JP2009290168A - 薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタアレイ基板、及びそれらの製造方法、並びに表示装置 - Google Patents

薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタアレイ基板、及びそれらの製造方法、並びに表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】歩留まり向上が可能で、かつ品質向上につながる薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタアレイ基板、及びそれらの製造方法、並びに表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法は、基板1上にゲート電極2を形成する工程と、ゲート電極2上にゲート絶縁膜3を形成する工程と、ゲート絶縁膜3上に、ゲート電極2の少なくとも一部と対向配置する半導体層10のパターン形成する工程と、半導体層10上にソース電極5、及びドレイン電極6を形成する工程と、ソース電極5、及びドレイン電極6をマスクとして、チャネル領域10Cに相当する半導体層10を所望の膜厚までエッチングする工程と、露出した半導体層10にレーザ光を照射する工程とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタアレイ基板、及びそれらの製造方法に関する。また、前記薄膜トランジスタを備える表示装置に関する。
薄膜トランジスタ(以下、「TFT」(Thin Film Transistor)とも云う)は、アクティブマトリクス型の液晶表示装置に広く適用されている。TFTの中でも、非晶質(アモルファス)シリコン(Si)を半導体層として用いるバックチャネルエッチ型の逆スタガ構造のTFTは、少ない製造工程数で製造が可能であり、絶縁性基板の大型化が容易なため、生産性が高い。
非晶質シリコンを半導体層として用いる逆スタガ構造のTFTは、以下のようにして製造することができる。まず、ガラス等の透明絶縁性基板上にゲート電極をフォトリソグラフィー工程、エッチング工程によってパターン形成する。次いで、プラズマCVD法によってゲート絶縁膜、不純物を含まない非晶質シリコン層、及び不純物を含む非晶質シリコン層を、順次、連続成膜する。そして、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程によって島状の半導体層を得る。その後、金属膜をスパッタ法等で形成し、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程によりソース電極、ドレイン電極をそれぞれ一括形成する。
ソース電極、ドレイン電極を形成後、両電極が存在しない領域の不純物を含む非晶質シリコン層を、いわゆるバックチャネルエッチングにより除去し、チャネル領域を形成する。その後、窒化シリコン等を用いてパッシベーション膜を形成する。
上記製造方法によれば、ソース電極とドレイン電極をマスクとしてセルファラインによりチャネル領域を形成することができる。また、ゲート絶縁膜、半導体層を順次連続して成膜することができる。このため、製造工程が簡便である。また、ゲート絶縁膜と半導体層の成膜を連続的に行うのでTFT特性のバラツキが小さいというメリットもある。
しかしながら、TFTのチャネル領域を構成する非晶質シリコン層は、通常は水素を多く含んでいる非晶質シリコン層(以下、「a−Si:H層」とも称する)により構成され、膜中には欠陥準位が多く存在する。このため、上記製造方法により得られたTFTは、電界効果移動度(μ)が1cm/V・s以下である、リーク電流(Ioff)が大きい、長時間動作時のストレスで閾値電圧(Vth)シフトが発生するという特徴を有する。これらの特性は、スイッチング素子として用いる際には問題ないが、これらを駆動させるための周辺回路に適用することは困難である。
そこで、これらの問題を克服する方法として、非晶質シリコン層にレーザ光を照射してレーザアニール処理を施すことにより非晶質シリコンを多結晶化する方法がある(特許文献1〜5)。
特許文献1に記載のTFTは、まず、絶縁性基板上にゲート電極を形成し、その上層にゲート絶縁層を形成する。次いで、多結晶半導体層を形成するための非晶質シリコン層を形成する。そして、多結晶シリコン層を形成したい領域にエキシマレーザ(XeCl 波長:308nm)を選択的に照射する。レーザアニール後、エッチングにより多結晶シリコン層のパターンを得る。その後、非晶質シリコン層、ソース電極、及びドレイン電極を形成する。この方法により、各トランジスタの役割に応じて、非晶質シリコン層のみからなる半導体層、多結晶シリコン層を備える半導体層を同一基板上に作り分けることができる。
図9に、特許文献2に記載のTFTの切断部断面図を示す。TFT152は、同図に示すように、ガラス等の絶縁性基板101、ゲート電極102、ゲート絶縁膜103、a−Si:H層からなる第1半導体層111及びna−Si:H層からなる第2半導体層112、ソース電極105、ドレイン電極106、SiO膜からなるパッシベーション膜107を備えている。同文献においては、図9に示すように、パッシベーション膜107越しに、表面側からエキシマレーザを照射することにより、第1半導体層111のa−Si:H層のチャネル領域を、多結晶化又は単結晶化する方法が提案されている。
図10に、特許文献3に記載のTFT252の切断部断面図を示す。同文献においては、以下のような製造方法が提案されている。すなわち、絶縁性基板201上にゲート電極202、ゲート絶縁膜203を形成し、その上層に、第3半導体層213を形成する。この際、まず10〜40nmの膜厚でa−Si:H層を堆積する。次いで、このa−Si:H層にエキシマレーザを130〜200mJ/cmのエネルギーで照射することにより多結晶シリコン膜からなる第3半導体層213を得る。その後a−Si:H層により構成される第1半導体層211、n型シリコン層からなる第2半導体層212を堆積してパターン形成後、ソース電極205、ドレイン電極206を形成し、最後にパッシベーション膜207を形成する。
特許文献4及び5においては、非晶質シリコン膜上にバッファー層、光−熱変換膜を順に成膜し、光−熱変換膜に半導体レーザ光を照射して非晶質シリコン膜を微結晶シリコン膜に変換する方法が提案されている。図11に、特許文献4に記載のTFT352の製造工程断面図を示す。まず、絶縁性基板301上にゲート電極302、ゲート絶縁膜303を形成し、その上層に非晶質シリコン膜315、バッファー膜316、光-熱変換膜317をこの順に成膜する。そして、光−熱変換膜317に半導体レーザ光を照射して非晶質シリコン膜315を微結晶シリコン膜からなる第3半導体層313に変換する(図11(a)参照)。
その後、バッファー膜316、光−熱変換膜317を除去する(図11(b)参照)。その後、非晶質シリコン膜である第1半導体層311を形成し(図11(c)参照)、チャネル領域上にストッパー層309を形成する。その後、na−Si層である第2半導体層312を成膜し、半導体層を島状にパターニングする。次いで、ソース電極305、ドレイン電極306を形成する(図11(d)参照)。
特許2814319号 第2−8図 特開昭60−245124号公報 第4−8頁、第2図 特開2002−141510号公報 第1図 特開2007−5508号公報 段落番号0018−0029、第2図 特開2007−35964号公報
エキシマレーザによれば、酸化膜やガラス基板等の材料に熱的影響をほとんど与えることなく、a−Si:H層のみを溶融させることができる。そして、a−Si:H層を溶融させた後、冷却することで多結晶シリコンを形成することができる。
しかしながら、a−Si:H層をエキシマレーザにより多結晶シリコン等に変換する場合には、a−Si:H層に対するエキシマレーザの吸収係数が10cm−1であるので、エキシマレーザからの照射光の吸収は、a−Si:H層表面より7nm程度までの表面付近に限られる。
逆スタガ構造のTFTのキャリアである電子の移動経路は、レーザ光を照射する側とは反対側に位置するゲート絶縁膜との界面付近の半導体層に限られる。このため、a−Si:H層を結晶化させる際には、ゲート絶縁膜の界面近傍まで多結晶化シリコン等に変換する必要がある。しかしながら、a−Si:H層の深さ方向の溶融は、潜熱によって行うため、ゲート絶縁膜の界面近傍のa−Si:H層の結晶化を制御することは難しい。ゲート絶縁膜の界面近傍に、a−Si:H層が残ったり、一部に非晶質な部分が存在する場合には、TFT特性(電界効果移動度、リーク電流、閾値電圧シフト抑制)が改善されない。
上記特許文献2に記載の図9の構成において、a−Si;H膜からなる第1半導体層111をゲート絶縁膜103界面近傍まで結晶化させるためには、第1半導体層111の膜厚を50nm程度、好ましくはそれ以下に設定する必要がある。しかしながら、この第1半導体層111の膜厚を薄く設定すると、その上層に形成するna−Si:H層からなる第2半導体層112をバックチャネルエッチングする際に、プロセス余裕度が低くなってしまう。その結果、製品歩留まりが低下してしまう。
上記特許文献3においては、結晶化した第3半導体層213上に、第1半導体層211、第2半導体層212を積層する。この際、結晶化したシリコン層表面では少なくとも大気との暴露が生じ、接合面には界面が生じる。界面では密着力低下や結晶欠陥によるトラップ準位が生じやすいという問題がある。
特許文献4及び5においては、図11(a)及び(b)に示すように、a−Si:H層を結晶化したシリコン層に変換した後、光−熱変換層317やバッファー層316を除去する必要がある。この際、結晶化したシリコン層である第3半導体層313にダメージを与えないように細心の注意を払わなければならない。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、歩留まり向上が可能で、かつ品質向上につながる薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタアレイ基板、及びそれらの製造方法、並びに表示装置を提供することである。
本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法は、基板上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上に、前記ゲート電極の少なくとも一部と対向配置する半導体層のパターン形成する工程と、前記半導体層上にソース電極、及びドレイン電極を形成する工程と、前記ソース電極、及びドレイン電極をマスクとして、チャネル領域に相当する前記半導体層を所望の膜厚までエッチングする工程と、露出した前記半導体層にレーザ光を照射する工程と、を備えるものである。
本発明に係る薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法は、基板上に第1金属膜を形成する工程と、前記第1金属膜上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に、前記第1金属膜の少なくとも一部の領域と対向配置する半導体層のパターンを形成する工程と、前記絶縁膜、前記半導体層を被覆するように第2金属膜を形成する工程と、前記半導体層のうちの所望の位置が露出するように開口パターンを形成する工程と、前記開口パターン越しに、レーザ光を照射する工程と、を備え、前記開口パターンの下層には、前記第1金属膜が配設されているものである。
本発明によれば、歩留まり向上が可能で、かつ品質向上につながる薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタアレイ基板、及びそれらの製造方法、並びに表示装置を提供することができるという優れた効果がある。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。また、以降の図における各部材のサイズや比率は、説明の便宜上のものであり、これに限定されるものではない。
本実施形態1に係る表示装置は、多結晶シリコンを備えた薄膜トランジスタ(TFT)を有するアクティブマトリクス型のTFTアレイ基板が搭載された表示装置である。ここでは、表示装置の一例として液晶表示装置について説明する。
図1は、TFTアレイ基板となる部分が複数形成された、本実施形態1に係るマザー基板55の模式的平面図であり、図2は、液晶表示装置50の模式的平面図である。なお、図2においては、説明の便宜上、対向基板の図示を省略する。
マザー基板55には、液晶表示装置50を構成する一対の基板のうちのTFTアレイ基板51となる部分が複数形成されている(図1参照)。図1の例においては、ガラス基板などの透明絶縁性基板56上に12個のTFTアレイ基板51となる部分がマトリクス状に形成されている。
TFTアレイ基板51は、図2に示すように、ゲート信号線21、ゲート駆動回路22、蓄積容量配線24、ソース信号線31、ソース駆動回路32等を備える。
ゲート信号線(走査信号線)21は、図1中の横方向に延在し、縦方向に複数並設されている。ソース信号線(表示信号線)31は、ゲート信号線21とゲート絶縁層(不図示)を介して交差するように、図1中の縦方向に延在し、横方向に複数並設されている。複数のゲート信号線21と、複数のソース信号線31は、ほぼ直交するようにマトリクスを形成し、隣接するゲート信号線21及びソース信号線31とで囲まれた領域が、画素40となる。従って、画素40は、マトリクス状に配列される。複数の画素40が形成されている領域が表示領域45となる。そして、表示領域45の外側に区画された領域が、額縁領域46である。
ゲート駆動回路22及びソース駆動回路32は、周辺回路として額縁領域46に形成されている。各ゲート信号線21は、表示領域45からゲート駆動回路22まで延設されている。同様に、各ソース信号線31は、表示領域45から当該ソース駆動回路32まで延設されている。ゲート駆動回路22やソース駆動回路32からは、配線が端子まで延設され、端子を介してICチップ34や、FPC(Flexible Printed Circuit)などの配線基板33に接続されている。
外部からの各種信号は、配線基板33を介してゲート駆動回路22、ソース駆動回路32に供給される。ゲート駆動回路22は外部からの制御信号に基づいて、ゲート信号(走査信号)をゲート信号線21に供給する。このゲート信号によって、ゲート信号線21が順次選択されることになる。ソース駆動回路32は、外部からの制御信号や、表示データに基づいて表示信号をソース信号線31に供給する。これにより、表示データに応じた表示電圧を各画素40に供給することができる。
各画素のゲート信号線21とソース信号線31の交差点付近には、少なくとも一つの信号伝達用のTFT52が設けられている。また、各画素には、TFT52と接続する蓄積容量素子32が形成されている。画素に形成されたTFT52のゲート電極はゲート信号線21に、TFT52のソース電極5はソース信号線31に接続されている。ゲート電極に電圧を印加するとソース信号線31から電流が流れるようになる。これにより、ソース信号線31から、TFT52のドレイン電極6に接続された画素電極に表示電圧が印加される。そして、画素電極と対向電極との間に、表示電圧に応じた電界が生じる。
一方、蓄積容量素子42は、TFT52のほか、蓄積容量配線24を介して対向電極とも電気的に接続されている。従って、蓄積容量素子42は、画素電極と対向電極との間の容量と並列に接続されていることになる。また、ゲート駆動回路22及びソース駆動回路32にも、画素40内に設けられたTFT52を駆動するための駆動用のTFT52が配置されている。TFTアレイ基板51の液晶側表面には、配向膜が形成されている。
上記マザー基板55には、対向基板(不図示)となる領域が複数形成された対向マザー基板(不図示)が対向配置されている。対向基板は、例えば、カラーフィルタ基板であり、視認側に配置される。対向基板には、カラーフィルタ、ブラックマトリクス(BM)、対向電極、及び配向膜等が形成されている。なお、対向電極は、TFTアレイ基板51側に配置されている場合もある。液晶表示パネルは、マザー基板55と、これに対向配置された対向マザー基板とを、液晶表示パネル単位に切り出し、これら一対の基板間に液晶を注入して封止することにより得られる。
TFTアレイ基板51と対向基板との外側の面には、偏光板、及び位相差板等が設けられる。液晶表示装置50は、液晶表示パネルの反視認側に、バックライトユニット等を配設することにより得られる。
液晶分子は、画素電極と対向電極との間の電界によって配向方向が変化する。液晶分子の配向変化に応じて、液晶層を通過する光の偏光状態が変化する。すなわち、バックライトユニットから偏光板を通過することにより形成された直線偏光が、液晶層を通過することによって、偏光状態が変化する。従って、偏光状態によって、対向基板側の偏光板を通過する光量が変化する。すなわち、バックライトユニットから液晶表示パネルを透過する透過光のうち、視認側の偏光板を通過する光の光量が変化する。
液晶の配向方向は、印加される表示電圧によって変化する。従って、表示電圧を制御することによって、視認側の偏光板を通過する光量を変化させることができる。すなわち、画素毎に表示電圧を変えることによって、所望の画像を表示することができる。なお、蓄積容量素子42において、画素電極と対向電極との間の電界と並列に電界を形成することにより、表示電圧を保持することができる。
次に、本実施形態1に係る薄膜トランジスタ(TFT)の構造について説明する。図3に、本実施形態1に係るTFT近傍の模式的断面図を示す。TFT52は、逆スタガ型のものであり、チャネルエッチにより製造する。TFT52は、図3に示すように、絶縁性基板1、ゲート電極2、ゲート絶縁膜3、半導体層10、ソース電極5、ドレイン電極6、パッシベーション膜7等を有している。
絶縁性基板1としては、ガラス基板や石英基板などの透過性を有する基板を用いる。ゲート電極2は、絶縁性基板1上に形成され、ゲート信号線21、共通容量配線24、共通容量電極層(不図示)等と同一のレイヤである第1金属膜により形成されている。ゲート絶縁膜3は、ゲート電極2を覆うように、その上層に形成されている。
半導体層10は、ゲート絶縁膜3の上に形成され、ゲート絶縁膜3を介してゲート電極2の少なくとも一部と対向配置されている。本実施形態1に係る半導体層10は、第1半導体層11である不純物を含まない非晶質シリコン層、第2半導体層12である不純物を含む非晶質シリコン層、第3半導体層13である不純物を含まない多結晶シリコン層により構成される。なお、第3半導体層13は、不純物を含まない多結晶シリコン層に代えて、不純物を含まない微結晶シリコン層に代えてもよい。ここで、第1半導体層11である不純物を含まない非晶質シリコン層は、通常、水素を多く含む非晶質シリコン層であるので、以降、a−Si:H層とも称する。
第2半導体層12は、第1半導体層11の上層に形成されている。そして、ソース電極5及びドレイン電極6は、第2半導体層12上に形成されている。ソース電極5の下層に位置する半導体層10の領域がソース領域10S、ドレイン電極6の下層に位置する半導体層10の領域がドレイン領域10Dとなる。そして、ソース電極5、及びドレイン電極6が形成されていない半導体層10の領域がチャネル領域10Cとなる。換言すると、チャネル領域10Cは、ソース領域10Sとドレイン領域10Dに挟まれた領域に配置されている。チャネル領域10Cは、バックチャネルエッチにより形成されており、第2半導体層12が除去されている。
ソース電極5及びドレイン電極6は、ゲート絶縁膜3、第1半導体層11、第2半導体層12を介して、少なくともゲート電極2の一部と対向配置されている。すなわち、TFT52として動作するために、薄膜トランジスタ領域が、ゲート電極2上に存在して、ゲート電極2に電圧を印加した時の電界の影響を受けやすい状態とする。
パッシベーション膜7は、チャネル領域10C、ソース電極5、ドレイン電極6を覆うように形成されている(図3参照)。画素40の領域に配設されるTFT52においては、パッシベーション膜7上に、画素電極(不図示)が形成され、パッシベーション膜7に形成されたコンタクトホール(不図示)を介して、ドレイン電極6と画素電極が電気的に接続されている。
チャネル領域10Cは、前述したように第3半導体層13により構成されている。具体的には、不純物を含まない多結晶シリコンにより構成されている。ソース領域10S及びドレイン領域10Dは、a−Si:H層である第1半導体層11と、オーミックコンタクト層からなる第2半導体層12により構成されている。
上記のように構成されたTFT52におけるキャリアとなる電子の移動経路は、図3の矢印で示すように、チャネル領域10Cにおけるゲート絶縁膜3との界面近傍に限られる。従って、ゲート絶縁膜3近傍のチャネル領域10Cの結晶状態を制御することが重要となる。
次に、図4を用いて、本実施形態1に係る薄膜トランジスタの製造方法について説明する。なお、本実施形態1において、画素40内に配設されたスイッチング素子用の薄膜トランジスタと、ゲート駆動回路22及びソース駆動回路32に配置された薄膜トランジスタが同様の構成となっており、両TFTを区別せずにTFT52と表記する。これらは、同時に形成する。
まず、絶縁性基板1上に第1金属膜を成膜し、ゲート電極2を形成する。第1金属膜としては、Al、Mo,Cr、これらを主成分とする合金等を挙げることができる。MoやCrは、高融点材料であるのでより好ましい。第1金属膜は、これらの金属の積層膜としてもよい。なお、ゲート電極2の形成と同時に、ゲート信号線等も形成する。
次に、ゲート電極2及び絶縁性基板1上に、プラズマCVD法により、ゲート絶縁膜3と、第1半導体層11、第2半導体層12を順次連続成膜する(図4(a)参照)。第1半導体層11は、前述したように、不純物を含まないa−Si:H層であり、第2半導体層12は、不純物を含む非晶質シリコン層である。第2半導体層12としては、例えば、リンドープしたn型の非晶質シリコン層とすることができる。連続成膜することにより、それぞれの膜の接合面のオーミック性を良好に保つことができる。また、製造ばらつきを小さくすることができる。
次に、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程を経て、TFT52となる領域の半導体層10を島状に形成する(図4(b)参照)。続いて、ソース電極5、ドレイン電極6を形成するための第2金属膜を成膜する。この第2金属膜には、ゲート電極2と同様に、Al、CrやMo、これらを含む合金等の材料を用いることができる。積層膜により構成することも可能である。成膜後、この第2金属膜を、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程により所望の形状のソース電極5、ドレイン電極6のパターンを得る。
露出されたオーミックコンタクト層として機能する第2半導体層12、及びその下層に位置する第1半導体層11の一部をエッチングにより除去する。これにより、バックチャネルが形成される(図4(c)参照)。ソース電極5、ドレイン電極6が形成された領域には、n型非晶質シリコン層である第2半導体層12が残り、ソース電極5及びドレイン電極6と、第1半導体層11とのオーミックコンタクト層として機能する。バックチャネルエッチング後のチャネル領域となる領域の第1半導体層11の膜厚は、40nm以上、100nm以下となるように制御する。より好ましくは、60nm以上、80nm以下である。a−Si:H層の膜厚が40nm未満の場合には、バックチャネルエッチングの際のプロセス余裕度が狭くなってしまうので好ましくない。一方、a−Si:H層の膜厚が100nmを超えると、ゲート絶縁膜3の界面近傍まで結晶化を促進させるための照射エネルギーが高くなるため好ましくない。
次いで、Nd:YAGレーザの第2高調波(波長532nm)を、ソース電極5、並びにドレイン電極6越しにチャネル領域10Cの第1半導体層11に選択的に照射を行う。これにより、第1半導体層11が露出している領域が結晶化され、a−Si:H層から多結晶シリコン層である第3半導体層13に変換される。換言すると、ソース電極5、ドレイン電極6により被覆されている領域は、結晶化されず、a−Si:H層からなる第1半導体層11を維持する。従って、結晶化した領域が、チャネル領域10Cとしてセルフアラインに形成されることになる。第3半導体層13は、チャネル領域10Cにおいて、ゲート絶縁膜3の界面まで結晶化するようにレーザ光照射を行う。
YAGレーザの第2高調波は、a−Si:H層の吸収係数が10cm−1程度であり、70nm程度まで吸収されずに、深さ方向に対して結晶化が進行しやすい。すなわち、ゲート絶縁膜3との界面付近まで結晶化させるにも比較的a−Si:H層の厚膜化が可能であり、バックチャネルエッチングの際の第2半導体層12の除去工程のプロセス余裕度を上げることができる。その結果、製品歩留まりを向上させ、生産性向上を実現することができる。
YAGレーザの照射領域は、チャネル領域10C、及び周辺に配置されているソース電極5、及びドレイン電極6、並びにゲート電極2が配置されている領域内に設定する。このような構成とすることにより、YAGレーザの光は、ゲート電極2、ソース電極5、ドレイン電極6により遮光され絶縁性基板1に到達しないようにすることができる。なお、チャネル領域10Cは、その下層にゲート電極2が配設されている。
レーザ光が絶縁性基板1に到達しない構成とすることにより、レーザ光照射装置(不図示)のステージの形状が模様としてTFTに映り込んだりして照射エネルギーが変動してしまうことを防止することができる。また、これを防止するためにステージに反射防止等を設置する必要がない。勿論、レーザ光照射装置のステージに反射防止処理を施した上で、YAGレーザの照射部位を拡張したり、基板全面にスキャンさせたりしてもよい。
ゲート電極2、ソース電極5、ドレイン電極6として、おおよそ600℃程度の融点を有するAl系膜を用いた場合、照射エネルギーは、300mJ/cm以下とすることが好ましい。300mJ/cmを超えると、Al系膜に熱ダメージを与えてしまうためである。一方、照射エネルギーの下限値は、ゲート電極2の材料やゲート絶縁膜3の膜厚、第1半導体層11の膜厚に応じて、さらには求められるTFTの特性に応じて適宜調整する。通常は、160mJ/cm以上とすることが好ましい。
YAGレーザの第2高調波は、連続的に照射を繰り返すことによって、結晶化した第3半導体層13にも部分的に照射されることになる。多結晶化、若しくは微結晶化した第3半導体層13に対するYAGレーザの第2高調波の吸収係数は、10cm−1程度である。従って、第3半導体層13に照射されたレーザ光の一部は吸収されずにゲート絶縁膜3を通過し、ゲート電極2表面にて反射する。そして、半導体層10とゲート絶縁膜3界面等との反射を繰返して干渉し合う。従って、YAGレーザを用いる場合、反射光の影響を考慮した照射エネルギーの設定が必要である。
図5及び図6に、第1半導体層11のチャネル領域に、YAGレーザの第2高調波を照射して結晶化させた第3半導体層13の表面の電子顕微鏡(SEM)像、及び原子間力顕微鏡(AFM)像を示す。具体的には、図5(a)に、250mJ/cmを照射した際のSEM像、図5(b)に同AFM像を示す。また、図6(a)に、300mJ/cmを照射した際のSEM像、図6(b)に同AFM像を示す。なお、SEM像は、セコエッチ後のものである。
上記条件とした場合には、結晶サイズは、概ね100nm以下の微結晶となる。非晶質半導体層からなる第1半導体層11を結晶化させることによって、すなわち第3半導体層13に変換することによって膜中の欠陥準位を減らすことができる。その結果、Vthシフトを抑制することができる。なお、目的とするTFTは、高移動度を必要としているものではなく、電界効果移動度(μ)は、1cm/V・s程度で十分なものである。
その後、ゲート絶縁膜3、チャネル領域10C、ソース電極5、及びドレイン電極6を覆うように、プラズマCVD法等によりパッシベーション膜7を形成する。パッシベーション膜7としては、例えば窒化シリコンを用いることができる。これにより、TFT52が完成する。
なお、パッシベーション膜越しにa−Si:H層にYAGレーザの第2高調波を照射する方法について、パッシベーション膜として窒化シリコン、酸化シリコン膜等を用い、様々な膜厚、膜質において実験を重ねた。しかしながら、いずれもパッシベーション膜として機能し得る膜質を得ることができなかった。具体的には、パッシベーション膜に空洞部が生じたり、剥離が生じたりしてしまった。パッシベーション膜越しにa−Si:H層にレーザ光照射を行うと、a−Si:H層が溶融した際に生じるa−Si:H層に含まれる水素が、その逃げ場として、パッシベーション膜に空洞部を生じさせたり、剥離を生じさせたりするためであると考える。
本実施形態1に係るTFT52の製造方法によれば、レーザ光を照射するステップ以外は、従来のバックチャネル型の逆スタガ構造のTFT52の製造方法を適用することができる。従って、既存の製造装置を用いることができる。無論、グレイトーン(ハーフトーン)プロセスを用いて、半導体層、並びにソース電極5、ドレイン電極6を一括形成して、フォトリソグラフィー工程の削減を図ることも可能である。
本実施形態1においては、a−Si:H層からなる半導体層を多結晶化させるために、YAGレーザの第2高調波を用いているので、前述したように深さ方向に対して結晶化を進行させやすい。従って、レーザ光照射部分において、非晶質シリコン層が残らないように制御しやすい。また、a−Si:H層の厚膜化がエキシマレーザに比して可能であり、バックチャネルエッチングの際のプロセス余裕度を上げることができる。その結果、製品歩留まりを向上させ、生産性向上を実現することができる。
ゲート駆動回路22やソース駆動回路32に用いるTFTは、常時動作しているものである。このため、非晶質シリコン層からなるTFTをゲート駆動回路22やソース駆動回路32に用いる場合には、連続動作が長時間に及ぶとVthシフトが発生し、正常な駆動動作をしなくなるという問題があった。すなわち、正常な表示ができなくなってしまうという問題があった。そのため、ゲート駆動回路22やソース駆動回路32の動作には、外付けのICチップを用いていた。
本実施形態1に係るTFT52をゲート駆動回路22やソース駆動回路32に適用することにより、上記問題を解決することができる。すなわち、a−Si:H層からなる第1半導体層11のチャネル領域10Cを結晶化することにより、結晶化した第3半導体層13の膜中の欠陥準位が減ることになる。その結果、電界効果移動度(μ)を高めることができる。また、半導体層として非晶質シリコン層のみからなるTFTに比して、長時間動作時のVthシフト量を小さくすることができる。その結果、TFT性能向上と信頼性向上を実現することができる。
また、ゲート駆動回路22やソース駆動回路32を絶縁性基板1上に画素領域のTFTと同時に形成することが可能となるので、ICチップの部品点数を減らすことが可能となる。すなわち、減量化、軽量化、さらには小型化の実現が期待できる。
また、上記特許文献3〜5のように、結晶化したシリコン層の表面に、非晶質シリコン層を積層することがないので、界面での密着力低下の問題を気にしなくてよい。また、結晶欠陥によるトラップ準位を少なくすることができる。さらに、接合のオーミック性も考慮する必要がない。また、チャネル領域のみという限られた領域のみを結晶化し、ソース領域、及びドレイン領域においては、従来のTFTのように連続成膜した状態を維持させているので、TFTばらつきを小さくすることができる。
以上のことから、本発明を適用することにより、信頼性向上、歩留まり向上、及び品質向上を兼ね備えた薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタアレイ基板、及びその製造方法を提供することができる。
なお、レーザアニールの光源としては、バックチャネルエッチング時のプロセス余裕度を高める観点から、YAGレーザの第2高調波を用いることが好ましいことを述べたが、これに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において他のレーザ光を用いることができる。また、上記実施形態1においては、非晶質の半導体層として非晶質シリコンの例を、多結晶の半導体層として多結晶シリコンを例にとり説明したが、これに限定されるものではなく、本件発明を他の半導体層に広く適用することができる。
また、本実施形態1においては、TFTアレイ基板を液晶表示装置に搭載した例について述べたが、これに限定されるものではなく、EL表示装置(有機EL表示装置、無機EL表示装置)等の平面型表示装置(フラットパネルディスプレイ)に好適に搭載することができる。有機EL表示装置の場合、TFTアレイ基板上に、画素電極であるアノード電極、対向電極であるカソード電極を設ける。また、アノード電極とカソード電極との間には、有機層が配置される。なお、画素電極をアノード電極とするか、カソード電極とするかは、光学的な設計により適宜選択すればよい。
アノード電極とカソード電極との間に電流を供給することによって、アノード電極からは正孔が、カソード電極からは電子がそれぞれ有機層に注入されて再結合する。その際に生ずるエネルギーにより有機層内の発光性化合物の分子が励起される。励起された分子は基底状態に失活し、その過程において有機層が発光する。そして、有機層から発光された光は、視認側に出射する。有機EL素子に所望の電流を伝播するために駆動回路やスイッチング素子、補正回路が必要となり、複数のTFTが形成されている。特にこれらのTFTの駆動能力や閾値電圧の変動の低減が要求されている。従って、本件発明は、有機EL表示装置に搭載するTFTアレイ基板として特に有効である。
[実施形態2]
上記実施形態1とは異なるTFTアレイ基板の一例について説明する。なお、以降の説明において上記実施形態1と同一の要素部材には同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
本実施形態2に係るTFTアレイ基板の製造方法は、以下の点を除く基本的な製造方法は、上記実施形態1と同様である。すなわち、上記実施形態1においては、YAGレーザの第2高調波をソース電極5、及びドレイン電極6越しにa−Si:H層である第1半導体層11に照射していたのに対し、本実施形態2においては、YAGレーザの第2高調波をラインビームとし、マザー基板55の全面に対してスキャンしてレーザ光照射を行っている点において相違する。
また、上記実施形態1においては、第2金属膜をパターニングしてソース電極5、ドレイン電極6、ソース信号線31等を形成した後に、チャネル領域10Cを形成する位置に選択的にYAGレーザを照射していたのに対し、本実施形態2においては、第2金属膜を成膜後、まず、第3半導体層13に変換したい領域の第1半導体層11が露出するように開口パターンを形成し、YAGレーザの照射を基板全面に行った後に、ソース電極5、ドレイン電極6、ソース信号線31等のパターンを形成している点において相違する。
図7に、マザー基板55の全面に対してスキャンするためのレーザ光照射装置60の模式図の一例を示す。このレーザ光照射装置60は、同図に示すように、レーザ発信機61、ビーム導入光学ユニット62、転写アレイユニット63、集光レンズユニット64を備える。光学レンズ等によりレーザ光65を均一に伸ばすことによりラインビーム66を形成する。そして、このラインビーム66をマザー基板55に照射する。マザー基板55を所定の速度で移動させることによって、ラインビーム66がスキャンされ、レーザ光がマザー基板55全面に照射される。通常、複数回スキャンさせることでマザー基板55全面の照射が可能となる。
図8に、本実施形態2に係るTFTアレイ基板の製造工程断面図を示す。本実施形態2に係るTFTアレイ基板の製造方法は、第2金属膜を成膜するステップまでは、上記実施形態1と同様である。第2金属膜9を成膜後、まず、第1半導体層11のうち、第3半導体層13に変換したい領域の第1半導体層11が露出するように開口パターン8を形成する。
本実施形態2においては、画素40領域に配置されるスイッチング用のTFTのチャネル領域には、開口パターンを設けず、ゲート駆動回路22及びソース駆動回路32に配置されるTFT52のチャネル領域に開口パターン8を設けた。具体的には、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程により、第2金属膜9の開口パターンを形成する。そして、露出された第2半導体層12をエッチングにより除去する。これにより開口パターン8を得る。その後、レーザ光照射装置60により、ラインビームを一定速度でスキャンさせてマザー基板55全面にレーザ光を照射する(図8(a)参照)。
マザー基板55全面に照射する際、第1半導体層11を第3半導体層13に変換するチャネル領域10C以外は、第2金属膜9により被覆されている。また、チャネル領域10Cの下層には、ゲート電極2が配置されている。従って、YAGレーザの光は、ゲート電極2、及び第2金属膜9により遮光され、絶縁性基板1に到達しないようにすることができる。レーザ光が絶縁性基板1に到達しない構成とすることにより、レーザ光照射装置60のステージの形状が模様として映り込んだりして照射エネルギーが変動してしまうことを防止することができる。また、これを防止するためにステージに反射防止等を設置する必要がない。
その後、第2金属膜をソース電極5、ドレイン電極6、ソース信号線31等の所望のパターンとなるようにパターン形成を行う(図8(b)参照)。この際、既に開口している開口パターン8は、フォトレジストにより被覆した状態でパターン形成を行う。
なお、第3半導体層13の結晶化度合い(結晶サイズ等)を場所に応じて設定したい場合には、開口パターンを複数回に分けて形成し、レーザ光を複数回に分けて照射すればよい。但し、多重照射部位は、照射エネルギーの設定に注意を払う必要がある。一度結晶化した多結晶シリコン層は、YAGレーザの第2高調波の場合、吸収はほとんどされないものの、ゲート電極2等の影響は受けてしまうためである。
本実施形態2に係る製造方法によれば、同一のTFTアレイ基板内に配設されるTFTにおいて、求められる特性に応じて、半導体層を多結晶シリコン層若しくは微結晶シリコン層としたり、非晶質シリコン層を維持するように選択することができる。
本実施形態2に係るTFTの製造方法によれば、レーザ光を照射する前までのステップは、従来のバックチャネル型の逆スタガ構造のTFTの製造方法を適用することができる。また、マザー基板55全面にレーザ光をスキャンさせているので、レーザ光照射のプロセスを簡便化することができる。また、レーザー光の照射部位の位置ずれ等の問題が生じないので、製造歩留まりを向上させることができる。
また、上記実施形態1と同様にYAGレーザの第2高調波を用いているので、a−Si:H層からなる半導体層を多結晶化させる際に、深さ方向に対して結晶化を進行させやすい。従って、a−Si:H層の厚膜化がエキシマレーザに比して可能であり、バックチャネルエッチングの際のプロセス余裕度を上げることができる。その結果、製品歩留まりを向上させ、生産性向上を実現することができる。
また、本実施形態2に係るTFT52をゲート駆動回路22やソース駆動回路32に適用することにより、半導体層に非晶質シリコン層のみからなるTFTを用いる場合に比して、電界効果移動度(μ)を高め、長時間動作時のVthシフト量を小さくすることができる。また、ゲート駆動回路22やソース駆動回路32を絶縁性基板1上に画素領域のTFTと同時に形成することが可能となるので、ICチップの部品点数を減らすことが可能となる。すなわち、減量化、軽量化、さらには小型化の実現が期待できる。
さらに、画素40内に設けられたTFTは、スイッチング動作として機能すればよいのでゲート駆動回路22やソース駆動回路32に配置するTFTほどのTFT特性は要求されない。そこで、画素40内のTFTの第1半導体層11のチャネル領域は結晶化させずに連続成膜の状態を維持する。これにより、特性のばらつきをより効果的に低減しつつ、ニーズに合わせたTFT特性を実現することができる。
また、上記特許文献3〜5のように、結晶化したシリコン層の表面に、非晶質シリコン層を積層することがないので、界面での密着力低下や接合不良を気にする必要がない。すなわち、チャネル領域のみという限られた領域のみを結晶化し、ソース領域、及びドレイン領域においては、従来のTFTのように連続成膜した状態を維持させているので、TFTばらつきを小さくすることができる。
以上のことから、本発明を適用することにより、信頼性向上、歩留まり向上、及び品質向上を兼ね備えた薄膜トランジスタ、薄膜トランジスタアレイ基板、及びその製造方法を提供することができる。
なお、本実施形態2においては、ゲート駆動回路22、ソース駆動回路32等に配設されるTFTのチャネル領域を多結晶シリコン層により構成し、画素40の領域に形成されたスイッチング素子として機能するTFTのチャネル領域を非晶質シリコン層により構成する例について述べたが、これに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲にて種々の態様が可能である。
実施形態1に係るマザー基板の構成を示す模式的平面図。 実施形態1に係る液晶表示装置の模式的平面図。 実施形態1に係るTFT近傍の模式的断面図。 (a)〜(d)は、実施形態1に係るTFTの製造工程断面図。 実施形態1に係る第3半導体層のSEM像、(b)は同AFM像。(250mJ/cm 実施形態1に係る第3半導体層のSEM像、(b)は同AFM像。(300mJ/cm 実施形態2に係るレーザ光照射装置の一例を示す模式図。 実施形態2に係るTFTの製造工程断面図。 特許文献2に記載のTFTの模式的断面図。 特許文献3に記載のTFTの模式的断面図。 (a)〜(d)は、特許文献4に記載のTFTの模式的な製造工程断面図。
符号の説明
1 絶縁性基板
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁膜
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 パッシベーション膜
10 半導体層
11 第1半導体層
12 第2半導体層
13 第3半導体層
21 ゲート信号線
22 ゲート駆動回路
24 蓄積容量配線
31 ソース信号線
32 ソース駆動回路
33 配線基板
40 画素
45 表示領域
46 額縁領域
50 液晶表示装置
51 薄膜トランジスタアレイ基板
52 TFT
55 マザー基板
60 レーザ光照射装置
61 レーザ発振器
62 ビーム導入光学ユニット
63 転写アレイユニット
64 集光レンズユニット
65 レーザ光
66 ラインビーム

Claims (11)

  1. 基板上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上に、前記ゲート電極の少なくとも一部と対向配置する半導体層のパターン形成する工程と、
    前記半導体層上にソース電極、及びドレイン電極を形成する工程と、
    前記ソース電極、及びドレイン電極をマスクとして、チャネル領域に相当する前記半導体層を所望の膜厚までエッチングする工程と、
    露出した前記半導体層にレーザ光を照射する工程と、を備える薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 前記半導体層は、不純物を含まない非晶質シリコン層と、その上層に形成され、当該非晶質シリコン層と前記ソース電極、及びドレイン電極とのオーミックコンタクト層となる不純物を含む非晶質シリコン層とからなり、
    前記エッチング工程において、前記不純物を含む非晶質シリコン層を除去し、
    前記レーザ光を照射する工程により、前記不純物を含まない非晶質シリコン層を多結晶シリコン層、若しくは微結晶シリコン層に変換することを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 前記レーザ光は、Nd:YAGレーザの第2高調波(波長532nm)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 前記YAGレーザの照射エネルギーは、160mJ/cm以上、300mJ/cm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 前記YAGレーザは、ラインビームであり、
    当該ラインビームをスキャンさせることにより、前記基板全面にレーザ光を照射することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 前記エッチング工程により露出した前記半導体層の膜厚が、40nm以上、100nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法により製造された薄膜トランジスタ。
  8. 基板上に第1金属膜を形成する工程と、
    前記第1金属膜上に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上に、前記第1金属膜の少なくとも一部の領域と対向配置する半導体層のパターンを形成する工程と、
    前記絶縁膜、前記半導体層を被覆するように第2金属膜を形成する工程と、
    前記半導体層のうちの所望の位置が露出するように開口パターンを形成する工程と、
    前記開口パターン越しに、レーザ光を照射する工程と、を備え、
    前記開口パターンの下層には、前記第1金属膜が配設されている薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法。
  9. 前記半導体層は、不純物を含まない非晶質シリコン層と、その上層に形成され、当該非晶質シリコン層とその上層の前記ソース電極、及びドレイン電極とのオーミックコンタクト層となる不純物を含む非晶質シリコン層とからなり、
    前記開口パターンを形成する工程において、前記不純物を含む非晶質シリコン層を除去し、
    前記レーザ光を照射する工程により、前記不純物を含まない非晶質シリコン層を多結晶シリコン層、若しくは微結晶シリコン層に変換することを特徴とする請求項8に記載の薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法。
  10. 前記レーザ光は、Nd:YAGレーザの第2高調波(波長532nm)であることを特徴とする請求項8又は9に記載の薄膜トランジスタアレイ基板の製造方法。
  11. 請求項7に記載の薄膜トランジスタを備える表示装置。
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