JP2012155180A - 光学素子用の反射防止塗料及び光学素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラスとの界面に発生し外観不良の原因となる気泡の発生を抑制し、かつ塗布不良を生じない光学素子用の反射防止膜及びこの反射防止膜を作製するための塗料(反射防止塗料)を提供する。
【解決手段】少なくとも硬化性樹脂と、有機溶媒と、有機溶媒に可溶な着色剤と、を有する光学素子用の反射防止塗料であって、前記有機溶媒が、少なくとも沸点40℃以上108℃以下の第一の有機溶媒と、沸点110℃以上140℃以下の第二の有機溶媒とからなり、前記第一の有機溶媒の沸点と、前記第二の有機溶媒の沸点との差が30℃以上100℃以下であることを特徴とする、光学素子用の反射防止塗料、及びこの光学素子用の反射防止塗料を塗布して形成される光学素子用の反射防止膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、カメラ、双眼鏡、顕微鏡等の光学機器に使用される光学素子用の反射防止塗料及びこの反射防止塗料を使用した光学素子の製造方法に関する。
光学素子用の反射防止膜は、主に光学素子の構成部材であるガラスの表面に形成される塗膜である。ここでガラスはレンズであってもよいしプリズムであってもよい。またその他の光学用ガラスであってもよい。
ここで光学素子用の反射防止膜の役割について、図面を参照しながら説明する。図6は、光学素子用の反射防止膜と、この反射防止膜を設けたレンズの一例を示す概略図である。図6に示されるように、光学素子用の反射防止膜1は、レンズ2の任意の外周部分に形成されている。ここでレンズ2に入射する光のうちレンズ2の外周部分に当たらない光(入射光3)は、透過光4として透過する。一方、レンズ2に入射する光のうちレンズ2の外周部分に当たる光(入射光5)は、レンズ2の外周部分に設けられている反射防止膜1に当たる。仮に、図6の反射防止膜1が形成されていない場合では、レンズ2の外周部分に当たった光は内面反射して画像に関係のない内面反射光6としてレンズ2の外に出て行く。この内面反射光6は、画像を悪くする要素であるフレアやゴースト等の原因になる。このためフレアやゴースト等の発生を防ぐ目的でレンズ2の外周に反射防止膜1を設ける必要がある。ここで反射防止膜1を設けることにより、斜めからの入射光5に対する内面反射を減らすことが可能となる。これにより画像に悪影響を与える内面反射光6が減少するので、フレアやゴーストを防止することが可能である。尚、反射防止膜1には、内面反射を低減するために、反射防止膜1の屈折率をガラス2の屈折率に近づけること及び光を吸収するために黒色でありかつ光学素子用の反射防止膜内部に吸収した光が反射や散乱を起こさないことが要求される。
また反射防止膜1は、ユーザーが鏡筒を見た際に見える位置に設けられているため、外観に対しても高い品位が求められる。具体的には、反射防止膜1に求められる外観に対する品位として、反射防止膜を塗布形成した際に形成した膜について厚みムラが少ないこと、反射防止膜1とレンズとの界面に品位を低下させる気泡がないことがある。
ここで、反射防止膜1に厚みムラがあると、膜が薄い部分についてはその部分が透けて見えて外観が悪くなるので好ましくない。また膜が厚い部分についてはその厚さによってはレンズが鏡筒に入らなくなる場合がある。
図7は、図6に示されるレンズの外周部分の断面構造を示す模式図である。図7に示すように、レンズ2にはその外周部分にサブミクロンから数ミクロンの凹凸を設けるフロスト加工が施されているのが一般的である。フロスト加工を施すことで、斜めからの入射光5はレンズ2のフロスト加工面に当たって散乱した内面反射光7となる。内面反射光が散乱した内面反射光7になることにより、内面反射光の強度を低減することができる。これによりゴーストやフレアを低減することができる。しかしながら、フロスト加工されたレンズ2の表面には凹凸があるので、反射防止膜1を塗布する際に必然的に気泡を巻き込むことになる。ここで巻き込まれた気泡は他の気泡を合わさって大きな気泡となって界面に残ったり、破裂して膜表面まで貫通したりする。そうすると、斜めからの入射光5がレンズと気泡の界面で反射することがある。その結果として、反射防止膜1が白く見え、外観が悪くなる。
従来、光学素子用の反射防止膜として、例えば、特許文献1にて開示されているコールタールを用いて内面反射を低減させた光学素子用の反射防止膜が提案されている。また特許文献2には、高屈折率の微粒子を用いて内面反射を低減させた光学素子用の反射防止膜が提案されている。尚、特許文献1及び特許文献2のいずれもレンズのフロスト加工面の外観についての記載はない。
特公昭47−32419号公報 特開平07−82510号公報
しかし特許文献1の反射防止膜は、反射防止膜を形成する際に使用される塗料に含まれる溶媒の沸点が110℃と高いため、溶媒が揮発せず巻き込んだミクロの気泡が合体して成長してしまうため、外観が悪くなるという問題があった。また特許文献2の反射防止膜は、溶媒に沸点が80℃のメチルエチルケトンを用いており、ハケ等で塗った場合に塗り跡が残る問題があった。
上述のように反射防止膜1の外観を良くするためには、反射防止膜1の厚みが均一であることと、目視で見える気泡がレンズと反射防止膜1との界面に現れていないようにする必要がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされるものである。本発明の目的は、ガラスと反射防止膜の界面に発生し、外観不良の原因となる気泡の発生を抑制し、かつ塗布不良を生じない光学素子用の反射防止膜及びこの反射防止膜を作製するための塗料(反射防止塗料)を提供することにある。
本発明の反射防止塗料は、少なくとも硬化性樹脂と、有機溶媒と、有機溶媒に可溶な着色剤と、を有する光学素子用の反射防止塗料であって、
前記有機溶媒が、少なくとも沸点40℃以上108℃以下の第一の有機溶媒と、沸点110℃以上140℃以下の第二の有機溶媒とからなり、
前記第一の有機溶媒の沸点と、前記第二の有機溶媒の沸点との差が30℃以上100℃以下であることを特徴とする。
本発明によれば、ガラスと反射防止膜の界面に発生し、外観不良の原因となる気泡の発生を抑制し、かつ塗布不良を生じない光学素子用の反射防止膜を提供することができる。
内面反射光の進行方向を示す模式図である。 反射防止膜とレンズとの間で生じる気泡を示す模式図であり、(a)は、反射防止膜形成時(反射防止塗料塗布時)の状態を示す図であり、(b)は、反射防止膜の乾燥時の状態を示す図である。 反射防止塗料の具体的な塗布方法を示す模式図である。 内面反射率の測定系を示す模式図である。 気泡評価測定系の概略図である。 光学素子用の反射防止膜と、この反射防止膜を設けたレンズの一例を示す概略図である。 図6に示されるレンズの外周部分の断面構造を示す模式図である。
本発明の光学素子用の反射防止塗料は、少なくとも硬化性樹脂と、有機溶媒と、有機溶媒に可溶な着色剤と、を有している。本発明において、有機溶媒とは、少なくとも沸点40℃以上108℃以下の第一の有機溶媒と、沸点110℃以上140℃以下の第二の有機溶媒とからなる混合溶媒である。そして本発明においては、第一の有機溶媒の沸点と、第二の有機溶媒の沸点との差は30℃以上100℃以下である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
(1)反射防止塗料
まず本発明に係る反射防止塗料の材料構成について説明する。尚、特に断りがない限り各材料の含有量は塗料全体を基準とするが、これは反射防止塗料に硬化剤を添加した塗料である。
本発明において、本発明の反射防止塗料に含有される第一の有機溶媒の沸点は、40℃以上108℃以下である。第一の有機溶媒の沸点が40℃未満になると、室温において反射防止塗料の貯蔵安定性が悪くなる。また、第一の有機溶媒の沸点が108℃を超えると、溶媒の揮発スピードが遅くなり、気泡の成長抑制効果が減少する。
第一の有機溶媒として、ジエチルエーテル、アセトン、メタノール、メチルエチルケトン、1,4−ジオキサン、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、ヘプタン、イソオクタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキセン、1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルビニルエーテル、トリオキサン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、メチラール、アセタール、2−ペンタノン、3−ペンタノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、アセトニトリル、プロピオニトリル、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、2,2,2−トリフルオロエタノール、アセトンシアノヒドリン、トリフルオロ酢酸及びこれらの混合物が挙げられる。ただし、第一の有機溶媒は、反射防止塗料の他の材料と混合することができるものであればこれらに限らない。
本発明の反射防止塗料に含有される第一の有機溶媒の含有量は、塗料全体を基準として15重量%以上40重量%以下が好ましい。
本発明において、本発明の反射防止塗料に含有される第二の有機溶媒の沸点は110℃以上140℃以下である。第二の有機溶媒の沸点が110℃未満になると、有機溶媒の揮発スピードが速くなり、膜厚ムラが生じる。また、第二の有機溶媒の沸点が140℃を越えると塗膜を硬化する時に溶媒が揮発せず、密着不良の原因になる。第二の有機溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブ、キシレン、オクタン、2,2,5−トリメチルヘキサン、メチルベンゼン、エチルシクロヘキサン、1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、4―メチル―2−ペンタノール、1,2−ジエトキシエタン、2−ヘキサノン、メシチルオキシド、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−クロロエタノール、1−クロロ−2−プロパノール、2−(ジメチルアミノ)エタノール、エピクロロヒドリン及びそれらの混合物が挙げられる。ただし、第二の有機溶媒は、反射防止塗料の他の材料と混合することができるものであればこれらに限らない。
本発明の反射防止塗料に含有される第二の有機溶媒の含有量は、塗料全体を基準として15重量%以上40重量%以下が好ましい。
本発明において、第一の有機溶媒の沸点と第二の有機溶媒の沸点との差は30℃以上100℃以下である。ここで両者の沸点を比較する際に、第一の有機溶媒に該当する溶媒が2種類以上ある場合には、該当する溶媒のうち最も高い沸点を持つ溶媒を「第一の有機溶媒」とする。同様に、第二の有機溶媒に該当する溶媒が2種類以上ある場合には、該当する溶媒のうち最も低い沸点を持つ溶媒を「第二の有機溶媒」とする。そしてこれら二種類の溶媒の沸点の差を「沸点の差」とする。
このように、沸点の低い第一の有機溶媒と、沸点の高い第二の有機溶媒を反射防止塗料とを含ませることで、塗料乾燥時における塗膜粘度の急速増加と、塗膜の流動性の確保とを両立させることができる。即ち、沸点が低い第一の有機溶媒を添加することにより、この第一の有機溶媒の揮発によって生じる急激な粘度の上昇をもたらし気泡の成長を抑制することができる。また沸点が高い第二の有機溶媒を添加することにより、塗布不良を抑制することができる。さらに沸点の異なる二種類以上の溶媒を添加することにより、単一系溶媒と比較して気泡や膜厚ムラの抑制が容易になる。
ただし第一の有機溶媒と第二の有機溶媒との沸点の差が30℃未満になると、単一系溶媒の機能との差がなくなり、気泡の抑制と膜厚ムラの抑制の両立が困難になる。また、沸点の差が100℃を超えると、第一の有機溶媒の沸点が低くなりすぎて常温での溶媒の揮発スピードが速くなることがある。こうなると、有機溶媒の組成が急激に変化して反射防止塗料の液安定性が悪化する。また沸点の差が100℃を超えると、第二の溶媒の沸点が高くなりすぎて常温での溶媒の揮発が遅くなることがある。こうなると基材に対して密着性の悪い塗膜となることがある。
本発明において、第一の有機溶媒と第二の有機溶媒とを足した有機溶媒全体の重量を100重量%とした場合に、第一の有機溶媒の重量比率は、30重量%以上70重量%以下が望ましい。第一の有機溶媒の重量比率が30重量%未満になると、粘度上昇が遅くなるので気泡が生じやすくなる。また、第一の溶媒の重量比率が70重量%を超えると、有機溶媒の揮発スピードが速くなり膜厚ムラが生じやすくなる。
本発明において、本発明の反射防止塗料に含有される硬化性樹脂は、基材、例えばガラスやプラスチックとの密着性がよいものが好ましい。また、膜全体の屈折率を向上させるために、硬化性樹脂自体の屈折率も高いことがより好ましい。屈折率が高く、かつガラスとの密着性のよい材料として、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂以外の材料として、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニリデンが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の反射防止膜に含有される硬化性樹脂の含有量は、塗料全体を基準として5重量%以上60重量%以下が望ましく、好ましくは、5重量%以上15重量%以下である。
本発明において、本発明の反射防止塗料に含有される有機溶媒に可溶な着色剤とは、一般的には染料である。ただし染料に代えて、波長400nmから700nmの可視光をまんべんなく吸収し透明性があり、任意の溶媒に溶解可能な有機化合物を使用してもよい。尚、染料は1種類でもよいし、黒色、赤色、黄色、青色等数種類の染料を混合して内面反射光の吸収を調整しても構わない。
本発明の反射防止膜に含有され有機化合物からなる有機溶媒に可溶な着色剤の含有量は、塗料全体を基準として、5重量%以上30重量%以下が望ましく、好ましくは10重量%以上15重量%以下である。
尚、本発明の反射防止塗料において、反射防止塗料の粘度は、好ましくは、50mPa・s以上1000mPa・s以下であり、より好ましくは、100mPa・s以上1000mPa・s以下である。反射防止塗料の粘度が50mPa・s未満になると気泡の発生量が増える。また反射防止塗料の粘度が1000mPa・sを超えると塗り性が著しく悪くなり、塗布不良を起こすことがある。
本発明の反射防止塗料には、上述した2種類の有機溶媒(第一の有機溶媒、第二の有機溶媒)、硬化性樹脂、有機溶媒に可溶な着色剤の他に添加剤を適宜添加してもよい。以下、具体的な添加剤について説明する。
本発明の反射防止塗料において、塗料中に無機微粒子を添加するのが好ましい。粘度を上げたり気泡の成長を抑制させたりすることができるからである。
本発明の反射防止塗料に含有される無機微粒子の平均粒子径は、好ましくは、5nm以上1000nm以下であり、より好ましくは、10nm以上100nm以下である。無機微粒子の平均粒子径が5nm未満になると、反射防止塗料の安定性が悪くなり、粘度が急激に上昇し、塗料自体がゲル化してしまう。一方、無機微粒子の平均粒子径が1000nmを超えると気泡の成長抑制効果が弱くなる。
本発明の反射防止塗料に含まれる無機微粒子は、より具体的には、シリカ、屈折率(nd)2.2以上の無機微粒子である。本発明においては、塗料中にシリカ及び/又は屈折率(nd)2.2以上の無機微粒子が含まれているのが好ましい。
シリカは、気泡の成長を抑制する効果の他に、反射防止膜の表面に凹凸を形成し膜の艶を消す効果があるので膜表面からの光の反射を抑制することができる。
屈折率(nd)2.2以上の無機微粒子は、反射防止膜の屈折率を高くする効果があるので内面反射をより低減する効果をもたらす。反対に、屈折率(nd)が2.2より低い無機微粒子を用いると、反射防止膜の屈折率の増加が少ないので、基材との相対的な屈折率差が大きくなる。このため内面反射防止効果が低くなる。尚、ここでいう屈折率とは、d線の屈折率をいう。またこの無機微粒子の屈折率は、好ましくは、2.2以上3.5以下である。
屈折率(nd)2.2以上の無機微粒子の一例として、酸化チタンや酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化カドミウム、ダイアモンド、チタン酸ストロンチウム、ゲルマニウム、等の微粒子をナノ分散したものが挙げられる。
屈折率(nd)2.2以上の無機微粒子の平均粒子径は、10nm以上100nm以下が望ましく、好ましくは、10nm以上20nm以下である。屈折率(nd)2.2以上の無機微粒子の平均粒子径は、小さい方が好ましいが分散技術レベルから鑑みて現実的な大きさの下限は10nm程度である。また、平均粒子径が100nmを超えると、効率的に屈折率を向上することができないので好ましくない。尚、無機微粒子の平均粒子径は、反射防止膜中に存在する粒子の実際の大きさとして定義されるものである。例えば、無機微粒子の平均粒子径が凝集している場合は凝集した塊を粒子と定義し、この塊の大きさを平均粒子形の評価要素とする。
本発明の反射防止塗料に含まれる無機微粒子の含有量は、塗料全体を基準として、5重量%以上35重量%以下が望ましく、好ましくは、10重量%以上15重量%以下である。ここで無機微粒子の含有量が10重量%未満であると形成される薄膜の屈折率の増加が少なくなるので、内面反射が大きくなる。また無機微粒子の含有量が35重量%を超えると塗膜の密着力や耐久性が下がるので好ましくない。
本発明において、本発明の反射防止塗料に含まれる硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する際にはさらに塗料中に硬化剤を含有することが好ましい。硬化剤としてはエポキシを硬化できればよく、例えば、アミン系、酸無水物系、イミダゾール系等の硬化剤が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明において、本発明の反射防止塗料には消泡剤を含ませてもよい。消泡剤として、ポリシロキサン等が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明において、本発明の反射防止塗料には塗布形成される反射防止膜の屈折率を制御するための材料(屈折率制御剤)を含ませてもよい。屈折率制御剤として、屈折率(nd)2.2以上の無機微粒子の他にコールタール等が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明において、本発明の反射防止塗料に含まれるその他の成分の一つとして、表面に凹凸を形成し、表面の反射を抑制する目的で、上述した無機微粒子よりもさらに粒径の大きい無機微粒子を含ませてもよい。粒径の大きい無機微粒子として、例えば、シリカ、セリサイト及びそれらの混合物が挙げられる。これらの無機微粒子の平均粒子径は、1μm以上11μm以下が望ましく、好ましくは9μm以上11μm以下である。平均粒子径が1μm未満になると凹凸の差が少なくなり、表面反射を抑制することが困難となる。また、平均粒子径が11μmを超えると、表面反射は少ないものの、膜厚が大きくばらつくため、精度良く塗膜を形成することが困難である。
また、その他の任意の成分として任意のカップリング剤、任意の防カビ剤、任意の酸化防止剤等が入っていても構わない。
(2)反射防止塗料の製造方法
本発明の光学素子用の反射防止塗料は、上述の材料構成の材料を添加し、混合・分散することで調製することができる。混合・分散方法としては、ボールミルやビーズミル、衝突分散装置、遊星回転式攪拌装置、ホモジナイザー、スターラー等が挙げられるが任意の方法で構わない。
尚、屈折率(nd)2.2以上の無機微粒子はナノ分散させる必要がある。ナノ分散の具体的な方法としては、ビーズミルや衝突分散装置等でナノ分散させる方法がある。またゾルゲル法で合成して合成の際にナノ分散させてもよいし、予めナノ分散された市販品を用いてもよい。また、スラリー作製に関して任意の表面処理や分散剤が加えられても構わない。屈折率(nd)2.2以上の無機微粒子の材料としては、屈折率が高く透明性の高い酸化チタンや酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムが好ましい。スラリーの溶媒には任意の有機溶媒を用いることができるが、最終的な塗料の沸点を調整しやすくするために、用いる有機溶媒の沸点は40℃以上、140℃以下であることが好ましい。
(3)反射防止塗料の特徴
本発明の反射防止塗料は、特に、沸点が所定の範囲に特定された少なくとも2種類以上の有機溶媒を含んでいることを特徴とするものである。そしてこの特徴により、光学素子用の反射防止膜(以降、反射防止膜と略する。)を形成する際に外観不良の原因となる気泡を抑制し、かつ膜厚ムラを生じないという効果をもたらす。また本発明の反射防止塗料を塗布して形成された本発明の反射防止膜は、内面反射低減機能をも併せ持っている。
ここで、下記(A)乃至(C)について順次説明する。尚、下記(1)乃至(3)は、本発明の構成により同時に達成することができる。
(A)内面反射を低減するための構成
(B)気泡の発生を抑制する構成
(C)膜厚ムラが生じない構成
(3−A)内面反射を低減するための構成
まず図面を参照しながら、内面反射の原理について詳しく述べる。図1は、内面反射光の進行方向を示す模式図である。尚、図1は、反射防止膜1がレンズ2の外周表面に塗布している態様を示すものである。図1に示されるように、内面反射は、主に2つの界面、即ち、レンズ2と反射防止膜1との界面21及び反射防止膜1と空気との界面22で起こる。即ち、レンズ2内を通る入射光3が界面21に当たると、入射光3はこの界面21において反射する光(第一の反射光8)と反射防止膜1を透過する光(透過光9)とに分かれる。また透過光9は、界面22において反射する。このときの反射光が第二の反射光10となる。
ここで第一の反射光8については、反射防止膜1の屈折率をレンズ2の屈折率に近づけることで低減することが可能である。その理由は、下記式(1)から考察が可能である。
Figure 2012155180
(R:界面21における反射率、n1:反射防止膜1の屈折率、n0:レンズ2の屈折率)
つまり式(1)より、反射防止膜1の屈折率n1とレンズ2の屈折率n0との差(n1−n0=Δn)が小さければその分だけ界面21における反射率Rが小さくなる。ここでΔnを小さくさせる方法として、例えば、反射防止塗料に屈折率が大きい材料を含ませる方法が考えられる。より具体的には、屈折率(nd)2.2以上の無機微粒子を反射防止塗料に含ませる。
第二の反射光10については、透過光9を反射防止膜1内で吸収させることで低減できる。透過光9を効率良く反射防止膜1内で吸収させるためには、反射防止膜1に着色剤等を含ませて膜の黒色度を高めればよい。
(3−B)気泡を抑制する構成
まず図面を参照しながら、気泡の発生原理について述べる。図2は、反射防止膜とレンズとの間で生じる気泡を示す模式図であり、(a)は、反射防止膜形成時(反射防止塗料塗布時)の状態を示す図であり、(b)は、反射防止膜の乾燥時の状態を示す図である。
図2(a)に示すように、サブミクロンから数ミクロンの凹凸を有するレンズ2のフロスト加工面上に反射防止塗料11を塗布すると、反射防止塗料11に目視では観察できない気泡12が巻き込まれる。そしてレンズ2に塗布した反射防止塗料11に含まれる有機溶媒13が反射防止塗料の表面から蒸発すると、図2(b)に示すように、反射防止膜が乾燥する過程で目視では観察できない気泡12が合体して大きくなったり、破裂して膜表面まで貫通したりする。そうすると目視で観察できる気泡14が発生する。目視で観察できる気泡14が存在すると入射光3はレンズ2と目視で観察できる気泡14の界面で反射し、気泡の部分だけがレンズ側から白く見えるため、外観が悪くなる。よって外観不良を生じさせないためには、目視で気泡が観察できる以上に気泡を成長させないようにする必要がある。ここで、目視で観察でき外観不良につながる気泡のサイズとは、概ね直径0.02mm以上の大きさの気泡をいうものである。尚、気泡は、スライドスター等でレンズ2と反射防止塗料11との界面に光を強照射した際に確認することができる。よって、直径0.02mm以上の気泡をできるだけ抑制することで反射防止膜の外観は向上するといえる。
ここで直径0.02mm以上の気泡の発生を抑制する方法としては、以下の3通りの方法がある。
(a)気泡を抑制する第一の構成
まず気泡を抑制する第一の方法としては、反射防止塗料に含まれる有機溶媒を沸点の低いものにするという方法である。反射防止塗料中に沸点の低い有機溶媒を含有させると、反射防止塗料を塗布した瞬間から急速に有機溶媒が揮発する。よって、反射防止塗料の粘度は塗布直後から急速に増加する。粘度の急速増加により、気泡の動きを抑制出来る。よって、気泡が集まって合体したり破裂したりすることを防ぐことが出来る。
(b)気泡を抑制する第二の構成
次に、気泡を抑制する第二の方法としては、フロスト加工面に巻き込んだ気泡を消泡剤により空気界面に抜く方法である。ここでフロスト加工面に巻き込んだ気泡を速やかに抜くためには反射防止塗料の粘度及び表面張力を低くし、塗料の沸点を高くする必要がある。
(c)気泡を抑制する第三の構成
次に、気泡を抑制する第三の方法としては、予めガラス2のフロスト加工面に表面処理を施す方法である。塗布時に気泡を巻き込まないようにするためである。具体的には、表面処理を施してフロスト加工面の濡れ性を改善する方法を行う。これにより反射防止塗料の塗布の際に泡の巻き込みが減るので、合体によって泡のサイズが大きくなることが抑制される。尚、表面処理の方法としては、湿式、乾式のいずれでもよい。湿式で行う場合、具体的には、有機溶媒による拭きや蒸気、活性剤やアルカリ入りの蒸留水による超音波処理、温水による処理等が挙げられるがいずれも効果的である。また乾式で行う場合、具体的には、UVオゾン処理やエキシマレーザー処理等が挙げられるがいずれも効果的である。尚、上記の手法を組み合わせて使用するとより効果的である。
(3−C)塗布不良が生じない構成
次に、図面を参照しながら塗布不良の発生原理について述べる。図3は、反射防止塗料の具体的な塗布方法を示す模式図である。図3に示すように、反射防止塗料11は、反射防止塗料を含んだハケやスポンジ15を固定台16の上に置かれたレンズ2に押し当てて塗布するのが一般的である。ここで反射防止塗料を塗布する際に反射防止塗料11の自体の粘度が高かったり、有機溶媒の沸点が低くて揮発スピードが速く増粘する速度が早かったりすると、ハケやスポンジの塗り跡が残り、この塗り跡が膜厚ムラになる。膜厚ムラが発生すると、反射防止膜の薄い部分が透けて見える外観不良になったり、図1に記載の第二の反射光10が増加して、内面反射が悪化したりする原因となる。気泡の成長を抑制するための第一の構成では、溶媒の蒸発スピードを速くすることで気泡の成長を抑制している。しかし、有機溶媒の揮発スピードを速くしすぎると、塗布時に溶媒が揮発し、ハケ塗りの痕が残り、膜厚ムラとなってしまう。
(3−D)気泡の抑制と膜厚ムラの抑制を同時に達成するための構成
以上を考慮すると、気泡の抑制と膜厚ムラの抑制とを同時に達成するためには、気泡の成長を抑制するために反射防止塗料の粘度を急速に上げつつ、塗布不良を生じないためにある程度の粘度を保つ必要がある。そこで本発明の反射防止塗料は、構成成分として、沸点が40℃以上108℃以下である第一の有機溶媒と、沸点が110℃以上140℃以下である第二の有機溶媒とが含まれている。つまり、第一の有機溶媒が蒸発して塗布された反射防止塗料の粘度が上がることで気泡の成長を抑制することができる。一方、第一の有機溶媒が蒸発している間は沸点が高い第二の有機溶媒は反射防止塗料中に残留する。これにより反射防止塗料は一定の粘度が保たれている。
(4)反射防止塗料の用途
本発明の反射防止塗料は、例えば、光学素子の製造プロセスにおいて使用される。具体的には、少なくとも一部がフロスト加工された外周面を有する光学部材と、前記外周面上に形成される光学素子用の反射防止膜と、を有する光学素子の製造方法において使用される。
ここで外周面上に光学素子用の反射防止膜が形成される光学素子を製造する際には、製造プロセスの中に、光学素子の外周面に光学素子用の反射防止塗料を塗布、硬化することによって前記反射防止膜を形成する工程が含まれている。上記工程において使用される光学素子用の反射防止塗料は、本発明に係る反射防止塗料である。即ち、少なくとも硬化性樹脂と、有機溶媒と、有機溶媒に可溶な着色剤と、からなり、当該有機溶媒が、沸点40℃以上108℃以下の第一の有機溶媒と、沸点110℃以上140℃以下の第二の有機溶媒とを含み、第一の有機溶媒の沸点と第二の有機溶媒の沸点との差が30℃以上である反射防止塗料が使用される。尚、本発明に係る反射防止塗料を光学部材の外周面に塗布する場合、この外周面に表面処理を施した後に光学素子用の反射防止塗料を塗布するのが好ましい。
以下、実施例により、本発明における好適な実施形態を説明する。
[実施例1乃至16]
実施例(実施例1乃至16)において、反射防止塗料を調製し、調製した反射防止塗料を用いて反射防止膜の作製し、作製した反射防止膜の光学特性及び外観の評価を行った。具体的な方法を以下に説明する。
(1)反射防止塗料の調製
各実施例においてそれぞれ調整された反射防止塗料は、硬化性樹脂、カップリング剤、有機溶媒に可溶な着色剤、第一の有機溶媒、第二の有機溶媒、無機微粒子、消泡剤、硬化剤、非無機微粒子屈折率制御剤からなる塗料である。各実施例において使用した材料及びその添加量を下記表1乃至表4に示す。尚、上記無機微粒子は、具体的には、シリカ及び屈折率(nd)2.2以上の無機微粒子である。
Figure 2012155180
Figure 2012155180
Figure 2012155180
Figure 2012155180
実施例1を具体例として、反射防止塗料の調製方法を説明する。
(1−1)工程1
まず下記に示される試薬、溶媒を、ビーズミル(ウルトラアペックスミル;寿工業製、Φ50μmのビーズを使用)で分散することで、平均粒子径20nmのスラリー40.9gを得た。
プロピレングリコールモノメチルエーテル(第二の有機溶媒):30.7g
酸化チタン(屈折率が2.2以上の無機微粒子、テイカ製、商品名;MT−05):10.2g
(1−2)工程2
次に、下記に示される試薬、溶媒を、ボールミルポットの中に入れた。
工程1にて得られたスラリー:40.9g
エポキシ樹脂(硬化性樹脂、ジャパンエポキシレジン製、商品名;エピコート828):8.2g
エポキシ系シランカップリング剤(カップリング剤、信越シリコーン製、商品名;KBM403):2.5g
染料(有機溶媒に可溶な着色剤):10.7g
アセトン(第一の有機溶媒):30.7g
尚、染料(有機染料)については、黒色染料、赤色染料、黄色染料及び青色染料を混合して用いた。また各色の染料については以下から選ばれるもののうちのいずれかを用いた。
黒色染料:VALIFAST BLACK 1821(オリエント化学)
VALRFAST BLACK 3810(オリエント化学)
Oil Black HBB(オリエント化学)
Aizen Spilon Black MHS−Liquid(保土ヶ谷化学工業)
赤色染料:VALIFAST RED 3320(オリエント化学)
アイゼン スピロン レッド BEH S−リキッド(保土ヶ谷化学工業)
黄色染料:OIL YELLOW 129(オリエント化学)
VALIFAST YELLOW 3108(オリエント化学)
Aizen Spilon Yellow RH S−Liquid(保土ヶ谷化学工業)
青色染料:VALIFASTBLUE1605(オリエント化学)
VALIFASTBLUE2650(オリエント化学)
VALIFASTBLUE2606(オリエント化学)
VALIFASTBLUE2620(オリエント化学)
続いて、ボールミルポットの中に直径20mmの磁性ボールを5個入れた。次に、調合した塗料及び磁性ボールの入ったボールミルポットをロールコーターにセットし、66rpmで48時間攪拌することにより、実施例1の反射防止塗料を得た。
(1−3)平均粒子径の測定
塗料に含まれる微粒子成分(無機微粒子)の平均粒子径は、動的光散乱装置(シスメックス製、商品名;Zeta sizer Nano MPT−2)を用いて測定した。具体的には、セル中にプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈したスラリーを入れ、電圧を5mVに設定して測定した。そして、測定によって得られた個数分布でのピーク値から平均粒子径を求めた。以上の操作を20回行いその平均を平均粒子径とした。
(1−4)粘度の評価方法
B型粘度計(LV型;ブルックフィールド)を用い、反射防止塗料の粘度の測定・評価を行った。具体的には、200mlカップに反射防止塗料を100ml入れてNo.5のコーンをセットし、20rpmの速度で回転させた。コーンを1分間程度回転させて値が安定したところで、粘度を測定した。
(2)反射防止膜の作製
反射防止塗料91.8gに硬化剤(アミン系硬化剤、アデカ製、商品名;アデカハードナ−EH551CH)8.2gを添加し、ロールコーターで30分間攪拌を行った。このときロールコーターの攪拌条件を66rpmとした。
以上のようにして得られた反射防止塗料と硬化剤との混合液を評価用のガラス基板もしくはレンズに所定の厚みで塗布し、室温で60分間乾燥させた。このように反射防止塗料を乾燥させた後で80℃の恒温炉で90分間加熱硬化させることにより反射防止膜を得た。
(2−1)光学特性等の評価
以上により作製した反射防止膜について光学特性を評価した。具体的な方法を以下に説明する。
(a)内面反射率の測定方法
ASP分光計(ASP−32/自動光学測定装置;分光計器)を用いて内面反射率の測定を行った。図4は、内面反射率の測定系を示す模式図である。図4の測定系は、測定サンプルとして反射面に反射防止膜1を形成した三角プリズム(プリズム17)が用いられている。尚、プリズム17の寸法は、直角を挟む1辺の長さは30mmであり厚みは10mmである。またプリズム17の材質は、S−LaH53(nd=1.8)である。またこのプリズム17は、底面、入射面、反射面の3面についてフロスト加工が施されている。
ところで図4の測定系は、ASP分光計を用いた測定系である。ASP分光計は、サンプルと検出器の角度を任意に移動可能であるので、入射角毎の内面反射率を測定できる。例えば、図4(a)は、プリズム17に対する入射角bが90°の場合の内面反射率を測定することができる。また、図4(b)は、プリズム17に対する入射角bが45°の場合の内面反射率を測定することができる。さらに、図4(c)は、プリズム17に対する入射角bが30°の場合の内面反射率を測定することができる。
以下、図4(a)に基づいてさらに説明する。ASP分光計より出た光はプリズム17に対して、入射角b=90°で入射する。このとき、空気の屈折率とプリズム17の屈折率との差により、光の屈折が起こる。ここで下記式(2)より、入射角dに対する屈折後の角度eを算出した。また算出したeより入射角cを算出した。
n=sind/sine 式(2)
(n:三角プリズム(プリズム17)の屈折率)
上述した方法でcを算出した場合、図4(a)の系においては、屈折後の入射角cは68.13°である。図4(b)の系においては、屈折後の入射角cは45°(=b)である。図4(c)の系においては、屈折後の入射角cは36.73°である。
続いて、プリズム17内で屈折した光は、プリズム17の底面に当たり、反射してプリズム17の外に出る。ここで外に出た光(反射光)の強度を検出器で検出した。このとき検出する光の波長領域を波長400nm乃至700nmの可視光領域とした。
尚、内面反射率の測定に先立ってバックグラウンドの測定を行った。このバックグラウンド測定の際には、底面、入射面、反射面の3面が鏡面であって底面には何も塗布しないプリズムをサンプルとした。
以上の方法で内面反射率を測定した結果を表5乃至8に示す。尚、表中の内面反射率は、波長400nm乃至700nmの波長領域(可視光領域)の内面反射率を1nm間隔で測定し、その測定結果の平均値を示すものである。
(b)気泡の発生の有無の評価方法
反射防止膜を形成したときに気泡が発生したか否かの評価方法について以下に説明する。まず、レンズのフロスト加工面にスポンジを用いて反射防止塗料を厚みが5μmになるように塗布して薄膜を形成した。次に、この薄膜を室温で60分間乾燥させた後、80℃の恒温炉で90分間加熱硬化させることにより気泡評価用のサンプルを得た。図5は、気泡評価測定系の概略図である。図5に示すように、気泡評価用のサンプルをセッティングした後、スライドスター(光源)を用いてレンズ2側から光を当て、CCDカメラ18にて界面の気泡を撮影した。撮影した100mm2の画像の中で0.02mm以上の直径を持つ気泡の数をカウントした。尚、気泡の優劣は下記の基準に従って分類した。
◎:100mm2の画像の中に直径0.02mm以上の気泡がゼロ個
○:100mm2の画像の中に直径0.02mm以上0.1mm未満の気泡が1〜5個
△:100mm2の画像の中に直径0.02mm以上0.1mm未満の気泡が6〜50個
×:100mm2の画像の中に直径0.02mm以上の気泡が50個以上、もしくは0.1mm以上の気泡が1つ以上
ここで評価が◎又は○である場合は外観がよい反射防止膜であるといえる。一方、評価が△又は×である場合は外観が悪い反射防止膜であるといえる。
(c)塗布性能評価方法
塗布性能の評価方法について以下に説明する。まず、レンズのフロスト加工面にスポンジを用いて反射防止塗料を厚みが5μmになるように塗布し、上記の反射防止膜の作製方法に従って、硬化し、塗布不良発生有無評価用のサンプルを得た。次に、塗布不良発生有無評価用サンプルの断面をSEMにて観察し、塗膜の厚みムラを評価した。尚、塗布不良の発生有無は下記の評価基準に従って分けた。
◎:膜厚4μm以上7μm未満
○:膜厚2μm以上7μm未満
△:膜厚1μm以上2μm以下の箇所あり、もしくは膜厚7μm以上の箇所あり
×:膜厚1μm以下の箇所あり
ところで、形成された反射防止膜の膜厚が2μm以下になると塗膜のスケが始まり外観が悪くなり、1μm以下になると光学特性が著しく低下する。一方、膜厚が15μm以上になると鏡筒に入らないことがある。
以上の方法により、作製した反射防止膜の特性(光学特性等)を評価した。結果を下記表5乃至8に示す。
Figure 2012155180
Figure 2012155180
Figure 2012155180
Figure 2012155180
(3)評価結果
本発明において、内面反射率は、屈折後の入射角68.13°の場合では0.45%以下、屈折後の入射角45°の場合では0.02%以下、屈折後の入射角36.73°の場合では0.02%以下となることが望ましい。また気泡の発生量に関しては、100mm2の画像の中に0.02mm以上の気泡が5個以下であることが望ましい。また塗布性能は、目標膜厚を5μmと設定した際に、実際の膜厚が2μm以上7μm以下に収まることが望ましい。
表5より、実施例1においては、全ての評価項目について良好であった。具体的には、内面反射率が、入射角68.13°、入射角45°及び入射角36.73°の全てにおいて良好であった。また、気泡の発生有無を評価したところ、100mm2の画像の中の0.02mm以上の気泡の数は1〜5個の範囲であり良好あった。また塗布性能を評価した結果、膜厚のバラツキは4μm以上7μm以下であり良好あった。
実施例2は、実施例1において、第一の有機溶媒としてアセトンの代わりに、沸点65℃のメタノールを用いている。実施例2の反射防止膜は、入射角36.73°における内面反射率が若干低下したことを除いては、実施例1と同様に良好であった。
実施例3は、実施例1において、第一の有機溶媒としてアセトンの代わりに、沸点80℃のメチルエチルケトンを用いており、第二の有機溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルの代わりに、沸点135℃のエチルセロソルブを用いている。実施例3の反射防止膜は、入射角36.73°における内面反射率が若干低下したことを除いては、実施例1と同様に良好であった。
実施例4は、実施例1において、第一の有機溶媒としてアセトンの代わりに、沸点101℃の1,4―ジオキサンを用いており、第二の有機溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルの代わりに、沸点140℃のキシレンを用いている。実施例4の反射防止膜は、入射角36.73°における内面反射率が若干低下したことを除いては、実施例1と同様に良好であった。
実施例5は、実施例1において、無機微粒子として酸化チタンとシリカ(日本アエロジル製、商品名:アエロジル200)との混合物を用いている。尚、使用したシリカは、1次粒子径が10nmである。実施例5も実施例1と同様に全ての評価項目について良好であった。
実施例6は、実施例5において、無機微粒子として酸化チタンとシリカ(龍森製、商品名:ファインカットMP−8FS)との混合物を用いている。尚、使用したシリカは、1次粒子径が500nmである。実施例6も実施例1と同様に全ての評価項目について良好であった。
実施例7は、実施例5において、屈折率nd=2.2以上の無機微粒子として、酸化チタンの代わりに酸化ジルコニウムを用いている。実施例7も実施例1と同様に全ての評価項目について良好であった。
実施例8は、実施例5において、屈折率nd=2.2以上の無機微粒子として、酸化チタンの代わりに酸化アルミニウムを用いている。実施例8も実施例1と同様に全ての評価項目について良好であった。
実施例9は、実施例5において、屈折率nd=2.2以上の無機微粒子として、平均粒子径が100nm酸化チタンを用いている。実施例9も実施例1と同様に全ての評価項目について良好であった。
実施例10は、実施例5において、第一の有機溶媒と第二の有機溶媒の量を減らすことで粘度を1000mPa・sに調整したことを除いては、実施例5と同様の態様である。実施例10も実施例1と同様に全ての評価項目について良好であった。
実施例11は、実施例1において、消泡剤(ビックケミージャパン製、商品名;BYK−053)をさらに添加している。実施例11も実施例1と同様に全ての評価項目について良好であった。
実施例12は、塗料の組成は実施例5と同様であるが、この塗料を塗布する前に塗布面に表面処理を施している。表面処理としては、アセトンでレンズのフロスト加工面を拭いた後に、UVオゾンを5分間照射した。実施例12も実施例1と同様に全ての評価項目について良好であった。
実施例13は、実施例1において、屈折率制御剤として、非無機微粒子であるコールタール(吉田製油所製、商品名;タークロン800S)をさらに添加している。実施例13の反射防止膜は、入射角68.13°における内面反射率が若干低下したことを除いては、実施例1と同様に良好であった。
実施例14は、実施例5において、屈折率nd=2.2以上の無機微粒子として、平均粒子径が110nm酸化チタンを用いている。実施例14の反射防止膜は、内面反射率が若干低下したことを除いては、実施例1と同様に良好であった。
実施例15は、実施例1において、粘度を75mPa・sに調製したことを除いては、実施例1と同様の態様である。実施例15の反射防止膜は、塗布性能に若干難があった(塗布時に液のダレが生じ塗り直すことがあったこと)ことを除いては、実施例1と同様に良好であった。尚、塗布性能に若干難があったのは、この実施例で調製した反射防止塗料の粘度が低いためである。
実施例16は、実施例1において、粘度を1100mPa・sに調製したことを除いては、実施例1と同様の態様である。実施例16の反射防止膜は、塗布性能に若干難があった(塗布時においてたまに不良が生じること)ことを除いては、実施例1と同様に良好であった。尚、塗布性能に若干難があったのは、この実施例で調製した反射防止塗料の粘度が高いためである。
[比較例1〜4]
実施例との比較のために、下記表9に示される試薬、溶媒を使用して、実施例1と同様の方法により反射防止塗料を調製した。
Figure 2012155180
また実施例1と同様の方法により、調製した反射防止塗料を用いて反射防止膜を作製した。さらに実施例1と同様の方法により、作製した反射防止膜の光学特性及び外観の評価を行った。評価結果を下記表10に示す。
Figure 2012155180
以下に、実施例と異なる点及び評価結果について説明する。
比較例1は、実施例1において、第一の有機溶媒としてアセトンの代わりに沸点35℃のジエチルエーテルを用いた例である。光学特性の評価を行った結果、内面反射率は、入射角36.73°において若干の低下が見られたが、入射角68.13°及び入射角45°においては良好であった。また、気泡の発生の有無の評価も良好であった。しかしながら塗布性能の評価については、塗りムラの発生、及び膜厚1μm以上2μm以下の箇所が存在することが確認された。従って、この比較例1の反射防止膜は外観が悪いことがわかった。これは、ジエチルエーテルは揮発性が高すぎるためであると考えられる。
比較例2は、実施例1において、第一の有機溶媒としてアセトンの代わりに沸点110℃のトルエンを用いた例である。光学特性の評価を行った結果、内面反射率は、入射角36.73°において若干の低下が見られたが、入射角68.13°及び入射角45°においては良好であった。また塗布性能については、膜厚のバラツキが4μm以上7μm以下であり、良好であった。しかしながら、気泡の発生の有無の評価を行ったところ、100mm2の画像の中の0.02mm以上の気泡の数が6個から50個の範囲であり、あまり芳しくなかった。これはトルエンの沸点は比較的高いためであると考えられる。
比較例3は、実施例1において、第二の有機溶媒として第二の有機溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルの代わりに沸点101℃のジオキサンを用いた例である。光学特性の評価を行った結果、内面反射率は、入射角36.73°において若干の低下が見られたが、入射角68.13°及び入射角45°においては良好であった。また、気泡の発生の有無の評価も良好であった。しかしながら、塗布性能の評価を行った結果、塗りムラの発生、及び膜厚1μm以上2μm以下の箇所の存在が確認された。これはアセトンとジオキサンとの組合せは揮発性が高すぎるためであると考えられる。
比較例4は、実施例1において、第一の有機溶媒としてアセトンの代わりに沸点155℃のシクロヘキサンを用いた例である。光学特性の評価を行った結果、内面反射率は、入射角36.73°において若干の低下が見られたが、入射角68.13°及びにおいては良好であった。また塗布性能については、膜厚のバラツキは4μm以上7μm以下であり、良好であった。しかしながら、気泡の発生の有無を評価したところ、100mm2の画像の中の0.02mm以上の気泡の数は6個から50個の範囲であり、あまり芳しくなかった。これは、シクロヘキサンの沸点は比較的高いためであると考えられる。
以上より、本発明の反射防止塗料は、ガラスと反射防止膜との界面に発生し外観不良の原因となる気泡の発生を抑制し、かつ塗布不良を生じにくいことがわかった。このため、本発明の反射防止塗料は、レンズやプリズム等の光学素子に塗布形成する反射防止膜の基礎材料として利用することができる。
1:反射防止膜、2:レンズ、3:入射光、4:透過光、5:入射光(斜めからの入射光)、6:内面反射光、7:散乱した内面反射光、8:反射光、9:透過光(反射防止膜を透過した光)、10:第二の反射光、11:反射防止塗料、12:気泡(目視では観察できない気泡)、13:有機溶媒、14:気泡(目視で観察できる気泡)、15:ハケ、スポンジ、16:固定台、17:プリズム(三角プリズム)、18:CCDカメラ、21:反射防止膜とレンズとの界面、22:反射防止膜と空気との界面

Claims (15)

  1. 少なくとも硬化性樹脂と、有機溶媒と、有機溶媒に可溶な着色剤と、を有する光学素子用の反射防止塗料であって、
    前記有機溶媒が、少なくとも沸点40℃以上108℃以下の第一の有機溶媒と、沸点110℃以上140℃以下の第二の有機溶媒とからなり、
    前記第一の有機溶媒の沸点と、前記第二の有機溶媒の沸点との差が30℃以上100℃以下であることを特徴とする、光学素子用の反射防止塗料。
  2. 前記第一の有機溶媒が、アセトン、メタノール、メチルエチルケトン、1,4―ジオキサンのいずれか又はこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の光学素子用の反射防止塗料。
  3. 前記第二の有機溶媒が、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチルセロソルブ、キシレンのいずれか又はこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学素子用の反射防止塗料。
  4. 前記硬化性樹脂がエポキシ樹脂であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子用の反射防止塗料。
  5. さらに無機微粒子を含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学素子用の反射防止塗料。
  6. 前記無機微粒子がシリカであることを特徴とする、請求項5に記載の光学素子用の反射防止塗料。
  7. 前記無機微粒子の屈折率が2.2以上であることを特徴とする、請求項5に記載の光学素子用の反射防止塗料。
  8. 前記無機微粒子が、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムのいずれか又はこれらの混合物であることを特徴とする、請求項5又は7に記載の光学素子用の反射防止塗料。
  9. 前記無機微粒子の平均粒子径が10nm以上100nm以下であることを特徴とする、請求項5乃至8のいずれか一項に記載の光学素子の反射防止塗料。
  10. 前記着色剤が染料であることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学素子用の反射防止塗料。
  11. 粘度が100mPa・s以上1000mPa・s以下であることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光学素子用の反射防止塗料。
  12. さらに消泡剤を含むことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光学素子用の反射防止塗料。
  13. 前記消泡剤がポリシロキサンであることを特徴とする、請求項12に記載の光学素子用の反射防止塗料。
  14. 少なくとも一部がフロスト加工された外周面を有する光学部材と、前記外周面上に形成される光学素子用の反射防止膜と、を有する光学素子の製造方法であって、
    前記外周面に光学素子用の反射防止塗料を塗布、硬化することによって前記反射防止膜を形成する工程を有し、
    前記光学素子用の反射防止塗料が、少なくとも硬化性樹脂と、有機溶媒と、有機溶媒に可溶な着色剤と、からなり、
    前記有機溶媒が、沸点40℃以上108℃以下の第一の有機溶媒と、沸点110℃以上140℃以下の第二の有機溶媒とを含み、
    前記第一の有機溶媒の沸点と前記第二の有機溶媒の沸点との差が30℃以上であることを特徴とする、光学素子の製造方法。
  15. 前記外周面に表面処理を施した後に光学素子用の反射防止塗料を塗布することを特徴とする、請求項14に記載の光学素子の製造方法。
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