JP2012012595A - 耐衝撃性ポリプロピレン樹脂組成物および成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形加工性に優れ、かつ引張強度と低温における耐衝撃性とのバランスに優れるポリプロピレン樹脂組成物、および、それを成形して得られる成形体を提供すること。
【解決手段】下記要件(a)および下記要件(b)を満足するプロピレン系重合体(成分(A))51〜99重量%、および密度が0.85〜0.93g/cm3であるエチレン系重合体(成分(B))1〜49重量%を含む樹脂組成物と、
前記樹脂組成物100重量部に対して、アミド系化合物からなる造核剤(成分(C))0.001〜5重量部と、を含むポリプロピレン樹脂組成物。
要件(a):測定温度230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFRA)が10〜200g/10分である。
要件(b):エチレンおよび/または炭素数4〜10のα−オレフィンに由来する構造単位が0.1〜40重量%であり、プロピレンに由来する構造単位が99.9〜60重量%である。
【選択図】なし
【解決手段】下記要件(a)および下記要件(b)を満足するプロピレン系重合体(成分(A))51〜99重量%、および密度が0.85〜0.93g/cm3であるエチレン系重合体(成分(B))1〜49重量%を含む樹脂組成物と、
前記樹脂組成物100重量部に対して、アミド系化合物からなる造核剤(成分(C))0.001〜5重量部と、を含むポリプロピレン樹脂組成物。
要件(a):測定温度230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFRA)が10〜200g/10分である。
要件(b):エチレンおよび/または炭素数4〜10のα−オレフィンに由来する構造単位が0.1〜40重量%であり、プロピレンに由来する構造単位が99.9〜60重量%である。
【選択図】なし
Description
本発明は、成形加工性に優れ、かつ引張強度と低温における耐衝撃性とのバランスに優れるポリプロピレン樹脂組成物およびそれを成形して得られる成形体に関するものである。
ポリプロピレン系樹脂に造核剤が配合されたポリプロピレン樹脂組成物は、機械的物性や透明性等の特性に優れる材料であることから、自動車内外装材、家電用材料、建築用材料、農業用材料、日用雑貨、食品包装等のフィルム、ボトル、キャップ、コンテナ−、パレット等の成形体に用いられる材料として、広範な用途に利用されている。
このようなポリプロピレン樹脂組成物として、例えば、特許文献1には、結晶性ポリプロピレンホモポリマー、ランダムコポリマー、交互又はセグメントコポリマー、ブロックコポリマー、またはポリプロピレンと他の合成ポリマーのブレンドに対して、特定の式で表される特異的なトリメシン酸誘導体を特定の含有割合で含む、ポリプロピレン樹脂組成物であって、厚さ1.1〜1.2mmのプレートで測定された曇り度において、62%より小さい曇り度を有する組成物が記載されている。
また、特許文献2には、プロピレン系重合体に対して特定の化学構造式で表されるアミド化合物を含有する改質剤を特定重量配合したプロピレン系樹脂組成物と、その樹脂組成物を用いて得られるポリプロピレン系包装用フィルムが記載されている。
しかし、上記の公報等に記載されているポリプロピレン樹脂組成物においても、成形加工性に優れ、かつ引張強度と低温における耐衝撃性とのバランスについては、さらなる改良が求められていた。
かかる状況の下、本発明の目的は、成形加工性に優れ、かつ引張強度と低温における耐衝撃性とのバランスに優れるポリプロピレン樹脂組成物、および、それを成形して得られる成形体を提供することにある。
本発明者等は、かかる実情に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、本発明が、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
下記要件(a)および下記要件(b)を満足するプロピレン系重合体(成分(A))51〜99重量%、および密度が0.85〜0.93g/cm3であるエチレン系重合体(成分(B))1〜49重量%を含む樹脂組成物(ただし、成分(A)と成分(B)との合計の重量を100重量%とする。)と、
前記樹脂組成物100重量部に対して、アミド系化合物からなる造核剤(成分(C))0.001〜5重量部と、を含むポリプロピレン樹脂組成物に係るものである。
要件(a):測定温度230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFRA)が10〜200g/10分である。
要件(b):エチレンおよび/または炭素数4〜10のα−オレフィンに由来する構造単位が0.1〜40重量%であり、プロピレンに由来する構造単位が99.9〜60重量%である(ただし、成分(A)の全重量を100重量%とする。)。
すなわち、本発明は、
下記要件(a)および下記要件(b)を満足するプロピレン系重合体(成分(A))51〜99重量%、および密度が0.85〜0.93g/cm3であるエチレン系重合体(成分(B))1〜49重量%を含む樹脂組成物(ただし、成分(A)と成分(B)との合計の重量を100重量%とする。)と、
前記樹脂組成物100重量部に対して、アミド系化合物からなる造核剤(成分(C))0.001〜5重量部と、を含むポリプロピレン樹脂組成物に係るものである。
要件(a):測定温度230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFRA)が10〜200g/10分である。
要件(b):エチレンおよび/または炭素数4〜10のα−オレフィンに由来する構造単位が0.1〜40重量%であり、プロピレンに由来する構造単位が99.9〜60重量%である(ただし、成分(A)の全重量を100重量%とする。)。
本発明によれば、成形加工性に優れ、かつ引張強度と低温における耐衝撃性とのバランスに優れるポリプロピレン樹脂組成物、および、それを成形して得られる成形体を得ることができる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、
下記要件(a)および下記要件(b)を満足するプロピレン系重合体(以下、「成分(A)」と記載することがある。)51〜99重量%、および密度が0.85〜0.93g/cm3であるエチレン系重合体(以下、「成分(B)」と記載することがある。)1〜49重量%を含む樹脂組成物(ただし、成分(A)と成分(B)との合計の重量を100重量%とする。)と、
前記樹脂組成物100重量部に対して、アミド系化合物からなる造核剤(以下、「成分(C)」と記載することがある。)0.001〜5重量部と、を含むものである。
要件(a):測定温度230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(以下、「MFRA」と記載することがある。)が10〜200g/10分である。
要件(b):エチレンおよび/または炭素数4〜10のα−オレフィンに由来する構造単位が0.1〜40重量%であり、プロピレンに由来する構造単位が99.9〜60重量%である(ただし、成分(A)の全重量を100重量%とする。)。
下記要件(a)および下記要件(b)を満足するプロピレン系重合体(以下、「成分(A)」と記載することがある。)51〜99重量%、および密度が0.85〜0.93g/cm3であるエチレン系重合体(以下、「成分(B)」と記載することがある。)1〜49重量%を含む樹脂組成物(ただし、成分(A)と成分(B)との合計の重量を100重量%とする。)と、
前記樹脂組成物100重量部に対して、アミド系化合物からなる造核剤(以下、「成分(C)」と記載することがある。)0.001〜5重量部と、を含むものである。
要件(a):測定温度230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(以下、「MFRA」と記載することがある。)が10〜200g/10分である。
要件(b):エチレンおよび/または炭素数4〜10のα−オレフィンに由来する構造単位が0.1〜40重量%であり、プロピレンに由来する構造単位が99.9〜60重量%である(ただし、成分(A)の全重量を100重量%とする。)。
1)成分(A)
本発明に用いるプロピレン系重合体(成分(A))は、上記要件(a)および上記要件(b)を満足する。
本発明に用いるプロピレン系重合体(成分(A))は、上記要件(a)および上記要件(b)を満足する。
成分(A)の測定温度230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFRA)としては、10〜200g/10分であり、引張強度と低温における耐衝撃性とのバランス、成形加工性に優れる観点から、好ましくは、20〜150g/10分であり、より好ましくは、30〜100g/10分であり、更に好ましくは、30〜80g/10分である。
成分(A)における、エチレンおよび/または炭素数4〜10のα−オレフィンに由来する構造単位と、プロピレンに由来する構造単位との含有量としては、エチレンおよび/または炭素数4〜10のα−オレフィンに由来する構造単位が0.1〜40重量%であり、プロピレンに由来する構造単位が99.9〜60重量%であり(ただし、成分(A)の全重量を100重量%とする。)、好ましくは、エチレンおよび/または炭素数4〜10のα−オレフィンに由来する構造単位が0.1〜30重量%であり、プロピレンに由来する構造単位が99.9〜70重量%であり(ただし、成分(A)の全重量を100重量%とする。)、より好ましくは、エチレンおよび/または炭素数4〜10のα−オレフィンに由来する構造単位が0.2〜20重量%であり、プロピレンに由来する構造単位が99.8〜80重量%であり(ただし、成分(A)の全重量を100重量%とする。)、さらに好ましくは、エチレンおよび/または炭素数4〜10のα−オレフィンに由来する構造単位が2〜20重量%であり、プロピレンに由来する構造単位が98〜80重量%である(ただし、成分(A)の全重量を100重量%とする。)。本発明において、「エチレンに由来する構造単位」のような用語中の「構造単位」とは、モノマーの重合単位を意味する。従って、例えば、「エチレンに由来する構造単位」は、−CH2CH2−なる構造単位を意味する。
炭素数4〜10のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられ、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンである。
成分(A)としては、例えば、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体、プロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体、プロピレンとエチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体、後述する重合体成分(I)、および重合体成分(II)からなるプロピレン系重合体の混合物等が挙げられ、これらは、1種単独であってもよく、2種以上の混合物であってもよい。また、成分(A)は、プロピレン単独重合体との混合物であってもよい。
プロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン−1−オクテンランダム、プロピレン−1−デセンランダム共重合体等が挙げられる。
プロピレンとエチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン、プロピレン−エチレン−1−デセン共重合体等が挙げられる。
成分(A)は、結晶性が高く、ポリプロピレン樹脂組成物の引張強度と耐衝撃性のバランスの観点から、13C−NMRで測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率(mmmm分率)として、好ましくは、0.97以上であり、より好ましくは、0.98以上である。なお、アイソタクチック・ペンタッド分率は、プロピレンモノマー及び他のα−オレフィンモノマーを主体とする重合体成分について、後述する測定方法により求められる値であり、値が大きく1に近いほど成分(A)は高い立体規則性を示す分子構造を有する高結晶性の重合体であることを表す指標である。なお、成分(A)が、主にプロピレンに由来する構造単位からなるプロピレンとエチレンとのランダム共重合体、主にプロピレンに由来する構造単位からなるプロピレンとα−オレフィンとのランダム共重合体、主にプロピレンに由来する構造単位からなるプロピレンとエチレンとα−オレフィンとのランダム共重合体、後述する重合体成分(I)と重合体成分(II)からなるプロピレン系重合体の混合物の場合には、該重合体または共重合体中のプロピレン単位の連鎖について測定される。そして、重合体成分(I)と重合体成分(II)からなるプロピレン系重合体の混合物の場合には、主にプロピレンに由来する構造単位からなるプロピレン重合体成分(I)について測定される値である。
成分(A)は、公知のオレフィンの重合触媒を用いて、公知の重合方法によって製造することができる。
重合触媒としては、例えば、チーグラー型触媒系、チーグラー・ナッタ型触媒系、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、またはシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒系、シリカ、粘土鉱物等の無機粒子にシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物、イオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物等の触媒成分を担持し変性させた触媒系等が挙げられ、また、上記の触媒系の存在下でエチレンやα−オレフィンを予備重合させて調製される予備重合触媒を用いてもよい。
重合触媒としては、例えば、チーグラー型触媒系、チーグラー・ナッタ型触媒系、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、またはシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒系、シリカ、粘土鉱物等の無機粒子にシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物、イオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物等の触媒成分を担持し変性させた触媒系等が挙げられ、また、上記の触媒系の存在下でエチレンやα−オレフィンを予備重合させて調製される予備重合触媒を用いてもよい。
上記の触媒系としては、例えば、特開昭61−218606号公報、特開平5−194685号公報、特開平7−216017号公報、特開平9−316147号公報、特開平10−212319号公報、特開2001−342211号公報、特開2004−067850号公報、特開2004−182981号公報等に記載の触媒系が挙げられる。
上記の重合方法としては、液相(塊状)重合法、溶液重合法、スラリー重合法または気相重合法が挙げられる。液相(塊状)重合法とは、重合において不活性炭化水素溶媒を用いずに液状のオレフィン(例えばプロピレン、ブテンー1等)を媒体として重合を行う方法であり、溶液重合法もしくはスラリー重合法とは、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の不活性炭化水素溶媒中でオレフィンの重合を行う方法であり、また、気相重合法とは、気体状態のオレフィンを媒体として、その媒体中で気体状態のオレフィンを重合する方法である。これらの重合方法は、バッチ式、連続式(連続的に接続させた2以上の重合反応槽を用いて、各々の重合反応槽で重合体の組成や特性を調整しながら目的の重合体の製造を行う方法であり、多段式と称することもある)のいずれでもよく、また、これらの重合方法を任意に組み合わせてもよい。工業的かつ経済的な観点から、連続式の気相重合法、液相(塊状)重合法と気相重合法を連続的に行う液相−気相重合法による方法が好ましい。また、重合反応槽としては、例えば、撹拌型重合槽、流動床型重合槽、横型多室撹拌重合槽等が挙げられ、目的とする成分(A)に応じて任意に選定すればよい。気相重合法では、流動床型気相重合槽を用いた重合方法として、例えば、特開昭58−52309号公報、特開昭58−201802号公報、特開昭59−126406号公報、特開昭60−245603号公報、特開平2−233708号公報、特開平4−234409号公報、特開平7−62009号公報、特開2003−277412号公報に記載の方法が挙げられ、液相(塊状)重合−気相重合法では、例えば、特開平9−316146号公報、特開2006−45531号公報に記載の方法が挙げられる。
なお、重合工程における各種条件(重合温度、重合圧力、モノマー濃度、触媒投入量、重合時間等)は、目的とする成分(A)に応じて、適宜、変更し、決定すればよい。
重合温度は、重合するオレフィン(プロピレン、エチレン、炭素数4〜10のα−オレフィン)の種類等によって適宜選択すればよく、通常、30〜150℃の範囲であり、経済性や重合体の製造し易さの観点から、好ましくは、30〜100℃であり、より好ましくは、50〜100℃の範囲である。
重合圧力は、重合方式によって任意に決定されるが、通常、液相(塊状)重合法は液状のオレフィン(プロピレン、ブテンー1等)を媒体として重合を行う方法であることから高圧条件下で重合が行われ、通常、2〜4MPa(ゲージ圧力)の範囲(ほぼオレフィンの蒸気圧)である。溶液重合法やスラリー重合法は、不活性炭化水素溶媒を用いて低圧条件下で行われることから、通常、0.5〜2MPa(ゲージ圧力)の範囲(気相部の圧力)である。また、気相重合法では、重合圧力はオレフィン(プロピレン、エチレン、炭素数4〜10のα−オレフィン)の全体または少なくとも一部が気相として存在し得る範囲内であればよく、通常、0.5〜5MPa(ゲージ圧力)の範囲であり、好ましくは、1.5〜3MPa(ゲージ圧力)の範囲である。
重合温度は、重合するオレフィン(プロピレン、エチレン、炭素数4〜10のα−オレフィン)の種類等によって適宜選択すればよく、通常、30〜150℃の範囲であり、経済性や重合体の製造し易さの観点から、好ましくは、30〜100℃であり、より好ましくは、50〜100℃の範囲である。
重合圧力は、重合方式によって任意に決定されるが、通常、液相(塊状)重合法は液状のオレフィン(プロピレン、ブテンー1等)を媒体として重合を行う方法であることから高圧条件下で重合が行われ、通常、2〜4MPa(ゲージ圧力)の範囲(ほぼオレフィンの蒸気圧)である。溶液重合法やスラリー重合法は、不活性炭化水素溶媒を用いて低圧条件下で行われることから、通常、0.5〜2MPa(ゲージ圧力)の範囲(気相部の圧力)である。また、気相重合法では、重合圧力はオレフィン(プロピレン、エチレン、炭素数4〜10のα−オレフィン)の全体または少なくとも一部が気相として存在し得る範囲内であればよく、通常、0.5〜5MPa(ゲージ圧力)の範囲であり、好ましくは、1.5〜3MPa(ゲージ圧力)の範囲である。
成分(A)の製造において、成分(A)中に含まれる残留溶媒や、製造時に副生する超低分子量のオリゴマー等を除去するために、必要に応じて成分(A)をその成分(A)が融解する温度以下の温度で乾燥してもよい。乾燥方法としては、例えば、特開昭55−75410号公報、特許第2565753号公報に記載の方法等が挙げられる。
また、成分(A)として、好ましくは、上記要件(a)、上記要件(b)、下記要件(c)、下記要件(d)および下記要件(e)を満足するプロピレン系重合体の混合物(以下、「成分(D)」と記載することがある。)である。
要件(c):成分(A)が、前段の重合工程により製造される重合体成分(以下、「重合体成分(I)」と記載することがある。)、および後段の重合工程により製造される重合体成分(以下、「重合体成分(II)」と記載することがある。)からなるプロピレン系重合体の混合物であり、
重合体成分(I)は、135℃テトラリン中で測定される極限粘度(以下、「[η]I」と記載することがある。)が0.1〜5dl/gであるプロピレン系重合体成分であり、
重合体成分(II)は、エチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位と、プロピレンに由来する構造単位とを有する共重合体成分であって、135℃テトラリン中で測定される極限粘度(以下、「[η]II」)と記載することがある。)が1〜20dl/gであるプロピレン系共重合体成分である。
要件(d):重合体成分(II)に含有されるエチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位の含有量が、1〜80重量%である(ただし、重合体成分(II)の全重量を100重量%とする。)。
要件(e):重合体成分(II)の含有量が、1〜50重量%である(ただし、成分(D)の全重量を100重量%とする。)。
要件(c):成分(A)が、前段の重合工程により製造される重合体成分(以下、「重合体成分(I)」と記載することがある。)、および後段の重合工程により製造される重合体成分(以下、「重合体成分(II)」と記載することがある。)からなるプロピレン系重合体の混合物であり、
重合体成分(I)は、135℃テトラリン中で測定される極限粘度(以下、「[η]I」と記載することがある。)が0.1〜5dl/gであるプロピレン系重合体成分であり、
重合体成分(II)は、エチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位と、プロピレンに由来する構造単位とを有する共重合体成分であって、135℃テトラリン中で測定される極限粘度(以下、「[η]II」)と記載することがある。)が1〜20dl/gであるプロピレン系共重合体成分である。
要件(d):重合体成分(II)に含有されるエチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位の含有量が、1〜80重量%である(ただし、重合体成分(II)の全重量を100重量%とする。)。
要件(e):重合体成分(II)の含有量が、1〜50重量%である(ただし、成分(D)の全重量を100重量%とする。)。
1−1)重合体成分(I)
重合体成分(I)としては、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンに由来する構造単位からなるプロピレン系共重合体成分である。主にプロピレンに由来する構造単位からなるプロピレン系共重合体成分とは、エチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位と、主にプロピレンに由来する構造単位とからなるプロピレン系共重合体成分である。
重合体成分(I)としては、プロピレン単独重合体成分または主にプロピレンに由来する構造単位からなるプロピレン系共重合体成分である。主にプロピレンに由来する構造単位からなるプロピレン系共重合体成分とは、エチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位と、主にプロピレンに由来する構造単位とからなるプロピレン系共重合体成分である。
重合体成分(I)が、主にプロピレンに由来する構造単位からなるプロピレン系共重合体成分である場合、エチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位の含有量は、0.01〜30重量%である(ただし、重合体成分(I)の全重量を100重量%とする。)。
重合体成分(I)に用いられる炭素数4〜10のα−オレフィンとして、好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンであり、より好ましくは、1−ブテンである。
重合体成分(I)に用いられる主にプロピレンに由来する構造単位からなるプロピレン系共重合体成分としては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分等が挙げられる。
重合体成分(I)として、好ましくは、プロピレン単独重合体成分、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分またはプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分である。
1−2)重合体成分(II)
重合体成分(II)は、エチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位と、プロピレンに由来する構造単位とを有する共重合体成分である。
重合体成分(II)は、エチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位と、プロピレンに由来する構造単位とを有する共重合体成分である。
重合体成分(II)に含有されるエチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位の含有量は、1〜80重量%であり、好ましくは、5〜60重量%であり、より好ましくは、20〜60重量%である(ただし、重合体成分(II)の全重量を100重量%とする)。
重合体成分(II)に用いられる炭素数4〜10のα−オレフィンとしては、例えば、前記重合体成分(I)で用いられる炭素数4〜10のα−オレフィンと同様のα−オレフィンが挙げられる。
重合体成分(II)としては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−デセン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−1−オクテン共重合体成分、プロピレン−1−デセン共重合体成分等が挙げられ、好ましくは、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分またはプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分であり、より好ましくは、プロピレン−エチレン共重合体成分である。
成分(D)に含まれる重合体成分(II)の含有量は、1〜50重量%であり、好ましくは、1〜40重量%であり、より好ましくは、10〜40重量%であり、さらに好ましくは、10〜30重量%である(ただし、成分(D)の全重量を100重量%とする。)。
重合体成分(I)がプロピレン単独重合体成分の場合、成分(D)としては、例えば、プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−エチレン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−1−ブテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−1−ヘキセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−1−オクテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−1−デセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物等が挙げられる。
また、重合体成分(I)が主にプロピレンに由来する構造単位からなるプロピレン系共重合体成分の場合、成分(D)としては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−エチレン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−エチレン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−エチレン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−エチレン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−デセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−エチレン共重合体成分、およびプロピレン−1−ブテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−エチレン共重合体成分、およびプロピレン−1−ヘキセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−エチレン共重合体成分、およびプロピレン−1−オクテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−エチレン共重合体成分、およびプロピレン−1−デセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−デセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、およびプロピレン−1−ブテン共重合体からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、およびプロピレン−1−ヘキセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、およびプロピレン−1−オクテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、およびプロピレン−1−デセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、およびプロピレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、およびプロピレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、およびプロピレン−1−ブテン−1−デセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、およびプロピレン−1−ヘキセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、およびプロピレン−1−オクテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、およびプロピレン−1−デセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−オクテン共重合体成分、およびプロピレン−1−オクテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−オクテン共重合体成分、およびプロピレン−1−デセン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−オクテン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、等が挙げられる。
成分(D)として、好ましくは、プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−エチレン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−エチレン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−エチレン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、およびプロピレン−1−ブテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、またはプロピレン−1−ブテン共重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物であり、より好ましくは、プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−エチレン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物、またはプロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物である。
重合体成分(I)の135℃テトラリン中で測定される極限粘度([η]I)は、0.1〜5dl/gであり、好ましくは、0.3〜4dl/gであり、より好ましくは、0.5〜3dl/gであり、さらに好ましくは、0.5〜1.3dl/gである。
重合体成分(II)の135℃テトラリン中で測定される極限粘度([η]II)は、1〜20dl/gであり、好ましくは、1〜10dl/gであり、より好ましくは、2〜7dl/gであり、さらに好ましくは、2〜6dl/gである。
また、重合体成分(I)の極限粘度([η]I)に対する重合体成分(II)の極限粘度([η]II)の比([η]II/[η]I)として、好ましくは、1〜20であり、より好ましくは、2〜10であり、さらに好ましくは、2.5〜8である。
極限粘度([η]、単位:dl/g)は、以下の方法によって、テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定される値である。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定される。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求められる。重合体成分(I)の極限粘度を測定する場合には、前段の重合工程により製造される重合体成分の一部を抜き出した重合体を用いて測定される。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定される。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求められる。重合体成分(I)の極限粘度を測定する場合には、前段の重合工程により製造される重合体成分の一部を抜き出した重合体を用いて測定される。
また、重合体成分(I)および重合体成分(II)の含有量、極限粘度([η]Total、[η]I、[η]II)の測定および算出については、以下のとおりである。なお、極限粘度([η]Total)は、成分(D)の全体の極限粘度を示す。
前段の重合工程で得た重合体成分(I)の極限粘度([η]I)、後段の重合工程後の最終重合体(重合体成分(I)と重合体成分(II)の合計)の前記の方法で測定した極限粘度([η]Total)、最終重合体に含有される重合体成分(II)の含有量(重量比)から、重合体成分(II)の極限粘度[η]IIを、下記式から計算して求める。
[η]II=([η]Total−[η]I×XI)/XII
[η]Total:後段の重合工程後の最終重合体の極限粘度(dl/g)
[η]I:前段の重合工程で得た重合体成分(I)の極限粘度(dl/g)
XI:前段の重合工程で重合された成分(I)の重量比
XII:後段の重合工程で重合された成分(II)の重量比
尚、XI、XIIは重合時の物質収支から求める。
[η]II=([η]Total−[η]I×XI)/XII
[η]Total:後段の重合工程後の最終重合体の極限粘度(dl/g)
[η]I:前段の重合工程で得た重合体成分(I)の極限粘度(dl/g)
XI:前段の重合工程で重合された成分(I)の重量比
XII:後段の重合工程で重合された成分(II)の重量比
尚、XI、XIIは重合時の物質収支から求める。
成分(D)として、好ましくは、少なくとも2以上の重合槽を用いる多段重合法により製造されるプロピレン系重合体の混合物である。
2)成分(B)
成分(B)は、密度が0.85〜0.93g/cm3であり、エチレン系重合体としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、脂環式化合物で置換されたα−オレフィンとエチレンとの共重合体等が挙げられる。
成分(B)は、密度が0.85〜0.93g/cm3であり、エチレン系重合体としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、脂環式化合物で置換されたα−オレフィンとエチレンとの共重合体等が挙げられる。
エチレン単独重合体としては、ラジカル開始剤を用いて高圧ラジカル重合により繰り返し単位のエチレンがランダムに分岐構造をもって結合した、密度が0.91〜0.93g/cm3の高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)等が挙げられる。
エチレンとα−オレフィンとの共重合体としては、密度が0.85〜0.93g/cm3の範囲にあるものである。例えば、密度が0.90〜0.93g/cm3である結晶性を有する直鎖状低密度ポリエチレン、密度が0.85〜0.90g/cm3である結晶性が低くゴム状の弾性特性を有するエチレンとα−オレフィンとの共重合体のエラストマー等が挙げられる。
α−オレフィンとして、好ましくは、炭素数3〜10のα−オレフィンであり、炭素数3〜10のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられ、好ましくは、炭素数4〜10のα−オレフィンであり、より好ましくは、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンである。
脂環式化合物で置換されたα−オレフィンとしては、例えば、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
成分(B)として、好ましくは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体である。該共重合体としては、例えば、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体、エチレン−(3−メチル−1−ブテン)共重合体等が挙げられる。
成分(B)に含有するα−オレフィンおよび脂環式化合物で置換されたα−オレフィンの含有量として、好ましくは、1〜49重量%であり、より好ましくは、5〜49重量%であり、さらに好ましくは、10〜49重量%である(ただし、成分(B)の全重量を100重量%とする)。
成分(B)は、測定温度190℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFRB)が、好ましくは、0.5〜50g/10分であり、より好ましくは、1〜30g/10分であり、さらに好ましくは、1〜20g/10分である。
成分(B)としては、公知の重合触媒を用いて、公知の重合方法によって製造することができる。
重合触媒としては、例えば、メタロセン触媒に代表される均一系触媒系、チーグラー型触媒系、チーグラー・ナッタ型触媒系等が挙げられる。均一系触媒系としては、例えば、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、またはシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒系、シリカ、粘土鉱物等の無機粒子にシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物、イオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物等の触媒成分を担持し変性させた触媒系等が挙げられ、また、上記の触媒系の存在下でエチレンやα−オレフィンを予備重合させて調製される予備重合触媒系が挙げられる。
重合触媒としては、例えば、メタロセン触媒に代表される均一系触媒系、チーグラー型触媒系、チーグラー・ナッタ型触媒系等が挙げられる。均一系触媒系としては、例えば、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、またはシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒系、シリカ、粘土鉱物等の無機粒子にシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物、イオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物等の触媒成分を担持し変性させた触媒系等が挙げられ、また、上記の触媒系の存在下でエチレンやα−オレフィンを予備重合させて調製される予備重合触媒系が挙げられる。
また、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)は、重合触媒としてラジカル開始剤を用いて製造することができる。
なお、成分(B)は、公知の市販品を用いてもよい。例えば、ダウ・ケミカル日本株式会社製エンゲージ(登録商標)、三井化学株式会社製タフマー(登録商標)、株式会社プライムポリマー製ネオゼックス(登録商標)、ウルトゼックス(登録商標)、住友化学株式会社製エクセレンFX(登録商標)、スミカセン(登録商標)、エスプレンSPO(登録商標)等が挙げられる。
なお、成分(B)は、公知の市販品を用いてもよい。例えば、ダウ・ケミカル日本株式会社製エンゲージ(登録商標)、三井化学株式会社製タフマー(登録商標)、株式会社プライムポリマー製ネオゼックス(登録商標)、ウルトゼックス(登録商標)、住友化学株式会社製エクセレンFX(登録商標)、スミカセン(登録商標)、エスプレンSPO(登録商標)等が挙げられる。
3)成分(C)
成分(C)としては、例えば、下記一般式(I)、下記一般式(II)、下記一般式(III)、下記一般式(IV)、下記一般式(V)、下記一般式(VI)で表されるアミド系化合物等が挙げられ、成分(A)に対して造核作用を有する化合物である。
成分(C)としては、例えば、下記一般式(I)、下記一般式(II)、下記一般式(III)、下記一般式(IV)、下記一般式(V)、下記一般式(VI)で表されるアミド系化合物等が挙げられ、成分(A)に対して造核作用を有する化合物である。
[式中、R1、R2およびR3は、それぞれ同一または相違なり、水素原子または炭素数1〜20のヒドロカルビル基を表し、R4、R5およびR6は、それぞれ同一または相違なり、水素原子、炭素数1〜20のヒドロカルビル基または下記式(1)で表される基を表す。
(式中、R7は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のヒドロカルビル基、炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、モノ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基、ジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基または炭素数1〜20のヒドロカルビルチオ基を表す。)]
[式中、R8、R9およびR10は、それぞれ同一または相違なり、水素原子または炭素数1〜20のヒドロカルビル基を表し、R11は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のヒドロカルビル基、炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、モノ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基、ジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基または炭素数1〜20のヒドロカルビルチオ基を表し、R12およびR13は、それぞれ同一または相違なり、水素原子、炭素数1〜20のヒドロカルビル基または下記式(2)で表される基を表す。
(式中、R14は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のヒドロカルビル基、炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、モノ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基、ジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基または炭素数1〜20のヒドロカルビルチオ基を表す。)]
[式中、R15、R16およびR17は、それぞれ同一または相違なり、水素原子または炭素数1〜20のヒドロカルビル基を表し、R18、R19およびR20は、それぞれ同一または相違なり、水素原子、炭素数1〜20のヒドロカルビル基または下記式(3)で表される基を表す。
(式中、R21は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のヒドロカルビル基、炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、モノ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基、ジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基または炭素数1〜20のヒドロカルビルチオ基を表す。)]
[式中、R22、R23およびR24は、それぞれ同一または相違なり、水素原子または炭素数1〜20のヒドロカルビル基を表し、R25、R26およびR27は、それぞれ同一または相違なり、水素原子、炭素数1〜20のヒドロカルビル基または下記式(4)で表される基を表す。
(式中、R28は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のヒドロカルビル基、炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、モノ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基、ジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基または炭素数1〜20のヒドロカルビルチオ基を表す。)]
[式中、R29、R30およびR31は、それぞれ同一または相違なり、水素原子または炭素数1〜20のヒドロカルビル基を表し、R32、R33およびR34は、それぞれ同一または相違なり、水素原子、炭素数1〜20のヒドロカルビル基または下記式(5)で表される基を表す。
(式中、R35は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のヒドロカルビル基、炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、モノ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基、ジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基または炭素数1〜20のヒドロカルビルチオ基を表す。)]
[式中、R36、R37、R38およびR39は、それぞれ同一または相違なり、水素原子または炭素数1〜20のヒドロカルビル基を表し、R40、R41、R42およびR43は、それぞれ同一または相違なり、水素原子、炭素数1〜20のヒドロカルビル基または下記式(6)で表される基を表す。
(式中、R44は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のヒドロカルビル基、炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、モノ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基、ジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基または炭素数1〜20のヒドロカルビルチオ基を表す。)]
上記一般式(I)〜一般式(VI)で表されるアミド系化合物において、炭素数1〜20のヒドロカルビル基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルケニル基、炭素数4〜20のシクロアルキル基で置換されたアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、アダマンチル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、t−オクチル(1,1,3,3−テトラメチルブチル基)、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、n−ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−へプタデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基等が挙げられ、好ましくは、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、3−メチルブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、t−オクチル(1,1,3,3−テトラメチルブチル基)、イソノニル基、n−ドデシル基またはn−トリデシル基であり、より好ましくは、イソプロピル基、t−ブチル基、3−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基またはt−オクチル基である。
炭素数2〜20のアルケニル基としては、例えば、アリル基、2−メタリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オレイル基等が挙げられ、好ましくは、1位の炭素原子が飽和している基であり、より好ましくは、アリル基またはオレイル基である。
炭素数3〜20のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、アルキル基で置換された炭素数3〜20のシクロアルキル基等が挙げられる。前記アルキル基で置換された炭素数3〜20のシクロアルキル基としては、例えば、2−メチルシクロヘキシル基、2−エチルシクロヘキシル基、2−n−プロピルシクロヘキシル基、2−イソプロピルシクロヘキシル基、2−n−ブチルシクロヘキシル基、2−イソブチルシクロヘキシル基、2−sec−ブチルシクロヘキシル基、2−t−ブチルシクロヘキシル基、2−n−ペンチルシクロヘキシル基、2−n−ヘキシルシクロヘキシル基、2−n−ヘプチルシクロヘキシル基、2−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、2−n−ノニルシクロヘキシル基、2−n−デシルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、3−エチルシクロヘキシル基、3−n−プロピルシクロヘキシル基、3−イソプロピルシクロヘキシル基、3−n−ブチルシクロヘキシル基、3−イソブチルシクロヘキシル基、3−sec−ブチルシクロヘキシル基、3−t−ブチルシクロヘキシル基、3−n−ペンチルシクロヘキシル基、3−n−ヘキシルシクロヘキシル基、3−n−ヘプチルシクロヘキシル基、3−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、3−n−ノニルシクロヘキシル基、3−n−デシルシクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エチルシクロヘキシル基、4−n−プロピルシクロヘキシル基、4−イソプロピルシクロヘキシル基、4−n−ブチルシクロヘキシル基、4−イソブチルシクロヘキシル基、4−sec−ブチルシクロヘキシル基、4−t−ブチルシクロヘキシル基、4−n−ペンチルシクロヘキシル基、4−n−ヘキシルシクロヘキシル基、4−n−ヘプチルシクロヘキシル基、4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシル基、4−n−ノニルシクロヘキシル基、4−n−デシルシクロヘキシル基、2,3−ジメチルシクロヘキシル基、2,4−ジメチルシクロヘキシル基、2,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、2,4,6−トリメチルシクロヘキシル基、2,3−ジエチルシクロヘキシル基、2,4−ジエチルシクロヘキシル基、2,3,5−トリエチルシクロヘキシル基、2,4,6−トリエチルシクロヘキシル基、2,3−ジ−n−プロピルシクロヘキシル基、2,4−ジ−n−プロピルシクロヘキシル基、2,3,5−トリ−n−プロピルシクロヘキシル基、2,4,6−トリ−n−プロピルシクロヘキシル基、2,3−ジ−t−ブチルシクロヘキシル基、2,4−ジ−t−ブチルシクロヘキシル基、2,3,5−トリ−t−ブチルシクロヘキシル基、2,4,6−トリ−t−ブチルシクロヘキシル基等が挙げられる。前記炭素数3〜20のシクロアルキル基として、好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはアルキル基で置換されたシクロヘキシル基である。
炭素数3〜20のシクロアルケニル基としては、例えば、シクロヘキセニル基等が挙げられ、炭素数4〜20のシクロアルキル基で置換されたアルキル基としては、例えば、シクロヘキシルメチル基、2−メチルシクロヘキシルメチル基、3−メチルシクロヘキシルメチル基、4−メチルシクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、ドデシルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、3,5−ジ−t−ブチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−エチル−6−メチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリエチルフェニル基、メチルナフチル基等が挙げられ、炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、2−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2,4−ジメチルベンジル基、2,6−ジメチルベンジル基、2,4,6−トリメチルベンジル基、2−t−ブチルベンジル基、4−t−ブチルベンジル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のヒドロカルビル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、モノ(炭素数1〜20ヒドロカルビル)アミノ基、ジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基等が挙げられる。
置換された炭素数6〜20のアリール基としては、例えば、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−フルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、3−クロロ−6−メチルフェニル基、3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、4−フェニルアミノフェニル基等が挙げられ、置換された炭素数7〜20のアラルキル基としては、例えば、4−メトキシベンジル基、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル基等が挙げられる。
上記一般式(I)〜一般式(VI)で表されるアミド系化合物において、炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキルオキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられ、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、モノ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基、ジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基等が挙げられる。
上記一般式(I)〜一般式(VI)で表されるアミド系化合物において、モノ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基としては、例えば、モノ(炭素数1〜20のアルキル)アミノ基、モノ(炭素数6〜20のアリール)アミノ基、モノ(炭素数7〜20のアラルキル)アミノ基等が挙げられる。
モノ(炭素数1〜20のアルキル)アミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基等が挙げられ、モノ(炭素数6〜20のアリール)アミノ基としては、例えば、フェニルアミノ基等が挙げられ、モノ(炭素数7〜20のアラルキル)アミノ基としては、例えば、ベンジルアミノ基等が挙げられる。
上記一般式(I)〜一般式(VI)で表されるアミド系化合物において、ジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基としては、例えば、ジ(炭素数1〜20のアルキル)アミノ基、ジ(炭素数6〜20のアリール)アミノ基、ジ(炭素数7〜20のアラルキル)アミノ基等が挙げられる。
ジ(炭素数1〜20のアルキル)アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ等が挙げられ、ジ(炭素数6〜20のアリール)アミノ基としては、例えば、ジフェニルアミノ基等が挙げられ、ジ(炭素数7〜20のアラルキル)アミノ基としては、例えば、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。また、ジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基としては、例えば、メチルフェニルアミノ基等も挙げられる。
モノ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基およびジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基における炭素数1〜20のヒドロカルビル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、モノ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基、ジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基等が挙げられる。
上記一般式(I)〜一般式(VI)で表されるアミド系化合物において、炭素数1〜20のヒドロカルビルチオ基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、炭素数7〜20のアラルキルチオ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられ、炭素数6〜20のアリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられ、炭素数7〜20のアラルキルチオ基としては、例えば、ベンジルチオ基、フェネチルチオ基等が挙げられる。
炭素数1〜20のヒドロカルビルチオ基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、モノ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基、ジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基等が挙げられる。
一般式(I)で表されるアミド系化合物としては、例えば、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(メチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(エチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(n−プロピルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(イソプロピルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(n−ブチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(イソブチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(t−ブチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(n−ペンチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(n−ヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(n−ヘプチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(n−オクチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(t−オクチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(n−デシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(n−ドデシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(1−エチルプロピルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(1,1−ジメチルプロピルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(1,2−ジメチルプロピルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3−メチルブチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロプロピルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロブチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロペンチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロヘプチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロオクチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロノニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロデシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロドデシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−エチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3−エチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−t−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3−t−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−t−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,3−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,4−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,3,5−トリメチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,4,6−トリメチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,3−ジエチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,4−ジエチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,3,5−トリエチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,4−ジ−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,4,6−トリ−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,4−ジ−イソブチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,4,6−トリ−イソブチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,4−ジ−t−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,4,6−トリ−t−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチル−4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチル−4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチル−4−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチル−4−イソブチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチル−4−t−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(フェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3−メチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−メチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−エチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3−エチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−エチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−n−プロピルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3−n−プロピルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−n−プロピルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−イソプロピルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3−イソプロピルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−イソプロピルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−n−ブチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3−n−ブチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−n−ブチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−t−ブチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3−t−ブチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−t−ブチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,3−ジメチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,4−ジメチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3,4−ジメチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3,5−ジメチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2,4,6−トリメチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチル−3−エチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチル−4−エチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチル−4−n−プロピルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチル−4−イソプロピルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチル−4−n−ブチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチル−4−イソブチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチル−4−t−ブチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−フルオロフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−メチル−4−フルオロフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3,5−ジフルオロフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(ペンタフルオロフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−メトキシフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−エトキシフェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルメチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(R(−)−1−シクロヘキシルエチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(S(+)−1−シクロヘキシルエチルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(ベンジルアミド)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(1−アダマンチルアミド)等のアミド化合物が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
上記一般式(V)で表されるアミド系化合物としては、例えば、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリドデシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリオクタデシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリアニリド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−エチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−イソブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−イソブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−イソブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−t−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−t−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−t−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ペンチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ヘキシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ヘプチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−オクチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ[4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシルアミド]、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ノニルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−デシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸[シクロヘキシルジ(2−メチルシクロヘキシル)トリアミド]、1,2,3−プロパントリカルボン酸[ジシクロヘキシル(2−メチルシクロヘキシル)トリアミド]、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2,3−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2,4−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3,4−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3,5−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2,4,6−トリメチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−3−エチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4−エチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4−n−プロピルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4−イソプロピルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4−n−ブチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4−イソブチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4−t−ブチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリフェニルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−エチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−エチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−エチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−プロピルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−プロピルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−プロピルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−イソプロピルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−イソプロピルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−イソプロピルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−ブチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−ブチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ブチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−t−ブチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−t−ブチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−t−ブチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2,3−ジメチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2,4−ジメチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3,4−ジメチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3,5−ジメチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2,4,6−トリメチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−3−エチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4−エチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4−n−プロピルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4−イソプロピルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4−n−ブチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4−イソブチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4−t−ブチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−フルオロフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチル−4−フルオロフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3,5−ジフルオロフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(ペンタフルオロフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メトキシフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−エトキシフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(シクロヘキシルメチルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(R(−)−1−シクロヘキシルエチルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(S(+)−1−シクロヘキシルエチルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(ベンジルアミド)等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
上記一般式(V)で表されるアミド系化合物として、好ましくは、R29、R30およびR31が水素原子であり、R32、R33およびR34が置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基の何れかであるアミド系化合物であり、より好ましくは、R29、R30およびR31が水素原子であり、R32、R33およびR34が置換基を有していてもよいシクロヘキシル基、フェニル基または置換されたフェニル基の何れかであるアミド系化合物であり、さらに好ましくは、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2,3−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2,4−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3,4−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3,5−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2,4,6−トリメチルヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリフェニルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2,3−ジメチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2,4−ジメチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3,4−ジメチルフェニルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3,5−ジメチルフェニルアミド)または1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2,4,6−トリメチルフェニルアミド)である。
上記一般式(VI)で表されるアミド系化合物としては、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラヘキシルアミド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラドデシルアミド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラオクタデシルアミド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラアニリド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラシクロヘキシルアミド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−エチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−イソプロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−イソブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−イソブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−イソブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−t−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−t−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−t−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ペンチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ヘキシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ヘプチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−オクチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ[4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシルアミド]、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ノニルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−デシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸[ジシクロヘキシルジ(2−メチルシクロヘキシル)テトラアミド]、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2,3−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2,4−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,4−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,5−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2,4,6−トリメチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−3−エチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4−エチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4−n−プロピルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4−イソプロピルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4−n−ブチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4−イソブチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4−t−ブチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラフェニルアミド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−メチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−メチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−エチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−エチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−エチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−プロピルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−プロピルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−プロピルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−イソプロピルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−イソプロピルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−イソプロピルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−ブチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−ブチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ブチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−t−ブチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−t−ブチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−t−ブチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2,3−ジメチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2,4−ジメチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,4−ジメチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,5−ジメチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2,4,6−トリメチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−3−エチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4−エチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4−n−プロピルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4−イソプロピルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4−n−ブチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4−イソブチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4−t−ブチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−フルオロフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチル−4−フルオロフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,5−ジフルオロフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(ペンタフルオロフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−メトキシフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−エトキシフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−(トリフルオロメトキシ)フェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(シクロヘキシルメチルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(R(−)−1−シクロヘキシルエチルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(S(+)−1−シクロヘキシルエチルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(ベンジルアミド)等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
上記一般式(VI)で表されるアミド系化合物として、好ましくは、R36、R37、R38およびR39が水素原子であり、R40、R41、R42およびR43が置換基を有していてもよい炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基の何れかであるアミド系化合物であり、より好ましくは、R36、R37、R38およびR39が水素原子であり、R40、R41、R42およびR43が置換基を有していてもよいシクロヘキシル基、フェニル基または置換されたフェニル基の何れかであるアミド系化合物であり、さらに好ましくは、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラシクロヘキシルアミド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2,3−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2,4−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,4−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,5−ジメチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2,4,6−トリメチルヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラフェニルアミド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−メチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−メチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2,3−ジメチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2,4−ジメチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,4−ジメチルフェニルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3,5−ジメチルフェニルアミド)または1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2,4,6−トリメチルフェニルアミド)である。
なお、上記一般式(V)、上記一般式(VI)で表されるアミド系化合物は、所定のポリカルボン酸又はその酸無水物と1種又は2種以上のモノアミンとを、従来公知の方法(例えば、特開平7−242610号公報等)に従ってアミド化することにより容易に製造することができる。
上記一般式(I)〜一般式(VI)で表されるアミド系化合物は、本発明の効果が得られる限り特に限定されず、六方晶、単斜晶、立方晶等の任意の結晶系が使用できる。これらの結晶も公知であるか又は公知の方法に従い製造できる。
成分(C)として、好ましくは、上記一般式(I)または上記一般式(V)で表されるアミド系化合物である。
成分(C)は、成分(A)と成分(B)を含むポリプロピレン樹脂組成物に対する分散性を向上させるために、分散剤と混合して用いてもよい。分散剤としては、例えば、脂肪酸、脂肪酸のアルキルエステル、脂肪酸の金属塩、炭素数10〜30の炭化水素基で置換されたアルコール類、多価アルコールおよびそのエステル類、脂肪酸モノアミド類、脂肪酸ビスアミド類が挙げられる。
脂肪酸としては、炭素数が10〜24の脂肪酸(脂肪酸の炭化水素基の水素原子の一部がヒドロキシル基で置換されたヒドロキシ脂肪酸も含む)が挙げられ、前記脂肪酸の金属塩は、アルキル金属またはアルカリ土類金属の金属塩である。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられ、アルカリ金属としては、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等が挙げられる。また、多価アルコールおよびそのエステル類としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール、ノニトールおよびそのエステル等が挙げられ、脂肪酸モノアミド類としては、ラウリン酸モノアミド、ミリスチン酸モノアミド、パルミチン酸モノアミド、オレイン酸モノアミド、ステアリン酸モノアミド、べへン酸モノアミド、エルカ酸モノアミド、ヒドロキシパルミチン酸モノアミド、ヒドロキシステアリン酸モノアミド等が挙げられ、脂肪酸ビスアミド類としては、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスミリスチン酸アミド、エチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスべへン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド等が挙げられる。
成分(C)の形態として、好ましくは、粒子状である。成分(C)の粒子径としては、レーザー回折式粒度分布測定法で求められる体積平均粒子径として、好ましくは、0.01〜10μmであり、より好ましくは、0.01〜5μmであり、さらに好ましくは、0.01〜3μmである。また、最大粒子径として、好ましくは、50μm以下であり、より好ましくは、10μm以下である。尚、レーザー回折式粒度分布測定法とは、レーザー回折式粒度分布測定装置(Sympatec社製HELOS(商品名))を用いて粒度分布を測定する方法である。
成分(C)の体積平均粒子径を上記範囲に調整する方法としては、公知の粉砕装置を用いて微粉砕し、これを分級する方法が挙げられる。具体的には、流動層式カウンタージェットミル100AFG(商品名、ホソカワミクロン社製)や超音速ジェットミルPJM−200(商品名、日本ニューマチック社製)などを用いて微粉砕並びに分級する方法が挙げられる。
成分(C)の製造方法としては、例えば、特表2004−515592号公報、特開2009−209348号公報、特開2007−231134号公報、特開2007−063484号公報、特開平7−278374号公報に記載の方法などが挙げられる。
また、成分(C)において、市販品または米国FDA規格(Code of Federal Regulations)に収載されている公知のアミド系化合物としては、例えば、新日本理化株式会社のエヌジェスターTF−1(登録商標、化学名:N,N’,N’’−トリシクロヘキシル−1,3,5−ベンゼントリカルボキサミド、一般名:1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、CASReg.No.160535-58-0)、N,N’,N’’−トリス(2−メチルシクロヘキシル)−1,2,3−プロパントリカルボキサミド(CASReg.No.160535-46-6)、N−[3,5−ビス−(2,2−ジメチル−プロピオニルアミノ)−フェニル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミド(CASReg.No.745070-61-5)、旧チバ・ジャパン株式会社(現:BASFジャパン株式会社)のIRGACLEAR XT386(登録商標)が挙げられる。
4)ポリプロピレン樹脂組成物
本発明のポリプロピレン樹脂組成物における成分(C)の含有量は、成分(A)と成分(B)を含む樹脂組成物100重量部に対して、0.001〜5重量部であり、好ましくは、0.01〜5重量部であり、より好ましくは、0.01〜1重量部、さらに好ましくは、0.03〜0.5重量部であり、特に好ましくは、0.1〜0.3重量部である。
また、本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、成分(A)51〜99重量%、および成分(B)1〜49重量%を含むものであり、好ましくは、成分(A)60〜99重量%、および成分(B)1〜40重量%を含むものであり、より好ましくは、成分(A)70〜95重量%、および成分(B)5〜30重量%を含むものである(ただし、成分(A)と成分(B)との合計の重量を100重量%とする)。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物における成分(C)の含有量は、成分(A)と成分(B)を含む樹脂組成物100重量部に対して、0.001〜5重量部であり、好ましくは、0.01〜5重量部であり、より好ましくは、0.01〜1重量部、さらに好ましくは、0.03〜0.5重量部であり、特に好ましくは、0.1〜0.3重量部である。
また、本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、成分(A)51〜99重量%、および成分(B)1〜49重量%を含むものであり、好ましくは、成分(A)60〜99重量%、および成分(B)1〜40重量%を含むものであり、より好ましくは、成分(A)70〜95重量%、および成分(B)5〜30重量%を含むものである(ただし、成分(A)と成分(B)との合計の重量を100重量%とする)。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、測定温度230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFR)が、成形加工性という観点から、好ましくは、10〜400g/10分であり、より好ましくは、15〜300g/10分であり、さらに好ましくは、15〜150g/10分である。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、低温における耐衝撃性や外観に優れる観点から、ポリプロピレン樹脂組成物を用いて得られる成形体(フィルム、シートまたは射出成形体等)の表面に発生するフィッシュアイ(点状の突起物又はへこみ物)の個数が少ないことが好ましい。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、成分(A)、成分(B)および成分(C)の各成分の分散不良に由来するフィッシュアイを低減する目的で、例えば、ポリプロピレン樹脂組成物を、180℃以上の温度で溶融混合し、得られた溶融混合物を、フィルターを通過させて製造することができる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物の製造方法において、単位時間およびフィルターの単位面積あたりに、フィルターを通過する前記ポリプロピレン樹脂組成物の溶融物の重量は、溶融物の濾過効率を損なわない範囲で任意に決定してもよい。フィルターは1段式または多段式に、並列もしくは樹脂の通過方向に直列に設置して、使用してもよい。
また、本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、成分(A)と成分(B)と成分(C)の他に、公知の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、中和剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、加工助剤、有機系過酸化物、着色剤(無機顔料、有機顔料、顔料分散剤等)、発泡剤、発泡核剤、造核剤(ただし、成分(C)は除く。)、可塑剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、高輝度化剤、抗菌剤、光拡散剤、無機フィラー、耐傷付防止剤等が挙げられる。これらの添加剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、好ましくは、中和剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤または着色剤である。
中和剤としては、例えば、高級脂肪酸の金属塩(金属石鹸)、ハイドロタルサイト類、アルカリ土類金属の酸化物または水酸化物等が挙げられる。これらの中和剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高級脂肪酸の金属塩(金属石鹸)を構成する高級脂肪酸として、好ましくは、炭素数が10〜30の高級脂肪酸であり、より好ましくは、炭素数が12〜18の高級脂肪酸である。金属塩としては、例えば、カルシウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、リチウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等が挙げられ、好ましくは、カルシウム塩であり、より好ましくは、ステアリン酸のカルシウム塩である。
ハイドロタルサイト類は、天然鉱物であっても、合成品であってもよく、またその結晶構造、結晶粒子径、含水率等は、適宜、決定すればよい。また、必要に応じて、ハイドロタルサイト類には表面処理を行ってもよい。
ハイドロタルサイト類の中で、好ましくは、下記式で表されるハイドロタルサイトである。
MgYAl2(OH)2Y+4CO3・mH2O、またはZnYAl2(OH)2Y+4CO3・mH2O
(式中、Yは、Y≧4であり、mは正の数である。)
また、ハイドロタルサイト類として、より好ましくは下記のハイドロタルサイトである。
Mg4.5Al2(OH)13CO3・3H2O
Mg4.5Al2(OH)11(CO3)0.8・O0.2
Mg4Al2(OH)12CO3・3H2O
Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O
Zn4Al2(OH)12CO3・mH2O(mは0〜4)
Mg3ZnAl2(OH)12CO3・mH2O(mは0〜4)
MgYAl2(OH)2Y+4CO3・mH2O、またはZnYAl2(OH)2Y+4CO3・mH2O
(式中、Yは、Y≧4であり、mは正の数である。)
また、ハイドロタルサイト類として、より好ましくは下記のハイドロタルサイトである。
Mg4.5Al2(OH)13CO3・3H2O
Mg4.5Al2(OH)11(CO3)0.8・O0.2
Mg4Al2(OH)12CO3・3H2O
Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O
Zn4Al2(OH)12CO3・mH2O(mは0〜4)
Mg3ZnAl2(OH)12CO3・mH2O(mは0〜4)
アルカリ土類金属の酸化物または水酸化物とは、周期表第2族の金属原子の酸化物または水酸化物であり、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。好ましくは、水酸化カルシウムである。
中和剤の配合量は、例えば、ポリプロピレン樹脂組成物100重量部に対して、0.001〜0.5重量部であり、好ましくは、0.005〜0.2重量部であり、より好ましくは、0.01〜0.2重量部である。
また、前記高級脂肪酸の金属塩(金属石鹸)は、成分(C)のポリプロピレン樹脂組成物中の分散性を改善する目的や、着色に用いる顔料の分散剤として用いることもできる。
この場合のポリプロピレン樹脂組成物100重量部に対する配合量として、好ましくは、0.05〜5重量部であり、より好ましくは、0.05〜2重量部であり、さらに好ましくは、0.1〜1重量部である。
この場合のポリプロピレン樹脂組成物100重量部に対する配合量として、好ましくは、0.05〜5重量部であり、より好ましくは、0.05〜2重量部であり、さらに好ましくは、0.1〜1重量部である。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン系酸化防止剤、金属不活性化剤等が挙げられ、好ましくは、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤または硫黄系酸化防止剤である。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオビス−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トコフェロール類等が挙げられる。
ポリプロピレン樹脂組成物の加工安定性、耐熱劣化安定性(サービススタビリティ)の観点から、フェノール系酸化防止剤として、好ましくは、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、または3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンである。
フェノール系酸化防止剤の配合量は、ポリプロピレン樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは、0.01〜2重量部であり、より好ましくは、0.01〜1重量部であり、さらに好ましくは、0.01〜0.5重量部である。
リン系酸化防止剤としては、例えば、ポリプロピレン樹脂組成物の加工安定性の観点から、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン等が挙げられる。
リン系酸化防止剤の配合量は、ポリプロピレン樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは、0.01〜2重量部であり、より好ましくは、0.01〜1重量部であり、さらに好ましくは、0.01〜0.5重量部である。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ポリプロピレン樹脂組成物の耐熱老化性の観点から、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ネオペンタンテトライルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキル(C12〜C14)チオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィドである。なお、C12は炭素数12個、C14は炭素数14個を表す。
硫黄系酸化防止剤の配合量は、ポリプロピレン樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは、0.01〜2重量部であり、より好ましくは、0.01〜1重量部であり、さらに好ましくは、0.01〜0.5重量部である。
紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ミリスチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ラウリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、パルミチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ベヘニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、モンタニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、4−t−オクチルフェニルサリシレート、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
色相に優れるポリプロピレン樹脂組成物が得られるということから、紫外線吸収剤として、好ましくは、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ラウリル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、パルミチル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ステアリル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートまたはベヘニル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートである。
光安定剤としては、低分子量体、オリゴマー型高分子量体のいずれの光安定剤を使用してもよく、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートおよびメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートを含有する混合物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと高級脂肪酸のエステル混合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタ−メチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重縮合物、ポリ[{(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}}、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ミックスト{1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオクスアスピロ(5,5)ウンデカン]ジメチル}−1,2,3,4ブタンテトラカルボキシレート等が挙げられる。
光安定性に優れるポリプロピレン樹脂組成物が得られるということから、光安定剤として、好ましくは、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物、テトラキス(2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタ−メチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重縮合物、ポリ[{(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}}である。
光安定剤の配合量は、ポリプロピレン樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは、0.01〜2重量部であり、より好ましくは、0.01〜1重量部であり、さらに好ましくは、0.01〜0.5重量部である。
着色剤としては、無機顔料や有機顔料が挙げられる。無機顔料としては、例えば、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛や、弁柄、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、群青、コバルトブルー、チタンイエロー、鉛白、鉛丹、鉛黄、紺青等が挙げられ、有機顔料としては、例えば、キナクリドン、ポリアゾイエロー、アンスラキノンイエロー、ポリアゾレッド、アゾレーキイエロー、ペリレン、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー、イソインドリノンイエロー等が挙げられる。これらの着色剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、顔料を樹脂組成物中に分散させる目的で、顔料と顔料分散剤(前記高級脂肪酸の金属塩(金属石鹸)等)を併用してもよい。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、成分(A)と成分(B)以外の他の樹脂やゴムを含有してもよく、例えば、プロピレン単独重合体、ポリスチレン類(例えばポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂)、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合)樹脂、AAS(特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂、ACS(アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合)樹脂、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール、グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂及びポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレートプリポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ブタジエン共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、天然ゴム等が挙げられる。
また、本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、バイオ原料から抽出された植物由来のモノマーを重合して製造される重合体を含有してもよい。例えば、PLA樹脂(ポリ乳酸)、PBT樹脂などが挙げられる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、充填剤を含有してもよく、例えば、無機充填材、有機充填材が挙げられ、無機充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、マイカ、クレイ、ウィスカ、塩基性硫酸マグネシウム等が挙げられる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物としては、引張強度と低温における耐衝撃性のバランスの観点から、厚さ1mmの成形シートで測定される曇り度において、75%より大きい曇り度を示すのが好ましい。この成形シートの製造条件は、一般的に行われる成形加工法で用いられる条件であり、ポリプロピレン樹脂組成物の溶融温度が220〜240℃の範囲であり、冷却温度(チルロール温度、冷却水槽温度または金型設定温度)が20〜60℃の範囲であり、冷却時間が0.5〜5分間の範囲において成形加工されたものである。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物と、それに添加した添加剤、他の樹脂、ゴム等は、公知の方法によって180℃以上、好ましくは、180〜300℃、より好ましくは、180〜250℃で溶融混合することができ、溶融混練には、例えば、押出機(混練機)、バンバリーミキサー等の溶融混練装置を使用することができる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物の製造方法で用いられる溶融混練装置としては、公知の溶融混練装置が挙げられ、例えば、単軸押出機、二軸同方向回転押出機(WernwPfleideren製ZSK(登録商標)や東芝機械(株)製TEM(登録商標)、日本製鋼所(株)製TEX(登録商標)、(株)テクノベル製KZW(登録商標)等)、二軸異方向回転押出機(日本製鋼所(株)製CMP(登録商標)、神戸製鋼所(株)製FCM(登録商標)、NCM(登録商標)、LCM(登録商標)等)が挙げられる。
成分(C)を配合する方法としては、成分(A)および成分(B)を含む樹脂組成物と、成分(C)とを直接配合する方法(方法(1)とする。)、成分(A)および/または成分(B)を含む樹脂組成物と、前記樹脂組成物100重量部に対して、1〜100重量部、好ましくは、1〜50重量部、より好ましくは、5〜30重量部の成分(C)とを含む樹脂組成物マスターバッチをあらかじめ用意し、成分(A)および成分(B)を含む樹脂組成物に前記マスターバッチを配合する方法(方法(2)とする。)、前記の添加剤(少なくとも1種)と、前記の添加剤100重量部に対して、10〜900重量部、好ましくは、10〜500重量部、より好ましくは、20〜200重量部の成分(C)とを混合し、これを顆粒状に固形化した顆粒物をあらかじめ用意し、成分(A)と成分(B)を含む樹脂組成物に、前記顆粒物を配合する方法(方法(3)とする。)が挙げられる。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物の形状としては、例えば、ストランド状、シート状、平板状、ストランドを適当な長さに裁断したペレット状等が挙げられる。本発明のポリプロピレン樹脂組成物を成形加工するためには、得られる成形体の生産安定性の観点から、形状として好ましくは、長さが1〜50mmのペレット状である。
本発明の成形体は、本発明のポリプロピレン樹脂組成物を各種成形方法によって、成形加工して得られる成形体であり、成形体の形状やサイズ等は、適宜、決定すればよい。
本発明の成形体の製造方法としては、例えば、通常工業的に用いられている射出成形法、プレス成形法、真空成形法、発泡成形法、押出成形法等が挙げられ、また、目的に応じて、本発明のポリプロピレン樹脂組成物と同種の樹脂や他の樹脂と貼合する成形方法、共押出成形する方法等も挙げられる。
本発明の成形体として、好ましくは、射出成形法により製造した射出成形体である。射出成形法としては、例えば、一般的な射出成形法、射出発泡成形法、超臨界射出発泡成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、ガスアシスト射出成形法、サンドイッチ成形法、サンドイッチ発泡成形法、インサート・アウトサート成形法等の方法が挙げられる。
本発明の成形体の製造条件は、前記成形加工法で用いられる諸条件である。例えば、成形加工機に付帯する樹脂の可塑化装置(例えば押出機、射出成形機)におけるポリプロピレン樹脂組成物の溶融温度は、通常、180〜300℃の範囲であり、好ましくは、190〜270℃であり、より好ましくは、190〜250℃である。また、冷却温度は、押出成形法の場合には、冷却ロールの設定温度や冷却水槽の水温設定温度が3℃〜80℃の範囲であり、好ましくは、10〜60℃の範囲である。また、射出成形法、プレス成形法、真空成形法、発泡成形法等の金型を用いて成形体を製造する方法では、金型設定温度が、通常、3〜130℃の範囲であり、好ましくは、10〜60℃である。なお、冷却時間は、適宜、決定すればよい。
本発明の成形体の用途としては、例えば、自動車材料、家電材料、モニター用材料、OA機器材料、医療用材料、排水パン、トイレタリー材料、ボトル、コンテナー、シート、フィルム、建材等が挙げられる。
自動車材料としては、例えば、ドアートリム、ピラー、インストルメンタルパネル、コンソール、ロッカーパネル、アームレスト、ドアーパネル、スペアタイヤカバー等の内装部品等、および、バンパー、スポイラー、フェンダー、サイドステップ等の外装部品、その他エアインテークダクト、クーラントリザーブタンク、フェンダーライナー、ファン、アンダーデフレクター等の部品、また、フロント・エンドパネル等の一体成形部品等が挙げられる。
家電材料としては、例えば、洗濯機用材料(外槽、内槽、蓋、パルセータ、バランサー等)、乾燥機用材料、掃除機用材料、炊飯器用材料、ポット用材料、保温機用材料、食器洗浄機用材料、空気清浄機用材料等が挙げられる。
以下、実施例および比較例によって本発明を説明する。実施例および比較例で使用したプロピレン系重合体、プロピレン単独重合体、エチレン系重合体、アミド系化合物からなる造核剤、他の造核剤および添加剤を下記に示した。
(1)プロピレン系重合体(成分(A))
(1−1)プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−エチレン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物(成分(A−1))
成分(A−1)は、特開2004−182981号公報の実施例1記載の方法によって得られる重合触媒(固体触媒成分)を用いて、下記物性のプロピレン系重合体の混合物が得られるような条件で液相−気相重合法によって製造した。
(1−1)プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−エチレン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物(成分(A−1))
成分(A−1)は、特開2004−182981号公報の実施例1記載の方法によって得られる重合触媒(固体触媒成分)を用いて、下記物性のプロピレン系重合体の混合物が得られるような条件で液相−気相重合法によって製造した。
[成分(A−1)の組成と特性]
成分(A−1)のMFRA(230℃、2.16kg荷重):26g/10分
成分(A−1)のエチレン含量:7.4重量%
成分(A−1)の極限粘度([η]total):1.4dl/g
[η]II/[η]I=2.52
前段の重合工程により製造される重合体成分:プロピレン単独重合体成分
前段の重合工程により製造される重合体成分の含有量:80重量%
前段の重合工程により製造される重合体成分のアイソタクチック・ペンタッド分率:0.983
前段の重合工程により製造される重合体成分の極限粘度([η]I):1.07dl/g
後段の重合工程により製造される重合体成分:プロピレン−エチレン共重合体成分
後段の重合工程により製造される重合体成分の含有量:20重量%
後段の重合工程により製造される重合体成分のエチレン含有量:37重量%
後段の重合工程により製造される重合体成分の極限粘度([η]II):2.7dl/g
成分(A−1)のMFRA(230℃、2.16kg荷重):26g/10分
成分(A−1)のエチレン含量:7.4重量%
成分(A−1)の極限粘度([η]total):1.4dl/g
[η]II/[η]I=2.52
前段の重合工程により製造される重合体成分:プロピレン単独重合体成分
前段の重合工程により製造される重合体成分の含有量:80重量%
前段の重合工程により製造される重合体成分のアイソタクチック・ペンタッド分率:0.983
前段の重合工程により製造される重合体成分の極限粘度([η]I):1.07dl/g
後段の重合工程により製造される重合体成分:プロピレン−エチレン共重合体成分
後段の重合工程により製造される重合体成分の含有量:20重量%
後段の重合工程により製造される重合体成分のエチレン含有量:37重量%
後段の重合工程により製造される重合体成分の極限粘度([η]II):2.7dl/g
(2)プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−エチレン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物(成分(X−1))
成分(X−1)は、特開2004−182981号公報の実施例1記載の方法によって得られる重合触媒(固体触媒成分)を用いて、下記物性のプロピレン系重合体の混合物が得られるような条件で液相−気相重合法によって製造した。
[成分(X−1)の組成と特性]
成分(X−1)のMFR(230℃、2.16kg荷重):9.4g/10分
成分(X−1)のエチレン含有量:5.6重量%
成分(X−1)の極限粘度([η]total):1.6dl/g
[η]II/[η]I=2.07
前段の重合工程により製造される重合体成分:プロピレン単独重合体成分
前段の重合工程により製造される重合体成分の含有量:86重量%
前段の重合工程により製造される重合体成分のアイソタクチック・ペンタッド分率:0.983
前段の重合工程により製造される重合体成分の極限粘度([η]I):1.4dl/g
後段の重合工程により製造される重合体成分:プロピレン−エチレン共重合体成分
後段の重合工程により製造される重合体成分の含有量:14重量%
後段の重合工程により製造される重合体成分のエチレン含有量:40重量%
後段の重合工程により製造される重合体成分の極限粘度([η]II):2.9dl/g
成分(X−1)は、特開2004−182981号公報の実施例1記載の方法によって得られる重合触媒(固体触媒成分)を用いて、下記物性のプロピレン系重合体の混合物が得られるような条件で液相−気相重合法によって製造した。
[成分(X−1)の組成と特性]
成分(X−1)のMFR(230℃、2.16kg荷重):9.4g/10分
成分(X−1)のエチレン含有量:5.6重量%
成分(X−1)の極限粘度([η]total):1.6dl/g
[η]II/[η]I=2.07
前段の重合工程により製造される重合体成分:プロピレン単独重合体成分
前段の重合工程により製造される重合体成分の含有量:86重量%
前段の重合工程により製造される重合体成分のアイソタクチック・ペンタッド分率:0.983
前段の重合工程により製造される重合体成分の極限粘度([η]I):1.4dl/g
後段の重合工程により製造される重合体成分:プロピレン−エチレン共重合体成分
後段の重合工程により製造される重合体成分の含有量:14重量%
後段の重合工程により製造される重合体成分のエチレン含有量:40重量%
後段の重合工程により製造される重合体成分の極限粘度([η]II):2.9dl/g
(3)プロピレン単独重合体(成分(X−2))
成分(X−2)のMFR(230℃、2.16kg荷重):17g/10分
成分(X−2)の極限粘度([η]):1.34dl/g
成分(X−2)の融解温度(Tm):162℃
成分(X−2)のMFR(230℃、2.16kg荷重):17g/10分
成分(X−2)の極限粘度([η]):1.34dl/g
成分(X−2)の融解温度(Tm):162℃
(4)エチレン系重合体(成分(B))
(4−1)エチレン−1−オクテン共重合体エラストマー(登録商標:ENGAGE EG8100(ダウ・ケミカル日本(株)製))(成分(B−1))
成分(B−1)の密度:0.87(g/cm3)
成分(B−1)のMFRB(190℃、2.16kg荷重):1g/10分
成分(B−1)のα−オレフィン:1−オクテン
成分(B−1)のα−オレフィンの含有量:34.0重量%(11.4mol%)
成分(B−1)の融解温度(Tm):50.5℃
(4−1)エチレン−1−オクテン共重合体エラストマー(登録商標:ENGAGE EG8100(ダウ・ケミカル日本(株)製))(成分(B−1))
成分(B−1)の密度:0.87(g/cm3)
成分(B−1)のMFRB(190℃、2.16kg荷重):1g/10分
成分(B−1)のα−オレフィン:1−オクテン
成分(B−1)のα−オレフィンの含有量:34.0重量%(11.4mol%)
成分(B−1)の融解温度(Tm):50.5℃
(5)高密度ポリエチレン(エチレン単独重合体、京葉ポリエチレン(株)製)(成分(Y−1))
成分(Y−1)の密度:0.960(g/cm3)
成分(Y−1)のMFRB(190℃、2.16kg荷重):16g/10分
成分(Y−1)の極限粘度([η]):1.04dl/g
成分(Y−1)のα−オレフィンの含有量:含有せず
成分(Y−1)の融解温度(Tm):130.6℃
成分(Y−1)の密度:0.960(g/cm3)
成分(Y−1)のMFRB(190℃、2.16kg荷重):16g/10分
成分(Y−1)の極限粘度([η]):1.04dl/g
成分(Y−1)のα−オレフィンの含有量:含有せず
成分(Y−1)の融解温度(Tm):130.6℃
(6)アミド系化合物からなる造核剤(成分(C))
(6−1)登録商標:エヌジェスターTF−1(新日本理化(株)製)(成分(C−1))
成分(C−1)の化合物名:N,N’,N’’−トリシクロヘキシル−1,3,5−ベンゼントリカルボキサミド(一般名:1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、CASReg.NO.:160535−58−0)
成分(C−1)の化学構造式:
成分(C−1)の体積平均粒子径:1.6μm(体積平均粒子径はレーザー回折式の粒度分布測定器(Sympatec社製HELOS(商品名))を用いて測定した。)
(6−1)登録商標:エヌジェスターTF−1(新日本理化(株)製)(成分(C−1))
成分(C−1)の化合物名:N,N’,N’’−トリシクロヘキシル−1,3,5−ベンゼントリカルボキサミド(一般名:1,3,5−ベンゼントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、CASReg.NO.:160535−58−0)
成分(C−1)の化学構造式:
成分(C−1)の体積平均粒子径:1.6μm(体積平均粒子径はレーザー回折式の粒度分布測定器(Sympatec社製HELOS(商品名))を用いて測定した。)
(7)他の造核剤(成分(Z))
(7−1)登録商標:Hyperform HPN−68L(ミリケン・ジャパン(株
)製)(成分(Z−1))
成分(Z−1)に含まれる主成分の化合物名:ジナトリウム=(1R,2R,3S,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシラート(80重量%含有)
成分(Z−1)に含まれる主成分の化学構造式:
成分(Z−1)の体積平均粒子径:2.0μm(体積平均粒子径はレーザー回折式の粒度分布測定器(Sympatec社製HELOS(商品名))を用いて測定した。)
(7−1)登録商標:Hyperform HPN−68L(ミリケン・ジャパン(株
)製)(成分(Z−1))
成分(Z−1)に含まれる主成分の化合物名:ジナトリウム=(1R,2R,3S,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシラート(80重量%含有)
成分(Z−1)に含まれる主成分の化学構造式:
成分(Z−1)の体積平均粒子径:2.0μm(体積平均粒子径はレーザー回折式の粒度分布測定器(Sympatec社製HELOS(商品名))を用いて測定した。)
(7−2)登録商標:AL−PTBBA(共同薬品(株)製)(成分(Z−2))
成分(Z−2)の化合物名:ヒドロキシ−ジ(p−tert−ブチル安息香酸)アルミニウム
成分(Z−2)の化学構造式:
成分(Z−2)の体積平均粒子径:1.6μm(体積平均粒子径はレーザー回折式の粒度分布測定器(Sympatec社製HELOS(商品名))を用いて測定した。)
成分(Z−2)の化合物名:ヒドロキシ−ジ(p−tert−ブチル安息香酸)アルミニウム
成分(Z−2)の化学構造式:
成分(Z−2)の体積平均粒子径:1.6μm(体積平均粒子径はレーザー回折式の粒度分布測定器(Sympatec社製HELOS(商品名))を用いて測定した。)
(8)添加剤(成分(E))
(8−1)カルシウムステアレート(共同薬品(株)製、中和剤)(成分(E−1))
(8−1)カルシウムステアレート(共同薬品(株)製、中和剤)(成分(E−1))
(8−2)登録商標:スミライザーGA80(住友化学(株)製、酸化防止剤)(成分(E−2))
成分(E−2)の化合物名:3,9−ビス[2−(3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン
成分(E−2)の化合物名:3,9−ビス[2−(3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン
(8−3)登録商標:SONGNOX6260(松原産業(株)製、酸化防止剤)(成分(E−3))
成分(E−3)の化合物:ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
成分(E−3)の化合物:ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
(9)フィルター
フィルターとしては、登録商標:ファインポアNF15N(日本精線株式会社製、焼結金網フィルター、濾過精度:100μm)を使用した。
フィルターとしては、登録商標:ファインポアNF15N(日本精線株式会社製、焼結金網フィルター、濾過精度:100μm)を使用した。
プロピレン系重合体(成分(A))、エチレン系重合体(成分(B))およびポリプロピレン樹脂組成物の物性は下記に示した方法に従って測定した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS−K−7210−1999に規定された方法に従って測定した。
プロピレン系重合体(成分(A)):測定温度は230℃で、荷重は2.16kg
エチレン系重合体(成分(B)):測定温度は190℃で、荷重は2.16kg
ポリプロピレン樹脂組成物:測定温度は230℃で、荷重は2.16kg
なお、メルトフローレートは溶融した前記重合体およびポリプロピレン樹脂組成物の流動性の指標であり、この数値が高いほど成形加工性に優れることを示す。
JIS−K−7210−1999に規定された方法に従って測定した。
プロピレン系重合体(成分(A)):測定温度は230℃で、荷重は2.16kg
エチレン系重合体(成分(B)):測定温度は190℃で、荷重は2.16kg
ポリプロピレン樹脂組成物:測定温度は230℃で、荷重は2.16kg
なお、メルトフローレートは溶融した前記重合体およびポリプロピレン樹脂組成物の流動性の指標であり、この数値が高いほど成形加工性に優れることを示す。
(2)密度(単位:g/cm3)
JIS−K7112−1999に規定された方法に従って測定した。
JIS−K7112−1999に規定された方法に従って測定した。
(3)融解温度(Tm、単位:℃)
JIS−K−7121−1987に規定された方法に従って測定した。詳しくは、示差走査熱量測定法(DSC)によって測定した。尚、融解温度の測定は、試料が融解する温度の50℃以上の温度で一度完全に融解させ、その後、1分間に5℃の降温速度で冷却して試料が結晶化する温度よりも低い温度まで冷却した後(プロピレン系重合体(成分(A))では23℃、エチレン系重合体(成分(B))では−20℃)、1分間に5℃の昇温速度で測定される際に観測される吸熱曲線のピークの温度とした。
JIS−K−7121−1987に規定された方法に従って測定した。詳しくは、示差走査熱量測定法(DSC)によって測定した。尚、融解温度の測定は、試料が融解する温度の50℃以上の温度で一度完全に融解させ、その後、1分間に5℃の降温速度で冷却して試料が結晶化する温度よりも低い温度まで冷却した後(プロピレン系重合体(成分(A))では23℃、エチレン系重合体(成分(B))では−20℃)、1分間に5℃の昇温速度で測定される際に観測される吸熱曲線のピークの温度とした。
(4)極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定した。尚、試料は、製品ペレットまたはパウダーいずれでも用いられる。
プロピレン系重合体の混合物における重合体成分(I)を測定する場合は、前段の重合工程により製造される重合体成分の一部を抜き出した重合体パウダーを用いて測定し、これの極限粘度を[η]Iとした。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定した。尚、試料は、製品ペレットまたはパウダーいずれでも用いられる。
プロピレン系重合体の混合物における重合体成分(I)を測定する場合は、前段の重合工程により製造される重合体成分の一部を抜き出した重合体パウダーを用いて測定し、これの極限粘度を[η]Iとした。
(5)重合体成分(I)及び重合体成分(II)の割合、極限粘度([η]Total、[η]I、[η]II)の測定および算出
前段の重合工程で得た重合体成分(I)の極限粘度([η]I)、後段の重合工程後の最終重合体(成分(I)と成分(II)の合計)の前記(4)の方法で測定した極限粘度([η]Total)、最終重合体に含有される重合体成分(II)の含有量(重量比)から、後段の重合工程で重合された重合体成分(II)の極限粘度[η]IIを、下記式から計算して求めた。
[η]II=([η]Total−[η]I×XI)/XII
[η]Total:後段の重合工程後の最終重合体の極限粘度(dl/g)
[η]I:前段の重合工程で得た重合体成分(I)の極限粘度(dl/g)
XI:前段の重合工程で重合された成分(I)の重量比
XII:後段の重合工程で重合された成分(II)の重量比
尚、XI、XIIは重合時の物質収支から求めた。
前段の重合工程で得た重合体成分(I)の極限粘度([η]I)、後段の重合工程後の最終重合体(成分(I)と成分(II)の合計)の前記(4)の方法で測定した極限粘度([η]Total)、最終重合体に含有される重合体成分(II)の含有量(重量比)から、後段の重合工程で重合された重合体成分(II)の極限粘度[η]IIを、下記式から計算して求めた。
[η]II=([η]Total−[η]I×XI)/XII
[η]Total:後段の重合工程後の最終重合体の極限粘度(dl/g)
[η]I:前段の重合工程で得た重合体成分(I)の極限粘度(dl/g)
XI:前段の重合工程で重合された成分(I)の重量比
XII:後段の重合工程で重合された成分(II)の重量比
尚、XI、XIIは重合時の物質収支から求めた。
(6)プロピレン系重合体(成分(A))、エチレン系重合体(成分(B))中のエチレン、α−オレフィンの含有量(重量%)の測定
13C−NMR法を用いて測定した。詳しくは、「新版高分子分析ハンドブック」(日本化学会、高分子分析研究懇談会編紀伊国屋書店(1995))に記載されているNMR法(核磁気共鳴法)を用いて測定した。なお、エチレン系重合体(成分(B))中のα−オレフィンの含有量を求めるための13C−NMRの検出ピークの帰属は、文献「James.C.Randall,J.Macromol.Sci.,Rev.Macromol.Chem.Phs.,C29(2ε3),29,201−317(1989)」を参考に行った。
13C−NMR法を用いて測定した。詳しくは、「新版高分子分析ハンドブック」(日本化学会、高分子分析研究懇談会編紀伊国屋書店(1995))に記載されているNMR法(核磁気共鳴法)を用いて測定した。なお、エチレン系重合体(成分(B))中のα−オレフィンの含有量を求めるための13C−NMRの検出ピークの帰属は、文献「James.C.Randall,J.Macromol.Sci.,Rev.Macromol.Chem.Phs.,C29(2ε3),29,201−317(1989)」を参考に行った。
(7)プロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−エチレン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物におけるプロピレン−エチレン共重合体成分(重合体成分(II))の含有量(単位:重量%)及びプロピレン−エチレン共重合体成分(重合体成分(II))中のエチレン含有量(単位:重量%)の算出
下記の条件で測定した13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules 1982年,第15巻,第1150〜1152頁)に基づいて求めた。
10mmΦの試験管中で約200mgのプロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−エチレン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物を3mlの混合溶媒(オルトジクロロベンゼン/重オルトクロロベンゼン=4/1(容積比))に均一に溶解させて試料を調整し、その試料の13C−NMRスペクトルを下記の条件下で測定した。測定は、日本電子社製JNM−EX270を用いて行った。
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:10秒
パルス幅:45°
積算回数:2500回
下記の条件で測定した13C−NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules 1982年,第15巻,第1150〜1152頁)に基づいて求めた。
10mmΦの試験管中で約200mgのプロピレン単独重合体成分、およびプロピレン−エチレン共重合体成分からなるプロピレン系重合体の混合物を3mlの混合溶媒(オルトジクロロベンゼン/重オルトクロロベンゼン=4/1(容積比))に均一に溶解させて試料を調整し、その試料の13C−NMRスペクトルを下記の条件下で測定した。測定は、日本電子社製JNM−EX270を用いて行った。
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:10秒
パルス幅:45°
積算回数:2500回
なお、プロピレン系重合体(成分(A))が、プロピレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体の場合には、炭素数4〜10のα−オレフィンの含有量は、13C−NMRスペクトルから、プロピレン系重合体(成分(A))の全体の炭素数4〜10のα−オレフィンの含有量を算出することによって求められる。また、プロピレン系重合体(成分(A))が、プロピレン、エチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体の場合であっても、前記の方法と同様にエチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンの含有量を求められる。
また、プロピレン系重合体(成分(A))が、重合体成分(I)、および重合体成分(II)からなるプロピレン系重合体の混合物の場合には、該混合物の全体の炭素数4〜10のα−オレフィンの含有量と、重合体成分(II)の含有量(重量%で表される。但し、該混合物の全重量を100重量%とする。)を基に、重合体成分(II)に含まれる炭素数4〜10のα−オレフィンの含有量を求めることができる。
また、重合体成分(I)と重合体成分(II)の何れも同一の炭素数4〜10のα−オレフィンを含有する場合には、重合体成分(I)と重合体成分(II)の各々の炭素数4〜10のα−オレフィンの含有量は、まず、重合体成分(I)に含有する炭素数4〜10のα−オレフィンの含有量をあらかじめ求めておき、ついで、重合体成分(I)、および重合体成分(II)からなるプロピレン系重合体の混合物の全体の炭素数4〜10のα−オレフィンの含有量を求めて、重合体成分(I)と重合体成分(II)の含有量の組成比を基に、算出することによって求められる。
(8)アイソタクチック・ペンタッド分率(mmmm分率)
プロピレン系重合体(成分(A))について測定を行った。尚、プロピレン系重合体(成分(A))が重合体成分(I)、および重合体成分(II)からなるプロピレン系重合体の混合物の場合には、重合体成分(I)(第一段階の重合槽からサンプリングしたパウダー)について測定を行った。
NMR吸収ピークの帰属に関しては、Macromolecules,第8巻,第687頁(1975年)に基づいて行った。具体的には13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測定した。なお、測定はBRUKER社製AM400を用いて行った。
プロピレン系重合体(成分(A))について測定を行った。尚、プロピレン系重合体(成分(A))が重合体成分(I)、および重合体成分(II)からなるプロピレン系重合体の混合物の場合には、重合体成分(I)(第一段階の重合槽からサンプリングしたパウダー)について測定を行った。
NMR吸収ピークの帰属に関しては、Macromolecules,第8巻,第687頁(1975年)に基づいて行った。具体的には13C−NMRスペクトルのメチル炭素領域の全吸収ピーク中のmmmmピークの面積分率としてアイソタクチック・ペンタッド分率を測定した。なお、測定はBRUKER社製AM400を用いて行った。
(9)引張試験
ASTM D638に規定された方法に従って測定した。射出成形によって得られた厚さが2mmである試験片を用いて測定した。引張り速度は50mm/分であり、引張降伏強度(単位:MPa)を評価した。測定温度は23℃で行った。
ASTM D638に規定された方法に従って測定した。射出成形によって得られた厚さが2mmである試験片を用いて測定した。引張り速度は50mm/分であり、引張降伏強度(単位:MPa)を評価した。測定温度は23℃で行った。
(10)アイゾッド衝撃強度(単位:KJ/m2)
JIS−K−7110に規定された方法に従って、測定した。射出成形によって得られた厚さが4mmであり、成形の後にノッチ加工された、ノッチ付きの試験片を用いて、測定温度は−20℃で行った。
JIS−K−7110に規定された方法に従って、測定した。射出成形によって得られた厚さが4mmであり、成形の後にノッチ加工された、ノッチ付きの試験片を用いて、測定温度は−20℃で行った。
(11)曇り度(%)
JIS−K−7105−1981に規定された「プラスチックの光学的特性試験方法」に従って測定した。詳しくは、熱プレス成形法および射出成形法によって得られた厚さが1mmであるシートを用いて、株式会社東洋精機製作所製のDIRECT READING HAZEMETERを用いて曇り度(ヘーズ)を測定した。測定温度は23℃で行った。
JIS−K−7105−1981に規定された「プラスチックの光学的特性試験方法」に従って測定した。詳しくは、熱プレス成形法および射出成形法によって得られた厚さが1mmであるシートを用いて、株式会社東洋精機製作所製のDIRECT READING HAZEMETERを用いて曇り度(ヘーズ)を測定した。測定温度は23℃で行った。
(12)成形体の作製
上記(9)、(10)および(11)の物性特性評価用の成形体(試験片)は下記の方法に従い作製した。
[(9)および(10)の物性評価用試験片の作製]
TOYO SI30III型 射出成形機(東洋機械金属(株)製)を用い、成形温度:230℃、金型温度:50℃で射出成形を行い、機械物性評価用試験片を作製した。尚、試験片は引張測定用試験片(厚さ:2mm)、アイゾッド試験用試験片(厚さ:4mm)である。
[(11)の曇り度測定用試験片の作製]
1)熱プレス成形法による試験片の作製
圧縮プレス成形機を用い、ポリプロピレン樹脂組成物のペレットをSUS製の金型枠内(縦:150mm、横:150mm)で厚さ0.1mmのアルミニウム板(2枚)に挟み、成形温度:230℃、圧力:0MPaの条件を維持しながら5分間溶融させた。その後、成形温度:230℃、圧力:5MPaの条件を維持しながら溶融状態を保持した。ついで、金型温度:30℃、圧力:5MPaを維持しながら5分間圧縮成形を行って、厚さ:1mmのシートを得た。このシートを温度:23±2℃、相対湿度:25±5%の環境で48時間以上の状態調整を行った後に、縦幅:35mm、横幅:40mmの形状に裁断して曇り度測定用試験片を作製した。
2)射出成形法による試験片の作製
TOYO SI30III型 射出成形機(東洋機械金属(株)製)を用い、成形温度:230℃、金型温度:50℃で射出成形を行い、曇り度(ヘーズ)測定用試験片(縦幅:48mm、横幅:48mm、厚さ:1mm)を作製した。
上記(9)、(10)および(11)の物性特性評価用の成形体(試験片)は下記の方法に従い作製した。
[(9)および(10)の物性評価用試験片の作製]
TOYO SI30III型 射出成形機(東洋機械金属(株)製)を用い、成形温度:230℃、金型温度:50℃で射出成形を行い、機械物性評価用試験片を作製した。尚、試験片は引張測定用試験片(厚さ:2mm)、アイゾッド試験用試験片(厚さ:4mm)である。
[(11)の曇り度測定用試験片の作製]
1)熱プレス成形法による試験片の作製
圧縮プレス成形機を用い、ポリプロピレン樹脂組成物のペレットをSUS製の金型枠内(縦:150mm、横:150mm)で厚さ0.1mmのアルミニウム板(2枚)に挟み、成形温度:230℃、圧力:0MPaの条件を維持しながら5分間溶融させた。その後、成形温度:230℃、圧力:5MPaの条件を維持しながら溶融状態を保持した。ついで、金型温度:30℃、圧力:5MPaを維持しながら5分間圧縮成形を行って、厚さ:1mmのシートを得た。このシートを温度:23±2℃、相対湿度:25±5%の環境で48時間以上の状態調整を行った後に、縦幅:35mm、横幅:40mmの形状に裁断して曇り度測定用試験片を作製した。
2)射出成形法による試験片の作製
TOYO SI30III型 射出成形機(東洋機械金属(株)製)を用い、成形温度:230℃、金型温度:50℃で射出成形を行い、曇り度(ヘーズ)測定用試験片(縦幅:48mm、横幅:48mm、厚さ:1mm)を作製した。
[実施例1]
1.成分(A−1)の製造
(1)前段の重合工程
プロピレンで十分置換されたSUS製液相重合反応器に、トリエチルアルミニウム及びシクロヘキシルエチルジメトキシシランを供給した。該反応器の内温を65〜75℃に調整し、該反応器の内圧(ゲージ圧力)をプロピレン及び水素で4.5MPaに調整し、特開2004−182981号公報の実施例1に記載された方法で合成した固体触媒成分を該反応器に連続供給して、液相中でプロピレンを単独重合させた。生成したプロピレン単独重合体を、後続の、3槽で構成される気相重合反応器の第一槽へ連続的に移送した。
気相重合反応器の第一槽の重合温度:80℃および重合圧力(ゲージ圧力):2.1MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(7モル%)を一定に保つように水素を供給しつつ、前記の液相重合反応器から連続的に移送されたプロピレン単独重合体の存在下、気相中でプロピレンを単独重合させた。第一槽中のプロピレン単独重合体を、次の第二槽へ断続的に移送した。
気相重合反応器の第二槽の重合温度:80℃および重合圧力(ゲージ圧力):1.7MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(7モル%)を一定に保つように水素を供給しつつ、第一槽から断続的に移送されたプロピレン単独重合体の存在下、気相中でプロピレンを単独重合させて、実質上、第一槽から移送されたプロピレン単独重合体と、第二槽で生成したプロピレン単独重合体との混合物である重合体成分(I)を製造した。第二槽からサンプリングした重合体成分(I)の極限粘度([η]I)は1.07dl/gであり、アイソタクチック・ペンタッド分率は0.983であった。この重合体成分(I)の全量を、次の第三槽へ断続的に移送した。
1.成分(A−1)の製造
(1)前段の重合工程
プロピレンで十分置換されたSUS製液相重合反応器に、トリエチルアルミニウム及びシクロヘキシルエチルジメトキシシランを供給した。該反応器の内温を65〜75℃に調整し、該反応器の内圧(ゲージ圧力)をプロピレン及び水素で4.5MPaに調整し、特開2004−182981号公報の実施例1に記載された方法で合成した固体触媒成分を該反応器に連続供給して、液相中でプロピレンを単独重合させた。生成したプロピレン単独重合体を、後続の、3槽で構成される気相重合反応器の第一槽へ連続的に移送した。
気相重合反応器の第一槽の重合温度:80℃および重合圧力(ゲージ圧力):2.1MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(7モル%)を一定に保つように水素を供給しつつ、前記の液相重合反応器から連続的に移送されたプロピレン単独重合体の存在下、気相中でプロピレンを単独重合させた。第一槽中のプロピレン単独重合体を、次の第二槽へ断続的に移送した。
気相重合反応器の第二槽の重合温度:80℃および重合圧力(ゲージ圧力):1.7MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(7モル%)を一定に保つように水素を供給しつつ、第一槽から断続的に移送されたプロピレン単独重合体の存在下、気相中でプロピレンを単独重合させて、実質上、第一槽から移送されたプロピレン単独重合体と、第二槽で生成したプロピレン単独重合体との混合物である重合体成分(I)を製造した。第二槽からサンプリングした重合体成分(I)の極限粘度([η]I)は1.07dl/gであり、アイソタクチック・ペンタッド分率は0.983であった。この重合体成分(I)の全量を、次の第三槽へ断続的に移送した。
(2)後段の重合工程
気相重合反応器の第三槽の重合温度:70℃および重合圧力(ゲージ圧力):1.35MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(2.4モル%)とエチレン濃度(29〜33モル%)とを一定に保つように水素とエチレンとを供給しながら、第二槽から断続的に移送された重合体成分(I)の存在下、気相中でプロピレンとエチレンとを共重合して、プロピレンとエチレンとの共重合体(重合体成分(II))を生成させた。
第三槽中の粉末状の重合体を連続的に失活槽へ導き、水で触媒成分の失活処理を行った後、70℃の窒素により乾燥して、実質上、重合体成分(I)と重合体成分(II)との混合物である、白色粉末状の(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)重合体(プロピレン系重合体(A−1))を得た。
プロピレン系重合体(A−1)のメルトフローレートは26(g/10分)、極限粘度([η]Total)は1.4dl/g、エチレン単位の含量は7.4重量%であった(プロピレン重合体(A−1)の量を100重量%とする)。プロピレン系重合体(A−1)製造時の物質収支から求めた、重合体成分(I)の重量割合(XI)と重合体成分(II)の重量割合(XII)との重量比(XI/XII)は、80/20であった。この重量比と、上記の[η]Totalと、上記の[η]Iとを用いて、上式から算出した重合体成分(II)の極限粘度([η]II)は2.7dl/gであった。重合体成分(II)中のエチレン単位の含有量は37重量%であった(重合体成分(II)の量を100重量%とする)。
気相重合反応器の第三槽の重合温度:70℃および重合圧力(ゲージ圧力):1.35MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(2.4モル%)とエチレン濃度(29〜33モル%)とを一定に保つように水素とエチレンとを供給しながら、第二槽から断続的に移送された重合体成分(I)の存在下、気相中でプロピレンとエチレンとを共重合して、プロピレンとエチレンとの共重合体(重合体成分(II))を生成させた。
第三槽中の粉末状の重合体を連続的に失活槽へ導き、水で触媒成分の失活処理を行った後、70℃の窒素により乾燥して、実質上、重合体成分(I)と重合体成分(II)との混合物である、白色粉末状の(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)重合体(プロピレン系重合体(A−1))を得た。
プロピレン系重合体(A−1)のメルトフローレートは26(g/10分)、極限粘度([η]Total)は1.4dl/g、エチレン単位の含量は7.4重量%であった(プロピレン重合体(A−1)の量を100重量%とする)。プロピレン系重合体(A−1)製造時の物質収支から求めた、重合体成分(I)の重量割合(XI)と重合体成分(II)の重量割合(XII)との重量比(XI/XII)は、80/20であった。この重量比と、上記の[η]Totalと、上記の[η]Iとを用いて、上式から算出した重合体成分(II)の極限粘度([η]II)は2.7dl/gであった。重合体成分(II)中のエチレン単位の含有量は37重量%であった(重合体成分(II)の量を100重量%とする)。
2.ポリプロピレン樹脂組成物の製造
成分(A−1)85重量%と、成分(B−1)15重量%と(該両成分の合計を100重量%とする)、成分(C−1)0.05重量部と、成分(E−1)0.05重量部と、成分(E−2)0.05重量部と、成分(E−3)0.1重量部とを配合し、タンブラーを用いて室温にて5分間混合することにより混合物を作製した。
該混合物を、内径15mmの同方向二軸混練機(型式:KZW15−45MG、L/D=45、株式会社テクノベル製)にてシリンダー温度を原料供給側からC1:190℃、C2:200℃、C3〜C6及びダイ部:220℃に設定し、スクリュー回転数:300rpm、押出量:約6kg/時間の条件で溶融混練した。この溶融混練物の温度は220〜230℃を示していた。
この溶融混練物をシリンダー最下流部に取り付けたダイ内に取り付けたフィルターを通過させた後に、ダイ部の樹脂排出孔(直径:3mm、3ヶ)から溶融状態で押出し、この押出物(ストランド状)を冷水により冷却固化し、ペレタイザーにより切断してポリプロピレン樹脂組成物からなるペレットを得た。該フィルターとして、登録商標:ファインポアNF15N(日本精線株式会社製、焼結金網フィルター、濾過精度:100μm)を使用した。
該ペレットのメルトフローレートは18g/10分であり、密度は0.895g/cm3であり、曇り度は93%(熱プレス成形品および射出成形品)であり、引張試験による降伏強度は21MPaであり、引張試験による破断強度は20MPaであり、引張試験による破断点伸びは1,000%より大であり、アイゾッド衝撃強度は8.5KJ/m2であった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
成分(A−1)85重量%と、成分(B−1)15重量%と(該両成分の合計を100重量%とする)、成分(C−1)0.05重量部と、成分(E−1)0.05重量部と、成分(E−2)0.05重量部と、成分(E−3)0.1重量部とを配合し、タンブラーを用いて室温にて5分間混合することにより混合物を作製した。
該混合物を、内径15mmの同方向二軸混練機(型式:KZW15−45MG、L/D=45、株式会社テクノベル製)にてシリンダー温度を原料供給側からC1:190℃、C2:200℃、C3〜C6及びダイ部:220℃に設定し、スクリュー回転数:300rpm、押出量:約6kg/時間の条件で溶融混練した。この溶融混練物の温度は220〜230℃を示していた。
この溶融混練物をシリンダー最下流部に取り付けたダイ内に取り付けたフィルターを通過させた後に、ダイ部の樹脂排出孔(直径:3mm、3ヶ)から溶融状態で押出し、この押出物(ストランド状)を冷水により冷却固化し、ペレタイザーにより切断してポリプロピレン樹脂組成物からなるペレットを得た。該フィルターとして、登録商標:ファインポアNF15N(日本精線株式会社製、焼結金網フィルター、濾過精度:100μm)を使用した。
該ペレットのメルトフローレートは18g/10分であり、密度は0.895g/cm3であり、曇り度は93%(熱プレス成形品および射出成形品)であり、引張試験による降伏強度は21MPaであり、引張試験による破断強度は20MPaであり、引張試験による破断点伸びは1,000%より大であり、アイゾッド衝撃強度は8.5KJ/m2であった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
[実施例2]
成分(C−1)の量0.05重量部を0.1重量部に変更した以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
成分(C−1)の量0.05重量部を0.1重量部に変更した以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
[実施例3]
成分(C−1)の量0.05重量部を0.2重量部に変更した以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
成分(C−1)の量0.05重量部を0.2重量部に変更した以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
[比較例1]
成分(C−1)0.05重量部を成分(Z−1)0.2重量部に変更した以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
成分(C−1)0.05重量部を成分(Z−1)0.2重量部に変更した以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
[比較例2]
成分(C−1)0.05重量部を成分(Z−2)0.2重量部に変更した以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
成分(C−1)0.05重量部を成分(Z−2)0.2重量部に変更した以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
[比較例3]
成分(C−1)を用いなかったこと以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
成分(C−1)を用いなかったこと以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
[比較例4]
成分(B−1)を成分(Y−1)に変更したこと、および成分(C−1)の量0.05重量部を0.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
成分(B−1)を成分(Y−1)に変更したこと、および成分(C−1)の量0.05重量部を0.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
[比較例5]
成分(B−1)を用いなかったこと、および成分(C−1)の量0.05重量部を0.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
成分(B−1)を用いなかったこと、および成分(C−1)の量0.05重量部を0.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
[比較例6]
成分(B−1)を用いなかったこと、および成分(C−1)0.05重量部を成分(Z−2)0.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
成分(B−1)を用いなかったこと、および成分(C−1)0.05重量部を成分(Z−2)0.2重量部に変更したこと以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
[比較例7]
成分(B−1)および成分(C−1)を用いなかったこと以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
成分(B−1)および成分(C−1)を用いなかったこと以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表1に、評価結果を表2に示す。
[比較例8]
1.成分(X−1)の製造
(1)前段の重合工程
プロピレンで十分置換されたSUS製液相重合反応器に、トリエチルアルミニウム及びシクロヘキシルエチルジメトキシシランを供給した。該反応器の内温を65〜75℃に調整し、該反応器の内圧(ゲージ圧力)をプロピレン及び水素で4.5MPaに調整し、特開2004−182981号公報の実施例1に記載された方法で合成した固体触媒成分を該反応器に連続供給して、液相中でプロピレンを単独重合させた。生成したプロピレン単独重合体を、後続の、3槽で構成される気相重合反応器の第一槽へ連続的に移送した。
気相重合反応器の第一槽の重合温度:83℃および重合圧力(ゲージ圧力):2.1MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(1.9モル%)を一定に保つように水素を供給しつつ、前記の液相重合反応器から連続的に移送されたプロピレン単独重合体の存在下、気相中でプロピレンを単独重合させた。第一槽中のプロピレン単独重合体を、次の第二槽へ断続的に移送した。
気相重合反応器の第二槽の重合温度:83℃および重合圧力(ゲージ圧力):1.7MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(1.9モル%)を一定に保つように水素を供給しつつ、第一槽から断続的に移送されたプロピレン単独重合体の存在下、気相中でプロピレンを単独重合させて、実質上、第一槽から移送されたプロピレン単独重合体と、第二槽で生成したプロピレン単独重合体との混合物である重合体成分(I)を製造した。第二槽からサンプリングした重合体成分(I)の極限粘度([η]I)は1.4dl/gであり、アイソタクチック・ペンタッド分率は0.983であった。この重合体成分(I)の全量を、次の第三槽へ断続的に移送した。
1.成分(X−1)の製造
(1)前段の重合工程
プロピレンで十分置換されたSUS製液相重合反応器に、トリエチルアルミニウム及びシクロヘキシルエチルジメトキシシランを供給した。該反応器の内温を65〜75℃に調整し、該反応器の内圧(ゲージ圧力)をプロピレン及び水素で4.5MPaに調整し、特開2004−182981号公報の実施例1に記載された方法で合成した固体触媒成分を該反応器に連続供給して、液相中でプロピレンを単独重合させた。生成したプロピレン単独重合体を、後続の、3槽で構成される気相重合反応器の第一槽へ連続的に移送した。
気相重合反応器の第一槽の重合温度:83℃および重合圧力(ゲージ圧力):2.1MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(1.9モル%)を一定に保つように水素を供給しつつ、前記の液相重合反応器から連続的に移送されたプロピレン単独重合体の存在下、気相中でプロピレンを単独重合させた。第一槽中のプロピレン単独重合体を、次の第二槽へ断続的に移送した。
気相重合反応器の第二槽の重合温度:83℃および重合圧力(ゲージ圧力):1.7MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(1.9モル%)を一定に保つように水素を供給しつつ、第一槽から断続的に移送されたプロピレン単独重合体の存在下、気相中でプロピレンを単独重合させて、実質上、第一槽から移送されたプロピレン単独重合体と、第二槽で生成したプロピレン単独重合体との混合物である重合体成分(I)を製造した。第二槽からサンプリングした重合体成分(I)の極限粘度([η]I)は1.4dl/gであり、アイソタクチック・ペンタッド分率は0.983であった。この重合体成分(I)の全量を、次の第三槽へ断続的に移送した。
(2)後段の重合工程
気相重合反応器の第三槽の重合温度:70℃および重合圧力(ゲージ圧力):1.25MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(2.2モル%)とエチレン濃度(28〜32モル%)とを一定に保つように水素とエチレンとを供給しながら、第二槽から断続的に移送された重合体成分(I)の存在下、気相中でプロピレンとエチレンとを共重合して、プロピレンとエチレンとの共重合体(重合体成分(II))を生成させた。
第三槽中の粉末状の重合体を連続的に失活槽へ導き、水で触媒成分の失活処理を行った後、70℃の窒素により乾燥して、実質上、重合体成分(I)と重合体成分(II)との混合物である、白色粉末状の(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)重合体(プロピレン系重合体(X−1))を得た。
プロピレン系重合体(A−1)のメルトフローレートは9.4(g/10分)、極限粘度([η]Total)は1.6dl/g、エチレン単位の含量は5.6重量%であった(プロピレン重合体(A−1)の量を100重量%とする)。プロピレン系重合体(A−1)製造時の物質収支から求めた、重合体成分(I)の重量割合(XI)と重合体成分(II)の重量割合(XII)との重量比(XI/XII)は、86/14であった。この重量比と、上記の[η]Totalと、上記の[η]Iとを用いて、上式から算出した重合体成分(II)の極限粘度([η]II)は2.9dl/gであった。重合体成分(II)中のエチレン単位の含有量は40重量%であった(重合体成分(II)の量を100重量%とする)。
気相重合反応器の第三槽の重合温度:70℃および重合圧力(ゲージ圧力):1.25MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(2.2モル%)とエチレン濃度(28〜32モル%)とを一定に保つように水素とエチレンとを供給しながら、第二槽から断続的に移送された重合体成分(I)の存在下、気相中でプロピレンとエチレンとを共重合して、プロピレンとエチレンとの共重合体(重合体成分(II))を生成させた。
第三槽中の粉末状の重合体を連続的に失活槽へ導き、水で触媒成分の失活処理を行った後、70℃の窒素により乾燥して、実質上、重合体成分(I)と重合体成分(II)との混合物である、白色粉末状の(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)重合体(プロピレン系重合体(X−1))を得た。
プロピレン系重合体(A−1)のメルトフローレートは9.4(g/10分)、極限粘度([η]Total)は1.6dl/g、エチレン単位の含量は5.6重量%であった(プロピレン重合体(A−1)の量を100重量%とする)。プロピレン系重合体(A−1)製造時の物質収支から求めた、重合体成分(I)の重量割合(XI)と重合体成分(II)の重量割合(XII)との重量比(XI/XII)は、86/14であった。この重量比と、上記の[η]Totalと、上記の[η]Iとを用いて、上式から算出した重合体成分(II)の極限粘度([η]II)は2.9dl/gであった。重合体成分(II)中のエチレン単位の含有量は40重量%であった(重合体成分(II)の量を100重量%とする)。
2.ポリプロピレン樹脂組成物の製造
成分(A−1)85重量%を成分(X−1)85重量%に、成分(C−1)0.05重量部を0.2重量部にそれぞれ変更し、タンブラーを用いて室温にて5分間混合することにより混合物を作製し、後は実施例1と同様に行った。配合組成を表3に、評価結果を表4に示す。
成分(A−1)85重量%を成分(X−1)85重量%に、成分(C−1)0.05重量部を0.2重量部にそれぞれ変更し、タンブラーを用いて室温にて5分間混合することにより混合物を作製し、後は実施例1と同様に行った。配合組成を表3に、評価結果を表4に示す。
[比較例9]
成分(A−1)85重量%を成分(X−1)85重量%に、成分(C−1)0.05重量部を成分(Z−2)0.2重量部に、それぞれ変更したこと以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表3に、評価結果を表4に示す。
成分(A−1)85重量%を成分(X−1)85重量%に、成分(C−1)0.05重量部を成分(Z−2)0.2重量部に、それぞれ変更したこと以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表3に、評価結果を表4に示す。
[比較例10]
成分(A−1)85重量%を成分(X−1)85重量%に変更し、成分(C−1)を用いなかったこと以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表3に、評価結果を表4に示す。
成分(A−1)85重量%を成分(X−1)85重量%に変更し、成分(C−1)を用いなかったこと以外は実施例1と同様に行なった。配合組成を表3に、評価結果を表4に示す。
[比較例11]
1.成分(X−2)の製造
プロピレンで十分置換されたSUS製液相重合反応器に、トリエチルアルミニウム及びシクロヘキシルエチルジメトキシシランを供給した。該反応器の内温を60℃に調整し、該反応器の内圧(ゲージ圧力)をプロピレン及び水素で3.5MPaに調整し、特開2004−182981号公報の実施例1に記載された方法で合成した固体触媒成分を該反応器に連続供給して、液相中でプロピレンを単独重合させた。生成したプロピレン単独重合体を、後続の、3槽で構成される気相重合反応器の第一槽へ連続的に移送した。
気相重合反応器の第一層の重合温度:83℃および重合圧力(ゲージ圧力):2.1MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(1.5モル%)を一定に保つように水素を供給しつつ、液相重合反応器から移送されたプロピレン単独重合体の存在下、気相中で継続してプロピレンを単独重合させた。第一槽中のプロピレン単独重合体を、次の第二槽へ断続的に移送した。
気相重合反応器の第二槽の重合温度:83℃および重合圧力(ゲージ圧力):1.7MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(1.5モル%)を一定に保つように水素を供給しつつ、第一槽から断続的に移送されたプロピレン単独重合体の存在下、気相中で継続してプロピレンを単独重合させた。第二槽中のプロピレン単独重合体を、次の第三槽へ断続的に移送した。
気相重合反応器の第三槽の重合温度:83℃および重合圧力(ゲージ圧力):1.35MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(1.5モル%)を一定に保つように水素を供給しつつ、第二槽から断続的に移送されたプロピレン単独重合体の存在下、気相中で継続してプロピレンを単独重合させることにより、液相重合反応器、気相重合反応器の第一槽、第二槽および第三槽で継続的にプロピレンを単独重合させ、プロピレン単独重合体の生成を完了させた。
気相重合反応器の第三槽中の粉末状のプロピレン単独重合体を連続的に失活槽へ導き、水で触媒成分の失活処理を行った後、110℃の窒素により乾燥して、白色粉末状のプロピレン単独重合体(X−2)を得た。なお、液相重合反応器、気相重合反応器の第一槽、第二槽および第三槽での各槽における重合比率は、10/54/21/15であった。
成分(X−2)の極限粘度は1.34dl/g、アイソタクチック・ペンタッド分率は0.983、融解温度は162℃であった。また、プロピレン単独重合体のメルトフローレートは17(g/10分)であった。
1.成分(X−2)の製造
プロピレンで十分置換されたSUS製液相重合反応器に、トリエチルアルミニウム及びシクロヘキシルエチルジメトキシシランを供給した。該反応器の内温を60℃に調整し、該反応器の内圧(ゲージ圧力)をプロピレン及び水素で3.5MPaに調整し、特開2004−182981号公報の実施例1に記載された方法で合成した固体触媒成分を該反応器に連続供給して、液相中でプロピレンを単独重合させた。生成したプロピレン単独重合体を、後続の、3槽で構成される気相重合反応器の第一槽へ連続的に移送した。
気相重合反応器の第一層の重合温度:83℃および重合圧力(ゲージ圧力):2.1MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(1.5モル%)を一定に保つように水素を供給しつつ、液相重合反応器から移送されたプロピレン単独重合体の存在下、気相中で継続してプロピレンを単独重合させた。第一槽中のプロピレン単独重合体を、次の第二槽へ断続的に移送した。
気相重合反応器の第二槽の重合温度:83℃および重合圧力(ゲージ圧力):1.7MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(1.5モル%)を一定に保つように水素を供給しつつ、第一槽から断続的に移送されたプロピレン単独重合体の存在下、気相中で継続してプロピレンを単独重合させた。第二槽中のプロピレン単独重合体を、次の第三槽へ断続的に移送した。
気相重合反応器の第三槽の重合温度:83℃および重合圧力(ゲージ圧力):1.35MPaを一定に保つようにプロピレンを連続的に供給し、気相部の水素濃度(1.5モル%)を一定に保つように水素を供給しつつ、第二槽から断続的に移送されたプロピレン単独重合体の存在下、気相中で継続してプロピレンを単独重合させることにより、液相重合反応器、気相重合反応器の第一槽、第二槽および第三槽で継続的にプロピレンを単独重合させ、プロピレン単独重合体の生成を完了させた。
気相重合反応器の第三槽中の粉末状のプロピレン単独重合体を連続的に失活槽へ導き、水で触媒成分の失活処理を行った後、110℃の窒素により乾燥して、白色粉末状のプロピレン単独重合体(X−2)を得た。なお、液相重合反応器、気相重合反応器の第一槽、第二槽および第三槽での各槽における重合比率は、10/54/21/15であった。
成分(X−2)の極限粘度は1.34dl/g、アイソタクチック・ペンタッド分率は0.983、融解温度は162℃であった。また、プロピレン単独重合体のメルトフローレートは17(g/10分)であった。
2.ポリプロピレン樹脂組成物の製造
成分(X−2)100重量部と、成分(E−1)0.05重量部と、成分(E−2)0.05重量部と、成分(E−3)0.1重量部とを配合し、タンブラーを用いて室温にて5分間混合することにより混合物を作製し、後は実施例1と同様に行った。配合組成を表5に、評価結果を表6に示す。
成分(X−2)100重量部と、成分(E−1)0.05重量部と、成分(E−2)0.05重量部と、成分(E−3)0.1重量部とを配合し、タンブラーを用いて室温にて5分間混合することにより混合物を作製し、後は実施例1と同様に行った。配合組成を表5に、評価結果を表6に示す。
[比較例12]
さらに、成分(C−1)0.2重量部を用いたこと以外は比較例11と同様に行なった。配合組成を表5に、評価結果を表6に示す。
さらに、成分(C−1)0.2重量部を用いたこと以外は比較例11と同様に行なった。配合組成を表5に、評価結果を表6に示す。
[比較例13]
成分(X−2)100重量部を、成分(X−2)85重量%と成分(B−1)15重量%とからなる混合物100重量部に変更したこと、さらに成分(C−1)0.2重量部を用いたこと以外は比較例11と同様に行なった。配合組成を表5に、評価結果を表6に示す。
成分(X−2)100重量部を、成分(X−2)85重量%と成分(B−1)15重量%とからなる混合物100重量部に変更したこと、さらに成分(C−1)0.2重量部を用いたこと以外は比較例11と同様に行なった。配合組成を表5に、評価結果を表6に示す。
[比較例14]
成分(X−2)100重量部を、成分(X−2)80重量%と成分(B−1)20重量%とからなる混合物100重量部に変更したこと、さらに成分(C−1)0.2重量部を用いたこと以外は比較例11と同様に行なった。配合組成を表5に、評価結果を表6に示す。
成分(X−2)100重量部を、成分(X−2)80重量%と成分(B−1)20重量%とからなる混合物100重量部に変更したこと、さらに成分(C−1)0.2重量部を用いたこと以外は比較例11と同様に行なった。配合組成を表5に、評価結果を表6に示す。
[比較例15]
成分(X−2)100重量部を、成分(X−2)70重量%と成分(B−1)30重量%とからなる混合物100重量部に変更したこと、さらに成分(C−1)0.2重量部を用いたこと以外は比較例11と同様に行なった。配合組成を表5に、評価結果を表6に示す。
成分(X−2)100重量部を、成分(X−2)70重量%と成分(B−1)30重量%とからなる混合物100重量部に変更したこと、さらに成分(C−1)0.2重量部を用いたこと以外は比較例11と同様に行なった。配合組成を表5に、評価結果を表6に示す。
Claims (7)
- 下記要件(a)および下記要件(b)を満足するプロピレン系重合体(成分(A))51〜99重量%、および密度が0.85〜0.93g/cm3であるエチレン系重合体(成分(B))1〜49重量%を含む樹脂組成物(ただし、成分(A)と成分(B)との合計の重量を100重量%とする。)と、
前記樹脂組成物100重量部に対して、アミド系化合物からなる造核剤(成分(C))0.001〜5重量部と、を含むポリプロピレン樹脂組成物。
要件(a):測定温度230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFRA)が10〜200g/10分である。
要件(b):エチレンおよび/または炭素数4〜10のα−オレフィンに由来する構造単位が0.1〜40重量%であり、プロピレンに由来する構造単位が99.9〜60重量%である(ただし、成分(A)の全重量を100重量%とする。)。 - 成分(A)が、下記要件(c)、下記要件(d)および下記要件(e)を満足するプロピレン系重合体の混合物(成分(D))である、請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
要件(c):成分(A)が、前段の重合工程により製造される重合体成分(重合体成分(I))、および後段の重合工程により製造される重合体成分(重合体成分(II))からなるプロピレン系重合体の混合物であり、
重合体成分(I)は、135℃テトラリン中で測定される極限粘度([η]I)が0.1〜5dl/gであるプロピレン系重合体成分であり、
重合体成分(II)は、エチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位と、プロピレンに由来する構造単位とを有する共重合体成分であって、135℃テトラリン中で測定される極限粘度([η]II)が1〜20dl/gであるプロピレン系共重合体成分である。
要件(d):重合体成分(II)に含有されるエチレンおよび炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する構造単位の含有量が、1〜80重量%である(ただし、重合体成分(II)の全重量を100重量%とする。)。
要件(e):重合体成分(II)の含有量が、1〜50重量%である(ただし、成分(D)の全重量を100重量%とする。)。 - 成分(D)が、少なくとも2以上の重合槽を用いる多段重合法により製造されることを特徴とする請求項2に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 成分(B)が、エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、前記α−オレフィンに由来する構造単位の含有量が1〜49重量%であり(ただし、成分(B)の全重量を100重量%とする。)、測定温度190℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFRB)が0.5〜50g/10分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 成分(C)が、下記一般式(I)で表されるアミド系化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物。
[式中、R1、R2およびR3は、それぞれ同一または相違なり、水素原子または炭素数1〜20のヒドロカルビル基を表し、R4、R5およびR6は、それぞれ同一または相違なり、水素原子、炭素数1〜20のヒドロカルビル基または下記式(1)で表される基を表す。
(式中、R7は、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20のヒドロカルビル基、炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、モノ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基、ジ(炭素数1〜20のヒドロカルビル)アミノ基または炭素数1〜20のヒドロカルビルチオ基を表す。)] - 該ポリプロピレン樹脂組成物からなる厚さ1mmのシートが、75%より大きい曇り度を示すことを特徴とする請求項1〜5に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物を成形して得られる成形体。
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