JP5260055B2 - 両親媒性ブロックコポリマーにより靭性を付与したエポキシ樹脂及びそれらから製造されたパウダーコーティング - Google Patents

両親媒性ブロックコポリマーにより靭性を付与したエポキシ樹脂及びそれらから製造されたパウダーコーティング Download PDF

Info

Publication number
JP5260055B2
JP5260055B2 JP2007541255A JP2007541255A JP5260055B2 JP 5260055 B2 JP5260055 B2 JP 5260055B2 JP 2007541255 A JP2007541255 A JP 2007541255A JP 2007541255 A JP2007541255 A JP 2007541255A JP 5260055 B2 JP5260055 B2 JP 5260055B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block
epoxy resin
composition
oxide
segment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007541255A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008519889A5 (ja
JP2008519889A (ja
Inventor
イー. バーゲス,カンダシル
フランカ,マルコス
Original Assignee
ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー filed Critical ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
Publication of JP2008519889A publication Critical patent/JP2008519889A/ja
Publication of JP2008519889A5 publication Critical patent/JP2008519889A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5260055B2 publication Critical patent/JP5260055B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L63/00Compositions of epoxy resins; Compositions of derivatives of epoxy resins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L71/00Compositions of polyethers obtained by reactions forming an ether link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L71/02Polyalkylene oxides
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S525/00Synthetic resins or natural rubbers -- part of the class 520 series
    • Y10S525/934Powdered coating composition
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/31504Composite [nonstructural laminate]
    • Y10T428/31511Of epoxy ether

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

本発明は、硬化したパウダーコーティング組成物の耐破壊性又は靭性を増加させるために、両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーで変性したエポキシ樹脂パウダーコーティング組成物に関する。
エポキシ樹脂は、一般的に、ハードナー又は硬化剤を用いて硬化させ、そして硬化した場合に、当該樹脂は、耐熱性及び耐薬品性で知られている。硬化エポキシ樹脂はまた、良好な機械的特性を示すが、しかし、それらは靭性に欠け、硬化する際に極めて脆くなる傾向がある。樹脂の靭性の不足は、架橋密度又は樹脂のTgが増すにつれて特にその傾向が強くなる。
近年、エポキシ樹脂に種々のブロックコポリマーを添加することによりエポキシ樹脂の耐破壊性又は靭性を向上させることに関するいくつかの研究がある。以前の研究の多くは、エポキシ混和性ブロックがポリ(エチレンオキシド)(PEO)であり、非混和性ブロックが飽和ポリマー系炭化水素である、エポキシ混和性ブロックとエポキシ非混和性ブロックとを有する両親媒性ジブロックコポリマーを使用することに主眼を置いている。公知のブロックコポリマー材料は、魅力的な特性の硬化(set)を有するテンプレート化エポキシを提供する上で効果を発揮するが、一部の用途において用いるには余りにも高価すぎる。
例えば、Journal of Polymer Science,Part B:Polymer Physics,2001,39(23),2996〜3010には、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(エチレン−alt−プロピレン)(PEO−PEP)ジブロックコポリマーを使用することにより、硬化したエポキシ系中にミセル構造体が提供され、そしてベシクル及び球状ミセルに自己組織化したブロックコポリマーが、4官能性芳香族アミン硬化剤と硬化させたモデルのビスフェノールAエポキシの耐破壊性を大きく上げることができることが開示されている。そして、Journal of the American Chemical Society,1997,119(11),2749〜2750には、両親媒性PEO−PEP及びポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(エチルエチレン)(PEO−PEE)ジブロックコポリマーを用いてもたらされた自己組織化微構造を有するエポキシ系が記載されている。これらのブロックコポリマー含有系は自己組織化特性を示す。
ブロックの一つにエポキシ反応性官能基を導入する他のブロックコポリマーは、ナノ構造化エポキシ熱硬化樹脂を達成するためのエポキシ樹脂用の変性剤として用いられてきた。例えば、Macromolecules,2000,33(26)9522〜9534には、本質的に両親媒性であり、樹脂が硬化する際にブロックの一つがエポキシマトリクス中で反応できるような様式で設計された、ポリ(エポキシイソプレン)−b−ポリブタジエン(BIxn)及びポリ(アクリル酸メチル−co−メタクリル酸グリシジル)−b−ポリイソプレン(MG−I)ジブロックコポリマーを用いることが記載されている。また、Journal of Applied Polymer Science,1994,54,815には、ポリ(カプロラクトン)−b−ポリ(ジメチルシロキサン)−b−ポリ(カプロラクトン)トリブロックコポリマーのサブミクロンスケールの分散液を有するエポキシ系が記載されている。
上述の既知のジブロック及びトリブロックコポリマーの一部は、エポキシ樹脂の靭性を改良するために有用であるが、上記既知のブロックコポリマーの調製は複雑である。既知のブロックコポリマーは、合成するために多段階を必要とするので、商業的な観点から経済的には魅力的でない。
熱硬化性エポキシ樹脂を変性してナノ構造化エポキシ熱硬化樹脂を形成するための、さらに他の自己組織化両親媒性ブロックコポリマーは公知である。例えば、Macromolecules,2000,33,5235〜5244及びMacromolecules,2002,35,3133〜3144には、ジブロック含有混合物中の分散相の平均サイズがほぼ10〜30nmである、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(プロピレンオキシド)(PEO−PPO)ジブロック及びポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(プロピレンオキシド)−b−ポリ(エチレンオキシド)(PEO−PPO−PEO)トリブロックを、メチレンジアニリンと硬化させたエポキシに添加することが記載されている。そして、PEO−PPO−PEOトリブロック等のポリエーテルブロックコポリマーはまた、日本国特許出願公開第H9−324110号明細書に開示されているように、エポキシ樹脂と用いられることが知られている。
日本国特許出願公開第56−28253号明細書には、エポキシ/無水物パウダーコーティング系用のエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーの使用可能性が開示されているが、両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーを使用すること、又はそのいかなる利益についても開示されていない。
融着エポキシ(FBE)パウダーコーティング業界に供給される固形のエポキシ樹脂(SER)等のエポキシ樹脂組成物は、金属パイプ等の物品に防食を提供する点で優れている。しかし、エポキシ系に固有の重要な欠陥は、その軟質性の不足及び耐摩耗性の不足である。従って、得られたパウダーコーティングの弾性率及びTg等の他の全ての重要な特性を保持しながら、パウダーコーティング用途において用いられるエポキシ樹脂の靭性を増すための必要性がなお存在する。
従って、ナノメートルサイズスケールでホストエポキシ樹脂中に自己組織化し、そして公知のブロックコポリマーのいかなる不利益もなくエポキシ樹脂の靭性を改良するために有用である代替の両親媒性ブロックコポリマー(好ましくは、成分の一つとしてエラストマー系ポリマーを有するもの)を提供することが望ましい。
また、他の有利な特性を保持しながら、より軟質性の高いコーティングを提供する、パウダーコーティング組成物として用いるための熱硬化性エポキシ樹脂を提供することが望ましい。
パウダーコーティング用途で用いるための変性したSERを提供することもまた、本発明の目的である。
本発明の一つの態様は、
(a)エポキシ樹脂;及び
(b)当該エポキシ樹脂組成物が硬化する際に、得られた硬化したエポキシ樹脂組成物の靭性が増大するような、少なくとも一つのエポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと、少なくとも一つのエポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントとを含む両親媒性ブロックコポリマー、前記非混和性ブロックセグメントは、当該非混和性ブロックセグメントのポリエーテル構造が少なくとも4個の炭素原子を有するアルキレンオキシドモノマー単位を少なくとも一つ又は二つ以上含む条件の下、ポリエーテル構造を少なくとも一つ含む:
を含み、当該最終樹脂組成物が固形状である、パウダーコーティング組成物に用いるための硬化性固形樹脂組成物に向けられている。
本発明の実施形態の一つは、少なくとも一つのエポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと、少なくとも一つのエポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントとを含む両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーで変性したエポキシ樹脂に向けられており、上記混和性ブロックセグメントと、上記非混和性ブロックセグメントの両方がポリエーテル構造を少なくとも一つ含む。
本発明の別の態様は、以下の成分:(c)少なくとも一種の硬化剤を含む、上記エポキシ樹脂及び両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーを含む、硬化性パウダーコーティング組成物に向けられており、最終コーティング組成物は、固形状である。上記硬化剤は、所定時間及び所定の温度スケジュールにおいてエポキシ樹脂を架橋して、固形のコーティング組成物を形成することができる。
本発明の実例の一つとして、両親媒性ブロックコポリマーをエポキシ樹脂に添加する。少量(例えば、1重量%〜10重量%)の両親媒性ブロックコポリマーをエポキシ樹脂に添加すると、自己組織化(ガラス転移温度、弾性率、及び粘度等の他の特性に悪影響を与えることなく、エポキシ粉末樹脂の靭性及び延性を大きく改良する)に起因するナノスケール(例えば、15〜25nm)の第2の相モルホロジーがエポキシ樹脂中に作り出される。
さらに、エポキシ樹脂パウダーコーティング材料は、一部の用途において重要である外観を保持する。これらの特徴は、近年、エポキシ樹脂がその低温軟質性及び耐久性に関して問題視されているパウダーコーティング用途に有用である。
樹脂に靭性を付与するために、本発明の両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーを用いることの有利な特徴の一部には、例えば、(1)両親媒性ブロックコポリマーの自己組織化特性、(2)ナノメートルの長さスケールにおいて集まるためのブロックコポリマーの能力、(3)樹脂モノマーマトリクス全体にわたり極めて均一な分散を作り出すためのブロックコポリマーの能力、及び(4)靭性を付与した結果を達成するために、低充填濃度においてブロックコポリマー靭性付与剤(toughening agent)を用いるための能力が含まれる。
本発明の両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーを用いることの利点の一部には、例えば、(1)ホスト樹脂のガラス転移温度、弾性率及び粘度等の他の基本性質に悪影響を与えることなく、ホスト樹脂の靭性を改良するためのブロックコポリマーの能力、(2)一部の用途において重要である外観等のある種の美的資質を保持するための樹脂の能力、及び(3)樹脂それ自体の硬化の前又はその際に、一致してかつ再現可能にモルホロジーを作り出すための能力が含まれる。
本発明は、樹脂用の靭性付与剤として、ポリエーテルブロックコポリマー等の両親媒性ブロックコポリマーで変性したエポキシ樹脂モノマー系を含有する靭性を改良したパウダーコーティング組成物を含む。これらの変性したエポキシ樹脂は、硬化させると、弾性率及びガラス転移温度(Tg)挙動のほんの僅かな変化を伴うだけで破壊靭性(KC1により規定される)が大きく向上する。
ナノスケールの自己組織化モルホロジーを有するテンプレート化熱硬化エポキシポリマー材料は、改良された靭性、及び弾性率及びTg等の材料特性保持の魅力的な組合せを示す。熱硬化エポキシポリマーは、例えば、コポリマーが自己組織化を受けることができる樹脂オリゴマーマトリクス中に両親媒性ブロックコポリマーを分散させ、次に樹脂を硬化させて調製することができる。界面活性剤様モルホロジーを示す自己組織化樹脂は、極めて低い(例えば、1重量%〜10重量%)ブロックコポリマー充填量において、破壊靭性が向上する。
樹脂オリゴマーと混合する場合、自己組織化できる両親媒性ブロックコポリマーは、硬化の前に樹脂/硬化剤混合物と混和性を有するブロックを少なくとも一つと、硬化の前に樹脂/硬化剤混合物と非混和性のブロックを少なくとも一つを有しなければならない。
本発明の実施形態の一つは、エポキシ樹脂系中で自己組織化する、全てのポリエーテルブロックコポリマー、例えば、ポリ(エチレンオキシド)−b−(ブチレンオキシド)(PEO−PBO)に基づくもの等のジブロックコポリマーを調製することに向けられている。十分に長いブチレンオキシドブロック長(例えば、Mn=1000以上)において、これらのブロック構造は、樹脂モノマーを球状ミセル等のミセル構造体にテンプレート化する際に有効であることが見出された。
本発明において有用なポリエーテルブロックコポリマーには、エチレンオキシド(EO)等のアルキレンオキシドから誘導された少なくとも一つのエポキシ混和性ポリエーテルブロックセグメントと、少なくとも3個超の炭素原子を有するアルキレンオキシド、例えば、ブチレンオキシド(BO)として一般に知られる1,2−エポキシブタンから誘導される少なくとも一つのエポキシ非混和性ポリエーテルブロックセグメントとを含む1種又は2種以上のポリエーテルブロックコポリマーが含まれる。
非混和性ブロックセグメントはまた、一緒に共重合して非混和性ブロックセグメントを与えるC4以上の炭素系類似モノマー(carbon analogue monomer)の混合物を含んで成ることができる。非混和性ブロックはまた、EO等の低分子量コモノマーを含有することができる。ポリエーテルブロックコポリマーは、少なくとも一つのエポキシ樹脂混和性ポリエーテルブロックセグメント(E)と、少なくとも一つのエポキシ樹脂非混和性ポリエーテルブロックセグメント(M)とを含む。
本発明のポリエーテルブロックコポリマー成分は、少なくとも2つ又は3つ以上の両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーセグメントを含むことができる。両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーの例は、ジブロック(EM);直鎖トリブロック(EME又はMEM);直鎖テトラブロック(EMEM);高次の複数ブロック構造(EMEM)XE又は(MEME)XM(式中、Xは、1〜3の範囲の整数である。);分岐鎖ブロック構造;又は星型ブロック構造;及びそれらの任意の組合せから成る群から選択することができる。分岐鎖ブロック構造又は星型ブロック構造から成る両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーは、少なくとも一つのエポキシモノマー混和性ブロックと、少なくとも一つのエポキシモノマー非混和性ブロックとを含む。
エポキシ樹脂混和性ポリエーテルブロックセグメント(E)の例には、ポリエチレンオキシドブロック、プロピレンオキシドブロック、ポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロック、ポリ(エチレンオキシド−ran−プロピレンオキシド)ブロック、及びそれらの混合物が含まれる。本発明において有用なエポキシ樹脂混和性ポリエーテルブロックセグメントは、ポリエチレンオキシドブロックであることが好ましい。
一般に、本発明において有用なエポキシ樹脂非混和性ポリエーテルブロックセグメント(M)は、C4〜C20の炭素原子数を有するエポキシ化α−オレフィンである。エポキシ樹脂非混和性ポリエーテルブロックセグメント(M)の例には、ポリブチレンオキシドブロック、1,2−エポキシヘキサンから誘導されるポリヘキシレンオキシドブロック、1,2−エポキシドデカンから誘導されるポリドデシレンオキシドブロック、及びそれらの混合物が含まれる。本発明において有用なエポキシ樹脂非混和性ポリエーテルブロックセグメントは、ポリブチレンオキシドブロックであることが好ましい。
本発明の別の実施形態では、ポリエーテルブロックコポリマーが多ブロックコポリマー構造を有する場合に、E及びMに加えて他のブロックセグメントがブロックコポリマー中に存在することができる。ブロックコポリマーの他の混和性セグメントの例には、ポリエチレンオキシド、ポリメチルアクリレート、及びそれらの混合物が含まれる。ブロックコポリマーの他の非混和性セグメントの例には、ポリエチレンプロピレン(PEP)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリジメチルシロキサン、ポリブチレンオキシド、ポリヘキシレンオキシド、ポリエチルヘキシルメタクリレート等のポリアルキルメチルメタクリレート、及びそれらの混合物が含まれる。
本発明の実施において用いることができる両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーには、例えば、ジブロックコポリマー、直鎖トリブロック、直鎖テトラブロック、高次の複数ブロック構造、分岐鎖ブロック構造、又は星型ブロック構造が含まれるが、それらに限定されるものではない。
例えば、ポリエーテルブロックコポリマーは、ポリ(エチレンオキシド)ブロック、ポリ(プロピレンオキシド)ブロック、又はポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロック;及び例えば、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシドデカン、又は1,2−エポキシヘキサデカンブロック等のC4以上の炭素類似物ブロックに基づくアルキレンオキシドブロックを含むことができる。アルキレンオキシドブロックの他の例には、Atofinaから市販されているC10〜C30+オレフィンを含むエポキシ化α−オレフィン、Vikolox(商標)が含まれうる。
本発明において有用な好適なブロックコポリマーの好ましい例には、例えば、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(ブチレンオキシド)(PEO−PBO)等の両親媒性ポリエーテルジブロックコポリマー;又は例えば、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(ブチレンオキシド)−b−ポリ(エチレンオキシド)(PEO−PBO−PEO)等の両親媒性ポリエーテルトリブロックコポリマーが含まれる。
本発明において用いられる両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーは、両方のブロック長の結合に関して、1,000〜30,000の数平均分子量(Mn)を有することができる。最も好ましくは、ポリエーテルブロックコポリマーの分子量は、3,000〜20,000である。非混和性ブロックが極めて低い溶解度パラメータ(ポリマーの炭化水素)を有するブロックコポリマーに由来する先行技術の材料は、硬化の前にミクロ相分離を起こす。一方、本発明のポリエーテル含有ブロック構造は、好ましい分子量において、硬化の前にミクロ相分離するか、又は硬化工程が行われている間にミセルを形成するかのどちらかであることができる。
ブロックコポリマーの組成は、エポキシ樹脂混和性ポリアルキレンオキシドブロック90%及びエポキシ樹脂非混和性ポリアルキレンオキシドブロック10%から、エポキシ混和性ブロック10%及びエポキシ樹脂非混和性ポリアルキレンオキシドブロック90%の範囲にわたることができる。
各ブロックセグメントのそれぞれに由来する少量のホモポリマーは、本発明の最終両親媒性ポリエーテルブロックコポリマー中に存在してもよい。例えば、混和性又は非混和性ブロックの構造に類似する又はそれと同一のホモポリマーを1重量%〜50重量%、好ましくは1重量%〜10重量%を、エポキシモノマー系及び両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーを含む本発明の組成物に添加することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物中に用いられる両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーの量は、ポリマーの当量、並びに組成物から製造される生成物の所望の特性を含む多様な因子に応じて決まる。一般に、本発明において用いられる両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーの量は、硬化コーティングの重量に基づいて、0.1重量%〜30重量%、好ましくは0.5重量%〜15重量%、最も好ましくは2重量%〜8重量%であることができる。
本発明の両親媒性ブロックコポリマーは、エポキシ樹脂の靭性又は耐破壊性を、エポキシ樹脂組成物中で、好ましくはブロックコポリマーの低充填率(例えば、10重量%未満)において向上させることが好ましい。一般に、1重量%〜10重量%のポリエーテルブロックコポリマーを、エポキシ樹脂組成物に添加することにより、対照品の靭性の1.5倍〜2.5倍の係数で組成物の靭性を向上させる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、熱硬化性エポキシ樹脂と混合した両親媒性ポリエーテルブロックコポリマーを少なくとも一つ以上含むことができる。加えて、2種又は3種以上の異なる両親媒性ブロックコポリマーを、当該ブロックコポリマーの一種がポリエーテルブロックコポリマーである限り、本発明のブロックコポリマー成分を製造するために一緒に混合することができる。1を超えるブロックコポリマーを、ナノ構造のさらなる制御、すなわち、形状及び寸法を得るために混合することができる。
本発明に用いられるポリエーテルブロックコポリマーに加えて、他の両親媒性ブロックコポリマーも、本発明の樹脂組成物中の第2のブロックコポリマー成分として用いることができる。本発明の実施において用いることができる、本発明のポリエーテルブロックコポリマー以外のさらなる両親媒性ブロックコポリマーの例には、例えば、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(エチレン−alt−プロピレン)(PEO−PEP)、ポリ(イソプレン−エチレンオキシド)ブロックコポリマー(PI−b−PEO)、ポリ(エチレンプロピレン−b−エチレンオキシド)ブロックコポリマー(PEP−b−PEO)、ポリ(ブタジエン−b−エチレンオキシド)ブロックコポリマー(PB−b−PEO)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド−b−イソプレン)ブロックコポリマー(PI−b−PEO−PI)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド−b−メタクリル酸メチル)ブロックコポリマー(PI−b−PEO−b−PMMA)、及びそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されるものではない。一般に、樹脂組成物中に用いられる第2の両親媒性ブロックコポリマーの量は、0.1重量%〜30重量%であることができる。
本発明のポリエーテルブロックコポリマーは、あるブロックセグメントの非混和性と、他のブロックセグメントの混和性とのバランスによりもたらされたミセル化により、液状樹脂マトリクス中に好ましくは「テンプレート」を形成する、均一に分散しかつ均一に調整したナノサイズ構造体を提供する。上記ミセル構造体は、硬化エポキシ熱硬化樹脂中に保存されるか、又は硬化工程の間に形成され、Tg、弾性率及び他の特性を、未変性のエポキシ熱硬化樹脂と同じ水準に維持しながら、改良された靭性、改良された耐破壊性、改良された耐衝撃性を示すエポキシ熱硬化性材料を製造する。
ナノテンプレート化樹脂のミセルモルホロジーは、例えば、球状、ウォーム様(worm−like)、及びベシクルであることができる。ミセルモルホロジーは、有利には低濃度(例えば、5重量%未満)のブロックコポリマーで得られる;すなわち、モルホロジーの特徴は、互いに結び付けられていないか、又は3次元格子中に詰められている。より高濃度における自己組織化構造体はまた、ナノメートルサイズスケールにおいて格子相互作用によりお互いに結び付いた球状、円筒型、又はラメラモルホロジーの特徴を形成することができる。
ブロックコポリマーが、ウォーム様、ベシクル又は球状ミセルモルホロジー等のナノスケールモルホロジーに自己組織化すると、耐破壊性が増すと思われる。いずれのミセルモルホロジーが、どのように、異なる樹脂中で生ずるかを予測できるのかについては、もしあったとしても十分に理解されてはいない。しかし、自己組織化モルホロジーを決める要因の一部には、例えば、(i)ブロックコポリマー中のモノマーの選択、(ii)ブロックコポリマー中の非対称度、(iii)ブロックコポリマーの分子量、(iv)熱硬化性樹脂の組成、及び(v)樹脂用の硬化剤の選択が含まれうると思われる。ナノスケールモルホロジーは、本発明のエポキシ樹脂生成物における靭性を作り上げる上で重要な役割を演じることは明らかである。
本発明の実施形態の一例として、熱硬化性エポキシ樹脂、例えば、エポキシ樹脂を、ポリエーテルブロックコポリマー、例えば、PBOがジブロックコポリマーのエポキシ非混和性の疎水性の軟らかい成分であり、そしてPEOがジブロックコポリマーのエポキシ混和性成分である、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(ブチレンオキシド)(PEO−PBO)ジブロックコポリマーと混合することができる。PEO−PBOジブロックコポリマーを含む硬化性エポキシ樹脂組成物により、硬化したエポキシ樹脂本体の耐衝撃性が向上する。
PEO−PBOブロックコポリマーは、一般に、化学式(PEO)x−(PBO)y(式中、添字x及びyは、それぞれ、各ブロック中のポリエチレンオキシド及びポリブチレンオキシドのモノマー単位の数であり、そして正の数である)により示すことができる。一般に、xは15〜85であることが好ましく、構造部分(PEO)xの分子量は750〜100,000であることが好ましい。
添字yは15〜85であることが好ましく、構造部分(PBO)yにより表される分子量は、1,000〜30,000であることが好ましい。また、単一のPEO−PBOジブロックコポリマーを、単独で用いることができ、あるいは1種超のPEO−PBOジブロックコポリマーを混合して、同様に用いることができる。
本発明の実施形態の一つにおいて、ジブロックコポリマーがPEO20%及びPBO80%〜PEO80%及びPBO20%を有し;そして2000以上のPBOの分子量(Mn)及び750以上のPEOの分子量のブロックサイズを有し;そして種々の自己組織化モルホロジーを付与するPEO−PBOジブロックコポリマーが用いられる。例えば、本発明は、球状ミセルを与える2,500〜3,900のPBOブロック長を有するジブロックを含む。
本発明の別の例には、ウォーム様ミセルを与える6,400のPBOセグメントを有するジブロックが含まれる。本発明のさらに別の例は、凝集したベシクルモルホロジーを与える短い(Mn=750)PEOブロックセグメントを有するジブロックである。本発明のさらに別の例には、PBOホモポリマーが別個のマクロ相を形成することなく、ミセル中に隔離される球状ミセルを与える低分子量PBOホモポリマーとのPEO−PBOジブロックの混合物が含まれ;PBOホモポリマーは、ジブロックの存在なしで添加された場合にマクロ相分離を起こす。
一般に、本発明において用いられる両親媒性ブロックコポリマーを、一種のモノマーが重合して初期ブロックを調製し、続いて第2のモノマー種を単に導入し、次に、重合工程が完了するまで第1のブロックコポリマーの末端上に重合させる単一の連続合成重合法において調製することができる。別個にブロックを製造することもまた可能であり、第1のブロックを調製し、次に、第2の合成段階において、第1のブロックの末端上に第2のブロックを重合させる。
二種のブロック断片の溶解度の違いは十分であり、当該ブロックコポリマーを、多様なエポキシ材料を変性するために用いることができる。上記ブロックコポリマーを、ナトリウム、カリウム又はセシウム等のI族金属により穏やかにしたアニオン重合により調製することができる。上記重合を、そのまま又は溶媒を用いて行うことができる。
上記重合反応の温度は、例えば、大気圧から、僅かに大気圧を超える圧力において、100℃〜140℃であることができる。ブロックコポリマーの合成は、例えば、Whitmarsh,R.H.,In Nonionic Surfactants Polyoxyalkylene Block Copolymers;Nace,V.M.,Ed.;Surfactant Science Series;Vol.60;Marcel Dekker,N.Y.,1996;Chapter 1に記載されるように行うことができる。
好ましい実施形態において、ブロックコポリマーのブロックセグメントを、1,2−エポキシアルケンの開環重合により調製する。
熱硬化材料は、3次元網目を形成するために、共有結合を介して互いに結合した可変長のポリマー鎖から形成されると定義する。熱硬化エポキシ材料は、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂を、アミン種等の硬化剤と反応させて得ることができる。
本発明に有用なエポキシ樹脂には、多様なエポキシ化合物が含まれる。一般的に、エポキシ化合物は、ポリエポキシドとも称されるエポキシ樹脂である。本明細書において有用なポリエポキシドには、モノマー性(例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ノボラック系エポキシ樹脂、及びトリスエポキシ樹脂)、高分子量の改良樹脂(例えば、ビスフェノールAを用いて改良したビスフェノールAのジグリシジルエーテル)又は重合した不飽和のモノエポキシド(例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等)、ホモポリマー又はコポリマーであることができる。最も望ましくは、エポキシ化合物は、平均して1分子当り少なくとも一つのペンダント又は末端1,2−エポキシ基(すなわち、隣接エポキシ基)が含まれる。
有用なポリエポキシドの例には、多価アルコール及び多価フェノール両方のポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルアミン、ポリグリシジルアミド、ポリグリシジルイミド、ポリグリシジルヒダントイン、ポリグリシジルチオエーテル、エポキシ化脂肪酸又は乾性油、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ化不飽和二酸エステル(epoxidized di−unsaturated acid esters)、エポキシ化不飽和ポリエステル、及びそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されるものではない。ポリエポキシドはまた、オキサゾリドン構造、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルとMDIとの反応生成物を含むエポキシ基末端オリゴマーを得るために、ジグリシジルエーテルをイソシアネートと反応させることにより製造することができる。
多価フェノールから調製される多くのポリエポキシドには、例えば、米国特許第4,431,782号明細書に開示されてポリエポキシドが含まれる。ポリエポキシドは1価、2価及び3価のフェノールから調製することができ、そしてノボラック樹脂を含むことができる。ポリエポキシドには、エポキシ化シクロオレフィン、並びにアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル及びアリルグリシジルエーテルのポリマー及びコポリマーである高分子量のポリエポキシドが含まれうる。好適なポリエポキシドは、米国特許第3,804,735号明細書、同第3,892,819号明細書、同第3,948,698号明細書、同第4,014,771号明細書、及び同第4,119,609号明細書;及びLee及びNevilleのHandbook of Epoxy Resins,Chapter 2,McGraw Hill,N.Y.(1967)に開示されている。
本発明は、一般的に、ポリエポキシドに適用できるが、好ましいポリエポキシドは、150〜3,000のエポキシド当量(EEW)、好ましくは170〜2,000のEEWを有する、多価アルコール又は多価フェノールのグリシジルポリエーテルである。これらのポリエポキシドは、通常、少なくとも2モルのエピハロヒドリン又はグリセロールジハロヒドリンを、1モルの多価アルコール又は多価フェノールと、当該ハロヒドリンと結合するために十分な量の苛性アルカリとを反応させることにより製造される。当該生成物は、1を超えるエポキシド基、すなわち、1を超える1,2−エポキシ当量の存在を特徴とする。
本発明に有用なポリエポキシドはまた、脂環式ジエン誘導エポキシドであることができる。これらのポリエポキシドを、熱、カチオン又は光開始(例、UV開始硬化)のいずれかを用いて硬化させることができる。3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、ビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−イルメチルヘキサン二酸エステル、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートメチルエステル、及びそれらの混合物等のDow Chemical Companyにより製造され市販されているいくつかの脂環式エポキシドがある。
一般に、本発明に用いられるポリエポキシドの量は、30重量%〜95重量%の範囲にあることができる。
本発明において有用な硬化剤成分(ハードナー又は架橋剤とも称される)は、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応性を有する活性基を有する任意の窒素含有化合物であることができる。上記硬化剤の化学的性質は、エポキシ樹脂に関する前述の書籍に記載されている。本発明に有用な硬化剤には、アミン及びそれらの誘導体等の窒素含有化合物;カルボン酸基末端ポリエステル、無水物、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール、ビスフェノールA及びクレゾールノボラック、フェノール末端化エポキシ樹脂等の酸素含有化合物;及び第3級アミン、ルイス酸、ルイス塩基等の触媒性硬化剤、並びに2種又は3種以上の上記硬化剤の組合せが含まれる。
好ましい好適な硬化剤には、ジシアノジアミド(DICY)、ジシアノジアミドの誘導体及び付加物、例えば、o−トリルビグアニド(OTB);アミノ基含有化合物、イミダゾール及びイミダゾールの付加物、フェノール系樹脂、例えば、ビスフェノールA系、フェノールノボラック又はクレゾール−ノボラックフェノール系樹脂;カルボキシル官能性樹脂、例えば、ポリエステル及びアクリル樹脂、ブロック化イソシアネート、無水物及びその他が含まれるが、それらに限定されるものではない。
実際に、ポリアミン、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルスルホン及びそれらの異性体、アミノベンゾエート、種々の酸無水物、フェノール−ノボラック樹脂及びクレゾール−ノボラック樹脂を、例えば、本発明に用いることができるが、本発明はこれらの化合物を使用することに限定されるものではない。
一般に、本発明に用いられる硬化剤の量は、1重量%〜70重量%の範囲にあることができる。
本発明に有用な任意成分は、エポキシ樹脂組成物に添加することができる硬化触媒である。硬化触媒の例には、イミダゾール誘導体、第3級アミン、及び有機金属塩が含まれる。好ましくは、硬化触媒は、硬化性組成物の全重量に基づいて、0〜6重量部の量で用いられる。
本発明に従う硬化性エポキシ樹脂組成物はまた、充填剤、染料、顔料、チキソトロープ剤、光開始剤、潜在性触媒、抑制剤;流動調整剤、促進剤、乾燥剤、界面活性剤、接着促進剤等の特定の処理又はコーティング特性を変えるための添加剤;界面活性剤、流動性制御剤、安定剤、処理を促進する希釈剤、接着促進剤、軟質化剤、及び難燃剤;並びにパウダーコーティングの製造、用途又は適正な性能のために必要とされる任意の他の物質等の添加剤を含むことができる。エポキシ樹脂組成物中に用いられる所望の添加剤の量は、最終配合物によって決まり、一般に、0重量%〜70重量%であることができる。
本発明において用いることができる充填剤には、例えば、ウォラストナイト、バライト、マイカ、長石、タルク、炭酸カルシウム:並びに二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロム、有機顔料等の顔料及び染料を挙げることができる。
本発明の混合物又は組成物の調製において、硬化性組成物を生成させるための条件で、当業界に公知の手段により成分を共混合する。本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を、組成物中の全ての成分を任意の順序で一緒に混合することにより製造することができる。
あるいは、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を、エポキシ樹脂成分及びブロックコポリマーを含む第1の組成物と、硬化剤成分等を含む第2の組成物とを調製することにより製造することができる。
さらに別の実施形態では、本発明の硬化性樹脂組成物を、エポキシ樹脂成分を含む第1の組成物と、ブロックコポリマー及び硬化剤成分等を含む第2の組成物とを調製して製造することができる。樹脂組成物を製造する上で有用な他の全ての成分を、同一組成物中に存在させることができ、あるいは一部を第1の組成物中に、そして一部を第2の組成物中に存在させることができる。次に、第1の組成物を第2の組成物と混合して、硬化性樹脂組成物を形成させる。次に、硬化性樹脂組成物混合物を硬化させて、熱硬化エポキシ樹脂材料を生成させる。
本発明の靭性を付与した樹脂を製造する別の方法は、樹脂製造段階の際に、靭性付与剤を、エポキシ樹脂促進反応器中に直接導入することを含む。この実施形態において、本発明の組成物は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル等の液状エポキシ樹脂、ビスフェノールA等の多価アルコール、及びEO/BOブロックコポリマー等の靭性付与剤を含む。
エポキシ樹脂の処理が促進段階を含む場合、靭性付与剤(コポリマー)を、促進反応の前に反応物質と共に添加することができる。そしてコポリマーは、特に樹脂が液状である場合に、工程の初めに添加することができ、そしてSERを製造するために全体の促進工程を通して投入することができる。この変性したSERを、他のパウダーコーティング材料と組み合わせて用いることができる。
本発明の靭性を付与した樹脂を製造するさらに別の方法は、エポキシ樹脂を硬化するために用いられる硬化剤中に、靭性付与剤を導入することが含まれる。
上記靭性付与剤は、パウダーコーティング用途において用いられる硬化エポキシ系の配合された固形分含有率に基づいて、0.5w/w%〜10w/w%、好ましくは2w/w%〜6w/wの濃度で用いることができる。上記樹脂中の靭性付与剤の濃度を、最終配合物中の望ましい濃度を与えるように調整することができるか、あるいはより高濃度に保持し(マスターバッチ)、そして未変性の樹脂と共に、所望の最終濃度に下方調整することができる。
本発明は、例えば、EO/BOブロックコポリマー又は類似の構造の任意の他のコポリマーであることができる靭性付与剤を有するパウダーコーティングを製造するために好適な固形のエポキシ樹脂の混合物から成る。当該エポキシ樹脂を溶融させ、上記靭性付与剤と混合し、再凝固させ、パウダーコーティング製造工程に導入される前に粉砕する。
本発明のポリエーテルブロックコポリマーを含有する硬化性エポキシ樹脂を、パウダーコーティング組成物を調製するために用いる。次に、当該パウダーコーティング組成物を用い、種々の基材上にコーティングを提供する。
上記パウダーコーティング組成物を、静電塗装、流動床、電磁ブラシ、パウダークラウド等の周知の方法により、あるいは当該パウダーを電磁帯電させ又はさせずに、予熱した基材上に従来型のパウダースプレー装置を用いてパウダーをスプレーする(この方法はまた融着法としても知られる)ことにより、基材に適用することができる。
エポキシ樹脂、硬化剤、ブロックコポリマー及び組成物中に存在する任意の他の変性剤の混合物を、当業界により実施される一般的な方法に従って硬化させることができる。硬化温度は、一般に、10℃〜200℃の範囲にあることができるが、これらの方法には、室温硬化(例えば、20℃)から、熱、放射線又はエネルギー源の組合せを用いた高温硬化(例えば、100℃〜200℃)が含まれる。
一般に知られているように、硬化時間は、一般に、硬化剤及び樹脂組成物中の成分に応じて決まり、数秒から数時間までの範囲にあることができる。一般的に、硬化時間は、例えば、1分〜30分であることができる。
上記硬化性組成物を、1段階又は複数段階で硬化させることができ、あるいは上記硬化性組成物を、初期硬化サイクル後、異なる温度又はエネルギー源を用いてポストキュアさせることができる。
以下の例は、本発明を説明するために与えられ、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。特に示さない限り、全ての部及び百分率は重量による。
例において用いられる原料の一部は、以下の通りであった。
「変性した樹脂」は、本発明のブロックコポリマー靭性付与剤を用いて変性した固形のエポキシ樹脂である。
D.E.R.*662Eは、550のEEWを有し、そしてDow Chemical Companyから市販されるエポキシ樹脂である。
D.E.R.*664UEは、900のEEWを有し、そしてDow Chemical Companyから市販されるエポキシ樹脂である。
「DICY」はジシアノジアミンを表し、そして硬化剤として用いられる。
Amicure(商標)CG 1200は、Air Productsから市販されるDICY硬化剤である。
EPICURE(商標)101は、Resolution Performance Polymersから市販されるイミダゾール付加物であり、そして促進剤として用いられる。
Resinflow(商標)P67は、Estronから市販されるアクリル流動化剤である。
NYAD(商標)#325は、NYCOから市販されるウォラストナイト#325充填剤である。
Cab−O−Sil(商標)M5は、Cabotから市販されるヒュームドシリカであり、そして流動剤として用いられる。
「PEO−PBO」は、ポリ(エチレンオキシド)−b−ポリ(ブチレンオキシド)ジブロックコポリマーを表す。
「PEO−PBO−PEO」は、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(ブチレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)トリブロックコポリマーを表す。
予備例A:PEO−PBO−PEOトリブロックコポリマーの調製
PEO−PBO−PEOトリブロックコポリマーを製造するために用いられた基本手順は、米国特許第5,600,019号明細書の例1に基づいている。この手順に対する修正を以下に列挙する。PEO−PBO−PEOトリブロック最終生成物は、重合開始剤/モノマーの以下のモル比を含んでいた。
プロピレングリコールを1モル/ブチレンオキシドを56モル/エチレンオキシドを62モル
パートA:触媒化重合開始剤の調製
DOWANOL DMの代わりにプロピレングリコールを用いた。加えて、KOH水溶液(固形分46重量%)を用いた。KOHを、9重量%の最終触媒濃度を与える量で添加した。水は、反応生成物から除去しなかった。
パートB:ブチレンオキシドポリマーの調製
ブチレンオキシドを二つのバッチに添加した。BOの量を、中間体のブチレンオキシドブロックが約1000の数平均分子量(Mn)を有するように調整した。熟成が完了した後に、さらにKOH水溶液(46重量%)を添加し、最終触媒濃度を約1重量%とした。水を減圧下で除去し、次に、さらにブチレンオキシドを添加して、最終ブチレンオキシドポリマーを得た。最終ブチレンオキシドポリマーは約3500の数平均分子量を有していた。
パートC:PEO−PBO−PEO最終トリブロックコポリマーの調製
液状生成物を得るために、エチレンオキシド及びブチレンオキシドの混合物(80/20重量%)を、上記パートBで調製したブチレンオキシドに添加した。この段階において少量のブチレンオキシドを導入すると、PEOが結晶化して固体を形成しようとする傾向が乱される。最終トリブロックが約6800g/モルの数平均分子量を有するように、添加したこの混合物の量を調整した。最終反応混合物を60℃に冷却し、次に、ケイ酸マグネシウム床を通して中和して、PEO−PBO−PEO最終トリブロックコポリマーを得た。
例1及び比較例A
パートA:靭性を付与した樹脂の調製
フレーク化したD.E.R.664UE固形エポキシ樹脂の試料930gを、2L反応器に添加し、そして当該固形エポキシ樹脂が完全に溶融する(流体)まで180℃に加熱した。
上記予備例Aの工程に記載されるように調製したPEO−PBO−PEOトリブロックコポリマー70.2gを溶融した樹脂に添加し、そして15分間にわたり攪拌した。
得られた溶融した材料を、アルミ箔パン上に注ぎ、そして室温(25℃)まで冷却させた。当該溶融材料を、室温で固化させた。次に、当該固形材料を、粉砕機を用いて1/4インチ(6mm)のフレーク片に粉砕し、そして粉砕した粒子を、表1に記載される配合物の他の成分に添加した。
Figure 0005260055
パートB:パウダーコーティングの調製
上記表1に記載される配合物を、半分析スケールで計量し、そして高強度ミキサーPRIZM PILOT3の中で、2300rpmで、30秒間にわたり予備混合させた。
次に、上記予備混合した材料を、400rpmにおいて、押出機の供給ゾーンが35℃であり、押出機の中間領域が70℃であり、押出機の頂部が90℃であるPRIZM24mmエクストルーダーにより押し出した。押し出された材料を冷却したロールに供給し、次に、粉砕機に通し、当該冷却した材料をフレーク化した。次に、粉砕したフレークを、Hosokawa Micropul ACM−2ミルに供給し、そして約43μmの平均粒径の粉末とした。
パートC:パウダーコーティングの適用
1インチ×6インチ×5/8インチ(2.5×15.0×1.6cm)冷間圧延棒鋼を、スチールグリットを用いて、ホワイトメタル仕上げまでショットブラストし、そして2.5〜4.5ミルのプロフィールを固定することにより調製した。
上記棒鋼を、対流式オーブン中で30分間、250℃まで予熱した。次に、上記棒鋼をオーブンから取り出し、直ぐに上記Bにおいて調製したパウダーコーティングを含有する流動床中に浸漬させた。浸漬時間を制御して、コーティング厚さが14ミル〜16ミルである棒鋼上のコーティングを準備した。次に、コーティングされた棒鋼を250℃のオーブンに戻した。オーブン内において2分後、当該棒鋼を取出し、オーブンの外で、2分間、室温で冷却させ、そして冷却するまで室温の流水槽中に浸漬させた。
パートD:試験手順及び結果
上記パートCにおいて調製したコーティングされた棒鋼上のコーティングの靭性を、NACE標準規格RP0394−2000,section H4.3に記載されているように4点曲げ試験装置を用いて測定した。しかし、NACE標準規格RP0394−2000,section H4.3に記載されている試験方法をわずかに修正し、棒鋼を最初のクラックが現れる点まで曲げ、曲がり角を測定することの代わりに、棒鋼を1.5インチの固定変形量まで曲げ、そして各棒鋼におけるクラック数を数えた。また、靭性を付与した材料と対照との間の性能差を強調するために、−30℃の代わりに−38℃で試験を行った。
上記表1に記載されるように、上記棒鋼上の靭性を付与したコーティング配合物(例1、本発明)は、棒鋼当りのクラックがゼロであったが、棒鋼上の靭性を付与しないコーティング配合物(比較例A、対照)は、棒鋼当りクラックが平均15個であり、そして大きな剥離が生じた。
硬化したコーティングのガラス転移温度を、TA Instruments DSC Q100を用いて測定した。30℃から150℃まで、10℃/分の温度傾斜で温度を上げ、そしてガラス転移温度曲線の変曲点を考慮してTgを決定した。上記表1に示すように、靭性を付与したコーティング(例1)は、117.24℃のTgを有し、対照のコーティング(比較例A)は、116.61℃のTgを有していた。
上記表1の例に示されるように、より高い軟質性と、実際的に変化していないTg値とを組み合わせたことにより、本発明の樹脂(例1)が、実際に靭性を有し、そして単に可塑化しただけではないことが実証された。
図1は、本発明の靭性付与剤で靭性を付与した本発明のパウダーコーティング組成物を用いてコーティングした5本の棒鋼を示す写真である。
図A(先行技術)は、靭性付与剤で靭性を付与しなかったパウダーコーティング組成物を用いてコーティングした5本の棒鋼を示す写真である。

Claims (21)

  1. (a)エポキシ樹脂、及び
    (b)少なくとも1つのエポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと、少なくとも1つのエポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントとを含む両親媒性ブロックコポリマー、
    前記エポキシ樹脂混和性ブロックセグメントは、ポリエチレンオキシドブロック、ポリプロピレンオキシドブロック又はポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロックを含み、そして前記エポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントは、ポリブチレンオキシドブロック、ポリヘキシレンオキシドブロック、又はポリドデシレンオキシドブロックを含む:
    を含む、パウダーコーティング組成物に用いるための硬化性固形樹脂組成物であって、
    前記両親媒性ブロックコポリマーが、前記組成物の重量に基づいて、0.1重量%〜30重量%の量で存在し、
    当該最終樹脂組成物が固形状であり、
    上記エポキシ樹脂組成物が硬化する際に、得られた硬化したエポキシ樹脂組成物の靭性が増大する、
    前記硬化性固形樹脂組成物。
  2. (a)エポキシ樹脂、
    (b)少なくとも1つのエポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと、少なくとも1つのエポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントとを含む両親媒性ブロックコポリマー、
    前記エポキシ樹脂混和性ブロックセグメントは、ポリエチレンオキシドブロック、ポリプロピレンオキシドブロック又はポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロックを含み、そして前記エポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントは、ポリブチレンオキシドブロック、ポリヘキシレンオキシドブロック、又はポリドデシレンオキシドブロックを含む、及び
    (c)少なくとも一種の硬化剤:
    を含む、硬化性パウダーコーティング組成物であって、
    前記両親媒性ブロックコポリマーが、前記組成物の重量に基づいて、0.1重量%〜30重量%の量で存在し、
    当該最終樹脂組成物が固形状であり、
    上記エポキシ樹脂組成物が硬化する際に、得られた硬化したエポキシ樹脂組成物の靭性が増大する、
    前記組成物。
  3. 前記硬化剤が窒素含有化合物である、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記窒素含有化合物が、ジシアノジアミド(DICY)、ジシアノジアミドの誘導体及び付加物;アミノ基含有化合物、イミダゾール及びイミダゾールの付加物、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂;ブロック化イソシアネート;並びにそれらの組合せから成る群から選択される、請求項3に記載の組成物。
  5. (d)流動調整剤を含む、請求項2〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記両親媒性ブロックコポリマーが、ジブロック、直鎖トリブロック、直鎖テトラブロック、高次の複数ブロック構造、分岐鎖ブロック構造、又は星型ブロック構造から成る群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記両親媒性ブロックコポリマーの前記混和性ブロックセグメントの少なくとも一つがポリ(エチレンオキシド)であり、そして前記両親媒性ブロックコポリマーの前記非混和性ブロックセグメントの少なくとも一つがポリ(ブチレンオキシド)である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記両親媒性ブロックコポリマーが、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(ブチレンオキシド)又はポリ(エチレンオキシド)−ポリ(ブチレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記両親媒性ブロックコポリマーが、1,000〜50,000の数平均分子量を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記両親媒性ブロックコポリマーの前記混和性ブロックセグメント:前記両親媒性ブロックコポリマーの前記非混和性ブロックセグメントの比率が、10:1〜1:10である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記エポキシ樹脂が、多価アルコールのポリグリシジルエーテル、多価フェノールのポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルアミン、ポリグリシジルアミド、ポリグリシジルイミド、ポリグリシジルヒダントイン、ポリグリシジルチオエーテル、エポキシ化脂肪酸又は乾性油、エポキシ化ポリオレフィン、エポキシ化不飽和二酸エステル、エポキシ化不飽和ポリエステル、オキサゾリドン基を含有するエポキシ−イソシアネート樹脂、及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記エポキシ樹脂が、多価アルコールのグリシジルポリエーテル又は多価フェノールのグリシジルポリエーテルである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記エポキシ樹脂が、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、ビス(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−イルメチルヘキサン二酸エステル、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートメチルエステル、及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記エポキシ樹脂が、150〜3,000のエポキシド当量を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 硬化触媒を含む、請求項2〜14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記硬化触媒が、イミダゾール誘導体、第3級アミン、ホスフィン又はホスホニウム化合物、イミニウム化合物、有機金属塩及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項15に記載の組成物。
  17. (a)エポキシ樹脂、及び
    (b)少なくとも1つのエポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと、少なくとも1つのエポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントとを含む両親媒性ブロックコポリマー、
    前記エポキシ樹脂混和性ブロックセグメントは、ポリエチレンオキシドブロック、ポリプロピレンオキシドブロック又はポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロックを含み、そして前記エポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントは、ポリブチレンオキシドブロック、ポリヘキシレンオキシドブロック、又はポリドデシレンオキシドブロックを含む、
    を混合することを含み、
    最終樹脂組成物が固形状であり、
    上記エポキシ樹脂組成物が硬化する際に、得られた硬化したエポキシ樹脂組成物の靭性が増大する、
    パウダーコーティング組成物に用いるための硬化性固形樹脂組成物の調製法。
  18. (a)エポキシ樹脂、
    (b)少なくとも一つのエポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと、少なくとも一つのエポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントとを含む両親媒性ブロックコポリマー、
    前記エポキシ樹脂混和性ブロックセグメントは、ポリエチレンオキシドブロック、ポリプロピレンオキシドブロック又はポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロックを含み、そして前記エポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントは、ポリブチレンオキシドブロック、ポリヘキシレンオキシドブロック、又はポリドデシレンオキシドブロックを含む、及び
    (c)少なくとも一種の硬化剤、
    を混合することを含み、
    最終樹脂組成物が固形状であり、
    上記エポキシ樹脂組成物が硬化する際に、得られた硬化したエポキシ樹脂組成物の靭性が増大する、
    硬化性パウダーコーティング組成物の調製法。
  19. コーティングされた基材の調製法であって、下記、
    (I)当該基材を、下記を含むパウダーコーティング組成物と接触させる工程、
    (a)エポキシ樹脂、
    (b)少なくとも一つのエポキシ樹脂混和性ブロックセグメントと、少なくとも一つのエポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントとを含む両親媒性ブロックコポリマー、
    前記エポキシ樹脂混和性ブロックセグメントは、ポリエチレンオキシドブロック、ポリプロピレンオキシドブロック又はポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロックを含み、そして前記エポキシ樹脂非混和性ブロックセグメントは、ポリブチレンオキシドブロック、ポリヘキシレンオキシドブロック、又はポリドデシレンオキシドブロックを含み、上記エポキシ樹脂組成物が硬化する際に、得られた硬化したエポキシ樹脂組成物の靭性が増大する、及び
    (c)少なくとも一種の硬化剤:そして
    (II)前記パウダーコーティング組成物を、当該組成物を硬化させるために十分な温度で加熱する工程:
    を含む方法。
  20. 請求項19に記載の方法により製造したコーティングされた物品。
  21. 前記エポキシ樹脂が固形のエポキシ樹脂である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
JP2007541255A 2004-11-10 2005-11-02 両親媒性ブロックコポリマーにより靭性を付与したエポキシ樹脂及びそれらから製造されたパウダーコーティング Expired - Fee Related JP5260055B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US62661204P 2004-11-10 2004-11-10
US60/626,612 2004-11-10
PCT/US2005/039966 WO2006052730A1 (en) 2004-11-10 2005-11-02 Amphiphilic block copolymer-toughened epoxy resins and powder coatings made therefrom

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008519889A JP2008519889A (ja) 2008-06-12
JP2008519889A5 JP2008519889A5 (ja) 2008-12-18
JP5260055B2 true JP5260055B2 (ja) 2013-08-14

Family

ID=35766914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007541255A Expired - Fee Related JP5260055B2 (ja) 2004-11-10 2005-11-02 両親媒性ブロックコポリマーにより靭性を付与したエポキシ樹脂及びそれらから製造されたパウダーコーティング

Country Status (15)

Country Link
US (1) US8021586B2 (ja)
EP (1) EP1812513B1 (ja)
JP (1) JP5260055B2 (ja)
KR (1) KR101226377B1 (ja)
CN (1) CN101056936B (ja)
AT (1) ATE458788T1 (ja)
BR (1) BRPI0516703A (ja)
CA (1) CA2582341A1 (ja)
DE (1) DE602005019608D1 (ja)
ES (1) ES2338680T3 (ja)
MX (1) MX2007005601A (ja)
NO (1) NO20071761L (ja)
RU (1) RU2389743C2 (ja)
TW (1) TW200624520A (ja)
WO (1) WO2006052730A1 (ja)

Families Citing this family (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101772546B (zh) * 2007-08-02 2012-05-23 陶氏环球技术公司 用来增强热固性聚合物性能的两亲性嵌段共聚物和无机纳米填料
EP2231729B1 (en) * 2007-12-10 2013-05-08 Arkema Inc. Acrylic-based rubber modified thermoset composition
EP2110397A1 (de) 2008-04-16 2009-10-21 Sika Technology AG Auf amphiphilen Block-Copolymer basierendes Polyurethan-Polymer und dessen Verwendung als Schlagzähigkeitsmodifikator
EP2128182A1 (de) 2008-05-28 2009-12-02 Sika Technology AG Hitzehärtende Epoxidharzzusammensetzung enthaltend einen Beschleuniger mit Heteroatomen
ATE461953T1 (de) 2008-07-17 2010-04-15 Sika Technology Ag Haftvermittlerverbindungen für beölten stahl
EP2145924A1 (de) 2008-07-18 2010-01-20 Sika Technology AG Auf amphiphilen Block-Copolymer basierende Reaktionsprodukte und deren Verwendung als Schlagzähigkeitsmodifikator
EP2182025B1 (de) 2008-10-31 2010-10-06 Sika Technology AG Hitzehärtende Epoxidharzzusammensetzungen einsetzbar als Rohbauklebstoff oder Strukturschaum
TW201031737A (en) * 2009-02-03 2010-09-01 Henkel Corp Encapsulant for inkjet print head
WO2010098966A1 (en) 2009-02-24 2010-09-02 Dow Global Technologies Inc. Curable epoxy resin compositions and cured products therefrom
US20140364540A1 (en) 2009-02-26 2014-12-11 Jotun Powder Coatings (N) As Powder coating
BRPI0924000B1 (pt) 2009-03-09 2019-08-06 Dow Global Technologies Llc Composição termofixável, produto termofixo e processo para preparar uma composição termofixável
EP2365046A1 (de) 2010-03-02 2011-09-14 Sika Technology AG Schlagzäher bei Raumtemperatur härtender zwei-komponentiger Strukturklebstoff
EP2365011A1 (de) 2010-03-02 2011-09-14 Sika Technology AG Aminogruppen - terminierter Schlagzähigkeitsmodifikator und dessen Verwendungen in Epoxidharzzusammensetzungen
EP3425011B1 (en) * 2011-02-07 2021-01-06 Swimc Llc Coating compositions for containers and other articles and methods of coating
KR101976890B1 (ko) 2011-12-20 2019-05-09 다우 글로벌 테크놀로지스 엘엘씨 경화된 에폭시 수지 복합체의 제조 방법
WO2014028338A1 (en) * 2012-08-13 2014-02-20 Henkel Corporation Liquid compression molding encapsulants
CA2876923C (en) * 2012-08-20 2017-02-07 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Epoxy-resin composition and film, prepreg, and fiber-reinforced plastic using same
WO2014062531A2 (en) * 2012-10-17 2014-04-24 Dow Global Technologies Llc Core shell rubber modified solid epoxy resins
US9834671B2 (en) 2012-11-07 2017-12-05 Dow Global Technologies Llc Curable epoxy composition and a composite made therefrom
CA2894268C (en) * 2012-12-20 2021-01-05 Dow Global Technologies Llc Polymer composite components for wireless-communication towers
CN103387663B (zh) * 2013-07-29 2016-02-17 山东理工大学 制备端基含巯基的两亲性嵌段共聚物的方法
KR101355979B1 (ko) * 2013-11-06 2014-02-03 주식회사 신아티앤씨 전기적 특성이 우수한 폴리 에폭시 수지, 이의 조성물 및 제조방법
CN105315614B (zh) * 2014-07-31 2018-10-30 太阳油墨(苏州)有限公司 印刷电路板的填孔用热固化性树脂组合物、固化物、及印刷电路板
CN107075230A (zh) * 2014-09-11 2017-08-18 蓝立方知识产权有限责任公司 酯树脂
CN105598858B (zh) * 2014-10-29 2018-11-09 厦门精铎建筑科技有限公司 热固性树脂结合剂金刚石磨具
CN107001897A (zh) 2014-12-31 2017-08-01 陶氏环球技术有限责任公司 具有改善的低温抗冲击性和耐冲洗性的耐撞击环氧粘合剂组合物
WO2016197305A1 (en) * 2015-06-08 2016-12-15 Blue Cube Ip Llc Coating composition
CN106336859B (zh) 2015-07-07 2019-05-24 中国石油化工股份有限公司 一种组合物及其应用和油基钻井液及提高油基钻井液切力的方法
CN105906814A (zh) * 2016-06-13 2016-08-31 四川大学 端环氧基聚醚及其制备方法与作为环氧树脂增韧剂的应用
BR112019008520A2 (pt) 2016-10-28 2019-07-09 Dow Global Technologies Llc adesivo de epóxi durável em quebra que tem resistência ao impacto em baixa temperatura aprimorada
CN111295406A (zh) 2017-11-02 2020-06-16 日铁化学材料株式会社 环氧树脂组合物及其硬化物
US11820915B2 (en) * 2018-12-14 2023-11-21 Swimc Llc Fusion bonded epoxy rebar powder coatings
CN110066494B (zh) * 2019-05-07 2022-05-17 金安国纪科技(杭州)有限公司 环氧树脂组合物及其制备方法和应用、铝基覆铜板
US11459482B2 (en) * 2020-06-19 2022-10-04 Pall Corporation Icephobic coating and coated articles
JP2024519237A (ja) * 2022-04-22 2024-05-10 エル・コーポレイション アクリレート官能基を有する線状ブロック共重合体強化剤
CN115386282B (zh) * 2022-10-07 2023-04-28 浙江绿环新材料科技有限公司 一种高效防腐粉末涂料及其制备方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3948698A (en) * 1967-09-06 1976-04-06 Hercules Incorporated Solid propellant compositions having epoxy cured, carboxy-terminated rubber binder
US3804735A (en) * 1972-04-10 1974-04-16 Continental Can Co Photopolymerizable compositions prepared from beta-hydroxy esters and polyitaconates
US3892819A (en) * 1973-03-21 1975-07-01 Dow Chemical Co Impact resistant vinyl ester resin and process for making same
DE2349979A1 (de) * 1973-10-04 1975-04-17 Bayer Ag Uv-licht-haertende massen hoher reaktivitaet
US4119609A (en) * 1977-03-28 1978-10-10 Shell Oil Company Curable epoxy-carboxylic acid adducts
JPS5628253A (en) * 1979-08-17 1981-03-19 Mitsubishi Electric Corp Epoxy resin composition for powder coating
US4431782A (en) * 1981-07-27 1984-02-14 The Dow Chemical Company Process for the preparation of radiation-curable, water-thinnable vinyl ester resins
EP0384896A1 (de) * 1989-02-24 1990-08-29 Ciba-Geigy Ag Zähe Epoxidgiessharze
US5600019A (en) * 1993-12-17 1997-02-04 The Dow Chemical Company Polyisocyanate based polymers perpared from formulations including non-silicone surfactants and method for the preparation thereof
US5508349A (en) * 1994-05-09 1996-04-16 Basf Corporation Reactive flow agent for powder coatings
TW346498B (en) * 1994-10-11 1998-12-01 Shell Int Research Epoxidized monohydroxylated rubber toughening modifiers for epoxy resins
JP3620921B2 (ja) 1996-06-06 2005-02-16 株式会社タイルメント 硬化性エポキシ樹脂系接着剤
FR2809741B1 (fr) * 2000-05-31 2002-08-16 Atofina Materiaux thermodurs a tenue au choc amelioree
US6887574B2 (en) * 2003-06-06 2005-05-03 Dow Global Technologies Inc. Curable flame retardant epoxy compositions
RU2006138618A (ru) * 2004-04-02 2008-05-10 Дау Глобал Текнолоджиз Инк. (Us) Модифицированные амфифильным блок-сополимером термоотверждающиеся смолы с повышенной ударной вязкостью
WO2006052729A1 (en) * 2004-11-10 2006-05-18 Dow Global Technologies Inc. Amphiphilic block copolymer-toughened epoxy resins
CA2582415A1 (en) * 2004-11-10 2006-05-18 Dow Global Technologies Inc. Amphiphilic block copolymer-toughened epoxy resins and ambient cure high-solids coatings made therefrom
ES2337598T3 (es) * 2004-11-10 2010-04-27 Dow Global Technologies Inc. Resinas espoxi endurecidas con copolimeros de bloques anfifilicos y estratificados electricos fabricados a partir de ellas.

Also Published As

Publication number Publication date
US8021586B2 (en) 2011-09-20
KR20070084115A (ko) 2007-08-24
CA2582341A1 (en) 2006-05-18
WO2006052730A1 (en) 2006-05-18
DE602005019608D1 (de) 2010-04-08
RU2007121664A (ru) 2008-12-20
NO20071761L (no) 2007-08-08
EP1812513A1 (en) 2007-08-01
ATE458788T1 (de) 2010-03-15
CN101056936A (zh) 2007-10-17
JP2008519889A (ja) 2008-06-12
TW200624520A (en) 2006-07-16
RU2389743C2 (ru) 2010-05-20
CN101056936B (zh) 2012-05-23
KR101226377B1 (ko) 2013-01-24
US20080188626A1 (en) 2008-08-07
ES2338680T3 (es) 2010-05-11
MX2007005601A (es) 2007-05-23
EP1812513B1 (en) 2010-02-24
BRPI0516703A (pt) 2008-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5260055B2 (ja) 両親媒性ブロックコポリマーにより靭性を付与したエポキシ樹脂及びそれらから製造されたパウダーコーティング
JP5735473B2 (ja) 両親媒性ブロックコポリマーにより靭性を付与したエポキシ樹脂及びそれらから製造される室温硬化型ハイソリッドコーティング
KR101226379B1 (ko) 양친매성 블록 공중합체-개질된 에폭시 수지 및 그로부터제조된 접착제
EP1814947B1 (en) Amphiphilic block copolymer-toughened epoxy resins
JPH02248423A (ja) 強靭なエポキシ注型用樹脂

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081027

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110309

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110322

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20110621

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20110628

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120417

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120717

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130326

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130425

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5260055

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S802 Written request for registration of partial abandonment of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311802

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees