JP2013523945A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

(A)(i)エポキシ化合物、(ii)希釈剤及び(iii)第一のフィラーを含む樹脂成分、及び、(B)(iv)硬化剤、(v)第二のフィラー及び(vi)非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を含む硬化剤成分、を含む、硬化性組成物。樹脂成分及び硬化剤成分は各々粘度が25℃で10s−1の印加剪断下に30パスカル−秒以下であり、そして樹脂成分及び硬化剤成分の10s−1の印加剪断下での混合の120秒後に硬化性組成物は粘度が25℃で少なくとも100パスカル−秒である。

Description

発明の分野
本発明は硬化性組成物に関し、より詳細には、樹脂成分及び硬化剤成分を含む硬化性組成物に関する。
背景
エポキシ系は互いに反応して硬化済みエポキシを形成することができる二成分からなる。第一の成分(以下に「樹脂成分」と呼ぶ)はエポキシ樹脂を含み、そして第二の成分(以下に「硬化剤成分」と呼ぶ)は、時折、ハードナーと呼ばれる硬化剤を含む。樹脂成分と硬化剤成分を合わせて、硬化性組成物を形成することができ、その組成物は、その後、架橋、すなわち、硬化され、広範な用途に使用されうる。たとえば、硬化済みエポキシは接着剤、コーティング、繊維強化プラスチック材料、複合材、電気ラミネート及び多くのその他の用途で使用されうる。
用途によって、硬化性組成物及び/又は個々の成分の種々の特性は変更されうる。接着剤用途では、ペーストと同様である硬化性組成物の粘度がスランプに対する耐性を付与することが有利であろう。ここで、スランプは硬化性組成物を所望の位置に配置したときの形状の変化である。スランプに対する十分な耐性を付与するための粘度の増加により、硬化性組成物の種々の方向及び大きな結合ギャップがある用途で硬化性組成物を塗布することが可能になる。
硬化性組成物の粘度を増加させるために、従来のアプローチは一方の又は両方の成分にフィラーを取り込んでいた。しかしながら、フィラーを取り込むと、硬化性組成物を形成する前の樹脂成分及び硬化剤成分の粘度も増加しうる。2つの成分の粘度が個々に増加すると、混合が困難になり、低混合となり、それにより、硬化済みエポキシの特性が低減されうる。追加の欠点としては、2つの成分を輸送し及び/又はポンプ送りするのが困難になり、それとともに、所望の位置に硬化性組成物を素速くディスペンスすることが困難になることが挙げられる。さらに、硬化性組成物を形成する前に2つの成分の粘度を増加させると、空気の取り込みの危険性が増し、その空気が、亀裂の欠陥開始点として作用することがある。さらに、フィラーの量が増加すると、硬化済みエポキシの靭性が低下しうる。
要旨
本発明は硬化性組成物の1つ以上の実施形態を提供する。本発明の1つ以上の実施形態では、硬化性組成物は(A)(i)エポキシ化合物、(ii)希釈剤及び(iii)第一のフィラーを含む樹脂成分、及び、(B)(iv)硬化剤、(v)第二のフィラー及び(vi)非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を含む硬化剤成分を含む。樹脂成分及び硬化剤成分は各々粘度が25℃で10s−1(1/s)の印加剪断下に30パスカル−秒(Pa・s)以下であり、そして樹脂成分及び硬化剤成分の10s−1の印加剪断下での混合の120秒後に硬化性組成物は粘度が25℃で少なくとも100パスカル−秒である。
種々の実施形態は、(a)(i)エポキシ化合物、(ii)希釈剤及び(iii)第一のフィラーを混合することにより、25℃で10(1/s)の印加剪断下で30Pa・s以下の粘度を有する樹脂成分を形成すること、及び、(b)(iv)硬化剤、(v)第二のフィラー及び(vi)非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を混合することにより、25℃で10(1/s)の印加剪断下で30Pa・s以下の粘度を有する硬化剤成分を形成することの工程を含む、硬化性組成物の調製方法をも含む。その実施形態では、方法は、
(c)樹脂成分及び硬化剤成分を混合して、10(1/s)の印加剪断下で該樹脂成分及び硬化剤成分を混合した120秒後に、硬化性組成物の粘度が25℃で少なくとも100Pa・sである硬化性組成物を形成することを含む。
さらに、本発明は、本明細書中に記載される硬化性組成物により形成される硬化済みエポキシで結合した2つ以上の基材を提供する。たとえば、本発明の実施形態はウインドミルブレードの2つのハーフを結合するために使用されうる。
詳細な説明
用語「チクソトロピー性」は印加剪断なしの材料の粘度よりも印加剪断下での材料の粘度が低い材料の特性を指す。
用語「靭性」は硬化済みエポキシの耐衝撃性及び耐破壊性を指す。
実施形態では、(A)樹脂成分及び(B)硬化剤成分(一緒に「2つの成分」と呼ぶ)を混合して、硬化性組成物を形成する。硬化性組成物は硬化して、たとえば、接着ジョイントとして使用されうる硬化済みエポキシを形成することができる。
(A)樹脂成分は(i)エポキシ化合物、(ii)希釈剤及び(iii)第一のフィラーを含む。(B)硬化剤成分は(iv)硬化剤、(v)第二のフィラー及び(vi)硬化性組成物にチクソトロピー性を付与する非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を含む。さらに、硬化性組成物を硬化させることで形成される硬化済みエポキシは非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤なしの硬化済みエポキシと比較して靭性が増加している。
実施形態では、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は硬化性組成物にチクソトロピー性を付与することと、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤なしの硬化済みエポキシと比較して硬化済みエポキシの靭性を増加させることの組み合わせ効果を達成する。しかしながら、驚くべきことに、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は硬化剤成分単独の粘度を増加させない。実施形態では、とりわけ、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は第一のフィラー及び/又は第二のフィラーの量を最少化することができ、そして本明細書中に議論するとおり、硬化性組成物の樹脂成分及び硬化剤成分内の他の添加剤を調節するための制御性がより大きくなることができる。
実施形態では、硬化性組成物は接着剤として有用であることができる。樹脂成分及び硬化剤成分の粘度は硬化性組成物を形成する前に増加しない。しかしながら、樹脂成分及び硬化剤成分を混合して硬化性組成物を形成したときに、本明細書中により完全に議論されるとおり、硬化性組成物の粘度が増加し始める。実施形態では、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は硬化性組成物にチクソトロピー性を付与する。樹脂成分及び硬化剤成分を混合するために硬化性組成物に剪断力を加えると、粘度は比較的に低くなり始め、徹底的な混合を可能にする。しかしながら、混合を続け、特に、一旦、印加剪断を除去すると、硬化性組成物の粘度は増加し、一旦、所望の場所に配置したら硬化性組成物がその形状を維持することが可能になる。実施形態では、硬化性組成物の粘度は空気を逃がすのを助けることができ、それにより、取り込まれる空気の量を低減し、そして亀裂の欠陥出発点を最少化することができる。実施形態では、本発明の硬化性組成物はスランプに対する十分な耐性を付与し、それにより、硬化性組成物を種々の方向及び大きな結合ギャップ、たとえば、5センチメートル(cm)を超えるギャップを要求する場所に塗布することができる。
エポキシ化合物は炭素鎖又は環系の2つの隣接もしくは非隣接炭素原子に直接的に酸素が結合している化合物を指す。たとえば、エポキシ化合物は液体であっても、1種以上の液体エポキシ樹脂と1種以上の固体エポキシ樹脂との液体混合物であっても、又は、希釈剤中に溶解された固体エポキシ樹脂であってもよい。本発明のエポキシ化合物はモノマー性、ポリマー性、飽和、不飽和、脂肪族、脂環式、芳香族又は複素環であることができる。
実施形態では、エポキシ化合物は多価アルコールのポリグリシジルエーテル、多価フェノールのポリグリシジルエーテル、ホルムアルデヒド及びフェノールから形成されたノボラック、又はそれらの混合物から選択されうるが、それらに限定されない。多価アルコールのポリグリシジルエーテルの例としては、限定するわけではないが、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、C12〜C14アルキルアルカノール、トリメチロールプロパン、1,6−ヘキサンジオール、脂環式エポキシ樹脂又はそれらの混合物が挙げられる。脂環式エポキシ樹脂の例としては、限定するわけではないが、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)−アジペート、又はそれらの混合物が挙げられる。多価フェノールのポリグリシジルエーテルの例としては、限定するわけではないが、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、シクロドデカノン−ビスフェノール−A、ジ−フェノール−スルホン、スチレン化−フェノール、又はそれらの混合物が挙げられる。実施形態では、エポキシ化合物は好ましくはビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、又は、C12〜C14メチルグリシジルエーテルが挙げられる。実施形態では、エポキシ化合物の量は樹脂成分の合計質量を基準として10質量%(wt%)〜90wt%の範囲、好ましくは50wt%〜80wt%の範囲、そしてより好ましくは60wt%〜80wt%の範囲であることができる。
実施形態では、樹脂成分中の希釈剤は反応性希釈剤であることができ、そして硬化の間に硬化性組成物中の1種以上の他の材料との化学反応に参加し、そして硬化済みエポキシ中に取り込まれることができる。又は、希釈剤は非反応性であることもできる。希釈剤は、硬化特性を変更し、ポット寿命を延長し、硬化性組成物の接着特性を改良し、そして硬化性組成物の粘度を調節するために使用されうる。実施形態では、希釈剤は任意成分である。もし希釈剤を使用するならば、樹脂成分中に使用される量は樹脂成分の合計質量を基準として1wt%〜90wt%の範囲、好ましくは2wt%〜50wt%の範囲、そしてより好ましくは3wt%〜20wt%の範囲であることができる。実施形態では、希釈剤は樹脂成分中に存在するが、希釈剤は硬化剤成分中にも存在してよい。
実施形態では、希釈剤はポリマー性グリシジルエーテルである。ポリマー性グリシジルエーテルはグリシジルエーテルを形成するようにエピクロロヒドリンと反応したポリアルキレンオキシドを含む単位から形成されうる。グリシジルエーテルはアリルグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、又はそれらの混合物からなる群より選択されうる。時折、ポリマー性グリシジルエーテルは、モノ−〜ポリ−ヒドロキシル化合物をアルキレンオキシドと反応させ、そしてポリエーテルポリオール反応生成物をエピクロロヒドリンにより転化し、次いで、その中間体を水性水酸化ナトリウムにより処理してグリシジルエーテルとすることにより形成されうる。さらに、脂環式エポキシ樹脂は希釈剤として使用されうる。ポリマー性グリシジルエーテルの具体的な例としては、限定するわけではないが、ネオペンチルグリシジルエーテルが挙げられる。
実施形態では、樹脂成分中の第一のフィラーはヒュームドシリカであり、樹脂成分の合計質量を基準として10質量%以下の量で使用される。さらに、第一のフィラーは、他のフィラーを含んでもよく、他のフィラーとしては、限定するわけではないが、コロイドシリカ、ベントナイトクレー、マイカ、アトマイズドアルミニウムパウダー、ガラス繊維、タルク、カオリン、金属酸化物又はそれらの混合物が挙げられる。他の任意の第一のフィラーは樹脂成分の合計質量を基準として1wt%〜30wt%の範囲、好ましくは2wt%〜20wt%の範囲、そしてより好ましくは5wt%〜10wt%の範囲の量で使用されうる。実施形態では、第一のフィラーは好ましくはヒュームドシリカである。
上記のとおり、本発明の硬化剤成分は非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を含む。非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は樹脂成分又は硬化剤成分中の他の材料と化学反応せず又は化学反応に参加しない。実施形態では、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は2つ以上の両親媒性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤セグメントから形成されうる。両親媒性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤セグメントの例としては、限定するわけではないが、ジブロックコポリマー、線状トリブロックコポリマー、線状テトラブロックブロックコポリマー、高次マルチブロックコポリマー(higher order multiblock copolymer)、枝分かれブロックコポリマー、星形ブロックコポリマー又はそれらの混合物が挙げられる。非反応性ポリエーテルブロックコポリマーの具体的な例としては、限定するわけではないが、The Dow Chemical Companyから入手可能なFortegra 100(登録商標)、Dow Corning Corporationから入手可能なDow Corning(登録商標) 1248、Dow Corning(登録商標) 190及びDow Corning(登録商標) 5329、又は、それらの混合物が挙げられる。
非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤の追加の例としては、シリコーン非反応性ポリエーテルブロックコポリマーが挙げられる。シリコーン非反応性ポリエーテルブロックコポリマーの例としては、限定するわけではないが、式I
Figure 2013523945
又は式II
Figure 2013523945
(上式中、x, y, z, p, q, k, m及びnは独立に整数である)の化合物が挙げられる。たとえば、x及びyは1以上であることができ、zは0以上であることができ、p及びqは1以上であることができ、k, n及びmは0以上であることができ、ここで、k,n及びmの合計は1以上であることができる。R及びRは独立に水素(H)、(CHCH(rは0以上の整数である)、アセテート及び(メタ)アクリレートから選ばれる末端基であり、EOはエチレンオキシドから誘導されるオリゴマー又はポリマーであり、POはプロピレンオキシドから誘導されるオリゴマー又はポリマーであり、そしてBOはブチレンオキシドから誘導されるオリゴマー又はポリマーである。
実施形態では、本発明の硬化剤成分中に用いられる非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤の量は硬化剤成分の合計質量を基準として1wt%〜20wt%の範囲、より好ましくは2wt%〜15wt%の範囲、そしてなおもより好ましくは3wt%〜10wt%の範囲内である。
実施形態では、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は、樹脂成分と硬化剤成分とを混合したときにミクロ相分離を経験することができるものと考えられる。ミクロ相分離は実質的に均一に分散した、そして実質的に均一にスケール化したナノサイズのミセル構造を形成させることができる。ミセル構造は不混和性ブロックセグメントと混和性ブロックセグメントとのバランスにより生じるミセル化により硬化性組成物中に形成することができる。不混和性ミセル構造は硬化済みエポキシ中に保存され、そして非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤なしの硬化済みエポキシと比較して、耐破壊性及び耐衝撃性を増加する。さらに、本発明は非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤なしの硬化済みエポキシと同様のレベルのガラス転移温度、弾性率及び引張強さを維持する。実施形態では、ミセル構造としては、限定するわけではないが、球形、ウォーム状(worm-like)、ベシクルを挙げることができる。
実施形態では、硬化剤はエポキシ化合物のエポキシ基と反応性である水素基などの活性基を有する化合物から選択されうる。たとえば、硬化剤はアミン及びその誘導体などの窒素含有化合物から選択されうる。さらに、カルボン酸末端ポリエステル、無水物、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール、ビスフェノールA、クレゾールノボラック及びフェノール末端エポキシ樹脂などの酸素含有化合物を硬化剤として使用することができる。さらに、硬化剤は、また、ポリスルフィド、ポリメルカプタンなどの硫黄含有化合物及び第三級アミン、ルイス酸及びルイス塩基などの触媒硬化剤から選択されうる。実施形態では、2種以上の硬化剤の組み合わせは使用されうる。
本発明に使用されうる硬化剤の特定の例としては、限定するわけではないが、ポリアミン、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルスルホン及びその異性体、アミノベンゾエート、酸無水物、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂又はそれらの混合物が挙げられる。1つの好ましい実施形態において、硬化剤は、ポリアミドアミン、イソホロンジアミン及びポリオキシプロピレンジアミンの組み合わせである。実施形態では、硬化剤は硬化剤成分の合計質量を基準として50wt%〜99wt%の範囲、好ましくは60wt%〜95wt%の範囲、そしてより好ましくは80wt%〜90wt%の範囲で使用される。
上記のとおり、硬化性組成物を種々の方向に塗布でき、また、大きな結合ギャップを有する用途で塗布することができるように十分なスランプ耐性を提供する粘度を特定の硬化性組成物が有することが有利である。しかしながら、十分なスランプ耐性を得るためには、従来のアプローチは硬化性組成物に使用される硬化剤のタイプに限定されていた。たとえば、急速に粘度を増加させるために、特定の従来のアプローチは10を超える酸解離定数(pKa)を有する硬化剤を選択するように限定した。pKa値が高いほど、硬化剤がエポキシ基と反応するのが速く、かつ、硬化性組成物の粘度が増加し始めるのが速い。
実施形態では、硬化性組成物の粘度は硬化剤のpKa値に関係なく急速に増加することができる。たとえば、硬化性組成物の粘度は主として非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤により増加するので、pKa値が高い又は低い硬化剤を使用することができる。それゆえ、実施形態では、硬化剤を、pKa値が高い、pKa値が低い又はそれらの混合物である硬化剤から選択することができるので、硬化性組成物の反応性は制御されうる。異なる反応性の硬化剤からの選択により、使用されるプロセス及び/又は用途に最適である硬化剤を特定の反応性の硬化剤に限定することができる。このように、実施形態では、硬化剤は8〜14の範囲のpKa値を有することができる。
上記のとおり、硬化剤成分は第二のフィラーをも含む。実施形態では、第二のフィラーはヒュームドシリカであり、そして硬化剤成分の合計質量を基準として10wt%以下の量で使用される。さらに、第二のフィラーは第一のフィラーについて本明細書中で記載した他の任意のフィラーを含むことができる。他の任意の第二のフィラーは硬化剤成分の合計質量を基準として1wt%〜50wt%の範囲、好ましくは2wt%〜30wt%の範囲、そしてより好ましくは3wt%〜9wt%の範囲の量で使用されうる。
結合ギャップが5cm以上である用途では、硬化性組成物中の種々の材料の熱膨張係数を考慮に入れることができる。たとえば、ガラス繊維の熱膨張係数はエポキシ化合物の熱膨張係数とは大きく異なる。硬化の間に、大きく異なる熱膨張係数は内部応力を増加し、破壊を生じさせることができる。
異なる熱膨張係数を克服するための以前のアプローチは硬化性組成物中に使用されているガラス繊維の量と同様の量の炭酸カルシウムなどの追加のフィラーを添加することであった。しかしながら、追加のフィラーを添加することで熱膨張係数をバランスさせると、材料の剪断強度も低下することがある。
実施形態では、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は硬化性組成物中に使用される第一のフィラー及び第二のフィラーの量を低減することができる。非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤なしの硬化済みエポキシと比較して、耐破壊性を増加させそして耐衝撃性を増加させることにより、硬化済みエポキシの靭性を増加させうる。硬化の間に、もし破壊が起こるならば、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は破壊が伝播するのを防止し及び/又は最少化するのを助けることができる。しかしながら、用途により、硬化性組成物は種々の機械特性を達成するのを助けるために第一のフィラー及び/又は第二のフィラーを含むことができる。実施形態では、硬化性組成物中に使用されるフィラーの量は非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤なしの硬化性組成物と比較して低減されうる。
実施形態では、硬化性組成物は任意の添加剤を含むことができる。任意の添加剤の例としては、限定するわけではないが、空気解放剤、有機染料又は顔料、セルロース増粘剤、促進剤、UV−吸収剤、溶剤、強化剤、安定剤、エクステンダー、可塑剤、難燃剤又はそれらの混合物が挙げられる。実施形態では、任意の添加剤は樹脂成分、硬化剤成分又はその両方の中に存在することができる。任意の添加剤の量は樹脂成分又は硬化剤成分のいずれかの合計質量を基準として70wt%以下であることができる。
実施形態では、樹脂成分及び硬化剤成分の粘度は比較的に低いままなので、2つの成分を徹底的に混合し、そして素速くディスペンスすることができる。本明細書中で議論されるとおり、樹脂成分及び硬化剤成分の粘度は硬化性組成物を形成する前に増加しない。実施形態では、樹脂成分は25℃及び10(1/s)の印加剪断下での粘度が1Pa・s〜70Pa・sの範囲であり、好ましくは5Pa・s〜50Pa・sの範囲であり、より好ましくは10Pa・s〜30Pa・sの範囲である。実施形態では、硬化剤成分は25℃及び10(1/s)の印加剪断下での粘度が5Pa・s〜30Pa・sの範囲である。
樹脂成分及び硬化剤成分を混合し、硬化性組成物を形成する。接触時に、硬化性組成物の粘度は増加し始めることができる。実施形態では、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は硬化性組成物の粘度を増加させることができ、樹脂成分中の材料又は硬化剤成分中の他の材料と反応しない。本発明は、急速なディスペンス及び急速な結合が要求される用途において有利であることができる。たとえば、樹脂成分及び硬化剤成分を混合している間に、硬化性組成物の粘度が100Pa・sよりも高くに増加し、十分なスランプ耐性を付与する移行時間は10秒〜900秒の範囲であることができ、好ましくは30秒〜500秒の範囲であり、そしてより好ましくは50秒〜150秒の範囲である。
実施形態では、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は硬化性組成物にチクソトロピー性を付与する。実施形態では、25℃で10(1/s)の印加剪断下での混合の間の硬化性組成物は粘度が100Pa・s〜900Pa・sの範囲であることができる。さらに、25℃で200(1/s)の印加剪断下での混合の間の硬化性組成物は粘度が3Pa・s〜15Pa・sの範囲である。
実施形態では、混合を止めた後に、すなわち、印加剪断を除去した後に、硬化性組成物の粘度は上昇し続けることができる。実施形態では、混合を止めた900秒後に、硬化性組成物は25℃での粘度が100Pa・s〜1000Pa・sの範囲、好ましくは300Pa・s〜900Pa・sの範囲、そしてより好ましくは400Pa・s〜600Pa・sの範囲であることができる。
実施形態では、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤はヒュームドシリカの凝集を促進することができる。驚くべきことに、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は硬化剤と凝集するヒュームドシリカの量を最少化することができる。非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤なしの硬化性組成物において、ヒュームドシリカは水素結合相互作用から硬化剤と凝集することができる。たとえば、硬化剤はヒュームドシリカの粒子間で水素−水素結合を形成することができる水素含有材料である。硬化剤の水素がヒュームドシリカと反応してヒュームドシリカ粒子の間で水素−水素結合を形成するので、エポキシ化合物のエポキシ基と反応することができる硬化剤の水素の利用可能性を低減する。対照的に、本発明はヒュームドシリカの粒子の間の水素−水素結合を最少化しながら、ヒュームドシリカの凝集を提供する。このように、実施形態では、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤はヒュームドシリカ粒子自体の間の優先的な凝集を提供し、ヒュームドシリカと硬化剤との凝集を最少化する。
本発明の実施形態では、樹脂成分及び硬化剤成分は、当該技術分野で知られている手段により混合して、硬化性組成物を形成することができる。混合は手動でも、機械的でも又はそれらの組み合わせでもよい。ミキサーとしては、限定するわけではないが、遊星型ミキサーが挙げられ、別個の成分カートリッジからの2つの成分を、静的混合ヘッドを有する共通導管中にディスペンスし、その導管を通過するときに成分は混合し、及び/又は、他のタイプのミキサーが挙げられる。
実施形態では、硬化性組成物は樹脂成分中のすべての材料を混合し、硬化剤成分中のすべての材料を混合し、その後、樹脂成分と硬化剤成分とを合わせて、硬化性組成物を形成することにより形成されうる。又は、すべての材料は一度に混合されうる。さらに、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を含まない硬化剤成分を樹脂成分と混合し、それから、2つの成分を混合した後に非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を添加することができる。
実施形態では、硬化済みエポキシは硬化性組成物を硬化することにより形成される。温度及び時間間隔は様々であり得るが、硬化性組成物は70℃で約7時間で硬化されうる。追加の硬化温度及び時間は本発明で使用されうる。たとえば、硬化温度は10℃〜150℃の範囲内の温度を含むことができる。硬化時間は硬化成分、最終の硬化性組成物の配合及び/又は特定の用途によって、数分〜数時間又は数日の範囲であることができる。実施形態では、硬化性組成物は1工程又は複数の工程で硬化されうる。さらに、硬化性組成物は初期硬化の後に異なる温度又はエネルギー源を用いて後硬化されうる。
非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤の別の利点は、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤が液体エポキシ樹脂の結晶化を最少化するのを助け、そして液体エポキシの貯蔵寿命を延長することができる点である。炭酸カルシウムなどのフィラーを含む液体エポキシ樹脂は時間とともに結晶化することができる。結晶化の抑制を助けるために、ビスフェノールFを液体エポキシ樹脂に添加することができる。本発明の実施形態では、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤の添加は結晶化を最少化し、そして結晶化抑制のためにビスフェノールFを添加する必要性を無くす。
本発明の硬化性組成物は接着剤として有利に使用することができ、特に、比較的に大きな構造体を結合するために使用される接着剤として使用することができ、その構造体としては、限定するわけではないが、空力翼、風力タービンブレード及び自動車部品が挙げられる。硬化性組成物を1つ以上の構造体の表面又は構造体の間に塗布し、その後、硬化させることができる。たとえば、構造体は金属、プラスチック、ガラス繊維又は硬化性組成物が結合することができる別の材料であることができる。硬化性組成物は、手動で、又は、機械ディスペンス、スプレイ塗布、ローリング又は他の手順により塗布されうる。
下記の実施例を本発明の範囲を限定せずに、例示するために提供する。
材料
エポキシ化合物D.E.R.(商標)330 (DER 330)、The Dow Chemical Companyから入手可能、
エポキシ化合物D.E.R.(商標)331 (DER 331)、The Dow Chemical Companyから入手可能、
エポキシ化合物D.E.R.(商標)332 (DER 332)、The Dow Chemical Companyから入手可能、
エポキシ化合物D.E.R.(商標)354 (DER 354)、The Dow Chemical Companyから入手可能、
希釈剤POLYPOX(商標)R14 (Polypox)、UPPC GmbHから入手可能、
非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤FORTEGRA 100(商標)(Fortegra)、The Dow Chemical Companyから入手可能、
非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤DOW CORNING(登録商標)1248 FLUID (DC 1248)、The Dow Corning Corporationから入手可能、
非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤、DOW CORNING(登録商標)190 FLUID (DC 190)、The Dow Corning Corporationから入手可能、
非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤DOW CORNING(登録商標)5329 FLUID (DC 5329)、The Dow Corning Corporationから入手可能、
希釈剤POLYPOX(登録商標) R14, (ネオペンチルグリシジルエーテル)、UPPC GmbHから入手可能、
希釈剤C12-C14グリシジルエーテル、The Dow Chemical Companyから入手可能、
硬化剤Versamid 140 (ポリアミドアミン)、Cognis Corporationから入手可能、
硬化剤、イソホロンジアミン (IPDA)、Evonik Industriesから入手可能、
硬化剤、ポリオキシプロピレンジアミンJEFFAMINE(登録商標)D-230 (D-230)、Huntsman International LLCから入手可能、
硬化剤、ジエチレントリアミンDEH 20、The Dow Chemical Companyから入手可能、
フィラーHDK N20 (ヒュームドシリカ)、Wackerから入手可能、
フィラー、ガラス繊維 (Si02, FG 400/060)、Schwarzwalder Textil-Werkeから入手可能、
フィラーOmycarb(登録商標)(炭酸カルシウム)、Mondo Mineralsから入手可能、
粘度試験方法
以下の粘度測定はRheomat (Paar Physical Device DSR4000 SN241151)にて直径25ミリメートル (mm)及びギャップ0.3mmのプレート/プレート形状を用いた剪断応力実験で行った。最初に、状態調節工程を25℃で行った。事前剪断をサンプルに5秒間加え、その後、平衡で10秒間維持した。各々の続いて行う工程において、剪断速度を増加し、そしてサンプルを10分間、1秒毎に取った。
樹脂成分の調製
表Iは樹脂成分配合を示している。樹脂成分はエポキシ化合物、希釈剤及び第一のフィラーを含む。表Iは樹脂成分の合計質量を基準として種々の成分の質量%を示している。
Figure 2013523945
種々の非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を試験のために樹脂成分に添加した。種々の非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を含む樹脂成分0、1及び2の低剪断、中剪断及び高剪断粘度を25℃にて測定した。結果を表IIに示す。
Figure 2013523945
表IIにおいて、幾つかの粘度測定は2つの測定値(第一及び第二の値)として示している。粘度をヒステリシスループで測定し、すなわち、剪断速度を5(1/s)から1000(1/s)に調節し、次いで、5(1/s)に戻して測定した。粘度測定を5(1/s)、500(1/s)及び1000(1/s)で取った。第一の値は1000(1/s)から5(1/s)に戻っているループの部分、すなわち、低剪断への戻りで得られた粘度測定値である。第二の値は5(1/s)から1000(1/s)のループの初期の部分、すなわち、高剪断に増加している部分で得られた粘度測定値である。非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤の添加が配合物の樹脂成分の粘度及びチクソトロピー性を有意に増加しうることが表IIで判る。上記のとおり、樹脂成分及び硬化剤成分の25℃での印加剪断5(1/s)での粘度を30Pa・s未満に維持することが有利である。
非反応性ポリエーテルブロックコポリマーを樹脂成分に添加することが好ましくないことが決定された。このように、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を硬化剤成分に添加し、そして分析した。
硬化剤成分の調製
表IIIは硬化剤成分の配合を示している。硬化剤成分は、硬化剤、第二のフィラー及び非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を含む。表IIIは硬化剤成分の合計質量を基準として硬化剤成分の種々の成分の質量%を示している。
Figure 2013523945
硬化剤成分0、1及び2の低剪断、中剪断及び高剪断粘度を25℃にて測定した。結果を表IVに示す。
Figure 2013523945
表IVにおいて、幾つかの粘度測定値粘度を2つの測定値(第一の値及び第二の値)として示している。粘度はヒステリシスループで測定し、すなわち、剪断速度を10(1/s)から1000(1/s)に調節し、次いで、5(1/s)に戻して測定した。粘度測定を10(1/s)、500(1/s)及び1000(1/s)で取った。第一の値は1000(1/s)から10(1/s)に戻っているループの部分で、すなわち、低剪断への戻りで得られた粘度測定値である。第二の値は10(1/s)から1000(1/s)のループの初期の部分で、すなわち、高剪断に増加している部分で得られた粘度測定値である。
表IVから判るとおり、硬化剤成分0(非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤なし)及び硬化剤成分1(非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を含む)の低剪断、中剪断及び高剪断粘度は実質的に同様の値のままである。さらに、硬化剤成分2(非反応性ポリエーテルブロックコポリマーを含む)は硬化剤成分1の粘度よりも実質的に低く、そして中剪断及び高剪断粘度は硬化剤成分1と実質的に同一である。このように、表IVは非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤の添加が硬化剤成分の粘度を実質的に増加させないことを示している。
例1
例1を樹脂成分及び硬化剤成分を混合して硬化性組成物を形成することにより調製した。表Vは樹脂成分/硬化剤成分の質量比に基づいて例1の組成を示している。
Figure 2013523945
比較例A及びB
比較例A及びBを、樹脂成分及び硬化剤成分を混合して硬化性組成物を形成することにより調製した。表VIは樹脂成分/硬化剤成分の質量比に基づいて比較例A及びBの組成を示している。
Figure 2013523945
粘度試験
粘度を樹脂成分及び硬化剤成分を10(1/s)の印加剪断下に混合して測定した。粘度測定値を25℃で20秒毎に取った。測定値を表VIIに示す。
Figure 2013523945
表VIIにて判るとおり、例1(非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を含む)の粘度は比較例A(非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤なし)よりも急速に増加している。さらに、表II及びIVを参照すると、硬化性組成物を形成する前の例1の2つの成分の低剪断粘度は25℃で30Pa・s未満である。対照的に、硬化性組成物を形成する前の比較例Aの2つの成分の低剪断粘度は樹脂成分については25℃で80Pa・s又はそれ以上であり、硬化剤成分については25℃で70Pa・s又はそれ以上である。
25℃での例1及び比較例Aの硬化性組成物の粘度プロファイルをヒステリシスループ、すなわち、剪断速度を10(1/s)から200(1/s)に調節し、10(1/s)に戻すことにより得た。結果を表VIII中に示す。10(1/s)の剪断速度での第一の値は剪断速度を10(1/s)に戻したときの粘度であり、そして第二の値は10(1/s)の剪断速度での初期粘度である。
Figure 2013523945
表VIIIから判るとおり、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤の添加は硬化性組成物の初期濃度を実質的に増加させることができる。たとえば、例1は初期粘度が500Pa・sであり、一方、比較例Aは初期粘度が300Pa・sである。さらに、硬化性組成物に対してチクソトロピー性が付加されていることは、例1の高剪断粘度が比較例Aよりも低いことから判る。
靭性試験
耐衝撃性
硬化性組成物から形成された硬化済みエポキシの耐衝撃性をISO 6272 (1 キログラム (kg)の落下錘)によりBYK-Gardener衝撃試験機を用いて試験した。落下している錘の落下高さをキャストが破壊するまで増加させた。
例1及び比較例Aについて衝撃試験を測定した。100グラム(g)の例1及び比較例Aを製造することにより試験試料を調製した。硬化性組成物を8.5センチメートル(cm)直径のアルミニウム皿中、0.7cm厚さでキャストした。硬化性組成物を70℃で7時間硬化させた。硬化済みの例の靭性を試験し、そして試験試料が破壊されるときに落下高さ(メートル(m))として与える結果を表IXに示す。
Figure 2013523945
表IXで判るとおり、例1(非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を含む)は比較例A(非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤なし)よりも高い落下高さを有する。このように、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤の添加は本発明の硬化性組成物から形成される硬化済みエポキシの耐衝撃性を増加させる。
耐破壊性
耐破壊性を例1及び比較例Aについて測定した。臨界応力強さ係数K1CをISO 13586により25℃で測定し、そして結果を表Xに示す。材料のK1C値が高いほど、材料の亀裂の開始に対する耐性が良好である。
試験試料をダイアモンドソーで事前にノッチ付けした。万力に挟んだ試験試料上にカミソリ刃をゆっくりと叩いて、亀裂をもたらすことにより微細な亀裂を生じさせた。これにより、自然な亀裂と同様な非常に微細な亀裂根を得ることが可能となる。ノッチの合計深さを双眼拡大鏡を用いて測定する。
Figure 2013523945
表Xにて判るとおり、例1(非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を含む)は比較例B(非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤なし)よりも高いK1C値を有する。このように、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は本開示の硬化性組成物から形成される硬化済みエポキシの耐破壊性を増加させる。
結晶化
非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を液体エポキシ樹脂に添加することによる結晶化の抑制を分析した。非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を液体エポキシのサンプルに添加した。サンプルを25℃で50%相対湿度にて実験室内に6ヶ月間放置した。結晶化を外観検査により決定した。結果を表XIに示す。
Figure 2013523945
6ヶ月の期間で、液体エポキシサンプル1及び2は透明のままであったが、液体エポキシ比較例A及びBは混濁した。このように、エポキシ樹脂に対する非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤の添加は、非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤なしのエポキシ樹脂と比較して、エポキシ樹脂の結晶化に対する耐性を増加した。

Claims (12)

  1. (A)(i)エポキシ化合物、(ii)希釈剤及び(iii)樹脂成分の合計質量を基準として10質量%以下の量の第一のフィラー、を含む樹脂成分、及び、
    (B)(iv)硬化剤、(v)樹脂成分の合計質量を基準として10質量%以下の量の第二のフィラー及び(vi)硬化剤成分の合計質量を基準として1質量%〜20質量%の量の非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤、を含む硬化剤成分、
    を含む、硬化性組成物であって、
    前記樹脂成分及び前記硬化剤成分は各々粘度が25℃で10s−1の印加剪断下に30パスカル−秒以下であり、前記樹脂成分及び前記硬化剤成分の10s−1の印加剪断下での混合の120秒後に硬化性組成物は粘度が25℃で少なくとも100パスカル−秒である、硬化性組成物。
  2. 25℃で10s−1の印加剪断下での混合の間の前記硬化性組成物は粘度が100パスカル−秒〜900パスカル−秒の範囲にある、請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 25℃で200s−1の印加剪断下での混合の間の前記硬化性組成物は粘度が3パスカル−秒〜15パスカル−秒の範囲にある、請求項1又は2記載の硬化性組成物。
  4. 前記非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤は硬化剤成分の合計質量を基準として5質量%である、請求項1〜3のいずれか1項記載の硬化性組成物。
  5. 前記希釈剤は樹脂成分の合計質量を基準として3質量%〜20質量%の範囲にある、請求項1〜4のいずれか1項記載の硬化性組成物。
  6. 前記第一のフィラー及び第二のフィラーはヒュームドシリカであり、前記第一のフィラー中のヒュームドシリカは樹脂成分の合計質量を基準として10質量%の量で使用され、そして前記第二のフィラー中のヒュームドシリカは硬化剤成分の合計質量を基準として6質量%の量で使用される、請求項1〜5のいずれか1項記載の硬化性組成物。
  7. 前記第二のフィラーはガラス繊維を含み、そして硬化剤成分の合計質量を基準として1質量%〜50質量%の範囲の量で使用される、請求項6記載の硬化性組成物。
  8. 前記ヒュームドシリカの粒子は水素−水素結合を実質的に含まない、請求項6記載の硬化性組成物。
  9. (a)(i)エポキシ化合物、(ii)希釈剤及び(iii)第一のフィラーを混合することにより、25℃で30パスカル−秒以下の粘度を有する樹脂成分を形成すること、
    (b)(iv)硬化剤、(v)第二のフィラー及び(vi)非反応性ポリエーテルブロックコポリマー添加剤を混合することにより、25℃で30パスカル−秒以下の粘度を有する硬化剤成分を形成すること、及び、
    (c)前記樹脂成分及び前記硬化剤成分を混合して、硬化性組成物を形成すること、
    の工程を含み、
    前記樹脂成分及び前記硬化剤成分の混合の120秒の後に、前記硬化性組成物は粘度が25℃で少なくとも100パスカル−秒である、硬化性組成物の調製方法。
  10. 前記硬化剤を酸解離定数が8〜14の範囲にある硬化剤から選択することをさらに含む、請求項9記載の方法。
  11. 前記硬化性組成物の粘度が200s−1の印加剪断下に25℃で混合している間に10パスカル−秒〜20パスカル−秒の範囲であるときに表面に前記硬化性組成物を塗布することをさらに含む、請求項9記載の方法。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項記載の硬化性組成物の硬化済みエポキシにより結合された2つ以上の構造体。
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