JP2011528387A - 両親媒性ブロックコポリマーに基づく反応生成物及び耐衝撃性改良剤としてのそれらの使用 - Google Patents

両親媒性ブロックコポリマーに基づく反応生成物及び耐衝撃性改良剤としてのそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、両親媒性ブロックコポリマーの反応によって得られる新規な耐衝撃性改良剤に関する。これらの耐衝撃性改良剤は、熱硬化性エポキシ樹脂組成物に用いるために特に適している。

Description

本発明は、耐衝撃性改良剤の分野及び熱硬化性エポキシ樹脂組成物の分野に関する。
耐衝撃性改良剤は、突然の力の影響の下での接着剤の強度を向上させるためにかなり長い間用いられてきている。エポキシ樹脂組成物は特に一般に高い機械強度を有するが、それらは非常に脆く、すなわち、例えば車両の衝突において生じる力などの突然の力の影響の下では、硬化したエポキシ樹脂は破壊され、接着の破壊をもたらす。
これまでに、耐衝撃性改良剤の使用によって衝撃強度を高めるための提案がされている。
液状ゴムは衝撃改良のためにかなりの間用いられてきている。例えば、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマーに基づく液状ゴムが用いられてきており、例えば、Hypro(登録商標)(以前のHycar(登録商標))の名称で入手できるものなどである。
欧州特許出願公開第0338985A2号公報は耐衝撃性エポキシ樹脂組成物を記載しており、これはアクリロニトリル/ブタジエンコポリマーに基づく液状ゴムに加えて、フェノール又はラクタムを末端に有するポリウレタンプレポリマーに基づく液状ゴムを含んでいる。
国際公開WO2005/007766A1パンフレットは、イソシアネート基を末端に有するプレポリマーと、ビスフェノール、フェノール、ベンジルアルコール、アミノフェノール、及びベンジルアミンを含む群から選択されるブロック化剤との反応生成物を含むエポキシ樹脂組成物を開示している。しかし、そのようなエポキシ樹脂組成物は、低温衝撃強度(<0℃)に関する弱さを示している。
国際公開WO03/093387A1パンフレットは、ジカルボン酸とグリシジルエーテルとの付加生成物又はビス(アミノフェニル)スルホン異性体もしくは芳香族アルコールとグリシジルエーテルとの付加生成物を含む耐衝撃性エポキシ樹脂組成物を開示している。しかし、これらの組成物は同じように低温衝撃強度(<0℃)に関する欠点をもっている。
エポキシ樹脂組成物のための両親媒性ブロックコポリマーの使用は、例えば、国際公開WO2006/052725A1パンフレット、国際公開WO2006/052726A1パンフレット、国際公開WO2006/052727A1パンフレット、国際公開WO2006/052728A1パンフレット、国際公開WO2006/052729A1パンフレット、国際公開WO2006/052730A1パンフレット、及び国際公開WO2005/097893A1パンフレットに最近提案されている。
しかし、これらの耐衝撃性改良剤は一定の効果を有するものの、衝撃強度の増大は不十分であり、特に低温衝撃強度に関して不十分であることが示されている。
欧州特許出願公開第0338985号明細書 国際公開第2005/007766号 国際公開第03/093387号 国際公開第2006/052725号 国際公開第2006/052726号 国際公開第2006/052727号 国際公開第2006/052728号 国際公開第2006/052729号 国際公開第2006/052730号 国際公開第2005/097893号
Macromolecules 1996, 29, 6994-7002、及びMacromolecules 2000, 33, 9522-9534 J. Polym. Sci. Part B: Polym. Phys. 2007, 45, 3338-3348
本発明の目的は、したがって、衝撃強度、特に低温における衝撃強度を向上させる新規な耐衝撃性改良剤を提供することである。
驚くべきことに、この目的は請求項1〜6に従う耐衝撃性改良剤を用いることによって達成されうることを発見した。
これらの耐衝撃性改良剤は、熱硬化性エポキシ樹脂接着剤に用いるのに最も適していることを発見した。特に、本発明による様々な耐衝撃性改良剤の互いの組み合わせ、及び/又は別の耐衝撃性改良剤との組み合わせが特に有利であることが示されている。これらの耐衝撃性改良剤を用いることの結果として、硬化したマトリクスのガラス転移温度(T)に殆ど又は全く悪影響がないことが示されている。エポキシ樹脂を用いて、100℃より、時々は130℃より高いガラス転移温度が達成できる。さらに、より高い引張強度及び引張剪断強度を有する組成物を得ることができることが示されている。
本発明のさらなる側面は、さらなる従属請求項の主題である。特に好ましい態様は従属請求項の主題である。
〔本発明を実施するためのアプローチ〕
第一の側面では、本発明はカルボン酸基(1つ又は複数)を含む耐衝撃性改良剤に関し、これはジ−又はトリカルボン酸の分子内無水物と、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む少なくとも1種の両親媒性ブロックコポリマーとの反応によって調製される。
この耐衝撃性改良剤は1つ又は複数のカルボン酸基を含むことができる。
本掲載書全体において、「ポリエポキシド」、「ポリオール」、及び「ポリフェノール」における接頭語「ポリ」への言及は、式的にそれぞれの官能基を2以上含む分子をいう。
本明細書において、「エポキシド基」又は「エポキシ基」は、下記構造要素:
Figure 2011528387
をいう。グリシジル基は好ましいエポキシ基である。
本明細書において、「耐衝撃性改良剤」とは、プラスチックマトリクス、特にエポキシ樹脂マトリクスへの添加剤であって、これは少ない添加量、特に0.1〜35質量%、好ましくは0.5〜15質量%でさえ、硬化したマトリクスの靭性に明確な増大をもたらし、したがって、そのマトリクスが破断もしくは破壊する前にかなり大きな曲げ、引張、衝撃、又は衝突応力を吸収しうるものを意味すると理解される。
本明細書中、「両親媒性ブロックコポリマー」とは、エポキシ樹脂と混和性であるすくなくとも1つのブロックセグメントと、エポキシ樹脂とは非混和性である少なくとも1つのブロックセグメントとを含むコポリマーを意味すると理解される。両親媒性ブロックコポリマーは特に国際公開WO2006/052725A1パンフレット、国際公開WO2006/052726A1パンフレット、国際公開WO2006/052727A1パンフレット、国際公開WO2006/052728A1パンフレット、国際公開WO2006/052729A1パンフレット、国際公開WO2006/052730A1パンフレット、及び国際公開WO2005/097893A1パンフレットに開示されたものであり、これらの内容を参照により本明細書に援用する。
エポキシ樹脂に混和性であるブロックセグメントの例には、特に、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)、及びポリ(エチレンオキシド−ran−プロピレンオキシド)ブロック、並びにそれらの混合ブロックが含まれる。
一方、エポキシ樹脂に非混和性のブロックセグメントの例には、特に、少なくとも4つの炭素原子を含むアルキレンオキシド(好ましくは、ブチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、及び/又はドデシレンオキシド)から調製されたポリエーテルブロックが含まれる。ポリブチレンオキシド、ポリヘキシレンオキシド、及びポリドデシレンオキシドブロック、並びにそれらの混合ブロックは、そのようなポリエーテルブロックとして特に好ましい。
他方、エポキシ樹脂に非混和性のブロックセグメントの例には、特に、ポリエチレン、ポリエチレン−プロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリジメチルシロキサン、及びポリアルキルメタクリレートブロック、及びそれらの混合ブロックが含まれる。
一つの態様では、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む両親媒性ブロックコポリマーは、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと、少なくとも4つの炭素原子を含む少なくとも1種のさらなるアルキレンオキシド(好ましくは、ブチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、及びドデシレンオキシドを含む群からのもの)とのブロックコポリマーである。
別の好ましい態様では、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む両親媒性ブロックコポリマーは、ポリ(イソプレン−block−エチレンオキシド)ブロックコポリマー〔PI−b−PEO〕、ポリ(エチレン−プロピレン−b−エチレンオキシド)ブロックコポリマー〔PEP−b−PEO〕、ポリ(ブタジエン−b−エチレンオキシド)ブロックコポリマー〔PB−b−PEO〕、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド−b−イソプレン)ブロックコポリマー〔PI−b−PEO−PI〕、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド−メチルメタクリレート)ブロックコポリマー〔PI−b−PEO−b−PMMA〕、及びポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(エチレン−alt−プロピレン)ブロックコポリマー〔PEO−PEP〕を含む群から選択される。
両親媒性ブロックコポリマーは、特に、ジブロック、トリブロック、又はテトラブロック形態で存在することができる。多ブロック、すなわち、特にトリ−又はテトラブロックについては、それらは線状又は分岐状の、特にスターブロックの形態で存在していてもよい。
この両親媒性ブロックコポリマーの調製は当分野においては、例えば、Macromolecules 1996, 29, 6994-7002、及びMacromolecules 2000, 33, 9522-9534、及びJ. Polym. Sci. Part B: Polym. Phys. 2007, 45, 3338-3348(これらの開示を参照により本明細書に援用する)から、当業者には公知である。この両親媒性ブロックコポリマーは少なくとも1つのヒドロキシル基を含む。両親媒性ブロックコポリマーは、その調製法に応じて1つ以上のヒドロキシル基を含むことができる。
例えば、アルキレンオキシドの重合を、メタノールを用いて開始し、酸を用いて停止させる場合には、これは一つのヒドロキシル基を含む両親媒性ブロックコポリマーをもたらす。
他方、ジオール、例えば、エチレングリコールを用いて重合を開始する場合は、2つのヒドロキシル基を含む両親媒性ブロックコポリマーがそれに対応して得られる。
開始剤として3、4、又はそれより多いヒドロキシル基を含むアルコールの使用は、3、4、又はそれより多いヒドロキシル基を含む両親媒性ブロックコポリマーをもたらす。
この調製は、例えば、第一のモノマー、例えばブチレンオキシドを開始剤の助けを借りて最初に重合し、次に第二のモノマー、例えばエチレンオキシドを添加してこれが第一のモノマーから得られるポリマーの末端に重合される逐次合成法によって行なうことができる。したがって、例えば、開始剤としてモノオールを用いて、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(ブチレンオキシド)(PEO−PBO)両親媒性ジブロックコポリマーが調製できる。ジオールの使用は、例えば、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(ブチレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)(PEO−PBO−PEO)両親媒性トリブロックコポリマーをもたらす。しかし、第一のモノマー、例えばブチレンオキシドを開始剤の助けをかりて最初に重合し、次に2種以上のモノマー、例えばエチレンオキシドとブチレンオキシドの混合物を添加すると、これは第一のモノマーから得られるポリマーの末端に重合する。したがって、例えば、ポリ(エチレンオキシド/ブチレンオキシド)−ポリ(ブチレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド/ブチレンオキシド)(PEO/BO−PBO−PEO/BO)両親媒性ブロックコポリマーが調製できる。
カルボン酸基(1つ又は複数)を含む耐衝撃性改良剤は、すくなくとも1つのヒドロキシル基を含む少なくとも1種の両親媒性ブロックコポリマーと、ジ−又はトリカルボン酸の分子内無水物との反応によって調製される。
ジ−又はトリカルボン酸の分子内無水物は、典型的には、対応するジ−又はトリカルボン酸から、閉環を伴う脱水によって形成されうる。このようにして、無水物基が分子内で形成される。ジ−又はトリカルボン酸のそのような分子内無水物は、その無水物基が環の一部であることを特徴とする。
特に好適なジ−又はトリカルボン酸の分子内無水物は、特に、マレイン酸無水物、2−メチルマレイン酸無水物、2,2−ジメチルマレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、マロン酸無水物、2−メチルマロン酸無水物、2,2−ジメチルマロン酸無水物、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、アジピン酸無水物、ピメリン酸無水物、イタコン酸無水物、ジグリコール酸無水物、(2−ドデセン−1−イル)コハク酸無水物、メチルノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(メチルナジック酸無水物)、フタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ホモフタル酸無水物、及びトリメリット酸無水物を含む群から選択されるものである。
ジ−又はトリカルボン酸の分子内無水物が好ましく、そこではその無水物形成のための閉環において5又は6員環が形成される。ジ−又はトリカルボン酸の好ましい無水物は、したがって、以下の構造を有する。
Figure 2011528387
置換基Q、Q、Q、Q1’、Q2’、Q3’、Q、Q、Q4’、及びQ5’は、それぞれ、H又は一官能有機基を表すか、又は一緒になって二官能もしくは三官能有機基を形成する。
少なくとも1つのヒドロキシル基を含む両親媒性ブロックコポリマーと、ジ−又はトリカルボン酸の分子内無水物との反応のためには、ジ−又はトリカルボン酸の分子内無水物とすくなくとも1つのヒドロキシル基を含む両親媒性ブロックコポリマーとは、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む両親媒性ブロックコポリマーのヒドロキシル基に対するジ−又はトリカルボン酸の無水物基の比が少なくとも1となるように互いに対する割合で用いられることが好ましい。
この反応では、両親媒性ブロックコポリマーのヒドロキシル基(1つ又は複数)がジ−又はトリカルボン酸の無水物の無水物基と反応して、エステル基(1つ又は複数)及びカルボン酸基(1つ又は複数)を形成する。
より明りょうのために、カルボン酸基を含む耐衝撃性改良剤の一例の調製を、以下の例によって図式的に示す。
Figure 2011528387
これについては、Zは2つのヒドロキシル基を含む両親媒性ブロックコポリマーからその2つのヒドロキシル基を取り除いた後の基を表し、Zは酸無水物からその無水物基を取り除いた後の基を表す。この場合には、式(i)のヒドロキシル基をもつ両親媒性ブロックコポリマーと式(ii)の分子内カルボン酸無水物との反応は、例えば、カルボン酸基を含む式(iii)の耐衝撃性改良剤をもたらす。
この反応は、高収率かつ温和な条件下で進行する。それらの条件及び反応の制御は当業者に基本的に知られている。
カルボン酸基(1つ又は複数)を含む耐衝撃性改良剤は、室温において、典型的には液状であるか又は少なくとも流動可能である。
カルボン酸基(1つ又は複数)を含む上記の耐衝撃性改良剤は、多くのやり方で用いることができる。それらはプラスチックマトリクス、特にエポキシ樹脂マトリクスに添加したときに、硬化したマトリクスの靭性の顕著な増大をもたらすので、それらはそれら自身で耐衝撃性改良剤として適している。しかし、それらはまた、誘導体を合成するための出発物としても用いることができる。
このタイプの特に好適な誘導体は、この耐衝撃性改良剤とポリエポキシドとの反応生成物である。
したがって、上述したカルボン酸(1つ又は複数)を含むそのような耐衝撃性改良剤と、少なくとも1種のポリエポキシドとの反応で調製される耐衝撃性改良剤は、本発明のさらなる側面を示す。
このポリエポキシドは、ジエポキシド、特にジグリシジルエーテルを表すことが好ましい。
一方、いわゆるエポキシ反応性希釈剤は、ポリエポキシドとして特に適している。反応性希釈剤Gとして以下に詳細に述べるポリエポキシドは、そのような反応性希釈剤として特に適している。
一方で、エポキシ樹脂Aとして以下に詳細に述べるポリエポキシドは、ポリエポキシドとして特に適している。
このポリエポキシドは、ビスフェノールのジグリシジルエーテルであることが特に好ましい。ポリエポキシドは、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルであることが最も好ましい。
一つの態様では、その反応のためのカルボン酸基(1つ又は複数)を含む耐衝撃性改良剤とポリエポキシドとを、ポリエポキシドのエポキシ基に対する、カルボン酸基(1つ又は複数)を含む耐衝撃性改良剤のそのカルボン酸基の比が1より大きくなるような互いに対する比で一緒に用いられる。
この場合には、カルボン酸基を含む耐衝撃性改良剤が得られる。
より明りょうのために、先に述べた例をもう一度参照する。カルボン酸基を含む式(iii)の耐衝撃性改良剤の反応からは、例えば、カルボン酸基を含む式(v)の耐衝撃性改良剤に関しては、例えば、式(iv)の過剰なポリエポキシドを反応させる。
Figure 2011528387
これについては、Zはジエポキシドからその2つのエポキシ基を除いた後の基を表す。
別の特に好ましい態様では、その反応のためのカルボン酸基(1つ又は複数)を含む耐衝撃性改良剤とポリエポキシドは、ポリエポキシドのエポキシ基に対する、カルボン酸基(1つ又は複数)を含む耐衝撃性改良剤のカルボン酸基の比が1未満となるような互いに対する割合で一緒に用いられる。
この場合、エポキシ基を含む耐衝撃性改良剤が得られる。
より明りょうのために、ここでも先に述べた例を再び参照する。カルボン酸基を含む式(iii)の耐衝撃性改良剤の反応からは、例えば、エポキシ基を含む式(vi)の耐衝撃性改良剤に関しては、例えば、式(iv)の過剰なポリエポキシドを反応させる。
Figure 2011528387
両方の態様において、ポリエポキシド基はカルボン酸基と反応する。当業者はそのような反応のための条件、特に温度及び触媒に非常に精通している。
このようにして調製された、カルボン酸基を含む耐衝撃性改良剤又はエポキシ基を含む耐衝撃性改良剤は、室温で、典型的には液状であるか又は少なくとも流動可能である。
このようにして調製された、カルボン酸基を含む耐衝撃性改良剤又はエポキシ基を含む耐衝撃性改良剤は、次に、さらなる反応、特にポリエポキシド、ポリアミン、又はポリイソシアネートとのさらなる反応のための出発物として用いてもよい。
カルボン酸基(1つ又は複数)を含むか又はエポキシ基を含む既述した耐衝撃性改良剤は、プラスチックマトリクス、特に、エポキシ樹脂マトリクスに添加したときに、硬化したマトリクスの靭性の明確な増大をもたらし、したがって耐衝撃性改良剤として最も適している。
これらの耐衝撃性改良剤は、特に、一成分形又は二成分形の接着剤、シーラント、コーティング剤、及び被覆剤、特に床仕上げ材の構成成分となることができる。そのようなシステムは好ましくはエポキシ樹脂組成物に代表される。
さらなる側面では、本発明は以下のもの:
- 一分子当たり平均して1つより多いエポキシ基を含む少なくとも1種のエポキシ樹脂A;
- 昇温により活性化される、エポキシ樹脂用の少なくとも1種の硬化剤B;
- 少なくとも1種の、先に記載した耐衝撃性改良剤、
を含む一成分形の熱硬化性エポキシ樹脂組成物に関する。
一分子当たり平均で1より多いエポキシ基を含むエポキシ樹脂Aは、好ましくは、エポキシ液状樹脂又はエポキシ固体樹脂である。「エポキシ固体樹脂」の用語は、エポキシの分野で専門知識をもつ人には周知であり、「エポキシ液状樹脂」の用語と対比して用いられる。固体樹脂のガラス転移温度は室温より高く、すなわち、固体樹脂は室温で粉砕されて、自由に流動可能な粉末を形成しうる。
好ましいエポキシ固体樹脂は下記式(X)を有する。
Figure 2011528387
これに関し、置換基R’及びR’’は独立にH又はCHのいずれかを表す。加えて、添え字sは1.5より大きな値、特に2〜12を表す。
そのようなエポキシ固体樹脂は、例えば、Dow社、Huntsman社、又はHexion社から市販されている。
1〜1.5の値の添え字sを有する式(X)の化合物は、当業者には半固体エポキシ樹脂といわれている。それらは、本発明のためには固体樹脂とも考えられる。しかし、狭い意味でのエポキシ樹脂、すなわち、添え字sが1.5より大きな値を有するものが好ましい。
好ましいエポキシ液状樹脂は下記式(XI)を有する。
Figure 2011528387
これについては、添え字R’’’及びR’’’’は独立に、H又はCHのいずれかを表す。加えて、添え字rは0〜1の値を表す。rは0.2未満の値を表すことが好ましい。
ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(DGEBA)、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、及びビスフェノールA/Fのジグリシジルエーテルが好ましい。そのような液状樹脂は、例えば、Araldite(登録商標)GY250、Araldite(登録商標)PY304、又はAraldite(登録商標)GY282(Huntsman社)として、D.E.R.(登録商標)331、D.E.R.(登録商標)330(Dow社)として、又はEpikote828(Hexion社)として入手できる。
また、エポキシ樹脂Aとして適しているのはいわゆるノボラックであり、これは特に以下の式を有する:
Figure 2011528387
式中、R2=
Figure 2011528387
又はCHであり、
R1=H又はメチルであり、Z=0〜7である。
これらは特に、フェノールノボラック又はクレゾールノボラック(R2=CH)である。
そのようなエポキシ樹脂は、Huntsman社からEPN、ECN、及びTactix(登録商標)556の商標名で、あるいはDow Chemical社から製品系列D.E.N(登録商標)として市販されている。
エポキシ樹脂Aは、好ましくは式(XI)のエポキシ液状樹脂によって代表される。なおさらに好ましい態様では、この熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、式(XI)の少なくとも1種のエポキシ液状樹脂と式(X)の少なくとも1種のエポキシ固体樹脂とを含む。
エポキシ樹脂Aの割合は、組成物の質量に対して10〜85質量%、特に15〜70質量%、好ましくは15〜60質量%である。
本発明に従う複数の耐衝撃性改良剤を組み合わせて用いた場合に有利であることが示されている。
上述した耐衝撃性改良剤の割合は、組成物の質量に対して好ましくは1〜45質量%、特に3〜35質量%である。
本発明の組成物はエポキシ樹脂のための少なくとも1種の硬化剤Bをも含み、これは昇温して活性化される。これは、ジシアンジアミド、グアナミン、グアニジン、アミノグアニジン、及びそれらの誘導体を含む群から選択される硬化剤であることが好ましい。促進作用をもつ硬化剤もまた可能であり、例えば、置換尿素、例えば、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素(クロロトルロン)、又はフェニルジメチル尿素類、特に、p−クロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(モヌロン)、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素(フェヌロン)、又は3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(ジウロン)、N,N−ジメチル尿素、N−イソブチル−N’,N’−ジメチル尿素、及びジイソシアネートとジアルキルアミンとの付加生成物である。ジイソシアネートとジアルキルアミンとのそのような付加生成物の例は、1,1’−(ヘキサン−1,6−ジイル)ビス(3,3’−ジメチル尿素)(これはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)とジメチルアミンとを反応させることによって容易に得られる)、又はジメチルアミンへのイソホロンジイソシアネート(IPDI)の付加によって生じる類似の尿素化合物である。イミダゾール類、イミダゾリン類、及びアミン錯体の群の化合物も用いることができる。
硬化剤Bは、ジシアンジアミド、グアナミン、グアニジン、アミノグアニジン、及びそれらの誘導体;置換尿素、特に3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素(クロロトルロン)、又はフェニルジメチル尿素類、特に、p−クロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(モヌロン)、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素(フェヌロン)、3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(ジウロン)、N,N−ジメチル尿素、N−イソブチル−N’,N’−ジメチル尿素、1,1’−(ヘキサン−1,6−ジイル)ビス(3,3’−ジメチル尿素)、及びイミダゾール類、イミダゾール塩類、イミダゾリン類、及びアミン錯体、を含む群から選択された硬化剤であることが好ましい。
ジシアンジアミドが、硬化剤Bとして特に好ましい。
硬化剤Bの合計割合は、全組成物の質量に対して1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%である。
この熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、尿素誘導体に基づくチキソ性付与剤Cを含むこともできる。この尿素誘導体は、特に、芳香族ジイソシアネートモノマーと脂肪族アミン化合物との反応生成物である。いくつかの異なるジイソシアネートモノマーを1種以上の脂肪族アミン化合物と反応させること、又はジイソシアネートモノマーを複数の脂肪族アミン化合物と反応させることもできる。4,4’−ジフェニルメチレンジイソシアネート(MDI)とブチルアミンとの反応生成物は、特に有利であることが立証されている。
この尿素誘導体は担体物質中に存在することが好ましい。担体物質は柔軟化剤、特にフタレート又はアジペート、好ましくは、ジイソデシルフタレート(DIDP)又はジオクチルアジペート(DOA)であることができる。この担体剤は非拡散性担体剤であることもできる。これは、硬化後の未反応成分の最小の移行を確実にするために好ましい。ブロックポリウレタンプレポリマーが非拡散性担体剤として好ましい。
そのような好ましい尿素誘導体及び担体物質の調製は、欧州特許出願EP1152019A1明細書に詳細に記載されており、その内容を参照により本明細書に援用する。担体物質は、ブロックポリウレタンプレポリマー、特に三官能ポリエーテルポリオールとIPDIを反応させ、次にε−カプロラクタムを用いて末端位置のイソシアネート基のブロック化によって得られるブロックポリウレタンプレポリマーであることが有利である。
チキソ性付与剤Cの合計の割合は、全組成物の質量に対して0〜40質量%、好ましくは5〜25質量%である。尿素誘導体の質量の合計と、任意選択で存在してもよい担体剤との質量の比は2/98〜50/50、特に5/95〜25/75であることが好ましい。
上記の熱硬化性一成分形エポキシ樹脂組成物が先に記載した耐衝撃性改良剤に加えて少なくとも1種のさらなる耐衝撃性改良剤Dをも含む場合が特に有利であることも示されている。
この追加の耐衝撃性改良剤Dは固体又は液状であることができる。
一つの態様では、耐衝撃性改良剤Dは液状ゴムD1であり、これはカルボキシル-又はエポキシ-末端のアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー又はその誘導体である。そのような液状ゴムは、例えば、Nanoresins AG、ドイツ国から、又はEmerald Performance Materials LLCから、Hypro(登録商標)(以前のHycar(登録商標))CTBN、CTBNX、及びETBNの名称で、市販されている。Struktol(Schill+Seilacher Groups(ドイツ国))から製品系列Polydis(登録商標)、好ましくは製品系列Polydis(登録商標)36として、又は製品系列Albipox(Nanoresins(ドイツ国))として上市されているような、特にエポキシ基を含むエラストマー変性プレポリマーが、誘導体として適している。
別の態様では、耐衝撃性改良剤Dは、液状エポキシ樹脂と完全に混和性であり、且つエポキシ樹脂マトリクスが硬化するまで、分離して微小液滴を形成することがないポリアクリレート液状ゴムD2である。そのようなポリアクリレート液状ゴムは、例えば、Rohm and Haas社から商品名20208−XPAで入手できる。
当業者には、液状ゴムの混合物ももちろん用いることができることは明らかであり、それは特にカルボキシル-又はエポキシ-末端のアクリロニトリル/ブタジエンコポリマーあるいはその誘導体と、エポキシ末端ポリウレタンプレポリマーとの混合物である。
別の態様では、耐衝撃性改良剤Dは固体耐衝撃性改良剤であって、これは有機イオン交換した層状鉱物DE1である。
イオン交換した層状鉱物DE1は、カチオン交換した層状鉱物DE1c又はアニオン交換した層状鉱物DE1aのいずれかであってよい。
カチオン交換した層状鉱物DE1cは層状鉱物DE1’から得られ、そこではそのカチオンの少なくとも一部が有機カチオンで交換されている。そのようなカチオン交換された層状鉱物DE1cの例は、特に、米国特許第5,707,439号明細書又は同6,197,849号明細書において言及されたものである。この引用した文献は、これらのカチオン交換された層状鉱物DE1cを製造する方法も記載している。層状ケイ酸塩が層状鉱物DE1’として好ましい。層状鉱物DE1’は、米国特許第6,197,849号明細書第2欄38行から第3欄5行に記載されているように、特にフィロケイ酸塩、特にベントナイトであることが好ましい。カオリナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、又はイライトなどの層状鉱物DE1’が特に好適であることが示されている。
層状鉱物DE1’中のカチオンの少なくとも一部が有機カチオンによって置き換えられる。そのようなカチオンの例には、n−オクチルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、ジメチルドデシルアンモニウム、又はビス(ヒドロキシエチル)オクタデシルアンモニウム、又は中性油脂から得られるアミンの類似する誘導体;あるいは、グアニジウムカチオン類又はアミジニウムカチオン類;あるいは、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、又はチオモルホリンのN−置換誘導体のカチオン類;あるいは、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)及び1−アザビシクロ[2.2.2]オクタンのカチオン類;あるいは、ピリジン、ピロール、イミダゾール、オキサゾール、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、ピラジン、インドール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、チアゾール、フェナジン、及び2,2’−ビピリジンのN−置換誘導体のカチオン類、が含まれる。同様に好適なのは、環状アミジニウムカチオン類、特に、米国特許第6,197,849号明細書の第3欄6行〜第4欄67行に開示されているものである。直鎖状のアンモニウム化合物と比較して、環状のアンモニウム化合物は増大した熱安定性によって特徴付けられ、それはそれらが熱ホフマン分解反応を受けないからである。
好ましいカチオン交換された層状鉱物DE1cは、「有機クレー」又は「ナノクレー」の用語で当業者に公知であり、例えば、Tixogel(登録商標)又はNanofil(登録商標)(Suedchemie社)、Cloisite(登録商標)(Southern Clay Products社)、Nanomer(登録商標)(Nanocor Inc.)、又はGarmite(登録商標)(Rockwood社)のグループ名で市販されている。
アニオン交換された層状鉱物DE1aは層状鉱物DE1’’から得られ、そこではそのアニオンの少なくとも一部が有機アニオンで交換されている。そのようなアニオン交換された層状鉱物DE1aの一例は、中間層の炭酸アニオンの少なくとも一部が有機アニオンで交換されたハイドロタルサイトDE1’’である。
上記組成物が、カチオン交換された層状鉱物DE1cとアニオン交換された層状鉱物DE1aの両方を含むことも可能である。
別の態様では、耐衝撃性改良剤Dは、ブロックコポリマーDE2である固体耐衝撃性改良剤である。ブロックコポリマーDE2は、メタクリレートとオレフィン二重結合をもつ少なくとも1種のさらなるモノマーとのアニオン重合又は制御したラジカル重合によって得られる。オレフィン二重結合を有するモノマーとして特に好ましいのは、その二重結合がヘテロ原子と又は少なくとも1つのさらなる二重結合と直接共役しているモノマーである。特に適しているのは、スチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、及び酢酸ビニルを含む群から選択されるモノマー類である。アクリレート/スチレン/アクリロニトリルコポリマー(ASA)、たとえば、GE Plastics社からGELOY1020の名称で入手可能なものが好ましい。
特に好ましいブロックコポリマーDE2は、メチルメタクリレート、スチレン、及びブタジエンのブロックコポリマーである。そのようなブロックコポリマーは、例えば、Arkema社からSBMのグループ名のトリブロックコポリマーとして入手できる。
別の態様では、耐衝撃性改良剤DはコアシェルポリマーDE3である。コアシェルポリマーは、弾性なコアポリマーと剛性なシェルポリマーとから構成される。特に適したコア−シェルポリマーは、柔軟性のない熱可塑性ポリマーの剛性なシェルが囲む弾性なアクリレート又はブタジエンポリマーのコアから構成される。このコア−シェル構造は、ブロックコポリマーの分離の結果として自発的に、あるいは順次グラフトすることを伴うラテックス又は懸濁重合として重合制御することによって規定される。好ましいコア−シェルポリマーはいわゆるMBSポリマーであり、これはAtofina社からClearstrength(登録商標)、Rohm and Haas社からParaloid(登録商標)、Zeon社からF−351(登録商標)の商品名で市販されている。
乾燥されたポリマーラテックスとしてすでに存在するコア−シェルポリマー粒子が特に好ましい。そのような例には、Wacker社のGENIOPERL M23A(ポリシロキサンコアとアクリレートシェルを有する)、Eliokem社によって生産されているNEPシリーズの放射線架橋ゴム粒子、Lanxess社のNanoprene、又はRohm and Haas社のParaloid EXLが含まれる。
コアシェルポリマーのさらなる匹敵する例は、Nanoresins AG(ドイツ国)のAlbidur(登録商標)の名称で市販されている。
エポキシマトリクス中のナノスケールシリケート(Nanoresins AG(ドイツ国))からNanopoxの商品名で上市されている)も適している。
別の態様では、耐衝撃性改良剤Dは、カルボキシル化された固体ニトリルゴムと過剰のエポキシ樹脂との反応の生成物DE4である。
別の態様では、靭性向上剤Dは、下記式(IV)のブロック化ポリウレタンポリマーである。
Figure 2011528387
これに関し、m+m’が1〜8の値を表すことを条件に、m及びm’はそれぞれ、0〜8の値を表す。
mは0ではないことが好ましい。
さらに、Yは、m+m’のイソシアネート基を末端に有する線状又は分岐したポリウレタンポリマーPU1から、全ての末端位置のイソシアネート基を除去した後の基を表す。
は独立に、100℃より高い温度で開裂するブロック化基を表す。
は独立に下記式(IV’)の基を表す。
Figure 2011528387
これに関して、Rは、一級又は二級ヒドロキシル基を有する、脂肪族、脂環式、芳香族、又は芳香脂肪族のエポキシから、そのヒドロキシ及びエポキシ基を取り除いた後の基を表し、pは1、2、又は3の値を表す。
本明細書中で、「芳香脂肪族基(araliphatic radical)」とはアラルキル基、すなわち、アリール基で置換されているアルキル基をいう(Roempp、CD Roempp‘s Chemical Lexicon、Version 1、Stuttgart/New York、Georg Thieme Verlag 1995)。
特に、Yは独立に以下のものを含む群から選択された置換基を表す。
Figure 2011528387
これに関して、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、又はアリールアルキル基を表すか、あるいはRはRと一緒に、又はRはRと一緒に、4〜7員環の一部を形成し、これは任意選択で場合によっては置換されていてもよい。
加えて、R、R9’、及びR10はそれぞれ独立に、アルキル、アラルキル、又はアリールアルキル基、あるいはアルキルオキシ、アリールオキシ、又はアラルキルオキシ基を表し、R11はアルキル基を表す。
12、R13、及びR14はそれぞれ独立に、2〜5個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、任意選択で場合によっては二重結合を有していてもよく又は置換されていてもよく、あるいは、フェニレン基又は水素化フェニレン基を表し、R15、R16、及びR17はそれぞれ独立に、H、又はアルキル、アリール、もしくはアラルキル基を表す。
最後に、R18は、アラルキル基、又は任意選択により場合によっては芳香族ヒドロキシル基を有していてもよい単核もしくは多核の置換もしくは非置換の芳香族基を表す。
本明細書中の式中の破線はそれぞれの場合に、その特定の置換基とそれに結合した分子部分との間の結合を表す。
一方、R18は特にフェノール類又はビスフェノール類から一つのヒドロキシル基を取り除いた後の基を表す。そのようなフェノール類及びビスフェノール類の好ましい例は、特に、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、ピロカテコール、カルダノール(3−ペンタデセニルフェノール(カシューナッツ油から))、ノニルフェノール、スチレン又はジシクロペンタジエンと反応させたフェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、及び2,2’−ジアリルビスフェノールAである。
一方、R18は、特に、ヒドロキシベンジルアルコール及びベンジルアルコールから一つのヒドロキシル基を取り除いた後の基を表す。
、R、R、R、R、R9’、R10、R11、R15、R16、又はR17がアルキル基を表す場合は、この基は特に直鎖状又は分岐したC〜C20アルキル基である。
、R、R、R、R、R9’、R10、R15、R16、R17、又はR18がアラルキル基を表す場合は、この基は特にメチレンを介して結合した芳香族基、特にベンジル基である。
、R、R、R、R、R9’、又はR10がアルキルアリール基を表す場合は、この基は特にフェニレンを介して結合したC〜C20アルキル基、例えば、トリル又はキシリルである。
特に好ましいY基は以下の群から選択される基である。
Figure 2011528387
これに関し、Y基は、1〜20の炭素原子、特に1〜15の炭素原子を含む飽和又はオレフィン性不飽和の炭化水素基を表す。アリル、メチル、ノニル、ドデシル、又は1〜3の二重結合を含む不飽和C15アルキル基が、特にYとして好ましい。
X基は、H、又はアルキル、アリール、もしくはアラルキル基、特に、H又はメチルを表す。
添え字z’及びz’’は、0、1、2、3、4、又は5の値を表し、但しz’+z’’の合計が1〜5の値を表すことを条件とする。
式(IV)のブロックポリウレタンポリマーは、イソシアネート基を末端に有する線状又は分岐したポリウレタンポリマーPU1を、イソシアネート反応性化合物YH及び/又はYHの一種以上と反応させることによって調製される。そのようなイソシアネートと反応性の化合物1種以上を用いる場合は、その反応は順次又はこれらの化合物の混合物を用いて行うことができる。
この反応は、1種以上のイソシアネート反応性化合物YH及び/又はYHが化学量論量又は化学量論的過剰量で用いられ、全てのNCO基が反応することを確実にするように行われる。
イソシアネート反応性化合物YHは、下記式(IVa)のモノヒドロキシルエポキシ化合物である。
Figure 2011528387
1種より多くのそのようなモノヒドロキシルエポキシ化合物を用いた場合は、反応は順次又はこれらの化合物の混合物を用いて行うことができる。
式(IVa)のモノヒドロキシルエポキシ化合物は、1、2、又は3のエポキシ基を有する。このモノヒドロキシルエポキシ化合物(IVa)のヒドロキシル基は、一級又は二級ヒドロキシル基を表すことができる。
そのようなモノヒドロキシルエポキシ化合物は、例えば、フェノール類をエピクロルヒドリンと反応させることによって調製することができる。反応の制御に応じて、相当するモノヒドロキシルエポキシ化合物はまた、多官能アルコールとエピクロルヒドリンとの反応において、副生成物として様々な濃度で形成される。これらの副生成物は、慣用の分離操作を使用して分離してもよい。しかし、ポリオールのグリシジル化反応において得られる、完全に又は部分的に反応してグリシジルエーテルを形成しているポリオールからなる生成物混合物を用いても通常は満足できる。そのようなヒドロキシル含有エポキシドの例は、ブタンジオールモノグリシジルエーテル(ブタンジオールジグリシジルエーテル中に存在する)、ヘキサンジオールモノグリシジルエーテル(ヘキサンジオールジグリシジルエーテル中に存在する)、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル中に混合物として存在する)、グリセリンジグリシジルエーテル(グリセリントリグリシジルエーテル中に混合物として存在する)、及び、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル(ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル中に混合物として存在する)である。トリメチロールプロパンジグリシジルエーテルが好ましく用いられ、これは通常に製造されたトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル中に比較的高い割合で存在している。
しかしながら、その他の類似のヒドロキシル含有エポキシド、特にグリシドール、3−グリシジルオキシベンジルアルコール、又はヒドロキシメチルシクロヘキセンオキシドも用いることができる。同様に好ましいものは、式(IVb)のβ−ヒドロキシエーテル(これはビスフェノールA(R=CH)とエピクロルヒドリンから製造される市販されている液状エポキシ樹脂中に15%以下の割合で含まれている)であり、並びに、式(IVb)の対応するβ−ヒドロキシエーテル(これはビスフェノールF(R=H)、又はビスフェノールAとビスフェノールFの混合物をエピクロルヒドリンと反応させた場合に形成される)である。
Figure 2011528387
同様に好ましいものは、高純度の蒸留したエポキシ液状樹脂の製造において生じる蒸留残渣である。そのような蒸留残渣は、市販されている未蒸留エポキシ樹脂中よりも1〜3倍高いヒドロキシル含有エポキシド濃度を有する。さらに、β−ヒドロキシエーテル基をもつ様々なエポキシドを用いることができ、これは(ポリ)エポキシドと、不足量の一官能求核剤、例えば、カルボン酸、フェノール類、チオール、又は二級アミンとの反応によって調製される。
基は下記式の三官能基であることが特に好ましい。
Figure 2011528387
式中、Rはメチル又はHを表す。
式(IVa)のモノヒドロキシルエポキシド化合物のフリーの一級又は二級OH官能基は、不均衡な過剰量のエポキシド成分を用いることを必要とすることなく、ポリマーの末端イソシアネート基との効率的な反応を可能にする。
に基づくポリウレタンポリマーPU1は、すくなくとも1種のジイソシアネート又はトリイソシアネートと、末端位置のアミノ、チオール、又はヒドロキシル基を有する少なくとも1種のポリマーQPM及び/又は任意選択で場合によっては置換されていてもよいポリフェノールQPPとから調製できる。
好適なジイソシアネートの例には、脂肪族、脂環式、芳香族、又は芳香脂肪族のジイソシアネート、特に以下の市販されている製品が含まれる。メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、2,5−又は2,6−ビス−(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ジシクロへキシルメチルジイソシアネート(H12MDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、又はm−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、及びそれらの二量体。HDI、IPDI、MDI、又はTDIが好ましい。
好適なトリイソシアネートの例は、脂肪族、脂環式、芳香族、又は芳香脂肪族のジイソシアネートの三量体又はビウレットであり、特に、上の段落に記載したジイソシアネートのイソシアヌレート及びビウレットである。
もちろん、ジ−又はトリイソシアネートの好適な混合物も用いることができる。
2又は3つの末端位置のアミノ、チオール、又はヒドロキシル基を有するポリマーQPMは、末端位置にアミノ、チオール、又はヒドロキシル基を有するポリマーQPMとして特に適している。
ポリマーQPMとして特に適しているのは、例えば、国際公開第2008/049857A1パンフレットに、特に第7頁25行目〜11頁20行目にQPMとして開示されているものであり、その内容を参照により本明細書に援用する。
ポリマーQPMは300〜6000、特に600〜4000、好ましくは700〜2200g/NCO反応性基当量(NCO反応性基1当量当たりのg)の当量質量を有することが有利である。
ポリマーQPMとして特に適しているのは、ポリエーテルポリオールともいわれるポリオキシアルキレンポリオール、ヒドロキシ末端ポリブタジエンポリオール、スチレン−アクリロニトリルグラフト化ポリエーテルポリオール、ポリヒドロキシ末端のアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、ポリエステルポリオール、及びポリカーボネートポリオールである。
カルボキシル基(1つ又は複数)を有し且つ少なくとも1つのヒドロキシル基を有する上に記載した耐衝撃性改良剤を調製するために用いられる両親媒性ブロックコポリマーは、ポリマーQPMとして特に適していることが判明しており、特にDow Chemical社からFortegra(登録商標)、特にFortegra(登録商標)100の商品名で市販されているものが特に適していることがわかっている。
ポリフェノールQPPとして特に適しているのは、ビス−、トリス−、及びテトラフェノール類である。これらは純粋なフェノール類だけでなく、任意選択で場合によっては置換基を有するフェノール類をも意味することが理解される。様々な種類の置換をもちいることができる。これは、特に、フェノール性OH基が結合している芳香核での直接置換を意味することが理解される。さらに、「フェノール類」の用語は、単核芳香族だけでなく、芳香族又はヘテロ芳香族の上に直接のフェノール性OH基を含む多核又は縮合芳香族又はヘテロ芳香族をもいう。
ビス及びトリスフェノール類が特に適している。好適なビスフェノール類又はトリスフェノール類の例には以下のものが含まれる。1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシトルエン、3,5−ジヒドロキシベンゾエート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(=ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(=ビスフェノールS)、ナフトレゾルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシアントラキノン、ジヒドロキシビフェニル、3,3−ビス(p−ヒドロキシフェニル)フタリド、5,5−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダン、フェノールフタレイン、フロオレセイン、4,4’−[ビス−(ヒドロキシフェニル)−1,3−フェニレン−ビス−(1−メチルエチリデン)](=ビスフェノールM)、4,4’−[ビス−(ヒドロキシフェニル)−1,4−フェニレン−ビス−(1−メチルエチリデン)](=ビスフェノールP)、2,2’−ジアリルビスフェノールA、フェノール類又はクレゾール類をジイソプロピリデンベンゼンと反応させることによって調製されるジフェノール類及びジクレゾール類、フロログルシン、没食子酸エステル、2.0〜3.5のOH官能性を有するフェノールノボラックもしくはクレゾールノボラック、並びに前記の化合物の全ての異性体。
組成物中に任意選択によって存在してもよい耐衝撃性改良剤Dとして特に好適なのは、以下の文献又は特許文献中に開示されているものであり、その内容を本明細書に援用する。
EP0308664A1、特に式(I)、特に5頁14行目〜13頁24行目;EP0338985A1、EP0353190A1、WO00/20483A1、特に式(I)、特に8頁18行目〜12頁2行目;WO01/94492A1、特にD)及びE)として言及された反応生成物、特に10頁15行目〜14頁22行目;WO03/078163A1、特にB)として言及されたアクリレート末端のポリウレタン樹脂、特に14頁6行目〜14頁35行目;WO2005/007766A1、特に式(I)又は(II)、特に4頁5行目〜11頁20行目;EP1728825A1、特に式(I)、特に3頁21行目〜4頁47行目;WO2006/052726A1、特にb)として言及された両親媒性ブロックコポリマー、特に6頁17行目〜9頁10行目;WO2006/052729A1、特にb)として言及された両親媒性ブロックコポリマー、特に6頁25行目〜10頁2行目;T.J.Hermel−Davidockら,J.Polym.Sci.Part B:Polym.Phys.2007,45,3338−3348、特にその両親媒性ブロックコポリマー、特に3339頁第2欄〜3341頁第2欄;WO2004/05592A1、特に式(I)、特に7頁28行目〜13頁15行目;WO2005/007720A1、特に式(I)、特に8頁1行目〜17頁10行目;WO2007/020266A1、特に式(I)、特に3頁1行目〜11頁6行目;WO2008/049857A1、特に式(I)、特に3頁5行目〜6頁20行目;WO2008/049858A1、特に式(I)及び(II)、特に6頁1行目〜12頁15行目;WO2008/049859A1、特に式(I)、特に6頁1行目〜11頁10行目;WO2008/049860A1、特に式(I)、特に3頁1行目〜9頁6行目;及び、DE−A−2123033、US2008/0076886A1、WO2008/016889、及びWO2007/025007。
1種より多くの耐衝撃性改良剤が組成物中に存在することが有利であり、特にまた、1種より多くの耐衝撃性改良剤Dが存在することが有利であることが示されている。
耐衝撃性改良剤Dの割合は、組成物の質量に対して1〜45質量%、特に1〜35質量%の量で用いられることが有利である。
別の好ましい態様では、この組成物は少なくとも1種のフィラーFも含む。そのようなものとして好ましいのは、マイカ、タルク、カオリン、ウォラストナイト、長石(フェルドスパー)、閃長岩(シエナイト)、緑泥石(クロライト)、ベントナイト、モンモリロナイト、炭酸カルシウム(沈降又は粉砕)、ドロマイト、石英、ケイ酸(熱分解又は沈殿)、クリストバライト、酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、中空セラミックビーズ、中空ガラスビーズ、有機中空ビーズ、ガラスビーズ、及び着色顔料である。有機被覆した形態並びに被覆していない形態(これらは市販されており、当業者に公知である)もフィラーFとして意図される。
米国特許第6,322,890号明細書に記載された官能化されたアルモキサンは、例えば、別の例を示している。
全フィラーFの全体の割合は、全組成物の質量に対して有利には3〜50質量%、好ましくは5〜35質量%、特に5〜25質量%である。
別の好ましい態様では、組成物は、物理的又は化学的発泡剤、例えば、Akzo Nobel社からExpancel(登録商標) あるいはChemtura社からCelogen(登録商標)の商品名で入手可能なものなど、を含む。発泡剤の割合は、組成物の質量に対して0.1〜3質量%であることが有利である。
別の好ましい態様では、この組成物は、少なくとも1つのエポキシド基を有する反応性希釈剤Gをも含む。これらの反応性希釈剤Gは特に以下のものである。
- 一官能の、飽和又は不飽和の、分岐又は非分岐の、環状又は開鎖(open-chain)のC〜C30アルコールのグリシジルエーテル。特に、ブタノールグリシジルエーテル、ヘキサノールグリシジルエーテル、2−エチルヘキサノールグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、テトラヒドロフルフリル及びフルフリルグリシジルエーテル、及びトリメトキシシリルグリシジルエーテルを含む群から選択されるもの。
- 二官能の、飽和又は不飽和の、分岐又は非分岐の、環状又は開鎖のC〜C30アルコールのグリシジルエーテル。特に、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、及びオクタンジオールのグリシジルエーテル類、シクロヘキサンジメタノールジグリジルエーテル、及びネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルを含む群から選択されるもの。
- 三又は多官能の、飽和又は不飽和の、分岐又は非分岐の、環状又は開鎖のアルコールのグリシジルエーテル類。例えば、エポキシ化ひまし油、エポキシ化したトリメチロールプロパン、エポキシ化したペンタエリスリトール、又は脂肪族アルコール(例えば、ソルビトール、グリセリン、又はトリメチロールプロパン)のポリグリシジルエーテル。
- フェノール及びアニリン化合物のグリシジルエーテル。特に、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、3−n−ペンタデセニルグリシジルエーテル(カシューナッツオイルから)、N,N−ジグリシジルアニリン、及びp−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル。
- エポキシ化アミン。例えば、N,N−ジグリシジルシクロへキシルアミン。
- エポキシ化モノ−又はジカルボン酸。特に、ネオデカン酸グリシジルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、安息香酸グリシジルエステル、フタル酸,テトラ−,及びヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル類、ダイマー脂肪酸のジグリシジルエステル類、並びにテレフタル酸及びトリメリット酸のグリシジルエステル類。
- エポキシ化された2又は3官能の低分子量から高分子量のポリエーテルポリオール類。特に、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、又はポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル。
特に好ましいのは、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、及びポリエチレングリコールジグリシジルエーテルである。
エポキシド基を含む反応性希釈剤Gの合計割合は、組成物全体の質量に対して、有利には0.1〜20質量%、好ましくは1〜8質量%である。
この組成物はさらなる成分、特に、触媒、安定化剤、特に熱及び/又は光安定剤、チキソ性付与剤、柔軟化剤、溶媒、無機又は有機フィラー、発泡剤、染料及び顔料、腐食防止剤、界面活性剤、消泡剤、及び接着化剤を含んでいてもよい。
柔軟化剤として特に適しているのは、フェノールアルキルスルホネート及びN−ブチルベンゼンスルホンアミドであり、これらはBayer社からMesamoll(登録商標)及びDellatol BBSとしてそれぞれ市販されている。
安定化剤として特に適しているのは、任意選択で置換されていてもよいフェノール類、例えば、BHT又はWingstay(登録商標)T(Elikem社)、立体障害アミン類、又はN−オキシル化合物、例えば、TEMPO(Evonik社)である。
硬化した後のここに記載した熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、高い耐衝撃強度と、100℃より高い、特に120℃より高い、しばしば130℃よりも高いガラス転移温度によって特徴付けられる。
ここに記載した熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、一成分形接着剤として特に適していることが示されている。そのような一成分形接着剤は多くの用途をもっている。特に、高温と低温での、特に0℃〜−40℃での高い衝撃強度によって特徴付けられる熱硬化性一成分形接着剤をそうして得ることができる。そのような接着剤は、熱に安定な材料を接着するために必要である。熱に安定な材料とは、100〜220℃、好ましくは120〜200℃の硬化温度において、少なくとも硬化時間の間、寸法安定性である材料を意味すると理解される。これらには、特に、金属、並びに、プラスチック(例えば、ABS、ポリアミド、及びポリフェニレンエーテル)、複合材料(例えば、SMC、GFRP)、不飽和ポリエステル、及びエポキシ又はアクリレート複合材料が含まれる。少なくとも1つの材料が金属である用途が好ましい。特に好ましい用途は、同じ又は異なる金属の接着結合であり、特に、自動車産業におけるボディーシェルのためのものである。好ましい金属は、主にスチール、特に電気亜鉛メッキスチール、溶融亜鉛メッキスチール、注油されたスチール、ボナジンク(Bonazinc)を被覆したスチール、及び続いてリン酸化されたスチール、並びにアルミニウム、特に、自動車生産において通常用いられる種類のものである。
衝突に対する高い耐性と、高い並びに低い作業温度との望ましい組み合わせが、本発明による熱硬化性組成物に基づく接着剤を用いて達成できる。
そのような接着剤は、特に、10℃〜80℃、特に10℃〜60℃の温度で、接着させる材料と最初に接触させられ、次に典型的には100〜220℃、好ましくは120〜200℃の温度で硬化させられる。
本発明のさらなる側面は、以下の工程を有する、熱安定性基材を接着結合させる方法に関する。
α)上で詳細に説明した一成分形熱硬化性エポキシ樹脂組成物を、熱に安定な基材S1(特に金属)の表面に適用(apply)する工程;
β)上記の適用した熱硬化性エポキシ樹脂組成物を、熱に安定なさらなる基材S2(特に金属)の表面と接触させる工程;
γ)上記のエポキシ樹脂組成物を100〜130℃、好ましくは115〜125℃の温度に加熱する工程;
δ)基材S1及びS2及びそれらと接触している熱硬化性エポキシ樹脂組成物を、20〜100℃、特に40〜70℃、好ましくは50〜70℃の温度で洗浄液と接触させる工程;及び
ε)上記組成物を140〜220℃、特に140〜200℃、好ましくは160〜190℃の温度に加熱する工程。
基材S2は、基材S1と同じ又は異なる材料からなる。
接着された物品は、熱に安定な材料を接着結合させるための上記方法によってもたらされる。そのような物品は、好ましくは車両または車両に取り付けられた部品である。
もちろん、熱硬化性接着剤に加えて、シーラント又はコーティング剤が本発明の組成物を用いて実現できる。さらに、本発明の組成物は、自動車生産のほかにもその他の用途に適している。特に、輸送手段、例えば、船舶、トラック、バス、又は鉄道車両の製造における、あるいは消費者製品、例えば、洗濯機などの生産における関連する用途が挙げられる。
本発明の組成物を用いて接着結合された材料は、典型的には、120℃〜−40℃、好ましくは100℃〜−40℃、特に80℃〜−40℃の温度で用いられる。
本発明による熱硬化性エポキシ樹脂組成物を、自動車生産におけるボディーシェルのための熱硬化性接着剤として用いることが特に好ましい。
本発明のさらなる側面は、カルボン酸基(1つ又は複数)を有する耐衝撃性改良剤を製造するための、少なくとも1つのヒドロキシル基をもつ両親媒性ブロックコポリマーの使用、特に上述した使用に関する。
〔カルボン酸基を有するCGAS耐衝撃性改良剤の調製〕
110.0gのFortegra(登録商標)100(OH価:16mg/g KOH)及び4.74gのフタル酸無水物(Fluka社)を140℃で2時間、窒素下で、さらに2時間減圧下で撹拌した。カルボン酸基を有し且つ15.5mg/g KOH(理論値15.7mg/g KOH)の酸価をもつ粘稠なCGASポリマーが得られた。
〔エポキシ基を有するEGAS耐衝撃性改良剤の調製〕
上で調製したカルボン酸基をもつCGAS耐衝撃性改良剤を、165gのD.E.R.331エポキシ樹脂(Dow社)と0.55gのトリフェニルホスフィンを添加してその混合物を3時間、120℃にて減圧下で撹拌することによってさらに反応させた。エポキシ基を有し且つ3.14eq/kg(理論値3.15eq/kg)のエポキシ含有量を有する粘稠なEGASポリマーが得られた。
〔SM1耐衝撃性改良剤の調製〕
150gのpoly−THF(登録商標)2000(OH価57mg/g KOH、BASF社)及び150gのLiquiflex H(OH価46mg/g KOH、Krahn社)を、30分間105℃にて減圧下で乾燥させた。温度を90℃に下げた後、64.0gのイソホロンジイソシアネートと0.13gのジブチル錫ジラウレートを添加した。反応を、減圧下に90℃で、2.5時間後にNCO含有量が3.30%で一定になるまで行った(計算したNCO含量:3.38%)。103.0gのCardolite(登録商標)NC−700(Cardanol、Cardolite社)を次にブロック化剤として添加した。この混合物の撹拌を、減圧下150℃にて、3.5時間後にNCO含有量が0.1%未満まで低下するまで継続した。
〔SM2耐衝撃性改良剤の調製〕
90gのHypro(登録商標)CTBN 1300X13(酸価が約29mg/g KOH、Nanoresins社)、60gのHypro(登録商標)CTBN 1300X8(酸価が約32mg/g KOH、Nanoresins社)、及び23.2gのAraldite(登録商標)GT7071(エポキシ当量質量が約510g/eq、Huntsman社)を、0.75gのトリフェニルホスフィン及び0.38gのブチルヒドロキシトルエン(BHT)とともに、2時間120℃にて減圧下で撹拌した。201.8gのD.E.R.354(Dow社)を次に添加し、撹拌を2時間、140℃にて減圧下で継続した。約2.8eq/kgのエポキシ含量を有する粘稠な樹脂が得られた。
〔SM3耐衝撃性改良剤の調製〕
318.0gのjeffamine(登録商標)T−3000(Huntman社)及び30.4gの無水マレイン酸(Fluka社)を2時間120℃にて窒素下で撹拌した。802gのD.E.R.331(Dow社)及び2.9gのトリフェニルホスフィンを次に添加し、一定のエポキシ含量が達成されるまで、撹拌を110℃において減圧下で継続した。約2時間後、約3.5eq/kgのエポキシ含量を有する粘稠な樹脂が得られた。
〔SM4耐衝撃性改良剤の調製〕
200.0g(約0.4eqのエポキシ基)のD.E.R.671(Dow社)と75.0g(約0.4eqのエポキシ基)のD.E.R.331(Dow社)を15分間120℃にて減圧下で、均一な溶液が得られるまで撹拌した。230.0g(約0.23eqのNH)のJeffamine(登録商標)D−400(Huntsman社)及び0.5g(約0.007eqのNH)のJeffamine(登録商標)T−403(Huntsman社)を次に添加した。減圧下で3時間120℃及び1時間130℃にて撹拌した後、約1.13eq/kgの計算したエポキシ含量を有する透明で粘稠な樹脂(エポキシ当量質量=約890g/eq)が得られた。
〔組成物の調製〕
表1に示したように、参照組成物Ref1〜Ref4及び本発明による組成物1〜4を調製した。各場合において、成分は質量部で示している。組成物それぞれが、対応する参照例と同じ量のエポキシ基を含むことに特に注意を払った。本発明の対応例のための、未反応の両親媒性ブロックポリマー(Fortegra(登録商標)100)を含む比較例のためには、本発明によるそれぞれの耐衝撃性改良剤の量を、それが出発物として同量の両親媒性ブロックコポリマーを含むように選択した。
〔試験方法〕
[引張剪断強度(TSS)(DIN EN 1465)]
100×25×1.5mm又は100×25×0.8mmの寸法をもつ電気亜鉛メッキされたDC04スチール(eloZn)を用い、25×10mmの接着面積及び0.3mmの接着厚さで、上記記載の例示組成物から試験体を作った。硬化は180℃で30分間行った。引張速度は10mm/minだった。
[引張強度(TS)(DIN EN ISO 527)]
接着サンプルを、2枚のテフロン(登録商標)ペーパーの間で2mmの層の厚さに圧縮した。次に接着剤を180℃で30分間硬化させた。テフロン(登録商標)ペーパーを取り除き、DIN規格に準拠して試験体を熱い状態で打ち抜いた。標準の気候条件下で1日の貯蔵の後、試験体の測定した引張速度は2mm/分だった。
引張強度はDIN EN ISO 527に準拠して測定した。
[衝撃負荷の下での耐破断性(ISO 11343)]
90×20×0.8mmの寸法をもつ電気亜鉛メッキされたDC04スチール(eloZn)を用い、20×30mmの接着面積及び0.3mmの接着厚さで、上記記載の例示組成物から試験体を作った。硬化は180℃で30分間行った。衝撃負荷の下での耐破断性をそれぞれの場合について室温及び−30℃で測定した。衝撃速度は2m/sだった。ISO11343に準拠して25%〜90%の測定カーブの下の面積が、ジュール単位の破壊エネルギー(FE)として得られる。
[ガラス転移温度(T)]
ガラス転移温度は、Mettler社DSC822装置を使用してDSCによって測定した。各場合に、10〜20mgの組成物をアルミニウム坩堝中に秤量した。サンプルをDSC中で30分間175℃で硬化させた後、それを−20℃に冷却し、次に10℃/分の加熱速度で150℃まで加熱した。ガラス転移温度は、DSCソフトウェアを使用して、測定されたDSCカーブから平均値として決定した。
Figure 2011528387
表1は、耐衝撃性改良剤EGAS(本発明による耐衝撃性改良剤の例に相当する)を含む組成物が、本発明の耐衝撃性改良剤を含まない各比較組成物と比べて、増大した衝撃強度をもっていることを示している。さらに、組成物1、2、3、及び4は、対応する比較例Ref1、Ref2、Ref3、及びRef4よりも大きな引張強度及び引張剪断強度をもっている。

Claims (15)

  1. ジ−又はトリカルボン酸の分子内無水物と、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む少なくとも1種の両親媒性ブロックコポリマーとの反応によって調製される、1つ又は複数のカルボン酸基を含む耐衝撃性改良剤。
  2. 少なくとも1つのヒドロキシル基を含む前記両親媒性ブロックコポリマーが、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと、少なくとも4つの炭素原子を含む少なくとも1種のさらなるアルキレンオキシド、好ましくは、ブチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、及びドデシレンオキシドを含む群からのアルキレンオキシドとのブロックコポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載の1つ又は複数のカルボン酸基を含む耐衝撃性改良剤。
  3. 少なくとも1つのヒドロキシル基を含む前記両親媒性ブロックコポリマーが、ポリ(イソプレン−block−エチレンオキシド)ブロックコポリマー、ポリ(エチレン−プロピレン−b−エチレンオキシド)ブロックコポリマー、ポリ(ブタジエン−b−エチレンオキシド)ブロックコポリマー、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド−b−イソプレン)ブロックコポリマー、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド−メチルメタクリレート)ブロックコポリマー、及びポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(エチレン−alt−プロピレン)ブロックコポリマーを含む群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の1つ又は複数のカルボン酸基を含む耐衝撃性改良剤。
  4. 前記のジ−又はトリカルボン酸の分子内無水物が、マレイン酸無水物、2−メチルマレイン酸無水物、2,2−ジメチルマレイン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、マロン酸無水物、2−メチルマロン酸無水物、2,2−ジメチルマロン酸無水物、コハク酸無水物、グルタル酸無水物、アジピン酸無水物、ピメリン酸無水物、イタコン酸無水物、ジグリコール酸無水物、(2−ドデセン−1−イル)コハク酸無水物、メチルノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(メチルナジック酸無水物)、フタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ホモフタル酸無水物、及びトリメリット酸無水物を含む群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の1つ又は複数のカルボン酸基を含む耐衝撃性改良剤。
  5. 前記ジ−又はトリカルボン酸の分子内無水物と、前記のすくなくとも1つのヒドロキシル基を含む両親媒性ブロックコポリマーとが、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む前記両親媒性ブロックコポリマーのヒドロキシル基に対する前記ジ−又はトリカルボン酸の無水物基の比が少なくとも1となるように互いに対する割合で用いられることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の1つ又は複数のカルボン酸基を含む耐衝撃性改良剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の1つ又は複数のカルボン酸基を含む耐衝撃性改良剤と、少なくとも1種のポリエポキシドとの反応によって製造される耐衝撃性改良剤。
  7. 前記ポリエポキシドが、ジエポキシド、特にジグリシジルエーテル、好ましくはビスフェノールのジグリシジルエーテルであることを特徴とする、請求項6に記載の耐衝撃性改良剤。
  8. 前記反応のための1つ又は複数のカルボン酸基を含む耐衝撃性改良剤と前記ポリエポキシドとを、ポリエポキシドのエポキシ基に対する、1つ又は複数のカルボン酸基を含む耐衝撃性改良剤のそのカルボン酸基の比が1より大きくなるような互いに対する比で一緒に用いられることを特徴とする、請求項6又は7に記載の耐衝撃性改良剤。
  9. 前記反応のための1つ又は複数のカルボン酸基を含む耐衝撃性改良剤とポリエポキシドとを、ポリエポキシドのエポキシ基に対する、1つ又は複数のカルボン酸基を含む耐衝撃性改良剤のそのカルボン酸基の比が1未満となるような互いに対する割合で一緒に用いられることを特徴とする、請求項6又は7に記載の耐衝撃性改良剤。
  10. - 一分子当たり平均して1つより多いエポキシ基を含む少なくとも1種のエポキシ樹脂A;
    - 昇温により活性化される、エポキシ樹脂のための少なくとも1種の硬化剤B;
    - 請求項1〜9のいずれか一項に記載した少なくとも1種の耐衝撃性改良剤、
    を含む一成分形の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  11. 前記硬化剤Bが、ジシアンジアミド、グアナミン、グアニジン、アミノグアニジン、及びそれらの誘導体、置換尿素、特に、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素(クロロトルロン)、又はフェニルジメチル尿素類、特に、p−クロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(モヌロン)、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素(フェヌロン)、又は3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチル尿素(ジウロン)、N,N−ジメチル尿素、N−イソブチル−N’,N’−ジメチル尿素、1,1’−(ヘキサン−1,6−ジイル)ビス(3,3’−ジメチル尿素)、及び、イミダゾール類、イミダゾール塩類、イミダゾリン類、及びアミン錯体からなる群から選択される硬化剤であることを特徴とする、請求項10に記載の一成分形の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  12. 少なくとも1種のさらなる耐衝撃性改良剤Dをも含むことを特徴とする、請求項10又は11に記載の一成分形の熱硬化性エポキシ樹脂組成物。
  13. 以下の工程:
    α)請求項10〜12のいずれか一項に記載の一成分形熱硬化性エポキシ樹脂組成物を、熱に安定な基材S1、特に金属、の表面に適用する工程;
    β)上記表面に適用した熱硬化性エポキシ樹脂組成物を、熱に安定なさらなる基材S2、特に金属、の表面と接触させる工程;
    γ)前記エポキシ樹脂組成物を100〜130℃、好ましくは115〜125℃の温度に加熱する工程;
    δ)基材S1及びS2及びそれらと接触している熱硬化性エポキシ樹脂組成物を、20〜100℃、特に40〜70℃、好ましくは50〜70℃の温度で洗浄液と接触させる工程;及び
    ε)前記組成物を140〜220℃、特に140〜200℃、好ましくは160〜190℃の温度に加熱する工程、
    を含む、熱に安定な基材を接着結合させる方法。
  14. 自動車生産におけるボディーシェルのための熱硬化性一成分形接着剤としての、請求項10〜12のいずれか一項に記載の一成分形の熱硬化性エポキシ樹脂組成物の使用。
  15. 1つ又は複数のカルボン酸基を有する耐衝撃性改良剤、特に請求項1〜9のいずれか一項に記載の1つ又は複数のカルボン酸基を有する耐衝撃性改良剤を製造するための、少なくとも1つのヒドロキシル基をもつ両親媒性ブロックコポリマーの使用。
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