JPH1164703A - レンズ鏡筒ユニット及びその部品 - Google Patents

レンズ鏡筒ユニット及びその部品

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Publication number
JPH1164703A
JPH1164703A JP9226624A JP22662497A JPH1164703A JP H1164703 A JPH1164703 A JP H1164703A JP 9226624 A JP9226624 A JP 9226624A JP 22662497 A JP22662497 A JP 22662497A JP H1164703 A JPH1164703 A JP H1164703A
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JP
Japan
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electrodeposition coating
coating film
lens barrel
lens
fine particles
Prior art date
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Pending
Application number
JP9226624A
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English (en)
Inventor
Susumu Sumikura
進 角倉
Hiroyuki Hase
博之 長谷
Tomoaki Kato
友昭 加藤
Koji Ono
幸治 尾野
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
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Publication of JPH1164703A publication Critical patent/JPH1164703A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材への密着性に優れ、より優れた反射防止
性、遮光性、摺動性を有する塗装膜を有するレンズ鏡筒
ユニット及びその構造部品を提供することにある。 【解決手段】 基材に対して反射防止性、遮光性、摺動
性等を付与する塗装膜として、微粒子を分散した電着塗
料を用い電気泳動作用により形成された電着塗装膜を使
用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ等の撮影装
置における撮影光学系を有するレンズ鏡筒ユニットに関
し、優れた反射防止性、遮光性、摺動性を保持し、これ
らの特性を供給する塗装膜における密着に優れたレンズ
鏡筒ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】各種カメラに用いられるレンズ鏡筒ユニ
ットは、一般的には、レンズ等の光学素子を有する撮影
光学系を内蔵するレンズ鏡筒部材と、光量を調節する絞
り部材と、レンズ鏡筒部材を移動させて所望の焦点距離
を確保するためのレンズ鏡筒部材の移動部材、これらを
カメラ本体に固定するための固定部材とを有する構成か
らなり、光路を構成する、あるいは光路内に配置される
部材には反射防止性や遮光性が要求される。更に、移動
部材等の移動に関与する摺動部には摺動性が要求され
る。
【0003】レンズ鏡筒ユニット内における反射防止あ
るいは遮光性の確保には、V溝(遮光線)を設ける方
法、凹凸を有するマット処理を行う方法、反射防止塗装
や遮光用の吹付け塗装を行う方法などが一般的であっ
た。更に、摺動性を得るためには、部材間への潤滑材の
塗布や潤滑塗料の吹き付けが一般的であった。
【0004】例えば、レンズ鏡筒部材内等に設けられる
レンズ保持部材での内面反射対策は、図13(a)、
(b)に示すように、撮影光学系131及び132を支
持する円周上のリブ132aの先端部の端面反射を防止
するV溝(遮光線)133b(図5(a))或いはテー
パー面133c(図5(b))を形成するとともに、凹
凸を有するマット処理を行う方法が採られていた。しか
し、レンズ保持部材133の内径が小さいものでは、V
溝133bを形成しようとしても型構造上できない場合
があり、その場合は二次加工によりリブ133aにV溝
を設けていた。また、上記対策を施したものより更に、
内面反射防止を向上させる方法として、レンズ保持部材
133のリブ133a及びV溝133b、あるいはテー
パー面133cに反射防止塗料を塗装する方法が採られ
ていた。
【0005】一方、レンズ保持部材内において複数の光
学素子を用いる場合に隣接する光学素子間に所定の間隔
を保持させるためにレンズ保持部材内にレンズ間隔環を
設けた場合、レンズ間隔環の内周に形成された光学素子
に対する開口部に遮光線あるいはテーパーを設け、プラ
スチック材で構成されている場合は、遮光線部あるいは
テーパー部に艶消しアルマイト処理及び吹付け塗装を行
っていた。また、黄銅材で構成されている場合は、遮光
線部あるいはテーパー部に吹付け塗装を行っていた。
【0006】更に、レンズ保持部材により撮影光学系が
設置可能な構造を有し、筒状部材を有してなる鏡筒部材
での内面反射防止対策にも、遮光線を設けるととも凹凸
を有するマット処理を行う方法や内面反射防止塗料を吹
付ける方法が採られていた。また、鏡筒部材がヘリコイ
ドネジまたは摺動可能に嵌合する嵌合部(例えば、直進
キーと直進溝、また、カムピンとカム溝)を有する場
合、そこでの摺動性を得るために潤滑材の塗布や潤滑塗
料の吹き付けが行われていた。
【0007】更に、光線を遮断する遮光部材(遮光ゴ
ム)がレンズ鏡筒枠の外周に摺動可能に嵌合している場
合、レンズ鏡筒枠と遮光ゴムとの間に生じる摩擦係数を
低下させるため、遮光ゴムに油を含ませることにより摺
動性を得ていた。
【0008】また、鏡筒部材における強度対策として
は、図30に示すように、鏡筒枠84のカムピン84a
が形成されている後端部84bは、光軸と直交する方向
にリブを設けることができないため、鏡筒枠84の全面
に衝撃が加わるとその後端部84が変形していまい、鏡
筒枠84のカムピン84aが回転筒83のカム溝83a
から脱落し、作動不良が発生することからレンズ鏡筒枠
84の厚み(径方向)を増して鏡筒枠84の後端部84
bの変形を防止する方法が採られていた。
【0009】更に、移動部材においても、遮光線を設け
るとともに、凹凸マット処理を行う方法や、内面反射防
止塗装を行う方法によって内面反射防止対策が施され、
更に、摺動性の確保においては潤滑材の塗布や潤滑塗料
の吹き付けが行われていた。
【0010】例えば、直進部材の場合も、内周面に遮光
線を設けるとともに、凹凸を有するマット処理や内面反
射防止塗装が行われ、摺動嵌合部(例えば、直進キーと
直進溝、また、カムピンとカム溝)には潤滑材の塗布や
潤滑塗装が行われていた。
【0011】また、回転部材においても、内周面に遮光
線を設けるとともに、凹凸を有するマット処理や内面反
射防止塗装が行われていた。摺動性については、外周面
にヘリコイドネジが形成されている場合、ヘリコイドネ
ジに潤滑材を塗布する、あるいは潤滑塗料を吹き付ける
方法が採られ、内周面にカム溝また直進溝、あるいは円
周上に貫通するカム孔または直進孔が形成されている場
合、これらの部分への潤滑材の塗布や潤滑塗料の吹き付
けが行われていた。更に、光線を遮断する遮光部材(遮
光ゴム)が回転部材の外周に摺動可能に嵌合している場
合、回転部材と遮光ゴムの間に生じる摩擦係数を低下さ
せるため遮光ゴムに油を含ませていた。
【0012】なお、回転部材における強度対策として
は、カム溝または直進溝が形成されている場合、その部
分の厚みが薄くなってしまい強度が弱くなることから、
光軸と平行方法に厚みを増していた。また、カム溝と摺
動可能に嵌合するカムピンまたは直進溝と摺動可能に嵌
合する駆動ピンの掛かり量を少なくする方法が採られて
いた。円周上に貫通するカム孔または直進孔が形成され
ている場合、孔付近の強度が弱くなることから、光軸と
平行方向、または光軸と直交する方向に厚みを増す方法
が採られていた。
【0013】一方、図21示すようにバリア54及び5
5を駆動させるバリア駆動リング53の作動負荷、また
レンズ鏡筒ユニットの沈胴動作を利用してバリア駆動リ
ング53を駆動させてバリア54及び55の開閉駆動を
行う場合においては、鏡筒ユニットの沈胴動作時の作動
負荷を低減させるため、バリア駆動リング53に潤滑材
の塗布、あるいは潤滑塗料の吹き付けを行っていた。
【0014】また、金属材料で形成された固定絞り板の
場合は、図25(a)に示すように、開口部端面80a
を含む表面において反射防止性が要求されることから、
反射防止用の表面処理や反射防止塗料の吹き付けにより
反射防止性を得ていた。また、固定絞り板がプラスチッ
ク材料から構成されている場合は、図25(b)に示す
ように開口部81aをテーパ形状とし、開口部端面81
aの平面図を少なくするとともに、マット処理を行なっ
たり、反射防止塗料を吹き付けていた。
【0015】更に、レンズ鏡筒部材を撮影装置本体に対
して移動させて焦点を合せるために用いられる移動部材
は、通常回転することで移動する回転筒と、回転部材の
動作に連動して光軸方向に進退移動する直進筒とを有す
る。
【0016】この移動部材における内面反射防止対策
は、内周面に遮光線を設けるとともに、凹凸を有するマ
ット処理を行う方法や内面反射防止塗料を吹付ける方法
が採られてきた。
【0017】移動部材は、この移動部材を構成する回転
筒と直進筒の間に、あるいは移動部材と他の部材との間
に摺動部(面)を有しており、この摺動部においては反
射防止性、遮光性に加えて、摺動性も要求される。移動
部材における摺動性対策としては、摺動可能に嵌合する
嵌合部(例えば、直進キーと直進溝、また、カムピンと
カム溝)に潤滑材を塗布する方法が採られてきた。
【0018】固定部材においては、内周面にヘリコイド
ネジが形成されている場合、図23に示すように固定筒
(10)に形成されたヘリコイドネジ82aの先端部に
V溝(遮光性)82bを設けるとともに、凹凸を有する
マット処理を行って反射防止性を得ていた。また、内面
反射防止塗料を吹き付ける方法も採られていた。
【0019】内周面に直進溝、または円周上に貫通する
直進孔が形成されている場合、内周面に遮光線を設ける
とともに、凹凸を有するマット処理が施されていた。ま
た、内面反射防止塗料の吹き付けも行われていた。
【0020】更に、固定部材において摺動性を得る場合
には、内周面にヘリコイドネジが形成されている場合、
固定部材のヘリコイドネジまたは固定部材のヘリコイド
ネジと螺合する回転筒のヘリコイドネジに潤滑材を塗布
する、あるいは潤滑塗料を吹き付ける方法が採られてい
た。固定部材の内周面に直進溝、あるいは円周上に貫通
する直進孔が形成されている場合、直進溝や直進孔に潤
滑材を塗布する方法が採られていた。
【0021】なお、固定部材の強度対策としては、図
1、2に示すように、ギアを取り付けるための孔7e、
7f、または図8に示すように撮影光学系を光軸方向に
直進移動させるための光軸方向に延びる6本の直進孔3
5a、35b付近の強度が弱くなることから、光軸と平
行方向、または光軸と直交する方向に厚みを増す構造が
用いられていた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】カメラ等の撮影装置に
用いるレンズ鏡筒ユニット内部における反射防止、遮光
及び摺動性の確保を行うための従来の方法では、なお改
善すべき課題があった。
【0023】例えば、二次加工により遮光溝(V溝)を
設けた場合、バリが発生するためそのバリの除去が必要
となり、部品のコストダウンに限界があった。また、確
実にバリが除去される必要があり、除去が不完全である
とバリの脱落による鏡筒ユニット内でのゴミの発生とい
う問題が生じた。
【0024】また、内面反射防止を向上させるための反
射防止塗料を塗装した場合、塗料の密着性が悪い場合に
は塗料の脱落による鏡筒ユニット内での反射防止性の低
下やゴミの発生という問題が生じた。
【0025】例えば、レンズ間隔環においては、開口部
にテーパー部を設けることが行われているが、テーパー
部の反射をより確実に防止するには反射防止塗料の吹き
付けが必要であるが、塗装の密着性が悪いと上述したよ
うな塗装剥がれによる反射防止性の低下やゴミの発生が
生じた。
【0026】一方、鏡筒部材においては、その内周面に
遮光線を設けると、筒状部材としての鏡筒枠の内周に配
置されている駆動部品(例えば、レンズ保持部材)が作
動中に遮光線に引っ掛かってしまい作動不良が発生する
場合があった。内周面に内面反射防止塗料の吹き付けを
行った場合でも、塗装厚のバラツキがあると回転部材の
作動負荷が高くなったり、作動不良が生じる場合があっ
た。また、塗装の密着性が悪い場合は、上記のような塗
装剥がれによる反射防止性の低下やゴミの発生があっ
た。
【0027】なお、鏡筒部材に摺動性を付与するために
潤滑材の塗布を行う場合は、その潤滑材が内面反射塗装
部に滲んでしまい、内面反射防止の効果が低下またはな
くなることがあった。また、潤滑材が塗装部に滲まない
ように滲み防止処理を行うと工程数の増加を招き、更な
るコストダウンの障害となる場合があった。
【0028】また、鏡筒部材の内周面に潤滑塗料の吹き
付け塗装を行うと、塗装のバラツキが生じた場合には、
鏡筒枠の作動負荷が増大し、作動不良が発生する場合が
あった。また、塗装の密着性がわるい場合には、鏡筒枠
の作動により塗装が剥がれてしまい、作動負荷が増大す
るとともに、剥がれた塗装が脱落し、ゴミの原因とな
る。
【0029】遮光部材(遮光ゴム)に油を含ませると、
油が滲み出して鏡筒枠の外周部が汚染されてしまう。ま
た、油を含ませないと、作動負荷が増すだけでなく、鏡
筒枠の進退により遮光部材の摺動性を十分に得ることが
できず、ねじれ等の変形を生じ、光線の遮断効果が得ら
れなくなる場合があった。
【0030】一方、鏡筒部材における強度対策に関して
は、鏡筒枠の厚み(径方向)を薄くすることができない
ので、レンズ鏡筒ユニットの更なる小型化が困難である
という問題があった。
【0031】更に、移動部材、回転部材、直進部材等に
おいても鏡筒部材と同様の問題があった。なお、直進部
材や回転部材において、光軸と平行方向、または光軸に
直交する方向に厚みを増して、強度を確保すると、これ
と嵌合する回転部材が大型化するだけでなく、レンズ鏡
筒ユニット、更にはカメラそのものが大型化するという
問題があった。また、先に述べた掛かり量の減少を行う
と、外部からの衝撃によりカム溝または直進溝から駆動
ピンが外れ易くなる場合があった。
【0032】また、バリア駆動部材においても、これに
潤滑材を塗布した場合、図21に示すように、バリアー
カバー52とバリア駆動部材としてのバリア駆動リング
53との間に砂・ゴミ等の小さな異物が侵入すると、そ
の異物がバリア駆動部材に付着してしまい、バリア駆動
リング52が回動不良を起す場合があった。更に、バリ
ア駆動リングに連動しているバリア54及び55が開閉
不良を起す場合があった。更に、バリア駆動リング53
とバリア54及び55の隙間に、砂・ゴミ等の小さな異
物が侵入すると、その異物がバリア駆動部材に付着して
しまいバリア54及び55が開閉不良を起す場合があっ
た。
【0033】また、バリア駆動リングに、潤滑塗料を吹
き付け塗装した場合でも、回動可能に嵌合している鏡筒
枠51の内周とバリア駆動リング53の外周との間で、
バリア駆動リング53の回動により潤滑塗料が剥がれて
しまい、バリア駆動リング53の回動負荷が増すととも
に、鏡筒ユニットの沈胴動作時の作動負荷が増え、最悪
の場合バリア駆動リングの回動不良あるいは鏡筒ユニッ
ト沈胴動作不良を起す場合があった。また、塗装の剥が
れはゴミの発生の原因ともなる。
【0034】一方、固定絞り板の場合、基体が金属材料
で構造されていると、表面処理を行っても確実に反射防
止をすることができない場合があり、更に反射防止塗装
を行った場合は、上記と同様に塗装の剥がれによる反射
防止性の低下やゴミの発生が生じることがあった。基体
がプラスチックで形成されていると、マット処理では確
実に反射防止ができない場合があり、また反射防止塗装
を設けた際には金属材料を用いた場合と同様の塗装剥が
れによる問題の発生が生じる場合があった。
【0035】更に、固定部材においては、ヘリコイドネ
ジの先端部に遮光溝を設けると、先端部の厚みが薄くな
り、ヘリコイドネジに衝撃が加わるとヘリコイドネジの
先端が曲がり、回転部材のヘリコイドネジから外れてし
まい、回転部材の動作不良が発生する場合があった。内
周面に内面反射防止塗料の吹き付け塗装を行うと、塗装
厚にバラツキがあると回転部材の作動負荷が増大した
り、作動不良が発生する場合はあった。塗装の密着性が
悪い場合には、上記と同様に塗装の剥がれによる反射防
止性の低下やゴミの発生という問題が生じた。
【0036】また、固定部材の摺動性の確保に潤滑塗装
を用いた場合、塗装厚のバラツキにより回転部材の作動
負荷が増大したり、作動不良が発生することがあった。
また、塗装の密着性が悪いと、回転部材の作動により塗
装剥がれが生じ、作動負荷が増大するとともに、潤滑性
の低下やゴミの発生が生じた。潤滑材を塗布する方法で
も、潤滑材が内面反射防止塗装部に滲んでしまい、内面
反射防止の効果を低下させたり、消失させたりする場合
があった。また、潤滑材が内面反射防止塗装部に滲まな
いように滲み防止処理を行った場合、工程数が増加し、
更なるコストダウンの障害になった。
【0037】固定部材において、光軸と平行方向、また
は光軸に直交する方向に厚みを増して強度を確保する
と、固定部材が大型化するだけでなく、レンズ鏡筒ユニ
ット、更にはカメラそのものが大型化するという問題が
あった。
【0038】本発明の目的は、基材への密着性に優れ、
より優れた反射防止性、摺動性を有する塗装膜を有する
レンズ鏡筒ユニット及びその構造部品を提供することに
ある。本発明の他の目的は、小型化に好適な構造の強度
を確保するのに好適な塗装膜を有するレンズ鏡筒ユニッ
ト及びその構造部品を提供することにある。本発明の他
の目的は、摺動嵌合部の嵌合摺動性に優れ、良好かつ耐
久性のある作動性を有するレンズ鏡筒ユニット及びその
部品を提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】本発明のレンズ鏡筒ユニ
ットは、鏡筒部材内に撮影光学系を保持するためのレン
ズ保持部材と、該レンズ保持部材を撮影装置に固定する
ための固定部材と、該固定部材に対して前記レンズ保持
部材を前記撮影光学系の光軸方向に移動可能とする移動
部材とを有するレンズ鏡筒ユニットにおいて、該鏡筒ユ
ニット内に設けられた反射防止膜、遮光膜及び摺動性膜
の少なくとも1つが、微粒子を分散した電着塗料を用い
電気泳動作用により形成された電着塗装膜であることを
特徴とする。
【0040】本発明における微粒子を分散した電着塗料
を用い電気泳動作用により形成された電着塗装膜は、金
属基板または非金属基板等の表面に密着性良く形成で
き、優れた反射防止性、遮光性または摺動性を付与する
ものである。更に、強度補強作用もあり、レンズ鏡筒ユ
ニットの小型化に好適な構造の部材にこれを適用するこ
とで、レンズ鏡筒ユニットの強度を確保しつつ小型化す
るのに好適である。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明における電着塗装膜は、電
着可能な樹脂中にフィラーとして作用する微粒子を含有
する電着塗料を用いて、金属または非金属の基材上に電
気泳動による電着塗装を用いて形成されるものである。
基材が、樹脂等の非金属である場合には、化学メッキ処
理により金属メッキ、あるいは適当な表面導電化処理を
施した上で電着塗装を行う。
【0042】電着塗料に用いられる樹脂としては、アク
リル・メラミン系、アクリル系、エポキシ系、ウレタン
系及びアルキッド系のアニオン性あるいはカチオン性の
樹脂を挙げることができ、所望とする電着塗装が行える
範囲でこれらの2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。アニオン性樹脂の具体例としては、アクリル樹
脂、マレイン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリブタジエン樹脂などの樹脂に、カルボキシル基、ス
ルホン基等を導入した樹脂を挙げることができる。これ
らの樹脂は、塗料中で、トリエチルアミン、ジエチルア
ミン、ジメチルエタノール、アンモニア等の塩基性物質
で水に可溶化または分散されている状態で用いることが
できる。
【0043】カチオン性の樹脂の具体例としては、例え
ばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリブタジエン樹脂などの樹脂に、アミノ
基、アンモニウム塩基及びイミノ基のようなカチオン性
基を導入した樹脂を挙げることができる。これらの樹脂
は、樹脂塗料中で、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸等
の酸性物質で水に可溶化又は分散されている状態で使用
することができる。
【0044】なお、アニオン系樹脂を用いる場合は塗装
すべき基材側を陽極とし、カチオン系の樹脂を用いる場
合には陰極として通電する。
【0045】この通電プロセスにおいて、アニオン性樹
脂は、陽極としての基材表面に移動し、水の電気分解で
陽極近傍に生成している酸(H+)と反応して電着塗装
膜として析出する。また、カチオン性樹脂では、陰極と
しての基材表面に移動し、水の電気分解で陰極近傍に生
成している塩基(OH-)と反応して電着塗装膜として
析出する。次いで、基材を電着槽から取り出し、水洗
後、水切りをする。このようにして形成された電着塗装
膜は、好ましくは更に加熱又は光照射による硬化処理を
行い、耐候性および耐薬品性の向上を図るのが好まし
い。アニオン性樹脂の場合には、例えば、アニオン性樹
脂に導入されたヒドロキシル基又はメチロール化アミド
基とメラミン樹脂やベンゾグアナミン樹脂等のアミノ樹
脂とを反応させてアニオン性樹脂を硬化させることもで
きる。このとき、アミノ樹脂は架橋剤として作用する。
また、アニオン性樹脂の二重結合を利用した配化重合に
よる硬化も利用することができる。カチオン性重合の場
合は、例えば、カチオン性樹脂のヒドロキシル基または
カチオン化のために導入されたアミノ基にイソシアネー
ト化合物を反応させる硬化方法、酸化重合による硬化方
法およびエステル交換反応による硬化反応などで硬化さ
せることもできる。
【0046】樹脂中に反射防止フィラーとして含有させ
ることのできる微粒子としては、アルミニウム、銅、ニ
ッケル、銀等の金属粉体、金属箔及び金属短繊維;酸化
アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ等の金属酸化
物;カーボンファイバー、カーボンブラック、グラファ
イト粉体等を用いることができ、必要に応じてこれらの
2種以上を組み合せてもよい。
【0047】樹脂中に含有させる遮光性用フィラーとし
て含有させることのできる微粒子としては、カーボンブ
ラック、一酸化チタン、マグネタイト等の光吸収性の材
料からなる微粒子を挙げることができ、必要に応じてこ
れらの2種以上を組み合せて用いることができる。
【0048】樹脂中に摺動性を得るために含有させるこ
とのできる微粒子としては、酸化モリブデン、二硫化モ
リブデン、モリブデン、フッ素樹脂等を用いることがで
き、必要に応じてこれらの2種以上を用いることができ
る。これらの中ではモリブデン化合物が特に好適であ
る。
【0049】微粒子の粒径としては、電着塗装膜に所望
とする物性が得られ、膜からの脱離等が生じない範囲内
で選択することができ、平均粒子径で、5〜70μmで
あることが好ましく、10〜40μmであるのがより好
ましい。粒子の粒径は、例えば、SACP−3(島津製
作所社製)のような遠心沈降式粒度分布測定器により測
定することができる。
【0050】更に、微粒子として、酸化アルミニウム、
ケイソウ土、活性炭、酸化ジルコニウム、多孔質カーボ
ン及びケイ酸化合物を用いることが好ましく、多孔度が
80%以上のものが好適である。これらの中ではケイ酸
化合物が特に好適である。なお、微粒子の多孔度は、以
下の式により算出される。
【0051】
【式1】多孔度=[1−(s/d)]×100・・・ s:見かけの比重(密度) d:真の比重(密度) 例えば、多孔質の酸化アルミニウムのd値が3.8及び
s値が1である場合、その多孔度73.1%である。
【0052】電着塗装膜中での微粒子の分散量として
は、樹脂分との比率との相関があり、微粒子が過多にな
ると微粒子の脱落が生じる場合があり、微粒子が脱落す
ると製品完成後のゴミの発生の原因となり、少ないと所
望とする物性が得られなくなる場合がある。好ましい微
粒子の分散量としては、反射防止性を主目的とする場合
は、樹脂100重量部に対して微粒子を2〜50重量
部、特には5〜40重量部分散させるのが好ましい。ま
た、摺動性を主目的とする場合には、樹脂100重量部
に対して微粒子0.5〜15重量部、特には、1〜7重
量部の範囲が好ましい。
【0053】なお、多孔質微粒子を用いた場合における
多孔質微粒子の分散量は、反射防止及び遮光性を得るこ
とを主目的とする場合には、塗装膜中に7〜50重量%
が好ましく、10〜40重量%がより好ましい。摺動性
を得ることを主目的とする場合には、塗装膜中に1〜7
重量%が好ましく、3〜5重量%がより好ましい。
【0054】微粒子の形状は、定形、不定形のどちらで
も良く、これを樹脂溶液と共にその規定量を容器に入
れ、例えばボールミルで24時間以上分散させた後、脱
塩水を用いて好ましくは5〜20重量%、より好ましく
は7〜17重量%(固形分)に希釈し、必要に応じて顔
料等を追加してpH7.5〜8.5に調整し電着用塗料
とすることができる。
【0055】電着塗装は、塗装を行う基体をアニオン系
電着塗装では陽極とし、カチオン系電着塗装では陰極と
して、例えば、浴温20〜25℃の範囲で、必要に応じ
印加電圧70〜200V、電流密度0.5〜5A/cm
2、処理時間1〜5分間の条件で処理し、塗装膜を形成
することができる。塗装膜には、水洗後70〜200℃
の範囲で20〜120分間の硬化処理を施すのが好まし
い。電着塗装膜の厚さとしては、例えば10〜50μm
の範囲で任意に調整できる。本発明における電着塗装膜
の厚さは、所望の効果が得えられるように設定される
が、例えば、電着塗撒くの厚さは、12〜30μm、特
には15〜25μmが好ましい。また、塗膜硬化は90
〜150℃で、60〜90分間が好ましい。
【0056】本発明で用いられる電着塗装膜を摺動膜と
して用いる場合には、その摺動性は静摩擦係数(μ)で
評価することができ、静摩擦係数が0.4以下であるの
が好ましく、0.2以下であるのがより好ましい。静摩
擦係数(μ)は、長さLの斜面に試料からなる表面を形
成し、200g(作用面積;25mm×50mm)の荷
重を負荷できる試料面と接する滑り面を有する重りを載
せ、斜面の一方を固定して、他方を上げて水平状態から
傾斜状態へ以降させた際に重りが滑り出す高さを測定し
てμ=H/Lから求めることができる。
【0057】本発明における電着塗装膜における表面粗
さは、1.7〜5μmが好ましく、2〜4.5μmがよ
り好ましい。また、表面粗さ曲線の平均線からの距離が
2.5μm以上の粗さピーク数(測定長2mm)が30
個以上であるのが好ましく、40個以上であるのがより
好ましい。なお、表面粗さ(Ra:中心線平均粗さ)
は、TOKYO SEIMITSU社製のSurfco
m等によって測定することができる。
【0058】図31及び32に、本発明に用いる電着塗
装膜の代表例を模式的に表わした断面部分図を示す。図
31は表面がプラスチック材からなる下地部76の表面
に、一般に知られているプラスチック上のメッキ工程に
よりメッキ皮膜75を形成し、更に、メッキ皮膜の表皮
を化学処理して化成皮膜74を形成した後、その表面に
電着塗装膜73を形成した場合の構造を示す。化成皮膜
の例としては、メッキ皮膜が銅のときにはそれを酸化処
理して得られる酸化銅皮膜を挙げることができる。
【0059】図32は、金属材料からなる下地部78の
表面に一般に知られているメッキ工程、あるいは化成処
理工程によりメッキ皮膜又は化成皮膜77を形成し、そ
の表面に電着塗装膜73を形成した構造を示すものであ
る。但し、メッキ皮膜又は化成皮膜は省略することがで
きる。
【0060】電着塗装膜においては、微粒子と樹脂との
共析効果により、皮膜表面が著しく粗面化され、光に対
する反射防止性が向上する。更に、微粒子として遮光性
を付与するものや摺動性を有するものを用いる場合には
良好な遮光性や摺動性を得ることができる。また、硬度
は例えば3H以上と良好であり、高耐傷性、高耐候性、
高密着性あるいはメチルエチルケトンでも不変であると
いう高溶剤性を有する電着塗装膜を得ることができる。
なお、微粒子の共析量は熱重量分析やX線マイクロアナ
ライザーにより確認することができる。
【0061】本発明における電着塗装膜における遮光性
または反射防止効果は、光沢度計(例えばGLOSS
METER UGS−300A(日本電色工業社製))
によって評価することができ、60°において0〜2で
あるのが好ましい。
【0062】以下に、以上説明した電着塗装膜を適用し
た本発明におけるレンズ鏡筒ユニット及びその構造部品
の一例を説明する。
【0063】本発明が適用し得るレンズ鏡筒ユニットに
おける撮影光学系を構造する光学素子(レンズ)は、レ
ンズ保持保持部材(レンズ保持枠)に保持されてレンズ
鏡筒内に配置される。図9にレンズ保持枠の一例を示
す。91及び92は撮影光学系、93は撮影光学系91
及び92を保持するレンズ保持枠で地板94に固定され
ている。レンズ保持枠93の内周には、撮影光学系91
と撮影光学系92を支持するとともに、間隔Lを保証す
るためのリブ93aが円周方向に形成されている。この
リブ93aの先端部には端面反射を防止するV溝(遮光
線)93bが設けられている。図10はカムギアにより
光軸方向に進退するレンズ保持枠を示す断面図である。
このレンズ保持枠では、図9の構造に加えて、腕部93
cに支持軸93dが形成され、軸95が追加されてい
る。レンズ保持枠93の支持軸93dは地板94及び9
6に摺動可能に嵌合するとともに、地板94と96との
間で支持されている。また、軸95の先端部95aが地
板94に配置されたカムギア97のカム面97aに当接
することで、レンズ保持枠93は光軸方向に支持され、
このカムギア97が回転することにより、レンズ保持枠
93は光軸方向に進退する。
【0064】図11及び12にレンズ保持枠の他の例を
示す。この例におけるレンズ保持枠は、その外周に光軸
と直交する方向に延びるカムピン93eが等間隔で形成
されていおり、リブ93aの端面反射を防止するための
テーパ面93fが形成されている以外は図9に示すもの
と同様の構造を有する。レンズ保持枠93のカムピン9
3eは、例えば図12に示すカメラ本体(不図示)にビ
スなどによって固定される固定筒35の円周上に形成さ
れる3本の直進孔35aを貫通し、固定筒35の外周に
回転可能に嵌合しているカム筒36の内周面に形成され
たカム36aに当接することで、光軸方向に摺動可能に
支持され、このカム筒36が回転することによりレンズ
保持枠93は光軸方向に進退する。
【0065】以上説明した各構造のレンズ保持枠につい
て本発明の電着塗装を行うことで、リブ93aでの端面
反射を防止することができ、更に、図10の例では、リ
ブ93aでの端面反射防止に加えて、地板94及び96
に嵌合する支持軸93dに潤滑材を塗布する必要がなく
なるので、地板94がシャッターユニットを構造する地
板である場合に潤滑材によるシャッター羽の作動不良を
防止することができる。また、図11の構造において
は、リブ93aでの端面反射の防止に加えて、カムピン
93e、あるいは固定筒36の直進孔36aとカム筒3
5のカム35aに潤滑材を塗布する必要がなくなるの
で、潤滑材の滲みによる固定筒36及び回転筒35の内
面反射を防止することができる。
【0066】本発明の電着塗装が適用し得るレンズ保持
枠の構造は以上例示したものに限定されず、レンズ鏡筒
ユニットに使用されるレンズ保持枠であれば好適に適用
できる。
【0067】レンズ保持枠内における各レンズ間の距離
をより確実に保証するためにレンズ間隔環を用いる場合
もこれに対して本発明の電着塗装を好適に適用すること
ができる。本発明が適用し得るレンズ間隔環の一例を図
14及び15に示す。図14及び15において、101
〜103は撮影レンズ、104は撮影レンズ101、1
02、103及び後述するレンズ間隔環105を保持す
るレンズ保持枠、105は撮影レンズ102と103の
レンズ間隔Lを所定の間隔に保持するレンズ間隔環で、
内周面に撮影レンズに対する開口部が形成され、開口部
の端面反射を防止する遮光線105aあるいは図に示す
ようにテーパー105bが形成されており、これに対し
て本発明における電着塗装が好適に適応できる。レンズ
間隔環に本発明における電着塗装を施すことで、開口部
端面での反射を確実に防止することができ、さらに、塗
装の剥がれがなくなり塗装の脱落によるゴミの発生を確
実に防止することができる。
【0068】本発明にレンズ鏡筒ユニットの撮影光学系
の前面には、未使用時における光路を遮断しておく、バ
リア装置を設けることもできる。このような、バリア装
置の一例の要部を図16〜18に示す。図16は、バリ
ア装置の要部の構造を示す分解斜視図、図17はバリア
が全開した状態を示す断面図、図18はバリア駆動部材
の駆動方法を示す部分断面図である。
【0069】このバリア装置は、レンズ鏡筒部材の光軸
方向での移動(沈胴動作)に連動してバリア駆動リング
が回動し、バリア駆動リングの回動に連動してバリアが
撮影光学系の開口部を開閉駆動するものである。
【0070】61は光軸方向に移動可能に配置されいる
レンズ鏡筒部材の枠部材であり、撮影光学系71を保持
する保持部材(レンズ保持筒69)を覆い、レンジ保持
筒69は鏡筒枠61が光軸方向に移動する時、鏡筒枠6
1と一体となって光軸方向に移動する。鏡筒枠61の前
端部から後方へ入り込んだ位置に前端板61aが形成さ
れ、前端板61aの中心にはレンズ保持枠69の撮影光
学系71に対する撮影開口部61bが形成されている。
撮影開口部61bの周辺には後述するバリア駆動リング
66のフォロワーム66gが貫通する孔61cが形成さ
れ、バリア62及び63を回動可能に支持する軸61d
及び61eと、バリアリング66を光軸方向に支持する
突部61f及び61gと、バネ64及び65の一端を掛
ける軸61h及び61iと、バネ7の一端を掛ける軸6
1jが光軸と平行に植設されている。前端部には、撮影
開口部61bより大きな開口部68aを有したバリアカ
バー68が配置され、前端板61aとバリアカバー68
との間には後述するバリア62及び63と、バリア駆動
リング66が配置されている。
【0071】一対のバリア62及び63は、バリアカバ
ー68の後方に配置され、光軸方向とほぼ直交する平面
内において回動してバリアカバー68の開口部68a及
び鏡筒枠61の撮影開口部61bを開閉するようになっ
ており、後述するバリア駆動リング66により駆動され
る。
【0072】バリア62は、基端部に形成された孔62
aが鏡筒枠61の軸61dに回転可能に嵌合支持され、
バリア63もバリア62も同様に、基端部に形成された
孔63aが鏡筒枠61の軸61eに回動可能に嵌合支持
されている。バリア62の孔62aの近傍位置にはバリ
ア駆動リング66により駆動される軸62bが植設さ
れ、軸62bはバリア駆動リング66に形成されたカム
孔66c内に配置されている。また、鏡筒枠61の軸6
1dと同軸上に配置され、孔62aを中心として反時計
方向に回動付勢している(バリアを閉じる方向に付勢す
る)バネ64の一端を掛ける軸62cが植設されてお
り、バネの他端は鏡筒枠61の軸61hに掛けられてい
る。すなわち、バリア62はバネ64のバネ力によりバ
リア62の軸62bをカム孔66cのカム面66bに当
接させて、バリア駆動リング66に連動させている。
【0073】同様に、バリア63の孔63aの近傍位置
にはバリア駆動リング66により駆動される軸63bが
植設され、軸63bはバリア駆動リング66に形成され
たカム孔66e内に配置されている。また、鏡筒枠61
の軸61eと同軸上に配置され、孔63aを中心として
反時計方向に回動付勢している(バリアを閉じる方向に
付勢する)バネ65の一端を掛ける軸63cが植設され
ており、バネの他端は鏡筒枠61の軸61iに掛けられ
ている。すなわち、バリア63はバネ65のバネ力によ
りバリア63の軸63bをカム孔66eのカム面66d
に当接させて、バリア駆動リング66に連動させてい
る。
【0074】バリア駆動リング66は、鏡筒枠61の内
周に光軸を中心として回動可能に嵌合し、鏡筒枠61の
光軸方向の移動に連動して回動し、バリア62及び63
を駆動させるもので、バリア62及び63の前方に配置
され、鏡筒枠61の突部61f及び61gに支持されて
いる。また、バリア駆動リング66には、鏡筒枠61の
撮影開口部61bよりも開口部66aと、バリア62の
軸62bが当接する連結部としてのカム面66bを有す
るカム孔66cと、バリア63の軸63bが当接する連
結部としてのカム面66dを有するカム孔66eと、バ
リア駆動リング66を時計方向に回転付勢している(バ
リア開き方向に付勢する)バネ67の一端を掛けるため
のフック66fが形成されており、バネ67の他端は鏡
筒枠61の軸61jに掛けられている。更に、バリア駆
動リング66の外周部には軸線方向(光軸方向に沿って
後方側へ)に延びるフォロワーアーム66gが形成され
ており、フォロワーアーム66gは鏡筒枠61の孔61
cを貫通し、シャッターユニットを有する地板70の前
端側外周面に形成されたカム70a(図18参照)に当
接するようになっている。従って、鏡筒枠61が光軸に
沿って後方に移動するとフォロワーアーム66gは板地
70のカム面70aに沿って滑る。その結果、カム面7
0aから受ける反力によりバリア駆動リング66が光軸
を中心として、バネ67をチャージしながら反時計方向
に回動する。この回動によりバリア62及び63は閉じ
方向に駆動され、図17に示されるように撮影光学系7
1の前面を覆う。
【0075】また、鏡筒枠61が光軸に沿って前方に移
動するとフォロワーアーム66gは板地70のカム面7
0aから離れ、バリア駆動リング66が光軸を中心とし
てチャージされているバネ67のバネ力により時計方向
に回動する。この回動によりバリア62及び63は開き
方向に駆動され、撮影光学系71の前面から退避する。
【0076】このバリアー駆動部材における、例えばバ
リア駆動リングに本発明における電着塗装を施すこと
で、回動可能に嵌合する鏡筒枠61の内周とバリア駆動
リング66の外周との嵌合部に潤滑材を塗布する必要が
なくなり、バリア駆動リング66に砂・ゴミ等の小さな
異物が付着することがないので、バリア駆動リング66
の回動不良、バリア62及び63の開閉不良を防止する
ことができる。また、従来のように潤滑塗料を吹き付け
る必要もなくなり、回動による塗装剥がれもなくなるの
で、塗装の脱落によるゴミの発生を防止することができ
るとともに、バリア駆動部材66の回動負荷、また鏡筒
ユニットの沈胴動作時の作動負荷が増すことがない。更
に、電着塗装膜の厚さを変化させることで、鏡筒枠61
の内周とバリア駆動リング66の外周との嵌合ガタを簡
単に補正することができるので、バリア62及び63の
全回及び全閉不良を防止することができる。
【0077】図19にバリア駆動部材の他の例を示す。
図19に示す例は、バリアカバー68の後方にバリア6
2及び63が配置されている点以外は図16の例と同様
の構造を有する。このような構造においてもバリア駆動
リング66に本発明にかかる電着塗装を施すことによっ
て上記と同様の効果を得ることができる。
【0078】図20にバリア駆動部材の他の例を示す。
図20における機械的構造は図16のものとほぼ同じで
あるから、図20に示した構造要素と同じものは図16
〜図18と同じ符号で表示し、これらの構造要素につい
ては説明を省略する。
【0079】図20はバリア装置の構成を示す要部分解
斜視図である。図20において、図16と異なるのは、
バリア駆動リング(バリア駆動部材)66に操作ツマミ
79を新たに設け、バリアカバー68に操作ツマミ79
の操作部79aを貫通させる孔68bを設け、バリアの
開閉動作を鏡筒ユニットの沈胴動作に連動させずに、操
作ツマミ79を介してバリア駆動リング66を作動させ
てバリアの開閉を行うようにしたものである。すなわ
ち、自動開閉バリアから手動開閉バリアに変更したもの
である。
【0080】次に、撮影光学系を保持するレンズ保持枠
やレンズ保持筒を組み込んだレンズ鏡筒ユニットの一例
を図1〜7を用いて説明する。
【0081】図1〜7は本発明におけるレンズ鏡筒ユニ
ットの一例の要部の構造を示す図であり、図1は分解斜
視図、図2は図1に示す固定筒を外面展開した概略図、
図3は図1に示す第1差動カム筒を外面展開した概略
図、図4は図1に示す直進ガイド筒を外面展開した概略
図、図5は図1に示す第2差動カム筒を外面展開した概
略図、図6は図1に示す第2群レンズ鏡筒を外面展開し
た概略図、図7は図1に示す第1群レンズ鏡筒を外面展
開した概略図である。
【0082】図1において、1は撮影装置(カメラ)本
体、2はモーター、3はモーターの駆動力が伝達される
減速ギアで不図示の地板に形成されている軸または穴に
回転可能に嵌合している。4は後述する第1差動カム筒
8を駆動するスムーズ駆動ギアで、減速ギア3と噛み合
っている。5は後述する固定筒7の決められた位置にズ
ーム駆動ギア4を回転可能に支持するための軸、6は不
図示のファインダーズーム機構を駆動するファインダー
駆動ギアである。
【0083】7はカメラ本体1にビスなどによって固定
され、撮影光学系を支持する固定筒(固定部材)で、図
2に示すように固定筒7の内周面には、ヘリコイドネジ
7aと、後述する第1差動カム筒8のギア8cに干渉さ
せないようにするためのギア逃げ部7bと、後述する直
進ガイド筒9の突部9cが摺動可能に嵌合する光軸方向
に延びる直進溝7c(移動手段)と、不図示のフレキを
案内する案内溝7dが形成されている。
【0084】また、ズーム駆動ギア4が貫通する光軸方
向に延びる孔7eと、ファインダー駆動ギア6が貫通す
る光軸方向に延びる孔7fが形成されている。
【0085】8は第1差動カム筒で、外周後部に形成さ
れたヘリコイドネジ8a及び後述するヘリコイドギア8
bが固定筒7のヘリコイドネジ7aに螺合し、ヘリコイ
ドリードに沿って光軸方向に回転しつつ進退可能となる
ように構造されている。図3に示すように第1差動カム
筒の外周後部には、ヘリコイドネジ8aのみが存在する
部分8aと、ギアとヘリコイドネジが共存する部分(以
下、ヘリコイドギアと称す)8b、ギアのみが存在する
部分(以下、ギアと称す)8cが形成されている。ヘリ
コイドネジが存在する領域8a、8bは、固定筒7のヘ
リコイドネジ7aとヘリコイド結合し、第1差動カム筒
8を光軸方向に回転しながら進退可能に支持する機能を
有している。そして、ヘリコイドギアが存在する領域8
bは、ファインダー駆動ギア6に噛み合い、第1差動カ
ム筒8の回転による駆動力を受けて不図示のファンダー
ズーム機構を駆動している。
【0086】第1差動カム筒8のヘリコイドギアが存在
する領域8cは、モーター2からの駆動力を減速ギア3
を介したズーム駆動ギア4と噛み合い、ズーム駆動ギア
4の回転力により第1差動カム筒8が回転しながら光軸
方向に進退する。また、第1差動カム筒8の内周面に
は、後述する直進ガイド筒9を支持する円周方向の3本
の溝部8dと、後述する第2差動カム筒駆動ピン11が
摺動可能に嵌合する光軸方向に延びる3本の直進溝8e
が形成されている。
【0087】21は固定筒7と第1差動カム筒8との隙
間から侵入する光線を遮断する遮光部材(遮光ゴム)
で、固定筒7の先端部に配置され、押えリング22によ
り固定筒7に固定され、第1差動カム筒8の外周に摺動
可能に嵌合している。
【0088】9は第1差動カム筒8と一体となり、回転
せずに進退する直進ガイド筒で、図4に示すように直進
ガイド筒9の外周部には3ヶ所の突起9aと、後端フラ
ンジ9bから更に外周方向に突出した3ヶ所の突部9c
と、第2差動カム筒駆動ピン11が貫通する3本のカム
孔9dが形成されている。この3ヶ所の突起9aは、第
1差動カム筒8の3本の溝部8dに摺動可能に支持され
ている。また、3ヶ所の突部9cは固定筒7の直進溝7
cに摺動可能に支持されている。これにより、第1差動
カム筒8にズーム駆動力が付与されると第1差動カム筒
8が回転しながら光軸方向に進退する際、直進ガイド筒
9は前述の支持機構の作用により第1差動カム筒8と一
体となって回転せずに光軸方向に進退する。また、直進
ガイド筒9の内周面には、後述する第2差動カム筒10
の複数のカムピン10aを摺動可能に支持する複数のカ
ム溝9eと、後述する後地板12の突部12cが摺動可
能に嵌合する光軸方向に延びる3本の直進溝9fが形成
されている。
【0089】10は第2差動カム筒で、図5に示すよう
に、第2差動カム筒10の外周後部には、複数のカムピ
ン10aが形成され、直進ガイド筒9の複数のカム溝9
eに摺動可能に支持されている。また、複数のカムピン
10aの間には3本の第2差動カム筒駆動ピン11が取
り付けられており、第2差動カム筒10に固定されると
ともに、その先端は直進ガイド筒9の3本のカム孔9d
を貫通し、第1差動カム筒8の3本の直進溝8eに摺動
可能に嵌合している。この結果、第2差動カム筒駆動ピ
ン11は第1差動カム筒8の回転力を受けて、直進ガイ
ド筒9に対して第2差動カム筒10を回転させる力を発
生させている。この回転力により第2差動カム筒10は
直進ガイド筒9のカム溝9eに沿って光軸方向に進退す
ることとなる。これにより、第2差動カム筒10は光軸
方向に進退する第1差動カム筒8に対して更に大きく光
軸方向に進退する。また、第2差動カム筒10の内周面
には、後述する後地板12の3本のカムピン12aが摺
動可能に嵌合する3本のカム溝(移動手段)10bと、
後述する第2群レンズ鏡筒13の3本のカムピン12a
が摺動可能に嵌合する3本のカム溝(移動手段)10c
と、後述する第1群レンズ鏡筒14の3本のカムピン1
4aが摺動可能に嵌合する3本のカム溝(移動手段)1
0dがそれぞれ形成されている。
【0090】23は第1差動カム筒8と第2差動カム筒
10との隙間から侵入する光線を遮断する遮光部(遮光
ゴム)で、第1差動カム筒8の先端部に固定され、第2
差動カム筒10の外周に摺動可能に嵌合している。
【0091】12は不図示の第3群、第4群撮影光学系
を構造する後地板で、後地板12の光軸後方側には、第
4群撮影光学系を有する第4群ホルダー15が取り付け
られ、光軸前方側には、第3群撮影光学系を有する第3
群ホルダー16と、第3群ホルダー16を駆動するため
の公知のフォーカス駆動系17と、シャッターユニット
18を構造するシャッター地板19が取り付けられてい
る。後地板12の外周面には、3本のカムピン12a
と、後端フランジ部12bから更に外周方向に突出した
3ヶ所の突部12cが形成されている。この3本のカム
ピン12aが第2差動カム筒10の3本のカム溝10b
に回転可能に支持されるとともに、3ヶ所の突部12c
が直進ガイド筒9の3本の直進溝9fに摺動可能に嵌合
しているので、後地板12は第2差動カム筒10の回転
にともなって3本のカム溝10bのリフトに沿って回転
せずに光軸方向に進退する。
【0092】13は不図示の第2群撮影光学系を有する
第2群ホルダー25を保持する第2群レンズ鏡筒で、図
6に示すように第2群レンズ鏡筒13の外周後部には、
3本のカムピン13aが形成され、また円周には、2ヶ
所の円筒部13b、13cが形成されている。この3本
のカムピン13aが第2差動カム筒10の3本のカム溝
10cに回転可能に支持されるとともに、2ヶ所の円筒
部13b、13cがシャッター地板19の外周面に形成
された光軸方向に延びる直進溝19a、19bに摺動可
能に嵌合しているので、第2群レンズ鏡筒13は、第2
差動カム筒10の回転に伴って3本のカム溝10cのリ
フトに沿って回転せずに光軸方向に進退する。また、2
ヶ所の円筒部10b、10cの外周面には、後述する第
1群レンズ鏡筒14の突部14b、14cが摺動可能に
嵌合する光軸方向に延びる直進溝13d、13eが形成
されている。このような嵌合関係によって、第1群レン
ズ鏡筒14は第2差動カム筒10の回転に伴って3本の
カム溝10dのリフトに沿って回転せずに光軸方向に進
退する。
【0093】24は、第2差動カム筒10と第1群レン
ズ鏡筒14との隙間から侵入する光線を遮断する遮光部
材(遮光ゴム)で、第2差動カム筒10の先端部に固定
され、第1群レンズ鏡筒14の外周に摺動可能に嵌合し
ている。
【0094】28は中央部に撮影光学系に対する開口部
28aが形成され、撮影光学系の有効光線外の光線を遮
断する固定絞り板である。この固定絞り板は、直進筒9
の後方に固定され、外周に形成された3ヶ所の係止部2
8bが直進筒9の突起9gに固定されており、直進筒9
と一体となって回転せずに光軸方向に進退移動する。固
定絞り板の構造は、図示した例に限定されず、撮影光学
系に対する開口部を有し、回転せずに光軸方向に進退移
動する直進筒に固定され、直進筒と一体となって光軸方
向に移動するなど、所望とする絞り効果が得られる固定
絞り板であればどのようなものであってもよく、その設
置位置も設計に応じて適宜選択できる。
【0095】図24に固定絞り板の他の例を示す。この
例は、固定絞り板をレンズ保持枠に取り付けた構造を示
すもので、開口部72aを有する固定絞り板72の外周
には係止部72bが設けられており、この係止部72b
をレンズ保持枠32の外周に設けられた突起32bに嵌
合係止して固定する。
【0096】図8に、レンズ鏡筒ユニットの他の例を示
す。この例においては、31は不図示の第1群撮影光学
系を保持する第1群ホルダー、32は不図示の第2群撮
影光学系を保持する第2群レンズホルダーで、外周に3
本のカムピン32aが形成されている。
【0097】33は第1群ホルダー31とシャッターユ
ニット34を構成する後地板で、後地板33の外周後部
に3本のカムピン33aが形成されている。
【0098】35は不図示のカメラ本体にビスなどによ
って固定され、撮影光学系を支持する固定筒で、固定筒
35の円周上には後地板33の3本のカムピン33aが
貫通する光軸方向に延びる3本の直進孔(移動手段)3
5aと、第2群レンズホルダー32の3本カムピン32
aが貫通する光軸方向に延びる3本の直進孔(移動手
段)35bが等間隔で形成されている。
【0099】36は固定筒35の外周に回転可能に嵌合
し、撮影光学系を光軸方向に進退移動させるカム筒で、
内周面には直進筒35aを貫通した後地板33の3本の
カムピン33aを摺動可能に支持する3本のカム溝36
aと、直進孔35bを貫通した第2群レンズホルダー3
2の3本のカムピン32aを摺動可能に支持する3本の
カム溝36bが周囲方向に等間隔で形成されている。
【0100】また、外周には不図示のズーム駆動系と噛
み合うギア36cが形成され、ズーム駆動系の駆動力に
よりカム筒36が回転する。この回転に伴い、後地板3
3の3本のカムピン33aはカム溝36aに、第2群レ
ンズホルダー32の3本のカムピン32aはカム溝36
bのリードに沿って光軸方向に進退する。この時、後地
板33の3本のカムピン33aは固定筒35の直進孔3
5aに、第2群レンズホルダー32の3本のカムピン3
2aは固定筒35の直進孔35bに、摺動可能に嵌合し
ているので、回転せずに光軸方向に進退する。
【0101】次に、本発明にかかる電着塗装の適用例に
ついて説明する。まず、固定部材としての固定筒に本発
明における電着塗装を施すことで、固定筒の内周面での
反射を防止することができるとともに、塗装のバラツキ
による作動不良を防止することができ、更に、作動中の
塗装の剥がれがなくなることから、塗装の脱落によるゴ
ミの発生を防止することができる。また、電着塗装時間
を変化させることで、固定筒と直進ガイド筒との嵌合ガ
タを簡単に補正することができる。
【0102】図8に示す例においても、固定筒35に本
発明にかかる電着塗装を施すことで、固定筒の内周面で
の反射を防止することができるとともに、塗装のバラツ
キによる作動不良を防止することができ、更に、作動中
の塗装の剥がれがなくなることから、塗装の脱落による
ゴミの発生を防止することができる。また、電着塗装時
間を変化させることで、固定筒35とカム筒36との嵌
合ガタを簡単に補正することができる。
【0103】図22に固定筒の他の例における外面展開
図を示す。このような固定筒においても本発明にかかる
電着塗装を施すことで上記と同様の効果を得ることがで
きる。
【0104】なお、固定部材としては、レンズ鏡筒ユニ
ットをカメラ本体に固定する作用を有する構造を有する
ものであればよく、特に限定されない。
【0105】一方、直進部材としての直進ガイド筒につ
いても本発明における電着塗装を施すことで、直進ガイ
ド筒9の内周面での反射を防止することができるととも
に、塗装のバラツキによる作動不良も防止することがで
きる。更に、作動中の塗装の剥がれがなくなり、塗装の
脱落によるゴミの発生も防止することができる。また、
電着塗装時間を変化させることで、直進ガイド筒9と第
1の作動カム筒8との嵌合ガタ、また直進ガイド筒9の
複数のカム溝9eと第2の作動カム筒10の複数のカム
ピン10aとの嵌合ガタを簡単に補正することができ
る。
【0106】直進部材としては、以上のような直進ガイ
ド筒の構造に限らず、撮影光学系を光軸方向に移動させ
るための移動手段を有し、回転せずに、光軸方向に進退
する直進部材であればどのようなものであってもよい。
また、直進ガイド筒に直進孔(移動手段)が形成された
ものであっても構わない。
【0107】また、回転部材に対して本発明における電
着塗装を施すこともできる。例えば図1における第1差
動カム筒8に電着塗装を施すことによって、その内周面
での反射を防止することができるとともに、塗装のバラ
ツキによる作動不良も防止することができる。更に、作
動中の塗装の剥がれがなくなり、塗装の脱落によるゴミ
の発生も防止することができる。また、遮光ゴムに含ま
れている摺動性を目的とした油が不要となるので、油の
滲みによる第1差動カム筒8の外周部(外観部)の汚れ
を防止することができる。更に、電着塗装時間を変化さ
せることで、第1差動カム筒8のヘリコイドネジ8aと
固定筒7のヘリコイドネジ7aとのラジアル方向及びス
ラスト方向の嵌合ガタを簡単に補正することができる。
【0108】図1における回転部材としての第2差動カ
ム筒10にも本発明にかかつ電着塗装を施すこともで
き、上記と同様に効果を得ることができる。すなわち、
その内周面での反射を防止することができるとともに、
塗装のバラツキによる作動不良も防止することができ
る。更に、作動中の塗装の剥がれがなくなり、塗装の脱
落によるゴミの発生も防止することができる。また、遮
光ゴムに含まれている摺動性を目的とした油が不要とな
るので、油の滲みによる第2差動カム筒10の外周部
(外観部)の汚れを防止することができる。更に、電着
塗装時間を変化させることで、複数のカムピン10aと
直進ガイド筒9の複数のカム溝9eとの嵌合ガタ、また
カム溝10cと第2群レンズ鏡筒13の3本のカムピン
13aとの嵌合ガタ、またカム溝10dと第1群レンズ
鏡筒14の3本のカムピン14aとの嵌合ガタを簡単に
補正することができる。
【0109】図8における回転筒36においても同様に
本発明にかかる電着塗装を施すことで、上記と同様の効
果を得ることができる。すなわち、カム筒36の内周面
での反射を防止することができるとともに、塗装のバラ
ツキによる作動不良も防止することができる。更に、作
動中の塗装の剥がれがなくなり、塗装の脱落によるゴミ
の発生も防止することができる。また、電着塗装時間を
変化させることで、カム筒36と固定筒35の嵌合ガ
タ、カム面36a、36bを簡単に補正することができ
る。
【0110】図26に回転筒の他の構造を示す。この回
転筒は図8に示したものと同様の機能を有するものであ
り、かかる構造の回転筒にも本発明における電着塗装を
施すことができる。この電着塗装を施すことで、カム筒
36の内周面での反射を防止することができるととも
に、塗装のバラツキによる作動不良も防止することがで
きる。更に、作動中の塗装の剥がれがなくなり、塗装の
脱落によるゴミの発生も防止することができる。また、
電着塗装時間を変化させることで、カム筒36と固定筒
35の嵌合ガタ、カム孔36aと後地板33の3本のカ
ムピン33aとの嵌合ガタ、また36bと第2群レンズ
保持部材32の3本のカムピン32aとの嵌合ガタを簡
単に補正することができる。
【0111】なお、回転部材の構造は、以上説明したも
のに限定されず、撮影光学系を光軸に沿って移動させる
ために用いられる回転部材であれば、どのような構造の
ものでもよい。
【0112】更に、図1における移動部材である第2群
レンズ鏡筒13についても本発明における電着塗装を施
すことができる。電着塗装を施すことで、第2群レンズ
鏡筒13の内周面での反射を防止することができるとと
もに、塗装のバラツキによる作動不良も防止することが
できる。更に、作動中の塗装の剥がれがなくなり、塗装
の脱落によるゴミの発生も防止することができる。ま
た、電着塗装時間を変化させることで、3本のカムピン
13aと第2差動カム筒10のカム溝10cとの嵌合ガ
タ、直進溝13d、13eと第1群レンズ鏡筒14の突
部14b、14cとの嵌合ガタ、円筒部13b、13c
とシャッター地板19の直進溝19a、19bとのガタ
を簡単に補正することができる。
【0113】図27(a)に、移動部材の他の例を示
す。この例は、外周面に光軸方向に延びる突部(移動手
段)13fが形成されている以外は図1の例と同様の構
造を有する。この移動部材(第2群レンズ鏡筒)に本発
明における電着塗装を施すことで上記と同様の効果に加
えて、突部13fの幅を簡単に補正できるという効果も
得られる。図27(b)に移動部材の他の例を示す。こ
の例は、円周上にカム孔(移動手段)85aが形成され
たもので、これに本発明における電着塗装を施すこと
で、上記と同様の効果に加えて、カム孔85aのカム幅
を簡単に補正できるという効果が得られる。
【0114】移動部材は、これらの構造に限定されず、
撮影光学系を支持するとともに、これを光軸方向に移動
させるための移動手段を有し、鏡筒ユニット内で光軸方
向に進退移動する移動部材であればどのようなものであ
っても良い。
【0115】更に、図1における鏡筒部材である第1群
レンズ鏡筒14についても本発明における電着塗装を施
すことができる。電着塗装を施すことで、第1群レンズ
鏡筒14の内周面での反射を防止することができるとと
もに、塗装のバラツキによる作動不良も防止することが
できる。更に、作動中の塗装の剥がれがなくなり、塗装
の脱落によるゴミの発生も防止することができる。ま
た、遮光ゴム24に含まれている摺動性を目的とした油
が不要となるので、油の滲みによる第1群レンズ鏡筒1
4の外周部(外観部)の汚れを防止することができる。
更に、電着塗装時間を変化させることで、3本のカムピ
ン14aと第2群レンズ鏡筒13の直進溝13d、13
eとの嵌合ガタを簡単に補正することができる。
【0116】図28に鏡筒部材の他の例を示す。この鏡
筒部材(第1群レンズ鏡筒)は、外周後部にヘリコイド
ネジ(移動手段)14dが形成されているものである。
このような構造の鏡筒部材に本発明における電着塗装を
行うことで、第1群レンズ鏡筒14の内周面での反射を
防止することができるとともに、塗装のバラツキによる
作動不良も防止することができる。更に、作動中の塗装
の剥がれがなくなり、塗装の脱落によるゴミの発生も防
止することができる。また、遮光ゴム24に含まれてい
る摺動性を目的とした油が不要となるので、油の滲みに
よる第1群レンズ鏡筒14の外周部(外観部)の汚れを
防止することができる。更に、電着塗装時間を変化させ
ることで、ヘリコイドネジ14dのヘリコイド形状を簡
単に補正することができ、ヘリコイド間の嵌合ガタをな
くすことができる。
【0117】図29に鏡筒部材の他の例を示す。この鏡
筒部材(第1群レンズ鏡筒)は、内周に直進溝(移動手
段)14e形成されているものである。このような構造
の鏡筒部材に本発明における電着塗装を行うことで、第
1群レンズ鏡筒14の内周面での反射を防止することが
できるとともに、塗装のバラツキによる作動不良も防止
することができる。更に、作動中の塗装の剥がれがなく
なり、塗装の脱落によるゴミの発生も防止することがで
きる。また、遮光ゴム24に含まれている摺動性を目的
とした油が不要となるので、油の滲みによる第1群レン
ズ鏡筒14の外周部(外観部)の汚れを防止することが
できる。更に、電着塗装時間を変化させることで、直進
溝14eの溝幅を簡単に補正することができる。
【0118】鏡筒部材は、上記の構造に限定されず、撮
影光学系を支持するとともに、光軸方向に移動させるた
めの移動手段を有し、光軸方向に進退する鏡筒部材であ
ればどのようなものであってもよい。
【0119】更に、固定絞り板についても本発明にかか
る電着塗装を施すことができる。電着塗装を施すこと
で、その開口部の端部での反射を確実に防止することが
でき、また塗装の剥がれを防止して、塗装の脱落による
ゴミの発生を確実に防止することができる。
【0120】以上、レンズ鏡筒ユニット内の代表的な部
位について述べたが、これ以外の部位でも反射防止性、
摺動性、サイズや嵌合性の補正等の必要な部位に電着塗
装を行うことができる。
【0121】
【実施例】
実施例1 図9に示す構造のレンズ保持枠に対して、内面反射防止
及び摺動性の向上を図るために以下の電着塗装を施し
た。
【0122】以下に示す各成分をボールミルで24時間
分散混合した後、脱塩水を用いて全容積が2リットルに
なるように希釈し、さらに黒色皮膜を得るために黒色顔
料としてカーボンブラックを1.5重量%添加し、電着
塗料を得た。なお、以下の組成における重量%は最終的
な電着塗料中での含有量を示し、実施例2以後において
も同様である。 組成A 樹脂 15重量% 酸化アルミニウム 5重量% (多孔度73%、粒径10μm) 組成B 樹脂 15重量% 珪藻土 5重量% (商品名:ブレライト#4、三進製作所社製、多孔度8
5%、平均粒子径10μm) 二硫化モリブデン 2重量%
【0123】樹脂としては、アクリル・メラミン系樹脂
クリヤー15重量%(商品名:ハニーブライトC−1
L、ハニー化成社製)またはアクリル・メラミン系樹脂
クリヤー15重量%(商品名:ハニーブライトH−1)
を使用した。
【0124】一方、多孔質性を有する微粒子の共析効果
を比較するため、酸化アルミニウムを添加しない以外は
組成Aの場合と同様にして電着塗料(組成C)を得た。
【0125】電着塗装の条件は、pH8.0〜8.2、
浴温20〜25℃とし、被塗物を陽極に対極には0.5
mmtのステンレス板を用い、直流電源の印加電圧を最
低50V、最高200Vで各々25Vの間隔で上昇した
条件下で、アルミニウム材からなり、予めアルミニウム
陽極酸化処理されたレンズ保持枠を、各々の印加電圧に
よって2分間電着塗装した。図39は各印加電圧により
形成された電着塗膜の膜厚を示す。塗装後、水洗し、最
後に脱塩水で洗浄してハニーブライトC−1Lでは95
℃±1℃、ハニーブライトH−1では150℃±1℃の
雰囲気の電気炉で30分間焼付けし完成した。
【0126】得られたレンズ保持枠について、光沢性、
Ra、粗さピーク数、摺動性(静摩擦係数)、電着塗装
膜中の微粒子共析量を測定した結果を表1に示す。な
お、2種の樹脂において焼付け温度が異なるが、塗膜特
性に差はなかった。
【0127】得られたレンズ保持枠を実際にレンズ鏡筒
ユニットの組み立てに使用し、カメラに組み込んで使用
したところ、良好な結果が得られた。
【0128】比較例1 エポキシ・メラミン系樹脂クリヤー(商品名:ハニーブ
ライトC−1L、ハニー化成社製)20重量部に対し、
艶消し剤として黒鉛45重量部、摺動性を得るための成
分として二硫化モリブデン5.0重量部、更に黒色塗膜
を得るための黒色染料としてカーボンブラック2重量部
及び溶剤としてシンナー35重量部を加え吹き付け塗料
を得た。
【0129】吹き付け塗装は、まず、シンナーを加え
て、JISK5500フォードカップNo.4で17秒
〜20秒の範囲になるように吹き付け塗料の粘度調整を
行ってから、スプレーガン中に塗料を入れ、エアー圧力
1.5kg/cm2、被塗物との距離30cmとしてブ
ース内でアルミニウム製のレンズ保持枠に吹き付けるこ
とにより行った。塗膜は20〜30μm厚とし、150
℃±1℃の雰囲気の電気炉で30分間焼付けして完成し
た。
【0130】実施例1と同様に光沢性、Ra、粗さピー
ク数、摺動性(静摩擦係数)について測定し、その結果
を表1に示す。得られたレンズ保持枠は遮光特性及び摺
動性においては十分であるものの、カメラ組み立て工程
に用いた場合、レンズ鏡筒ユニット内に黒鉛及び二硫化
モリブデン粒子が脱落し、ゴミの発生という問題が生じ
た。更に、部品同士の接触による塗膜の密着性の不良と
いう問題も発生し、品質面において更に改善すべき問題
を有するものであった。
【0131】
【表1】 表1中の粗さピーク数における図番は、粗さ曲線を示す図面番号を表す。
【0132】実施例2 図10に示す構造のレンズ保持枠について、アクリル・
メラミン樹脂クリヤ(商品名:ハニーブライトC−1
L)を用いて電着塗装を行った。
【0133】以下の各成分をボールミルで24時間分散
した後、脱塩水を用いて全容積が2リットルになるよう
に希釈し、さらに黒色皮膜を得るために黒色顔料として
カーボンブラックを1.5重量%添加し、電着塗料を2
種得た。組成D 樹脂 15重量% 珪藻土 10重量% (商品名:ブレライト#40、三進製作所社製、多孔度
85%) 酸化モリブデン 1.5重量% 組成E 樹脂 15重量% 活性炭 10重量% (商品名:FM−150、キャタラ工業社製、多孔度8
5%、平均粒径25μm) 酸化モリブデン 1.5重量% 樹脂はアクリル・メラミン系樹脂クリヤー 15重量%
(商品名:ハニーブライトC−1L、ハニー化成社製)
を使用した。
【0134】電着塗装の条件は実施例1と同様とした。
レンズ保持枠は、プラスチック材(ABS/PS)から
形成し、これに対して、表面脱脂後、クロム酸−硫酸−
水系エッチング液で70℃10分間処理し、次いで、セ
ンシタイザ液として塩化第一スズ30g/1塩酸20m
l/lの組成で室温2分間処理し、更に触媒処理として
表面にパラジウム処理して導電化した後、無電解銅めっ
き(商品名:OPC700、奥野製薬社製)として浴温
50℃2時間処理し、5μmの銅皮膜を表面に形成し、
更に、電着塗装に先立って、アルカリ化成液浴温50℃
1時間処理し、銅めっきの表面に化成皮膜を形成してか
ら、各々の印加電圧に対して2分間電着処理した。
【0135】電着塗装後の洗浄、焼付け等の操作も実施
例1と同様に行った。
【0136】得られた電着塗装レンズ保持枠について実
施例1と同様にして測定した光沢性、Ra、粗さピーク
数、微粒子共析量、摺動性の結果を表2に示す。
【0137】
【表2】
【0138】得られたレンズ保持枠を実際にレンズ鏡筒
ユニットの組み立てに使用し、カメラに組み込んで使用
したところ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0139】実施例3 図11に示す構造のレンズ保持枠について、アクリル・
メラミン樹脂クリヤ(商品名:ハニーブライトC−1
L)を用いて電着塗装を行った。
【0140】以下の各成分をボールミルで24時間分散
した後、脱塩水を用いて全容積が2リットルになるよう
に希釈し、さらに黒色皮膜を得るために黒色顔料として
カーボンブラックを1.5重量%添加し、電着塗料を2
種得た。 組成F 樹脂 15重量% 酸化アルミニウム 5重量% (多孔度73%、粒径10μm) 珪藻土 10重量% (商品名:ブレライト#4、三進製作所社製、多孔度8
5%、平均粒子径10μm) 二硫化モリブデン 2重量% 樹脂は、アクリル・メラミン樹脂クリヤ(商品名:ハニ
ーブライトC−1L)を用いた。
【0141】電着塗装の条件は、実施例1と同様した。
レンズ保持枠として図3に示す構造を有する黄銅材から
なるものを用い、この表面をアルカリ脱脂処理(商品
名:パクナ、ユンケン化学社製)により化学着色処理
し、十分洗浄した後、各々の印加電圧によって2分間電
着塗装した。塗装後、水洗し、最後に脱塩水で洗浄して
から95℃±1℃の雰囲気の電気炉で30分間焼付けし
完成した。
【0142】得られたレンズ保持枠について、光沢性、
Ra、粗さピーク数、摺動性(静摩擦係数)、電着塗装
膜中の微粒子共析量を実施例1と同様にして測定したと
ころ表1と同様の結果を得た。
【0143】得られたレンズ保持枠を実際にレンズ鏡筒
ユニットの組み立てに使用し、カメラに組み込んで使用
したところ、酸化アルミニウム、珪藻土、二硫化モリブ
デンおよびカーボンブラックの電着塗装膜からの脱落は
全く見られなかった。
【0144】実施例4 図14及び15に示す構造のレンズ間隔環に対して、以
下に示す組成で各成分をボールミルで24時間分散混合
した後、脱塩水を用いて全容積が2リットルになるよう
に希釈し、さらに黒色皮膜を得るために黒色顔料として
カーボンブラックを1.5重量%添加し、電着塗料を得
た。 組成A 樹脂 15重量% 酸化アルミニウム 5重量% (多孔度73%、粒径10μm) 組成G 樹脂 15重量% 珪藻土 5重量% (商品名:ブレライト#4、三進製作所社製、多孔度8
5%、平均粒子径10μm) 樹脂としては、アクリル・メラミン系樹脂クリヤー15
重量%(商品名:ハニーブライトC−1L、ハニー化成
社製)またはアクリル・メラミン系樹脂クリヤー15重
量%(商品名:ハニーブライトH−1)を使用した。
【0145】一方、多孔質性を有する微粒子の共析効果
を比較するため、酸化アルミニウムを添加しない以外は
組成Aの場合と同様にして電着塗料(組成C)を得た。
【0146】電着塗装、塗装後の洗浄、焼付けの条件
は、実施例1と同様とし、アルミニウム材からなるレン
ズ間隔環に対して電着塗装を行った。アルミニウム材か
らなるレンズ間隔環は、予め陽極酸化処理したものであ
る。得られたレンズ間隔環について実施例1と同様にし
て、光沢性、Ra、粗さピーク数、微粒子共析量につい
て測定したところ表1と同様の結果を得た。
【0147】こうして塗装されたレンズ間隔環を用いる
ことで、レンズ間隔環の開口部端面における反射を確実
に防止することができ、また、塗装の剥がれがなくなり
塗装の脱落によるゴミの発生を防止することができる。
【0148】比較例2 比較例1と同様にして、実施例4で用いたアルミニウム
材からまるレンズ間隔環に対して吹き付け塗装を行っ
た。こうして塗装されたレンズ間隔環について、実施例
1と同様にして、各特性の評価を行ったところ表1と同
様の結果を得た。
【0149】こうして塗装されたレンズ間隔環において
は、遮光特性はあるものの、カメラ組立工程でレンズ鏡
筒ユニット内に黒鉛微粒子が脱落し、ゴミ不良の発生で
品質面においてなお改善すべき問題を有していた。
【0150】実施例5 実施例4と同様の構造のレンズ間隔環について、アクリ
ル・メラミン樹脂クリヤ(商品名:ハニーブライトC−
1L)を用いて電着塗装を行った。
【0151】以下の各成分をボールミルで24時間分散
した後、脱塩水を用いて全容積が2リットルになるよう
に希釈し、さらに黒色皮膜を得るために黒色顔料として
カーボンブラックを1.5重量%添加し、電着塗料を2
種得た。 組成H 樹脂 15重量% 珪藻土 10重量% (商品名:ブレライト#40、三進製作所社製、多孔度
85%) 組成I 樹脂 15重量% 活性炭 10重量% (商品名:FM−150、キャタラ工業社製、多孔度8
5%、平均粒径25μm) 樹脂はアクリル・メラミン系樹脂クリヤー 15重量%
(商品名:ハニーブライトC−1L、ハニー化成社製)
を使用した。
【0152】電着塗装の条件は実施例1と同様とした。
レンズ間隔環は、プラスチック材(ABS/PS)から
形成し、これに対して実施例2と同様の表面処理を施し
た後、各々の印加電圧に対して2分間電着処理した。更
に、電着塗装後の洗浄、焼付け等の操作も実施例1と同
様に行った。
【0153】得られた電着塗装レンズ間隔環について実
施例4と同様にして各特性を測定したところ、表2と同
様の結果を得た。更に、こうして塗装されたレンズ間隔
環を用いて実際にレンズ鏡筒ユニットを組み立て、カメ
ラに組み込み評価した結果、実施例4と同様に良好であ
った。
【0154】実施例6 実施例4と同様の構造のレンズ間隔環について、アクリ
ル・メラミン樹脂クリヤ(商品名:ハニーブライトC−
1L)を用いて電着塗装を行った。
【0155】以下の各成分をボールミルで24時間分散
した後、脱塩水を用いて全容積が2リットルになるよう
に希釈し、さらに黒色皮膜を得るために黒色顔料として
カーボンブラックを1.5重量%添加し、電着塗料を2
種得た。 組成J 樹脂 15重量% 酸化アルミニウム 5重量% (多孔度73%、粒径10μm) 珪藻土 10重量% (商品名:ブレライト#4、三進製作所社製、多孔度8
5%、平均粒子径10μm) 樹脂は、アクリル・メラミン樹脂クリヤ(商品名:ハニ
ーブライトC−1L)を用いた。
【0156】電着塗装の条件は、実施例1と同様した。
レンズ間隔環として図3に示す構造を有する黄銅材から
なるものを用い、この表面を実施例3と同様にして処理
してから、各々の印加電圧によって2分間電着塗装し
た。塗装後、水洗し、最後に脱塩水で洗浄してから95
℃±1℃の雰囲気の電気炉で30分間焼付けし完成し
た。
【0157】得られたレンズ間隔環について実施例4と
同様にして各特性について測定したところ、実施例3と
同様の結果を得た。
【0158】得られたレンズ保持枠を実際にレンズ鏡筒
ユニットの組み立てに使用し、カメラに組み込んで使用
したところ、酸化アルミニウム、珪藻土およびカーボン
ブラックの電着塗装膜からの脱落は全く見られなかっ
た。
【0159】実施例7 図16に示す構造のバリア駆動リングをアルミニウム材
から作製し、これに対して、電着塗装を行った。まず、
以下に示す組成で各成分をボールミルで24時間分散混
合した後、脱塩水を用いて全容積が2リットルになるよ
うに希釈し、さらに黒色皮膜を得るために黒色顔料とし
てカーボンブラックを1.5重量%添加し、電着塗料を
得た。 組成K 樹脂 15重量% 二硫化モリブデン 2重量% 樹脂としては、アクリル・メラミン系樹脂クリヤー15
重量%(商品名:ハニーブライトC−1L、ハニー化成
社製)またはアクリル・メラミン系樹脂クリヤー15重
量%(商品名:ハニーブライトH−1)を使用した。
【0160】一方、添加物質の共析効果を比較するた
め、二硫化モリブデンを添加しない以外は組成Kの場合
と同様にして電着塗料(組成L)を得た。
【0161】電着塗装の条件は実施例1と同様とし、下
地処理、塗装後の洗浄、焼付け等も実施例1と同様に行
った。
【0162】得られたバリア駆動リングについて、実施
例1と同様にして微粒子共析量及び摺動性についての評
価を行った。得られた結果を、表3に示す。なお、2種
の樹脂において焼付け温度が異なるが、塗膜特性に差は
なかった。
【0163】得られたバリア駆動リングを図16に示す
構造のレンズ鏡筒ユニットに用いたところ、鏡筒枠1の
内周とバリア駆動リング6の外周の嵌合ガタを簡単に補
正することができ、バリア2、3の所定の開閉を良好に
行うことができた。
【0164】比較例3 図16に示す構造のバリア駆動リングをアルミニウム材
から作製し、これに対して以下の吹付け塗装を行った。
【0165】エポキシ・メラミン系樹脂クリヤー20重
量部に対し、摺動剤として二硫化モリブデン45重量
部、更に黒色塗膜を得るための黒色染料としてカーボン
ブラック2重量部及び溶剤としてシンナー35重量部を
加え吹き付け塗料を得た。
【0166】吹き付け塗装は、まず、シンナーを加え
て、JISK5500フォードカップNo.4で17秒
〜20秒の範囲になるように吹き付け塗料の粘度調整を
行ってから、スプレーガン中に塗料を入れ、エアー圧力
1.5kg/cm2、被塗物との距離30cmとしてブ
ース内でアルミニウム製のレンズ保持枠に吹き付けるこ
とにより行った。塗膜は20〜30μm厚とし、150
℃±1℃の雰囲気の電気炉で30分間焼付けして完成し
た。
【0167】実施例7と同様に摺動性(静摩擦係数)に
ついて測定した。その結果を表3に示す。
【0168】
【表3】
【0169】実施例8 図19に示すバリア62、63の後方面に電着電着塗装
を行った。樹脂として、アクリル・メラミン樹脂クリヤ
(商品名:ハニーブライトC−1L)を用いて、以下の
各成分をボールミルで24時間分散した後、脱塩水を用
いて全容積が2リットルになるように希釈し、さらに黒
色皮膜を得るために黒色顔料としてカーボンブラックを
1.5重量%添加し、電着塗料を2種得た。 組成M 樹脂 15重量% 酸化モリブデン 1.5重量% 組成N 樹脂 15重量% モリブデン 1.5重量%
【0170】電着塗装の条件は実施例1と同様とした。
バリアは、プラスチック材(ABS/PS)から形成
し、これに対して、実施例2と同様の前処理を行ってか
ら、各々の印加電圧に対して2分間電着処理した。電着
塗装後の洗浄、焼付け等の操作も実施例2と同様に行っ
た。得られた電着塗装バリアについて実施例7と同様に
して各特性を測定した。結果を表4に示す。
【0171】
【表4】
【0172】こうして得られバリアを用いたレンズ鏡筒
ユニットでは、良好なバリア開閉操作が可能であった。
【0173】実施例9 図20に示す構造のバリア駆動部材66について、アク
リル・メラミン樹脂クリヤ(商品名:ハニーブライトC
−1L)を用いて電着塗装を行った。
【0174】以下の各成分をボールミルで24時間分散
した後、脱塩水を用いて全容積が2リットルになるよう
に希釈し、さらに黒色皮膜を得るために黒色顔料として
カーボンブラックを1.5重量%添加し、電着塗料を得
た。 組成P 樹脂 15重量% 二硫化モリブデン 2重量%
【0175】電着塗装の条件は、実施例1と同様した。
バリア駆動部材としては黄銅材からなるものを用い、こ
の表面を実施例3と同様に前処理してから、各々の印加
電圧によって2分間電着塗装した。更に実施例3と同様
にして、水洗、焼付け等を行った。
【0176】得られたバリア駆動部材を用いレンズ鏡筒
ユニットを組み立て、カメラに組み込んで評価した結
果、二硫化モリブデン及びカーボンブラックの電着塗装
膜からの脱落は全く見られなかった。
【0177】実施例10 図1に示す構造の固定筒をアルミニウム材から作製し、
実施例1と同様にして電着塗装を行った。こうして塗装
された固定筒について、実施例1と同様にして各特性の
評価を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られ
た。この塗装された固定筒を用いてレンズ鏡筒ユニット
を組み立てたところ、目的とする効果を得ることができ
た。
【0178】比較例4 実施例10で用いたアルミニウム製の固定筒に対して、
比較例1と同様の吹付け塗装を行い、実施例10と同様
にして各特性の評価を行ったところ比較例1と同様の結
果が得られた。この塗装された固定筒は遮光特性及び摺
動性においては十分であるものの、カメラ組み立て工程
に用いた場合、レンズ鏡筒ユニット内に黒鉛及び二硫化
モリブデン粒子が脱落し、ゴミの発生という問題が生じ
た。更に、部品同士の接触による塗膜の密着性の不良と
いう問題も発生し、品質面において更に改善すべき問題
を有するものであった。
【0179】実施例11 図8に示す構造の固定筒をプラスチック材(ABS/P
C)から作製し、実施例2と同様にして電着塗装を行っ
た。こうして塗装された固定筒について、実施例2と同
様にして各特性の評価を行ったところ、実施例2と同様
の結果が得られた。この塗装された固定筒を用いてレン
ズ鏡筒ユニットを組み立てたところ、目的とする効果を
得ることができた。
【0180】実施例12 図22に示す構造の固定筒を黄銅材から作製し、実施例
3と同様にして電着塗装を行った。こうして塗装された
固定筒について、実施例3と同様にして各特性の評価を
行ったところ、実施例3と同様の結果が得られた。この
塗装された固定筒を用いてレンズ鏡筒ユニットを組み立
てたところ、目的とする効果を得ることができた。
【0181】実施例13 図1に示す構造の固定絞り板をアルミニウム材から作製
し、実施例4と同様にして電着塗装を行った。こうして
塗装された固定絞り板について、実施例4と同様にして
各特性の評価を行ったところ、実施例4と同様の結果が
得られた。この塗装された固定絞り板を用いてレンズ鏡
筒ユニットを組み立てたところ、目的とする効果を得る
ことができた。
【0182】比較例5 実施例13で用いたアルミニウム製の固定絞り板に対し
て、二硫化モリブデンを用いない以外は比較例1と同様
の吹付け塗装を行い、比較例2と同様にして各特性の評
価を行ったところ比較例2と同様の結果が得られた。こ
の塗装された固定絞り板は遮光特性においては十分であ
るものの、カメラ組み立て工程に用いた場合、レンズ鏡
筒ユニット内に黒鉛粒子が脱落し、ゴミの発生という問
題が生じた。
【0183】実施例14 図24に示す構造の固定絞り板をプラスチック材(AB
S/PC)から作製し、実施例5と同様にして電着塗装
を行った。こうして塗装された固定絞り板について、実
施例5と同様にして各特性の評価を行ったところ、実施
例5と同様の結果が得られた。この塗装された固定絞り
板を用いてレンズ鏡筒ユニットを組み立てたところ、目
的とする効果を得ることができた。
【0184】実施例15 図8及び図24に示す構造の固定絞り板を黄銅材から作
製し、実施例6と同様にして電着塗装を行った。こうし
て塗装された固定絞り板について、実施例6と同様にし
て各特性の評価を行ったところ、実施例6と同様の結果
が得られた。この塗装された固定絞り板を用いて図 の
レンズ鏡筒ユニットを組み立てたところ、目的とする効
果を得ることができた。
【0185】実施例16 図1に示す構造の直進ガイド筒をアルミニウム材から作
製し、実施例1と同様にして電着塗装を行った。こうし
て塗装された固定筒について、実施例1と同様にして各
特性の評価を行ったところ、実施例1と同様の結果が得
られた。この塗装された直進筒を用いてレンズ鏡筒ユニ
ットを組み立てたところ、目的とする効果を得ることが
できた。
【0186】比較例6 実施例16で用いたアルミニウム製の直進筒に対して、
比較例1と同様の吹付け塗装を行い、実施例10と同様
にして各特性の評価を行ったところ比較例1と同様の結
果が得られた。この塗装された固定筒は遮光特性及び摺
動性においては十分であるものの、カメラ組み立て工程
に用いた場合、レンズ鏡筒ユニット内に黒鉛及び二硫化
モリブデン粒子が脱落し、ゴミの発生という問題が生じ
た。更に、部品同士の接触による塗膜の密着性の不良と
いう問題も発生し、品質面において更に改善すべき問題
を有するものであった。
【0187】実施例17 図1に示す構造の直進筒をプラスチック材(ABS/P
C)から作製し、実施例2と同様にして電着塗装を行っ
た。こうして塗装された固定筒について、実施例2と同
様にして各特性の評価を行ったところ、実施例2と同様
の結果が得られた。この塗装された直進筒を用いてレン
ズ鏡筒ユニットを組み立てたところ、目的とする効果を
得ることができた。
【0188】実施例18 図1に示す構造の回転部材としての第1差動カム筒をア
ルミニウム材から作製し、実施例1と同様にして電着塗
装を行った。こうして塗装された回転筒について、実施
例1と同様にして各特性の評価を行ったところ、実施例
1と同様の結果が得られた。この塗装された回転筒を用
いてレンズ鏡筒ユニットを組み立てたところ、目的とす
る効果を得ることができた。
【0189】比較例7 実施例18で用いたアルミニウム製の回転筒に対して、
比較例1と同様の吹付け塗装を行い、実施例18と同様
にして各特性の評価を行ったところ比較例1と同様の結
果が得られた。この塗装された回転筒は遮光特性及び摺
動性においては十分であるものの、カメラ組み立て工程
に用いた場合、レンズ鏡筒ユニット内に黒鉛及び二硫化
モリブデン粒子が脱落し、ゴミの発生という問題が生じ
た。更に、部品同士の接触による塗膜の密着性の不良と
いう問題も発生し、品質面において更に改善すべき問題
を有するものであった。
【0190】実施例19 図8に示す構造の回転筒をプラスチック材(ABS/P
C)から作製し、実施例2と同様にして電着塗装を行っ
た。こうして塗装された回転筒について、実施例2と同
様にして各特性の評価を行ったところ、実施例2と同様
の結果が得られた。この塗装された回転筒を用いてレン
ズ鏡筒ユニットを組み立てたところ、目的とする効果を
得ることができた。
【0191】実施例20 図26に示す構造の回転筒を黄銅材から作製し、実施例
3と同様にして電着塗装を行った。こうして塗装された
回転筒について、実施例3と同様にして各特性の評価を
行ったところ、実施例3と同様の結果が得られた。この
塗装された回転筒を用いてレンズ鏡筒ユニットを組み立
てたところ、目的とする効果を得ることができた。
【0192】実施例21 図1に示す構造の移動部材としての第2群レンズ鏡筒を
アルミニウム材から作製し、実施例1と同様にして電着
塗装を行った。こうして塗装された固定筒について、実
施例1と同様にして各特性の評価を行ったところ、実施
例1と同様の結果が得られた。この塗装された第2群レ
ンズ鏡筒を用いてレンズ鏡筒ユニットを組み立てたとこ
ろ、目的とする効果を得ることができた。
【0193】比較例8 実施例21で用いたアルミニウム製の第2群レンズ鏡筒
に対して、比較例1と同様の吹付け塗装を行い、実施例
21と同様にして各特性の評価を行ったところ比較例1
と同様の結果が得られた。この塗装された第2群レンズ
鏡筒は遮光特性及び摺動性においては十分であるもの
の、カメラ組み立て工程に用いた場合、レンズ鏡筒ユニ
ット内に黒鉛及び二硫化モリブデン粒子が脱落し、ゴミ
の発生という問題が生じた。更に、部品同士の接触によ
る塗膜の密着性の不良という問題も発生し、品質面にお
いて更に改善すべき問題を有するものであった。
【0194】実施例22 図27(a)に示す構造の第2群レンズ鏡筒をプラスチ
ック材(ABS/PC)から作製し、実施例2と同様に
して電着塗装を行った。こうして塗装された第2群レン
ズ鏡筒について、実施例2と同様にして各特性の評価を
行ったところ、実施例2と同様の結果が得られた。この
塗装された第2群レンズ鏡筒を用いてレンズ鏡筒ユニッ
トを組み立てたところ、目的とする効果を得ることがで
きた。
【0195】実施例23 図27(b)に示す構造の移動筒を黄銅材から作製し、
実施例3と同様にして電着塗装を行った。こうして塗装
された移動筒について、実施例3と同様にして各特性の
評価を行ったところ、実施例3と同様の結果が得られ
た。この塗装された移動筒を用いてレンズ鏡筒ユニット
を組み立てたところ、目的とする効果を得ることができ
た。
【0196】実施例24 図1に示す構造の鏡筒部材としての第1群レンズ鏡筒を
アルミニウム材から作製し、実施例1と同様にして電着
塗装を行った。こうして塗装された第1群レンズ鏡筒に
ついて、実施例1と同様にして各特性の評価を行ったと
ころ、実施例1と同様の結果が得られた。この塗装され
た第1群レンズ鏡筒を用いてレンズ鏡筒ユニットを組み
立てたところ、目的とする効果を得ることができた。
【0197】比較例9 実施例10で用いたアルミニウム製の第1群レンズ鏡筒
に対して、比較例1と同様の吹付け塗装を行い、実施例
10と同様にして各特性の評価を行ったところ比較例1
と同様の結果が得られた。この塗装された第1群レンズ
鏡筒は遮光特性及び摺動性においては十分であるもの
の、カメラ組み立て工程に用いた場合、レンズ鏡筒ユニ
ット内に黒鉛及び二硫化モリブデン粒子が脱落し、ゴミ
の発生という問題が生じた。更に、部品同士の接触によ
る塗膜の密着性の不良という問題も発生し、品質面にお
いて更に改善すべき問題を有するものであった。
【0198】実施例25 図28に示す構造の第1群レンズ鏡筒をプラスチック材
(ABS/PC)から作製し、実施例2と同様にして電
着塗装を行った。こうして塗装された第1群レンズ鏡筒
について、実施例2と同様にして各特性の評価を行った
ところ、実施例2と同様の結果が得られた。この塗装さ
れた第1群レンズ鏡筒を用いてレンズ鏡筒ユニットを組
み立てたところ、目的とする効果を得ることができた。
【0199】実施例26 図29に示す構造の第1群レンズ鏡筒を黄銅材から作製
し、実施例3と同様にして電着塗装を行った。こうして
塗装された第1群レンズ鏡筒について、実施例3と同様
にして各特性の評価を行ったところ、実施例3と同様の
結果が得られた。この塗装された第1群レンズ鏡筒を用
いてレンズ鏡筒ユニットを組み立てたところ、目的とす
る効果を得ることができた。
【0200】
【発明の効果】本発明によれば、反射防止性、遮光性、
摺動性等のレンズ鏡筒ユニット内において要求される特
性を満たす塗装膜を密着性良く得ることができ、基材へ
の密着性に優れ、より優れた反射防止性、摺動性を有す
る塗装膜を有するレンズ鏡筒ユニット及びその構造部品
を提供することができる。更に、本発明によれば、小型
化に好適な構造の強度を確保するのに好適な塗装膜を有
するレンズ鏡筒ユニット及びその構造部品を提供するこ
とができる。また、本発明によれば、摺動嵌合部の嵌合
摺動性に優れ、良好かつ耐久性のある作動性を有するレ
ンズ鏡筒ユニット及びその部品を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるレンズ鏡筒ユニットの構造を示
す分解斜視図である。
【図2】固定筒を外面展開した概略図である。
【図3】第1差動カム筒を外面展開した概略図である。
【図4】直進ガイド筒を外面展開した概略図である。
【図5】第2差動カム筒を外面展開した概略図である。
【図6】第2群レンズ鏡筒を外面展開した概略図であ
る。
【図7】第1群レンズ鏡筒を外面展開した概略図であ
る。
【図8】本発明におけるレンズ鏡筒ユニットの他の例を
示す図である。
【図9】本発明におけるレンズ保持部材の一例を示す図
である。
【図10】本発明におけるレンズ保持部材の一例を示す
図である。
【図11】本発明におけるレンズ保持部材の一例を示す
図である。
【図12】本発明におけるレンズ保持部材の一例を示す
図である。
【図13】(a)及び(b)はレンズ保持部材の一例を
示す図である。
【図14】本発明におけるレンズ間隔環の一例を示す図
である。
【図15】本発明におけるレンズ間隔環の一例を示す図
である。
【図16】本発明におけるバリア駆動部材の一例を示す
図である。
【図17】本発明におけるバリア駆動部材の一例を示す
図である。
【図18】バリア駆動部材の動作を説明するための図で
ある。
【図19】本発明におけるバリア駆動部材の一例を示す
図である。
【図20】本発明におけるバリア駆動部材の他の例を示
す図である。
【図21】バリア駆動部材の一例を示す図である。
【図22】本発明における固定筒の他の例を示す図であ
る。
【図23】本発明における固定筒の他の例を示す図であ
る。
【図24】本発明における固定絞り板の他の例を示す図
である。
【図25】(a)及び(b)は固定絞り板の構造を示す
図である。
【図26】本発明における回転部材の他の例を示す図で
ある。
【図27】(a)及び(b)は本発明における移動部材
の他の例を示す図である。
【図28】本発明における鏡筒部材の他の例を示す図で
ある。
【図29】本発明における鏡筒部材の他の例を示す図で
ある。
【図30】鏡筒部材の使用状態を示す図である。
【図31】本発明における電着塗装膜の構造の一例を示
す図である。
【図32】本発明における電着塗装膜の構造の他の例を
示す図である。
【図33】電着塗装膜の表面粗さ曲線図である。
【図34】電着塗装膜の表面粗さ曲線図である。
【図35】電着塗装膜の表面粗さ曲線図である。
【図36】電着塗装膜の表面粗さ曲線図である。
【図37】電着塗装膜の表面粗さ曲線図である。
【図38】電着塗装膜の表面粗さ曲線図である。
【図39】各印加電圧により形成された電着塗膜の膜厚
を示す図である。
【符号の説明】
1 カメラ本体 2 モーター 3 減速ギア 4 ズーム駆動ギア 5 軸 6 ファインダー駆動ギア 7 固定筒 8 第1差動カム筒 9 直進筒 10 第2差動カム筒 11 第2差動カム筒駆動ピン 12 後地板 13 第2レンズ鏡筒 14 第1レンズ鏡筒 15 第4群ホルダー 16 第3群ホルダー 17 フォーカス駆動系 18 シャッターユニット 19 シャッター地板 20 第1群ホルダー 21、23、24 遮光部材 22 押えリング 25 第2群ホルダー 26、27 シャッター羽根 28a 固定絞り板
フロントページの続き (72)発明者 尾野 幸治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (105)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡筒部材内に撮影光学系を保持するため
    のレンズ保持部材と、該レンズ保持部材を撮影装置に固
    定するための固定部材と、該固定部材に対して前記レン
    ズ保持部材を前記撮影光学系の光軸方向に移動可能とす
    る移動部材とを有するレンズ鏡筒ユニットにおいて、 該鏡筒ユニット内に設けられた反射防止膜、遮光膜及び
    摺動性膜の少なくとも1つが、微粒子を分散した電着塗
    料を用い電気泳動作用により形成された電着塗装膜であ
    ることを特徴とするレンズ鏡筒ユニット。
  2. 【請求項2】 前記電着塗装膜が、金属基板または非金
    属基板の表面に形成されている請求項1に記載のレンズ
    鏡筒ユニット。
  3. 【請求項3】 前記電着塗装膜の表面粗さが1.7〜5
    μmである請求項1に記載のレンズ鏡筒ユニット。
  4. 【請求項4】 前記電着塗装膜の表面粗さが2〜4.5
    μmである請求項1に記載のレンズ鏡筒ユニット。
  5. 【請求項5】 前記電着塗装膜の表面粗さ曲線の平均線
    からの距離が2.5μm以上の粗さピーク数が30個以
    上である請求項1に記載のレンズ鏡筒ユニット。
  6. 【請求項6】 前記粗さピーク数が40個以上である請
    求項5に記載のレンズ鏡筒ユニット。
  7. 【請求項7】 前記微粒子がケイ酸化合物及びモリブデ
    ン化合物から選択された少なくとも1種からなる請求項
    1に記載のレンズ鏡筒ユニット。
  8. 【請求項8】 前記ケイ酸化合物微粒子が、80%以上
    の多孔度を有する請求項7に記載のレンズ鏡筒ユニッ
    ト。
  9. 【請求項9】 前記微粒子の平均粒径が5〜70μmで
    ある請求項1に記載のレンズ鏡筒ユニット。
  10. 【請求項10】 前記電着塗装膜が黒色着色材によって
    遮光性を有する請求項1に記載のレンズ鏡筒ユニット。
  11. 【請求項11】 前記電着塗装膜の表面光沢が2以下で
    ある請求項10に記載のレンズ鏡筒ユニット。
  12. 【請求項12】 前記電着塗装膜の静摩擦係数が0.5
    以下である請求項1に記載にレンズ鏡筒ユニット。
  13. 【請求項13】 複数の部材間での摺動嵌合部を有し、
    該摺動嵌合部の嵌合性が、前記電着塗装膜によって補正
    されている請求項1に記載のレンズ鏡筒ユニット。
  14. 【請求項14】 前記撮影光学系が、レンズ間隔環によ
    って所定の間隔で配置された2以上の光学素子を有する
    請求項1に記載のレンズ鏡筒ユニット。
  15. 【請求項15】 前記移動部材が、前記固定部材に対し
    て回転移動する回転部材と、該回転部材の回転動作に連
    動して前記撮影光学系の光軸方向に移動する直進部材を
    有し、該直進部材の移動を介して前記撮影光学系の光軸
    方向での位置変化をおこなうものである請求項1に記載
    のレンズ鏡筒ユニット。
  16. 【請求項16】 前記撮影光学系の光軸に沿った光路を
    開閉するバリア部材を有し、該バリア部材を駆動するた
    めのバリア駆動部材を有する請求項1に記載のレンズ鏡
    筒ユニット。
  17. 【請求項17】 前記撮影光学系に対する開口部を有
    し、前記レンズ保持部材または前記直進部材に固定され
    た固定絞り板を有する請求項13または15に記載のレ
    ンズ鏡筒ユニット。
  18. 【請求項18】 枠部材内に撮影光学系を形成する光学
    素子の1以上を保持したレンズ鏡筒ユニット用のレンズ
    保持部材において、 微粒子を分散した電着塗料を用い電気泳動作用により形
    成された電着塗装膜からなる反射防止膜または摺動性膜
    を有することを特徴とするレンズ保持部材。
  19. 【請求項19】 前記電着塗装膜が、金属基板または非
    金属基板の表面に形成されている請求項18に記載のレ
    ンズ保持部材。
  20. 【請求項20】 前記電着塗装膜の表面粗さが1.7〜
    5μmである請求項19に記載のレンズ保持部材。
  21. 【請求項21】 前記電着塗装膜の表面粗さが2〜4.
    5μmである請求項19に記載のレンズ保持部材。
  22. 【請求項22】 前記電着塗装膜の表面粗さ曲線の平均
    線からの距離が2.5μm以上の粗さピーク数が30個
    以上である請求項19に記載のレンズ保持部材。
  23. 【請求項23】 前記粗さピーク数が40個以上である
    請求項22に記載のレンズ保持部材。
  24. 【請求項24】 前記微粒子がケイ酸化合物及びモリブ
    デン化合物から選択された少なくとも1種からなる請求
    項19に記載のレンズ保持部材。
  25. 【請求項25】 前記ケイ酸化合物微粒子が、80%以
    上の多孔度を有する請求項24に記載のレンズ保持部
    材。
  26. 【請求項26】 前記微粒子の平均粒径が5〜70μm
    である請求項19に記載のレンズ保持部材。
  27. 【請求項27】 前記電着塗装膜が黒色着色材によって
    遮光性を有する請求項19に記載のレンズ保持部材。
  28. 【請求項28】 前記電着塗装膜の表面光沢が2以下で
    ある請求項27に記載のレンズ保持部材。
  29. 【請求項29】 前記電着塗装膜の静摩擦係数が0.5
    以下である請求項19に記載にレンズ保持部材。
  30. 【請求項30】 枠部材内に光学素子を所定の間隔で配
    置するためのレンズ間隔環において、 微粒子を分散した電着塗料を用い電気泳動作用により形
    成された電着塗装膜からなる反射防止膜または遮光膜を
    有することを特徴とするレンズ間隔環。
  31. 【請求項31】 前記電着塗装膜が、金属基板または非
    金属基板の表面に形成されている請求項30に記載のレ
    ンズ間隔環。
  32. 【請求項32】 前記電着塗装膜の表面粗さが1.7〜
    5μmである請求項30に記載のレンズ間隔環。
  33. 【請求項33】 前記電着塗装膜の表面粗さが2〜4.
    5μmである請求項30に記載のレンズ間隔環。
  34. 【請求項34】 前記電着塗装膜の表面粗さ曲線の平均
    線からの距離が2.5μm以上の粗さピーク数が30個
    以上である請求項30に記載のレンズ間隔環。
  35. 【請求項35】 前記粗さピーク数が40個以上である
    請求項34に記載のレンズ間隔環。
  36. 【請求項36】 前記微粒子がケイ酸化合物及びモリブ
    デン化合物から選択されたすくなくとも1種からなる請
    求項30に記載のレンズ間隔環。
  37. 【請求項37】 前記ケイ酸化合物微粒子が、80%以
    上の多孔度を有する請求項36に記載のレンズ間隔環。
  38. 【請求項38】 前記微粒子の平均粒径が5〜70μm
    である請求項30に記載のレンズ間隔環。
  39. 【請求項39】 前記電着塗装膜が黒色着色材によって
    遮光性を有する請求項30に記載のレンズ鏡筒ユニッ
    ト。
  40. 【請求項40】 前記電着塗装膜の表面光沢が2以下で
    ある請求項39に記載のレンズ間隔環。
  41. 【請求項41】 前記電着塗装膜の静摩擦係数が0.5
    以下である請求項30に記載にレンズ間隔環。
  42. 【請求項42】 撮影光学系を保持し得る筒状部材を有
    してなる鏡筒部材において、 微粒子を分散した電着塗料を用い電気泳動作用により形
    成された電着塗装膜からなる反射防止膜、遮光膜または
    摺動性膜を有することを特徴とする鏡筒部材。
  43. 【請求項43】 摺動嵌合部を有し、摺動嵌合部の嵌合
    性が、前記電着塗装膜によって補正されている請求項4
    2に記載の鏡筒部材。
  44. 【請求項44】 前記電着塗装膜が、金属基板または非
    金属基板の表面に形成されている請求項43に記載の鏡
    筒部材。
  45. 【請求項45】 前記電着塗装膜の表面粗さが1.7〜
    5μmである請求項43に記載の鏡筒部材。
  46. 【請求項46】 前記電着塗装膜の表面粗さが2〜4.
    5μmである請求項43に記載の鏡筒部材。
  47. 【請求項47】 前記電着塗装膜の表面粗さ曲線の平均
    線からの距離が2.5μm以上の粗さピーク数が30個
    以上である請求項43に記載の鏡筒部材。
  48. 【請求項48】 前記粗さピーク数が40個以上である
    請求項47に記載の鏡筒部材。
  49. 【請求項49】 前記微粒子がケイ酸化合物及びモリブ
    デン化合物から選択されたすくなくとも1種からなる請
    求項43に記載の鏡筒部材。
  50. 【請求項50】 前記ケイ酸化合物微粒子が、80%以
    上の多孔度を有する請求項49に記載の鏡筒部材。
  51. 【請求項51】 前記微粒子の平均粒径が5〜70μm
    である請求項43に記載の鏡筒部材。
  52. 【請求項52】 前記電着塗装膜が黒色着色材によって
    遮光性を有する請求項43に記載の鏡筒部材。
  53. 【請求項53】 前記電着塗装膜の表面光沢が2以下で
    ある請求項52に記載の鏡筒部材。
  54. 【請求項54】 前記電着塗装膜の静摩擦係数が0.5
    以下である請求項43に記載に鏡筒部材。
  55. 【請求項55】 鏡筒部材内に保持された撮影光学系
    を、レンズ鏡筒ユニット内の固定部材に対して移動可能
    に設けるために用いられれる移動部材において、 微粒子を分散した電着塗料を用い電気泳動作用により形
    成された電着塗装膜からなる反射防止膜、遮光膜または
    摺動性膜を有することを特徴とする移動部材。
  56. 【請求項56】 摺動嵌合部を有し、該摺動嵌合部の嵌
    合性が、前記電着塗装膜によって補正されている請求項
    55に記載の移動部材。
  57. 【請求項57】 前記固定部材に対して回転しつつ移動
    し得る回転部材と該回転部材の回転動作にともなって前
    記撮影光学系の光軸方向に移動する直進部材とを有する
    請求項56に記載の移動部材。
  58. 【請求項58】 前記電着塗装膜が、金属基板または非
    金属基板の表面に形成されている請求項56に記載の移
    動部材。
  59. 【請求項59】 前記電着塗装膜の表面粗さが1.7〜
    5μmである請求項56に記載の移動部材。
  60. 【請求項60】 前記電着塗装膜の表面粗さが2〜4.
    5μmである請求項56に記載の移動部材。
  61. 【請求項61】 前記電着塗装膜の表面粗さ曲線の平均
    線からの距離が2.5μm以上の粗さピーク数が30個
    以上である請求項56に記載の移動部材。
  62. 【請求項62】 前記粗さピーク数が40個以上である
    請求項61に記載の移動部材。
  63. 【請求項63】 前記微粒子がケイ酸化合物及びモリブ
    デン化合物から選択された少なくとも1種からなる請求
    項56に記載の移動部材。
  64. 【請求項64】 前記ケイ酸化合物微粒子が、80%以
    上の多孔度を有する請求項63に記載の移動部材。
  65. 【請求項65】 前記微粒子の平均粒径が5〜70μm
    である請求項56に記載の移動部材。
  66. 【請求項66】 前記電着塗装膜が黒色着色材によって
    遮光性を有する請求項56に記載の移動部材。
  67. 【請求項67】 前記電着塗装膜の表面光沢が2以下で
    ある請求項66に記載の移動部材。
  68. 【請求項68】 前記電着塗装膜の静摩擦係数が0.5
    以下である請求項56に記載に移動部材。
  69. 【請求項69】 撮影光学系の撮影開口部を開閉するバ
    リアを駆動させるバリア駆動手段を構成するためのバリ
    ア駆動リングにおいて、 微粒子を分散した電着塗料を用い電気泳動作用により形
    成された電着塗装膜からなる摺動性膜を有することを特
    徴とするバリア駆動リング。
  70. 【請求項70】 前記電着塗装膜が、金属基板または非
    金属基板の表面に形成されている請求項69に記載のバ
    リア駆動リング。
  71. 【請求項71】 前記電着塗装膜の表面粗さが1.7〜
    5μmである請求項69に記載のバリア駆動リング。
  72. 【請求項72】 前記電着塗装膜の表面粗さが2〜4.
    5μmである請求項69に記載のバリア駆動リング。
  73. 【請求項73】 前記電着塗装膜の表面粗さ曲線の平均
    線からの距離が2.5μm以上の粗さピーク数が30個
    以上である請求項69に記載のバリア駆動リング。
  74. 【請求項74】 前記粗さピーク数が40個以上である
    請求項73に記載のバリア駆動リング。
  75. 【請求項75】 前記微粒子がケイ酸化合物及びモリブ
    デン化合物から選択されたすくなくとも1種からなる請
    求項69に記載のバリア駆動リング。
  76. 【請求項76】 前記ケイ酸化合物微粒子が、80%以
    上の多孔度を有する請求項75に記載のバリア駆動リン
    グ。
  77. 【請求項77】 前記微粒子の平均粒径が5〜70μm
    である請求項69に記載のバリア駆動リング。
  78. 【請求項78】 前記電着塗装膜が黒色着色材によって
    遮光性を有する請求項69に記載のバリア駆動リング。
  79. 【請求項79】 前記電着塗装膜の表面光沢が2以下で
    ある請求項78に記載のバリア駆動リング。
  80. 【請求項80】 前記電着塗装膜の静摩擦係数が0.5
    以下である請求項69に記載にバリア駆動リング。
  81. 【請求項81】 撮影光学系の光軸に沿った光路を絞る
    ためにレンズ鏡筒ユニット内に組み込まれる固定絞り板
    において微粒子を分散した電着塗料を用い電気泳動作用
    により形成された電着塗装膜からなる反射防止膜または
    遮光膜を有することを特徴とする固定絞り板。
  82. 【請求項82】 前記電着塗装膜が、金属基板または非
    金属基板の表面に形成されている請求項81に記載の固
    定絞り板。
  83. 【請求項83】 前記電着塗装膜の表面粗さが1.7〜
    5μmである請求項81に記載の固定絞り板。
  84. 【請求項84】 前記電着塗装膜の表面粗さが2〜4.
    5μmである請求項1に記載の固定絞り板。
  85. 【請求項85】 前記電着塗装膜の表面粗さ曲線の平均
    線からの距離が2.5μm以上の粗さピーク数が30個
    以上である請求項81に記載の固定絞り板。
  86. 【請求項86】 前記粗さピーク数が40個以上である
    請求項85に記載の固定絞り板。
  87. 【請求項87】 前記微粒子がケイ酸化合物及びモリブ
    デン化合物から選択されたすくなくとも1種からなる請
    求項81に記載の固定絞り板。
  88. 【請求項88】 前記ケイ酸化合物微粒子が、81%以
    上の多孔度を有する請求項87に記載の固定絞り板。
  89. 【請求項89】 前記微粒子の平均粒径が5〜70μm
    である請求項81に記載の固定絞り板。
  90. 【請求項90】 前記電着塗装膜が黒色着色材によって
    遮光性を有する請求項81に記載の固定絞り板。
  91. 【請求項91】 前記電着塗装膜の表面光沢が2以下で
    ある請求項89に記載の固定絞り板。
  92. 【請求項92】 前記電着塗装膜の静摩擦係数が0.5
    以下である請求項81に記載に固定絞り板。
  93. 【請求項93】 撮影装置本体に、撮影光学系を保持す
    るレンズ鏡筒部材を該撮影光学系の光軸方向に移動可能
    に固定するための固定部材において、 微粒子を分散した電着塗料を用い電気泳動作用により形
    成された電着塗装膜か、らなる反射防止膜、遮光膜また
    は摺動性膜を有することを特徴とする固定部材。
  94. 【請求項94】 摺動嵌合部を有し、該摺動嵌合部の嵌
    合性が、前記電着塗装膜によって補正されている請求項
    93に記載の固定部材。
  95. 【請求項95】 前記電着塗装膜が、金属基板または非
    金属基板の表面に形成されている請求項94に記載の固
    定部材。
  96. 【請求項96】 前記電着塗装膜の表面粗さが1.7〜
    5μmである請求項93に記載の固定部材。
  97. 【請求項97】 前記電着塗装膜の表面粗さが2〜4.
    5μmである請求項93に記載の固定部材。
  98. 【請求項98】 前記電着塗装膜の表面粗さ曲線の平均
    線からの距離が2.5μm以上の粗さピーク数が30個
    以上である請求項93に記載の固定部材。
  99. 【請求項99】 前記粗さピーク数が40個以上である
    請求項98に記載の固定部材。
  100. 【請求項100】 前記微粒子がケイ酸化合物及びモリ
    ブデン化合物から選択されたすくなくとも1種からなる
    請求項93に記載の固定部材。
  101. 【請求項101】 前記ケイ酸化合物微粒子が、81%
    以上の多孔度を有する請求項100に記載の固定部材。
  102. 【請求項102】 前記微粒子の平均粒径が5〜70μ
    mである請求項93に記載の固定部材。
  103. 【請求項103】 前記電着塗装膜が黒色着色材によっ
    て遮光性を有する請求項93に記載の固定部材。
  104. 【請求項104】 前記電着塗装膜の表面光沢が2以下
    である請求項103に記載の固定部材。
  105. 【請求項105】 前記電着塗装膜の静摩擦係数が0.
    5以下である請求項93に記載に固定部材。
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