JP2019039961A - 反射防止膜を有する光学系および光学装置 - Google Patents

反射防止膜を有する光学系および光学装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019039961A
JP2019039961A JP2017159626A JP2017159626A JP2019039961A JP 2019039961 A JP2019039961 A JP 2019039961A JP 2017159626 A JP2017159626 A JP 2017159626A JP 2017159626 A JP2017159626 A JP 2017159626A JP 2019039961 A JP2019039961 A JP 2019039961A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical system
optical
layer
less
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017159626A
Other languages
English (en)
Inventor
奥野 丈晴
Takeharu Okuno
丈晴 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2017159626A priority Critical patent/JP2019039961A/ja
Publication of JP2019039961A publication Critical patent/JP2019039961A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 結像面に対し少なくとも一部のレンズが結像面に対して移動する機構を有する光学系において、フレアやゴーストなどの有害光の発生を抑制した高品位な光学系、光学装置を提供すること【解決手段】 光学系(11)は、複数の光学素子(1〜6)と、該複数の光学素子のうち少なくとも一つを移動させる機構(14)とを有し、前記複数の光学素子のうち少なくとも一つ(21)は、反射防止膜(22)が設けられた光学面を備え、前記反射防止膜は、鎖状シリカを含む第1の層(24)と、該第1の層と前記光学面との間に設けられた第2の層(23)とを有し、該第2の層は、互いに異なる材料から成る2層以上の誘電体層を含む、3層以上18層以下の誘電体層で構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、光学系、光学装置に関する。特に、結像面に対して移動する機構を有する光学系であって、少なくとも一面の光学面に酸化ケイ素微粒子が数個から数十個鎖状に連なった粒子を有する反射防止膜を用いた光学系、光学装置に関する。
近年の光学系は、カメラの高画質化やズーム倍率、明るさなどのスペック向上に伴い、レンズ枚数が増加してきており、その結果として、レンズ表面の反射に起因するフレアやゴーストなどの有害光が発生しやすい。とりわけズーム倍率の大きな光学系では、変倍に伴いレンズが大きく移動するレンズ群を有するため、特定の倍率で有害光が発生しやすい。
有害光を抑制する手段として、従来からレンズ表面には反射防止膜が設けられ、最表面に低屈折率材料を用いることで反射防止性能を向上した反射防止膜が提案されている。
特許文献1には、1〜7層の誘電体薄膜層の上に中空シリカ粒子を含有する低屈折率層を形成することで、高性能を実現した反射防止膜が提案されている。しかし特許文献1の中空シリカ粒子は、平均粒径5nm以上100nm以下であれば良いと記載されているのみである。
また、特許文献2にも、同じく中空シリカ微粒子を用いた反射防止膜が開示されている。特許文献2では、実施例において具体的に、触媒化成工業(株)製の平均粒子径60nmの中空シリカ微粒子を用いた旨の記載がある。
特開2015−222450号公報 特開2004−258267号公報
しかしながら、中空シリカ微粒子は、シリカ(SiO2)の外殻に内包された空気からなるカプセル状の粒子であるため、屈折率を維持して粒子径を小さくするためには、外殻も同時に薄くする必要があり、例えば粒径を40nm以下とするのは困難である。
また、特許文献1の図2〜4、特許文献2の図2、3には、中空微粒子が規則的かつ最密に積層された図が記載されている。しかしながら、曲率を有するレンズ表面上に規則的に配列することは難しく、また、できたとしても不連続な値となり、任意の膜厚が設定できない、という課題が発生する。粒子をバインダーなどの材料に含有させて用いた場合は、任意の膜厚が設定できる可能性もあるが、粒子が存在しない領域、すなわち屈折率の高い領域が存在することになり、低屈折率膜の効果が低減してしまう。
また、特許文献2の図4に記載されているように、粒径60nmの粒子が不規則に配列して表面凹凸を形成した場合、入射光が散乱しフレアが増大する、という課題も発生する。
このような状況を鑑みて本発明は、結像面に対し少なくとも一部のレンズが結像面に対して移動する機構を有する光学系において、有害光の発生を抑制した高品位な光学系、光学装置を提供すること、を目的とする。
本発明の一側面としての光学系は、複数の光学素子と、該複数の光学素子のうち少なくとも一つを移動させる機構とを有し、前記複数の光学素子のうち少なくとも一つは、反射防止膜が設けられた光学面を備え、前記反射防止膜は、鎖状シリカを含む第1の層と、該第1の層と前記光学面との間に設けられた第2の層とを有し、該第2の層は、互いに異なる材料から成る2層以上の誘電体層を含む、3層以上18層以下の誘電体層で構成されることを特徴とする。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、結像面に対し少なくとも一部のレンズが結像面に対して移動する機構を有する光学系において、フレアやゴーストなどの有害光の発生を抑制した高品位な光学系、光学装置を提供することができる。
本発明の光学系(一例)の断面図。 本発明の光学系に適用される反射防止膜の模式断面図。 本発明の反射防止膜に用いられる微粒子の模式図。 本発明実施例1の光学系の断面図。 本発明実施例1の光学系に適用される反射防止膜の分光反射率特性。 本発明実施例2の光学系の断面図。 本発明実施例2の光学系に適用される反射防止膜の分光反射率特性。 本発明実施例3の光学系の断面図。 本発明実施例3の光学系に適用される反射防止膜の分光反射率特性。 本発明実施例1〜3のいずれかの光学系を備える光学装置のブロック図。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の光学系は、合焦、変倍、防振のいずれかあるいはすべての機能を発現するために、少なくとも一つのレンズが結像面に対し移動する機構14を有している。図1は、本発明の光学系の一例であり、光学系11は、6個の光学素子(レンズ1〜6)から構成されており、すべてのレンズが像面に対して移動することで、合焦を行うタイプの撮影レンズである。
また、本発明の光学系は、少なくとも1面のレンズ面に反射防止膜が形成されている。図2は、本発明に用いる反射防止膜の模式断面図である。図2において、21は光学素子基板(レンズ)であり、表面近傍を拡大表示している。模式的に平面としているが、レンズ面(曲面)でも良い。
22は本発明に用いられる反射防止膜であり、下地層23(第2の層)と最表面に形成された低屈折率層24(第1の層)とからなる。
下地層23は、単層ないし多層の誘電体薄膜層(誘電体層)である。
低屈折率層24は,直径が5〜40nmのシリカ(酸化珪素)粒子(もしくは、シリカを主成分とする粒子)が数個から数十個連なり、20nm〜300nmの平均長さを持った鎖状粒子(鎖状シリカ)を有する、膜厚が70〜280nmの薄膜層である。また、低屈折率層24は、鎖状粒子のみでも良いが、鎖状粒子が樹脂やシリカ系などのバインダーで固められた膜であってもよい。低屈折率層24は,波長550nmにおける屈折率が、1.10〜1.28の範囲の値を有している。
図3は、低屈折率層24が含有する鎖状粒子の模式図である。図3に示した鎖状粒子は、本発明の反射防止膜における低屈折率層24に用いられる以前の、材料段階の図である。鎖状粒子を構成する粒子は、平均粒径(平均直径)Dが5〜40nmのシリカ粒子であり、それが数個から数十個連結した形状となっている。シリカ粒子の粒径は必ずしも均一である必要はなく、例えば10〜15nmの範囲や、18〜25nmの範囲といったように、あるばらつき範囲を持っていても差し支えない。また粒子は完全に球状である必要もなく、歪んでいても構わない。
本発明に使用する低屈折率膜は、例えば、このような鎖状粒子を液体(溶媒やバインダー材料)に添加したものを塗布することで形成することができる。塗布方法としては、スピンコート法やディップコート法、スプレーコート法など、あらゆる湿式塗布法が適用可能であるが、曲率を有するレンズ表面に均一な膜厚で形成する観点から、スピンコート法が好ましい。
また通常のシリカは,1.4〜1.5程度の屈折率を有しているが、本発明に使用する鎖状粒子は、粒子自体がナノオーダーのサイズであることや、ポーラスな状態であることから屈折率が低い状態となっている。そのため、樹脂や無機物からなるバインダーで固めた場合でも、膜としての屈折率が1.10〜1.28の範囲を実現できる。
さらに平均粒径Dが40nm以下、すなわち可視光の最短波長の10分の1程度のオーダーである。そのため、粒子がランダムに積層されていたり、表面に粒子の凹凸が形成された場合でも、散乱や回折などによる不要光はほとんど発生しない。
鎖状粒子の平均粒径Dは、40nm以下であれば問題ないが、25nm以下であることがより望ましく、15nm以下であるとさらに良いが、10nmより小さいとさらに好ましい。
従って、本発明に使用する反射防止膜22は、散乱によるフレアを発生させることがなく、粒径が40nm以上のサイズの粒子を使用する場合に比べ、膜厚も任意の値に調整可能である。
また、低屈折率層24は、波長550nmにおける屈折率が、1.11以上1.26以下であることがより好ましく、さらに、反射防止膜22の膜厚は、105nm以上140nm以下であることがより好ましい。
図4は、本発明実施例1の光学系の断面図である。
光学系11は、6個のレンズから構成されており、すべてのレンズが像面に対して移動することで、合焦を行うタイプの光学系である。
12は開口絞りであり、13は結像面(撮像素子(イメージセンサ)ないしはフィルム)である。
本実施例の光学系は、入射光の一部が第4レンズ20bの物体側面で反射し、その反射光が第3レンズ20aの像側面で再度反射することで、不要光(ゴースト)となって像面に到達する場合がある。レンズの設計段階において、収差性能を維持しつつ、各レンズの硝材、曲率半径、面間隔を見直すことで、不要光を像面から逸らしたり、大きなスポット径に発散させることで、写真として実害のない状態に制御することは、ある程度可能である。
しかしながら、特定の合焦位置では問題なくても、至近から無限まで合焦のためにレンズが移動する過程において、像面に到達する光束の状態が変化し、フレアやゴースト光となってしまう場合がある。とくに近年、従来は静止画像のみを撮影していたデジタル一眼レフカメラなどで、動画(ムービー)撮影する機能が普及してきている。静止画像を撮影する場合は、ファインダーや液晶画面で画像を確認しながら撮影すれば、撮影者がフレアやゴーストを回避することができた。しかし、動画撮影において合焦や変倍、防振機能によって不意にゴーストが現れる場合、瞬時に対処することは困難である。
さらにデジタルカメラの新しい機能として、HDR撮影(High Dynamic Range撮影)なども普及してきており,露出量が多い、すなわちフレアやゴーストの出やすい画像を撮影する確率が高くなってきている。したがって、近年のカメラ用レンズはフレアやゴーストを防止する対策が従来よりも高度に求められている。
ここで、フレアとは像面に到達する不要光が比較的広く分布して像面に到達した場合に発生し、撮影した写真全体に、もやがかかったような状態を指す。ゴーストとは像面に到達する光束が比較的狭い領域に収束することで発生する不要光であり、反射したレンズ面の反射分光特性に起因する色味が発現している場合が多い。
そこで本実施例の光学系は、第3レンズ20aの像側面(図中破線で示す)に,平均粒径Dが18〜25nmの鎖状シリカ粒子(日産化学工業株式会社製スノーテックス)を用い、屈折率1.252、膜厚115.0nmの低屈折率層を有する反射防止膜を形成した。
本実施例に使用した反射防止膜の膜設計値を表1に、反射率特性を図5に示す。
表1に示したとおり、第3レンズは株式会社オハラ製のS−TIM25からなるレンズであり、下地層は、真空蒸着で形成したアルミナ(Al2O3)およびジルコニア(ZrO2)を交互に6層形成した誘電体薄膜層である。
図5は横軸を波長、縦軸を反射率とした分光反射率特性であるが、(a)は縦軸のフルスケールが5%となっており、(b)はフルスケールを1%に拡大したものである。図5を見て分かるとおり、可視域全域で入射角30°の光線に対してはほぼ0.1%%以下、入射角45°の光線に対しても0.5%以下という高い反射防止性能を実現している。
また、平均粒径25nm以下の鎖状シリカ粒子を用いたことで散乱などの有害光も発生しない。
そのため、本実施例の光学系は合焦時にレンズが像面に対して移動しても、フレアやゴーストの発生を良好に抑制した高品位な光学系を実現している。
本実施例1では、下地層を真空蒸着法で形成したが、本発明はこれに限定されず、スパッタリング法やウェット法を用いても良い。
図6は、本発明実施例2の光学系の断面図である。
光学系11は、ズームレンズであり、物体側より順に正の屈折力の第1レンズ群(L1)、負の屈折力の第2レンズ群(L2)、正の屈折力の第3レンズ群(L3)そして正の屈折力の第4レンズ群(L4)の4つのレンズ群を有している。広角端から望遠端へのズーミングにおいては、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が広く、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が狭くなるように、第2レンズ群と第3レンズ群とが光軸上を移動する。
また、前記第1レンズ群は物体側より正の屈折力の単レンズで構成された第1aレンズ群(L1a)と、全体として正の屈折力の第1bレンズ群(L1b)とで構成されている。そして、無限遠物体から至近距離物体へのフォーカシングに際しては、前記第1bレンズ群を物体側に光軸上移動させて行う光学系である。
本実施例の設計値およびズーミングの際のレンズ面間隔を、数値実施例1に示す。
本実施例の光学系では、ズーミングの際に第2レンズ群(L2)が大きく移動するため、すべての位置でフレアやゴーストを抑制するように光学設計することが困難である。そこで本実施例の光学系においては,第5レンズ20aの像側面(図中破線で示す)に平均粒径Dが10〜15nmの鎖状シリカ粒子(日産化学工業株式会社製スノーテックス)を用い,屈折率1.202、膜厚122.3nmの低屈折率層を有する反射防止膜を形成した。
本実施例に使用した反射防止膜の膜設計値を表2に、分光反射率特性を図7に示す。
表2に示したように、第5レンズは株式会社オハラ製のS−LAH65Vからなるレンズであり、下地層は、真空蒸着で形成したアルミナ(Al2O3)および5酸化タンタル(Ta2O5)を交互に6層形成した誘電体薄膜層である。
図7を見て分かるとおり、可視域全域で入射角0〜30°の光線に対してはほぼ0.1%以下、入射角45°の光線に対しては0.5%以下、入射角60°の光線に対しては2.5%以下という高い反射防止性能を実現している。
また、平均粒径15nm以下の鎖状シリカ粒子を用いたことで散乱などの有害光も発生しない。
そのため、本実施例の光学系はズーミングの際にレンズが像面に対して移動しても、フレアやゴーストの発生を良好に抑制した高品位な光学系を実現することができる。
なお、本実施例では、第5レンズ20aの像側面に反射防止膜を形成しているが、絞り12よりも物体側に配置された正の曲率半径を有する3面以上のレンズ面と、絞り12よりも像側に配置された負の曲率半径を有する3面以上のレンズ面があればよく、これらレンズ面のうちいずれか1面以上に反射防止膜が形成されていればよい。
ここで、あるレンズ面の曲率半径が正とは、その曲率中心が像側にある場合をいい、あるレンズ面の曲率半径が負とは、その曲率中心が物体側にある場合をいう。
[数値実施例1]
図8は、本発明実施例3の光学系の断面図である。
光学系11は、望遠レンズであり、図中ISで示したレンズ群が光軸垂直方向に偏心することで、防振(手振れ補正)する機構を備えた光学系である。
本実施例の光学設計値を数値実施例2に示す。
本実施例のような光学系では、防振機能が作動した際、ISで示したレンズ群内のレンズ面の反射によって発生するゴーストも撮影画像内で移動することになる。ゴースト光は通常、レンズ中心と光源位置を結んだ2点の延長線上に一列に配列する。
しかし、IS機構によりレンズが偏心した場合、その延長線上から外れることになるため著しく目立ち、撮影画像の品位を低下させる。また、動画撮影時にIS機能が作動し続けた場合、撮影した映像内でゴーストが動き続けることとなり、この場合も非常に目立つばかりでなく、撮影した映像の品位を低下させてしまう。
そこで本実施例の光学系においては、第12レンズ20a物体側面(図中破線で示す)に平均粒径Dが8〜12nmの鎖状シリカ粒子を用い、屈折率1.112、膜厚123.0nmの低屈折率層を有する反射防止膜を形成した。
本実施例に使用した反射防止膜の膜設計値を表3に、分光反射率特性を図9に示す。
表3に示したように、第12レンズは株式会社オハラ製のS−LAH60からなるレンズであり、下地層は,真空蒸着で形成したアルミナ(Al2O3)、5酸化タンタル(Ta2O5)、シリカ(SiO2)からなる合計6層の誘電体薄膜層を形成した。
図9を見て分かるとおり、可視域全域で入射角0〜30°の光線に対してはほぼ0.2%以下、入射角45°の光線に対してはほぼ0.6%以下、入射角60°の光線に対してはほぼ3.0%以下という高い反射防止性能を実現している。
また、平均粒径12nm以下の鎖状シリカ粒子を用いたことで散乱などの有害光も発生しない。
そのため、本実施例の光学系は防振の際にレンズが像面に対して移動しても、フレアやゴーストの発生を良好に抑制した高品位な光学系を実現することができる。
実施例1〜3では、光学系を示したが,それぞれデジタルカメラなどに用いることで、高品位な画像が取得可能な光学系を備えた光学装置10(撮像装置)を実現できる(図10)。
また、実施例1〜3では、下地層として6層からなる誘電体薄膜層を用いたが、本発明はこれに限定されず、3〜18層の範囲で任意に設定可能である。
さらに、実施例1〜3では、光学系中のそれぞれ1面に低屈折率層を有する反射防止膜を形成したが、本発明はこれに限定されず、複数の面に適用することができる。
本発明に用いた反射防止膜は、平均粒径が40nm以下の鎖状シリカ粒子を用いたことで、散乱や回折などの不要光が発生しないため、複数面に用いても光学系、光学装置への悪影響がない。
本発明に用いた低屈折率層は、ポーラス(多孔質)な材料によって低屈折率を実現している。そのため、空隙中に水分や油分が吸着すると、性能悪化の原因となる。そうした懸念がある状況で用いられる場合は、表面ないし膜中にフッ素樹脂を形成、含有させると良い。
[数値実施例2]
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、複数の実施例のそれぞれの少なくとも一部を組み合わせもよい。
11 光学系
13 結像面(撮像素子)
20 光学素子
21 基板(レンズ)
22 反射防止膜
23 下地層(第2の層)
24 低屈折率層(第1の層)

Claims (21)

  1. 複数の光学素子と、
    該複数の光学素子のうち少なくとも一つを移動させる機構とを有し、
    前記複数の光学素子のうち少なくとも一つは、反射防止膜が設けられた光学面を備え、
    前記反射防止膜は、鎖状シリカを含む第1の層と、該第1の層と前記光学面との間に設けられた第2の層とを有し、
    該第2の層は、互いに異なる材料から成る2層以上の誘電体層を含む、3層以上18層以下の誘電体層で構成されることを特徴とする光学系。
  2. 前記機構は、合焦、変倍、防振のうち少なくとも一つを行うための機構であることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  3. 前記第1の層は、前記反射防止膜の最表層であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
  4. 前記鎖状シリカにおけるシリカ粒子の平均粒径は、5nm以上40nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学系。
  5. 前記鎖状シリカの平均長さは、20nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項4に記載の光学系。
  6. 前記第1の層の膜厚は、70nm以上280nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学系。
  7. 前記第1の層の波長550nmにおける屈折率は、1.10以上1.28以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学系。
  8. 前記第1の層は、前記鎖状シリカのみからなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学系。
  9. 前記第1の層は、前記鎖状シリカおよびバインダーからなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学系。
  10. 絞りを有し、
    該絞りよりも物体側に配置された正の曲率半径を有する3面以上の光学面と、
    前記絞りよりも像側に配置された負の曲率半径を有する3面以上の光学面を有し、
    前記絞りよりも物体側に配置された正の曲率半径を有する3面以上の光学面乃至は前記絞りよりも像側に配置された負の曲率半径を有する3面以上の光学面のうちいずれか1面以上の光学面に、前記反射防止膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学系。
  11. 前記複数の光学素子は、6個以上の光学素子からなることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光学系。
  12. 前記反射防止膜は、変倍の際に移動する光学素子のうちの1面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光学系。
  13. 前記反射防止膜は、防振の際に移動する光学素子のうちの1面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光学系。
  14. 前記機構は、前記反射防止膜が設けられた光学面を備える光学素子を移動させることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光学系。
  15. 前記反射防止膜は、波長430nmから670nmの範囲で、
    入射角0から60°の光線に対する反射率が5.0%以下であり、
    入射角が0から45°の光線に対する反射率が1.0%以下、であり、
    入射角が0°の光線に対する反射率が0.2%以下であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光学系。
  16. 前記反射防止膜において、前記第1の層の波長550nmにおける屈折率は、1.11以上1.26以下であり、
    前記反射防止膜の膜厚は、105nm以上140nm以下であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の光学系。
  17. 前記鎖状シリカにおけるシリカ粒子の平均粒径は、5nm以上25nm以下であることを特徴とする請求項1乃至16のうちいずれか一項に記載の光学系。
  18. 前記鎖状シリカにおけるシリカ粒子の平均粒径は、5nm以上15nm以下であることを特徴とする請求項1乃至17のうちいずれか一項に記載の光学系。
  19. 前記鎖状シリカにおけるシリカ粒子の平均粒径は、5nm以上10nm未満であることを特徴とする請求項1乃至18のうちいずれか一項に記載の光学系。
  20. 前記第1の層は、その表面または層内にフッ素樹脂を形成または含有していることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載の光学系。
  21. 請求項1乃至20のうちいずれか一項に記載の光学系と、
    該光学系からの光を受光する撮像素子とを有することを特徴とする光学装置。
JP2017159626A 2017-08-22 2017-08-22 反射防止膜を有する光学系および光学装置 Pending JP2019039961A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017159626A JP2019039961A (ja) 2017-08-22 2017-08-22 反射防止膜を有する光学系および光学装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017159626A JP2019039961A (ja) 2017-08-22 2017-08-22 反射防止膜を有する光学系および光学装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019039961A true JP2019039961A (ja) 2019-03-14

Family

ID=65725550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017159626A Pending JP2019039961A (ja) 2017-08-22 2017-08-22 反射防止膜を有する光学系および光学装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019039961A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110346906A (zh) * 2019-06-30 2019-10-18 瑞声科技(新加坡)有限公司 摄像光学镜头

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110346906A (zh) * 2019-06-30 2019-10-18 瑞声科技(新加坡)有限公司 摄像光学镜头

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI600923B (zh) 攝影光學鏡片系統、取像裝置及電子裝置
US7336421B2 (en) Optical system with anti-reflection coating
US9423530B2 (en) Optical element, and optical system and optical apparatus using same
JP5354345B2 (ja) 変倍光学系、この変倍光学系を備えた光学機器
JP2010078803A (ja) 光学素子及びそれを有する光学系
JP2015004919A (ja) 反射防止膜及びそれを有する光学素子
JP2016170353A (ja) 光学系および撮像システム
TWI512329B (zh) 變焦鏡頭
JP6404795B2 (ja) ズームレンズおよび撮像装置
JP2007108614A (ja) 撮影光学系,撮影レンズユニットおよびカメラ
JP5641718B2 (ja) 撮影レンズ
TWM511632U (zh) 相機模組及電子裝置
US9405044B2 (en) Antireflection coating film, and optical element, optical system, and optical apparatus having the same
JP2012047870A (ja) 光学系及びそれを有する光学機器
JP3743584B2 (ja) 近赤外光束透過防止レンズ系
JP2013114235A (ja) 光学素子、光学素子の製造方法、光学系および光学機器
JP5213424B2 (ja) 光学系及びそれを有する光学機器
JP2017097205A (ja) コンバータレンズ、コンバータレンズを備える撮像装置及びコンバータレンズの製造方法
JP2008268613A5 (ja)
JP2019039961A (ja) 反射防止膜を有する光学系および光学装置
JP2015084037A (ja) 変倍光学系、光学装置、変倍光学系の製造方法
JP2003329806A (ja) 光学機器
US20200308415A1 (en) Optical member, optical device and coating liquid
JP2006031055A (ja) 近赤外光束透過防止レンズ系
WO2015163368A1 (ja) 変倍光学系、光学装置、変倍光学系の製造方法