JP2012032412A - 可溶化身体サンプルにおける新形成疾患を検出するための方法 - Google Patents

可溶化身体サンプルにおける新形成疾患を検出するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】可溶化身体サンプルから、新生物性障害(例えば、癌およびその前駆段階(特に、呼吸器、泌尿器系、生殖管の癌、HPV感染関連の癌、肛門性器管の))の早期の診断のための方法の提供。
【解決手段】上記目的のためのキット並びにインビトロ診断用デバイスの開発もまた、本発明の一側面である。ここで上記開発は、細胞保存培地中の保存細胞として提供される身体サンプルを使用して行われ、そしてその保存細胞は液体ベースの細胞学的プロセスのような細胞学的検査プロセスにて使用することを意図され、調製される。液体ベースの細胞学的プロセスのためのサンプル(以下LBCサンプルと呼ぶ)は適切な溶解培地中で可溶化され、生化学的非細胞ベースの分析に基づいて可溶化身体サンプルから医学が関係する状態を検出するためのキットならびにインビトロ診断用デバイスを開発するために使用される。
【選択図】なし

Description

本発明は、可溶化身体サンプルから癌およびその前駆体段階等の新生物性障害、特に呼吸器管の癌、泌尿器系の癌、生殖器系の癌、HPV感染に伴う癌、肛門性器系の癌を早期診断するための方法に関係する。
(発明の背景)
50年代中頃より、大方の種類の癌に対する予防策が提示されてきている。様々な先進国では、子宮頸癌に関して確立された集団ワイドスクリーニングプログラムが存在する。しかし同様のスクリーニングプログラムが、例えば泌尿器系の癌、呼吸器管の癌、その他の癌のような他の癌実体および各々の前駆段階に利用できる。以下では、この予防法プログラムの欠点を明確に表すため子宮頸癌を例として用いる。しかし以下の事項は必要な変更を加えた上で、あらゆる癌実体に対する他の予防プログラムに当てはめることができる。
頚部上皮内癌ならびに子宮頚腺病変に関して、予防プログラムは、パプ試験と呼ばれる子宮頚の細胞学的スミアを形態学的および細胞学的に検査することに主に基づき、20歳以上の女性に行われる婦人科定期検診に基づいて策定されている。細胞形態学によって、スミアを、形成異常的な細胞変化の種々の度合いに選別する。パプI〜Vによると、これらの度合いはそれぞれ正常、軽度形成異常、中度形成異常、重度形成異常、浸潤性癌腫と称される。パプ試験によって顕著な結果が出た場合、少量の生検材料が採取され、組織学的検査を受けることとなり、これによって形成異常の種類および程度が決定され、子頚部上皮内癌(CIN1〜CIN3)と分類される。
あらゆる予防プログラムにもかかわらず、毎年400,000人の新たな患者を生み出す子宮頸癌は、女性で二番目に多い新生物性障害である。これは特に個人に対するパプ試験結果の内30%もが偽陰性であることに起因する。
頚部上皮内癌に対する従来のスクリーニング検査では、子宮頚の新生物病変を検出するためにスワブが使用される。スクリーニングの過程で、種々の病変を識別する必要がある。病変の原因は、例えば(感染因子または物理的損傷もしくは化学的損傷に起因する)炎症あるいは新生物性障害であり得る。形態学的検査では、様々な性状の病変が高度に識別される。従って、子宮頚スワブならびにスミアを検査するためには、細胞学者および病理学者は特別に訓練される必要があり、例え経験を積んだ検査師でさえ、細胞サンプルに基づいた診断を決定する際に異議を唱える、内外の高レベルの第三者を確保している。一般に、検査結果は、検査を行う病理学者/細胞学者による診断基準の主観的な解釈に基づいている。その結果、スクリーニング検査の結果が偽陽性および偽陰性となる割合は、依然容認できないほど高い。
しかし、分子レベルの補助的手段を使用することによって検査結果の再現性を向上させることもできる。それでもサンプルの保存および調製に伴う問題は、分子マーカーの使用を加えるだけでは解決することができない。スクリーニングの目的で細胞学的検査あるいは組織学的検査を行う場合、特に分子マーカーを検出するための方法を適用する場合、サンプルによって人為的結果や誤った結果が導かれないようにする厳格な予防措置から、さらに複雑な問題が生じる。
これは一部には細胞ベースの形態学的情報が不安定であることに起因し、一部には検査の過程で検出される分子マーカーが不安定であることに起因する。サンプルが適切な方法で調製、輸送、または保存されなければ、細胞ベースの情報も、たとえ分子情報でも、失われるかあるいは変化してしまう場合がある。このために診断が不可能となったりあるいは人為的結果を招いたりすることがある。例えば、細胞が(物理的あるいは生物/化学的に)損傷することによって、生検材料あるいは細胞学的調製物の解釈は、困難あるいは不可能となることが多い。さらに組織サンプルあるいは生検に関して、サンプル(これは、迅速な代謝回転に供される)の分子構成の保存は、適切な保存剤がサンプル全体に浸透するまでに経過する時間に起因して、洗練される。
例として子宮頸癌を用いて上記を示したが、全体的背景は一般的な新生物性障害の予防プログラムにも当てはめることができる。なぜなら、他の癌実体についての状況は、非常に類似したものあるからである。一般に、当該分野で慣用的に行われている形態学に基づく診断法は、二つの主な欠点を示している。1つ目は、この方法は個々の検査技師の知覚に大きく依存することである。2つ目は、形態学的情報は崩壊過程によって大きな影響を受けやすく、そのためサンプルを調製した後に生じる人為的結果の影響を受けやすいことである。両局面とも結果の再現性が不適切となる一因となる。
従って、癌等の新生物性障害ならびにその前駆段階を早期に高い信頼性でもって診断することのできる方法を提供することが本発明の目的である。さらに、形成異常病変ならびに前癌のような新生物性障害からの良性炎症性変化あるいは化生性変化については、本方法による分化が可能である。さらに本発明は、生化学に基づいて可溶化サンプルから癌を検出するための方法を提供する。サンプルは液体ベースの細胞学的方法に使用されるような細胞保存溶液中の細胞を含め、あらゆる種類であり得る。LBCサンプルを、医学が関係する状態の診断を生化学的非細胞ベースで評価するための診断検査キット開発のためのサンプル材料源として使用することが本発明の別の局面であると、本発明者らは洞察する。当該分野において、LBCサンプルは細胞ベースのアッセイ様式の開発のために使用されている。しかし本明細書中で開示される方法でサンプルを溶解することによって、本発明者らは、患者の疾患状態に関する情報を提供するのに適するサンプル材料に基づく生化学的キットの開発へ、同じサンプル材料に基づく他の診断手順から基礎を移すことが可能となる。
LBCサンプルからHPV核酸を検出するための方法はDigene Corp.によって開示されている。この方法では分析の基本としてLBCサンプルが使用される。LBCサンプルに含まれる細胞を溶解した後にHPV核酸の検出が行われる。この方法では、同じLBCサンプルから調製された細胞学的検体から得られる情報に関して、HPV核酸の生化学的非細胞ベースの検出法に使用されるLBCサンプル量の標準化は行われていない。従って、Digeneによって開示された方法は単に定性測定に制限される。あらゆる生化学的非細胞ベースの定量法、あるいは準定量法でさえも、サンプルの組成に関する情報が必要であり、これはサンプルの生化学マーカーあるいはサンプルの顕微鏡分析もしくはフローサイトメトリ分析のいずれかから得ることができる。本発明では、診断評価のため、あるいはキットならびにインビトロ診断用デバイスの開発のためにLBCサンプルを使用することによって、正確かつ匹敵する方法に、生化学的非細胞ベースの検査のための細胞学的情報を提供することが可能となる。細胞あるいは細胞型の有無を示唆するマーカーに関して生化学的標準化を取り入れることは省略可能である。この点に関してLBCサンプルを使用する利点は、細胞ベースの細胞学的情報が同種のLBC検体に直接関係し、このため、生化学的非細胞ベースの試験の結果を評価する際に利用するための有用で正確な情報が得られる点である。
一方、可溶化検体からタンパク質もしくは核酸レベルに対する分子マーカーを検出するための方法は、様々な刊行物に開示されている。しかしながら、この点に関してサンプル検体の供給源としてLBCサンプルを使用することへは繋がっていない。一般に、当該分野ではLBC法が利用され、細胞学的検体の形態的評価を改善し得る。従って、LBCサンプルが利用される分野は細胞学のみであると示されている。先行技術の開示に基づいて、生化学検査用のために続いてサンプルを可溶化するためのLBCサンプルの調製は開示されていない。さらにLBC手順の利点に関する開示内容が教示するものは、検体の細胞形態学的評価に関係しないあらゆる方法においてLBCサンプルを利用することからは離れている。本発明者らの知見によると、生化学的非細胞ベースで可溶化検体中のタンパク質レベルを決定するための供給源としてLBCサンプルを使用することによって、結果を細胞学的検体と直接比較することができる利点が提供される。この点に関してタンパク質ベースの生化学分析を、例えば前検査として、あるいはさらなる情報を提供するため、あるいは細胞学的にあいまいな結果を確定するためにも、利用することもできる。さらなる実施形態では、生化学的非細胞ベースの試験から得られる情報は、適用されるべき細胞学的検査手順を設計するためであり得る。
このため、本明細書中で開示される開発方法は効果的かつ信頼性の高いキットならびにインビトロ診断用デバイスを獲得するのに非常に有用である。本明細書中で開示されるようなキットならびにインビトロ診断用デバイスを開発するための方法によって、生化学的非細胞ベースの分析によって得られた結果と標準化することで細胞学的に評価された結果とを比較することができる。LBCサンプルから調製された細胞学的検体から得ることのできるLBCサンプルに関する情報に関しては、生化学検査様式に利用するためにサンプルの標準化が行われる。そのような情報には、例えばLBCサンプルの細胞性、LBCサンプルの体積に関係する情報、LBCサンプルの質量に関係する情報、LBCサンプルから薄層検体を作製することによってのみ得ることのできるパラメーターに関係する情報が含まれる。この点に関して本発明者らは、本明細書中で特許請求される方法によって、LBCサンプルに基づくキットならびにインビトロ診断用デバイスを開発するための信頼性の高い方法を提供する。
(発明の要旨)
本発明は、ヒト被験体の可溶化身体サンプルから新生物性障害を検出するための方法に関する。この方法は以下の工程を包含する:(a)ヒト被験体から身体サンプルを得る工程、(b)溶解培地中で身体サンプルを可溶化する工程、および(c)可溶化身体サンプル中のサイクリン依存性キナーゼインヒビターの過剰発現を、上記可溶化身体サンプル内のサイクリン依存性キナーゼインヒビターのレベルと健康なヒトの可溶化身体サンプルに存在するレベルとを比較することによって決定する工程。本発明の方法にて使用するためのサンプルは、液体ベースの細胞学的方法にて使用されるような、細胞保存溶液中の細胞を含んで、あらゆる種類であり得る。
本発明はさらに、サイクリン依存性キナーゼインヒビターのレベルを決定するための検査キットに関し、このキットは、上記サイクリン依存性キナーゼインヒビターに特異的なプローブおよび身体サンプルを可溶化するための溶解培地を備える。この検査キットはインビトロ診断用デバイスであり得る。
本発明の一部の実施形態では、上記キットはインビトロ診断用デバイスとして提供される。従って、本発明はまた、可溶化サンプル中のサイクリン依存性キナーゼインヒビターを測定するためのインビトロ診断用デバイスに関し、これは固体キャリアに固定された、サイクリン依存性キナーゼインヒビターに対するプローブを含む。
さらに本発明は、可溶化身体サンプルから医学が関係する状態の診断を評価するためのキットならびにインビトロ診断用デバイスを開発する方法に関し、ここで上記開発は、細胞保存培地中の保存細胞として提供される身体サンプルを使用して行われ、そしてその保存細胞は液体ベースの細胞学的プロセスのような細胞学的検査プロセスにて使用することを意図され、調製される。液体ベースの細胞学的プロセスのためのサンプル(以下LBCサンプルと呼ぶ)は適切な溶解培地中で可溶化され、生化学的非細胞ベースの分析に基づいて可溶化身体サンプルから医学が関係する状態を検出するためのキットならびにインビトロ診断用デバイスを開発するために使用される。
本発明はまた、可溶化身体サンプル中のマーカー分子の有無あるいはレベルの生化学的非細胞ベースの分析によって、医学が関係する状態の診断を評価するための方法に関する。ここで上記身体サンプルはLBCサンプルであり、またマーカー分子の検出は上記可溶化身体サンプル中のタンパク質、ペプチド、核酸、もしくはこれらのフラグメントの、有無あるいはレベルを検出することによって行われる。本方法に利用することのできるマーカー分子は、「医学が関係する状態に特徴的なマーカー分子」として上記に開示される。この方法はあらゆる医学が関係する状態に適用され得る。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
ヒト被験体の可溶化身体サンプルから新生物性障害を検出するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)ヒト被験体から身体サンプルを得る工程、
(b)溶解培地中でヒト被験体の身体サンプルを可溶化する工程、
(c)該可溶化身体サンプル中の、
i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;
ii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF
を含む群から選択されるマーカー分子の過剰発現を決定する工程であって、該工程は、ヒト被験体の該可溶化身体サンプル中のp16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択される該サイクリン依存性キナーゼインヒビターまたは該細胞周期調節タンパク質p14 ARF のレベルを、可溶化された健康なヒト身体サンプル中に存在するレベルと比較することによって、決定する工程、
を包含する、方法。
(項目2)
前記新生物性障害が、i)子宮頸癌またはそれらの前駆病変;ii)呼吸器の癌またはまたはそれらの前駆病変;iii)泌尿器系の癌またはそれらの前駆病変;iv)HPV感染に関連する癌またはそれらの前駆病変;v)生殖管の癌またはそれらの前駆病変;およびvi)肛門性器管の癌またはそれらの前駆病変を含む群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記ヒト被験体の身体サンプルが、スワブ、洗浄、スミア、吸引液、生検、保存細胞標本、LBCサンプル、組織学的標本、固定細胞調製物、固定組織調製物、体液、分泌物、胃腸分泌物、血液、痰、尿、便、液、脳脊髄液、胆汁、リンパまたは骨髄である、項目1または項目2に記載の方法。
(項目4)
ヒト被験体の前記身体サンプルが、
a.該サンプルを得た後すぐに、
b.保存緩衝液中での、保存および/または輸送の後に、または
c.輸送緩衝液中での輸送の後に、
可溶化される、項目1〜3のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;
ii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF
を含む群から選択される2種以上のマーカー分子のレベルが、決定される、項目1〜4のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
前記マーカー分子の検出が、検出される分子に対して特異的な、少なくとも1種のプローブを使用して行われる、項目1〜5のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記プローブが、検出可能に標識されている、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記標識が、放射性同位元素、生物発光化合物、化学発光化合物、電子発光化合物、蛍光化合物、金属キレート剤、酵素、または生物学的に関連する結合構造からなる群より選択される、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記プローブが、タンパク質および/または核酸である、項目6〜8のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
少なくとも1種のプローブが、抗体、抗体フラグメント、ミニ抗体、または抗原結合エピトープを含むペプチド擬態物である、項目9に記載の方法。
(項目11)
少なくとも1種のプローブが、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF ;を含む群から選択されるマーカー分子に対して、特異的にハイブリダイズする核酸である、項目9に記載の方法。
(項目12)
前記方法が、インサイチュハイブリダイゼーション反応および核酸増幅反応を含む群から選択される反応を含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記核酸増幅反応が、PCR、NASBAまたはLCRである、項目12に記載の方法。
(項目14)
項目1〜13のいずれか1項に記載の方法であって、健康なヒトの子宮頸部の身体サンプル中の、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択される前記マーカー分子のレベルが、検出手順についての閾値を設定するための所定の値として提供される、方法。
(項目15)
項目1〜14に記載のいずれか1項に記載の方法であって、健康なヒトの子宮頸部サンプル中の、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択される前記マーカー分子のレベルが、標準化サンプル溶液からか、または健康なヒトの子宮頸部サンプルの代表値から決定される、方法。
(項目16)
項目1〜15のいずれか1項に記載の方法であって、健康なヒトの子宮頸部サンプル中の、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択される前記マーカー分子の決定が、以下:
a.検出手順の過程で、
b.検出系の校正の過程で、
c.検出試薬の各ロットについて一度、または
d.検出方法についての標準値として、
実行される、方法。
(項目17)
固相に固定された一特異性のプローブのみを備える、インビトロ診断用デバイスであって、該一特異性のプローブは、可溶化サンプル中の前記マーカー分子を検出するために、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択されるマーカー分子に対して特異的である、インビトロ診断用デバイス。
(項目18)
前記プローブが、抗体、抗体フラグメント、ミニ抗体、または抗原結合エピトープを含む、ペプチド擬態物、または核酸である、項目17に記載のインビトロ診断用デバイス。
(項目19)
以下からなる群より選択される、項目17または項目18に記載のインビトロ診断用デバイス:
a.ELISAプレート、ELISAストリップまたはELISAウェルに固定された、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択されるマーカー分子に対して指向性の、抗体、そのフラグメント、または抗原結合因子を含む、ELISAデバイス;
b.試験ストリップまたはコロイド状金粒子、またはラテックス粒子に固定された、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択されるマーカー分子に対して指向性の、抗体、そのフラグメント、または抗原結合因子を含む、側方流動試験デバイス;
c.多孔性部材またはキャピラリーの表面に固定された、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択されるマーカー分子に対して指向性の、抗体、そのフラグメント、または抗原結合因子を含む、フロースルーアッセイデバイス;
d.ラテックス粒子に固定された、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択されるマーカー分子に対して指向性の、抗体、そのフラグメント、または抗原結合因子を含む、ラテックス凝集アッセイデバイス;
e.ビーズまたは膜に固定された、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択されるマーカー分子に対して指向性の、抗体、そのフラグメント、または抗原結合因子を含む、免疫アッセイデバイス;
f.ミクロスフェアに固定された、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択されるマーカー分子に対して指向性の、抗体、そのフラグメント、または抗原結合因子を含む、免疫アッセイデバイス;および
g.固相に固定された、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択されるマーカー分子の核酸遺伝子産物に、特異的にハイブリダイズするプローブを含む、核酸検出デバイス。
(項目20)
i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択されるマーカー分子のレベルを決定するためのインビトロ診断用デバイスであって、該デバイスは、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択されるマーカー分子に特異的な、抗体、抗体フラグメント、ミニ抗体、または抗原結合エピトープを含むペプチド擬態物、および核酸を含む群から選択されるプローブを含み、そして身体サンプルの可溶化のための溶解培地、を含む群から選択される、デバイス。
(項目21)
前記溶解培地が、カオトロピック剤、アニオン洗剤、カチオン洗剤、非イオン性洗剤、両性洗剤、およびアルカリ性組成物からなる群より選択される、少なくとも1種の組成物を含む、項目20に記載のインビトロ診断用デバイス。
(項目22)
前記溶解培地が、プロテイナーゼインヒビター、DNAseインヒビター、およびRNAseインヒビターからなる群より選択される、少なくとも1種の組成物を含む、項目20または項目21に記載のインビトロ診断用デバイス。
(項目23)
前記プロテイナーゼインヒビターが、セリンプロテイナーゼに対するインヒビター、システインプロテイナーゼに対するインヒビター、アスパラギン酸プロテイナーゼに対するインヒビター、金属性プロテイナーゼに対するインヒビター、酸性プロテイナーゼに対するインヒビター、中性プロテイナーゼに対するインヒビター、およびアルカリ性プロテイナーゼに対するインヒビターからなる群より選択される、項目22に記載のインビトロ診断用デバイス。
(項目24)
前記溶解培地が、少なくとも1種の非イオン性洗剤および少なくとも1種のプロテイナーゼインヒビターを含む、項目20〜23のいずれか1項に記載のインビトロ診断用デバイス。
(項目25)
前記溶解培地が、Triton X−100および少なくとも1種のセリンプロテイナーゼのインヒビターを含む、項目24に記載のインビトロ診断用デバイス。
(項目26)
陽性コントロール反応を実行するための少なくとも1種のマーカー分子、前記検出反応を実行するために一般に使用される試薬および緩衝液をさらに含む、項目20〜25のいずれか1項に記載のインビトロ診断用デバイス。
(項目27)
項目20〜26のいずれか1項に記載のインビトロ診断用デバイスであって、陽性コントロール反応を実行するためのマーカー分子として、i)サイクリン依存性キナーゼインヒビタータンパク質であって、ここで該サイクリン依存性キナーゼインヒビターは、p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択される、サイクリン依存性キナーゼインヒビタータンパク質;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF タンパク質を含む群から選択される組換えタンパク質、そのフラグメント、または該タンパク質に由来するポリペプチドをさらに含む、インビトロ診断用デバイス。
(項目28)
研究デバイスまたはインビトロ診断用デバイスであるハイブリッド捕獲デバイスであって、1種以上のサイクリン依存性キナーゼインヒビター核酸に対して相補的か、または逆相補的な核酸を備えるデバイスであって、ここで、該サイクリン依存性キナーゼインヒビターが、可溶化身体サンプル中の該1種以上のサイクリン依存性キナーゼインヒビターの過剰発現を検出するために、p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 ;およびp14 ARF からなる群より選択される、デバイス。
(項目29)
i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択されるマーカー分子に対して指向性の、抗体、そのフラグメント、または抗原結合因子が固定または接着された固相の使用であって、該使用は、ヒト被験体の可溶化サンプル中の、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択されるマーカー分子のレベルの決定のための、インビトロ診断用デバイスを製造するための使用であり、ここで、該インビトロ診断用デバイスは、固相に対して固定された一特異性のプローブのみを備え、ここで、該一特異性のプローブは、i)p16 INK4a 、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択されるサイクリン依存性キナーゼインヒビター;およびii)細胞周期調節タンパク質p14 ARF を含む群から選択されるマーカー分子に特異的である、使用。
(項目30)
前記固相が、多孔性部材、キャピラリー、膜、ビーズ、平面、球体、ミクロスフィア、ナノスフィア、コロイド状金粒子、ラテックス粒子およびコロイドを含む群から選択される、項目29に記載の使用。
(項目31)
可溶化身体サンプルから医学的関連状態の診断を評価する際に使用するための、免疫化学的キットおよびインビトロ診断用デバイスを開発するための方法であって、ここで、該キットおよびインビトロ診断用デバイスは、タンパク質またはペプチドのレベルに対する医学的関連状態に特徴的な、マーカー分子の存在あるいは非存在を検出するために設計され、そして、ここで該開発が、LBCサンプルを使用して実施される、方法。
(項目32)
前記医学的関連状態が、疾患である、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記疾患が、細胞増殖障害、癌、または前駆病変である、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記癌が、頭部および頸部の癌、呼吸器の癌、胃腸管の癌、皮膚および皮膚付属器の癌、中枢神経系および末梢神経系の癌、泌尿器系の癌、生殖器系の癌、肛門性器の癌、内分泌系の癌、軟組織および骨の癌、またはリンパ球産生系および造血系の癌である、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記肛門性器の癌が、子宮頸癌である、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記医学関連状態に特徴的なマーカー分子が、細胞周期調節タンパク質、メタロプロテイナーゼ、膜貫通型タンパク質、カルシウム結合タンパク質、増殖因子、ウイルス感染に特徴的なマーカー分子、細胞増殖マーカー、およびDNA複製に関連するマーカー、腫瘍マーカータンパク質、およびそれぞれのタンパク質をコードする核酸からなる群より選択される、項目31〜35のいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
前記腫瘍マーカータンパク質が、サイクリン依存性キナーゼインヒビター、p53、pRb、p14ARF、サイクリンE、サイクリンA、サイクリンB、MN、her2/neu、mdm−2、bcl−2、claudin 1、EGFレセプター、MCM2、MCM3、MCM4、MCM5、MCM6、MCM7、CDC2、CDC6、CDC7プロテインキナーゼ、CDC14プロテインホスファターゼ、Dbf4、PCNA、Ki67、KiS1、Id1、オステオポンチン、CD46、GRP、腎臓ジペプチダーゼ、およびTGFβIIレセプターからなる群より選択される、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記サイクリン依存性キナーゼインヒビターが、p16 INK4a である、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記サイクリン依存性キナーゼインヒビターが、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択される、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記ウイルス感染に特徴的なマーカー分子が、ウイルスタンパク質である、項目36に記載の方法。
(項目41)
前記ウイルスタンパク質が、HPV L1、HPV L2、HPV E1、HPV E2、HPV E4、HPV E5、HPV E6およびHPV E7からなる群より選択される、HPV遺伝子に由来するHPVタンパク質である、項目40に記載の方法。
(項目42)
可溶化LBCサンプルから医薬的関連状態の診断を評価するための方法であって、以下、
a.タンパク質またはペプチドのレベルに関する、医学関連状態に特徴的なマーカー分子の存在もしくは非存在および/またはレベルを検出する工程;
b.医学関連状態に特徴的な該マーカー分子の存在もしくは非存在および/またはレベルを、健康な非疾患身体サンプルに特徴的であることが公知の存在もしくは非存在および/またはレベルと比較する工程;ならびに
c.LBCサンプルにおいて見出されるレベルと、健康な非疾患身体サンプルに特異的であることが公知のレベルとの間の比較によって、医学的関連状態の診断を評価する工程、
を包含する、方法。
(項目43)
項目42に記載の方法であって、前診断の評価は、以下から選択される1つの特徴に基づく、方法:
a.前記医学的関連状態に特徴的なマーカー分子が、健康な非疾患身体サンプルと比較して、LBCサンプルに含まれる細胞において過剰発現される;
b.該医学的関連状態に特徴的なマーカー分子の発現が、健康な非疾患身体サンプル中において存在する発現と比較して、低下しているか、または失われている;
c.該医学的関連状態に特徴的なマーカー分子の改変形態が、健康な非疾患身体サンプル中に存在するマーカー分子と比較して、LBCサンプルに存在する細胞において発現される、マーカー分子。
(項目44)
前記医学的関連状態が、疾患である、項目42または43に記載の方法。
(項目45)
前記疾患が、細胞増殖障害、癌、または前駆病変である、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記癌が、頭部および頸部の癌、呼吸器の癌、胃腸管の癌、皮膚および皮膚付属器の癌、中枢神経系および末梢神経系の癌、泌尿器系の癌、生殖器系の癌、肛門性器の癌、内分泌系の癌、軟組織および骨の癌、またはリンパ球産生系および造血系の癌である、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記肛門性器の癌が、子宮頸癌である、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記医学関連状態に特徴的なマーカー分子が、細胞周期調節タンパク質、メタロプロテアーゼ、膜貫通型タンパク質、カルシウム結合タンパク質、増殖因子、ウイルス感染に特徴的なマーカー分子、細胞増殖マーカー、およびDNA複製に関連するマーカー、腫瘍マーカータンパク質、およびそれぞれのタンパク質をコードする核酸からなる群より選択される、項目42〜47のいずれか1項に記載の方法。
(項目49)
前記腫瘍マーカータンパク質が、サイクリン依存性キナーゼインヒビター、p53、pRb、p14ARF、サイクリンE、サイクリンA、サイクリンB、MN、her2/neu、mdm−2、bcl−2、claudin 1、EGFレセプター、MCM2、MCM3、MCM4、MCM5、MCM6、MCM7、CDC2、CDC6、CDC7プロテインキナーゼ、CDC14プロテインホスファターゼ、Dbf4、PCNA、Ki67、KiS1、Id1、オステオポンチン、CD46、GRP、腎臓ジペプチダーゼ、およびTGFβIIレセプターからなる群より選択される、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記サイクリン依存性キナーゼインヒビターが、p16 INK4a である、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記サイクリン依存性キナーゼインヒビターが、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択される、項目49に記載の方法。
(項目52)
前記ウイルス感染に特徴的なマーカー分子が、ウイルスタンパク質である、項目48に記載の方法。
(項目53)
前記ウイルスタンパク質が、HPV L1、HPV L2、HPV E1、HPV E2、HPV E4、HPV E5、HPV E6およびHPV E7からなる群より選択される、HPV遺伝子に由来するHPVタンパク質である、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記マーカー分子の検出が、検出される分子に対して特異的な、少なくとも1種のプローブを用いて行われる、項目42〜53のいずれか1項に記載の方法。
(項目55)
前記プローブが、検出可能に標識されている、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記標識が、放射性同位元素、生物発光化合物、化学発光化合物、電子発光化合物、蛍光化合物、金属キレート、酵素、または生物学的に関連する結合構造からなる群より選択される、項目55に記載の方法。
(項目57)
前記プローブが、抗体、抗体フラグメント、ミニ抗体、または抗原結合エピトープを含むペプチド擬態物である、項目54〜56のいずれか1項に記載の方法。
(項目58)
可溶化身体サンプルから医学的関連状態の診断を評価する際に使用するための、キットおよびインビトロ診断用デバイスを開発するための方法であって、ここで、該キットおよびインビトロ診断用デバイスは、核酸レベルに対する医学的関連状態に特徴的な、マーカー分子の存在または非存在を検出するために設計され、ここで該開発は、LBCサンプルを使用して実施され、そして同一のLBCサンプルから調製される細胞標本から得られる情報に関して、LBCサンプルの量の標準化が実施される、方法。
(項目59)
前記医学的関連状態が、疾患である、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記疾患が、細胞増殖障害、癌、または前駆病変である、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記癌が、頭部および頸部の癌、呼吸器の癌、胃腸管の癌、皮膚および皮膚付属器の癌、中枢神経系および末梢神経系の癌、泌尿器系の癌、生殖器系の癌、肛門性器の癌、内分泌系の癌、軟組織および骨の癌、またはリンパ球産生系および造血系の癌である、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記肛門性器の癌が、子宮頸癌である、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記医学関連状態に特徴的なマーカー分子が、細胞周期調節タンパク質、メタロプロテアーゼ、膜貫通型タンパク質、カルシウム結合タンパク質、増殖因子、ウイルス感染に特徴的なマーカー分子、細胞増殖マーカー、およびDNA複製に関連するマーカー、腫瘍マーカータンパク質からなる群より選択されるタンパク質をコードする核酸である、項目58〜62のいずれか1項に記載の方法。
(項目64)
前記腫瘍マーカータンパク質が、サイクリン依存性キナーゼインヒビター、p53、pRb、p14ARF、サイクリンE、サイクリンA、サイクリンB、MN、her2/neu、mdm−2、bcl−2、claudin 1、EGFレセプター、MCM2、MCM3、MCM4、MCM5、MCM6、MCM7、CDC2、CDC6、CDC7プロテインキナーゼ、CDC14プロテインホスファターゼ、Dbf4、PCNA、Ki67、KiS1、Id1、オステオポンチン、CD46、GRP、腎臓ジペプチダーゼ、およびTGFβIIレセプターからなる群より選択される、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記サイクリン依存性キナーゼインヒビターが、p16 INK4a である、項目64に記載の方法。
(項目66)
前記サイクリン依存性キナーゼインヒビターが、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択される、項目64に記載の方法。
(項目67)
前記ウイルス感染に特徴的なマーカー分子が、ウイルス核酸である、項目63に記載の方法。
(項目68)
前記ウイルス核酸が、HPV L1、HPV L2、HPV E1、HPV E2、HPV E4、HPV E5、HPV E6およびHPV E7からなる群より選択される、HPV遺伝子に由来するHPV核酸である、項目67に記載の方法。
(項目69)
可溶化LBCサンプルから医学的関連状態の診断を評価するための方法であって、以下、
a.生化学的な非細胞ベースの検出方法における適用のために、ある量のLBCサンプルを得る工程であって、ここで、該生化学的な非細胞ベースの方法において使用され得るLBCサンプルの量は、同一のLBCサンプルから調製された細胞標本から得られた情報に関して標準化される、工程;
b.核酸レベルに関する、医学的関連状態に特徴的なマーカー分子の存在もしくは非存在および/またはレベルの検出;
c.医学的関連状態に特徴的な該マーカー分子の存在もしくは非存在および/またはレベルを、健康な非疾患身体サンプルに特徴的であることが公知の存在もしくは非存在および/またはレベルと比較する工程;ならびに
d.LBCサンプルにおいて見出されるレベルと、健康な非疾患身体サンプルに特異的であることが公知のレベルとの間の比較によって、医学的関連状態の診断を評価する工程、
を包含する、方法。
(項目70)
項目69に記載の方法であって、前記診断の評価が、以下から選択される1つの特徴に基づく、方法:
a.医学的関連に特徴的なマーカー分子の存在または非存在であって、このようなマーカー分子の存在または非存在が、疾患サンプルの特徴である、存在または非存在;
b.医学的関連状態に特徴的なマーカー分子が、健康な非疾患身体サンプルと比較して、LBCサンプルに含まれる細胞において過剰発現する;
c.該医学的関連状態に特徴的なマーカー分子の発現が、健康な非疾患身体サンプルにおいて存在する発現と比較して、低下している、または失われている;
d.該医学的関連状態に特徴的なマーカー分子の改変形態が、健康な非疾患身体サンプルにおいて存在するマーカー分子と比較して、LBCサンプルに存在する細胞において発現される、マーカー分子。
(項目71)
前記医学的関連状態が、疾患である、項目69または70に記載の方法。
(項目72)
前記疾患が、細胞増殖障害、癌、または前駆病変である、項目71に記載の方法。
(項目73)
前記癌が、頭部および頸部の癌、呼吸器の癌、胃腸管の癌、皮膚および皮膚付属器の癌、中枢神経系および末梢神経系の癌、泌尿器系の癌、生殖器系の癌、肛門性器の癌、内分泌系の癌、軟組織および骨の癌、またはリンパ球産生系および造血系の癌である、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記肛門性器の癌が、子宮頸癌である、項目73に記載の方法。
(項目75)
前記医学関連状態に特徴的なマーカー分子が、細胞周期調節タンパク質、メタロプロテアーゼ、膜貫通型タンパク質、カルシウム結合タンパク質、増殖因子、ウイルス感染に特徴的なマーカー分子、細胞増殖マーカー、およびDNA複製に関連するマーカー、腫瘍マーカータンパク質からなる群より選択されるタンパク質をコードする核酸である、項目69〜74のいずれか1項に記載の方法。
(項目76)
前記腫瘍マーカータンパク質が、サイクリン依存性キナーゼインヒビター、p53、pRb、p14ARF、サイクリンE、サイクリンA、サイクリンB、MN、her2/neu、mdm−2、bcl−2、claudin 1、EGFレセプター、MCM2、MCM3、MCM4、MCM5、MCM6、MCM7、CDC2、CDC6、CDC7プロテインキナーゼ、CDC14プロテインホスファターゼ、Dbf4、PCNA、Ki67、KiS1、Id1、オステオポンチン、CD46、GRP、腎臓ジペプチダーゼ、およびTGFβIIレセプターからなる群より選択される、項目75に記載の方法。
(項目77)
前記サイクリン依存性キナーゼインヒビターが、p16 INK4a である、項目76に記載の方法。
(項目78)
前記サイクリン依存性キナーゼインヒビターが、p13.5、p14、p15 INK4b 、p18 INK4c 、p19 INK4d 、p21 WAF1/CIP1 、p27 KIP1 からなる群より選択される、項目76に記載の方法。
(項目79)
前記ウイルス感染に特徴的なマーカー分子が、ウイルス核酸である、項目75に記載の方法。
(項目80)
前記ウイルス核酸が、HPV L1、HPV L2、HPV E1、HPV E2、HPV E4、HPV E5、HPV E6およびHPV E7からなる群より選択される、HPV遺伝子に由来するHPV核酸である、項目79に記載の方法。
(項目81)
前記マーカー分子の検出が、検出される分子に対して特異的な、少なくとも1種のプローブを使用して行われる、項目69〜80のいずれか1項に記載の方法。
(項目82)
前記プローブが、検出可能に標識されている、項目81に記載の方法。
(項目83)
前記標識が、放射性同位元素、生物発光化合物、化学発光化合物、電子発光化合物、蛍光化合物、金属キレート、酵素、または生物学的に関連する結合構造からなる群より選択される、項目82に記載の方法。
(項目84)
前記プローブが、マーカー分子核酸に対して、相補的または逆相補的な核酸である、項目81〜83のいずれか1項に記載の方法。
図1は、可溶化した子宮頸癌サンプル中のp16INK4a濃度を検出するELISA法にて得られたOD値を示す。実験の詳細は例1を参照する。
(発明の詳細な説明)
本発明は、例えば呼吸器管の癌、生殖腺系の癌、泌尿器系の癌、HPV関連癌、または肛門性器系の癌、特に子宮頸癌、およびこれらの癌の各々の前駆段階等の癌のような多数の新生物性障害においてサイクリン依存性キナーゼインヒビター遺伝子産物が過剰発現しているという本出願人の洞察に基づいたものである。サイクリン依存性キナーゼインヒビターの例には、タンパク質p14、p15INK4b、p16INK4a、p18INK4c、p19INK4d、p21WAF1/CIP1、およびp27KIP1がある。機能的にはサイクリン依存性キナーゼインヒビターではないが、細胞周期制御タンパク質であるp14ARFも本発明の文脈内にて「サイクリン依存性キナーゼインヒビター」の表現に含まれることとなる。
本出願人は、細胞学的検体中で検出されるサイクリン依存性キナーゼインヒビターの過剰発現の程度と、相当する組織学的検体中で検出される形成異常の程度との間に相関性を見出した。
本発明によると、本出願人の洞察は癌ならびにその前駆段階のような新生物性障害を早期診断するための方法に用いられ、この方法は身体サンプル中のサイクリン依存性キナーゼインヒビターの過剰発現を決定する工程を包含する。
本発明によると、細胞学的検査法および/または組織学的検査法は分子マーカーの使用によって補助され得るか、あるいはむしろ代用され得る。そのようなマーカーは、例えば免疫細胞化学染色反応あるいはインサイチュハイブリダイゼーション反応の過程にて使用され得る。例えば子宮頚、膀胱、または肺の癌のような新生物性障害に特徴的なマーカー分子に基づいた形態学的検査と免疫細胞化学染色反応とを組み合わせることで、検査結果が強化され得る。形態学的検査は、結果の信頼性を高める分子的方法によって補完された場合でも依然手間と時間が掛かり、このため費用がかさむ。さらに、形態学的な細胞レベルに基づく診断は分子的方法によって補完された場合でも、個々の検査技師の形態学的な認知作用の違いに影響を受けやすい。つまりこの診断は検査を実行する人間に依存する。
さらに本発明者らは、具体的な例において細胞ベースの形態学的検査による補助無しに、マーカーを診断道具として使用され得ることを示す。癌のような新生物性障害を細胞ベースの情報による補完無しに分子レベルでのみ診断するための方法は、マーカーあるいはマーカーのレベルが特徴付けられるべき状態に対して特異的なものである場合に制限される。これは特にマーカーが非ヒト物質である場合に当てはまる。例えば、組織にウイルスが存在する場合に特徴的なマーカーは感染していないヒト組織には発生しないので、ウイルス感染の検出はサンプルの溶液中で行うことができる。
しかしながら、本発明者らは生化学的マーカーベースの検出法においてある種のヒトサイクリン依存性キナーゼインヒビターが癌に対するマーカーと成り得ることを見出したが、ヒトサイクリン依存性キナーゼインヒビターは細胞周期のある段階のあらゆる正常に増殖するヒト細胞中で低レベルに発現する細胞周期制御タンパク質である。
本発明で使用するためのサイクリン依存性インヒビターには、サイクリン依存性キナーゼインヒビターp14、p15INK4b、p16INK4a、p18INK4c、p19INK4d、p21WAF1/CIP1、およびp27KIP1が含まれる。サイクリン依存性キナーゼインヒビター以外では、p16INK4a遺伝子のもう一方のリーディングフレームにコードされている、細胞周期制御タンパク質p14ARFもまた、本明細書中で開示される方法のために使用することができる。便宜上本発明の文脈内では、機能的にはサイクリン依存性キナーゼインヒビターではない細胞周期制御タンパク質p14ARFを、「サイクリン依存性キナーゼインヒビター」の表現の内に含めるものとする。
本明細書中で使用される場合、「p16」あるいは「サイクリン依存性キナーゼインヒビターp16INK4a」は、遺伝子が染色体の9p21部位に位置する、サイクリン依存性キナーゼインヒビターp16INK4a(CDKN2あるいはMTS1とも表記される)を意味する。p16INK4aが最初に記載されたのは、Serrano,M.,ら,Nature,1993 Dec 16;366(6456):704−7である。本発明の文脈内で使用される場合、「p16INK4a」あるいは「サイクリン依存性キナーゼインヒビターp16INK4a」という用語は、全ての文法的形態において、核酸およびポリペプチド分子を意味する。従って、「p16INK4a」または「サイクリン依存性キナーゼインヒビターp16INK4a」には、例えばRNA(mRNA、hnRNA等)、DNA(cDNA、ゲノムDNA等)、タンパク質、ポリペプチド、プロテオグリカン、グリコプロテイン、ならびにこれらの分子からなる各々のフラグメントが含まれる。
本明細書中で使用される場合、サイクリン依存性キナーゼインヒビターもしくは他のマーカー分子の「レベル」は、サンプル中のマーカー(サイクリン依存性キナーゼインヒビターもしくは他のマーカー分子)の量に関する定量値および準定量値を意味する。定量値は、例えばレベルとして表示することができる。準定量値はレベルの尺度という形で表され、例えば検出不可、低レベル、中レベル、高レベルあるいはその他のあらゆる適切な形がある。例えばp16INK4aのようなマーカーのレベルはまた、あるアッセイ様式において例えばサイクリン依存性キナーゼインヒビターのような存在に反応して発生するシグナル強度のような依存的なパラメーターとして表示することもできる。
身体サンプル(例えば子宮頚検体、口腔由来の検体、尿由来の検体、唾液由来の検体等)に存在するある種の良性型細胞内でサイクリン依存性キナーゼインヒビター(例えばp16INK4a)は発現していることに起因して、サイクリン依存性キナーゼインヒビターレベルに基づく新生物性障害の診断は、細胞形態に関する情報が加えられない場合には困難もしくは不可能となる模様である。30%もの子宮頚サンプルにおいて、ごく少数から多数の化生性細胞がサイクリン依存性キナーゼインヒビターp16INK4aに対して中程度から高程度の免疫反応を示す場合があることは、当該分野において公知である。さらに、ある環境下で子宮頚スワブに存在することのある子宮内膜細胞は、p16INK4aに対して陽性であり得る。細胞学的検査法あるいは組織学的検査法において、この点が診断に影響することはない。なぜなら、細胞の種類は細胞形態の点で容易に形成異常細胞と識別されるからである。
驚くべきことに、本発明者らは、サイクリン依存性キナーゼインヒビター(例えばp16INK4a)の臨界値を確定することによって、たとえ細胞形態の情報が無くとも形成異常の検出あるいは診断の提供が可能となることを見出した。
本発明の文脈にて使用される場合、「新生物性障害」とういう表現は、全ての文法形態において、あらゆる種類の癌およびあらゆる起源の癌、ならびにこれら各々の前駆段階を意味する。従って、「新生物性障害」という語には「新生組織形成」、「新生物」、「癌」、「前癌」、または「腫瘍」という語によって同定される対象となるものが含まれる。また、「形成異常性」あるいは「形成異常」と同定される組織学的状態に対応する細胞学的状態は、本明細書中で使用される場合、「新生物性障害」の範囲内となる。
本発明の方法を適用され得る新生物性障害には、例えば呼吸器管の新生物病変、泌尿器系の新生物病変、消化管の新生物病変、肛門性器系の新生物病変、HPV感染に伴う新生物性障害等が含まれる。これらは、呼吸器管の癌、泌尿器の癌、生殖腺系の癌、肛門性器系の癌、HPV関連癌であり得、特に子宮頸癌であり得る。後者に関連して、例えば子頚部上皮内癌(CINI−III)、インサイチュ癌腫(CIS)のようなその前駆段階は、詳細に言及されなければならない。本明細書中で使用される場合、「前駆段階」という用語には、あらゆる文法形態において、癌もしくはあらゆるその他悪性腫瘍の全ての前駆段階ならびに前駆体が含まれる。子宮頸癌に関して、本明細書中で使用される場合、前駆段階または予備的段階とは、例をあげると、例えばCIN分類(CIN I〜CIN III)もしくはPAP分類(PAP I〜PAP V)、ベセスダ分類(NILM、LSIL、HSIL)のような適切な分類法によって同定される子頚部上皮内癌をいい得る。
呼吸器管の癌に関して、癌は、例えば肺ならびに肺胞、細気管支、気管支樹および気管支(broncus)、鼻咽頭腔、口腔、咽頭、鼻咽および副鼻咽の癌のような呼吸器管のあらゆる悪性状態を含み得る。小細胞肺癌あるいは非小細胞肺癌、肺扁平上皮癌腫、肺小細胞癌腫、肺腺癌、肺大細胞癌腫、肺扁平上皮腺癌腫、肺類癌腫、気管支腺腫瘍(broncheal)、(悪性)中皮腫のような肺癌。呼吸器管の腫瘍に関する概要は「Colby TVら:Tumors of the Lower Respiratory Tract,Atlas of Tumor Pathology,Third Series,Fascicle 13,AFIP:Washington 1995」に見出され得、これは、本明細書中で参考として援用される。
泌尿器系の腫瘍は、膀胱癌、腎臓、腎盂の癌、腎盂、尿管癌、尿道癌などを含み得る。生殖腺系の腫瘍は、卵巣、子宮、精巣、前立腺、精巣上体のような癌およびその前駆段階を含み得る。
本発明の特定の実施形態では、新生物性障害は一般にHPV関連の新生物性障害をいう。この点に関して本発明は、HPV(特に高リスクHPV型および粘膜HPV型)に関連する新生物性障害に適用される。高リスクHPVには、例えばHPV16、HPV18、HPV31、HPV33、HPV35、HPV39、HPV45、HPV51、HPV52、HPV56、およびHPV58のようなHPVサブタイプを含めることができる。HPV感染に対するマーカーには、例えば、HPV遺伝子L1、L2、E2、E4、E5、E6、またはE7のHPV発現産物を含めることができる。
「身体サンプル」という表現には、あらゆる種類および性質の、あらゆる身体サンプルが含まれる。そのような身体サンプルの例は、分泌物、スワブ、洗浄物、体液、精液、細胞および組織サンプル、血液、塗沫サンプル、唾液、尿、便、髄液、胆汁、胃腸分泌液、リンパ、骨髄、吸引液、ならびに器官の生検材料(例えば、穿刺生検またはパンチ生検)ならびに(細)穿刺吸引である。特に、例えば子宮頸癌等、肛門性器癌の検出が関係する際には、スミア、スワブ、および生検材料が示される。この文書の全体を通して使用されるような生検材料という用語には、当業者に公知のあらゆる種類の生検材料が含まれることとなる。つまり、本発明の文脈で使用される生検材料には、例えば腫瘍の切除サンプルあるいは内視鏡的手段によって調製された組織サンプル、臓器のパンチもしくは穿刺生検を含めることができる。生検材料には、コールドナイフ生検、LEEP(ループ電気メス切除法)生検のような数種類の方法によって得られるサンプルが含まれる。
本発明の文脈で使用される場合、身体サンプルには、固定されたあるいは保存された細胞もしくは組織サンプルを含めることができる。細胞もしくは組織サンプルは例えば、当業者に公知の市販の保存培地(ホルマリン溶液、Cytyc「PreservCyt」もしくは「CytoLyt」、Digene「Universal Collection
Medium」、Tripath Imaging「Cytorich」など)のような標準的サンプル採取培地あるいは保存培地、輸送培地中に保存され得る。本発明の一実施形態において、標準的サンプル収集培地中に提供される細胞あるいは組織サンプルは、当業者に公知の細胞学的LBC法に使用される方法またはその類似方法に従って調製される液体ベースの細胞学的サンプル(LBCサンプル)である。適切な細胞保存培地は、アルコール、アルデヒド、ケトン、酸、金属イオンもしくは昇華物、エーテルなどからなる群より選択される一つ以上の混合物を含有することができる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、(n−またはi−)プロパノール、(n−またはi−、t−)ブタノール、高分枝または非分枝アルコールが挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グルタールアルデヒドなどが挙げられる。アセトンのようなケトンを使用することもできる。標準化サンプル溶液に使用するための酸としては、有機酸(酢酸、トリクロロ酢酸、サリチル酸、ピクリン酸)もしくは、例えばクロム酸のような無機酸が挙げられる。標準的サンプル溶液は銀、銅、クロム、水銀、オスミウム、ウランのような金属を含有することができる。酢酸ウラン、二クロム酸カリウム、硫酸アンモニウムなどの塩溶液は、保存培地の成分となることができる。
適切な培地(アルコール等)に保存された細胞もしくは固定された組織サンプルを、本発明に従う方法にて原サンプルとして使用することができる。一実施形態において、身体サンプルは、例えば、アルコールを含有する保存溶液へ移された、唾液サンプル、子宮頚スワブ、口腔スワブ、尿道スワブなどを含み得る。
さらに、サンプル収集後直ちに細胞溶解状態に置かれた身体サンプルを、本明細書中で開示する方法にて使用することもできる。本発明者らは、形態学的な情報が失われているサンプルの分子特性を保存するための、強力で迅速で簡便な方法を多数見出した。例えば、サンプルを収集した直後あるいは収集する過程において、原サンプルの細胞成分を適切な溶解培地に可溶化することによって、再現性があり、保存および輸送が容易な形態にサンプルを調製することもできる。体液を、ヒト個体から直接、適切な界面活性剤と保存物質とを含む培地に移すこともできる。さらに、組織サンプルを直接変性溶解環境(最終的には物理的力によって支持される)へ移し、保存することもできる。溶解培地に適切な成分を使用すると、原サンプルの分子成分は保存され得、分解が生じ得ない。酵素活性による分解は、例えば酵素インヒビターを使用することによって最小にすることができる。このように、上記溶解培地中のサンプルから成る溶液は、可溶化された時点でのサンプルの分子特性を示すことができる。
本発明によると、身体サンプルはあらゆる適切な溶解培地で可溶化することができる。そのような溶解培地は、例をあげると、例えば尿素、GuaSCN、ホルムアミドのようなカオトロピック剤あるいはアニオン性界面活性剤(例えばSDS、N−ラウリルサルコシン、デオキシコール酸ナトリウム、アルキル−アリルスルホン酸塩、長鎖(脂肪族)アルコール硫酸塩、オレフィン硫酸塩およびスルホン酸塩、アルファオレフィン硫酸塩およびスルホン酸塩、硫酸モノグリセリド、硫酸エーテル、硫黄コハク酸塩、アルカンスルホン酸塩、リン酸エステル、アルキルイソチオン酸塩、シュクロースエステル)、カチオン性界面活性剤(例えば塩化セチルトリメチルアンモニウム)、非イオン系界面活性剤(例えばツイン20、ノニデットP−40、トリトンX−100、NP−40、イゲパルCA−630、N−オクチルグルコシド)、両性界面活性剤(例えばCHAPS、3−ドデシルジメチルアンモニオプロパン−1−スルホン酸塩、ラウリルジメチルアミン酸化物)、および(あるいは)例えばNaOHもしくはKOHのようなアルカリ水酸化物から成る水溶液であり得る。一般にあらゆる適切な液体を、本発明の溶解培地の溶媒として使用することができる。この液体は有機あるいは無機であり得、純粋な液体もしくは液体混合物、液体中にある物質の溶液であることができる。また液体は、溶媒の特性を強化するためにさらに別の物質を含有し得る。特定の実施形態において、界面活性剤を使用せずに細胞溶解が達成され、高張液もしくは低張液、緩衝液、単なる水、液体有機物が溶媒として使用され得る。身体サンプルの細胞成分を全部あるいは一部可溶化するのに適する、任意の液体は、本明細書中で使用される溶解培地とみなすことができる。つまり、本明細書中で使用される場合、溶解培地は緩衝物質を含有する必要も、緩衝能を有する必要もない。しかしながら、本発明の特定の実施形態において、溶解培地は緩衝能を有し、緩衝物質を含有し得る。
一実施形態において、溶解培地は、原サンプルに存在する可能性のある生体物質細胞、細胞破片、核酸、ポリペプチド、脂質および他の生体分子を可溶化するように設計されている。本発明のさらなる実施形態では、身体サンプルの特定の成分を差示的に可溶化し、他の成分を可溶化せずに残すようこの溶媒を設計することもできる。
本発明に従って身体サンプルを可溶化するための溶解培地はさらに、原サンプル内の成分の分解を抑制する一つ以上の薬剤を含有することもできる。そのような成分としては、例えばタンパク質分解酵素インヒビター、RNA分解酵素インヒビター、DNA分解酵素インヒビターのような酵素インヒビターが挙げられる。本発明の一実施形態において、サンプルは、試験個体から得られた形態にて直接溶解される。タンパク質分解酵素インヒビターには、例えばセリンプロテアーゼに対するインヒビターあるいはシステインプロテアーゼに対するインヒビター、アスパラギン酸プロテアーゼに対するインヒビター、金属プロテアーゼに対するインヒビター、酸性プロテアーゼに対するインヒビター、アルカリ性プロテアーゼに対するインヒビター、中性プロテアーゼに対するインヒビターを含めることができる。本発明の特定の実施形態において、酵素の阻害は、例えば塩濃度もしくはpH、カオトロピック剤、その他によって酵素を変性させるような化学的手段によって達成することもできる。
本発明の別の実施形態では、溶解の前に身体サンプルをさらに精製することもできる。そのような精製の手順には、例えば粘液などのような混在汚染物を除去洗浄する工程、細胞成分の分離もしくは濃縮工程、細胞の保存工程および輸送工程を包含し得る。一実施形態では、例えばフローサイトメトリーまたは当業者に公知の他の適切な細胞選別様式によって、細胞を選別することもできる。このように原サンプルの細胞成分は一つのサンプル溶液中に包含される。
本明細書中で開示する方法にて使用するためのサンプルの調製には、不溶性成分の分離、ポリペプチドもしくは核酸の単離、ペプチドもしくは核酸を固定した固相の調製、測定対象の分子を共有結合的にもしくは非共有結合的に結合させたビーズあるいは膜、スライドの調製のような、サンプルを調製するいくつかの工程をさらに包含し得る。
表現「サイクリン依存性キナーゼインヒビタータンパク質の過剰発現を決定する工程」には、サイクリン依存性キナーゼインヒビタータンパク質もしくはこれをコードするmRNAの発現の検出に適するあらゆる方法、ならびに対応する遺伝子の増幅を、それぞれ含めることができる。過剰発現を決定するため、検査されるべき身体サンプルを、対応する、健康なヒト由来の身体サンプルもしくはそれぞれの器官の非病変部位由来の身体サンプルと比較することもできる。そのようなサンプルは標準化された形態で存在することができる。
正常健康身体のサンプルを用いた比較は、様々な方法によって達成され得る。本発明の一実施形態では、この比較は、非疾患組織サンプルまたは非疾患細胞サンプルを用いたコントロール反応を含むことにより、直接行われ得る。この非疾患組織サンプルまたは非疾患細胞サンプルは、健康人、もしくは検査下のヒト被験者の非疾患部位、またはサイクリン依存性キナーゼインヒビター発現に関して非疾患細胞の特性を示すと公知の細胞培養細胞から提供され得る。別の実施形態において、この比較は、検査下にあるサンプル内のサイクリン依存性キナーゼインヒビターのレベルを、正常健康サンプル中に存在することが公知の上記サイクリン依存性キナーゼインヒビターのレベルと比較することによって間接的に行われ得る。正常健康組織サンプルまたは細胞サンプルについてのレベルの情報は、複数の試験の代表値、または正常健康細胞内の上記サイクリン依存性キナーゼインヒビターの発現レベルについての情報を提供する科学文献に由来し得る。比較は、サイクリン依存性キナーゼインヒビタータンパク質または核酸の濃度値を使用することによって行われ得;他の場合では、サイクリン依存性キナーゼインヒビタータンパク質濃度または核酸濃度(例えば、規定の反応条件下での光学濃度など)に依存する特性値が、使用され得る。他の場合では、上記公知の値は、ペプチド、組換えタンパク質などの代理コントロールによって、表され得る。従って、正常健康サンプルに存在するp16INK4aのレベルは、試験手順における組換えタンパク質もしくはペプチドのコントロールサンプルによって表され得る。
一般に、検査下のサンプル中に存在するレベルの比較は、各単一の試験手順にて測定された値、または所定値に関して行われ得る。この所定値は、試験手順全体に対して決定され得る。他の場合には、この値は、特定のロットの試験試薬に対してのみ有効である。例えば、基準値は、規定の補正期間のみに対して有効であり得、試験プロセスの補正に基づいて規定され得る。
例えば、健康人子宮頸部サンプル中のサイクリン依存性キナーゼインヒビターのレベルは、標準サンプル溶液から決定され得る。標準サンプル溶液は、正常細胞サンプルまたは正常組織サンプルの可溶化プールからなる溶液を含み得る。このサンプルプールは、例えば、スクリーニング集団の前評価で正常診断された細胞学的種のプール、または組織学的種から得られた正常細胞のプールであり得る。さらに、正常細胞のプールは、正常子宮頸部上皮細胞の組織培養物から得られ得る。このサンプル溶液は、例えば、サンプル溶液1ml当たりの細胞数に関して標準化され得る。標準化のための任意のパラメーターが適用され得る。例えば、検査結果の安定性並びに再現性を確保するために、この試料溶液は、標準化形態で提供され得る。特定の実施形態において、このような溶液は、比較または校正目的のためのキットの構成要素として提供され得る。
特定の実施形態では、患者サンプル中に存在するサイクリン依存性キナーゼインヒビターのレベルと、正常健康身体サンプル中に存在することが公知のレベルとを比較する工程は、各々のサイクリン依存性キナーゼインヒビターの濃度に対するカットオフ値または閾値を使用して実施される。本文脈におけるカットオフ値とは、正常健康サンプルを病変サンプルから分離するのに適切な値である(例えば、mg/mlで表されるp16INK4aタンパク質濃度、またはELISA試験において規定条件下で測定される光学濃度)。例えば、上記カットオフ値を越える値を示すサンプルは全て、形成異常をみなされ、一方、カットオフ値を下回る値を示すサンプルは健康とみなされる。
特定の実施形態では、閾値またはカットオフ値は、重度新生物疾患(HSIL、または例えば、浸潤癌、重度形成異常、もしくは組織学的に評価されたCIN 3病変に相当する新生物疾患)を全てのより重篤度の低い新生物疾患(例えば、LSIL)から分離するための方法にて設定され得る。他の実施形態では、健康サンプル(NILM)と前駆段階を含む新生物疾患(LSILおよびHSIL)を識別するためにカットオフ値は、定義され得る。したがって、病変および病変の前駆段階の早期検出、または緊急治療をすべき病変の検出のような様々な課題に適合するように試験形式を調整することが可能である。
サイクリン依存性キナーゼインヒビターの(過剰)発現は、それぞれ、核酸レベルおよびタンパク質レベルで検出され得る。タンパク質レベルにおける検出に関して、例えば、サイクリン依存性キナーゼインヒビターに対する抗体を使用することが可能である。これらの抗体は、ウエスタンブロット、ELISA、または免疫沈降のような非常に様々な方法で使用され得る。これらの抗体は、ELISAプレート、反応容器、ビーズ、球体、膜、金属コロイド(例えば、金)のようなコロイド、多孔性部材、毛細管表面(例えば、フロースルー試験)、試験ストリップ、ラテックス粒子のような固相キャリアに固定されることが望ましくあり得る。核酸レベルでの検出に関しては、核酸増幅法またはハイブリダイゼーション法のような方法が、適用され得る。核酸増幅法としては、任意の種類の単一段階反応、または連鎖反応のような多段階反応が挙げられる。連鎖反応としては、PCR、NASBA、RT PCR、LCRなどが挙げられるが、これらに限定されない。ハイブリダイゼーション反応は、任意の種類のレポーター系を用いたハイブリダイゼーション反応、およびその後の上記ハイブリッドに対して検出される抗体によるハイブリッド核酸の検出に伴うハイブリッド捕獲反応を含む(例えば、RNAインサイチュハイブリダイゼーション反応のようなRNA転写物のレベルでの発現を検出するためのハイブリダイゼーション反応を適用する例)。
本発明の特定の実施形態では、可溶化身体サンプルからなる溶液からマーカー分子の検出が行われる。従って、検出は、溶液中、または固相に固定した試薬を用いて行われ得る。
本発明の文脈にて使用される場合、固相としては、平面、粒子(ミクロ粒子、ナノ粒子、またはさらに小さい粒子を含む)のような固体物質の種々の実施形態が挙げられ得る。特定の実施形態において、粒子は、球体、ビーズ、コロイドなどとして提供され得る。
試験キットまたはインビトロ診断用デバイスにおける固相への試薬の固定は、直接固定またはは間接固定を介して行われ得る。直接固定は、共有結合、非共有結合、会合または表面への吸着によって実行され得る。間接固定は、抗体が固相へ直接結合した試薬へ結合することを介して実行され得る。結合剤としては、例えば、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン、ジジオキシゲニン、抗体などが挙げられる。
一つ以上の分子マーカーの検出は、単一反応混合物または2つ以上の複数反応の混合物中にて達成され得る。数種類のマーカー分子に対する検出反応は、例えば、多重ウェル反応容器にて同時に行われ得る。マーカー分子に対する検出反応は、最初のマーカー分子を認識するか、または好ましくは、最初のマーカーを認識するために使用される先行分子(例えば、一次抗体)を認識する検出試薬を用いた一つ以上の反応をさらに含み得る。この検出反応はさらに、細胞増殖性障害に特徴的なマーカーまたは標準化マーカーのレベルを示すレポーター反応を含み得る。
溶液中、または固相に固定された試薬を用いて、可溶化サンプル中のサイクリン依存性キナーゼインヒビターのレベルを検出するための検出反応は、実行され得る。特定の実施形態において、検出反応は、溶液中で実行され得;このような手順は、溶液中の分子相互作用(抗原への抗体または同様の結合剤の結合)を検出するのに適したあらゆる方法を含み得る。分子相互作用を検出するための方法(伝導率変化、質量変化、光変化、UV変化、IR変化、磁気スペクトル変化、プラズモン共鳴など)は、当業者に公知である。特定の実施形態においてこの検出は、抗原に結合した検出試薬の複合体が、検出のための固相に吸着される方法を含み得る。すなわち、検出反応の過程または検出反応を開始する前に、固相への分析物の非共有結合は、本発明に従う方法にて使用され得る。
マーカー分子を検出するためのプローブは、上記マーカーに特異的に結合する任意の分子であり得る。プローブは、例えば、抗原結合剤(抗体(モノクローナルもしくはポリクローナル)、抗体フラグメント、または抗原結合エピトープを含む人工分子)、DNA結合分子またはRNA結合分子(例えば、タンパク質もしくは核酸)であり得る。他の核酸に結合する核酸は、例えば、検出目的のためのオリゴヌクレオチドまたはプライマーであり得る。特定の実施形態では、さらに大きなヌクレオチド分子が、ハイブリダイゼーション反応に利用され得る。分子は、別の分子と特異的に相互作用する場合に、その別の分子を認識するといわれる。特異的相互作用は、例えば、他の分子への特異的な結合、または他の分子の特異的な結合であり得る。本発明の文脈内で用語「抗体」は、あらゆる文法形態において、抗原結合分子を一般にいい、抗原結合分子としては、モノクローナルおよびポリクローナル抗体、ならびに抗体フラグメント、抗原結合エピトープ、ミニ抗体、抗原結合特性を有するペプチド模擬体、アンチカリン(anticaline)、二重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
レポーター反応は、マーカーの存在またはマーカーへの特異的プローブの結合に応答してシグナルを生じる任意の事象であり得る。例えば、有色化合物、蛍光化学物、発光化合物、放射性化合物、またはこれらの化合物のうちの一つ以上の濃縮物を、試験デバイスにおける所定の領域内で検出可能な濃度まで生じる反応は、レポーター反応として役立ち得る。
本発明に従った検出反応のための応用様式は、ウエスタンブロット、サザンブロット、ノーザンブロットのようなブロッティング技術であり得る。このブロッティング技術は、当業者に公知であり、例えば、電気ブロット、半乾式ブロット、真空ブロットまたは点ブロットとして行われ得る。さらに、分子検出のためのさらなる免疫学的法は、例えば、免疫沈降または免疫学的アッセイ(例えば、EIA、ELISA、RIA、FIA(蛍光免疫アッセイ)、側方流動アッセイ(多孔性部材もしくは毛細管を使用)、免疫クロマトグラフ片、フロースルーアッセイ、ラテックス凝集アッセイなど)を適用され得る。本発明にて使用するための免疫アッセイは、競合免疫アッセイおよびサンドイッチアッセイのような非競合免疫アッセイを含み得る。
核酸ベースのアプローチにおいて、ハイブリダイゼーションまたは増幅の技術が適用され得る。ハイブリダイゼーション技術は、例えば、当業者に公知のハイブリダイゼーション技術を含み得る。特定の実施形態において、ハイブリダイゼーションは、検出のためのDNA−RNAハイブリッド分子に対する抗体を使用するハイブリッド捕獲アッセイとして実行され得る。増幅反応はPCR、NASBA、RT−PCR、LCRまたは他の適切な連鎖反応として適用され得る。他の場合には、連鎖反応ではない単一段階反応または連続反応も核酸の増幅に適用され得る。
本発明の特定の実施形態において、免疫化学ベースまたは核酸ベースの試験は、臨床検査室用の試験デバイスを使用して達成され得る。このような試験デバイスは、免疫化学ベースまたは核酸ベースの検査のための任意の試験デバイスを含み得、これは、ポイントオブケア(point of care)試験デバイスおよびベンチ用デバイス、実験室用デバイスのような任意の様式を含む。このデバイスは、例えば、開放型または閉鎖型のプラットフォーム系として提供され得る。このデバイスは、例えば、マイクロタイタープレートもしくは多重ウェルプレート、フロースルーもしくは側方流動系、マイクロチップベースもしくはアレイベースの系、またはビーズベースもしくは膜ベースの系のような任意の適切な方法に基づき得る。使用される検出法は、免疫化学ベースまたは核酸ベースの検出反応に有用な、当業者に公知の任意の方法を含み得る。このような検出法は、例えば、発光系(電気発光、生物発光、光学発光、放射発光、化学発光、電気化学発光)、蛍光ベースの系、伝導率ベースの検出系、放射(光、UV、X線、γ線など)、プラズモン共鳴(例えば、表面プラズモン共鳴SPR)または任意の他の公知の方法を含み得る。
この明細書中で使用される場合、用語「多孔性部材」は、一般的に、任意の三次元配置の多孔性物質に適用することとする。
本発明によって、例えば、すなわち前駆段階における癌の早期診断が可能となる。
本発明のさらなる主題は、本発明に従う方法を実行するためのキットに関する。このようなキットは、例えば、以下を備える:
(a)サイクリン依存性キナーゼインヒビターの発現を検出するための試薬(例えば、サイクリン依存性キナーゼインヒビタータンパク質またはサイクリン依存性キナーゼインヒビター核酸、およびこれら各々の一部分に対するプローブ)、
(b)身体サンプルを可溶化するための溶解培地、
(c)慣用的な補助試薬(例えば、緩衝液、キャリア、マーカーなど、および必要に応じての試薬)、
(d)コントロール反応のための試薬(例えば、例えば、サイクリン依存性キナーゼインヒビタータンパク質もしくはサイクリン依存性キナーゼインヒビター核酸、およびこれら各々の一部分、または細胞の調製物)。
さらに、一つまたは数個の個別の成分が、存在し得る。例えば、固相に固定された検出試薬および他の試薬が、存在し得る。本発明の一実施形態では、このキットは、固相に固定されたp16INK4aを検出するための試薬を備え、固相に固定された他の特異性物質の検出試薬は備えない。
本発明の特定の実施形態において、サイクリン依存性キナーゼインヒビターを検出するためのキットは、インビトロ診断用デバイスとして提供される。
一般に、本発明に従うキットに含まれる溶解培地は、当業者に公知の任意の適切な溶媒であり得る。このキットで使用するための溶解培地は、例えば、カオトロピック剤(例えば、尿素、GuaSCN、ホルムアミドなど)、界面活性剤(例えば、陰イオン界面活性剤(例えば、SDS、N−ラウリルサルコシン、デオキシコール酸ナトリウム、アルキル−アリールスルホン酸塩、長鎖(脂肪族)アルコール硫酸塩、オレフィン硫酸塩およびオレフィンスルホン酸塩、αオレフィン硫酸塩およびαオレフィンスルホン酸塩、硫酸モノグリセライド、硫酸エーテル、硫酸コハク酸塩、アルケン硫酸塩、リン酸エステル、アルキルイソチオン酸塩、ショ糖エステル)、陽イオン界面活性剤(例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム)、非イオン性界面活性剤(例えば、Tween 20、Nonidet P−40、Triton X−100、NP−40、Igepal CA−630、N−オクチル−グルコシド)または両性界面活性剤(例えば、CHAPS、3−ドデシル−ジメチルアンモニオ−プロパン−1−スルホン酸塩、ラウリルジメチルアミン酸化物)のような界面活性剤および/もしくはアルカリ水酸化物(例えば、NaOHもしくはKOH)の有機溶液または水様溶液であり得る。特定の実施形態では、界面活性剤を使用することなく細胞の溶解が達成され、高張液もしくは低張液あるいは緩衝液または単なる水、または有機液体が、溶媒として使用され得る。身体サンプルの細胞性成分の全部または一部分を可溶化するのに適する任意の液体は、本明細書中で使用される場合、溶解培地とみなされ得る。従って、本明細書中で使用される場合、溶解培地は、緩衝物質を含有する必要はないか、または緩衝能を有する必要はない。
本発明の特定の実施形態では、アッセイの最適な結果を得るために、このアッセイ系に直接適用し得る溶解培地のpHは中性付近である。さらなる実施形態において、この溶解培地のpHは、4〜10の範囲内である。特定の他の実施形態では、pHは、5〜9の範囲内である。好ましい実施形態では、このpHは、6〜8の範囲内である。より好ましい実施形態では、このpHは、6.5〜7.5の範囲内である。
溶解培地の例は、例えば、表1で与えられる組成から選択され得る。
Figure 2012032412
特定の条件において、サイクリン依存性キナーゼインヒビターp16INK4aは、可溶化サンプル中で分解され得、従って、検出され得ない。これは、サンプルが直接溶解培地に移され、特定の期間の間、この中で保存される場合に特に当てはまる。分解を防ぐため、溶解培地は、原サンプル内の成分の分解を防ぐ1つ以上の試薬をさらに含み得る。このような成分としては、例えば、酵素インヒビター(例えば、プロテイナーゼインヒビター、RNAseインヒビター、DNAseインヒビターなど)が挙げられ得る。このインヒビターは、例えば、表2で与えられる組成物から選択されるプロテイナーゼインヒビターを含み得る。
Figure 2012032412
DNAseインヒビターおよびRNAseインヒビターは、当業者に公知であり、本発明に従った溶解培地にて使用するのに適した条件下で適用され得る。安定化を目的として、サンプルタンパク質と分解を競合させるために、溶解培地は、バルクタンパク質(例えば、ウシ血清アルブミンもしくは仔ウシ血清アルブミンのようなアルブミン、または他のバルクタンパク質)を含み得る。このバルクタンパク質は、例えば、プロテイナーゼインヒビターと併存するか、またはプロテイナーゼインヒビターの代わりに加えられ得る。一実施形態において、上記溶媒は、アッセイ(例えば、ELISA)性能と適合であるように選択され得、その結果、可溶化サンプルは、直接そのアッセイに適用され得る。
本発明の特定の実施形態では、特異的なカットオフ値を確定する目的で、溶解培地は、調整され得る。
本発明の特定の実施形態では、キットは、インビトロ診断用デバイスとして提供され得る。ヒトまたは動物の身体サンプルから医学的関連状態の診断を評価することが意図されるインビトロ診断用デバイスは、上記に定義されるようなキットである。本発明の特定の実施形態において、インビトロ診断用デバイスは、98/79 ECが条項1(b)のもとで指定されるインビトロ医療診断デバイスの定義の範囲内にある任意のデバイスとなる:
「インビトロ医療診断デバイス」は、単独で使用されるものであれ、組み合わせて使用するものであれ、単にまたは主に、生理学的もしくは病理学的状態に関する、あるいは先天異常に関する情報を提供する目的で、または潜在的被移植者への安全性および適合性を判定する目的で、または治療法を継続調査する目的で、製造者によって血液および組織提供物を含むヒト身体由来サンプルの検査のためにインビトロで使用するよう意図された、試薬製品、校正器、コントロール物質、キット、器具、装置、装備、またはシステムである任意の医療デバイスを意味する。
インビトロ診断用デバイスはまた、U.S.クラスI IVDに適用することとなり、そして診断能力に関する特許請求の範囲なしに提供されるインビトロ診断用デバイスに一般的に適用される。従って、任意の種類のASRまたは類似物は、本明細書中で使用される場合、インビトロ診断用デバイスであると理解されることとなる。本発明の一実施形態において、インビトロ診断用デバイスは、サイクリン依存性キナーゼインヒビターに特異的な固相固定検出試薬によって特徴付けられる。一実施形態において、この検出試薬は、サイクリン依存性キナーゼインヒビターp16INK4aに特異的である。
当該分野では、組織試料または細胞試料中のサイクリン依存性キナーゼインヒビターp16INK4aを検出するための試薬を使用するインビトロ診断用デバイスがいくつか存在する。これらのインビトロ診断用デバイスは、細胞または組織中のp16INK4a抗原を検出する細胞ベースの検出デバイスであり、可溶化されたサンプル中のp16INK4a抗原は検出しない。
細胞内抗原であるp16INK4aのようなサイクリン依存性キナーゼインヒビターは、細胞を透過化処理した後にのみ溶液中の検出試薬に接触可能であり得る。従って、当該分野で公知のサイクリン依存性キナーゼインヒビターp16INK4a検出のための試薬のインビトロ診断の適用は、検出試薬の固相への固定を除外する。当該分野は、p16INK4a固定固相検出試薬を備える試験キットまたはインビトロ診断の設計を教示していない。可溶化サンプルを基にした診断を評価するためのアプローチは、当該分野では実行可能ではないようであり、以前に示唆されてはいない。
従って、固相に固定された、サイクリン依存性キナーゼインヒビターに対するプローブを備えて、可溶化サンプル中の癌およびその前駆的病変の診断の評価を可能とするインビトロ診断用デバイスを提供することは、本発明の一局面である。本発明の特定の実施形態では、このプローブは、例えば、p14ARFタンパク質もしくはp16INK4aタンパク質に対する核酸、抗体またはそのフラグメントを含み得る。本発明のインビトロ診断用デバイスの利点は、癌およびその前駆的病変に対する簡便かつ経済的な診断評価を可能とすることである。この試験は、スクリーニング目的および診断目的に適切であり得、一次診断および疾患の経過のモニタリングに適用され得る。特定の実施形態において、このインビトロ診断用デバイスは、臨床検査室における使用、ポイントオブケア試験、または自己試験のためにさえ、適用され得る。
サイクリン依存性キナーゼインヒビターを検出するための、固相に固定された試薬を備えるインビトロ診断用デバイスは、様々な種類の癌単位および各々の前駆病変を検出するのに有用であり得る。このインビトロ診断用デバイスは、あらゆる種類の溶解身体サンプルの分析に適用され得る。
プローブは、直接固定または間接固定を介して固相に固定され得る。直接固定は、表面との共有結合もしくは非共有結合、または会合によって実行され得る。間接固定は、固相に直接固定された試薬に対する抗体の結合を通じて行われ得る。このような試薬としては、抗体または他の結合剤(アビジン、ストレプトアビジン、ビオチン、ジジオキシゲニンなど)が挙げられ得る。
本発明で考案されたインビトロ診断用デバイスは、以下からなる群より選択される:
a.ELISAプレート、ELISA片、またはELISAウェルに固定された、サイクリン依存性キナーゼインヒビターに対する抗体を備えるELISAデバイス;
b.試験ストリップ、金コロイド粒子またはラテックス粒子に固定された、サイクリン依存性キナーゼインヒビターに対する抗体を備える外側フロー試験デバイス;
c.多孔性部材または毛細管表面に固定された、サイクリン依存性キナーゼインヒビターに対する抗体備えるフロースルーアッセイデバイス;
d.ラテックス粒子に固定された、サイクリン依存性キナーゼインヒビターに対する抗体を備えるラテックス凝集アッセイデバイス;ならびに
e.ビーズ、膜、またはミクロスフェアに固定された、サイクリン依存性キナーゼインヒビターに対する抗体を備える免疫アッセイデバイス。
上記ELISAデバイスは、当業者に公知の任意の種類のものであり得る。これらのデバイスは、サンドイッチELISA様式および競合ELISA様式、および任意の他のELISA様式のためのデバイスを含む。
本発明の一実施形態において、インビトロ診断用デバイスは、サンプルを可溶化するための溶解培地を含む。本発明のさらなる実施形態において、インビトロ診断用デバイスは、固相に固定された、一サイクリン依存性キナーゼインヒビターを検出するための試薬を含み、固相に固定された他の特異性の検出試薬は含まない。
本発明の方法に従うインビトロ診断用デバイスとして使用される側方流動アッセイデバイスは、固相に固定された、サイクリン依存性キナーゼインヒビターに結合する少なくとも1つの試薬を使用する、任意の側方流動アッセイデバイスである。このようなデバイスは、試験結果を可視化するための様々な機構を使用し得る。特定の実施形態で、この試験物は、サイクリン依存性キナーゼインヒビター、または検出可能部分にカップリングした試験物に関与する別の構成要素に対する二次検出試薬を使用し得る。この検出可能部分としては、金コロイド、(有色)ラテックス粒子、および他のものが挙げられ得る。
本発明に使用するためのフロースルーアッセイデバイスは、毛細管または多孔性部材(例えば、膜、ビーズ、または多孔性物質の他の三次元配列)に基づくデバイスを含む。実施形態に依存して、最適なフロー条件が確保されるよう孔または毛細管の大きさを調整する必要がある。
本発明のさらなる局面は、キットもしくはインビトロ診断用デバイスの製造、または本発明に従うキットの製造のために、サイクリンリン酸化酵素インヒビターに対する検出試薬または検出プローブが固定または接着される固相の使用である。本発明の特定の実施形態において、上記プローブは、抗体またはそのフラグメントである。さらなる実施形態において、上記プローブは、オリゴヌクレオチドである。
試験キットまたはインビトロ診断用デバイスの製造のために使用され得る固相は、上に記載されており、これは、任意の適切な固相を含む。特定の実施形態において、固相は、膜および多孔性部材、平面、多重ウェルプレート(平面または非平面の多重ウェルプレート)、コロイド、粒子および他のものである。サイクリン依存性キナーゼインヒビターを検出するためのプローブが固定され得る全ての固相は、本発明に従うキットおよびインビトロ診断用デバイスの製造のために使用され得る。本発明に従うこのようなキットの製造は、完成したインビトロ診断用デバイスを提供するために適切な任意の行為を包含し得る。これらの行為は、全ての製造活動を含み、再梱包、単一部品の組み立て、再標識化などもまた含む。
可溶化身体サンプルから医学的関連状態を診断するためのキットおよびインビトロ診断用デバイスを開発するための方法を提供することは、本発明の一局面であり、ここで上記開発は、細胞保存培地中に保存される細胞として提供される身体サンプルを使用して行われ、そしてここで、この保存細胞は、細胞検査プロセス(例えば、液状ベースの細胞学的プロセス)に使用するために意図され、調製される。液状ベースの細胞学的プロセスのために意図されたサンプル(以下、LBCサンプルと称される)は、適切な溶解培地中で可溶化され、可溶化身体サンプルから医学的関連状態を生化学的非細胞ベースアッセイに基づいて検出するためのキットおよびインビトロ診断用デバイスの開発活動に使用される。
本発明に従うと、診断評価、ならびにキットおよびインビトロ診断用デバイスの開発のためのLBCサンプルの使用は、例えば、生化学的非細胞ベース試験のための細胞学的情報を提供する正確で適合性のある方法を提供し得る。これは、同じLBCサンプルから調製される細胞学的試料から得られ得る情報に関するサンプルの標準化を使用することによって達成され得る。細胞または細胞型の有無を示唆するマーカーに関する生化学的標準化は、このような方法では省略可能である。この点に関してLBCサンプルを使用する利点は、細胞学的細胞ベースの情報が、均質のLBC試料に直接関連し、従って、生化学的非細胞ベースアッセイの評価に使用するための有用で正確な情報を提供することである。
当該分野において、LBCサンプルの適用分野は、細胞学的試料の形態学的評価の改善を可能とすることである。従って、LBCサンプル利用の適用分野は、細胞学ためにのみ古典的に示される。本発明に従うと、可溶化試料中のタンパク質レベルの生化学的非細胞ベースで決定するための供給源としてのLBCサンプルの使用は、生化学的非細胞ベース試験の結果が、直接細胞学的試料と比較され得るという機を提供する。この点に関して、タンパク質ベースの生化学分析は、例えば、前試験としてか、またはさらなる情報を提供するため、もしくは細胞学的にあいまいな結果を確認するためにでさえ、役立ち得る。さらなる実施形態では、この生化学的非細胞ベース試験から得られる情報は、適用される細胞学的手順を設計するための情報であり得る。
製品開発のためのこのような方法の一利点は、個体に対する診断が評価される同一の試料が、生化学に基づいた結果の評価に使用され得ることである。従って、生化学的結果と診断との適合性は、確認されている。
本発明の文脈で使用される場合、LBCサンプルは、当業者に公知の標準的サンプル採取培地、保存培地、輸送培地(例えば、市販されている保存培地(ホルマリン溶液、Cytyc「PreservCyt」または「CytoLyt」、Digene「Universal Collection Medium」、Tripath Imaging「Cytorich」など))である。従って、LBCサンプルとしては、細胞構成要素の保存のための、アルコール、アルデヒド、ケトン、酸、金属イオンまたは昇華物、エーテルなどを含む郡から選択される1つ以上の混合物を含み得る任意の適切な細胞保存培地中の細胞サンプルが挙げられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、(n−もしくはi−)プロパノール、(n−、i−またはt−)ブタノール、またはより高次の分枝もしくは非分枝のアルコールが挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グルタールアルデヒドなどが挙げられる。アセトンのようなケトンが、使用され得る。標準的サンプル培地に使用するための酸としては、有機酸(酢酸、トリクロロ酢酸、サリチル酸、ピクリン酸)または無機酸(例えば、クロム酸など)が挙げられる。標準サンプル溶液は、銀、銅、クロム、水銀、オスミウム、ウランのような金属を含み得る。酢酸ウラン、二クロム酸カリウム、硫酸アンモニウムなどのような塩溶液は、保存培地の成分であり得る。
LBCサンプルは、様々な診断目的のために採取されたあらゆる種類の細胞のサンプルである得る。一般にヒト健康管理における診断に関係するLBCサンプルは、細胞学的検査および/または分子生物学的検査の手順が示唆されるか、あるいは合理的であると考えられる、あらゆる身体部位から調製される。様々な細胞学的検体のためにLBCサンプルが、細胞の損失が最小化し、細部の形態が保存する方法を提供すると考えられている。よって本発明に従うLBCサンプルには、細針吸引として得られるサンプルが含まれる。細針吸引には、例えば胸部、甲状腺(例えば小結節)、腎臓、膵臓、前立腺、肺、リンパ節、胸膜、首腫瘤、卵巣、滑液、腫瘍等様々な供給源から由来する検体を含め得る。さらにLBCサンプルは体液を使用して調製し得る。適切な体液としては、ヒトあるいは動物身体から採取できる広範囲の液が挙げられ、例えば腹水あるいは脳脊髄液、膿、滲出液が挙げられるがこれらに限定されない。発生したのが身体のどの部位であっても、滲出液はLBCに供され得る。滲出液の一部の例は、心内膜液浸出、胸水、滑膜滲出液、および腹部滲出液である。さらにLBCが適用され得る体液には、一部の腫瘍または嚢胞(例えば、胸部嚢胞または卵巣嚢胞など)に存在する流体を含む。さらに身体からの液体で入手可能なサンプルには、例えば唾液等の粘液性検体が含まれる。LBCは、あらゆる種類の剥脱性細胞学的検体に広範囲に適用される。このような剥脱性細胞学的検体は、様々な手法(例えば、あらゆる種類のスワブ、ブラッシング、擦過標、スミアなど)によって得られる。またあらゆる身体領域由来の、洗浄物(wash)、医療洗浄物(lavage)等の検体は、剥脱性細胞学的検体であると理解されべきである。洗浄物並びに医療洗浄物は、広範な身体領域から得られ得、これには粘膜上皮、皮膚、あらゆる内部あるいは外部の身体上皮などが挙げられるが、これらに限定されない。粘膜上皮は、例えば胃腸管、泌尿器系、肛門性器系、呼吸器、直腸、尿道、子宮頸部、膣、外陰、口腔、子宮内膜腔の粘膜上皮などであり得る。全範囲の剥脱性細胞学的検体がLBC方法の対象となり得る。
本発明の文脈で使用されるキットは、分析的検査手順を実行するために提供される、構成要素の組み合わせである。このキットには、その検査を正しく実行するために必要な全てあるいは一部の試薬及び材料が包含され得る。さらに本発明の特定の実施形態において、このキットは、例えばキットの使用者のための例示的な検査プロトコール、警告及び有害情報、並びにさらに別の付属情報を含む、キット構成要素を適切に利用するための指示書を含む。
ヒトまたは動物身体サンプルからの医学的に関連する状態の診断評価を目的とするインビトロ診断用デバイスは、上記で規定されるキットである。本発明の特定の実施形態において、インビトロ診断用デバイスは、98/97 ECが条項1(b)のもとで指定するインビトロ診断医療デバイの定義の範囲に収まる任意の装置となる:
「インビトロ医療診断デバイス」とは、単独で使用されるものであれ、組み合わせて使用するものであれ、単にまたは主に、生理学的もしくは病理学的状態に関する情報、または先天異常に関する情報を提供する目的;もしくは潜在的レシピエントへの安全性および適合性を決定する目的;もしくは治療測定をモニタリングする目的で、血液および組織提供物を含むヒト身体由来サンプルの検査のためにインビトロで使用するように製造者によって意図された、試薬製品、校正器、コントロール物質、キット、器具、装置、装備またはシステムである任意の医療デバイスを意味する。
インビトロ診断用デバイスはまた、U.SクラスI IVDに適用することとなり、そして診断能力に関する特許請求の範囲外で提供されるインビトロ診断用デバイスに一般的に適用される。従って、任意の種類のASRなどが、本明細書中で使用されるインビトロ診断用デバイスであるが理解されることとなる。本発明の特定の実施形態において、本明細書中で開示される開発のための方法が適用する試験キットおよびインビトロ診断用デバイスは、分子マーカーの、タンパク質ベースまたはペプチドベースの検出のための試験キットおよびインビトロ診断用デバイスである。
開発中のキットおよびインビトロ診断用デバイスが本発明に従って適用されることととなる試験手順は、生化学的非細胞ベースの分析に基づいて試験サンプル中の医学的に関連する状態を特徴とするマーカー分子のレベルを検出する工程を包含する。本発明に従うこれらの試験手順に適切なマーカーは、種々の期限であり得る。問題となる医学的に関連する状態の検出のために適切なマーカーの発現パターンは、細胞の増殖状態、分化状態、細胞型またはその生物に依存し得る。適切なマーカーの例は、以下に示される。
開発中のキットおよびインビトロ診断用デバイスに関して使用される場合、用語診断は、一般的に、医学的に関連する状態の有無の任意の種類の評価を包含する。すなわち、診断は、医学的に関連する状態に関する素因についてのスクリーニング、医学的に関連する状態の前駆体についてのスクリーニング、医学的に関連する状態についてのスクリーニング、医学的に関連する状態の臨床学的診断または病理学的診断などのようなプロセスを包含する。さらに、本明細書中で使用される場合、診断または診断評価は、生化学的非細胞ベースの試験に基づいた患者治療の層化についての情報の、予測または提供の評価を包含し得る。本明細書中で使用される場合、医学的に関連する状態の診断は、細胞学レベルまたは組織学レベル、生化学レベル、分子生物学レベルで検出可能である任意の状態の検査を包含し得、これは、ヒトの健康および/または身体に関して有用であり得る。このような検査は、例えば、医学的診断方法および生命科学における調査研究を包含し得る。本発明の一実施形態において、この方法は、例えば、疾患のような医学的に関連する状態の診断のために使用される。このような疾患は、例えば、細胞または組織の非野生型増殖によって特徴づけられる障害を包含し得る。
一実施形態において、この診断は、例えば、微小残存病変診断の過程において、新生物障害およびその前駆段階の診断、新生物障害における病態経過のモニタリング、および新生物障害の予測評価、ならびに播種性腫瘍細胞の検出に関係する。本発明に従う方法は、例えば、癌およびその前駆段階の臨床学的診断または病理学的診断の過程において、または、例えば、子宮頸部病変に対するスクリーニング試験におけるスワブの検査、肺癌に対する気管支洗浄の検査、もしくは消化管の病変(例えば、結腸直腸病変)に対する便の検査のような特定の新生物障害のために実施されるような慣例的なスクリーニング試験において使用され得る。
本発明に従うキットおよびインビトロ診断用デバイス開発の方法は、任意の種類の医学的に関連する状態の検出および診断のためのキットならびにインビトロ診断用デバイスに適用可能である。
本発明に従って使用される場合、医学的に関連する状態は、例えば、組織、体液、分泌物、洗浄物、スワブの組成であり得る。このような状態は、例えば、体液の細胞組成(例えば、血液の組成、脳脊髄液の組成、精液の組成)を包含し得る。この文脈において、これらの組成は、例えば、特定の細胞型の有無(例えば、病原体(例えば、ウイルスなど)、前新生物細胞、新生物細胞および/または形成異常細胞など)、特定の細胞型の分化様式の有無、特定の細胞型の全細胞数(例えば、赤血球、白血球、精子など)、任意の細胞型の全細胞の数、またはサンプル中に存在するか、もしくは存在しない特定の他の特徴を有する細胞の比率であることとなる。
さらに医学的に関連する状態はまた、細胞または組織に関する障害を包含し得る。診断される状態は、細胞学的または組織学的な組織サンプル中の細胞に関するパラメーターを包含し得る。この状態は、組織サンプル中の細胞の分化様式(例えば、外科的に切除されたサンプル、生検、スワブ、洗浄物など)を包含し得る。このような状態は、例えば、先天性障害、炎症性障害、機械的障害、外傷的障害、脈菅性障害、変形性障害、成長障害、良性新生物、悪性新生物を包含し得る。本発明に従ったこの状態の別の局面は、増殖的特長の有無によって特徴づけられる状態を包含し得る。増殖的特長の有無によって特徴づけられる状態は、例えば、細胞増殖性障害であり得る。
本発明に従う細胞増殖性障害は、正常なコントロール細胞または組織の成長特性と比較して、細胞または組織の異常な増殖特性によって特徴づけられる疾患を含む。この細胞または組織の増殖は、例えば、異常に促進され得るか、抑制され得るか、または異常に調節され得る。上記に使用される場合、異常な調節は、天然に存在する増殖調節要因に対する細胞または組織の非野生型応答の有無の任意の形態を含み得る。細胞または組織の増殖異常は、例えば、新生物または過形成であり得る。
一実施形態において、細胞増殖性障害は、新生物障害(例えば、腫瘍など)である。腫瘍は、頭頚部の腫瘍、呼吸気管の腫瘍、肛門性器管の腫瘍、消化管の腫瘍、泌尿器系の腫瘍、生殖器系の腫瘍、内分泌系の腫瘍、中枢神経系および末梢神経系の腫瘍、皮膚およびその周辺の腫瘍、柔組織および骨の腫瘍、リンパ球産生系および造血系の腫瘍などを含み得る。腫瘍は、例えば、新生物(例えば、良性および悪性の腫瘍、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫、または形成異常)を含み得る。特定の実施形態において、腫瘍は、例えば、頭頚部の癌、呼吸気管の癌、肛門性器管の癌、消化管の癌、皮膚およびその周辺の癌、中枢神経系および末梢神経系の癌、泌尿器系の癌、生殖器系の癌、内分泌系の癌、柔組織および骨の癌、リンパ球産生系および造血系の癌である。
肛門性器管の腫瘍は、会陰および陰嚢皮膚の癌、子宮頸部の癌、外陰部の癌、膣の癌、陰茎の癌、肛門の癌などを含み得る。子宮頸部癌は、扁平上皮病変、腺の病変、または他の上皮性癌を含み得る。扁平上皮病変は、例えば、子宮頸部上皮内新生物(軽度、中度、および重度の形成異常)、インサイチュでの癌腫、扁平上皮細胞癌腫(例えば、角化型、非角化型、いぼ様(verrucous)、いぼ状(warty)、乳頭状、リンパ上皮腫様)を含む。腺の病変は、非定型的過形成、インサイチュでの腺癌、腺癌(例えば、粘液性腺癌、類内膜腺癌、明細胞腺癌、アデノーマ腺腫、乳頭状腺癌、漿液性腺癌、中腎腺癌など)を含み得る。他の上皮性腫瘍は、腺扁平上皮癌腫、硝子細胞癌腫、腺様嚢胞癌腫、腺様基底癌腫、カルチノイド腫瘍、小細胞癌腫、未分化癌腫を含み得る。さらに具体的な情報については、「Kurman,R.,Norris,H.,ら,Tumors of the Cervix,Vagina,and Vulva,Atlas of Tumor Pathology,1992,AFIP」(これらの内容は、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
消化管の腫瘍には、結腸癌、上行結腸癌、下行結腸癌、横行結腸癌、S状の癌、直腸癌、小腸癌、空腸癌、十二指腸癌、胃癌、食道癌、肝臓癌、胆汁癌、胆管系の癌、膵臓癌などを含み得る。消化管病変に関する包括的概要は、「Hamilton Sr,Aaltonen LA(編):World Health Organization Classification of Tumours,Pathology and Genetics of Tumors of the Digestive System,IARC Press:Lyon 2000」に示されており、これは、本明細書中に参考として援用される。
呼吸器管の腫瘍は、呼吸器管の任意の悪性状態(例えば、肺癌、肺胞癌、細気管支癌、気管支樹および気管支の癌、鼻咽頭腔の癌、口腔癌、咽頭癌、鼻腔および副鼻腔の癌など)を含み得る。肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、扁平上皮細胞肺癌腫、小細胞肺癌腫、肺腺腫、大細胞肺癌腫、腺様扁平上皮肺癌腫、肺類癌腫、気管支腺癌、または(悪性)中皮腫)。呼吸器管の腫瘍に対する概要は、「Colby TVら,Tumors
of the Lower Respiratory Tract,Atlas of
Tumor Pathology,Third Series,Fascicle 13,AFIP:Washington 1995」に見出され得、本明細書中に参考として援用される。
泌尿器系の腫瘍は、膀胱癌、腎臓の癌、腎盂の癌、尿管の癌、および尿道の癌などを含み得る。生殖系の腫瘍は、卵巣、子宮、精巣、前立腺、精巣上体などの癌およびそれらの前駆段階を含み得る。
全ての場合において、キットおよびインビトロ診断用デバイスが本発明に従う方法によって開発される方法はまた、これらの病変、腫瘍または癌の前駆段階に適用される。
一実施形態おいて、この方法は、播種性腫瘍細胞または転移の検出に関する。
本発明の一実施形態において、癌は、例えば、子宮頸部癌、結腸癌、胃癌、乳癌、膀胱癌、肺癌、口腔癌などである。
本発明の文脈にて使用される場合、開発は、上記キットもしくはインビトロ診断用デバイスの商品流通または販売を意図される製造者による、完成したキットおよびインビトロ診断用デバイスの制御された生産を可能にするために行われる全ての設計および開発活動に関する。従って、本発明の文脈にて使用される場合、キットおよびインビトロ診断用デバイスの開発は、キットおよびインビトロ診断用デバイスの、設計および開発、設計および開発の検証、設計および開発の確認、性能データの評価、安全性および有効性データの評価に関連する全ての活動に関するとなる。一実施形態において、開発は、提案され意図される使用に関する適合性のための、キットおよびインビトロ診断用デバイスの設計成果および開発成果の試験に関することとなる。これに関連して意図される使用は、キットまたはインビトロ診断用デバイスが適用される検出または診断目的と理解される。
本明細書中で開示されるような方法に従って開発されるキットおよびインビトロ診断用デバイスは、医学的に関連する状態に特徴的なマーカー分子の検出が生化学的非細胞ベース分析に基づいて行われることを特徴とする。本発明の文脈で使用される場合、生化学的非細胞ベース分析とは、溶液中で分析物またはマーカー分子が検出される全ての方法をいい、ここで細胞形態または組織構造に関する情報が、診断の評価のために使用されない(必ずしも細胞および組織残遺物は、このような溶液に存在しない必要はない)。上記生化学的非細胞ベース分析は、調査を受ける溶液中の一つ以上のマーカー分子の有無の検出、または調査を受ける溶液中の一つ以上のマーカー分子のレベルの検出から得られる情報において見出される。本発明の特定の実施形態において、このキットおよびインビトロ診断用デバイスは、ただ一種のマーカー分子を検出するために設計される。本発明のさらに別の実施形態において、キットおよびインビトロ診断用デバイスは、一連のマーカーを検出するために設計される。一般的に、本明細書中で開示されるような開発方法は、いくつかの種類のキットおよびインビトロ診断用デバイスに適用され得る。キットおよびインビトロ診断用デバイスの種々の実施形態の説明が、上記に記述される。
生化学的非細胞ベース分析の過程における上記マーカー分子の検出は、溶液中または固相に固定された試薬を用いて実行され得る。本発明の特定の実施形態において、マーカー分子の検出は、身体サンプルが溶解している溶液から行なわれる。従って、検出は、溶液中または固相に固定された試薬を用いて実行され得る。本発明の文脈で使用される場合、固相は、平面、粒子(ミクロ粒子、ナノ粒子、またはさらに小さい粒子を含む)のような固体物質の種々の実施形態を含み得る。特定の実施形態において、粒子は、ビーズ、コロイドなどとして提供され得る。試験キットまたはインビトロ診断用デバイスにおける試薬の固相への固定は、直接固定または間接固定を介してもたらされ得る。直接固定は、例えば、表面への共有結合もしくは非共有結合または会合によってもたらされ得る。間接固定は、試薬(例えば、抗体、プローブなど)の、固相に直接固定された薬剤への結合を介してもたらされ得る。このような薬剤としては、抗体または他の結合剤(ストレプトアビジン、ビオチンなど)が挙げられ得る。一つ以上の分子マーカーの検出は、一つの反応混合物または2つ以上の反応混合物中で行われ得る。いくつかのマーカー分子に対する検出反応は、例えば、多重ウェル反応容器中で同時に行われ得るか、または場合に応じて単一の試験ストリップまたは二つ以上の別々の試験ストリップで行われ得る。細胞増殖性障害に特徴的なマーカーは、これらの分子を特異的に認識する試薬を使用して検出され得る。1つより多くのマーカーが検出される場合の検出反応は、開始マーカー分子を認識するか、または好ましくは初期マーカーを認識するために使用される先行分子(例えば、一次抗体)を認識するかのいずれかの検出薬を用いる、一つ以上のさらなる反応を含み得る。さらにこの検出反応は、細胞増殖性障害に特徴的なマーカーのレベルを指示するレポーター反応を含み得る。
本発明の文脈で使用される場合、マーカー分子は、全ての場合において、医学的に関連する状態に特徴的なマーカー分子をいう。本発明の文脈で使用される場合、用語「マーカー分子」または「医学的に関連する状態に特徴的なマーカー分子」は、任意の文法形態において、核酸およびポリペプチド分子をいう。すなわち、このようなマーカー分子としては、例えば、RNA(mRNA、hnRNAなど)、DNA(cDNA、ゲノムDNAなど)、タンパク質、ポリペプチド、プロテオグリカン 、糖タンパク質、およびこれらの分子の各々のフラグメントが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、マーカー分子のレベルとは、サンプル中に存在する各々のマーカー量についての準定量値および定量値をいう。定量値は、例えば、濃度の形で表され得る。準定量値は、例えば、検出不能レベル、低レベル、中レベル、高レベル、または任意の他の適切な形のスケールで表され得る。マーカーのレベルはまた、従属パラメーター(あるアッセイ様式で、マーカー分子の存在に応答して生じるシグナルの強度)の形で表され得る。
本発明の文脈で使用される場合、マーカー分子検出のためのプローブは、上記マーカー分子に特異的に結合する任意の分子となる。このプローブは、例えば、抗原結合剤(例えば、抗体(モノクローナルまたはポリクローナル)、抗体フラグメント、または抗原結合エピトープの人工分子、タンパク質もしくは核酸のようなDNA結合分子またはRNA結合分子)であり得る。他の核酸に結合する核酸は、例えば、検出目的またはプライマーのためのペプチド核酸(PNA)またはオリゴヌクレオチド(RNA、DNA、PNA、人工核酸など)であり得る。
分子が特異的に他の分子と相互作用する場合、この分子は、この他の分子を認識するといわれる。特異的相互作用は、例えば、他の分子への特異的結合、または他の分子の特異的結合であり得る。
レポーター反応は、例えば有色化合物を産生する反応であり得る。本発明の一実施形態において、特定のマーカーに関係するレポーター物質は種々の色を発色する。別の実施形態では、標準化マーカーに特異的なレポーターとは、サンプル中に存在する標準化マーカーのレベルに依存して、医学が関係する状態に特徴的な、マーカーに特異的なレポーター分子によって産生されるシグナルを消失させる分子であり得る。さらに別の実施形態では、レポーター反応によって種々の波長特性を有する蛍光色素が生成され得る。本発明のさらなる実施形態において、レポーター反応は、検出されるマーカーのいずれかに特異的なレポーター物質に特徴的な種々の波長による放射反応を含み得る。本発明の別の実施形態において、レポーター反応は、放射活性放射線の放射を含み得、放射線を可視化あるいは定量するための方法をさらに含み得る。一実施形態において、種々のマーカー分子は、様々なエネルギー特性を有する放射線を放出する放射性核種を有する薬剤によって認識され得、その結果、マーカー分子が関与するシグナルが識別され得る。
本発明に従うキットならびにインビトロ診断用デバイスに適用される検出反応に適用可能な様式は、ウエスタンブロット、サザンブロット、ノーザンブロットのようなブロッティング技術であり得る。上記ブロッティング技術は当業者に公知であり、例えば電気ブロットあるいは半乾式ブロット、真空ブロット、ドットブロットとして実施され得る。さらに、免疫沈降アッセイまたは免疫学的アッセイ(例えば、EIA、ELISA、RIA)、ラテラルフローアッセイ、フロースルーアッセイ、免疫クロマトクロマトグラフィーストリップなどのような、分子検出のための免疫学的方法が適用され得る。本発明にて使用するための免疫アッセイは、競合的免疫アッセイおよび非競合的免疫アッセイを含み得る。
本発明の方法に従って開発されるキットならびにインビトロ診断用デバイスの特定の実施形態では、臨床検査室用検査デバイスを使用して免疫化学的検査あるいは核酸ベースの検査を行うことができる。そのような検査デバイスには、例えば、ポイントオブケア(Point of care)検査デバイスおよびベンチトップ(bench top)デバイスあるいは実験室用デバイスのようなあらゆる様式を含む、免疫化学的検査あるいは核酸ベースの検査に適切なあらゆるデバイスを含めることができる。これらのデバイスは、例えば開放プラットホームシステムあるいは閉鎖プラットホームシステムとして提供され得る。このシステムは、例えばマイクロタイタープレートあるいはマルチウェルプレートの採用、フロースルーシステムもしくはラテラルフローシステム、マイクロチップベースのシステムもしくはアレイベースのシステム、あるいはビーズベースのシステムもしくは膜ベースのシステムのような、あらゆる適切な方法論に基づき得る。使用される検出法は、免疫化学的検出方法あるいは核酸ベースの検出反応に有用な、当業者に公知のあらゆる方法を含み得る。そのような検出システムは、例えば発光システム(電気ルミネセンス、生物発光、光ルミネセンス、放射線ルミネセンス、化学発光、電気化学ルミネセンス)、蛍光ベースのシステム、導電性ベースの検出システム、放射(光、UV、X線、γなど)、あるいはあらゆる他に公知の方法であることができる。
マーカー分子レベルを検出するための方法(このために、本明細書中で開示される方法に従ってキットならびにインビトロ診断用デバイスが設計ならびに開発されるべきである)は、本発明の一実施形態では、たとえ生物学的サンプル中の非常に少量の特異的分子でも検出するのに適切な、あらゆる方法である。さらに、感受性に無関係なマーカー分子を検出するためのあらゆる方法を利用することができる。本発明に従う検出反応には、例えば核酸レベルに基づく検出反応および/またはポリペプチドレベルに基づく検出反応を含めることができる。本発明の一実施形態では、マーカー分子の検出には、特定のスプライシング改変体の検出を含めることができる。本発明の別の実施形態において、検出方法には、サンプル中のポリペプチドのリン酸化あるいはグルコシル化、もしくは核酸分子のメチル化のような、マーカー分子の改変の検出を含めることができる。
本発明の特定の実施形態では、p16INK4aあるいはp14ARF、TSLC1、Claudin、pRB、Her−2/Neu、p53、p21CIP1/WAF1、p27KIP1などのような、遺伝子の核酸のメチル化状態の検出を決定することができる。過メチル化の有無あるいはメチル化に基づくLOH状態の検出から、医学が関係する状態の存在が示唆され得る。
本発明の一実施形態において、キットならびにインビトロ診断用デバイスは、マーカー分子レベルの検出が、サンプル中に存在するマーカー分子あるいはそのフラグメントをコードする核酸のレベルを検出するような方法で設計される。核酸分子を検出するための手段は当業者に公知である。例えば、検出される分子の、相補的な核酸プローブへの結合反応、あるいはその核酸に特異的に結合しているタンパク質への結合反応、上記核酸を特異的に認識および結合する任意の他の実体への結合反応によって、核酸を検出するための手順を実行することができる。この方法はインビトロで行うことができることに加え、例えば検出染色反応の過程において直接的にインサイチュで行うことができる。本発明に従う方法にて行われる、核酸レベルに基づくサンプル中のマーカー分子を検出する別の方法は、核酸の増幅反応であり、これは、例えばポリメラーゼ連鎖反応のような定量的な方法で行われ得る。本発明の一実施形態では、例えばリアルタイムRT PCRを利用して、細胞増殖性障害のサンプル中のマーカーRNAレベルを定量することもできる。
本発明の別の実施形態において、キットならびにインビトロ診断用デバイスは、マーカー分子の検出が、タンパク質の発現レベルを決定することによって行われるように設計される。タンパク質レベルに基づくマーカー分子の決定は、例えば、マーカー分子検出に特異的な結合剤が含まれる反応において行うこともできる。これらの結合剤には、例えば抗体および抗原結合フラグメント、ニ官能性ハイブリッド抗体、最小抗原結合エピトープを含有するペプチド模擬体等を含めることができる。結合剤は、例えばウエスタンブロットあるいはELISA、RIA、EIA、フロースルーアッセイ、ラテラルフローアッセイ、ラテックス凝集法、免疫クロマトグラフィーストリップ、免疫沈降のような、多数の異なる検出技術にて使用することができる。一般に結合剤ベースの検出はインビトロで行うことができることに加え、例えば免疫細胞学的染色反応の過程において直接的にインサイチュで行うこともできる。生物学的サンプル溶液中の特定のポリペプチドの量を決定するのに適切な、あらゆる他の方法を、本発明に従って使用することができる。
核酸分子および/またはポリペプチドの改変状態を検出するための方法は、当業者に公知である。
核酸のメチル化を検出するための方法は当業者に公知であり、例えば増幅反応の過程において、例えば亜硫酸ナトリウムあるいは過マンガン酸ナトリウム、ヒドラジンナトリウム等で核酸を化学的に前処理し、続いて特異的な制限エンドヌクレアーゼあるいは特異的なプローブによって改変を検出する手順を採用する方法を、例として含めることができる。メチル化の検出はさらに、メチル化特異的制限エンドヌクレアーゼを使用して行うこともできる。核酸内のメチル化状態を検出するための方法は、例えば特許出願EP0201027.9、US5856094、WO0031294、US6331393等で開示されている。引用した文書は、本明細書中で参考として援用される。
ポリペプチドの改変状態の検出は、例えばポリペプチドの改変状態あるいは非改変状態を特異的に認識する結合剤を包含することができる。あるいは、ホスファターゼあるいはグリコシラーゼのような酵素を使用して分子内の改変を除去することもできる。従って、改変の有無は、それぞれの酵素とインキュベーションする前後に、電気泳動、クロマトグラフィー、質量分析等によって分子の質量あるいは電荷を決定することによって検出され得る。
本発明のさらなる実施形態において、キットならびにインビトロ診断用デバイスは、一群のマーカー分子の検出がポリペプチドレベルに基づいて行われ、同時にさらなる一群のマーカー分子および/または同じマーカー分子のすべてもしくはいくつかの検出が核酸レベルに基づいて行われるように設計される。
医学が関係する細胞状態に関連するマーカー分子は、例えば、細胞および/または組織の増殖および/または分化特性に影響し、そして/またはこれを反映する分子であり得る。そのような分子には、例えば、細胞周期制御タンパク質、DNA複製に関連するタンパク質、膜貫通タンパク質、レセプタータンパク質、シグナル伝達タンパク質、カルシウム結合タンパク質、DNA結合ドメインを含有するタンパク質、金属プロテイナーゼ、キナーゼ、キナーゼインヒビター、シャペロン、胚形成タンパク質、熱ショックタンパク質、あるいは翻訳後に他のタンパク質を改変してその活性を制御する酵素、もしくはこれら指定したタンパク質をコードする核酸を含めることができる。また、これら指定したタンパク質をコードするmRNAは、本発明に従う有用なマーカー分子であり得る。一実施形態において、細胞増殖性障害に関連するマーカーは、例えばその障害によって影響を受ける細胞内のみで発現されても、上記細胞内で発現されなくても、上記細胞内で過剰発現されてもよい。
本明細書中で開示される方法に従って開発されるキット並びにインビトロ診断用デバイスは、細胞周期制御タンパク質またはこれをコードする核酸(例えば、p53、pRb、p14ARF)、サイクリン(例えば、サイクリンA、サイクリンB、サイクリンE)、サイクリン依存性キナーゼインヒビター(例えば、p13.5、p14、p15INK4b、p16INK4a、p18INK4c、p19INK4d、p21WAF1/CIP1、p27KIP1)、腫瘍関連抗原(例えば、MDM−2、MCM2、MCM5、MCM6、CDC2、CDC6、Id1、オステポンチン(ostepontine)、GRP、Claudin、CD46腎臓ジペプチダーゼ、her2/neu、TGFβII受容体)、腫瘍抑制遺伝子、HPV関連マーカー(例えば、HPV遺伝子のL1、L2、E1、E2、E4、E5、E6、またはE7に由来する)、細胞表面抗原(例えば、サイトケラチン、カテニンなど)などから選択される一つ以上のマーカー分子(タンパク質及び核酸)を包含する。特定の実施例において、本明細書中で開示される方法に従って開発されるキット並びにインビトロ診断用デバイスによって検出されるマーカー分子には、DNA複製に関連する遺伝子(例えば、前開始複合体もしくは複製フォークのタンパク質または核酸など)を含め得る。このような分子としては、増殖マーカー(タンパク質及び核酸)(例えば、ヘリカーゼ(真核生物ヘリカーゼあるいはMCMタンパク質[MCM2、MCM3、MCM4、MCM5、MCM6、MCM7]、WO0050451及びWO0217947に開示されるタンパク質TP[HELAD1、Pomfil2、Unc−53とも呼ばれる])、複製プロセスに関与するキナーゼまたはホスファターゼ(例えば、CDC6、CDC7プロテインキナーゼ、Dbf4、CDC14プロテインホスファターゼ、CDC45、MCM10)、プロセッシブ複製フォークに関与するタンパク質(例えばPCNAまたはDNAポリメラーゼデルタ、複製タンパク質A(RPA)、複製因子C(RFC)、FEN1)、細胞増殖の維持に必要な分子(例えば、Ki67、Ki−S5、またはKi−S2)が挙げられ得る。一般に本明細書中で開示されるキット並びにインビトロ診断用デバイスを開発するための方法は、医学関連状態に特徴的な様々なマーカー分子に基づく、キット並びにインビトロ診断用デバイスに適する。一実施形態において、医学関連状態についてのマーカー分子は、腫瘍に関するマーカー(腫瘍マーカー)であり得る。腫瘍に特徴的なマーカー分子は、例えば、正常なコントロール組織と比較して、腫瘍内で非野生型の様式で発現されるタンパク質であり得る。本明細書中で使用される非野生型の発現として、各々の分子の発現レベルの上昇または低下、あるいは発現の欠如、あるいは非野生型形態の発現が挙げられ得る。非野生型形態のタンパク質の発現には、挿入、欠失、置換によって生じる変異形態のタンパク質の発現、またはフレームシフト変異、タンパク質または核酸中の他のあらゆる周知されている型の変異が挙げられ得る。非野生型タンパク質が発現するか、またはタンパク質が非野生型レベルに発現する全ての事例において、そのタンパク質、ポリペプチドもしくはこれらのフラグメント、またはこれらのタンパク質をコードする核酸、これらの核酸のポリペプチドもしくはフラグメントは、腫瘍に関係する分子マーカーとして使用され得、従って、本発明の文脈にて使用される用語「腫瘍マーカー」のもとに理解され得る。腫瘍に関連する非野生型の発現を示すタンパク質は、例えば文献WO9904265A2、WO0149716A2、WO0055633A2およびWO0142792A2にて開示されており、これらは、本明細書中に参考として援用されるべきである。
本発明の一実施形態において、医学関連状態に特徴的なマーカーとは、例えば、サイクリンあるいはサイクリン依存性キナーゼ、サイクリン依存性キナーゼインヒビターのような細胞周期制御タンパク質であり得る。本発明の別の実施形態では、医学関連状態に特徴的なマーカーは、一過性ウイルス感染あるいは持続性ウイルス感染に関連するマーカーであり得るある。ウイルス感染としては、高リスクHPVあるいは低リスクHPV等のヒト乳頭腫ウイル(HPV)による感染が挙げられ得る。高リスクHPVは、HPV16並びにHPV18、HPV31、HPV33、HPV35、HPV39、HPV45、HPV51、HPV52、HPV56、HPV58のHPV亜型を含み得る。HPV感染に対するマーカーは、例えばHPV遺伝子のL1、L2、E2、E4、E5、E6、またはE7のHPV発現産物を含み得る。本発明の第3の実施形態では、ウイルス感染に特徴的なマーカーは、例えば細胞周期制御タンパク質と併用する等、医学関連状態に対するあらゆる他のマーカーと併用して使用され。HPV関連の点で特に重要であり得るマーカー分子の組み合わせは、例えばWO028764にて開示されており、これは、本明細書中に参考として援用される。
一実施形態においてHPVマーカーと組み合わせて使用するための細胞周期制御タンパク質は、例えばpRb、p53、p14ARF、サイクリン依存性キナーゼインヒビターからなる群より選択され得る。特別な実施形態では、p16INK4aは、例えばHPV感染に対するマーカー(例えば、L1、L2、E2、E4、E5、E6、またはE7)と組み合わせて使用され得るする。
本発明の特定の実施例では、HPV遺伝子の転写産物あるいはタンパク質のレベルの検出が行われる。この点に関して、同一のLBCサンプルから調製された細胞学的情報からの情報に対して、生化学的非細胞ベースの検査において採用されるサンプルの標準化は、一定の利点であり得る。本発明の一実施形態では、CytycTM ThinPrepTMプロセッサーを使用してThinPrepTM検体を調製するために必要なLBCサンプルの容積に関して、生化学的非細胞ベースの検査に使用するための検体の標準化が行われる。このことは、サンプル中に存在する細胞と比較したHPV核酸の量それぞれの比較できる結果を生じることを可能にし得る。標準化が省かれた場合、HPV感染と細胞充実性との相関関係は達成され得ない。
本明細書中に開示される医学的関連状態を検出する方法のために、基本的にあらゆるマーカー分子は、いくつかの医学的関連状態に適用し得る。しかし、特定のマーカー分子は、特定の医学的関連状態に伴うものであると周知されている。本発明に従う、可溶化身体サンプル中の医学的関連状態を検出するための方法において、どのマーカー分子が合理的に使用され得るかは、当業者に周知である。医学的関連状態の例と、本発明に従う方法に使用するのに適切なマーカー分子との例を下記表3に示す。この情報は、本明細書中で開示される方法を例示することを意図したものであって、本発明の範囲を制限することを意図したものではない。また一般的に記述されているように、特定の医学的関連状態に関連する当業者に公知の分子に対して、適用可能である。
Figure 2012032412
本発明に従う医学的関連状態に関するマーカー分子は、医学的関連状態の非存在の存在に特徴的であり得る。本発明の一実施形態において、マーカー分子は、医学的関連状態の特定の性質に対して特徴的であり得る。このような特性には、進行の可能性、予後徴候情報、医学的関連状態の各々の特定の治療処置に対する反応を含め得る。従って、医学的関連状態に特徴的なマーカー分子は、医学的関連状態に影響を受けた個体の予後徴候の判定に有用であるか、あるいは医学的関連状態に影響を受けた個体の治療の層形成に有用なマーカー分子であり得る。特定の実施形態において、これは、特定の医学的関連状態において陽性あるいは陰性の予後予測を示す、特定のマーカー分子発現(例えば、乳癌におけるp16あるいはHer−2/Neu、Brca−2、Claudinなど)の存在または非存在の判定に適用し得る。特定の医学的関連状態に影響された固体の予後徴候の評価を可能とする、マーカー分子の例は、当業者に周知である。細胞ベースの細胞学的手順あるいは組織学的手順から公知の任意のこのようなマーカーが、本発明に従う方法において使用し得る。予後徴候の評価は、例えば、医学的関連状態の一次診断の過程において、または一次診断後に、あるいは医学的関連状態の(外科的)処置の過程において、または処置後に、あるいは各々の医学的関連状態の履歴の任意の他の段階において、実施し得る。一実施形態において、本発明に従う方法は、医学的関連状態に影響された個体の治療の層形成のために使用され得る。このような層形成としては、例えば、Theragnostic手順に関する特定の治療化合物の選択(例えばヘルセプチン等を使用する治療を患者が選択するために使用される)、化学療法または放射線治療についての患者の選択、あるいは患者に対するさらなる治療行為に関する他のあらゆる決断のための選択、または一般な個体の医学的処置に関する決定のための選択(例えば、経過観察のモニタリング(monitoring follow up))などが挙げられ得る。
本発明の特定の実施形態において、医学的関連状態に特徴的なマーカー分子は、医学的関連状態の進行を示唆するためのマーカーであり得る。本発明のさらに特定の実施形態において、医学的関連状態の進行に特徴的なマーカー分子は、上記医学的関連状態のわずかな存在に特徴的なマーカー分子と併用して使用され得る。
本発明に従う開発は、原材料としてLBCサンプルを使用して行われる。本発明の一実施形態において、本明細書中で開示される方法に従って開発されるキット並びにインビトロ診断用デバイスは、あらゆる種類の可溶化身体サンプルを用いた使用について意図される。本発明の別の実施形態において、本明細書中に開示される方法に従って開発されるキット並びにインビトロ診断用デバイスは、LBCサンプルのみを用いた使用について意図される。この場合、キットあるいはインビトロ診断用デバイスは、細胞学的分析の連結検査または補助検査として、あるいは独立した検査として、可溶化LBCサンプルの分析のために開発および製造される。
本発明に従うキット並びにインビトロ診断用デバイスの開発のための手法は、生化学検査様式のためのキット並びにインビトロ診断用デバイスの開発に向けられている。これらの検査様式では、可溶化身体サンプル中のマーカー分子の存在もしくは非存在および/またはレベルが検出される。身体サンプルの可溶化は、上記に詳細を記した通り適切な溶解培地を使用して実践される。本発明に従うキットまたはインビトロ診断用デバイスの開発は、設計、開発、設計および開発の確認、設計および開発の検証のためにLBCサンプルを利用される。さらに本明細書中で開示されるLBCサンプルに基づくキットおよびインビトロ診断用デバイスの開発のための手法は、適用可能な場合、各々のキットまたはインビトロ診断用デバイスの規制の許可あるいは認可の目的で監督当局および(指定)審査機関の前に、安全性及び有効性に対する技術文書および/または証明を提出するための、LBCサンプルを採用するあらゆる方法である。本明細書中に開示される、キット並びにインビトロ診断用デバイスの開発方法は、規制付託並びに許可/認可のために、設計、開発、確認、検証、データ提出の全ての段階においてLBCサンプルを適用し得るか、あるいはキットまたはインビトロ診断用デバイスの設計及び開発の、一つまたは数個の指定された工程のみにおいてLBCサンプルを採用し得る。本発明の一実施形態において、本発明に従うキットあるいはインビトロ診断用デバイスを開発する方法は、上記キットおよびインビトロ診断用デバイスの設計および開発のための方法であり、ここで、上記LBCサンプルは、設計の確認および/または検証、ならびに開発の確認および/または検証のために使用される。本発明の別の実施形態において、キット並びにインビトロ診断用デバイスの開発方法は、国もしくは地方の監督当局および/または国もしくは地方の(指定)規制機関の前に、キットおよび/またはインビトロ診断用デバイスの規制付託ならびに許可/認可のためのデータを提出するための方法であり、ここで、LBCサンプルは、このキットあるいはインビトロ診断装に関する技術データ、性能データまたは性能安全性、および有効性データを提供するために使用される。本発明のさらなる実施形態において、キット並びにインビトロ診断用デバイス開発の方法は、後者の方法を組み合わせた方法である。
本明細書中で詳細に示されるキット並びにインビトロ診断用デバイス開発のための方法は、開発下にあるこのキットまたはデバイスの性能特性に関わるデータの収集に適切なあらゆる方法において、LBCサンプルを利用する。一般的に、LBCサンプルは、キットまたはインビトロ診断用デバイス開発の過程において使用される、身体サンプルの供給源として使用される。本発明の一実施形態において、LBCサンプルは、使い残しの検体として供給され、ここで、細胞学的標本は、本発明に従う開発方法のためにLBCサンプルの一部を使用する前に、その過程で、あるいは使用後に、調製される。別の実施例において、LBCサンプルは、本発明に従う開発の方法において使用する目的のためのみに得られる。この場合において、第二のもしくは第三のLBCサンプル、あるいは細胞学的評価のために従来の非シンレイヤー法によって調製されるサンプルでさえも、本発明に従う開発方法において使用される各々のLBCサンプルの試料抽出の前後に、得られ得る。
本発明に従う方法において使用されるLBCサンプルに関して、細胞学的手順に関する情報は、存在しても存在しなくてもよい。このような情報としては、例えば、適切なシンレイヤー調製物のの調製のために必要なLBCサンプルの容積、LBC検体の細胞含量に関する情報、LBC検体の妥当性またはサンプリング手順に潜在するものに関する情報、細胞学的検体に基づいて評価された診断情報に関する情報、患者の疾患及び診断に関する情報等が挙げられる。
本発明に従う方法において、得られるLBCサンプルは、その全体あるいはその一部分のみのどちらかが使用される。本発明の特定の実施形態において、LBCサンプルの全量は開発目的のために使用される。別の実施形態では、サンプル中に含まれる細胞の全数が、開発目的のために使用される。また別の実施形態においては、元のLBCサンプル中に含まれる全量の画分または全細胞数のみが、開発目的のために使用される。
本発明に従う方法において、LBCサンプルの標準化が適用され得る。本発明の特定の実施形態において、LBCサンプルの標準化は、LBCサンプルを使用して行われる開発プロセスにおいて、類似の量の細胞が存在することを確保するために適用され得る。これは、適当なシンレイヤー検体の調整に必要なLBCサンプルの容量について、LBCサンプルの容量を標準化することによって達成され得る。シンレイヤー検体の調製は、例えばThinPrepTMプロセッサー等を利用する等、あらゆる適切な方法で行われ得る。この場合において、本発明に従う開発プロセスにて利用するためのLBCサンプルの画分の容量は考慮され得ない。特定のさらなる実施形態において、LBCサンプルの標準化が、検査手順に供されるサンプルの容量について行われる。この場合、本発明に従う開発手順にて利用するためのLBCサンプルの画分に存在する細胞量は、考慮され得ない。本明細書中に記載されるとおりの標準化の実行に関する例は、実施例4ffに与えられる。
本発明のさらなる側面は、可溶化身体サンプル中のマーカー分子の存在もしくは非存在、またはレベルの生化学的な非細胞ベースの分析によって医学的関連状態の診断を評価するための方法であって、ここで、身体サンプルは、LBCサンプルである。本発明の特定の実施形態において、診断の評価のための方法は、LBCサンプルから作製された細胞学的(例えばシンレイヤー)調製物から得られる情報に関して、生化学的な非細胞ベースの検査に利用するサンプルの量を標準化することを含む。この情報は、例えば、サンプルの細胞充実性に関する情報であり得る。この点に関して、細胞充実性は、その溶液中に存在する1mL当たりの細胞含量として理解されるべきである。この細胞充実性は、種類及び性質が何であれ、細胞の全体の含有量を言及し得る。他の実施形態において、細胞充実性という用語は、LBCサンプル中の特に規定された細胞型の含量を言及し得る。このような細胞は、例えば、供給源または部位によって規定される細胞(例えば子宮頸管内膜細胞、子宮膣部細胞、子宮内膜細胞、子宮頸部細胞、膣細胞)、増殖および/または分化の段階によって規定される細胞(例えば変形細胞、形成異常細胞、HPV感染細胞など)、あるいは任意の他の規定された型の細胞であり得る。
この点に関して、本明細書中に開示される検出の方法は、マーカー分子(例えば、核酸、またはタンパク質、またはペプチドおよびこれら各々のフラグメント)の検出に関する。特定の実施形態において、マーカー分子の検出は、上記可溶化サンプル中のタンパク質、ペプチド、またはこれらのフラグメントの存在もしくは非存在および/またはレベルの検出よって行われる。この方法に適用され得るマーカー分子は、「医学的関連状態に特徴的なマーカー分子」として上に開示されている。この方法は、上に定義された任意の医学的関連状態に適用され得る。本発明の他の実施形態において、医学的関連状態に特徴的なマーカー分子の核酸が検出される。この点において使用される核酸は、本発明の記述において上に定義される。
本明細書中で開示される方法におけるマーカー分子の検出は、上に定義されるあらゆる適切な検出方法を言及する。特定の実施形態において、タンパク質並びにペプチドの検出は、免疫化学的検出によって行われる。
本発明によって、新生物性障害(例えば、癌並びにその早期前駆段階など)の診断が可能となる。特に、癌の前駆段階が早期に検出され得る。良性炎症性疾患または新生物障害の化生性変化に関して、鑑別することが可能となる点が強調されるべきである。他の特徴は、本発明に従う方法によって得られた結果が、主観的評価に依存せず、そのため、例えばパプ検査あるいは組織学的調整物による偽陰性並びに偽陽性となる結果が減らされ得るか、または避けられ得る。さらに、本発明は、迅速且つ簡便な操作によってそれ自体を区別し、特に第三世界においても、広範なスクリーニング測定のために使用され得る。したがって、本発明は、今日の癌性疾患の診断への重要な貢献を意味する。
本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、実施例において記載される特定の手順への範囲または精神において、本発明を制限するものとしては構成されない。
(実施例1:ELISA試験様式における子宮頸部上皮内新生物の検出)
溶解培地に提供された33の子宮頸部スワブを、スワブ中に含まれる細胞から調製した溶液内のサイクリン依存性キナーゼインヒビターp16INK4aの過剰発現の検出に基づくELISA法に供した。ELISA試験を以下のように実施した。
((A)細胞溶解)
子宮頸部スワブブラシを、2mlのmtm溶解培地(PBS中、2% TritonX−100、0.4% SDS、0.6mM PMSF)を入れた15mlの容器に加えた。ブラシ中に存在する子宮頸部細胞を、少なくとも20時間溶解した。次にこの子宮頸部スワブサンプルの溶解物を2mlの試験管に移し、4℃で遠心分離した(28.000Xgにて15分間(16.600rpm Highspeed Centrifuge JEC Multi RF))。上清を新しい試験管に移した。この上清は−20℃で保存し得る。
((B)ELISAの実施)
(ELISAプレートのコーティング)
p16INK4a抗体クローンmtmE6H4のストック溶液をPBS中に希釈し、使用準備済みコーティング液とした。ELISAプレートの各ウェルに、50μlのコーティング液を加えた。コーティングのため、プレートを4℃で一晩インキュベーションした。コーティング液をELISAプレートから除去し、プレートを以下の自動ELISA洗浄器を使用してリンスした:
7X250μl洗浄緩衝液(PBS中、0.1% Tween20(v/v))
洗浄緩衝液の残余物を除去した後、300μlのブロッキング緩衝液(PBS中、2% BSA)を各ウェルに加えた。プレートを振盪機上にて、常温で1時間インキュベートした。
(サンプルとのインキュベーション)
ブロッキング緩衝液を除去した後、100μlの溶解細胞サンプルを各ウェルに加えた。HeLa細胞の溶解物を陽性コントロールとして使用した。この試験の検量のため、この試験おいて、様々な濃度の組換えp16INK4aタンパク質(0pg/ml、50pg/ml、100pg/ml、200pg/ml、400pg/ml、800pg/ml)を含めた。サンプルを常温で1時間インキュベートした。その後以下の自動ELISA洗浄器上で洗浄を行った:
7X250μl洗浄緩衝液。残存する緩衝液は除去した。
(検出用抗体とのインキュベーション)
ストック溶液を希釈して、p16INK4aタンパク質に特異的なビオチン化二次抗体クローンmtm D7D7の作用溶液を調製した。
100μlの作用溶液を各ウェルに加えた。常温で1時間インキュベートした後、抗体溶液を除去し、自動ELISA洗浄器でELISAプレートを洗浄した:
7X250μl洗浄緩衝液。
(検出)
ストレプトアビジンHRPポリマー(1mg/ml)を1:10に前希釈した(4μl+36μlインキュベーション緩衝液)。インキュベーション緩衝液(PBS中、0.1%BSA)中で1:300に希釈して、最終インキュベーション溶液を最終濃度0.33μg/mlに調製した。
この溶液100μlを各ウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。
その後この緩衝液を除去し、各ウェル当たり200μlの洗浄緩衝液を用いて手動で5回、プレートを洗浄した。
(基質のインキュベーション)
TMB基質を暗所にて1時間、25℃に平衡化した。各ウェル当たり100μlの基質溶液を加えた。このELISAプレートを暗所にて、25℃で正確に15分間インキュベートした。次に、80μlの2.5M H2SO4を加えて反応を止めた。反応停止後5分以内に、OD450nmを測定した。この結果を評価した後、各サンプルのODについての値を得た。この実験の結果を表4に示す。このELISAの結果を、同一の患者からのパパニコロー検査(PAP検査、子宮頸部細胞診)の診断結果と比較した。子宮頸部の細胞学をミュンヘン(Munich)分類II(1990)に従って評価した。PAPIIには良性細胞及び子宮頸炎、変質形成が含まれ、PAPIVには重度形成異常及び組織内癌腫が含まれる。ELISAにおいて0.9よりも大きな値のODを呈したサンプルは、従来の細胞診PAP検査によって、形成異常と分類されるサンプルに相当することが判明した。OD0.9をサンプルのための臨界値と適用すると、ELISA結果は以下のように報告され得る。
Figure 2012032412
ELISA試験は、重度形成異常を有する女性からのサンプル全てにおいて陽性(100%)であり、形成異常の無い女性の30のサンプル全てで陰性(100%)であった。
これらの実験で評価された臨界値を用いて、患者300人の細胞学的検体を本ELISA試験様式で検査した。この実験においては、細胞診によって形成異常であると同定された検体は、このELISA試験様式においても形成異常であると同定され得る。
これらの結果は、患者の可溶化サンプル中のp16INK4aタンパク質を定量化することが、そのサンプルから形成異常を検出することが可能とすることを示している。本実施例における診断は、特定の患者サンプル中にて測定されたp16INK4aレベルと、正常非形成異常サンプル中に存在することが公知のレベルとの比較に基づいている。この比較は、この試験様式において、陽性と分類されるサンプルを上回るELISAにて決定されたOD値についての閾値を適用することによって、行われる。
(実施例2:側方流動試験様式での子宮頸部上皮内新生物の検出)
PreservCyt(Cytyc Corporation,Boxborough,MA)溶液中にて提供された9つの子宮頸部スワブを従来のPAP検査に供し、同時にスワブから得られた細胞懸濁液から調製した溶液中のサイクリン依存性キナーゼインヒビターp16INK4aの過剰発現の検出を、側方流動に供した。側方流動試験は以下のように実施した:
((A)細胞溶解)
PresrvCytTM固定材料として提供された個々の子宮頸部スワブサンプル由来の細胞懸濁液10mlを、15mlの反応容器に移した。このサンプルを常温で15分間、1500Xgにて遠心分離し(3000rpm,Heraeus Varifuge,ローター 8074)、上清を捨てた。残存メタノールを蒸発させて(常温で15分間)、沈殿物を500μlの溶解緩衝液に可溶化し、1.5mlの反応容器に移した。この溶液を4℃で遠心分離し(28000Xgで15分間(16600rpm Microcentrifuge Biofuge fresco))、上清を新たな試験管に移した。上清は−20℃で保存し得る。
((B)側方流動分析の実施)
(捕獲抗体の膜への塗布)
p16INK4a特異的抗体クローンmtm E6H4のストック溶液をTBS(1%ウシ血清アルブミンを含む)で希釈し、最終濃度1mg抗体/mlの使用準備済みスポッティング溶液を準備した。この使用準備済み溶液をニトロセルロース膜上に30μl/30cmでスポッティングした。Whatman wickをニトロセルロースの片端に接着させ、ディップスティック(dipstick)を37℃で1時間乾燥させた。次にこれを常温で平衡化させ、切断して4mm幅のディップスティックとした。
(結合体溶液の調製)
金コロイド状の金(粒子サイズ40nm)に結合させた、p16INK4a特異的抗体クローンmtm D7D7のストック溶液をTBS(1%ウシ血清アルブミンを含む)で希釈し、520nmでの1.0ODの最終濃度の使用準備済み検出抗体溶液を準備した。
(サンプルとのインキュベーション)
次に20μlの溶解細胞サンプルを、マイクロタイターウェル内の20μl使用準備済み検出抗体溶液に加え混合した。捕獲抗体クローンE6H4で被覆したディップスティックをこのウェルに加え、サンプルを浸漬して完了した。ディップスティックが湿っている間、シグナルを測定した。
(結果)
本発明者らの検査様式において、PAP染色によってPAP IVと分類され、したがって形成異常細胞を含有する2つのサンプル(サンプル1およびサンプル2)は、捕獲抗体をスポッティングした領域にはっきりと認識できる紫のバンドを呈した。反対に、PAP染色でPAP II〜PAP IIIと分類され、したがって形成異常細胞を含まない他の7つのサンプルでは(サンプル3〜9)についてはバンドは検出されなかった。
実施例1にて示したものと同じプロトコルでELISAを実施した。その結果を表5に示す。
Figure 2012032412
本発明並びに、これを作製し利用する様式及びプロセスを、これが属する当業者の誰であっても同じ発明を作製し、使用することが可能なよう、このような十分な用語、明確な用語、簡潔な用語、正確な用語で記載する。上述のものは本発明の好ましい実施形態を記載し、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲から逸脱することなしに、これら実施例の改変が本明細書中でなされ得ることが、理解されるべきである。本発明とみなされる主題を詳細に指摘し、明確に請求するため、以下の特許請求の範囲は、本明細書を結論づける。
(実施例3:RT−PCRによるp16INK4a転写産物及びp14ARF転写産物の検出)
この分析のために、50人からの子宮頸部サンプルを用いた。各被験者について2つのサンプルを採取し、一方をUniversal Collection Mediumに、もう一方をPreservCytTM溶液に入れた。両サンプルとも同一の実験期間内に得た。各個体のそれぞれについて、PreservCytTM溶液から調製した子宮頸部シンレイヤー検体の分析に基づく診断が利用可能であった。本研究に含まれる20のサンプルをNILMとして診断して選択し、20サンプルをLSILと選択、そして10サンプルをHSILと選択した。以下のプロトコルに従うRT−PCRによって、全てのサンプルからp16INK4a及びp14ARFの転写産物のレベルをmRNAレベルに対して決定した:
分析を実施するため、UCM並びにPreservCytTM溶液中から細胞を遠心分離によってペレットとした。得られたペレットを直接RNA調製手順に供した。
このペレットを希釈し、使用準備済みのRLT緩衝液に再懸濁した。この均質化した溶解物に70%エタノールを加えた後、この懸濁液をピペッティングによって混合した。RNAの精製及び単離は、製造者の指示に従ってQIAampスピンカラムを使用して行った。RNA濃度を260nmにて光学的に測定した。逆転写反応については、100ngから500ngのRNAを使用した。DNAは以下のDNA分解酵素によって分解した:
17.0μL RNA(6−30 ng/μL)
1.0μl DNaseI Ampグレード(1Unit/μl)(Invitrogen)
2.0μl DNaseアーゼ反応緩衝液(10X)(Invitrogen)
20.0μl 全量25℃で15分間インキュベーションを行い、25mM EDTAを2μl加えて反応を停止し、65℃で10分間インキュベートした。RNAsin存在下でOmniscript逆転写酵素を使用し、DNase消化物の全量を用いてcDNA合成を行った。この反応を37℃で2時間、続いて93℃で5分間行った。その後、この混合物を4℃で保存した。これでTaqman−PCRのための使用準備済みcDNA溶液ができる(約7〜36ng/5μlのcDNA濃度に相当する)。RT−PCRで使用するため、40μlのcDNA反応混合物を30μlのRNaseを含まない水で希釈して容積70μlとした。使用したプライマーは、:
Figure 2012032412
コントロールとして、βアクチン及びGAPDHに対するPCR反応を、以下のプライマーを使用して行った。
Figure 2012032412
各プライマーは300nmolの濃度で使用した。RT−PCRのための反応混合物は以下の組成であった:
12.5 μl SYBR−Umix
0.25μl プライマー混合物
7.25μl 分子生物学用水
5.0 μl cDNA溶液
25.0 μl 全量
2段階リアルタイムPCRの条件は、:
第1段階:50℃で2分、95℃で10分
第2段階:95℃で15秒、60℃で1分10秒、40サイクル
サンプル中に検出される転写物のレベルに基づいたp16INK4a転写物の過剰発現の程度を、正常組織検体または細胞検体中に存在する転写物レベルと比較して評価することによって、RT−PCR結果の評価を実施した。過剰発現の分析前に、p14ARFのレベルに対して、各サンプル中に検出されるハウスキーピング遺伝子のレベルに関する標準化を行った。正常組織と比較して0から24倍の過剰発現は無関係とみなした。24倍を超えるp16INK4a並びにp14ARFの過剰発現のレベルのみを、サンプル中で有意に上昇した転写物レベルとみなした。評価のためのこのスキームは、いくつかの等しく適切な方法の一つに過ぎないことに注目しなければならない。当業者はRT−PCRの結果を使用して、転写物レベルを評価し得る方法、およびサンプルの臨床的パラメーターに関連付け得る方法を理解する。本実施例で記載される閾値は例示的であり、条件に依存して変動し得る。一サンプルのUCM検体から得られた値と、対応するPreservCytTM検体のものとは同じ結果を示した。検出された転写物レベルを細胞学からの対応する検体の診断と比較すると、転写物レベルの上昇と、細胞学的シンレイヤー検体に基づいて診断された子宮頸部病変の存在との間に、十分な相関性が見られた。
この相互関係は以下の通りであった:
Figure 2012032412
この実験は、溶解した子宮頸部サンプル中のp16INK4a並びにp14ARFの転写物レベルを検出するための方法が、子宮頸部病変並びにその前駆段階の診断の評価に適していることを示している。試験した細胞保存溶液は、この開示する方法について、等しく適切であることが判明した。試験した遺伝子両方の転写物のレベルは、子宮頸部上皮内新生物の診断の評価の際に加えるために使用され得、ここでp16INK4aはp14ARFよりもわずかに良い結果を示す。
(実勢例4:口腔、唾液由来のスワブ、及び子宮頸部スワブ由来の液体ベースの細胞学的サンプルにおける、p16INK4aおよびp14ARFの転写物レベルのハイブリッド捕獲分析)
本実施例では、各々のマーカー分子に対し、HSIL疾患と診断された被験者の子宮頸部スワブ、小細胞肺癌を有する被験者の唾液、および口腔癌を有する被験者の口腔由来のスワブのそれぞれかの、PreservCytTM溶液もしくはCytoLytTM溶液中のLBCサンプル各10個を使用した(各癌の実体について計20検体を使用した)。子宮頸部検体及び口腔検体に関して、hrHPV型ならびにp16INK4aおよびp14ARFの転写物の存在に対するハイブリッド捕獲分析を行った。hrHPV型に対するハイブリッド捕獲分析は、Digene Corp.のHybridCaptrue hc2検査を使用して行った。指定されたサイクリン依存性キナーゼインヒビターの転写物に対するハイブリッド捕獲分析は以下のように行った。
((A) 細胞溶解)
本実施例に関して、LBCサンプルの量はLBCサンプルの細胞含量に依存した。Cytyc ThinPrepTMプロセッサーを使用して、各検サンプルのシンレイヤー検体を調製した。シンレイヤー検体調製の前後で、このLKBCサンプルの質量を測定した。ThinPrepTMプロセッサーは各処理工程において、フィルター上に特異的な細胞の密度のために必要なサンプル量のみを消費するので、消費された体積がLBCサンプル中の相対的細胞濃度に関する測定値である。本実施例において、ThinPrepTMプロセッサーによるシンレイヤー検体調整のために消費する量の2倍のLBCを、ハイブリッド捕獲分析のために使用した(LBCサンプルの細胞含量が低すぎるサンプルは除いた)。分析を実施するため、CytoLytTM、PreservCytTM溶液から遠心分離によって細胞をペレットとした。得られたペレットを直接RNA調製手順に供した。このペレットを希釈し、使用準備済みRLT緩衝液中に再懸濁した。均質化した溶解物に70%エタノールを加えた後、この懸濁液をピペッティングによって混合した。RNAの精製及び単離は、製造者による指示に従ってQIAampスピンカラムを使用し、実施した。p16INK4a mRNAの検出には、p16INK4a並びにp14ARFに特異的な40マーDNAオリゴヌクレオチドプローブの混合物を使用した。この混合物中の最も適切なプローブは、以下の配列を含有した。
p14ARFは:
Figure 2012032412
このmRNAのエクソン1βとエクソン2との間の境界にプローブを配置し、p14ARF特異的なmRNAのみがプローブによって認識されることを確保する点が利点である(この状況はそれぞれp16INK4a並びにp14ARFについて特異的なPCR条件でも同様である)。プライマー対は増幅のエクソン境界を包含するように選択され得る)。p14ARF mRNAを特異的に認識する他の任意のプローブを、同様に使用し得る。この実施例にて開示されるプローブは、例として使用され、本発明の範囲を制限することは意図されない。上記配列またはこれらのフラグメントを含むプローブ配列は、同様に、本明細書中に開示される方法のために使用され得るする。
p16INK4aに有望なプローブ配列は以下の通りである。:
Figure 2012032412
p14ARFの状況と同様p16INK4aについても、プローブを、好ましくはエクソン1αのエクソン2へのエクソン境界に重なるよう配置する。この条件によって、p16INK4aが認識され、他のmRNAはINK4遺伝子座から転写されないことが確保される。さらに、p14ARFに対するプローブのために示した注解は、必要な変更を加えてここに適用する。標識プローブ混合物を全量細胞性RNA抽出物に加えた。ハイブリダイゼーションのため、この混合物を65℃で30分間インキュベートした。
((B)ELISAの実施)
RNA−DNAハイブリッド検出のため、Digene Corp.から市販される抗RNA−DNAハイブリッド抗体でコーティングされたマイクロタイタープレートを使用した。ハイブリダイゼーション溶液を直接マイクロタイタープレートに加え、常温で1時間インキュベートした。製造者の指示に従って、このプレートを洗浄した。二次の抗RNA−DNAハイブリッド抗体およびDigene Corp.によって提供された検出試薬を使用して検出を行った。ハイブリッド捕獲アッセイは、全ての子宮頸部検体についてp16INK4aについて陽性であると示した。この結果はハイブリッド捕獲によって全ての子宮頸部検体がhrHPVについて陽性であるとされたことと一致した。口腔由来の癌検体の約半数をp16INK4aの過剰発現について検査した。p16INK4a陽性であるこれらの検体の全てをhc2によってhrHPVに関して検査した。口腔の癌において、HPV陽性とp16INK4aの過剰発現との間に有意な相関性があった。小細胞肺癌に関しては、検査された事例の10事例の内8事例で、p16陽性と検出された。ハイブリッド捕獲によって得られたp16INK4aについての結果は全て、シンレイヤー検体の免疫細胞化学的分析によって確認し得る。p14ARFに関しては、子宮頸部サンプルについての結果は、p16INK4aについての結果と比較できるものであった。小細胞肺癌に関しては、ハイブリッド捕獲において検査された10の事例のうち内わずか2つの事例のみがp14ARF陽性を示した。この結果は免疫細胞化学によって確認し得る。口腔由来のLBCサンプルでは、免疫細胞化学的な所見と一致して、10事例のうち7の事例でp14ARFを検出し得る。この結果は、ハイブリッド捕獲試験様式におけるLBCサンプル由来のサイクリン依存性キナーゼインヒビターの検出は、幾種類かの癌の存在の診断の評価のために使用し得ることを示す。この結果は、生化学試験が細胞学的検査の補助検査または共同検査として使用され得ることを示唆する。
(実施例5:尿、唾液、胸部細針吸引由来および、子宮頸部スワブ由来の液体ベースの細胞学的サンプル中のp16INK4a、Her−2/Neu、およびp14ARFのタンパク質レベルの免疫化学的分析)
全てPreservCytTM溶液に準備した、HSILであると細胞学的に分類された子宮頸部スワブ10サンプル、小細胞肺癌であると細胞学的に診断された唾液10サンプル、膀胱腫瘍と診断された被験者からの尿10サンプル、DCISと診断された個体からの細針吸引10サンプルを、細胞の遠心分離に供し、続いて溶解液中に細胞を可溶化した。その後、ELISAに基づいて、スワブに含まれる細胞から調製した溶液中のサイクリン依存性キナーゼインヒビターp16INK4a及びp14ARF、HER−2/Neuの発現レベルの検出した。ELISA試験は以下のように行った。
((A)細胞溶解)
各10mLのLBCサンプルを遠心分離して細胞を沈殿させた。細胞ペレット[TIME]を700μlのmtm溶解緩衝液(2% トリトンX−100、0.4% SDS、0.6mM PMSFのPBS溶液)中に、80℃で10分間混合し、インキュベートすることによって溶解した。次にLBCサンプル溶解物を4℃で遠心分離した(28.000xgにて15分間(16.600rpm HighspeedCentrifuge JEC Multi RF))。上清を新しい試験管に移した。上清は−20℃で保存し得る。
((B)ELISAの実施)
(ELISAプレートのコーティング)
各タンパク質ついて、分離したELISAプレートを以下のように調製した。p16INK4a、p14ARF、およびHER−2/Neuに特異的な一次抗体のストック溶液をPBS中に希釈し、使用準備済みコーティング溶液を調製した。p16INK4aについては、ELISAプレートのコーティングのためにmtm E6H4を使用した。p14ARFについては、Calbiochemから市販されているp14ARFに対するポリクローナル抗体を使用した。HER−2/Neuについては、DakoCytomationからのポリクローナル抗体をコーティングのために使用した。50μlのコーティング溶液をELISAプレートの各ウェルに加えた。コーティングのため、このプレートを4℃で一晩インキュベーションした。コーティング溶液をELISAプレートから除去し、以下の自動ELISA洗浄器を使用してプレートをリンスした。:
7x250μl洗浄緩衝液(PBS中、0.1%Tween20(v/v))
残った洗浄緩衝液を除去した後、300μlのブロッキング緩衝液(PBS中、2%BSA)を各ウェルに加えた。プレートを震盪器上にて、常温で1時間インキュベーションした。
(サンプルとのインキュベーション)
ブロッキング緩衝液を除去した後、100μlの溶解細胞サンプルを各ウェルに加えた。試験の検量のため、種々の濃度の組換えタンパク質(0pg/ml、50pg/ml、100pg/ml、200pg/ml、400pg/ml、800pg/ml)を各試験に加えた。サンプルを常温で1時間インキュベーションした。その後以下の自動ELISA洗浄器で洗浄を行った:
7x250μl洗浄緩衝液 残った緩衝液は除去した。
(検出抗体とのインキュベーション)
ストック溶液を希釈して、各々のタンパク質に特異的なビオチン化二次抗体の作用溶液を調製した。p16INK4aについてはmtmクローンD7D7を使用し、p14ARFについてはCalbiochemのモノクローナル抗体を使用し、HER−2/NeuにいついてはDakoCytomationのモノクローナル抗体を使用した。100μlの作用溶液を各ウェルに加えた。常温で1時間インキュベーションした後、抗体溶液を除去し、ELISAプレートを自動ELISA洗浄器で洗浄した。
7x250μl洗浄緩衝液
(検出)
ストレプトアビジンHRPポリマー(1mg/ml)を1:10に前希釈した(4μl+36μlインキュベーション緩衝液)。インキュベーション緩衝液(PBS中、0.1%BSA)中に1:300に希釈して、最終濃度0.33μlに最終インキュベーション溶液を調製した。この溶液100μlを各ウェルに加えて、常温で1時間インキュベーションした。その後緩衝液を除去し、各ウェルにつき5回、200μlの洗浄緩衝液を用いて手動でプレートを洗浄した。
(基質のインキュベーション)
TMB基質を暗所にて25℃で1時間平衡化した。100μlの基質溶液を各ウェルに加えた。ELISAプレートを暗所にて25℃で正確に15分間、インキュベーションした。次に80μlの2.5M HSOを加えて反応を停止させた。反応停止後5分以内に、OD450nmを決定した。この結果を評価した後、各サンプルのODに関する値を得た。各抗体に関して、バックグラウンドと見られる値を使用して、閾値ODを決定した。このELISAの結果を、同一の個体由来の検体の細胞学的評価の診断結果と比較した。結果を以下の表6に示す。
Figure 2012032412
p16INK4aに関して検査した事例の100%において、細胞学的に測定されたp16INK4a染色パターンと、分析用の可溶化PreservCytTMサンプルを使用したELISA試験様式におけるp16INK4a陽性との間によい相関性が見られることが判明した。p14ARFについては、相関性は93%であった。HER−2/Neuについては、過剰発現の免疫細胞化学的検出とELISA様式における陽性との間に、90%以上の相関性を検出し得た。上記実施例の結果は、可溶化LBCサンプルを使用する生化学的検査を、免疫細胞化学的分析と同一の検体に利用し得ることができることを示す。生化学検査はLBCサンプルの僅かな部分しか消費しないので、免疫細胞化学的分析の補助として容易に利用し得る。免疫細胞化学的結果とELISAの結果との間には良い相関性があった。これは、本発明に従う方法が、液体ベースの細胞学が、連結検査もしくは補助検査として、または独立した診断検査となり得る事例としてのいずれかとして現在適用される、様々な種類の医学的関連状態の診断を判定するために適することを示している。
(実施例6:尿由来の液体ベースの細胞学的サンプル中のMCM−5及びMCM−2の、mRNA/タンパク質のレベルの免疫化学的分析並びにRT−PCR分析)
CytoLytTM中の尿中の細胞の20個のLBCサンプルを本実施例のために使用した。RT−PCRは実施例3に示した同じ方法で実施した。タンパク質分析を実施例2に示したディップスティック検査様式にて行い、平行して、実施例1にて示したELISA様式にて実施した。実験手順はこれらの実施例にて示したように行った。尿LBCサンプル由来の溶解物中で、MCM−5を容易に検出し得ることを示し得る。タンパク質及び核酸のレベルに基づく生化学的非細胞ベースのアッセイによって得られた結果は、細胞学から得られた結果と非常に良く対応する。細胞学ではMCM−5タンパク質に対する免疫細胞学的染色を、診断の評価における補助として利用した。

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  1. 本願明細書に記載された発明。
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