JP2012002895A - 光学部品および塗料 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズ鏡筒などの光学部品において、所謂フレアやゴーストなどの不具合の発生を抑制し、画像品質を向上させる。
【解決手段】この光学部品は、光学素子を内部に収容する本体21を有しており、本体21の内壁面21aが、高分子材料からなる複数の多孔質の微粒子6で被覆されている。これにより、本体21の内壁面21aに入射する光の大部分を微粒子6によって吸収して反射率を減少させ、この内壁面21aの光沢度および明度指数を低減することができる。そのため、所謂フレアやゴーストなどの不具合の発生を抑制し、画像コントラストを向上させて画像品質を向上させることが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、反射防止を行う塗料およびその塗料により塗装された光学部品、例えば、カメラなどの光学機器に接続されるレンズ鏡筒ユニットを構成するレンズ鏡筒に関するものである。
この種のレンズ鏡筒ユニットは、レンズなどの光学素子と、この光学素子を内部に収容するレンズ鏡筒と、光量を調節する絞り部品と、光学素子を移動させて所望の焦点距離を確保するための移動部材と、レンズ鏡筒をカメラなどの光学機器に固定する固定部材とから構成されている。
このうち、レンズ鏡筒の内壁面は、何らかの反射防止策を施して反射防止面とする必要がある。これは、光学素子を透過してレンズ鏡筒の内部に入射する光のうち、被写体像の形成に寄与しない軸外光がレンズ鏡筒の内壁面で反射した結果、この反射光がレンズ鏡筒の内部で迷光となって撮像素子に到達し、所謂フレアやゴーストなどの不具合を発生させ、画像品質を低下させるという問題に対処するためである。
このような反射防止策の手法としては、従来、レンズ鏡筒の内壁面に対して、光の反射角度を考慮した段差や傾斜(V溝)を形成したり、梨地加工を施したりする機械加工方法があった。ところが、レンズ鏡筒の内部への入射光は、レンズ鏡筒の内部の部材によって複雑な方向へ反射するため、このような機械加工方法では、反射を十分に低減することが困難であった。
また、反射防止策の別の手法として、レンズ鏡筒の内壁面に黒色塗料や艶消し塗料を塗布して光吸収・散乱部材とし、レンズ鏡筒の内壁面の光沢度を低下させるという科学的皮膜形成方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開2003−277722号公報 特開平11−64703号公報 特開平5−341167号公報
しかしながら、特許文献1〜3に開示された科学的皮膜形成方法を用いたとしても、鏡筒内周面に到達した軸外光の正反射光が減るのみであり、鏡筒内周面からの拡散光をも含めた反射光全体はほとんど減少しない。そのため、レンズ鏡筒の内壁面の明度指数はほとんど低下しない。また、この正反射光も、内壁面の光沢度(入射角60°、受光角60°における光沢度)を十分なレベル(0.1以下)にまで下げることはできない。したがって、軸外光がレンズ鏡筒の内部で迷光となって撮像素子に到達してしまう恐れが依然として残るため、所謂フレアやゴーストなどの不具合が発生して画像品質の低下につながるという問題は、ほとんど改善されないままである。
すなわち、特許文献1に開示された技術は、光沢度低下を目的に使用されるつや消し剤およびそれを用いた塗料組成物に関するものであり、天然高分子であるセルロース粉末を塗料に配合している。その効果は、従来から使用されている粉末シリカと同程度の光沢度1.5(表1の実施例3)を達成できるに過ぎない。これに対して、レンズ鏡筒のような光学部品で必要とされる光沢度は0.1以下と桁違いに小さいため、特許文献1に開示された技術では、所謂フレアやゴーストなどの不具合の発生を抑えて画像品質を向上させることは期待できない。
また、特許文献2は、微粒子を分散した電着塗料を用いて形成された電着塗装膜に関するものである。ところが、特に微粒子については、第1に、形状は1種類の形状からなっていても複数の種類の形状からなっていてもかまわず、第2に着色については何ら言及されていない。しかも、こうした電着塗装では、微粒子が塗膜に埋もれてしまい、塗膜の表面から突出した状態とはならない。したがって、特許文献2に開示された技術では、所謂フレアやゴーストなどの不具合の発生を抑えて画像品質を向上させることは不可能である。
また、特許文献3は、投射型テレビジョン受信機のレンズ鏡筒の内部の反射防止に関するものであり、レンズ鏡筒の内壁面に、このレンズ鏡筒の屈折率よりも低いフッ素系化合物薄膜を形成することにより、反射防止効果を狙うものである。ところが、この方法では、数%の反射率の低下は見られるものの、レンズ鏡筒のような光学部品で必要とされるレベル、つまり60°における光沢度0.1以下までは低下させることができない。ここで、光沢度の定義は、屈折率1.567のガラス鏡面研磨面に対する反射率を光沢度100としており、このガラス鏡面の実際の反射率は、60°入射の場合10.01%である。したがって、60°における光沢度0.1は0.01%となり、ほとんど無反射に近いものである。そのため、反射防止のみで60°における光沢度を0.1以下にすることは不可能に近く、60°における光沢度を0.1以下にするためには、表面拡散させるための表面凹凸が必要となる。以上のことから、特許文献3に開示された技術は、所謂フレアやゴーストなどの不具合の発生を抑えて画像品質を向上させることができるものではない。
本発明は、このような事情に鑑み、塗装された部品の反射散乱光を少なくする塗料と、所謂フレアやゴーストなどの不具合の発生を抑制し、画像コントラストを向上させて画像品質を向上させることが可能な光学部品とを提供することを目的とする。
本発明に係る第1の光学部品は、光学素子(3、4)を内部に収容する本体(21)を有する光学部品(2)であって、前記本体の内壁面(21a)が、高分子材料からなる複数の多孔質の微粒子(6)で被覆されている光学部品としたことを特徴とする。
また、本発明に係る第1の塗料は、樹脂材料を主成分とする溶液中に、高分子材料からなる複数の多孔質の微粒子(6)を分散した塗料としたことを特徴とする。
なお、ここでは、本発明をわかりやすく説明するため、実施の形態を表す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施の形態に限定されるものでないことは言及するまでもない。
本発明によれば、本発明の塗料により塗装することにより、光学素子を内部に収容する本体の内壁面に入射する光の大部分を微粒子によって吸収して反射率を減少させ、この内壁面の光沢度および明度指数を低減することができる。そのため、所謂フレアやゴーストなどの不具合の発生を抑制し、画像コントラストを向上させて画像品質を向上させることが可能となる。
本発明の実施の形態1に係るレンズ鏡筒を具備するレンズ鏡筒ユニットの要部を示す断面図である。 図1に示すレンズ鏡筒の内壁面の拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
図1および図2は、本発明の実施の形態1に係る図である。この実施の形態1では、光学部品としてレンズ鏡筒2を用い、本体として筒本体21を用い、光学素子として前群レンズ群3および後群レンズ群4を用い、バインダーとして皮膜形成用樹脂7を用いている。
レンズ鏡筒ユニット1は、図1に示すように、ポリカーボネートからなる略円筒状のレンズ鏡筒2を有しており、レンズ鏡筒2は、円筒状の筒本体21、円環状の第1レンズ保持部22、円環状の第2レンズ保持部23から構成されている。ここで、筒本体21の内部には、一端部(図1左端部)の近傍に第1レンズ保持部22が筒本体21と一体に形成されているとともに、他端部(図1右端部)の近傍に第2レンズ保持部23が筒本体21と一体に形成されている。
また、レンズ鏡筒2には、図1に示すように、前群レンズ群3および後群レンズ群4がこれらの光軸を一致させた形で取り付けられている。すなわち、レンズ鏡筒2の第1レンズ保持部22には、前群レンズ群3がその光軸を筒本体21の中心に合致させた状態で嵌合している。また、レンズ鏡筒2の第2レンズ保持部23には、後群レンズ群4がその光軸を筒本体21の中心に合致させた状態で嵌合している。その結果、前群レンズ群3の光軸と後群レンズ群4の光軸とが一致した状態となっている。
ところで、レンズ鏡筒2の筒本体21の内壁面21aには、図2に示すように、その全面にわたって黒色塗装膜5が形成されている。この黒色塗装膜5は、多数の微粒子6を含む黒色の皮膜形成用樹脂7から構成されている。
ここで、各微粒子6は、孔径0.02〜0.25μmの範囲内の多数の細孔が表面に形成された球状(つまり、多孔質球状)のポリメタクリル酸メチル(PMMA、屈折率1.49)から構成されている。これらの微粒子6は、図2に示すように、皮膜形成用樹脂7の表面から突出する形で筒本体21の内壁面21aのほぼ全面を覆っており、その面密度(黒色塗装膜5の厚さ方向に垂直な平面に配置される微粒子6の単位面積当たりの個数)は、概ね250〜5000個/mm2 の範囲内となっている。一方、皮膜形成用樹脂7はアクリルウレタン(屈折率およそ1.5)から構成されている。したがって、各微粒子6と皮膜形成用樹脂7とは、屈折率がほぼ同一となっている。
なお、こうした黒色塗装膜5を筒本体21の内壁面21aに形成するには、種々の方法を採用することができる。例えば、皮膜形成用樹脂7となる塗料中に微粒子6を所定の割合で添加して分散させて黒色着色塗料を調製した後、この黒色着色塗料を筒本体21の内壁面21aにスプレー塗装して乾燥させることにより、黒色塗装膜5を筒本体21の内壁面21aに形成することもできる。このスプレー塗装も含めて一般に塗装の場合、微視的に見ると、一度塗りでは、筒本体21の内壁面21aの全面に微粒子6が並ばない恐れがあるのに対して、二度塗りすると、1層目(下塗り)の微粒子6の隙間を埋める形で筒本体21の内壁面21aの全面に微粒子6が並びやすい点で好ましい。
このように、レンズ鏡筒ユニット1のレンズ鏡筒2においては、筒本体21の内壁面21aに多数の多孔質球状の微粒子6が、筒本体21の内壁面21aのほぼ全面を被覆するように所定の面密度で配置されている。そのため、被写体像の形成に寄与しない軸外光が前群レンズ群3や後群レンズ群4を透過してレンズ鏡筒2の内部に入り込んだ場合、筒本体21の内壁面21aに入射した軸外光の大部分は、微粒子6の細孔内で反射を繰り返して吸収され、この細孔内に閉じ込められる。したがって、この軸外光は、その大部分が微粒子6によって吸収され、反射率が大幅に低下することから、レンズ鏡筒2の内部で迷光となって撮像素子(図示せず)に到達する事態がほとんど発生しなくなる。その結果、所謂フレアやゴーストなどの不具合の発生を抑制し、画像コントラストを向上させて画像品質を向上させることが可能となる。
しかも、これらの微粒子6は、皮膜形成用樹脂7の表面から突出しているので、筒本体21の内壁面21aへの入射光を捕捉しやすくなり、上述した効果が顕著になる。
また、微粒子6の屈折率と皮膜形成用樹脂7の屈折率とがほぼ同一となっているため、微粒子6に光が入射したとき、微粒子6と皮膜形成用樹脂7との界面において、散乱光が減少して透過光が増大する。その結果、黒色塗装膜5は、黒味が強くなると同時に光沢度が低下する。
さらに、各微粒子6は、その材質がポリメタクリル酸メチルであり、シリカなどの低分子材料より屈折率が低いので、粒子表面での反射光が減って黒味が強くなる。
なお、このような微粒子6を含有する塗料の代表例としては、アクリルウレタンを主成分に、黒色顔料を含有させ、さらにそれをシンナーで希釈溶解した溶液に対して、質量百分率で10%〜80%の割合で、微粒子6を含有させたものを使用することができる。
ところで、微粒子6の混合割合が10%未満であると、1回の塗布乾燥後で得られる黒色塗装膜5に捉えられた微粒子6の密度が少ないため、十分な黒味が発現できない。一方、微粒子6の混合割合が80%より大きいと、塗布されたのちの黒色塗装膜5における微粒子6の密度が80%を超えた時点で密度が増加しなくなる。そして、微粒子6の消費量だけが多くなるため、無駄に消費する微粒子6が多くなるだけである。
[発明のその他の実施の形態]
なお、上述した実施の形態1では、微粒子6が多孔質球状である場合について説明した。しかし、微粒子6は、多孔質である限り、球状以外の形状(例えば、不定形など)とすることも可能である。微粒子6が不定形である場合、球状の場合に比べて、正反射光が減少するため、黒色塗装膜5の光沢度が低下する利点がある。
また、上述した実施の形態1では、ポリメタクリル酸メチルからなる微粒子6について説明した。しかし、微粒子6の材質としては、ポリメタクリル酸メチル以外の高分子材料(例えば、ポリアクリルニトリル(屈折率1.52)などのポリアクリルニトリル系、ポリアクリレート系、ポリスチレン系など)を代用することもできる。これらの場合も、シリカなどの低分子材料より屈折率が低いので、ポリメタクリル酸メチルの場合と同様、粒子表面での反射光が減って黒味が強くなる傾向にある。
また、上述した実施の形態1では、ポリカーボネート製のレンズ鏡筒2について説明したが、レンズ鏡筒2の材質はポリカーボネートに限るわけではない。例えば、ポリカーボネート以外の樹脂や、アルミニウム、マグネシウムなどの金属をレンズ鏡筒2の材質として採用しても構わない。
また、上述した実施の形態1では、光学部品および本体がそれぞれレンズ鏡筒2および筒本体21である場合について説明したが、これらは例示に過ぎない。例えば、望遠鏡の主筒や接眼筒の内壁面に本発明を同様に適用することもできる。
また、上述した実施の形態1では、光学素子が前群レンズ群3および後群レンズ群4である場合について説明したが、前群レンズ群3および後群レンズ群4以外の光学素子を内部に収容する光学部品に本発明を同様に適用することも可能である。
さらに、上述した実施の形態1では、バインダーが皮膜形成用樹脂7である場合について説明したが、筒本体21の内壁面21aに微粒子6を固着する機能を有する限り、皮膜形成用樹脂7以外のバインダー(例えば、アルキド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂など)を代用することも可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
粒子径が約20μmの多孔質球状PMMA微粒子(ポリメタクリル酸メチル樹脂からなる多孔質球状の微粒子)を、アクリルウレタン(皮膜形成用樹脂)をシンナーで希釈溶解した塗料中に45質量%の割合で添加し、これを(株)シンキー製の攪拌装置「あわとり練太郎AR−500」で十分に攪拌して多孔質球状PMMA微粒子をアクリルウレタン内で分散させることにより、黒色着色塗料を調製した。その後、アルミニウムからなる平板状の基材の上にこの黒色着色塗料をスプレー塗装し、オーブンで乾燥させることにより、基材上に厚さ約30μmの黒色塗装膜を形成した。
なお、ここでは、平板状の基材を円筒状の筒本体とみなした。これは、黒色塗装膜を形成する対象物の形状が平板状であろうと円筒状であろうと、黒色塗装膜の光沢度や明度指数に影響を及ぼさないとの考えに立脚するものである。
<実施例2>
粒子径が約20μmの多孔質球状PMMA微粒子に代えて、粒子径が約45μmの多孔質球状PMMA微粒子を用いたことを除き、上述した実施例1と同様の手順により、同様の基材上に同じ厚さの黒色塗装膜を形成した。
<比較例1>
粒子径が約20μmの多孔質球状PMMA微粒子に代えて、粒子径が約3μmの多孔質球状シリカ微粒子(シリカからなる多孔質球状の微粒子)を用いたことを除き、上述した実施例1と同様の手順により、同様の基材上に同じ厚さの黒色塗装膜を形成した。
<比較例2>
多孔質球状PMMA微粒子に代えて、真球状PMMA微粒子(ポリメタクリル酸メチル樹脂からなる真球状の微粒子)を用いたことを除き、上述した実施例1と同様の手順により、同様の基材上に同じ厚さの黒色塗装膜を形成した。
<比較例3>
多孔質球状PMMA微粒子に代えて、真球状PMMA微粒子(ポリメタクリル酸メチル樹脂からなる真球状の微粒子)を用いたことを除き、上述した実施例2と同様の手順により、同様の基材上に同じ厚さの黒色塗装膜を形成した。
<光沢度および明度指数の測定>
これらの実施例1、2および比較例1〜3についてそれぞれ、入射角60°および85°における光沢度を測定するとともに、明度指数を測定した。なお、光沢度の測定は、JIS Z 8741に準拠して行った。その測定結果をまとめて表1に示す。
表1から明らかなように、光沢度については、比較例1〜3で0.2〜0.4(入射角60°の場合)、0.7〜3.7(入射角85°の場合)であったのに対して、実施例1、2では0(入射角60°の場合)、0.1(入射角85°の場合)となった。また、明度指数については、比較例1〜3で11.5〜21であったのに対して、実施例1、2では7.1〜7.5となった。
さらに細かく見ると、真球状PMMA微粒子に対する多孔質球状PMMA微粒子の優位性や、多孔質球状シリカ微粒子に対する多孔質球状PMMA微粒子の優位性が認められることが判明した。
すなわち、実施例1と比較例2では、粒子径が約20μmの微粒子の形状のみが異なる(前者では多孔質球状であるのに対して、後者では真球状である)ところ、両者の測定結果を比較すると、後者に比べて前者で光沢度および明度指数が低下した。また、実施例2と比較例3では、粒子径が約45μmの微粒子の形状のみが異なる(前者では多孔質球状であるのに対して、後者では真球状である)ところ、両者の測定結果を比較すると、後者に比べて前者で光沢度および明度指数が低下した。これらの結果から、多孔質球状PMMA微粒子が真球状PMMA微粒子より光沢度および明度指数の低下の点で優れていると結論付けることができる。
また、実施例1と比較例1では、微粒子の材質および粒子径のみが異なる(前者では粒子径が約20μmのPMMAであるのに対して、後者では粒子径が約3μmのシリカである)ところ、両者の測定結果を比較すると、後者に比べて前者で光沢度および明度指数が低下した。この結果から、多孔質球状PMMA微粒子が多孔質球状シリカ微粒子より光沢度および明度指数の低下の点で優れていると結論付けることができる。
本発明は、レンズ鏡筒ユニットのほか、ビデオカメラや望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡など各種の光学機器に広く適用することができる。
1……レンズ鏡筒ユニット
2……レンズ鏡筒(光学部品)
3……前群レンズ群(光学素子)
4……後群レンズ群(光学素子)
5……黒色塗装膜
6……微粒子
7……皮膜形成用樹脂(バインダー)
21……筒本体(本体)
21a……内壁面
22……第1レンズ保持部
23……第2レンズ保持部

Claims (10)

  1. 光学素子を内部に収容する本体を有する光学部品であって、
    前記本体の内壁面が、高分子材料からなる複数の多孔質の微粒子で被覆されていることを特徴とする光学部品。
  2. 前記各微粒子は、バインダーによって前記本体の内壁面に固着されていることを特徴とする請求項1に記載の光学部品。
  3. 前記複数の微粒子は、少なくともその一部が前記バインダーの表面から突出していることを特徴とする請求項2に記載の光学部品。
  4. 前記バインダーは、皮膜形成用樹脂であることを特徴とする請求項2または3に記載の光学部品。
  5. 前記複数の微粒子の面密度は、250〜5000個/mm2 の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光学部品。
  6. 前記各微粒子の表面に形成された細孔の孔径は、0.02〜0.25μmの範囲内であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光学部品。
  7. 前記各微粒子の屈折率は、前記バインダーの屈折率とほぼ同一であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の光学部品。
  8. 前記各微粒子の材質は、ポリメタクリル酸メチルであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の光学部品。
  9. 樹脂材料を主成分とする溶液中に、高分子材料からなる複数の多孔質の微粒子を分散したことを特徴とする塗料。
  10. 前記多孔質の微粒子は、前記溶液に対して、質量百分率で10%以上80%以下の割合で含有していることを特徴とする請求項9に記載の塗料。
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