膜31や基板1に伝播してしまうことによるロスが大きく、結果として非晶質半導体膜5に対してレーザー照射により与えるエネルギーのうち微結晶半導体膜52へ変換するために使われるエネルギー効率が悪い。即ち、駆動用TFT106の領域とは逆に、微結晶半導体膜52へ変換するのに要するレーザー照射エネルギー密度は高くなる。
以上のとおり、本実施の形態1の第一の絶縁膜31、第二の絶縁膜33、及び非晶質半導体膜5の膜構成を用いた場合、画素TFT105の領域と駆動用TFT106の領域で微結晶状態へ変換するのに要するレーザー照射エネルギー密度に大きな差が生ずる。その結果、本実施の形態1の第一の絶縁膜31、第二の絶縁膜33、及び非晶質半導体膜5の膜構成に対して、駆動用TFT106の領域で微結晶状態へ変換するのに適正なレーザー照射エネルギー密度を用いた同一照射条件で、画素TFT105の領域と駆動用TFT106の領域の非晶質半導体膜5にレーザー照射された場合、駆動用TFT106の領域では、非晶質半導体膜5から微結晶半導体膜52へ変換されるのに対し、画素TFT105の領域においては、非晶質状態に維持された非晶質半導体膜51となる。具体的なレーザー照射されるエネルギー密度としては、駆動用TFT106領域の非晶質半導体膜5のみが結晶粒径が100nm以下の微結晶状態に変換するのに必要なエネルギー密度を最小値とし、画素TFT105領域の非晶質半導体膜5が非晶質状態に維持された非晶質半導体膜51となるエネルギー密度の範囲、言い換えると、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33表面と接して形成される半導体膜5を結晶性半導体膜に変換するのに必要なエネルギー密度よりも低くなるエネルギー密度の範囲を選定することで、画素TFT105の領域と駆動用TFT106で非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52を作り分けることが可能である。更に具体的には、本実施の形態1の膜構成を用いた場合180〜240mJ/cmの範囲が上記の範囲に該当し、より好ましくは200mJ/cmが最適値となる。
なお、微結晶半導体膜52の結晶粒径については100nm以下としたが、セコエッチ処理を行なった後のSEM観察や、AFM観察で結晶粒径を評価することで微結晶が得られているかどうかを適宜確認することができる。更に詳しくは、図4に示す様なラマン分析によって結晶性の評価を行なってもよい。図4(a)及び図4(b)はラマン分析データを示したものである。図4(a)のラマン分析データに示される様に、ラマンシフト520cm−1付近のラマン散乱光強度ピークから求められる結晶化率が60〜80%、好ましくは70〜80%が得られるようにレーザー照射エネルギー密度を調整することで、所望の結晶粒径を持つ微結晶半導体膜52を得ることができる。一方、図4(b)は結晶化率として90%以上が得られたものであるが、この時の照射エネルギー密度は画素TFT105領域における非晶質半導体膜5が非晶質状態に維持されず結晶化されてしまうことから、非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52を作り分けることできなくなり適性ではない。この様にラマン分析を用いた結晶性の評価を適宜用いて、画素TFT105の領域と駆動用TFT106の領域に形成される半導体膜の結晶状態を評価することにより、本実施の形態1の第一の絶縁膜31、第二の絶縁膜33、及び非晶質半導体膜5の膜構成において、各構成の膜厚などを本実施の形態より若干変更した際にも、非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52を作り分けることが可能な適正な照射エネルギー密度を試行錯誤で決定することができる。
次に、上記の様に作り分けて形成された非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52上に非晶質半導体膜6と不純物を含んだ非晶質半導体膜7を連続成膜する。更に不純物を含んだ非晶質半導体膜7上にスパッタ法で金属膜9を成膜する。続いて第三のフォトリソ工程を行なう。第三のフォトリソ工程では、公知されたハーフトーンマスク(又はスリットマスク、グレイトーンマスク)を用いて図に示す様な、異なる膜厚を有するフォトレジストPR1及びPR2を形成する。具体的には、チャネル領域となる部分の膜厚は相対的に薄く、チャネル領域となる部分の両側に互いに分離して配置される各々のソース領域、ドレイン領域となる部分の膜厚をチャネル領域となる部分の膜厚よりも厚くなるようにフォトレジストPR1及びPR2の膜厚は何れも設定される。これら膜厚の絶対値、或いは厚い部分と薄い部分の膜厚の差の設定は選択するプロセス条件に対応して任意に設定することができる。以上の工程により、図3(e)に示す構成となる。
続いて、前記フォトレジストPR1及びPR2をマスクとして、金属膜9をエッチングする。更に不純物を含んだ非晶質半導体膜7と非晶質半導体膜6、及び非晶質半導体膜51又は微結晶半導体膜52を順にエッチングして、島状の平面形状にパターニングされた非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52と、これらと同じ平面形状にパターニングされた不純物を含んだ非晶質半導体膜71と非晶質半導体膜61、及び不純物を含んだ非晶質半導体膜72と非晶質半導体膜62、更に金属膜91及び金属膜92が得られる。続いて、Oガスを用いたプラズマ処理によるアッシング処理を行うことにより、チャネル領域の膜厚が薄い部分のフォトレジストを完全に除去すると同時にそれ以外の膜厚が厚い部分では一定量残存させるようにフォトレジストPR1及びPR2を削る減厚工程を行う。その結果、チャネル領域の両側に互いに分離して配置される新たな平面形状のフォトレジストPR1’及びPR2’が不純物を含んだ非晶質半導体膜71上及び非晶質半導体膜72上、更に金属膜91及び92上に形成される。以上の工程により、図3(f)に示す構成となる。
そして新たな平面形状のフォトレジストPR1’及びPR2’によって、先に行ったエッチング同様、チャネル領域の金属膜91(或いは92)、更に不純物を含んだ非晶質半導体膜71(或いは72)をエッチング除去することにより、金属膜91(或いは92)及び非晶質半導体膜71(或いは72)をチャネル領域の両側に互いに分離させる。この様に金属膜91(或いは92)及び非晶質半導体膜71(或いは72)をチャネル領域の両側に互いに分離するためには、チャネル領域では金属膜91(或いは92)は勿論のこと、非晶質半導体膜71(或いは72)を完全に取り除く必要がある。確実に非晶質半導体膜71(或いは72)をエッチング除去できるために、通常、エッチングする際にはプロセスマージンを考慮してオーバーエッチングを行い、非晶質半導体膜61(或いは62)の一部を除去するまでエッチングを行う。但し、逆にチャネルとして機能する非晶質半導体膜61(或いは62)は残存させる必要があり、少なくとも完全にはエッチングされないようにする。この様なエッチング方法については、チャネル部分の裏側を一部エッチングして形成されることから、バックチャネルエッチプロセスと呼び、この方法を用いて形成されるTFTは、逆スタガ構造TFTの特にチャネルエッチ型TFTと呼ばれる。以上のとおり、チャネル領域の金属膜91(或いは92)及び非晶質半導体膜71(或いは72)を除去し、更に、非晶質半導体膜61(或いは62)の一部を削るエッチングが完了した後、不要となったフォトレジストPR1’及びPR2’を剥離する。この様にして、画素TFT105及び駆動用TFT106に共通して、非晶質半導体膜61(或いは62)と、二つに互いに分離して形成される不純物を含んだ非晶質半導体膜71s(或いは72s)及び71d(或いは72d)とが積層されて構成される非晶質半導体層81(或いは82)、更に、互いに分離して形成される不純物を含んだ非晶質半導体膜71s(或いは72s)及び71d(或いは72d)と接して形成されるソース電極91s(或いは92s)及びドレイン電極91d(或いは92d)が形成され、これらに挟まれたチャネル領域が形成される。以上によって、図2に示す画素TFT105に用いられる非晶質半導体TFT及び駆動用TFT106に用いられる微結晶半導体TFTを混在して備えた構成が形成される。なお、本実施の形態1においては、上記説明のとおり、非晶質半導体膜51と非晶質半導体層81を同一の平面形状にパターニングし、同様に微結晶半導体膜52と非晶質半導体層82は同一の平面形状にパターニングした構成を採用し、第三のフォトリソ工程において、ハーフトーンマスクを用いて、各半導体膜及び各半導体層の形成とソース電極及びドレイン電極の形成を共通のフォトレジストを用いて製造工程を簡略化したが、各半導体膜及び各半導体層とソース電極及びドレイン電極の形成を別々のフォトレジストを其々形成して行っても良いことは言うまでも無い。
また、図1に示す表示領域101に形成される画素103としては、絶縁膜として例えば、窒化シリコン膜を成膜し、そして第四のフォトリソ工程によってドレイン電極91d上の絶縁膜にコンタクトホールを形成する。その後、スパッタ法で絶縁膜上に透明導電膜として、例えば、ITOを成膜し、第五のフォトリソ工程によって画素電極を形成する。その他、上記説明した第一から第五のフォトリソ工程及びエッチング工程により、アレイ基板100の完成に必要な画素TFT105及び駆動用TFT106以外の構成、例えば、蓄積容量107を含め、ゲート配線108、ソース配線109、蓄積容量配線110及び、外部配線111及び外部端子などが同時に形成される。以上の様にして、図1を用いて説明したアレイ基板100が形成される。
なお、上記説明のアレイ基板100において、非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52の作り分けに寄与する第一の絶縁膜31及び第二の絶縁膜33は、画素TFT105及び駆動用TFT106の第一のゲート絶縁膜41及び第二のゲート絶縁膜42を構成しており、更に、通常、画素TFT105における第二のゲート絶縁膜41は蓄積容量107の容量絶縁膜を兼ねて形成される場合が多い。従って、適切なTFTとしてのオン特性、耐圧特性、或いは適当な容量値を持たせるために、適宜、第一の絶縁膜31及び第二の絶縁膜33の膜厚の調整や、第一の絶縁膜31下方側に別途絶縁膜などを追加した積層構造に変更を行っても良い。少なくとも非晶質半導体膜5が接する下層の構成が上記説明の様な構成であれば良い。但し、この様な第一の絶縁膜31及び第二の絶縁膜33の膜厚の変更や第一の絶縁膜31より下層の構成を変更した場合には、熱の伝播に影響を及ぼすことから、適正なレーザー照射エネルギー密度については、先に説明したラマン分析を用いた結晶性の評価などを併用して、適宜、適正化する必要がある。なお、これら変更により本実施の形態1に比べ適正なレーザー照射エネルギー密度の範囲が狭くなる場合もある。
続いて、液晶表示装置の製造方法におけるセル組み立て工程について図5を用いて説明を行う。図5は、本実施の形態1における液晶表示装置の製造過程におけるマザー液晶セル基板10の構成を示す平面概略図である。通常、液晶表示装置を製造する場合には、量産効率の点から、図5に示す様に複数の液晶セル基板10a、10b、・・・、10nがアレイ状に区画配置されるマザー液晶セル基板10を形成し、このマザー液晶セル基板10より、これら液晶セル基板10a、10b、・・・、10nが、個々の液晶表示パネル単位のサイズに切り出されることにより、これら其々の液晶セル基板により構成される図1に示す様な液晶表示パネルが得られる。従って、上記説明したアレイ基板100の製造方法においても、アレイ基板100が複数個アレイ状に区画配置される大きな透明絶縁性基板である一枚のマザーアレイ基板1aとして、同時に製造することができる。
このアレイ基板100の製造方法により製造されたマザーアレイ基板1aの他には、マザーアレイ基板1aと対向して配置されるマザー対向基板1bがある。マザー対向基板1bについては、カラーレジスト(色材)、ブラックマトリクス(BM)、対向電極などを有するCF基板があり得る。マザーアレイ基板1a及びマザー対向基板1bの基板表面に、其々一般的な方法により配向膜を形成した後、一方のマザーアレイ基板1aには液晶セル基板10a、10b、・・・、10nの其々に対応した液晶封入領域を囲むシールパターンを形成し、マザーアレイ基板1a及びマザー対向基板1bを貼り合せる。この様にして、図5に示すマザー液晶セル基板10が形成される。また、シールパターン内への液晶の注入は、貼り合わせ後に注入口より真空中で行う真空注入法を用いても良いし、シールパターン内に液晶を滴下し、液晶注入と貼り合わせを同時に行う液晶滴下法を用いても良い。個々の液晶表示パネル単位のサイズに切り出す液晶セル基板切断工程は、真空注入法の場合には、液晶注入の前に行われ、液晶滴下法の場合には、液晶注入の後に行われる。この様にして、セル組み立て工程は完了し、個々の液晶セル基板10a、10b、・・・、10nが得られる。
最後に、液晶セル基板10a、10b、・・・、10nの個々のアレイ基板100及び対向基板の外側に偏光板を貼り付ける。また、アレイ基板100における外部端子においては、対向基板が除去され露出されるように対向基板を切断しておき、この露出した外部端子に対してICチップ113やプリント基板112の実装を行う。以上の様にして、図1に示される液晶表示パネルが完成する。更に、液晶表示パネルの反視認側となるアレイ基板100の裏面側に位相差板などの光学フィルムを介して、バックライトユニットを配設し、樹脂や金属などよりなるフレーム内に、液晶表示パネル及びこれら周辺部材を適宜収納し、本実施の形態1の液晶表示装置が完成する。
以上説明のとおり、本実施の形態1の液晶表示装置では、画素TFT105と駆動用TFT106といった、異なるTFTを基板1上に同時に形成することができる。即ち、画素TFT105ではチャネル領域が非晶質半導体膜51を有する非晶質半導体TFTであり、特性バラツキやリーク電流が小さいといった画素TFTとして最適の特徴を備える。駆動用TFT106ではチャネル領域が微結晶半導体膜52を有する結晶性半導体TFTであり、TFTのオン時のキャリア移動度、即ち十分高い電界効果移動度が実現できる。更には結晶化によって結晶欠陥による欠陥準位が抑えられ、閾値電圧シフトが少なくできる。即ち高信頼性のTFT動作が得られ、駆動用TFTとして最適の特徴を備えることから駆動回路に適用することができ、駆動回路をアレイ基板上に一体化できる。駆動回路を一体化してICチップに置き換えることにより、部品の減量化、液晶表示装置の軽量化、及び製造時における生産性向上などの効果を得ることができる。更には液晶表示装置の狭額縁化(必要な表示領域面積あたりの小型化)が可能である。更にICチップの実装工程も削減することができるので、不良品の発生による品質ロスの発生防止も含め製造時における生産性向上が可能である。以上説明のとおり、本実施の形態1の液晶表示装置では、こういった生産性向上からコスト低減などを実現することができる。
更に、本実施の形態1における液晶表示装置及びその製造方法、或いは非晶質半導体膜の結晶化方法では、画素TFT105及び駆動用TFT106において、レーザー照射による半導体膜の結晶化処理時の下地層となる其々のTFTのゲート絶縁膜について特徴的な構成を用いることによって、比較的簡便なレーザー処理方法、即ち、同一のレーザー照射エネルギー密度で基板内に一様にレーザー照射することにより、非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52を精度良く作り分けることが可能となる。更に、これらを其々異なるTFTの能動層として用いることにより非晶質半導体TFT及び微結晶半導体TFTを作り分けること、或いは非晶質半導体TFT及び微結晶半導体TFTを混在して備えた液晶表示装置を得ることができる。つまり、従来の様に途中で条件変更や位置合わせを行う方法、或いは基板の一部を覆うマスクを介した方法などによって選択的にレーザー照射を行なう方法の様な複雑なレーザー処理方法を用いることなく、画素TFT105及び駆動用TFT106において最適な非晶質半導体TFT及び微結晶半導体TFTを混在して備えた液晶表示装置を得ることができる。その結果として、画素TFT105及び駆動用TFT106間の距離において、位置合わせズレ量を考慮した設計マージンを無くすことができるので最近の液晶表示装置で求められるレベルの狭額縁化を達成することができる。更には、本実施の形態1のマザーアレイ基板1aの様な一枚の基板から複数のアレイ基板を多面取りして液晶表示装置を製造する際には、個々の液晶表示装置毎のアレイ基板に対しレーザー照射位置を位置合わせする必要がなく一枚の基板全体に対して移動させながらレーザー照射すればよい。従って、処理時間の短縮、即ち生産性向上が可能である。
また、本実施の形態1の液晶表示装置が備える駆動用TFT106となる微結晶半導体TFTにおいては、逆スタガ構造のTFTであることから、先に説明したとおりレーザー照射による半導体膜の結晶化処理時の下地層として非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52の作り分けに寄与した絶縁膜の構成は、駆動用TFT106のゲート絶縁膜42としても機能する。この駆動用TFT106となる微結晶半導体TFTにおいては、ゲート絶縁膜42は、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31により構成され、微結晶半導体膜52側となる表層が酸化シリコン膜により形成され、微結晶半導体膜52のチャネル領域は全て微結晶シリコン膜で形成されている。従って、ゲート絶縁膜42の結晶性半導体との界面が微結晶シリコン膜と酸化シリコン膜により形成されることから、界面への電荷蓄積が低減され、閾値電圧がエンハンスすることや、負バイアス印加時においてシフトすることなどの閾値電圧の変動を抑制することができる。同様の効果は、少なくともゲート絶縁膜42と結晶性半導体部分とが接する部分において、結晶性半導体部分が結晶性シリコン膜により形成されており、ゲート絶縁膜42が酸化シリコン膜により形成されていれば得ることができ、例えば、本実施の形態1のゲート絶縁膜42が酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31の下層に更に別の絶縁膜を有する積層膜で形成されていても得ることができる。
また、本実施の形態1の液晶表示装置が備える画素TFT105となる非晶質半導体TFTにおいても同様に逆スタガ構造のTFTであることから、先に説明したとおりレーザー照射による半導体膜の結晶化処理時の下地層として非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52の作り分けに寄与した絶縁膜の構成は、画素TFT105のゲート絶縁膜41としても機能する。この画素TFT105となる非晶質半導体TFTにおいては、ゲート絶縁膜41は、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31と窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33との積層膜により構成され、非晶質半導体膜51側となる表層が窒化シリコン膜により形成され、非晶質半導体膜51のチャネル領域は非晶質シリコン膜で形成されている。従って、ゲート絶縁膜41の非晶質半導体との界面が非晶質シリコン膜と窒化シリコン膜により形成されることから、界面への電荷蓄積が低減され、ディプレション側にシフトしてしまうといった閾値電圧の変動を抑制することができる。同様の効果は、少なくともゲート絶縁膜41と非晶質半導体膜51とが接する部分において、非晶質半導体膜51が非晶質シリコン膜により形成されており、ゲート絶縁膜41が窒化シリコン膜により形成されていれば得ることができ、例えば、本実施の形態1のゲート絶縁膜41において、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33、或いは酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31の下層に更に別の絶縁膜を有する積層膜で形成されていても得ることができる。
以上説明のとおり、本実施の形態1の液晶表示装置が備える駆動用TFT106となる微結晶半導体TFTにおけるゲート絶縁膜42の構成と、画素TFT105となる非晶質半導体TFTにおけるゲート絶縁膜41の構成は、非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52の作り分けに寄与すると同時に、微結晶半導体TFT及び非晶質半導体TFTの閾値電圧の変動を抑制することができるというTFT特性面においても効果を発揮する。
以上説明のとおり、本実施の形態1における、画素TFT105及び駆動用TFT106におけるゲート絶縁膜41及びゲート絶縁膜42の構成が、フォトリソ工程の回数を最少にできる点、更にゲート絶縁膜41及びゲート絶縁膜42の構成を得るための酸化シリコン膜上に部分的に窒化シリコン膜を形成させるエッチング(加工)が容易となる点、更に、非晶質半導体膜51と微結晶半導体膜52の作り分けが可能となる点に複合して寄与している。これに対し、微結晶半導体膜52を形成したい部分の非晶質半導体膜の下層に比較的厚い酸化シリコン膜が形成され、非晶質半導体膜51のまま維持したい部分の非晶質半導体膜の下層に窒化シリコン膜が形成されれば、同一のレーザー照射条件による非晶質半導体膜51と微結晶半導体膜52の作り分けが可能であることから、例えば、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の構成を逆にして、下層となる第一の絶縁膜31を窒化シリコン膜とし、部分的に形成する第二の絶縁膜33を酸化シリコン膜とした構成も考えられる。然しながら、この下層となる第一の絶縁膜31を窒化シリコン膜とし、部分的に形成する第二の絶縁膜33を酸化シリコン膜とした構成では、以下の種々の問題点を生ずる。以下、この窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の構成を逆とした構成を本実施の形態1の構成に対する比較例として、発生する問題点について具体的に説明を行う。
先ず、微結晶半導体膜52を形成したい部分の酸化シリコン膜の膜厚を比較的厚くすることが非晶質半導体膜51と微結晶半導体膜52の作り分けに有効であることから、部分的に形成する第二の絶縁膜33としての酸化シリコン膜を例えば100nm以上とすることを仮定する。酸化シリコン膜を部分的に除去するためのエッチングに対し、下層となる窒化シリコン膜からなる第一の絶縁膜31のエッチング速度は速いが、この様に比較的厚く形成した酸化シリコン膜を用いた場合、下層となる第一の絶縁膜31がこの酸化シリコン膜のエッチングにより無くなってしまう恐れや、たとえ残すことができた場合にも残存膜厚の制御が困難となる。この窒化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31は、単層で非晶質半導体TFTである画素TFT105のゲート絶縁膜41として使用されることになるので、信頼性や特性バラツキの面で現実的には採用することが困難となる。また、窒化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31を酸化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33に比べて格段に厚くすることで、これらエッチングによる問題点は緩和することができる。然しながら、この方法では画素TFT105のゲート絶縁膜41が厚膜化されることによるオン特性の劣化が引き起こされる。更に、微結晶半導体膜52を用いた結晶性半導体TFTにおいては、第一の絶縁膜31と第二の絶縁膜33の積層膜がゲート絶縁膜42として使用されることになるので、特にオン特性の劣化の影響が大きく、駆動用のTFTとしての利用に支障がでる。
また、逆に、第二の絶縁膜33としての酸化シリコン膜の膜厚をエッチングが容易となる様に薄くした場合、例えば100nm以下とした場合には、第一の絶縁膜31上と第二の絶縁膜上の非晶質半導体膜5を微結晶状態に変換するのに必要なレーザー照射エネルギー密度は、何れも220〜230mJ/cmに重なってしまい、非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52の作り分けができなくなってしまう。以上の問題点を生ずることから、本実施の形態1の構成の比較例である下層となる第一の絶縁膜31を窒化シリコン膜とし、部分的に形成する第二の絶縁膜33を酸化シリコン膜とした構成は、何れの方法を用いたとしても、非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52の作り分けと、第一の絶縁膜31及び第二の絶縁膜33により得られる構成をゲート絶縁膜として使用した非晶質半導体TFTよりなる画素TFT105及び結晶性半導体TFTよりなる駆動用TFT106の利用を両立することができず、適当ではない。
実施の形態2.
先に行った実施の形態1の説明においては、この駆動用TFT106となる微結晶半導体TFTにおいては、ゲート絶縁膜42が、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31により構成され、画素TFT105となる非晶質半導体TFTにおいては、ゲート絶縁膜41が、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31と部分的に形成された窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33との積層膜により構成される液晶表示装置についての詳細説明と得られる効果、更に、比較例として、第一の絶縁膜31を窒化シリコン膜とし、部分的に形成する第二の絶縁膜33を酸化シリコン膜とした構成で発生する不具合について説明を行った。続いて、本発明の別の実施の形態として、実施の形態1の液晶表示装置より、微結晶半導体TFT及び非晶質半導体TFTのゲート絶縁膜について、其々、酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜の単層膜により構成する変形を行った実施の形態2の液晶表示装置について説明を行う。なお、実施の形態1との構成の違いはアレイ基板の構成の特に微結晶半導体TFT及び非晶質半導体TFTのゲート絶縁膜、即ち、其々のTFTの能動層となる半導体膜を作り分ける際に要点となる半導体膜の下地膜の構成のみであることから、このゲート絶縁膜であって半導体膜の下地膜となる構成と、その形成方法と、TFTの能動層となる半導体膜を作り分ける工程と、変形により得られる効果について、実施の形態1との違いを中心に説明を行うこととする。
先ず、本発明の実施の形態2における液晶表示装置の構成より説明する。図6は本発明の実施の形態2の液晶表示装置におけるアレイ基板100a上に配置される、画素TFT105aに用いられる非晶質半導体TFT、及び駆動用TFT106aに用いられる結晶性半導体TFTの一例である微結晶半導体TFTの構成を示す断面図である。本実施の形態2の液晶表示装置に用いられるTFTも実施の形態1と同様に逆スタガ構造のTFTである。以下、図6を用い本発明の実施の形態2における液晶表示装置のアレイ基板100aの構成について説明を行う。図2を用い説明した実施の形態1のアレイ基板100の構成と共通する構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。図6に示す様に、本実施の形態2のアレイ基板100aにおいては、実施の形態1のアレイ基板100と同様に、ガラスなどの透明絶縁性基板より構成される基板1上には、画素TFT105aの形成される領域と駆動用TFT106aの形成される領域の其々の領域(点線による波括弧と対応するTFTの符号で領域を図示している)に対して、駆動用TFT106aとなる微結晶半導体TFTを構成する第一のゲート電極であるゲート電極22と、画素TFT105aとなる非晶質半導体TFTを構成する第二のゲート電極であるゲート電極21が形成される。
そして、本実施の形態2のアレイ基板100aにおいては、図6に示す様に、画素TFT105aの形成される領域では、ゲート電極21を覆うように、ゲート電極21上を含む基板1上に窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33が部分的に形成されている。言い換えると、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33には、駆動用TFT106aの形成される領域の少なくともゲート電極22上を含む領域において開口部34が形成される。一方、駆動用TFT106aの形成される領域では、ゲート電極22を覆うようにゲート電極22上を含む基板1上に酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31aが部分的に形成されている。言い換えると、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31aには、画素TFT105aの形成される領域の少なくともゲート電極21上を含む領域において開口部35が形成される。なお、実施の形態1において開口部34について説明したとおり、本実施の形態2の開口部34或いは開口部35については、特に第二の絶縁膜33或いは第一の絶縁膜31aにより囲まれる開口部に限られず、部分的に形成された第二の絶縁膜33或いは第一の絶縁膜31aが形成されない、即ち、第二の絶縁膜33或いは第一の絶縁膜31aにより覆われない領域の全てが該当する。以上の構成により、駆動用TFT106aとなる微結晶半導体TFTにおいては、ゲート絶縁膜42が、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31aの単層膜により構成され、画素TFT105aとなる非晶質半導体TFTにおいては、ゲート絶縁膜43が、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33の単層膜により構成される。
更に図6に示す様に、画素TFT105aのゲート絶縁膜43である窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33表面上には画素TFT105aの能動層となる非晶質半導体膜51が直接接して形成され、駆動用TFT106aの形成される領域のゲート絶縁膜42である酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31a表面上には、駆動用TFT106aの能動層となる微結晶半導体膜52が直接接して形成される。言い換えると、第二の絶縁膜33により覆われる領域の第二の絶縁膜33表面上には、非晶質半導体膜51が直接接して形成され、第二の絶縁膜33により覆われない開口部34の領域の第一の絶縁膜31a表面上には、微結晶半導体膜52が直接接して形成される。その他、実施の形態1と同様に非晶質半導体膜51或いは微結晶半導体膜52上に其々形成される非晶質半導体膜61(或いは62)と二つに互いに分離して形成される不純物を含んだ非晶質半導体膜71s(或いは72s)、71d(或いは72d)が積層されて構成される非晶質半導体層81(或いは82)の構成、更に、ソース電極91s(或いは92s)及びドレイン電極91d(或いは92d)などにより、本実施の形態2の画素TFT105a或いは駆動用TFT106aは構成される。
続いて、本発明の実施の形態2における液晶表示装置の製造方法について、図7を参照しながら説明する。ここでは、先ず、実施の形態1との相違点となる部分的に形成された酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31a及び窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33の形成方法より説明を行う。本実施の形態2においては、実施の形態1の説明において比較例を用い説明したとおり、窒化シリコン膜上に形成した酸化シリコン膜を部分的に除去するためのエッチングを行う際には、下層となる窒化シリコン膜が削れて無くなってしまう問題、或いは残存膜厚の制御が困難となる問題が生ずることから、実施の形態1と同様に、先に酸化シリコン膜を形成している。その後、酸化シリコン膜をパターニングして、画素TFT105領域に部分的に酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31aを形成し、続いて、窒化シリコン膜32を形成することにより、図7(a)の構成を得ることができる。更に、窒化シリコン膜32をパターニングすることにより、駆動用TFT106a領域に部分的に窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33を形成する。この様にして、実施の形態1と比べて、部分的に酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31aを形成しフォトリソ工程回数を一回増やすことにより、画素TFT105a領域には、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31aの単層膜より第一のゲート絶縁膜42を、駆動用TFT106a領域には、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33の単層膜より第二のゲート絶縁膜43を其々形成することができる。
そして、以上の様に形成された開口部34の領域である第二の絶縁膜33により覆われず第一の絶縁膜31aが表層となる領域と、それ以外の第二の絶縁膜33により覆われ第二の絶縁膜33が表層となる領域を備えた下地膜の構成が形成された基板1上に、実施の形態1と同様に、第一の絶縁膜31aと第二の絶縁膜33の其々の絶縁膜表面に接して、基板1の略全面に渡り非晶質半導体膜5を成膜することで、図7(b)に示す構成となる。続いて、実施の形態1と同様の脱水素処理、自然酸化膜の除去処理などの前処理を非晶質半導体膜5に行ったのち、非晶質半導体膜5に対し、レーザー光LBの照射を行うアニール工程を行う。このアニール工程により、非晶質半導体膜5は、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31a表面と接する領域においては微結晶半導体膜52へ変換され、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33表面と接する領域においては非晶質状態に維持された非晶質半導体膜51となり、図7(c)に示す構成となる。即ち、実施の形態1と同様に、同じ照射条件で、特に同一照射エネルギー密度で基板1全体に対して連続的にレーザー光LBが照射されるのにも関わらず、非晶質半導体膜5から微結晶半導体膜52へ変換される領域と非晶質状態に維持された非晶質半導体膜51となる領域に作り分けを行うことができる。なお、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31a表面と接する領域と、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33表面と接する領域とで、其々に接する非晶質半導体膜5を微結晶状態へ変換するのに要するレーザー照射エネルギー密度に大きな差が生ずること利用した微結晶半導体膜52と非晶質半導体膜51の作り分けの作用については実施の形態1と同じであることから、ここでは詳細な説明を省略する。また、以降の工程についても実施の形態1と同様で良いことから説明を省略するが、以後、実施の形態1と同様の製造方法を用いることにより、図6における本実施の形態2のアレイ基板100aの構成、更に、本実施の形態2の液晶表示装置を得ることができる。
以上説明のとおり、本実施の形態2の液晶表示装置が備える駆動用TFT106aとなる微結晶半導体TFTにおけるゲート絶縁膜42の構成と、画素TFT105aとなる非晶質半導体TFTにおけるゲート絶縁膜43の構成は、実施の形態1と同様に微結晶半導体TFTでは、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31a表面上には、TFTの能動層となる微結晶半導体膜52が直接接して形成され、非晶質半導体TFTでは、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33表面上には、TFTの能動層となる非晶質半導体膜51が直接接して形成されることから、実施の形態1の液晶表示装置と同様に非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52の作り分けに寄与すると同時に、微結晶半導体TFT及び非晶質半導体TFTの閾値電圧の変動を抑制することができるというTFT特性面においても効果を発揮する。
また、以上説明の実施の形態2の製造方法を用いることにより、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33の単層膜よりなるゲート絶縁膜43が削れて薄くなることや膜厚がバラツクこともなく、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31aの単層膜よりなるゲート絶縁膜42を非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52の作り分けに最適化された厚みに厚膜化することができ、実施の形態1と同様に非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52の作り分けと、第一の絶縁膜31a及び第二の絶縁膜33により得られる構成をゲート絶縁膜として使用した非晶質半導体TFTよりなる画素TFT105a及び結晶性半導体TFTよりなる駆動用TFT106aの利用を両立することができる。更に、本発明の実施の形態2における液晶表示装置では、画素TFT105a領域のゲート絶縁膜43を窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33の単層膜により構成することで、画素TFT105a領域、即ち、表示領域101(図示省略)において透過率を高くすることができる。つまり、一般的に高透過率が望まれる透過型の液晶表示装置などの半導体装置に対して、好適な構成を得ることができる。
実施の形態3.
続いて、本発明の別の実施の形態として、実施の形態3の液晶表示装置について説明を行う。本実施の形態3の液晶表示装置の実施の形態1との違いは、実施の形態1において、駆動用TFT106の形成される領域において窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33に形成された開口部34が、本実施の形態3の駆動用TFT106bの構成においては駆動用TFT106bのチャネル領域のみにおいて形成される開口部36と変更され、駆動用TFT106bの能動層となる半導体膜が結晶性部分と非晶質部分の二つの異なる領域を有して形成された微結晶半導体TFTとなる点である。従って、このゲート絶縁膜であって半導体膜の下地膜となる構成と、それに伴って形成される結晶性部分と非晶質部分の二つの異なる領域を有する半導体膜の構成と、これらの構成の形成方法と、変形により得られる効果について、実施の形態1との違いを中心に説明を行うこととする。
先ず、本発明の実施の形態3の液晶表示装置の構成より説明する。図8は本発明の実施の形態3の液晶表示装置におけるアレイ基板100b上に配置される、画素TFT105bに用いられる非晶質半導体TFT、及び駆動用TFT106bに用いられる結晶性半導体TFTの一例である微結晶半導体TFTの構成を示す断面図である。本実施の形態3の液晶表示装置に用いられるTFTも実施の形態1と同様に逆スタガ構造のTFTである。以下、図8を用い本発明の実施の形態3に於ける液晶表示装置のアレイ基板100bの構成について説明を行う。図2を用い説明した実施の形態1のアレイ基板100の構成と共通する構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。図8に示す様に、本実施の形態3のアレイ基板100bにおいては、実施の形態1のアレイ基板100と同様に、ガラスなどの透明絶縁性基板より構成される基板1上には、画素TFT105bの形成される領域と駆動用TFT106bの形成される領域の其々の領域(点線による波括弧と対応するTFTの符号で領域を図示している)に対して、駆動用TFT106bとなる微結晶半導体TFTを構成する第一のゲート電極であるゲート電極22と、画素TFT105bとなる非晶質半導体TFTを構成する第二のゲート電極であるゲート電極21が形成される。
そして、図8に示す様に、本実施の形態3のアレイ基板100bにおいては、ゲート電極21、22を覆うようにゲート電極21、22上を含む基板1上に酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31が形成される。更に第一の絶縁膜31上を部分的に覆う第二の絶縁膜33として窒化シリコン膜が形成されている。言い換えると、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33には開口部36が形成される。更に第二の絶縁膜33に形成される開口部36は、駆動用TFT106bの形成される領域の少なくともゲート電極22上を含む領域、即ち、駆動用TFT106bのチャネル領域において形成されている。また、以上の構成により、駆動用TFT106bとなる微結晶半導体TFTを構成するゲート絶縁膜である第一のゲート絶縁膜44は、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31と、ゲート電極22の端面を覆う部分において第一の絶縁膜31と第二の絶縁膜33の積層膜により構成され、画素TFT105bとなる非晶質半導体TFTを構成するゲート絶縁膜である第二のゲート絶縁膜41は、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31と窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33との積層膜により構成される。
更に、画素TFT105bの形成される領域では、第二の絶縁膜33により覆われる領域の第二の絶縁膜33表面上には、非晶質半導体膜51が直接接して形成されている。一方、駆動用TFT106bの形成される領域では、第二の絶縁膜33により覆われない第二の絶縁膜33に形成された開口部36の領域において第一の絶縁膜31が表層となるが、その開口部36の領域、即ち、駆動用TFT106bのチャネル領域における第一の絶縁膜31表面上にはTFTの能動層となる微結晶半導体膜52が直接接して形成される。更に開口部36以外の第二の絶縁膜33により覆われる領域では、画素TFT105bの形成される領域と同様に第二の絶縁膜33が表層となるが、その開口部36以外の領域における第二の絶縁膜33表面上には非晶質半導体膜51が直接接して形成されている。以上のとおり、駆動用TFT106bの能動層である半導体膜53はチャネル領域のみにおいて微結晶半導体膜52により構成された非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52の混在した構成となっている。その他、実施の形態1と同様に非晶質半導体膜51或いは半導体膜53上に其々形成される非晶質半導体膜61(或いは62)と二つに互いに分離して形成される不純物を含んだ非晶質半導体膜71s(或いは72s)、71d(或いは72d)が積層されて構成される非晶質半導体層81(或いは82)の構成、更に、ソース電極91s(或いは92s)及びドレイン電極91d(或いは92d)などにより、本実施の形態3の画素TFT105b或いは駆動用TFT106bは構成される。
以上説明のとおり、画素TFT105bとなる非晶質半導体TFTの構成は、実施の形態1の画素TFT105となる非晶質半導体TFTの構成と変わらないが、駆動用TFT106bとなる微結晶半導体TFTの構成は、能動層である半導体膜53が、チャネル領域のみにおいて第二の絶縁膜33の開口部36を介して第一の絶縁膜31表面と接して結晶性部分よりなる微結晶半導体膜52が形成され、ソース領域及びドレイン領域においては第二の絶縁膜表面と接して非晶質部分よりなる非晶質半導体膜51が形成され、結晶性部分と非晶質部分の二つの異なる領域を有して形成されている。即ちチャネル領域のみにおいて微結晶半導体膜52を有し、ソース領域及びドレイン領域においては非晶質半導体膜51を有した微結晶半導体TFTとなっている。更に、能動層である半導体膜53と非晶質半導体層82は同一の平面形状にパターニングされている。更に、不純物を含んだ非晶質半導体膜72s、72dと接してソース電極92s及びドレイン電極92dは形成されている。その結果、ソース電極92s及びドレイン電極92dは半導体膜53と半導体膜53の端面において接して形成され、少なくともソース電極92s或いはドレイン電極92dと接する前記の端面を有する領域における半導体膜53は、非晶質部分よりなる非晶質半導体膜51により構成されている。
続いて、本発明の実施の形態3における液晶表示装置の製造方法について、図9を参照しながら説明する。ここでは、先ず、実施の形態1との相違点となる酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31及び窒化シリコン膜よりなり第一の絶縁膜31上を部分的に覆う第二の絶縁膜33の形成方法より説明を行う。本実施の形態3においては、実施の形態1と同様に透明絶縁性基板より構成される基板1上に形成されたゲート電極21及び22上を含む基板1上に、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31を形成し、更に開口部36を有し、第一の絶縁膜31上を部分的に覆う窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33が形成される。本実施の形態3の窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33に形成された開口部36は、先に説明したとおり、ゲート電極22上の駆動用TFT106bのチャネル領域を形成する部分において形成されている。逆に、第二の絶縁膜33は、ゲート電極22上の駆動用TFT106bのチャネル領域を形成する部分を除いた領域に形成される。なお、実施の形態1で説明した開口部34に対して、開口部36は形成される領域が異なるのみで、この窒化シリコン膜をエッチングし、開口部を有する第二の絶縁膜33を形成する工程については実施の形態1と同様の処理を行って構わないことから詳細な説明は省略する。以上の工程により、図9(a)に示す様に、駆動用TFT106bのゲート電極22上には、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31とゲート電極22の端面を覆う部分において第一の絶縁膜31と第二の絶縁膜33の積層膜により構成される第一のゲート絶縁膜44が、画素TFT105bの第二のゲート電極21上には、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31と窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33との積層膜により構成される第二のゲート絶縁膜41が其々形成される。
そして、以上の様に開口部36の領域である第二の絶縁膜33により覆われず第一の絶縁膜31が表層となる領域と、それ以外の第二の絶縁膜33により覆われ第二の絶縁膜33が表層となる領域を備えた下地膜の構成が形成された透明絶縁性基板より構成される基板1上に、実施の形態1と同様に、第一の絶縁膜31と第二の絶縁膜33の其々の絶縁膜表面に接して、基板1の略全面に渡り非晶質半導体膜5(図示省略)を成膜する。続いて、実施の形態1と同様の脱水素処理、自然酸化膜の除去処理などの前処理を非晶質半導体膜5に行ったのち、非晶質半導体膜5にレーザー光LBの照射を行うアニール工程を行う。このアニール工程により、非晶質半導体膜5は、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31表面と接する開口部36の領域においては微結晶半導体膜52へ変換され、それ以外の窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33表面とする領域においては非晶質状態に維持された非晶質半導体膜51となり、図9(b)に示す構成となる。即ち、実施の形態1と同様に、同じ照射条件で、特に同一照射エネルギー密度で基板1全体に対して連続的にレーザー光LBが照射されるのにも関わらず、非晶質半導体膜5から微結晶半導体膜52へ変換される領域と非晶質状態に維持された非晶質半導体膜51となる領域に作り分けを行うことができる。なお、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31表面と接する領域と、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33表面と接する領域とで、其々に接する非晶質半導体膜5を微結晶状態へ変換するのに要するレーザー照射エネルギー密度に大きな差が生ずること利用した微結晶半導体膜52と非晶質半導体膜51の作り分けの作用については実施の形態1と同じであることから、ここでは詳細な説明を省略する。また、以降の工程についても実施の形態1と同様で良いことから説明を省略するが、以後、実施の形態1と同様の製造方法を用いることにより、図8における本実施の形態3のアレイ基板100bの構成、更に、本実施の形態3の液晶表示装置を得ることができる。
以上説明のとおり、本実施の形態3の液晶表示装置が備える駆動用TFT106bとなる微結晶半導体TFTにおけるゲート絶縁膜44の構成と、画素TFT105bとなる非晶質半導体TFTにおけるゲート絶縁膜41の構成は、実施の形態1と同様に微結晶半導体TFTでは、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜31表面上には、TFTの能動層となる微結晶半導体膜52が直接接して形成され、非晶質半導体TFTでは、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜33表面上には、TFTの能動層となる非晶質半導体膜51が直接接して形成されることから、実施の形態1の液晶表示装置と同様に非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52の作り分けに寄与すると同時に、微結晶半導体TFT及び非晶質半導体TFTの閾値電圧の変動を抑制することができるというTFT特性面においても効果を発揮する。
また、以上説明の実施の形態3の駆動用TFT106bを構成する微結晶半導体TFTは、半導体膜53におけるチャネル領域のみ微結晶半導体膜52を形成させることにより、非晶質部分よりなる非晶質半導体膜51と結晶性部分よりなる微結晶半導体膜52が一つの半導体層内で混在したTFTが実現される。更に能動層となる半導体膜53におけるチャネル領域、即ちソース電極92s下の領域とドレイン電極92d下の領域間の少なくとも一部を含む領域では結晶性部分である微結晶半導体膜52より構成され、その他の領域では非晶質部分よりなる非晶質半導体膜51より構成される。この様な構成とすることにより、TFTとしてオン電流の流れる経路の少なくとも一部において、非晶質半導体膜よりも移動度が高い、或いは非晶質半導体膜よりもオン抵抗の低い半導体膜により電流を流すことができ、結果的には、能動層となる半導体膜53が全て非晶質半導体膜51からなる一般的な非晶質半導体TFTよりもオン特性の良いTFTが得られる。
加えて、本実施の形態3の駆動用TFT106bを構成する微結晶半導体TFTにおいては、半導体膜53と非晶質半導体層82を同一の平面形状にパターニングした構造を採用していることから、ハーフトーンを用いてフォトレジストの形成工程を簡略化するのに有利な製造コストの低い構造である。一方、この半導体膜53と非晶質半導体層82を同一の平面形状にパターニングした構造は半導体膜53がソース電極92s及びドレイン電極92dと接することを避けられず、一般的な微結晶半導体TFTの様に能動層となる半導体膜53の全てが微結晶半導体膜52よりなる場合、微結晶半導体膜52を含む半導体膜53を介したリーク電流が増大しやすい構造でもある。然しながら、本実施の形態3においては、ソース電極92s及びドレイン電極92dと接する端面を有する領域において、半導体膜53を非晶質部分よりなる非晶質半導体膜51とすることにより、ソース電極92s及びドレイン電極92dが微結晶半導体膜52と接することなく形成されている。その結果、ゲート電極22に逆バイアスとなる負電圧が印加された際、或いは画像表示中にバックライト光が照射された際に発生する半導体膜53中の正孔が移動して発生するリーク電流に対して、ソース電極92s及びドレイン電極92d間において、ソース電極92s及びドレイン電極92dと接する非晶質半導体膜51が正孔移動の障壁となり、リーク電流の発生を防止することができる。以上の結果、本実施の形態3の駆動用TFT106bを構成する微結晶半導体TFTにおいてはオン特性の良いTFTとオフ電流の低いTFTの両立を低い製造コストで実現することができる。
なお、第二の絶縁膜33に形成される開口部36は、少なくともチャネル領域、つまりゲート電極22上を含む領域において開口部36を有していれば良く、ソース電極92s或いはドレイン電極92dと接する端面を有する領域における半導体膜53が非晶質半導体膜51となるように、半導体膜53の端面より内側に開口部36が形成されるのが良い。但し、本実施の形態3の様に、開口部36がゲート電極22の端面より内側に形成されること、即ち、ゲート電極22の端面を覆う部分において第一の絶縁膜31と第二の絶縁膜33の積層膜により構成されることにより、駆動用TFT106bはチャネル領域においては膜厚の薄い第一の絶縁膜31の単層膜によりゲート絶縁膜44が構成されることからオン特性が高くなると同時に、少なくとも比較的絶縁破壊の発生し易いゲート電極22の端面の段差部でゲート絶縁膜44が積層膜により構成されることにより、絶縁破壊に対して強く、耐圧が高い構成を得ることができる。
なお、本実施の形態3においては、実施の形態1及び実施の形態2と同様に非晶質半導体TFT及び微結晶半導体TFTを混在して備えた構成への適用例について説明を行ったが、ここで説明を行った能動層である半導体膜53が結晶性部分と非晶質部分の二つの異なる領域を有して形成された微結晶半導体TFTの構成は、高いオン特性と低いリーク電流、更に低コスト化などの様々な効果が得られる優れたTFTであることから、単独で用いても良く、様々な半導体装置や表示装置に適用することができる。また、上記説明のとおり高いオン特性と低いリーク電流が得られるなどの効果が得られることから、本実施の形態3と同様に液晶表示装置に適用する場合には、駆動用TFT106bのみでなく、駆動用TFT106bと画素TFT105bの双方に共通して適用しても良い。また、画像表示中のバックライト光によるリーク電流を効果的に低減できることからバックライトを用いる透過型の液晶表示装置用のTFTとして特に有効である。
また、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態3において説明した非晶質半導体TFT及び結晶性半導体TFTを混在して備えた構成は、この構成を基本構成として、他に組合せる構成を適宜変えることにより、液晶表示装置に限らず、有機EL(lectro uminescence)表示装置、その他表示装置、及び撮像装置などの半導体装置に応用することができ、本実施の形態1、及び上記示唆した変形例において説明した非晶質半導体TFT及び結晶性半導体TFTを混在して備えた構成により得られる効果と同様の効果を得ることができる。また、これらの場合、結晶性半導体TFTは駆動回路を構成するTFTであれば様々な素子等を駆動する駆動回路において適用可能であり、デジタル動作する論理回路を構成するTFTにも適用可能である。いずれの回路に適用した場合にも回路面積を増大することなく高速動作でき、新たなICチップの配置が不要となるなど表示装置或いは半導体装置のサイズ増加やコスト増加を防止することができ、実施の形態1及びその変形例と同様の効果を得ることができる。
先に説明を行った、本発明の非晶質半導体TFT及び結晶性半導体TFTを混在して備えた構成を有機EL表示装置に適用する際には、非晶質半導体TFTで形成される画素TFT105、105a、及び105bについては、液晶表示装置においては液晶を駆動し画像として視認される光量を制御する表示電圧の供給のオンとオフを制御するスイッチング素子として機能するものであったが、表示装置における画像として視認される光量を制御する表示電圧或いは表示電流など電荷を供給するトランジスタであれば良く、例えば有機EL表示装置の場合においては、有機発光層に供給され画像として視認される光量を制御する表示電流を供給する画素ごとに設けられたトランジスタを画素TFTとして、非晶質半導体TFTで形成すると良い。何れにしても、画像として視認される光量に直接寄与する表示電圧や表示電流を非晶質半導体TFTにより供給することによりTFTの特性のバラツキを容易に小さくでき、表示ムラを抑えることが可能となる。
なお、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態3においては、非晶質半導体膜5に対して、レーザー光LBを同一照射エネルギー密度にて基板1全体に対して連続的に照射を行い、非晶質半導体膜5の下層の絶縁膜の構成の違いによる熱の伝播の違いを利用して、加熱溶融して形成される微結晶半導体膜52を選択的に形成し、非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52を作り分けることが可能となる方法について説明を行なった。基板1全体に対して、同じ照射条件で、特に同一の照射エネルギー密度で照射できれば、非晶質半導体膜5の下層の絶縁膜の構成の違いによる熱の伝播の違いを利用して加熱の程度が制御され非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52を作り分けることが可能である。従って、レーザー光に限られず、少なくとも非晶質半導体膜51或いは酸化シリコン膜に吸収されて加熱が行われるエネルギービームであれば良く、この様なエネルギービームを同じ照射条件、特に同一の照射エネルギー密度で連続的にスキャンすることより照射しても良い。なお、ここで言う同じ照射条件で連続的にとは、基板内をスキャンする場合における面内分布や照射装置側の時間的な揺らぎによる照射条件、或いは照射エネルギー密度のバラツキまでは考慮しないものである。特に装置側での設定や基板との距離などの条件に対する意図した変更を行うことなく継続して照射することを意味し、条件変更などの作業や処理時間などを削減する効果が得られ、更にレーザー照射位置を変えて選択的に照射する場合のような位置合わせの精度の問題を生ずることなく効果が得られるものである。
また、基板1全体に対して同一照射エネルギー密度にて照射することが可能な別方法としては、同じ条件で連続的にエネルギービームをスキャンする方法以外に、基板1全体にビーム領域を拡げられるのであれば、前記基板1全体に一様にエネルギービームを照射しても良い。例えば、前記基板1全体に一様に光エネルギーよりなるエネルギービームを照射することのできるRTA法を用いても構わない。RTA法を用いた場合にも、基板1全体に照射されるランプ光のエネルギーが非晶質半導体膜51或いは酸化シリコン膜に吸収されて加熱を行うことができ、加熱の程度は非晶質半導体膜5の下層の絶縁膜の構成の違いにより制御されることから、エネルギービームをスキャンする場合と同様に非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52の作り分けを行うことができる。また、これらレーザー以外のエネルギービームを照射する方法を用いた場合も、実施の形態1において説明を行ったレーザー照射の際の最適なエネルギー密度の条件は、照射されるエネルギービームの種類に関わらず共通の条件であり、其々のエネルギービームにおけるエネルギー密度に読み替えて、同様のエネルギー密度の範囲を用いることによりレーザーを用いた場合と同様の効果が得られる。
なお、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態3においては、駆動用TFT106、106a、及び106bについて、微結晶半導体TFTで形成させる場合を例にとって説明を行ったが、本発明の範囲はこれに限らない。例えば、非晶質半導体膜の結晶化工程において、レーザー照射エネルギーや照射時の雰囲気、基板温度など、照射条件を制御することにより、非晶質半導体膜と結晶性半導体膜を作り分けることが可能な範囲であれば、結晶粒を大きく形成しても良い。つまり、結晶化工程により形成される半導体膜は微結晶半導体膜に限られず、比較的大きな結晶粒により構成される多結晶半導体膜でも構わない。結晶性半導体膜であれば上記説明の本実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態3と同様の効果を得ることができる。但し、微結晶半導体膜である方が、適正条件の範囲が広く製造が容易である点、得られた結晶性半導体膜を用いたTFTの特性バラツキを小さくできる点などから微結晶半導体膜であることが好ましい。なお、半導体の種類については、シリコンを例に取って説明を行っているが、レーザー照射によって非晶質半導体から微結晶或いは結晶性半導体に変換可能であれば、他の半導体でも良いことは言うまでも無い。
なお、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態3においては、逆スタガ構造のTFTに本発明を適用した例について説明を行ったが、本発明の範囲はこれに限らない。同一のレーザー照射エネルギー密度で基板内に一様にレーザー照射することにより、非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52を作り分けることが可能となる効果、更にこれら半導体膜を其々異なるTFTの能動層として用いることにより非晶質半導体TFT及び微結晶半導体TFTを作り分けること、TFTの能動層として非晶質半導体膜51及び微結晶半導体膜52が混在して形成されるTFTを得ること、或いは非晶質半導体TFT及び微結晶半導体TFTを混在して備えた液晶表示装置などの半導体装置を得ることができる効果については、特に逆スタガ構造のTFTに限らず得ることができる。つまり、エネルギービームが照射され、非晶質半導体膜及び微結晶半導体膜の作り分けを行う透明絶縁性基板より構成される基板としては、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態3の逆スタガ構造のTFTの様に、ゲート電極の形成後の基板に限られない。少なくとも、透明絶縁性基板より構成される基板上に酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜と、この基板上を部分的に覆う窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜と、第一の絶縁膜が表層となる領域と、第二の絶縁膜が表層となる領域に其々の絶縁膜表面に接して形成された非晶質半導体膜を備えた構成に対して、実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態3或いはこれらの変形例として説明を行ったアニール方法と同様にエネルギービームを照射する非晶質半導体膜の結晶化方法を用いることにより、非晶質半導体膜及び微結晶半導体膜を作り分けることが可能となる。更に、これら非晶質半導体膜及び微結晶半導体膜を其々異なるTFTの能動層として用いた非晶質半導体TFT及び微結晶半導体TFTを形成することにより非晶質半導体TFT及び微結晶半導体TFTの作り分けが可能となる。
実施の形態1、実施の形態2、及び実施の形態3の様に非晶質半導体TFT及び微結晶半導体TFTの両者共に逆スタガ構造のTFTとする構成以外の適用例としては、微結晶半導体TFTのみを酸化シリコン膜よりなる第一絶縁膜31を下地膜として用い、微結晶半導体膜上に酸化シリコン膜よりなるゲート絶縁膜、更にゲート電極を形成してコプレナ構造の微結晶半導体TFTとしても良い。非晶質半導体TFTについては、逆スタガ構造のままでも良いし、ソース電極及びドレイン電極、更に不純物を含んだ非晶質半導体膜を非晶質半導体膜の下層に分離して形成し、非晶質半導体膜上に窒化シリコン膜よりなるゲート絶縁膜、更にゲート電極を形成して正スタガ構造の非晶質半導体TFTを形成しても良い。つまり、作り分けにより得られた非晶質半導体膜及び微結晶半導体膜は、非晶質半導体膜及び微結晶半導体膜の作り分けが支障なく行える範囲であれば、何れの構造の非晶質半導体TFT及び微結晶半導体TFTの形成に利用しても構わない。更に、非晶質半導体膜及び微結晶半導体膜を作り分けて得られた非晶質半導体膜については、実施の形態3の微結晶半導体TFTの構成の一部分に活用した様に、必ずしも非晶質半導体TFTの能動層に用いる必要は無く、光電変換素子の構成、その他、非晶質半導体膜を活用する構成に利用しても構わない。何れにしても、本発明の非晶質半導体膜の結晶化方法を用いることにより、非晶質半導体膜及び微結晶半導体膜を作り分けることが可能となり、更に、これら非晶質半導体膜及び微結晶半導体膜を其々異なるTFTの能動層、或いは半導体装置を構成する非晶質半導体膜に用いることにより、微結晶半導体TFTと、非晶質半導体TFT或いはその他半導体装置を構成する非晶質半導体膜が混在する液晶表示装置を含む半導体装置を得ることが可能となる。
以上の様に、各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変形が含まれる。
1 基板、1a マザーアレイ基板、1b マザー対向基板、
10 マザー液晶セル基板、10a、10b、10x〜10n 液晶セル基板、
21、22 ゲート電極、
31、31a 第一の絶縁膜、32 窒化シリコン膜、33 第二の絶縁膜、
34、35、36 開口部、
41、43 第二のゲート絶縁膜、42、42b、44 第一のゲート絶縁膜、
5、51 非晶質半導体膜、52 微結晶半導体膜、53 半導体膜、
6、61、62 非晶質半導体膜、
7、71、72、71s、71d、72s、72d 不純物を含んだ非晶質半導体膜、
81、82 非晶質半導体層、
91s、92s ソース電極、91d、92d ドレイン電極、
100、100a、100b アレイ基板、101 表示領域、
102 額縁領域、103 画素、104 駆動回路、
105、105a、105b 画素TFT、
106、106a、106b 駆動用TFT、
107 蓄積容量、108 ゲート配線、109 ソース配線、
110 蓄積容量配線、111 外部配線、112 プリント基板、
113 ICチップ、
LB レーザー光、PR、PR1、PR2、PR1’、PR2’ フォトレジスト。

Claims (10)

  1. 透明絶縁性基板より構成される基板上に酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜が表層となる第一の領域と窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜が表層となる第二の領域を形成する工程と、
    前記第一の領域における前記第一の絶縁膜上と前記第二の領域における前記第二の絶縁膜上に其々の絶縁膜表面に接して非晶質半導体膜を形成する工程と、
    前記第一の領域と前記第二の領域に形成された非晶質半導体膜の双方に対して、同じ照射条件により連続的に、或いは前記基板全体に一様にエネルギービームを照射することにより、前記第一の領域に形成された非晶質半導体膜のみを結晶性半導体膜に変換し、前記第二の領域に形成された非晶質半導体膜を非晶質状態に維持するアニール工程と、
    を備えたことを特徴とする非晶質半導体膜の結晶化方法。
  2. アニール工程において照射されるエネルギービームのエネルギー密度が、酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜上に形成した非晶質半導体膜を100nm以下の微結晶状態よりなる結晶性半導体膜に変換するのに必要なエネルギー密度よりも高く、かつ、窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜上に形成した非晶質半導体膜を結晶性半導体膜に変換するのに必要なエネルギー密度よりも低くなる範囲とすることを特徴とする請求項1に記載の非晶質半導体膜の結晶化方法。
  3. 透明絶縁性基板より構成される基板上に複数のゲート電極をパターニング形成する工程と、
    前記複数のゲート電極上を含む前記基板上に酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜を形成する工程と、
    前記基板上を部分的に覆う窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜を形成し、前記第二の絶縁膜により覆われず前記第一の絶縁膜が表層となる第一の領域と、前記第二の絶縁膜により覆われ前記第二の絶縁膜が表層となる第二の領域を形成する工程と、
    少なくとも、前記第一の領域における前記複数のゲート電極の何れかの上を含む前記第一の絶縁膜上と前記第二の領域における前記第二の絶縁膜上に、其々の絶縁膜表面に接して非晶質半導体膜を形成する工程と、
    前記第一の領域と前記第二の領域に形成された非晶質半導体膜の双方に対して、同じ照射条件により連続的に、或いは前記基板全体に一様にエネルギービームを照射することにより、前記第一の領域に形成された非晶質半導体膜のみを結晶性半導体膜に変換し、前記第二の領域に形成された非晶質半導体膜を非晶質状態に維持するアニール工程と、
    前記第一の領域において変換された前記結晶性半導体膜に接続してソース電極及びドレイン電極を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 第二の領域において非晶質状態に維持された非晶質半導体膜は、少なくとも、複数のゲート電極の何れかの上を含む第二の絶縁膜上に形成され、
    該非晶質半導体膜に接続してソース電極及びドレイン電極を、第一の領域において変換された結晶性半導体膜に接続してソース電極及びドレイン電極を形成する工程と同時に形成する工程を備え、
    第一の領域に結晶性半導体薄膜トランジスタを、前記第二の領域に非晶質半導体薄膜トランジスタを、其々形成することを特徴とする請求項3に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 透明絶縁性基板より構成される基板上に結晶性半導体薄膜トランジスタと非晶質半導体薄膜トランジスタを混在して備えた半導体装置であって、
    前記基板上に形成された前記結晶性半導体薄膜トランジスタを構成する第一のゲート電極及び前記非晶質半導体薄膜トランジスタを構成する第二のゲート電極と、
    前記第一のゲート電極上及び前記第二のゲート電極上を含む前記基板上に形成された酸化シリコン膜よりなり、前記結晶性半導体薄膜トランジスタを構成する第一のゲート絶縁膜となる第一の絶縁膜と、
    少なくとも前記第一のゲート電極上を含む領域において開口部を有して前記第一の絶縁膜上を部分的に覆う窒化シリコン膜よりなり、第一の絶縁膜との積層膜により前記非晶質半導体薄膜トランジスタを構成する第二のゲート絶縁膜となる第二の絶縁膜と、
    前記第二の絶縁膜により覆われない前記開口部において前記第一の絶縁膜表面上に接して形成され、前記第一のゲート電極上において前記結晶性半導体薄膜トランジスタの能動層を構成する結晶性半導体膜と、
    前記第二の絶縁膜により覆われる領域において前記第二の絶縁膜表面上に接して形成され、前記第二のゲート電極上において前記非晶質半導体薄膜トランジスタの能動層を構成する非晶質半導体膜と、
    前記結晶性半導体膜に接続され、前記結晶性半導体薄膜トランジスタを構成する第一のソース電極及び第一のドレイン電極と、
    前記非晶質半導体膜に接続され、前記非晶質半導体薄膜トランジスタを構成する第二のソース電極及び第二のドレイン電極と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
  6. 透明絶縁性基板より構成される基板上に結晶性半導体薄膜トランジスタと非晶質半導体薄膜トランジスタを混在して備えた半導体装置であって、
    前記基板上に形成された前記結晶性半導体薄膜トランジスタを構成する第一のゲート電極及び前記非晶質半導体薄膜トランジスタを構成する第二のゲート電極と、
    前記第一のゲート電極上を含む前記基板上に形成され、少なくとも前記第二のゲート電極上を含む領域において開口部を有する酸化シリコン膜よりなり、前記結晶性半導体薄膜トランジスタを構成する第一のゲート絶縁膜となる第一の絶縁膜と、
    前記第二のゲート電極上を含む前記基板上に形成され、少なくとも前記第一のゲート電極上を含む領域において開口部を有する窒化シリコン膜よりなり、前記非晶質半導体薄膜トランジスタを構成する第二のゲート絶縁膜となる第二の絶縁膜と、
    前記第二の絶縁膜により覆われない前記開口部において前記第一の絶縁膜表面上に接して形成され、前記第一のゲート電極上において前記結晶性半導体薄膜トランジスタの能動層を構成する結晶性半導体膜と、
    前記第二の絶縁膜により覆われる領域において前記第二の絶縁膜表面上に接して形成され、前記第二のゲート電極上において前記非晶質半導体薄膜トランジスタの能動層を構成する非晶質半導体膜と、
    前記結晶性半導体膜に接続され、前記結晶性半導体薄膜トランジスタを構成する第一のソース電極及び第一のドレイン電極と、
    前記非晶質半導体膜に接続され、前記非晶質半導体薄膜トランジスタを構成する第二のソース電極及び第二のドレイン電極と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
  7. 非晶質半導体薄膜トランジスタが、画像として視認される光量を制御する表示電圧或いは表示電流を供給するための画素薄膜トランジスタに用いられ、結晶性半導体薄膜トランジスタが、駆動回路を構成する駆動用薄膜トランジスタに用いられる表示装置であることを特徴とする請求項5或いは請求項6に記載の半導体装置。
  8. 透明絶縁性基板より構成される基板上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極上を含む前記基板上に形成された酸化シリコン膜よりなる第一の絶縁膜を少なくとも含んで構成されるゲート絶縁膜と、
    少なくとも前記ゲート電極上を含む領域において開口部を有して前記第一の絶縁膜上を部分的に覆う窒化シリコン膜よりなる第二の絶縁膜と、
    前記第二の絶縁膜により覆われない前記開口部において前記第一の絶縁膜表面上に接して形成される結晶性半導体膜及び前記第二の絶縁膜により覆われる領域において前記第二の絶縁膜表面上に接して形成される非晶質半導体膜により構成される半導体膜と、
    前記半導体膜上に形成され、互いに分離した二つの不純物領域を有する非晶質半導体層と、
    前記非晶質半導体層における二つの不純物領域上に其々接して形成されたソース電極及びドレイン電極と、
    を備え、
    前記結晶性半導体膜と前記非晶質半導体膜により構成される前記半導体膜は、前記ソース電極下の領域と前記ドレイン電極下の領域間の少なくとも一部を含む領域において前記結晶性半導体膜よりなり、前記ソース電極及びドレイン電極は前記結晶性半導体膜と接することなく形成されることを特徴とする薄膜トランジスタ。
  9. 結晶性半導体膜と非晶質半導体膜により構成される半導体膜と、互いに分離した二つの不純物領域を有する非晶質半導体層とが同一の平面形状にパターニング形成され、ソース電極及びドレイン電極は前記半導体膜と該半導体膜の端面において接して形成され、前記ソース電極或いは前記ドレイン電極と接する前記端面を有する領域における前記半導体膜は、前記非晶質半導体膜よりなることを特徴とする請求項8に記載の薄膜トランジスタ。
  10. ゲート絶縁膜が、少なくともゲート電極の端面を覆う部分において第一の絶縁膜と第二の絶縁膜の積層膜よりなり、結晶性半導体膜と接する部分において第一の絶縁膜の単層膜よりなることを特徴とする請求項8或いは請求項9に記載の薄膜トランジスタ。
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