JP4457444B2 - 研磨材の回収方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造工程等における化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)工程から排出される研磨工程排水から、研磨材粒子を効率的に回収して再利用する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び先行技術】
半導体ウエハ及びその上に形成された絶縁膜、メタル薄膜等の被膜の表面は高度な平坦面であることが望まれる。従来、ウエハや、その上に形成された被膜の平坦化には、研磨材のスラリを用いて化学的機械研磨(CMP)する方法が採用されている。この方法では、研磨パッド等の研磨部材と半導体ウエハとの間に研磨材スラリを介在させた状態で研磨を行い、半導体ウエハあるいはシリコン酸化膜や金属薄膜等の被膜表面を平坦化する。このCMPで用いられる研磨材としては、分散性が良好で、平均粒子径が揃っているシリカ微粒子(コロイダルシリカ)が一般的に使用されている。また、研磨速度の高い酸化セリウム(CeO2)や、硬度が高く安定なアルミナ(Al2O3)等も使用されている。酸化セリウムやアルミナ等の無機酸化物は、平均粒子径が0.05〜0.5μm程度の粒子が水中に分散したスラリとして使用されており、通常、このスラリ中には、pH調整剤(KOH,NH4OH,有機酸,アミン類)や界面活性剤(分散剤)、酸化剤(H2O2,KIO3,Fe(NO3)3)等が別途添加されて使用される。
【0003】
この研磨材スラリは、1枚のウエハ当りの使用量が多く、しかも非常に高価であることから、ウエハのCMP工程から排出される排水から研磨材を回収し、回収した研磨材を用いて所定の組成の研磨材スラリを調整し、これを再利用することが望まれる。このような回収再利用は廃液処理量の低減の面からも重要である。
【0004】
しかし、CMP工程から排出される排水はその使用により稀釈されて研磨材濃度が低下している上に、被研磨物である半導体ウエハや被膜層を形成する薄膜材料或いは研磨パッド等の研磨部材が削り取られた研磨屑、研磨材としての無機酸化物粒子が破壊された微細粒子や、研磨された薄膜材料片等と研磨粒子とが凝集することによって生じる粒径の大きな研磨屑等の不純物が混入したものである。このため、このような研磨工程排水を無処理で研磨材として再利用すると、ウエハ表面にキズを発生させたり、研磨屑の蓄積により研磨力が低下したり、更には研磨材濃度の低下による研磨速度低下につながることから、この研磨工程排水はそのまま循環再利用することはできない。従って、研磨工程排水の再利用に当っては、不純物の除去、濃縮等の処理を行って研磨材を回収し、所定の組成の研磨材スラリを再調整することが必要となる。
【0005】
本出願人は、この研磨工程排水から研磨材を回収して再利用するための技術として、酸化セリウムやアルミナ等の研磨材粒子の比重が大きいことに着目し、遠心分離機を用いてこれを濃縮し、遠心分離後の濃縮スラリから塩類や有機物、微小な研磨屑などの不純物を除去するために水洗浄を行って、研磨材を回収する装置を先に提案した(特願平11−189347号等。以下「先願等」という。)。この装置によれば、研磨工程排水から研磨材として容易に再利用可能な研磨材粒子を効率的に回収することが可能となる。
【0006】
なお、上記先願の研磨材の回収装置では、研磨工程排水に含まれるパッド屑等の粗大固形物の除去をMF(精密濾過)膜等の膜分離装置により行っている。また、このような回収装置においては、装置の運転停止時は、不純物イオンの混入を避け、装置内の清浄度を高く維持するために、配管を含め、装置全体を超純水で洗浄置換した後、次の運転再開時まで保持している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記先願等の回収装置では、研磨工程排水中の粗大固形物を除去をするための膜分離装置において、粗大固形物や排水に含まれる界面活性剤の影響により膜の目詰まりが激しく、膜を頻繁に交換する必要があるため、装置のランニングコストが高くなり、また、長期安定運転に支障をきたすという不都合が生じていた。
【0008】
本発明は、上記先願等における不都合を解消し、研磨工程排水中の粗大固形物を膜分離装置で除去すると共に、研磨工程排水中の研磨材を遠心分離機で回収する研磨材の回収方法において、膜分離装置の膜の目詰まりを防止して、装置のランニングコストを低減すると共に、長期間安定して研磨材を効率良く回収再利用する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の研磨材の回収方法は、研磨工程排水中の粗大固形物を膜分離手段で除去する工程と、この除去工程の前又は後に行われる研磨工程排水中の研磨材を固液分離手段で回収する工程とを有する研磨材の回収方法において、該膜分離手段の運転停止期間中に、該膜分離手段内に分散剤を添加した超純水又は研磨工程排水を保持させることを特徴とする。
【0010】
本発明者らは先願等の回収装置における膜分離装置の膜の目詰まりの原因について検討した結果、装置の運転停止期間中に装置内を超純水で洗浄置換して保持している装置において、膜分離装置の膜の目詰まりが特に激しいことを知見した。この原因について更に検討した結果、装置の運転停止期間中に膜分離装置内が超純水で置換されているために、運転再開時において、分散剤が稀釈され研磨材粒子の分散性が損なわれるため、研磨材粒子が凝集して粗大粒子化し、この凝集した粗大粒子が残留する分散剤の粘性により固まって膜に付着することが、膜の目詰まりの原因であると推定した。同様の理由から、膜分離装置内の液を抜き取って保管した場合にも膜の目詰まりは激しいものとなっていた。
【0011】
本発明の方法では、運転停止期間中に、膜分離手段内に分散剤を添加した超純水又は研磨工程排水を保持させる。(この研磨工程排水は分散剤を含んでいる。)このように分散剤を含む超純水又は研磨工程排水を膜分離手段内に保持させるため、上述のような分散剤の非存在下で保管することによる膜の目詰まりが解消される。
【0012】
なお、膜分離手段内に、分散剤を添加した超純水を保持しても、研磨工程排水を保持しても、膜の目詰まり防止効果の面では大差はないが、日常の運転管理の面からは研磨工程排水を保持させるのが簡便である。
【0013】
本発明において、固液分離手段としては遠心分離手段を採用するのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態に係る回収方法を詳細に説明する。
【0015】
この研磨材の回収方法は、研磨工程排水中の粗大固形物を膜分離装置で分離し、研磨工程排水中の研磨材を遠心分離機等の固液分離手段で固液分離する研磨材の回収方法において、膜分離装置の運転停止期間中に、膜分離装置内を分散剤を添加した超純水又は研磨工程排水で満たすものである。
【0016】
ここで、分散剤を添加した超純水(以下、「分散剤水溶液」と称す。)を用いる場合、分散剤としては、研磨材の分散剤として一般的に使用されるもので良く、例えば、以下に示すような金属イオン類を含まない分散剤が挙げられる。
【0017】
アクリル酸重合体及びそのアンモニウム塩、メタクリル酸重合体及びそのアンモニウム塩、ポリビニルアルコール等の水溶性有機高分子類
ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム等の水溶性陰イオン性界面活性剤
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアレート等の水溶性非イオン性界面活性剤
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の水溶性アミン類
膜分離装置内に保持する分散剤水溶液の分散剤濃度は、研磨工程排水の分散剤濃度と同等で良く、50〜1000ppm程度とするのが好ましい。
【0018】
前述の如く、膜分離装置内には、研磨工程排水を保持しても分散剤を保持しても膜の目詰まり防止効果に大差はないが、日常の運転管理の面からは研磨工程排水を保持するのが有利である。
【0019】
次に、本発明の研磨材の回収方法の実施に好適な研磨材の回収装置について図1及び図2(a)〜(c)を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1の研磨材の回収装置では、CMPの研磨工程から排出された研磨材を含む研磨工程排水を、まず、MF(精密濾過)膜又はUF(限外濾過)膜分離装置1に導入して全量を膜濾過することにより、研磨工程で発生する研磨パット屑などの、研磨材粒子に比べて粒径の大きな不純物を除去する。
【0021】
この膜分離装置1のMF膜又はUF膜としては、このような大粒径の不純物が除去できればよく、一般的には孔径10〜100μm程度のものが用いられる。MF膜材質としては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、三酢化セルロース、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等が用いられる。また、UF膜材質としては、ポリサルフォン、セルロース、酢酸セルロース、ポリエチレンなどが例示される。特に、これらのいずれかの単繊維をワインドしたワインドタイプの濾過エレメントを有するMF膜やUF膜を用いるのが好ましい。
【0022】
この膜濾過条件としては、基本的には全量濾過方式とする。運転に際しては入口と出口の差圧が1kgf/cm2(9.8×104Pa)以上になったら逆洗をかけるか、又は膜の交換を行うのが好ましい。
【0023】
この膜分離装置1の透過液は次いで濃縮(固液分離)手段である遠心分離機2に送給し、遠心分離して濃縮する。この遠心分離機2としては、遠心力を利用した一般的な分離手段、例えば、分離板式デカンタ、サイクロン、回転円筒式等の各種の遠心分離手段を用いることができる。この遠心分離機2による濃縮の程度には特に制限はないが、通常の場合、濃縮液中のスラリー(SS)濃度が5〜50重量%程度となるような濃縮条件とするのが好ましい。
【0024】
この遠心分離機2で分離した水(分離液)は系外へ排出して廃水処理する。また、濃縮液は洗浄槽3に送給し、この洗浄槽3で攪拌することにより洗浄する。この研磨材の回収装置では、遠心分離機2に導入される研磨材含有水(図1(a)の▲1▼の箇所)、遠心分離機2で濃縮された濃縮液(図1(a)の▲2▼の箇所)又は洗浄槽(図1(a)の▲3▼の箇所)3に洗浄水を添加し、洗浄水で洗浄を行う。
【0025】
洗浄槽3で洗浄処理された研磨材含有液(以下、「洗浄スラリ」と称す場合がある。)は、次いで遠心分離機4で濃縮処理される。このように洗浄槽3で洗浄水により希釈されて攪拌され、次いで、遠心分離機4で濃縮されることにより、塩類や有機物、微小な研磨屑などの不純物が除去される。
【0026】
洗浄槽3からの洗浄スラリを遠心分離機4に送給して濃縮する過程で生じる洗浄排水は、系外へ排出して廃水処理される。
【0027】
このように膜濾過、遠心分離及び洗浄を行うことにより、研磨材粒子よりも粒径の大きい不純物や塩類、有機物等の溶解成分或いは微細な研磨屑等の不純物が除去された研磨粒子のスラリ(以下「回収スラリ」と称す場合がある。)を得ることができる。
【0028】
図1の回収装置では、この回収スラリを更に分級器5で粒度調整し、なお残留する研磨屑などの微粒子や大粒子を除去して粒径をより均一なものとし、その後、調整槽6で超純水と必要に応じて水酸化カリウム、アンモニア、塩酸、硫酸等のpH調整剤、その他の薬剤を添加して新スラリと同等の研磨粒子濃度、更には、新スラリと同等の液性状に調整して再生スラリを得る。
【0029】
遠心分離機4としては、遠心分離機2と同様の分離板式デカンタ、サイクロン、回転円筒式などの遠心分離手段を用いることができる。
【0030】
なお、このような遠心分離機4の代わりに、膜分離手段等の固液分離手段(濃縮手段)を用いても良い。ここで用いられる膜としては一般的には孔径0.05〜1μmのMF膜やUF膜を用いることができ、このMF膜材質としてはポリカーボネート、三酢化セルロース、ポリアミド、ポリ塩化ビニルなどが例示される。また、UF膜材質としてはポリサルフォン、セルロース、酢酸セルロース、ポリエチレンなどが例示される。
【0031】
粒度調整用の上記分級器5としては、重力式、機械式、水力式等の各種のものを用いることができる。
【0032】
図2(a)に示す研磨材の回収装置は、図1の研磨材の回収装置において、洗浄水を洗浄槽3に添加し、遠心分離機4を省略して洗浄槽3で洗浄処理された洗浄スラリの一部を遠心分離機2に循環させた点が異なり、その他は同様の構成とされている。
【0033】
このように洗浄スラリの一部を循環して遠心分離することにより、洗浄と濃縮を同時に行うことができる。
【0034】
そして、このように洗浄水を添加しながら攪拌洗浄し、洗浄スラリを循環して濃縮することにより、不純物の系外への排出と濃縮を効率的に行うことができるため、図1に示す洗浄槽3の後段の遠心分離機4を省略することができる。ただし、この場合においても、図1に示す如く、洗浄槽3の後段に遠心分離機を設けても良い。
【0035】
この図2(a)の研磨材の回収装置において、洗浄槽3からの洗浄スラリの分級器5への導入は連続的でも間欠的でも良い。また、研磨工程排水の遠心分離機2への導入も連続的でも間欠的でも良い。また、分散剤は、洗浄槽3への濃縮液の導入配管に添加しても良い。
【0036】
図2(b)に示す研磨材の回収装置は、図2(a)の研磨材の回収装置において、洗浄槽3を省略して遠心分離機2の入口側で洗浄水を添加し、遠心分離機2の濃縮液(以下「濃縮スラリ」と称す。)の一部を遠心分離機2の入口側に循環させた点が異なり、その他は同様の構成とされている。
【0037】
このように洗浄水を添加しながら濃縮スラリの一部を循環することにより、研磨材の洗浄を遠心分離機2内での遠心分離による濃縮と同時に行うことができ、洗浄槽を省略することができる。
【0038】
この研磨材の回収装置において濃縮スラリの循環は、図2(b)に示す如く、遠心分離機2からの濃縮スラリの排出配管からバルブ(図示せず)を介して分岐する循環配管により、直接循環するようにしても良く、また、図2(c)に示す如く、遠心分離機2と分級器5との間に循環槽7を設け、この循環槽7からの濃縮スラリを循環するようにして良い。
【0039】
図2(b),(c)の研磨材の回収装置であっても、図2(a)の研磨材の回収装置と同様に、分級器5への濃縮スラリの導入は連続的でも間欠的でも良い。この分級器5への濃縮スラリの導入は遠心分離機2の濃縮スラリの排出形態(間欠排出か連続排出か)に依存するが、図2(c)の如く、遠心分離機2と分級器5との間に循環槽7を設けた場合には、分級器5への濃縮スラリの導入は、図2(a)の場合と同様、遠心分離機2の排出形態には依存しない運転が可能である。また、研磨工程排水の遠心分離機2への導入も連続的であっても間欠的であっても良い。
【0040】
この研磨材の回収装置であっても、洗浄水を添加しながら濃縮スラリを循環して洗浄及び濃縮を行うため、不純物の系外への排出と濃縮が効率良く行える。
【0041】
なお、図1及び図2(a)〜(c)に示す研磨材の回収装置は、本発明の研磨材の回収方法の実施に好適な回収装置の実施の形態の一例であって、本発明はその要旨を超えない限り図示のものに限定されるものではない。膜分離装置の位置には特に制限はなく、例えば、図1及び図2(a)の研磨材の回収装置において、膜分離装置1は、洗浄槽3の後段に設けても良い。また、図2(b)の研磨材の回収装置においても、膜分離装置1は遠心分離機2の後段に設けても良く、図2(c)に示す如く、遠心分離機2と分級器5との間に循環槽7を設けた場合には、循環槽7の後段に設けても良い。
【0042】
ところで、洗浄水として超純水を用いて研磨材粒子の洗浄を行うと、研磨材粒子の表面に付着している分散剤が洗浄除去されて、これにより粒子の凝集粗大化が促進される場合がある。
【0043】
このような粒子の凝集粗大化をより一層確実に防止するために、洗浄水として分散剤水溶液を用いるのが好ましい。
【0044】
この場合、用いられる分散剤としては、研磨材の分散剤として一般的に使用されるもので良く、例えば、前述した金属イオン類を含まない分散剤が挙げられる。
【0045】
洗浄水として分散剤水溶液を用いる場合には、薬剤貯槽(図示せず)で超純水に分散剤を添加して所定濃度に調整したものを添加すれば良く、この分散剤水溶液中の分散剤の濃度には特に制限はないが、通常の場合、10〜10000ppm例えば1000〜10000ppmの範囲で洗浄温度や回収スラリに要求される分散剤濃度等に応じて適宜決定される。
【0046】
洗浄に当り、洗浄水としてこのような分散剤水溶液を用いることにより、洗浄中における分散剤濃度の低下や研磨材粒子表面の剥離の問題を解消し、従って、再分散の手間や、洗浄工程での煩雑な管理を不要として、より一層分散性に優れた回収スラリを得ることができる。
【0047】
本発明においては、このような研磨材の回収装置による研磨材の回収で、好ましくは、研磨材濃度が1〜30重量%、研磨材粒子の粒子径範囲が0.1〜0.5μmの再生スラリを得る。この再生スラリ中の研磨材濃度に特に制限はないが、再生スラリの取り扱い性の面から1〜30重量%の範囲とするのが好ましい。
【0048】
しかして、このような装置の運転に当り、本発明の方法によれば、膜分離装置の膜の目詰まりを防止して、長期に亘り、安定かつ効率的な処理を行える。
【0049】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0050】
実施例1
通液量1t/日、1日の運転時間8時間、停止時間16時間で研磨工程排水からの研磨材の回収を行っている図1及び図2(a)〜(c)に示す各装置において、装置の運転停止期間中において、膜分離装置のベッセル内に研磨工程排水を満たした状態で保管するようにして間欠運転を行った。なお、用いた膜分離装置の膜モジュールはADVANTEC社製「ワインドカートリッジフィルタ」(孔径25μm、長さ10インチ)である。
【0051】
その結果、いずれの装置においても、上記運転条件において、約1週間後において膜分離装置の透過水量は殆ど低下することなく、安定した処理を行うことができた。
【0052】
実施例2
実施例1において、運転停止期間中において、膜分離装置のベッセル内に研磨工程排水の代わりに分散剤(ポリアクリル酸アンモニウム塩)を200ppm濃度となるように超純水に溶解させた分散剤を満たしたこと以外は同様にして間欠運転を行った。その結果、実施例1の場合と同様、いずれの装置においても、約1週間後において膜分離装置の透過水量は殆ど低下することなく、安定した処理を行うことができた。
【0053】
比較例1
実施例1において、運転停止期間中において、膜分離装置のベッセル内に研磨工程排水の代わりに超純水を満たしたこと以外は同様にして間欠運転を試みた。その結果、いずれの装置においても、1晩保管した後の運転再開後、約1t強の研磨工程排水の処理で膜分離装置の膜の目詰まりのために透過水量が低下し始め、膜分離処理不能となった。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の研磨材の回収方法によれば、研磨工程排水中の粗大固形物を膜分離装置で除去すると共に、研磨工程排水中の研磨材を遠心分離機等の固液分離装置で回収する研磨材の回収方法において、膜分離装置の膜の目詰まりを防止して、装置のランニングコストを低減すると共に、長期間安定して研磨材を効率良く回収再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に好適な研磨材の回収装置を示す系統図である。
【図2】本発明の実施に好適な別の研磨材の回収装置を示す系統図である。
【符号の説明】
1 膜分離装置
2,4 遠心分離機
3 洗浄槽
5 分級器
6 調整槽
7 循環槽
Claims (2)
- 研磨工程排水中の粗大固形物を膜分離手段で除去する工程と、この除去工程の前又は後に行われる研磨工程排水中の研磨材を固液分離手段で回収する工程とを有する研磨材の回収方法において、
該膜分離手段の運転停止期間中に、該膜分離手段内に分散剤を添加した超純水又は研磨工程排水を保持させることを特徴とする研磨材の回収方法。 - 請求項1の方法において、固液分離手段が遠心分離手段であることを特徴とする研磨材の回収方法。
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