JP2012020365A - クーラント回収システム - Google Patents

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Tetsuya Tsugawa
哲哉 津川
Kimihiko Murakami
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【課題】ワイヤソーからの廃液を処理するにあたり、クーラントの再利用率を90%以上に高めることのできるクーラント回収システムを提供する
【解決手段】固定砥粒ワイヤソーの廃液からクーラントを回収するシステムであって、切削屑とクーラントを含む廃液を受け入れる濃度調整タンクと、濃度調整タンクに貯留された廃液を遠心分離機に供給する送液ポンプと、送液ポンプによって供給される廃液を遠心力の作用で重液と軽液とに分離し、切削屑を含む重液を系外に排出する一方で、軽液を濃度調整タンクに戻す遠心分離機と、濃度調整タンクに貯留された廃液をフィルターに供給する循環ポンプと、循環ポンプによって供給される廃液をクロスフローろ過方式で重液と軽液とに分離し、重液を濃度調整タンクに戻す一方で、軽液を再生クーラントとして再生クーラントタンクに供給するフィルターと、を含むようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばシリコンウエハー等を切削する固定砥粒方式又は遊離砥粒方式のワイヤソーからの廃液を処理し、クーラントを再利用可能に回収するクーラント回収システムに関する。
従来より、例えばシリコンインゴットからウエハー等を切り出す工程において、ワイヤソーと呼ばれる切削装置が使用されている。ワイヤソーは、極細のワイヤーを高速で走行させることによって対象物を切削する装置であり、固定砥粒方式と遊離砥粒方式がある。
固定砥粒方式とは、表面に切削材が固定されたワイヤーを用いる方式であり、クーラントを掛けながらワイヤーを高速で走行させることによって対象物を切削する。固定砥粒ワイヤソーとしては、ダイヤモンドをワイヤーに固定したダイヤモンドワイヤソーが知られている。クーラントは、冷却及び潤滑作用を得るために対象物に掛けられる切削液であり、水溶性又は油性の液体が用いられる。従って、固定砥粒ワイヤソーの場合、切削屑を含むクーラントが廃液として排出される。
遊離砥粒方式とは、切削材としての砥粒をクーラントに分散させたスラリー(砥粒スラリー)を用いる方式であり、砥粒スラリーを掛けながらワイヤーを高速で走行させることによって対象物を切削する。例えばシリコンウエハーを切削するための砥粒スラリーとしては、例えば粒子状のSiCをクーラントに分散させたものが知られている。従って、遊離砥粒ワイヤソーの場合、砥粒と切削屑を含むクーラントが廃液として排出される。
従来においても、環境保護及びコスト削減のために廃液をリサイクルすることが検討されている(例えば、特許文献1−3参照)。しかしながら、これら特許文献1−3に開示されているシステムは、廃液から遊離砥粒を回収して再使用するために開発されたものであり、クーラントについては再使用率が高くない。さらに、いずれのシステムも遊離砥粒ワイヤソーの廃液を対象とするものであり、固定砥粒ワイヤソーの廃液には対応していない。その理由は、従来は遊離砥粒ワイヤソーが主流であり、固定砥粒ワイヤソーの利用度が低かったからである。
しかし、近年においては固定砥粒ワイヤソーの利用度が高まってきており、固定砥粒ワイヤソーの廃液に適用可能なリサイクルシステムの検討が始まっている(例えば、非特許文献1参照)。このリサイクルシステムは、遠心分離機と特殊なフィルターを用いることによってクーラントの再使用率を高めている。しかしながら、その再使用率は70%に止まっている。
特開2001−277115号公報 特開2003−340719号公報 特開平11−172237号公報
日刊工業新聞(平成22年3月3日発行,第10頁「太陽電池 切削液を再生」,クラレアクア株式会社)
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、固定砥粒又は遊離砥粒ワイヤソーからの廃液を処理するにあたり、クーラントの再利用率を90%以上に高めることのできるクーラント回収システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、遠心分離機とフィルターを備えたクーラント回収システムにおいて、遠心分離機とフィルターを安定して稼働させることのできるクーラント回収システムを提供することにある。
本発明のクーラント回収システムは、固定砥粒ワイヤソーの廃液からクーラントを回収するシステムであって、切削屑とクーラントを含む廃液を受け入れる濃度調整タンクと、前記濃度調整タンクに貯留された廃液を遠心分離機に供給する送液ポンプと、前記送液ポンプによって供給される廃液を遠心力の作用で重液と軽液とに分離し、切削屑を含む重液を系外に排出する一方で、軽液を前記濃度調整タンクに戻す遠心分離機と、前記濃度調整タンクに貯留された廃液をフィルターに供給する循環ポンプと、前記循環ポンプによって供給される廃液をクロスフローろ過方式で重液と軽液とに分離し、重液を前記濃度調整タンクに戻す一方で、軽液を再生クーラントとして再生クーラントタンクに供給するフィルターと、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のクーラント回収システムは、遊離砥粒ワイヤソーの廃液からクーラントを回収するシステムであって、遊離砥粒,切削屑及びクーラントを含む廃液を受け入れる廃液タンクと、前記廃液タンクに貯留された廃液を第1遠心分離機に供給する第1送液ポンプと、前記第1送液ポンプによって供給される廃液を遠心力の作用で重液と軽液とに分離し、重液を再生砥粒として回収する一方で、軽液を濃度調整タンクに供給する第1遠心分離機と、前記濃度調整タンクに貯留された廃液を第2遠心分離機に供給する第2送液ポンプと、前記第2送液ポンプによって供給される廃液を遠心力の作用でさらに重液と軽液とに分離し、切削屑を含む重液を系外に排出する一方で、軽液を前記濃度調整タンクに戻す第2遠心分離機と、前記濃度調整タンクに貯留された廃液をフィルターに供給する循環ポンプと、前記循環ポンプによって供給される廃液をクロスフローろ過方式で重液と軽液とに分離し、重液を前記濃度調整タンクに戻す一方で、軽液を再生クーラントとして再生クーラントタンクに供給するフィルターと、を備えたことを特徴とする。
本発明のクーラント回収システムは、切削屑とクーラントを含む固定砥粒ワイヤソーの廃液を遠心分離機で重液と軽液とに分離し、軽液を濃度調整タンクに供給する一方で、切削屑を含む重液を系外に排出する。さらに遠心分離機による処理と並列的に、濃度調整タンクに貯留された廃液をクロスフローろ過方式のフィルターに供給して重液と軽液とに分離し、軽液を再生クーラントとして回収する一方で、重液は濃度調整タンクに戻すようにする。このような構成としたことにより、本発明のクーラント回収システムは、固定砥粒ワイヤソーの廃液を処理するにあたり、90%以上の高いクーラント再使用率を実現することが可能となる。
また、本発明のクーラント回収システムは、遊離砥粒,切削屑及びクーラントを含む遊離砥粒ワイヤソーの廃液を第1遠心分離機で重液と軽液とに分離し、重液を再生砥粒として回収する一方で、軽液を濃度調整タンクに供給する。さらに濃度調整タンクに貯留された廃液を第2遠心分離機で重液と軽液とに分離し、軽液を濃度調整タンクに戻す一方で、切削屑を含む重液を系外に排出する。さらに第2遠心分離機による処理と並列的に、濃度調整タンクに貯留された廃液をクロスフローろ過方式のフィルターに供給して重液と軽液とに分離し、軽液を再生クーラントとして回収する一方で、重液は濃度調整タンクに戻すようにする。このような構成としたことにより、本発明のクーラント回収システムは、遊離砥粒ワイヤソーの廃液を処理するにあたり、90%以上の高いクーラント再使用率を実現することが可能となる。
本発明のクーラント回収システムは、ワイヤソーからの廃液を受け入れたタンク(濃度調整タンク)内の液を遠心分離機とフィルターで並列的に処理し、さらに遠心分離機で分離された軽液とフィルターで分離された重液を前記タンクに戻す構成としたことにより、遠心分離機とフィルターに供給する液の切削屑の濃度が安定化する。すなわち、遠心分離機にとっては切削屑の濃度が低過ぎず、フィルターにとっては切削屑の濃度が高過ぎない液が安定してタンク内に調整される。その結果、遠心分離機とフィルターを安定して稼働させることが可能となる。
本発明の第1実施形態によるクーラント回収システムを示す。 上記クーラント回収システムに適用されるデカンタの一例を示す。 上記クーラント回収システムに適用されるフィルターの一例を示す。 上記クーラント回収システムのマテリアル・バランスの一例を示す。 本発明の第2実施形態によるクーラント回収システムを示す。 上記クーラント回収システムのマテリアル・バランスの一例を示す。
以下、本発明の好ましい実施形態に従うクーラント回収システムについて、添付図面を参照しながら詳しく説明する。但し、以下に説明する実施形態によって本発明の技術的範囲は何ら限定解釈されることはない。
(第1実施形態)
図1は、固定砥粒ワイヤソーの廃液を処理するにあたり、再使用可能なクーラント(再生クーラント)を回収することのできるシステムの全体構成を示す。固定砥粒ワイヤソーの廃液は、既述したように、切削屑を含む水溶性又は油性のクーラントである。廃液には、切削屑の他に、切削時にワイヤーから脱落した砥粒やその他の不純物が含まれる場合もある。本実施形態に従うクーラント回収システム1は、図1に示されるように、濃度調整タンク11、送液ポンプ12、遠心分離機13、循環ポンプ14、フィルター15、再生クーラントタンク16、再生クーラントポンプ17を主たる構成として有する。これら主たる構成は、例えば配管などの流路を介して図1の如く連結されている。
濃度調整タンク11は、固定砥粒ワイヤソーからの廃液を受け入れるタンクであると共に、遠心分離機13とフィルター15へ供給する廃液の共通の供給元であって、且つ、遠心分離機13で分離された軽液とフィルター15で分離された重液が戻される共通のタンクでもある。再生クーラントタンク16は、フィルター15で分離された軽液(すなわち、再生クーラント)を受け入れるタンクである。再生クーラントタンク16には、新しいクーラントを補充するための供給路が設けられている。なお、タンクの型式や材質は、特に限定されることはない。また、タンクの容量は、システム全体の処理流量に基づいて決定することができる。
送液ポンプ12は、濃度調整タンク11に貯留された廃液を遠心分離機13に供給するポンプである。循環ポンプ14は、濃度調整タンク11に貯留された液をフィルター15に供給するポンプである。再生クーラントポンプ17は、回収されたクーラントを使用先(例えば、ワイヤソー)に供給するポンプである。これらポンプの型式は特に限定されることはない。
遠心分離機13としては、例えばデカンタを用いることができる。デカンタは、水平方向の回転軸を有する横型デカンタと、鉛直方向の回転軸を有する竪型デカンタの2つのタイプに分けられるが、本実施形態においてはどちらのタイプでもよい。デカンタ2は、例えば図2に一例を示すように、駆動モータ21によって回転されるボウル22と、このボウル22に内挿されるスクリューコンベア23を備えている。切削屑を含む廃液に遠心力を与えるボウル22は、一端側がコニカル状に形成されている。このコニカル状に形成されている部位は、スクリューコンベア23によって移送される切削屑が液溜まりから離脱するビーチ部を形成しており、その先端側に重液出口24が形成されている。この重液は、切削屑のケーキ又は切削屑を豊富に含むスラリーである。またボウル22の胴部は、ボウル22の内部に供給される廃液の液溜り(プール部)を形成しており、他端側の端面に軽液出口25が形成されている。この軽液は、遠心力では分離しきれなかった切削屑を含むクーラントである。
このような構成において、回転するボウル22内に廃液を供給すると、遠心力の作用によりボウル22の壁面側に切削屑が沈降する。そして、例えばギアボックス26とバック駆動モータ27を含む差速発生装置を通じてスクリューコンベア23を回転させることによって、切削屑をボウル22の一端側に移送し、重液出口24から排出する。一方、切削屑が分離された軽液は、軽液出口25からオーバフローして排出される。
また、フィルター15は、全量ろ過方式ではなく、クロスフローろ過方式のフィルターを用いる。クロスフローろ過方式とは、例えばろ過面に対して横方向の流れを作ることで固形物がろ過面に堆積するのを抑制しながらろ過する方式である。シリコンの切削屑を含むクーラントをろ過する場合、チューブラー型の有機ろ過膜、或いはセラミックス膜を有するフィルター15を用いるのが好ましい。有機ろ過膜の場合、例えば0.1μmのろ過精度を有するものを用いることができる。また、セラミックス膜の場合、例えば2μmのろ過精度を有するものを用いることができる。
チューブラー型の有機ろ過膜は、切削屑を含むクーラントに対して目詰まりし難い、洗浄が簡単、高濃度濃縮が可能であるという長所がある。また、セラミックス膜は、逆洗が可能、酸やアルカリを使用可能、耐久性が良いという長所がある。なお、有機ろ過膜は、必ずしもチューブラー型でなくともよく、例えば、平板型、中空糸型、スパイラル型を用いることもできる。
本実施形態においては、濃度調整タンク11に貯留された液を循環ポンプ14でフィルター15に供給し、ろ過面に対して横方向の流れを作る。例えばチューブラー型の有機ろ過膜の場合、チューブ内を一方向に液が流れるようにする。このときチューブ(ろ過面)を透過したクーラント(軽液)は再生クーラントとしてタンク16に受け入れる。一方、ろ過面を透過せずにチューブから排出された液(重液)は、濃度調整タンク11に戻す。このように、フィルター15から排出される重液を濃度調整タンク11に戻し、遠心分離機13で処理される前の液に混ぜることが本実施形態の特長の一つである。
これに対して通常の使用方法に基づけば、クロスフローろ過方式のフィルター15の場合、フィルター15から排出された重液を、再びフィルター15内に供給するようにし、液を循環させることによってフィルター16系内で液を濃縮していく。切削屑が高濃度に濃縮された重液は、最終的に廃棄される。よって、重液をできるだけ濃縮することによってクーラントのロス分を少なくしている。非特許文献1のシステムもこの通常の使用方法であると思われるが、この場合、クーラントの再利用率には限界があり、非特許文献1のシステムも70%程度の再使用率である。
これに対し、本実施形態では、フィルター15から排出される重液を濃度調整タンク11に戻し、遠心分離機13で処理される前の液に混合するようにしている。戻された切削屑は、遠心分離機13を通じて系外に排出する。すなわち、フィルター15で高濃度に濃縮することはせず、切削屑の系外への排出経路を遠心分離機13の重液からのみにしている。その結果、後述するマテリアル・バランスからも分かるように、クーラントの再使用率を90%以上に高めることが可能となる。なお、フィルター15で濃縮しないといっても、1パスで液を通過させるのみに限定されることはない。フィルター15を数回通過(例えば、2パス、3パス)させた後、濃度調整タンク11に戻すようにしてもよい。
フィルター15の一例としては、例えば図3に示されるようなチューブ式のろ過機3を挙げることができる。ろ過機3は、密閉された円筒状のろ過機本体31を有し、ろ過機本体31内に複数本のチューブラー型のろ過膜32が配置されている。ろ過膜32の本数及び配列が限定されることはない。循環ポンプ15からの廃液は、ろ過機本体31の上部ノズル33から供給され、チューブラー型のろ過膜32内を通って下部ノズル34から重液として排出される。このとき、ろ過膜32を透過することで分離された軽液は、ろ過機本体31の中段ノズル35から排出される。有機ろ過膜に代えてセラミックス膜を用いる場合も、同様の構成にすることが可能である。
図4は、クーラント回収システム1のマテリアル・バランスの一例を示している。処理する廃液は、固定砥粒ワイヤソーでシリコンウエハーを切削したときの廃液(すなわち、使用済みのクーラント)である。この廃液には、密度が約2.2〜2.3[g/cm3]の切削屑が含まれている。切削屑を遠心分離するため、遠心分離機13では3000G以上の遠心力を付与する。フィルター15は、0.1μmのチューブラー型有機ろ過膜である。
図4のマテリアル・バランスに示されるように、本実施形態のクーラント回収システム1は、クーラントの再使用率を90.2%にすることができる。
以上のように本実施形態のクーラント回収システム1は、切削屑とクーラントを含む固定砥粒ワイヤソーの廃液を遠心分離機13で重液と軽液とに分離し、軽液を濃度調整タンク11に戻す一方で、切削屑を含む重液を系外に排出する。そして、前記遠心分離機13による処理と並列的に、濃度調整タンク11に貯留された軽液をクロスフローろ過方式のフィルター15に供給して重液と軽液とに分離し、軽液を再生クーラントとして回収する一方で、重液は濃度調整タンク11に戻すようにする。このような構成としたことにより、90%以上の高いクーラント再使用率を実現することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、従来方式と異なりフィルター15で液を循環濃縮させない構成としたことにより、フィルター15の目詰まりとろ過速度の低下を抑制することが可能となる。
特に、本実施形態は、固定砥粒ワイヤソーからの廃液を受け入れるタンク、遠心分離機13とフィルター15へ液を供給するタンク、および遠心分離機13で分離された軽液とフィルター15で分離された重液が戻されるタンクを、別々のタンクとせず、共通のタンク(濃度調整タンク11)としたことにより、遠心分離機13とフィルター15に供給する液の切削屑の濃度を安定化させることができる。すなわち、一例として図4に示したように、遠心分離機13にとっては切削屑の濃度が低過ぎず、フィルター15にとっては切削屑の濃度が高過ぎない液が安定して濃度調整タンク11内に調整される。その結果、遠心分離機13とフィルター15を安定して稼働させることが可能となる。例えば遠心分離機13とフィルター15で処理する流量や回収率などを変えることによって液の濃度を可変調整することも可能である。
さらに、共通のタンク(濃度調整タンク11)としたことにより、液量バランスを気にすることなく遠心分離機13とフィルター15を運転することが可能となる。すなわち、それぞれを別々のタンクとした場合、遠心分離機13とフィルター15で処理する流量バランスを図らなければタンクから液が溢れたり、タンクが空になったりする場合がある。特にフィルター15は、目詰まり等によって性能が低下する分の予測をすることが難しく、流量バランスの調整が難しい場合がある。これに対し、本実施形態のように共通のタンク(濃度調整タンク11)とすれば、遠心分離機13とフィルター15の処理流量の調節に気を使う負担を減らし、タンク内の液面レベル制御を容易にすることが可能となる。
(第2実施形態)
次に、遊離砥粒ワイヤソーの廃液を処理するシステムについて、図5を参照しながら説明する。遊離砥粒ワイヤソーの廃液は、既述したように、遊離砥粒と切削屑を含む水溶性又は油性のクーラントである。廃液には、その他の不純物が含まれる場合もある。図5に示されるように、本実施形態に従うクーラント回収システム4は、廃液タンク41、第1送液ポンプ42、第1遠心分離機43、濃度調整タンク44、第2送液ポンプ45、第2遠心分離機46、循環ポンプ47、フィルター48、再生クーラントタンク49、再生クーラントポンプ51、調合タンク52を主たる構成として有する。これら主たる構成は、例えば配管などの流路を介して図5の如く連結されている。
本実施形態の濃度調整タンク44,第2送液ポンプ45,第2遠心分離機46,循環ポンプ47,フィルター48,再生クーラントタンク49および再生クーラントポンプ51は、用語及び符号を変えてはいるが、第1実施形態の濃度調整タンク11,送液ポンプ12,遠心分離機13,循環ポンプ14,フィルター15,再生クーラントタンク16および再生クーラントポンプ17に相当する。遊離砥粒ワイヤソーからの廃液は、新たに設けた廃液タンク41に受け入れる。
本実施形態に従うシステムは、遊離砥粒ワイヤソーの廃液に対応するために、第1遠心分離機43を有する。第1遠心分離機43は、第1送液ポンプ42によって廃液タンク41に貯留された液が供給されると、遠心力の作用によって重液と軽液とに分離する。第1遠心分離機43は、例えば既述の遠心分離機13や第2遠心分離機46と同様にデカンタを用いることができる。但し、切削屑を分離する第2遠心分離機46とは役割が異なり、第1遠心分離機43は、廃液から遊離砥粒を分離して再生砥粒として回収する役割が割り当てられている。従って、第1遠心分離機43は、密度が高い砥粒を重液側に移動させ、切削屑については軽液側に残るように遠心力を調整する。例えばデカンタは、固液分離だけでなく比重差を利用した分級にも適した装置である。従って、遠心力を調整することによって、デカンタで遊離砥粒と切削屑とに分級することが可能である。
第1遠心分離機43で分離された重液は、遊離砥粒のケーキ又は遊離砥粒を豊富に含むスラリーであって、切削屑を含まないか、含んでいてもその量は僅かである。従って、遊離砥粒スラリーを調合するための調合タンク52に供給することによって再使用することができる。調合タンク52は、再生クーラントポンプ51によって供給される再生クーラントの他、新しい砥粒とクーラントを補充するための供給路がそれぞれ設けられている。
一方、遊離砥粒が分離された軽液は、切削屑を含むクーラントであり、固定砥粒ワイヤソーの廃液と同様になる。従って、濃度調整タンク44に受け入れた後、第2遠心分離機46とフィルター48を用いて第1実施形態と同様の処理を行うことによって、再生クーラントを回収することができる。
図6は、クーラント回収システム4のマテリアル・バランスの一例を示している。処理する廃液は、遊離砥粒ワイヤソーでシリコンウエハーを切削したときの廃液(すなわち、使用済みのクーラント)である。この廃液には、密度が約2.2〜2.3[g/cm3]の切削屑と、密度が約3.2[g/cm3]のSiC砥粒が含まれている。遊離砥粒と切削屑を分級するため、第1遠心分離機43では1000G程度の遠心力を付与する。また、切削屑を遠心分離するため、第2遠心分離機46では3000G以上の遠心力を付与する。フィルター48は、0.1μmのチューブラー型有機ろ過膜である。
図6のマテリアル・バランスに示されるように、本実施形態のクーラント回収システム4は、クーラントの再使用率を90.8%にすることができる。さらに、砥粒の回収率も91.4%とすることができる。
以上のように本実施形態のクーラント回収システム4は、遊離砥粒,切削屑及びクーラントを含む遊離砥粒ワイヤソーの廃液を第1遠心分離機43で重液と軽液とに分離し、重液を再生砥粒として回収する一方で、軽液を濃度調整タンク44に供給する。さらに、濃度調整タンク44に貯留された軽液を第2遠心分離機46で重液と軽液とに分離し、軽液を濃度調整タンク44に戻す一方で、切削屑を含む重液を系外に排出する。さらに第2遠心分離機46による処理と並列的に、濃度調整タンク44に貯留された軽液をクロスフローろ過方式のフィルター48に供給して重液と軽液とに分離し、軽液を再生クーラントとして回収する一方で、重液は濃度調整タンク44に戻すようにする。このような構成としたことにより、90%以上の高いクーラント再使用率を実現することが可能となる。さらに、共通のタンク(濃度調整タンク44)を備えた構成としたことによって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明を具体的な実施形態に則して詳細に説明したが、形式や細部についての種々の置換、変形、変更等が、特許請求の範囲の記載により規定されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われることが可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。例えば半導体や太陽電池用のシリコンウエハーに限定されることはなく、いずれの用途のシリコンウエハーであってよい。さらに、例えばワイヤソー以外の廃液にも適用可能である。従って、本発明の範囲は、前述の実施形態及び添付図面に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。
1 クーラント回収システム(固定砥粒)
11 廃液タンク
12 送液ポンプ
13 遠心分離機
14 循環ポンプ
15 フィルター
16 再生クーラントタンク
17 再生クーラントポンプ

Claims (3)

  1. 固定砥粒ワイヤソーの廃液からクーラントを回収するシステムであって、
    切削屑とクーラントを含む廃液を受け入れる濃度調整タンクと、
    前記濃度調整タンクに貯留された廃液を遠心分離機に供給する送液ポンプと、
    前記送液ポンプによって供給される廃液を遠心力の作用で重液と軽液とに分離し、切削屑を含む重液を系外に排出する一方で、軽液を前記濃度調整タンクに戻す遠心分離機と、
    前記濃度調整タンクに貯留された廃液をフィルターに供給する循環ポンプと、
    前記循環ポンプによって供給される廃液をクロスフローろ過方式で重液と軽液とに分離し、重液を前記濃度調整タンクに戻す一方で、軽液を再生クーラントとして再生クーラントタンクに供給するフィルターと、を備えたことを特徴とするクーラント回収システム。
  2. 前記遠心分離機による分離処理と、前記フィルターによる分離処理の両方を並列的に行って前記濃度調整タンク内の液の濃度を調整することを特徴とする請求項1に記載のクーラント回収システム。
  3. 遊離砥粒ワイヤソーの廃液からクーラントを回収するシステムであって、
    遊離砥粒,切削屑及びクーラントを含む廃液を受け入れる廃液タンクと、
    前記廃液タンクに貯留された廃液を第1遠心分離機に供給する第1送液ポンプと、
    前記第1送液ポンプによって供給される廃液を遠心力の作用で重液と軽液とに分離し、重液を再生砥粒として回収する一方で、軽液を濃度調整タンクに供給する第1遠心分離機と、
    前記濃度調整タンクに貯留された廃液を第2遠心分離機に供給する第2送液ポンプと、
    前記第2送液ポンプによって供給される廃液を遠心力の作用でさらに重液と軽液とに分離し、切削屑を含む重液を系外に排出する一方で、軽液を前記濃度調整タンクに戻す第2遠心分離機と、
    前記濃度調整タンクに貯留された廃液をフィルターに供給する循環ポンプと、
    前記循環ポンプによって供給される廃液をクロスフローろ過方式で重液と軽液とに分離し、重液を前記濃度調整タンクに戻す一方で、軽液を再生クーラントとして再生クーラントタンクに供給するフィルターと、を備えたことを特徴とするクーラント回収システム。
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