JP4253048B2 - 研磨剤スラリ回収装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体基板あるいはその上に形成された被膜の化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing)に使用した研磨剤廃液から研磨剤スラリ粒子を回収する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体基板およびその上に形成された被膜の表面を平坦化することが行われている。半導体集積回路の製造では、回路パターンを形成するため光露光を用いてフォトレジストのパターニング工程を行う際、可能な限り平坦な露光面が必要とされている。
【0003】
すなわち微細な回路パターンを形成するには、半導体基板表面またはその上に形成された被膜表面が平坦であることが要求され、配線層が立体的に配置された多層配線層を有する半導体集積回路を形成する場合も、下地配線パターンの存在する層間絶縁膜表面を平坦にする必要がある。また、素子分離酸化膜を基板に埋込んで基板表面が完全平坦面となるトレンチ素子分離構造の形成にも、基板および埋め込み絶縁膜の平坦化が必要となっている。さらに絶縁膜に形成された配線溝上にリフロースパッタ法や化学気相成良法でAl、WあるいはCuを成膜し、これら金属膜を化学機械研磨することで配線溝に金属を埋め込んだ平坦化配線を形成する場合にも、平坦化の必要がある。
【0004】
このような半導体基板や、その上に形成された絶縁膜、メタル薄膜等の被膜の埋込み平坦化には、研磨剤を用いて化学機械研磨する方法が採用されている。この方法では、研磨パッド等の研磨部材と半導体基板との間にスラリー状の研磨剤を介在させた状態で研磨を行い、半導体基板あるいはシリコン酸化膜や金属薄膜等被膜表面を平坦化する。このとき用いる研磨剤としては、分散性がよく、平均粒子径が揃っている等の理由で、シリカ微粒子(コロイダルシリカ)が利用されている場合が多く、水等の分散媒中にコロイダルシリカを分散させ、これに水酸化カリウム、アンモニア水等のアルカリおよび場合によってはさらに有機酸などの低分子電解質の酸を添加した研磨剤スラリとして使用する場合が一般的である。
【0005】
このような研磨剤スラリを用いて研磨を行うと、半導体基板の表面や被膜層を形成する薄膜材料や研磨パッドが削り取られた研磨屑とともに、研磨剤としてのシリカ微粒子が破壊された極微細な粒子や、研磨された薄膜材料片と研磨粒子とが凝集することによって生じる粒径の大きな研磨屑が研磨剤に混じった状態の研磨廃液が排出される。
【0006】
このような研磨廃液を無処理で再び研磨剤として用いると、研磨廃液に含まれる大粒径の研磨屑および凝集物は基板表面にキズを発生させる原因になり、また研磨屑の蓄積により研磨力が低下する。さらに、研磨剤濃度が低下すると、シリコン基板表面被膜(ここではシリコン酸化膜)の研磨速度が低下することから、希釈された研磨廃液をそのまま循環再利用することはできない。
【0007】
従来このような研磨剤廃液から研磨剤粒子を回収する方法として、特開平8−115892号が公開されている。図2は特開平8−115892号に示された従来の研磨剤粒子の回収方法を示す系統図である。
図2において、101は精密濾過装置、102は限外濾過装置であって、それぞれ精密濾過膜101a、限外濾過膜102aにより濃縮液室101b、102bおよび透過液室101c、102cに分割されている。103は被処理液槽、104は中間処理液槽である。
【0008】
研磨液から研磨剤粒子であるコロイダルシリカの回収方法は、まず使用済研磨液105を被処理液槽103に導入し、これをポンプP1で加圧して精密濾過装置101の濃縮液室101bに供給し、精密濾過膜101aにより精密濾過を行う。これにより粒径が500nm以下のコロイダルシリカ、微細不純物および分散媒は透過液室101cに透過し、透過液は中間処理液106として中間処理液槽104に取出される。粒径が500nmを越える粗大不純物は濃縮液側に残留して濃縮される。濃縮液は弁107を通して被処理液槽103に循環する。この操作を継続し、濃縮液の濃縮倍率が30〜50倍になった時点で、弁108から濃縮液を廃液113aとして廃液路109に排出する。
【0009】
精密濾過により粗大不純物を除去した中間処理液106は、中間処理液槽104からポンプP2により限外濾過装置102の濃縮液室102bに加圧下に供給され、限外濾過膜102aにより限外濾過を行う。これにより粒径が数10nm未満の微細不純物および分散媒が透過液室102cに透過し、透過液は廃液113bとして廃液路110に排出する。粒径が数10〜500nmのコロイダルシリカ粒子は濃縮液側に残留する。濃縮液は弁111を通して中間処理液槽104に循環する。この操作を継続し、濃縮液が所定濃度(10〜30重量%)になった時点で、コロイダルシリカを含む回収液114として弁112を通して回収する。
【0010】
以上の通り、従来の研磨剤の回収方法は2段階の濾過濃縮機能部から構成され、第1段階では精密濾過膜101aを用いた精密濾過装置101に研磨廃液(使用済研磨液105)を循環濾過することで粗大不純物を濃縮液室101bに濃縮して除去し、その透過液を第2段階で限外濾過装置102により濃縮して、その濃縮液を研磨剤として回収している。
【0011】
このように従来法では使用可能なコロイダルシリカを回収することができるが、研磨廃液に含まれている水酸化カリウム等のアルカリ、溶解性シリカおよび有機酸などは透過液として排出される。一方、回収したコロイダルシリカは水酸化カリウム等のアルカリや有機酸などを添加して研磨液として使用されている。
【0012】
このようにアルカリや有機酸等は消耗品として無駄に使用されており、薬剤使用量が多く、薬剤コストを高くするほか、廃棄される透過液は中和等により排水処理を行う必要があり、これが研磨コストを引き上げるという問題点があった。また除去しようとする粗大不純物の粒径と、回収しようとする研磨剤の粒径との中間の孔径を有する精密濾過膜102aを用いて研磨屑を濃縮して除去すると、精密濾過膜101aの目詰まりが急速に起こり、頻繁に膜の洗浄または交換を行う必要があるという問題点があった。さらに、透過液を純水装置の原水として回収する場合、イオンや溶解性シリカなどが多く含まれていると、イオン交換塔や逆浸透装置に負荷がかかるという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、目詰まりを起こすことなく、粗大不純物および微細不純物を除去して、コロイダルシリカおよび低分子電解質を回収し、これを研磨スラリとして再利用するとともに、透過液も低品位純水として再利用できる研磨剤スラリ回収装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の研磨剤スラリ回収装置である。
(1) 半導体基板あるいはその上に形成された被膜の化学機械研磨を行った後の研磨廃液から研磨剤スラリを回収するための装置であって、
研磨廃液を全量通過させることにより濾過して、粗大固形物を含む不純物を除去する全量濾過形の濾過装置と、
濾過装置の濾過液を膜分離により研磨剤を含む濃縮液と透過液に分離する膜分離装置と、
膜分離装置の透過液を逆浸透により低分子の電解質を含む濃縮液と低品位純水とに分離する逆浸透装置と、
膜分離装置の濃縮と逆浸透装置の濃縮液を受け入れて研磨剤スラリを調製するスラリ調製槽とを含む研磨剤スラリ回収装置。
(2) 全量濾過形の濾過装置が、25〜100μm単繊維をワインドした目開き10〜100μmのワインドタイプの濾過エレメントを有する濾過器である上記(1)記載の装置。
(3) 膜分離装置が、中空糸膜の内側に濾過液または濃縮液を0.01〜0.5MPaの圧力で流し、濃縮物の堆積を防止しながら膜分離を行うことにより、膜面における目詰まりなしに膜分離を行うものである上記(1)または(2)記載の装置。
(4) スラリ調製槽が、膜分離装置の濃縮液のコロイダルシリカ濃度が15〜20重量%となり、逆浸透装置の濃縮液の低分子電解質濃度が1〜10重量%になった時点で両濃縮液を混合し、研磨剤スラリを調製するようにされている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の装置。
【0015】
研磨の対象となる半導体基板は、IC、LSI等の半導体素子を構成するシリコンウエハー、この上に形成される多層配線用層間絶縁膜、トレンチ素子分離用の埋め込み酸化膜、平坦埋込配線用メタル膜など、半導体基板あるいは基板被膜層として研磨の対象となるものをすべて含む。
【0016】
このような半導体基板の化学機械研磨は、無機酸化物微粒子あるいは該微粒子の複数個が凝集した微粒子集合体を、水酸化カリウム等のアルカリならびに有機酸などの低分子電解質を含む液層に分散させた研磨剤スラリをパッド等の研磨部材と半導体基板との間に介在させて研磨する場合のほか、一定濃度に調整した研磨剤スラリを循環しながら研磨する場合その他の研磨方法を含む。また研磨剤の材料は特に限定されず、シリカ、アルミナあるいは酸化セリウム等の無機酸化物微粒子あるいはその集合体を含むが、コロイダルシリカを含むものが好ましい。
【0017】
また、本発明において処理対象とする研磨廃液には、無機酸化物微粒子および低分子電解質を含む研磨剤スラリを半導体基板あるいはその上の被膜の化学機械研磨に使用した研磨工程から排出される研磨剤スラリ、研磨屑および研磨パッドの洗浄液としての純水を含有する液であり、研磨力が大幅に低下した使用済の研磨剤スラリでも、未だ研磨力が残存する研磨途中の研磨剤スラリを含有する液でもよい。この研磨剤スラリを含有する液はコロイダルシリカ等の無機酸化物微粒子および低分子電解質を含んでいればよく、これら以外の成分を含んでいても差支えない。
【0018】
さらに、最も一般的なシリコン酸化膜の化学機械研磨に使用される研磨剤スラリは、30〜300nmの粒径を有する液相成長あるいは気相成長シリカ微粒子を主体とするコロイダルシリカを含んでおり、コロイダルシリカ濃度は一般に15〜20重量%となっている。研磨後の研磨廃液は研磨工程およびリンス工程初期の濃厚廃液を集めて処理する。このような濃厚廃液にはコロイダルシリカが0.5〜5重量%含まれており、上記の研磨剤成分の他に、粒径700〜1500nmの大粒径の研磨屑を含んでおり、この大粒径の研磨屑がキズの原因となる。
【0019】
本発明では研磨廃液中の研磨屑等の固形物を含む不純物を除去するために全量濾過形の濾過装置を使用する。理論的には研磨剤の粒径と研磨屑の粒径の中間の孔径の精密濾過膜を用いれば両者を分離することができるわけであるが、このような精密濾過膜を用いると目詰まりが激しくなる。この原因を調べた結果、膜面にケーキ層が形成されるため、比較的小粒径のコロイダルシリカが捕捉され、その結果目詰まりが発生し、差圧が上昇することがわかった。
【0020】
本発明ではこのような点を改善するために、研磨屑等の固形物の粒径よりも大きい目開きの全量濾過形の濾材を用いる。この場合、濾材の目開きは10〜100μm、好ましくは25〜75μmのものが用いられる。このような濾過器としてはポリプロピレン等のプラスチックその他の材質からなる25〜100μm単繊維をワインドしたワインドタイプの濾過エレメントを有する濾過器を用いるのが好ましい。
【0021】
ワインドタイプの濾過エレメントを用いる場合は支持板上に支持し、0.01〜0.5MPaの圧力で、使用した研磨廃液を全量通過させることにより濾過が行われ、大粒径の研磨屑、凝集物、ゲル化物等の研磨時のキズの原因となる固形物が除去される。このとき固形物の架橋によりケーキが形成され、濾材の目開きよりも小粒径の不純物、特に従来透過液とともに排棄されていた微小不純物も除去され、しかも目詰まりが防止される。
【0022】
膜分離装置は上記濾過装置の濾過液またはその濃縮液を受け入れて膜分離を行い、研磨剤を含む濃縮液と分離液に分離するように構成される。この膜分離装置としては分離膜として孔径0.05〜0.1μmのMF膜を有するマイクロフィルタ、または孔径2〜100nm(分画分子量5000〜20000)のUF膜を有する限外濾過器などが用いられる。
【0023】
MF膜としては、ポリカーボネート、三酢化セルロース、ポリアミド(ナイロン)、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等の材質からなる濾過膜があげられる。
UF膜としては、コロジオン膜、ホルムアルデヒド硬化ゼラチン、セロハン、セルロース、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセチルセルロース、ポリプロピレンとアセチルセルロースの混合物、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、スルホン化−2,5−ジメチルポリフェニレンオキサイド、ポリイオンコンプレックス、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等の材質からなる分離膜があり、分子量103〜109の原子集団からなる分子コロイド、ミセルコロイドや会合コロイドなどの粒子やウイルスなどを濾別するためのものが使用できる。
【0024】
上記の膜分離装置は中空糸状のMF膜またはUF膜を用い、中空糸膜の内側に濾過液または濃縮液を0.01〜0.5MPaの圧力で流し、濃縮物の堆積を防止しながら膜分離を行うことにより、膜面における目詰まりなしに膜分離を行うことができる。
膜分離装置の濃縮液はスラリ調整槽に循環して濃縮を行い、コロイダルシリカ15〜20重量%の濃度になった段階で回収スラリとして研磨剤スラリに利用する。
【0025】
逆浸透装置はRO膜を有し、膜分離装置の透過液を低分子の電解質を含む濃縮液と低品位純水とに分離し、濃縮液をスラリ調整槽に返送するように構成される。RO膜としては酢酸セルロース、ポリアミド等の膜が使用できる。
【0026】
逆浸透装置としては中空糸形、スパイラル形、チューブラ形、平膜形などで任意の形式のRO膜を用い、0.7〜2MPa、好ましくは1.4〜1.5MPaの圧力で、膜分離装置の透過液を循環しながら逆浸透処理し、濃縮液を研磨剤スラリの成分として利用する。透過液は主たる成分である研磨剤粒子および低分子電解質は除去されているので、低品位純水として超純水製造用の原料水または一般の雑用純水として使用される。
【0027】
スラリ調整槽は膜分離装置の濃縮液および逆浸透装置の濃縮液を受け入れ、これに不足するコロイダルシリカ等の研磨剤ならびに水酸化カリウム等のアルカリや有機酸等の低分子電解質などの補給薬剤を混合して、研磨剤スラリを調整するように構成される。このスラリ調整槽は濾過装置の濾過液を受け入れ、濃縮液を循環するスラリ濃縮槽を兼用することができる。
【0028】
本発明の研磨剤スラリ回収装置では、半導体基板あるいはその上に形成された被膜の化学研磨工程の研磨廃液を濾過装置で濾過することにより粗大固形物を含む不純物を除去する。これにより目詰まりなしに粗大固形物を含む不純物が除去され、この時同時に微小な不純物も除去される。
【0029】
濾過装置の濾過液は膜分離装置で膜分離することにより研磨剤を含む濃縮液と透過液に分離し、濃縮液はスラリ調製槽に導入する。透過液は逆浸透装置で逆浸透を行うことにより低分子電解質を含む濃縮液と分離液に分離し、濃縮液はスラリ調製槽に導入する。分離液は低品位純水として利用でき、また2次純水装置の原水としても利用可能である。
【0030】
スラリ調整槽に導入した膜分離装置の濃縮液と逆浸透装置の濃縮液に、不足する研磨剤および低分子電解質を添加して研磨剤スラリを調製し、研磨工程に返送し、研磨に利用する。
【0031】
従来装置のように研磨剤粒径と研磨屑粒径の中間の孔径を有する精密濾過膜を用いると目詰まりが激しくなるが、全量濾過形の濾過器、特に単繊維のワインド形の濾過器で濾過することにより、目詰まりなしに粗大固形物を含む不純物が除去され、これと同時に微小不純物も除去される。
【0032】
また理論的には、逆浸透装置を用いれば、研磨剤と低分子電解質を同時に除去できるが、この場合も目詰まりが激しくなる。これに対して膜分離装置により研磨剤を濃縮し、逆浸透装置で低分子電解質を濃縮することにより、目詰まりなしにこれらを分離して濃縮することができる。特に膜分離装置として中空糸形の透過膜を使用し、その内側に濃縮液を循環させる形式のものは濃縮物の堆積が少なく目詰まりは生じない。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、研磨廃液を全量通過させることにより濾過して、粗大固形物を含む不純物を除去する全量濾過形の濾過装置で濾過し、膜分離装置で濃縮液と透過液に分離し、透過液を逆浸透装置で逆浸透し両方の濃縮液を回収して再利用するようにしたので目詰まりを起こすことなく、粗大不純物および微細不純物を除去して、コロイダルシリカおよび低分子電解質を回収し、これを研磨スラリとして再利用するとともに、透過液も低品位純水として再利用できる研磨剤スラリの回収装置が得られる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
図1は実施形態の研磨剤スラリ回収装置の系統図である。
【0035】
図1において、1はスラリ貯槽、2は研磨系、3は廃液貯槽、4は濾過装置、5はスラリ調製槽、6は膜分離装置、7は中間槽、8は逆浸透装置、9は回収水槽である。
【0036】
スラリ貯槽1は研磨剤スラリ11を貯留し、ポンプP1を有するライン21により研磨系2に連絡している。研磨系2は半導体基板を搬入し、基体の表面またはその上に形成された被膜を化学機械研磨するように構成されている。研磨系2から濃厚な研磨廃液を排出するライン22が廃液貯槽3に連絡している。廃液貯槽3からポンプP2を有するライン23が濾過装置4に連絡し、研磨廃液12を供給するように構成されている。
【0037】
濾過装置はポリプロピレン等のプラスチックからなる25〜100μm径の単繊維をワインドしたワインドタイプの濾材を有するカートリッジ式の濾過エレメントを内部に収容した全量濾過形の濾過装置であって、濾材の目開は10〜100μmとされている。濾過装置4から濾過液を移送するライン24がスラリ調製槽5に連絡している。濾過エレメントは使い捨てタイプであってもよく、また逆洗洗浄等により再生使用するタイプであってもよい。
【0038】
スラリ調製槽5からポンプP3を有するライン25が膜分離装置6に連絡し、槽内液13を供給するように構成されている。膜分離装置6はUF膜、MF膜等の透過膜6aにより濃縮液室6bと透過液室6cに分割されている。透過膜6aは中空糸状であって内部を濃縮液が循環する構造とされている。濃縮液室6bの出口から、弁V1を有するライン26がスラリ調製槽5に連絡し、また弁V2を有するライン27がスラリ貯槽1に連絡している。また透過液室6cからライン28が中間槽7に連絡している。
【0039】
中間槽7からポンプP4を有するライン29が逆浸透装置8に連絡し、槽内液14を供給するように構成されている。逆浸透装置8はRO膜8aにより濃縮液室8bと透過液室8cに分割されている。RO膜8aとしては前記の任意の材質および形式のものが使用できる。濃縮液室8bの出口から弁V3を有するライン30が中間槽7に連絡し、弁V4を有するライン31がスラリ調製槽5に連絡している。透過液室8cからライン32が回収水槽9に連絡している。回収水槽9には貯留される回収水15を排出するライン33が系外に連絡している。
【0040】
上記の研磨剤スラリ回収装置においては、スラリ貯槽1に貯留された研磨剤スラリ11をライン21からポンプP1により研磨系2に供給し、半導体基板およびその上に形成された被膜の化学機械研磨を行う。そして研磨工程およびリンス工程初期に排出される濃厚研磨廃液12を廃液貯槽3に貯留する。コロイダルシリカ濃度は研磨剤スラリが15〜20重量%であるのに対し、研磨廃液は0.1〜5重量%となっている。
【0041】
研磨廃液12はライン23からポンプP2により濾過装置4に供給され、ここで全量濾過が行われて、研磨屑や研磨用パッド破砕片等の固形物を含む不純物が除去される。この場合粗大固形物の架橋によりケーキが形成され、目詰まりなしに微小な固形物を含む不純物も除去される。濾過液はライン24からスラリ調製槽5に入る。
【0042】
スラリ調製槽5の槽内液13はライン25からポンプP3により膜分離装置6の濃縮液室6bに入り、膜分離によって研磨剤(コロイダルシリカ)を含む濃縮液と透過液に分離される。この場合中空糸状の透過膜6aを用いてその内側を濃縮液室6bとして濃縮液を0.1〜0.2MPaの圧力、1.5〜2.0m/hrの高速で循環させることにより、膜面におけるコロイダルシリカの濃縮を防止して目詰まりを防止することができる。濃縮液は弁V1を開くことによりライン26からスラリ調製槽5に戻って循環し、濃縮が継続して行われる。透過液はライン28から中間槽7に入る。
【0043】
中間槽7の槽内液14はライン29からポンプP4により逆浸透装置8の濃縮液室8bに入り、0.7〜2MPaの圧力で逆浸透分離することにより水酸化カリウム等のアルカリ、有機酸などの低分子の電解質および溶解性シリカを含む濃縮液と透過液に分離される。濃縮液は弁V3を開くことにより、ライン30から中間槽7に戻って循環し、逆浸透処理が継続する。透過液はライン32から回収水槽9に入る。
【0044】
スラリ調製槽5の槽内液13のコロイダルシリカ濃度が15〜20重量%となったことを比重計等の検知手段で検知し、一方、中間槽7の槽内液14の低分子電解質濃度が1〜10重量%になったことを電気伝導率計等の検知手段により検知した時点で、弁V3を閉じて弁V4を開き、中間槽7の槽内液をライン31からスラリ調製槽5に送って混合する。
【0045】
ここで電気伝導率計等の検知手段により低分子電解質濃度をチェックし、不足する場合はライン34からアルカリや有機酸等の薬剤を補給して所定組成の研磨剤スラリを調製する。こうして調製された研磨剤スラリは弁V2を開くことにより、ライン27からスラリ貯槽1に供給し、再利用される。
【0046】
回収水槽9の回収水は電気伝導率5〜50μS/cm程度の低品位純水であるので、これをライン33から取出して超純水製造系に供給し、超純水として研磨系2の研磨用水として利用することができる。このほか回収水はそのまま低品位純水として冷却塔その他の雑用水として使用することもできる。
【0047】
上記の処理において、濾過装置4、膜分離装置6および逆浸透装置8はそれぞれ連続的処理を行ってもよく、またいずれか1または2の装置の運転中他の装置を停止してもよい。例えば、スラリ調製槽5の槽内液13の濃縮が終了するまで逆浸透装置8を停止して、透過液を中間槽7に貯留しておき、濃縮終了後逆浸透処理を行ってもよい。
【0048】
逆浸透装置8による低分子電解質の濃縮が十分で、中間槽7の槽内液14の低分子電解質の濃度が所定濃度を確保できる場合は、ライン34からの薬剤の補給が不要になる場合があるが、槽内液14の濃度が不十分の場合はライン34から補給薬剤を添加することができるほか、薬剤をスラリ貯槽1に添加してもよい。
【0049】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。実施例中、%は重量%である。
【0050】
実施例1
コロイダルシリカ濃度15重量%、水酸化カリウム濃度1重量%の研磨剤スラリを用いるKOH系酸化膜CMP研磨系の研磨廃液(コロイダルシリカ1%、電気伝導率4000μS/cm)を図1の装置で処理した。濾過装置4はポリプロピレン長繊維不燃糸のワインドフィルタ(目開き50μm)の濾過装置を用いて全量濾過を行い、固形物を含む不純物を除去した。
【0051】
膜分離装置6は分画分子量13000のポリサルフォン製の中空糸状UF膜を透過膜とするもので、その内側に濃縮液を0.2MPa、2.0m/hrの速度で循環して、クロスフロー方式で濃縮を行い、コロイダルシリカ濃度20%に濃縮した。この時の濃度コントロールは比重計により行った。
【0052】
逆浸透装置8はスパイラル型のポリアミドのRO膜を有する装置であり、中間槽7内のpHを調整して0.7MPaの圧力で逆浸透分離を行うことにより、電気伝導率504μS/cm、溶解性シリカ105mg/lの膜分離装置透過液が1400μS/cm、溶解性シリカ228mg/lの濃縮液と46μS/cm、溶解性シリカ4.5mg/lの回収水に分離された。
【0053】
この濃縮液を膜分離装置の濃縮液と混合することにより、コロイダルシリカ濃度15%、電気伝導率3000μS/cmの研磨剤スラリが回収された。電気伝導率が高く検出されたのはコロイダルシリカの荷電によるものである。原研磨スラリの電気伝導率は4000μS/cmであるため、上記回収スラリにKOHを添加して電気伝導率を4000μS/cmとすることにより研磨剤スラリとして利用することができる。
【0054】
この時のKOH添加量は逆浸透装置により低分子電解質を回収しない場合のKOH添加量の約1/6であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の研磨剤スラリ回収装置の系統図である。
【図2】従来の研磨剤粒子の回収方法を示す系統図である。
【符号の説明】
1 スラリ貯槽
2 研磨系
3 廃液貯槽
4 濾過装置
5 スラリ調製槽
6 膜分離装置
7 中間槽
8 逆浸透装置
9 回収水槽
11 研磨剤スラリ
12 研磨廃液
13、14 槽内液
15 回収水
21〜34 ライン
1〜P4 ポンプ
1〜V4

Claims (4)

  1. 半導体基板あるいはその上に形成された被膜の化学機械研磨を行った後の研磨廃液から研磨剤スラリを回収するための装置であって、
    研磨廃液を全量通過させることにより濾過して、粗大固形物を含む不純物を除去する全量濾過形の濾過装置と、
    濾過装置の濾過液を膜分離により研磨剤を含む濃縮液と透過液に分離する膜分離装置と、
    膜分離装置の透過液を逆浸透により低分子の電解質を含む濃縮液と低品位純水とに分離する逆浸透装置と、
    膜分離装置の濃縮液と逆浸透装置の濃縮液を受け入れて研磨剤スラリを調製するスラリ調製槽とを含む研磨剤スラリ回収装置。
  2. 全量濾過形の濾過装置が、25〜100μm単繊維をワインドした目開き10〜100μmのワインドタイプの濾過エレメントを有する濾過器である請求項1記載の装置。
  3. 膜分離装置が、中空糸膜の内側に濾過液または濃縮液を0.01〜0.5MPaの圧力で流し、濃縮物の堆積を防止しながら膜分離を行うことにより、膜面における目詰まりなしに膜分離を行うものである請求項1または2記載の装置。
  4. スラリ調製槽が、膜分離装置の濃縮液のコロイダルシリカ濃度が15〜20重量%となり、逆浸透装置の濃縮液の低分子電解質濃度が1〜10重量%になった時点で両濃縮液を混合し、研磨剤スラリを調製するようにされている請求項1ないし3のいずれかに記載の装置。
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