JP2012006834A5 - プルシアンブルー型金属錯体超微粒子、その分散液 - Google Patents
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Description
本発明は、プルシアンブルー型金属錯体超微粒子、その分散液に関する。
本発明は、水もしくはアルコール系の溶媒中での分散安定性に優れ、工業利用および実用化に適したプルシアンブルー型金属錯体超微粒子、その分散液の提供を目的とする。
上記の課題は下記の手段により達成された。
〔1〕下記金属原子M 1 および金属原子M 2 を有してなるプルシアンブルー型金属錯体結晶と配位子Lとを有する微粒子を、水、アルコール、またはこれらの混合溶媒に分散させたプルシアンブルー型金属錯体微粒子の分散液。
「金属原子M 1 :バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ニッケル、白金、および銅から選ばれる少なくとも1つ]
[金属原子M 2 :バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、亜鉛、ランタン、ユーロピウム、ガドリニウム、ルテチウム、バリウム、ストロンチウム、およびカルシウムから選ばれる少なくとも1つ]
〔2〕前記微粒子の平均粒子径が50nm以下である〔1〕に記載の分散液。
〔3〕前記配位子Lが、水に溶解する配位子化合物からなる〔1〕または〔2〕に記載の分散液。
〔4〕前記配位子Lが、2−アミノエタノールもしくは2−(2−アミノエトキシ)エタノールである〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の分散液。
〔5〕前記溶媒をなすアルコールが、メタノール、エタノール、またはプロパノールである〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の分散液。
〔6〕前記配位子Lを、プルシアンブルー型金属錯体の結晶の中の金属原子(金属原子M 1 及びM 2 の総量)に対して、モル比で5〜30%含有させた〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の分散液。
〔7〕さらに光学特性調整剤として、アンモニア、ピリジン、またはそれらを組み合わせたものを含有させた〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の分散液。
〔8〕〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の分散液から分離した、水もしくはアルコールへの分散性が付与されたプルシアンブルー型金属錯体微粒子。
〔9〕平均粒子径が50nm以下である〔8〕に記載の微粒子。
〔1〕下記金属原子M 1 および金属原子M 2 を有してなるプルシアンブルー型金属錯体結晶と配位子Lとを有する微粒子を、水、アルコール、またはこれらの混合溶媒に分散させたプルシアンブルー型金属錯体微粒子の分散液。
「金属原子M 1 :バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ニッケル、白金、および銅から選ばれる少なくとも1つ]
[金属原子M 2 :バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、亜鉛、ランタン、ユーロピウム、ガドリニウム、ルテチウム、バリウム、ストロンチウム、およびカルシウムから選ばれる少なくとも1つ]
〔2〕前記微粒子の平均粒子径が50nm以下である〔1〕に記載の分散液。
〔3〕前記配位子Lが、水に溶解する配位子化合物からなる〔1〕または〔2〕に記載の分散液。
〔4〕前記配位子Lが、2−アミノエタノールもしくは2−(2−アミノエトキシ)エタノールである〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の分散液。
〔5〕前記溶媒をなすアルコールが、メタノール、エタノール、またはプロパノールである〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の分散液。
〔6〕前記配位子Lを、プルシアンブルー型金属錯体の結晶の中の金属原子(金属原子M 1 及びM 2 の総量)に対して、モル比で5〜30%含有させた〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の分散液。
〔7〕さらに光学特性調整剤として、アンモニア、ピリジン、またはそれらを組み合わせたものを含有させた〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の分散液。
〔8〕〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の分散液から分離した、水もしくはアルコールへの分散性が付与されたプルシアンブルー型金属錯体微粒子。
〔9〕平均粒子径が50nm以下である〔8〕に記載の微粒子。
本発明のプルシアンブルー型金属錯体超微粒子およびその分散液は水もしくはアルコール系の溶媒において分散安定性が高く、広い分野において実用化要求に応えることができるという優れた効果を奏する。
以下、プルシアンブルー型金属錯体超微粒子およびその製造方法について詳細に説明する。
プルシアンブルー型金属錯体超微粒子の製造方法においては、金属原子M1を中心金属とする陰イオン性金属シアノ錯体を含有する水溶液及び金属原子M2の金属陽イオンを含有する水溶液が用いられる。金属原子M1としては、バナジウム(V)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)等が挙げられる。金属原子M2としてはバナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ランタン(La)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ルテチウム(Lu)、バリウム(Ba)、ストロチウム(Sr)、カルシウム(Ca)等を挙げることができる。中でも金属原子M1としては鉄、クロム、コバルトが好ましく、鉄が特に好ましく、金属原子M2としては鉄、コバルト、ニッケル、バナジウム、銅、マンガン、亜鉛が好ましく、鉄、コバルト、ニッケルがより好ましい。
プルシアンブルー型金属錯体超微粒子の製造方法においては、金属原子M1を中心金属とする陰イオン性金属シアノ錯体を含有する水溶液及び金属原子M2の金属陽イオンを含有する水溶液が用いられる。金属原子M1としては、バナジウム(V)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)等が挙げられる。金属原子M2としてはバナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ランタン(La)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、ルテチウム(Lu)、バリウム(Ba)、ストロチウム(Sr)、カルシウム(Ca)等を挙げることができる。中でも金属原子M1としては鉄、クロム、コバルトが好ましく、鉄が特に好ましく、金属原子M2としては鉄、コバルト、ニッケル、バナジウム、銅、マンガン、亜鉛が好ましく、鉄、コバルト、ニッケルがより好ましい。
プルシアンブルー型金属錯体超微粒子の製造方法においては、配位子Lを溶媒に溶解させた溶液を用いる。この溶媒については、配位子Lとの組合せで決めることが好ましい。つまり、配位子Lを溶媒に十分に溶かすものを選ぶことが好ましい。溶媒として有機溶媒を用いるとき、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、ヘキサン、エーテル等が好ましい。
2−アミノエタノール等の水に溶解する配位子を用いるときには、溶媒として水を使用することもでき、水分散性のプルシアンブルー型金属錯体超微粒子を得ることもできる。また、このとき溶媒としてアルコールを用いることも好ましい。
2−アミノエタノール等の水に溶解する配位子を用いるときには、溶媒として水を使用することもでき、水分散性のプルシアンブルー型金属錯体超微粒子を得ることもできる。また、このとき溶媒としてアルコールを用いることも好ましい。
プルシアンブルー型金属錯体超微粒子分散液は下記(A)及び(B)を含む工程で製造され、その微粒子は下記(A)〜(C)を含む工程で得られる。さらに、その好ましい態様として、有機溶媒分散型超微粒子を製造する際には工程(B)を工程(B1)とし(参考例)、水分散型超微粒子を製造する際には工程(B)を工程(B2)とする(実施例)。以下、それぞれの工程について詳しく説明する。
本発明の製造方法においては、配位子Lを溶媒に溶解して用いる。トルエン等の有機溶媒を用いる場合(参考例)、長鎖アルキル基を含むものが好ましい。また配位子Lとしては、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表されるピリジル基やアミノ基を微粒子との結合部位として持つものの1種もしくは2種以上を用いることが好ましい。
本発明のプルシアンブルー型金属錯体超微粒子は、水などに再分散することが可能であり、目的の濃度の超微粒子分散液を調製することができる。また、微粒子調製に用いた溶媒と異なる溶媒を、再分散させる溶媒として用いることもでき、用途に応じて目的の種類の溶媒に目的の濃度で含有させることができる。
上記の製造方法により、ナノメートルサイズのプルシアンブルー型金属錯体超微粒子が得られる。図1は、そのプルシアンブルー型金属錯体超微粒子の構造を模式的に示す説明図である。この超微粒子においては、プルシアンブルー型金属錯体微粒子結晶1が図10に示したような結晶構造を有しており、その結晶粒子表面に配位子L(2)が配位した構造を有している。このとき配位子Lの量は特に限定されず、超微粒子の粒子径や粒子形状にもよるが、例えば、プルシアンブルー型金属錯体の結晶の中の金属原子(金属原子M1及びM2の総量)に対して、モル比で5〜30%程度であることが好ましい。
ただしプルシアンブルー型金属錯体1はその結晶格子中に欠陥・空孔を有していてもよく、例えば鉄原子の位置に空孔が入りその周りのシアノ基が水に置換されていてもよい。このような空孔の量や配置を調節して光学特性を制御することも好ましい。
ただしプルシアンブルー型金属錯体1はその結晶格子中に欠陥・空孔を有していてもよく、例えば鉄原子の位置に空孔が入りその周りのシアノ基が水に置換されていてもよい。このような空孔の量や配置を調節して光学特性を制御することも好ましい。
(参考例1)
(NH4)4[FeII(CN)6] 1.0gを水に溶解した水溶液とFeIII(NO3)3・9H2O 1.4gを水に溶解した水溶液を混合し、プルシアンブルー(FeIII 4[FeII(CN)6]3)の微結晶を析出させた(アンモニウムイオンを含有した組成のものも含む)。遠心分離により、水に不溶性のプルシアンブルー微結晶を分離し、これを水で3回、続いてメタノールで2回洗浄し、減圧下で乾燥した。
作製したプルシアンブルー結晶のバルク体を粉末X線回折装置で解析した結果を図2(II)の曲線21に示す。これは標準試料データベースから検索されるプルシアンブルー(Fe4[Fe(CN)6]3)のもの(図2(I))と一致した。また、FT−IR測定においても、2070cm−1付近にFe−CN伸縮振動に起因するピークが現れており(図3の曲線31参照)、この固形物がプルシアンブルーであることを示している。
(NH4)4[FeII(CN)6] 1.0gを水に溶解した水溶液とFeIII(NO3)3・9H2O 1.4gを水に溶解した水溶液を混合し、プルシアンブルー(FeIII 4[FeII(CN)6]3)の微結晶を析出させた(アンモニウムイオンを含有した組成のものも含む)。遠心分離により、水に不溶性のプルシアンブルー微結晶を分離し、これを水で3回、続いてメタノールで2回洗浄し、減圧下で乾燥した。
作製したプルシアンブルー結晶のバルク体を粉末X線回折装置で解析した結果を図2(II)の曲線21に示す。これは標準試料データベースから検索されるプルシアンブルー(Fe4[Fe(CN)6]3)のもの(図2(I))と一致した。また、FT−IR測定においても、2070cm−1付近にFe−CN伸縮振動に起因するピークが現れており(図3の曲線31参照)、この固形物がプルシアンブルーであることを示している。
配位子Lとして、長鎖アルキル基を含むオレイルアミン0.17gを溶解させたトルエン溶液5mlに水0.5mlを加えた。先に合成したプルシアンブルー結晶(FeIII 4[FeII(CN)6]3)のバルク体0.2gをさらに加えた。一日撹拌し、FeIII 4[FeII(CN)6]3の微結晶をすべてトルエン層に分散させ、プルシアンブルー超微粒子を濃青色の分散液中に得た。このときのFT−IR測定の結果を図3の曲線33に示す。
(実施例1)
参考例1に記載の手順でプルシアンブルー微結晶を得た。
配位子Lとして、2−aminoethanol 0.040gを溶解させたメタノール溶液5mlに、上記の微結晶(FeIII 4[FeII(CN)6]3)のバルク体0.2gを加え、3時間程度撹拌して、本発明のプルシアンブルー超微粒子を得た。攪拌後も、このプルシアンブルー超微粒子はメタノールに溶解することなく固体物として存在していた。このときのFT−IR測定の結果を図3の曲線32に示す。
参考例1に記載の手順でプルシアンブルー微結晶を得た。
配位子Lとして、2−aminoethanol 0.040gを溶解させたメタノール溶液5mlに、上記の微結晶(FeIII 4[FeII(CN)6]3)のバルク体0.2gを加え、3時間程度撹拌して、本発明のプルシアンブルー超微粒子を得た。攪拌後も、このプルシアンブルー超微粒子はメタノールに溶解することなく固体物として存在していた。このときのFT−IR測定の結果を図3の曲線32に示す。
(参考例2)
フェリシアン酸カリウム、K3[Fe(CN)6] 0.3289g(0.9990mmol)の水溶液1.5mlにアンモニア水NH3(28.00%、14.76N)0.1mlを加え、そこに硝酸コバルトCo(NO3)2・6H2O 0.4369g(1.501mmol)の水溶液1.0mlを加え、3分程度撹拌した。その後、遠心分離によって赤色の沈殿物としてプルシアンブルー型金属錯体結晶を得、水で3回、メタノールで1回との洗浄を行った。収量は0.6308gであり、収率は105.1%であった(100%を超えているのは、乾燥が不十分で、水を含んでいるための誤差だと考えられる。)。
オレイルアミン0.4433g(1.657mmol、総金属量の100%(モル比))のトルエン溶液3.0mlを、先の合成で得られたプルシアンブルー型金属錯体結晶(コバルト鉄シアノ錯体結晶)の凝集体0.2040g(0.3396mmol)の水溶液0.5mlに加え、1日程度撹拌した。こうしてプルシアンブルー型金属錯体超微粒子を分散液中に得た。このアンモニアを添加した条件で得たものを分散液試料γとした。
フェリシアン酸カリウム、K3[Fe(CN)6] 0.3289g(0.9990mmol)の水溶液1.5mlにアンモニア水NH3(28.00%、14.76N)0.1mlを加え、そこに硝酸コバルトCo(NO3)2・6H2O 0.4369g(1.501mmol)の水溶液1.0mlを加え、3分程度撹拌した。その後、遠心分離によって赤色の沈殿物としてプルシアンブルー型金属錯体結晶を得、水で3回、メタノールで1回との洗浄を行った。収量は0.6308gであり、収率は105.1%であった(100%を超えているのは、乾燥が不十分で、水を含んでいるための誤差だと考えられる。)。
オレイルアミン0.4433g(1.657mmol、総金属量の100%(モル比))のトルエン溶液3.0mlを、先の合成で得られたプルシアンブルー型金属錯体結晶(コバルト鉄シアノ錯体結晶)の凝集体0.2040g(0.3396mmol)の水溶液0.5mlに加え、1日程度撹拌した。こうしてプルシアンブルー型金属錯体超微粒子を分散液中に得た。このアンモニアを添加した条件で得たものを分散液試料γとした。
(参考例3)
((Fe0.2Ni0.8)3[Fe(CN)6]2の合成)
K3[Fe(CN)6](0.658g(2.00×10−3mol))の水溶液(2ml)を、FeSO4・7H2O(0.167g(6.00×10−4mol))の水溶液(0.4ml)とNi(NO3)2・6H2O(0.698g(2.40×10−3mol))の水溶液(1.6ml)の混合溶液に攪拌しながら加えた。沈殿物を蒸留水で3回遠心洗浄し、メタノールで1回遠心洗浄後、風乾させて目的の金属組成を有するプルシアンブルー型金属錯体結晶を得た。
((Fe0.2Ni0.8)3[Fe(CN)6]2の合成)
K3[Fe(CN)6](0.658g(2.00×10−3mol))の水溶液(2ml)を、FeSO4・7H2O(0.167g(6.00×10−4mol))の水溶液(0.4ml)とNi(NO3)2・6H2O(0.698g(2.40×10−3mol))の水溶液(1.6ml)の混合溶液に攪拌しながら加えた。沈殿物を蒸留水で3回遠心洗浄し、メタノールで1回遠心洗浄後、風乾させて目的の金属組成を有するプルシアンブルー型金属錯体結晶を得た。
合成した4種の(Fe1−xNix)3[Fe(CN)6]2 0.10gに水0.2mlを加え、オレイルアミン0.090g(3.4×10−4mol)のトルエン溶液2mlと混ぜ、一日攪拌してプルシアンブルー型金属錯体超微粒子を分散液中に得た。
遠心分離を行い、トルエン層を分離して、目的の金属組成を有する超微粒子を分離して得た。得られたプルシアンブルー型金属錯体超微粒子についてそれぞれ、その吸収スペクトルを測定した。
図9にその結果を示す。図9中、曲線91は上記化学構造式においてx=0.8のプルシアンブルー型金属錯体超微粒子の結果を示し、曲線92はx=0.6のものの結果を示し、曲線93はx=0.4のものの結果を示し、曲線94はx=0.2のものの結果を示す。
この紫外可視吸収スペクトルから、Niの含有量に依存してFe−Fe間電荷移動吸収帯の波長が系統的に長波長側にシフトしていることが分かる。また、400nm付近にFe−CN−Niに由来する吸収帯の強度が系統的に増大している。この結果から、一つのナノ結晶(超微粒子)中に、NiとFeが均一に分布していることを示している。もし、得られた超微粒子(の粉体)に対して、NiとFeが不均一に一つの結晶内に分布している場合や、あるいは、それが、Ni3[Fe(CN)6]2とFe4[Fe(CN)6]3の超微粒子のそれぞれの単なる混合物である場合では、上記のFe−Fe間電荷移動吸収帯の波長が系統的なシフトは観測されない。
遠心分離を行い、トルエン層を分離して、目的の金属組成を有する超微粒子を分離して得た。得られたプルシアンブルー型金属錯体超微粒子についてそれぞれ、その吸収スペクトルを測定した。
図9にその結果を示す。図9中、曲線91は上記化学構造式においてx=0.8のプルシアンブルー型金属錯体超微粒子の結果を示し、曲線92はx=0.6のものの結果を示し、曲線93はx=0.4のものの結果を示し、曲線94はx=0.2のものの結果を示す。
この紫外可視吸収スペクトルから、Niの含有量に依存してFe−Fe間電荷移動吸収帯の波長が系統的に長波長側にシフトしていることが分かる。また、400nm付近にFe−CN−Niに由来する吸収帯の強度が系統的に増大している。この結果から、一つのナノ結晶(超微粒子)中に、NiとFeが均一に分布していることを示している。もし、得られた超微粒子(の粉体)に対して、NiとFeが不均一に一つの結晶内に分布している場合や、あるいは、それが、Ni3[Fe(CN)6]2とFe4[Fe(CN)6]3の超微粒子のそれぞれの単なる混合物である場合では、上記のFe−Fe間電荷移動吸収帯の波長が系統的なシフトは観測されない。
(実施例・参考例)
次に金属原子M1、M2、配位子L、溶媒を下表のとおりに代えた以外、試料1〜16については参考例1と同様にして、試料17〜19については実施例1と同様してプルシアンブルー型金属錯体超微粒子を得た。なお、試料20は参考例2で得たもの、試料21は参考例3で得たものを示す。
次に金属原子M1、M2、配位子L、溶媒を下表のとおりに代えた以外、試料1〜16については参考例1と同様にして、試料17〜19については実施例1と同様してプルシアンブルー型金属錯体超微粒子を得た。なお、試料20は参考例2で得たもの、試料21は参考例3で得たものを示す。
Claims (9)
- 下記金属原子M1および金属原子M2を有してなるプルシアンブルー型金属錯体結晶と配位子Lとを有する微粒子を、水、アルコール、またはこれらの混合溶媒に分散させたプルシアンブルー型金属錯体微粒子の分散液。
「金属原子M1:バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ニッケル、白金、および銅から選ばれる少なくとも1つ]
[金属原子M2:バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、亜鉛、ランタン、ユーロピウム、ガドリニウム、ルテチウム、バリウム、ストロンチウム、およびカルシウムから選ばれる少なくとも1つ] - 前記微粒子の平均粒子径が50nm以下である請求項1に記載の分散液。
- 前記配位子Lが、水に溶解する配位子化合物からなる請求項1または2に記載の分散液。
- 前記配位子Lが、2−アミノエタノールもしくは2−(2−アミノエトキシ)エタノールである請求項1〜3のいずれか1項に記載の分散液。
- 前記溶媒をなすアルコールが、メタノール、エタノール、またはプロパノールである請求項1〜4のいずれか1項に記載の分散液。
- 前記配位子Lを、プルシアンブルー型金属錯体の結晶の中の金属原子(金属原子M1及びM2の総量)に対して、モル比で5〜30%含有させた請求項1〜5のいずれか1項に記載の分散液。
- さらに光学特性調整剤として、アンモニア、ピリジン、またはそれらを組み合わせたものを含有させた請求項1〜6のいずれか1項に記載の分散液。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の分散液から分離した、水もしくはアルコールへの分散性が付与されたプルシアンブルー型金属錯体微粒子。
- 平均粒子径が50nm以下である請求項8に記載の微粒子。
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