JP2011525542A - ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェートを含有し、高降伏点を有するヘアコンディショニング組成物 - Google Patents

ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェートを含有し、高降伏点を有するヘアコンディショニング組成物 Download PDF

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Abstract

(a)ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェートであるカチオン性界面活性剤と、(b)高融点脂肪族化合物と、(c)水性キャリアと、を含むヘアコンディショニング組成物であって、この組成物は、少なくとも15Paの降伏点を有し、この降伏点は以下の数式:Y≧3.57X−44.4X+151を満たし、式中、Yはこの組成物の降伏点であり、Xはカチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物との合計量(この組成物の重量百分率)であり、ここで、この組成物は増粘ポリマーを実質的に含まない、ヘアコンディショニング組成物が開示される。本発明の組成物は、毛髪にコンディショニング効果を有効に送達する。

Description

本発明は、(a)ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェートであるカチオン性界面活性剤と、(b)高融点脂肪族化合物と、(c)水性キャリアと、を含むヘアコンディショニング組成物であって、この組成物は、少なくとも15Paの降伏点を有し、この降伏点は以下の数式:Y≧3.57X2−44.4X+151を満たし、式中、Yはこの組成物の降伏点であり、Xはカチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物との合計量(この組成物の重量百分率)であり、ここで、この組成物は増粘ポリマーを実質的に含まない、ヘアコンディショニング組成物に関する。本発明の組成物は、毛髪にコンディショニング効果を有効に送達する。
毛髪の状態を整えるために様々な取り組みが開発されてきた。コンディショニング効果を提供する一般的な方法は、カチオン性界面活性剤及びポリマー、高融点脂肪族化合物、低融点油、シリコーン化合物並びにこれらの混合物のようなコンディショニング剤の使用を介する。これらのコンディショニング剤の大部分は、様々なコンディショニング効果を提供することが知られている。例えば、いくつかのカチオン性界面活性剤は、いくつかの高融点脂肪族化合物及び水性キャリアを共に使用すると、各種コンディショニング効果、濡れた毛髪へ塗布する際のツルツル感、並びに乾いた毛髪の柔らかさ及びしっとり感を提供するのに好適である、ゲルマトリックスを提供すると考えられている。
例えば、国際公開第2006/044209号は、(a)約0.1重量%〜約10重量%のカチオン性界面活性剤と、(b)組成物の約2.5重量%〜約15重量%の高融点脂肪族化合物と、(c)水性キャリアと、を含むヘアコンディショニング組成物であって、カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物及び水性キャリアはラメラゲルマトリックスを形成し、ラメラ層の面間隔dは33nm以下の範囲であり、この組成物は26.7℃で約30Pa以上の降伏応力を有する、ヘアコンディショニング組成物を開示している。このヘアコンディショニング組成物は、改善されたコンディショニング効果を提供し、特に濡れた毛髪へ塗布する際のツルツル感を改善すると言われている。
しかしながら、毛髪にコンディショニング効果を有効に送達する、すなわち、同量の有効成分(カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物など)から改善されたコンディショニング効果を送達する、ヘアコンディショニング組成物に対する必要が存在したままである。
また、改善された濡れコンディショニング効果を提供する一方で市場製品として降伏点などの所望されるレオロジーと所望される安定性とを有する、より低い活性レベルを有するヘアコンディショニング組成物に対する必要も存在したままである。より低い活性レベルを有するコンディショニング組成物がこのような所望のレオロジー及び安定性を有することは更に困難である。より低い活性レベルを有するいくつかの組成物は、このようなレオロジー特性及び安定性を有するために増粘ポリマーを含有する。しかしながら、増粘ポリマーの添加は濡れコンディショニング効果の低減を引き起こすと考えられている。
国際公開第2006/044209号
改善されたコンディショニング効果、特にすすぎ前の濡れコンディショニング効果を維持する一方ですすぎ後の改善された濡れコンディショニング効果及び改善された乾燥コンディショニングを提供するより高い活性レベルを有するヘアコンディショニング組成物に対する必要が存在し続ける可能性がある。改善された製品外観、すなわち、より豊かである、より粘りがある、及び/又は、より濃縮された製品外観、を提供し、消費者がその外観からより高いコンディショニング効果を感じ得る、より高い活性レベルを有する毛髪コンディショニング組成物に対する必要が存在し続ける可能性がある。
既存の技術には、本発明の利点及び利益の全てを提供するものは存在しない。
本発明は、
(a)ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェートであるカチオン性界面活性剤と、
(b)高融点脂肪族化合物と、
(c)水性キャリアと、を含むヘアコンディショニング組成物であって、
この組成物は、少なくとも15Paの降伏点を有し、この降伏点は以下の数式:
Y≧3.57X2−44.4X+151を満たし、
式中、Yはこの組成物の降伏点であり、Xはカチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物との合計量(この組成物の重量百分率)であり、
ここで、この組成物は増粘ポリマーを実質的に含まない、ヘアコンディショニング組成物を目的とする。
本発明の組成物は、毛髪にコンディショニング効果を有効に送達する。
更に、本発明の組成物、特により低い活性レベルを有するものは、増粘ポリマーを有さずに市場製品として降伏点などの所望されるレオロジーと所望される安定性とを有することができ、それゆえに濡れコンディショニング効果を劣化させない。
更に、本発明の組成物、特により高い活性レベルを有するものは、改善されたコンディショニング効果及び/又は改善された製品外観を提供できる。
本発明の前述及びその他の特徴、態様及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を読むことで、よりよく理解される。
本明細書は、本発明を特定して指摘し明確に請求する請求項をもって結論とするが、本発明は、添付図面の以降の説明からより良く理解されると考えられる。
ラメラ二重層1及び水2を含むラメラゲルマトリクスの面間隔d測定の実施形態を示す。
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、以下の記載から更に十分に理解されるものと考えられる。
本明細書において、「含む」とは、最終結果に影響しない他の工程及び他の成分も加え得ることを意味する。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。
百分率、部及び比は全て、特に記述しない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。全てのこのような重量は、提示された成分に関する場合、活性成分の濃度に基づき、したがって市販材料に包含される場合のあるキャリア又は副生成物を包含しない。
本明細書において、「混合物」は、複数種類の材料の単純な組み合わせと、結果としてそのような組み合わせから生じることがあるあらゆる化合物とを包含するように意図されている。
組成物
本発明のヘアコンディショニング組成物は、
(a)ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェートであるカチオン性界面活性剤と、
(b)高融点脂肪族化合物と、
(c)水性キャリアと、を含むヘアコンディショニング組成物であって、
この組成物は、少なくとも15Paの降伏点を有し、この降伏点は以下の数式:
Y≧3.57X2−44.4X+151、好ましくはY≧3.51X2−41.8X+137、より好ましくはY≧3.51X2−41.8X+140を満たす。
式中、Yはこの組成物の降伏点であり、Xはカチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物との合計量(この組成物の重量百分率)であり、ここで、この組成物は増粘ポリマーを実質的に含まない、ヘアコンディショニング組成物を目的とする。
上記の特定の数式を満たす降伏値を有することにより、本発明の組成物は、毛髪にコンディショニング効果を有効に送達できることが、本発明の発明者らによって見出された。更に、上記の特定の数式を満たす降伏値を有することにより、本発明の組成物、特により低い活性レベルを有するものは、増粘ポリマーを有さずに市場製品として降伏点などの所望されるレオロジーと所望される安定性とを有することができ、それゆえに濡れコンディショニング効果を劣化させないことが、本発明の発明者らによって見出された。更に、上記の特定の数式を満たす降伏値を有することにより、本発明の組成物、特により高い活性レベルを有するものは、改善されたコンディショニング効果及び/又は改善された製品外観を提供できることが、本発明の発明者らによって見出された。
本発明の組成物を形成するには、「製造方法」の見出しの下に記載されている方法により組成物を調製することが好ましい。
(i)降伏点
本発明の降伏点は、TA Instrumentsから入手可能な型式名AR2000のレオメータを用い、1000μmの間隙を有する直径40mmの平行型形状を使用して、1Hzの周波数及び25℃で、動的な振幅応力で掃引することにより測定される。
本発明の組成物は、市場製品として所望されるレオロジー及び製品安定性を提供することを考慮して、約15Pa以上、好ましくは約18Pa以上の降伏点を有する。
好ましくは、すすぎ後の改善された濡れコンディショニング効果及び改善された乾燥コンディショニングを提供する。ことを考慮して、本発明の組成物は、好ましくは約20Pa以上、より好ましくは約23Pa以上、更に好ましくは25Pa以上の降伏点を有する。上記降伏点はまた、より豊かである、より粘りがある、及び/又は、より濃縮された製品外観を提供することを考慮して、好ましいものであり得る。
降伏点は、広がり性及び製品外観を考慮して、好ましくは最大約80Pa、より好ましくは最大約75Pa、更に好ましくは最大70Paである。
(ii)カチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物との合計量
カチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物との合計量は、本組成物の効果を提供することを考慮して好ましくは組成物の約4重量%以上、より好ましくは約4.5重量%以上、更に好ましくは約5重量%以上であり、広がり性及び製品外観を考慮して組成物の約15重量%以下、好ましくは約14重量%以下、より好ましくは約13重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。
(iii)増粘ポリマーを実質的に含まない
本発明の組成物は、増粘ポリマーを実質的に含まない。増粘ポリマーの添加は、製品の広がり性を低減すると考えられている。本発明では、「組成物は増粘ポリマーを実質的に含まない」とは、組成物が増粘ポリマーを含まないこと、又は、たとえ組成物が増粘ポリマーを含有したとしても、このような増粘ポリマーの濃度は非常に低いことを意味する。本発明では、このような増粘ポリマーの濃度は、含まれる場合でも、組成物の1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下、更に好ましくは0.06重量%である。最も好ましくは、このような増粘ポリマーの濃度は、組成物の0重量%である。このような増粘ポリマーには、例えば、非イオン性及びカチオン性グアーポリマーなどのグアーポリマー、セチルヒドロキシエチルセルロースのような非イオン性、カチオン性及び/又は疎水変性セルロースポリマーなどのセルロースポリマー、ポリクアテルニウム−37のような非イオン性及びカチオン性合成ポリマーなどの他の合成ポリマーが挙げられる。
(iv)面間隔D
驚くべきことに、上記特定の変換率及び特定の降伏点の組み合わせにより特徴付けられる組成物が、たとえこのような組成物が国際公開第2006/044209号の組成物の面間隔dよりも大きな面間隔dを有する場合でも、改善された濡れ性能、特にすすぎ後の濡れコンディショニングを提供することが本発明の発明者らによって見出された。このようなより大きな面間隔dとは、本明細書では、33nm超(33nmは除外)の面間隔dを意味する。本発明の面間隔dは、図1に示すように、ラメラゲルマトリックス中の、2つのラメラ二重層間の距離に1つのラメラ二重層の幅を加えたものを意味する。このため、面間隔dは、次式:
面間隔D=d水+d二重層に従うと定義される。
面間隔Dは、PANalyticalから商標名SAXSessで入手可能な高フラックス小角X線散乱(SAXS)器具を0.085<2θ/度<40に相当する0.06<q/nm-1<27であるqの範囲(q=4π/λsin(θ)、式中、λは波長であり、θは散乱角の半分である)で使用することにより、測定することができる。全データの透過性は、異なる試料の相対強度が得られるように、減衰一次ビーム強度をモニターすること及びそれを1つに正規化することにより較正される。透過性の較正により、正味の試料の錯乱から、水による寄与分を正確に差し引くことができる。面間隔dは、次式(Braggの式として公知):
nλ=2dsin(θ)(式中、nはラメラ二重層の数である)に従い算出される。
カチオン性界面活性剤
本発明の組成物は、ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェートであるカチオン性界面活性剤を含む。カチオン性界面活性剤は、本発明の効果を提供することを考慮して、組成物の約0.5重量%以上、好ましくは約1重量%以上、より好ましくは約1.5重量%以上、更に好ましくは約1.8重量%以上、更により好ましくは約2.0重量%以上であり、約8重量%以下、好ましくは約5重量%以下、より好ましくは約4重量%以下の濃度で組成物中に含むことができる。
本発明の組成物は、約12個〜約40個の炭素原子を、好ましくは約16個〜約30個の炭素原子を有する1本の長アルキル鎖を持つ他のモノ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤などの他のカチオン性界面活性剤を含有することができる。このような他のモノ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤には例えば、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリドなどの他のモノ長鎖アルキル四級アンモニウム塩、ステアリルアミドプロピルジメチルアミンとL−グルタミン酸との塩及びベヘニルアミドプロピルジメチルアミンとL−グルタミン酸との塩などの三級アミン、三級アミドアミン及びこれらの塩が挙げられる。他のモノ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤が含有されるとき、ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェートは、組成物中のカチオン性界面活性剤の合計量の約50重量%〜約100重量%、より好ましくは約70重量%〜約100重量%、更に好ましくは約80重量%〜約100重量%、更により好ましくは約90重量%〜約100重量%の濃度で含まれることが好ましい。
改善された濡れコンディショニング効果を考慮して、組成物は、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド及びジステアリルジメチルアンモニウムクロリドなどの約12個〜約40個の炭素原子を持つ2本の長アルキル鎖を持つジ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤を実質的に含まないことが本発明では好ましい。本発明では、「組成物は、ジ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤を実質的に含まない」とは、組成物がジ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤を含まないこと、又は、たとえ組成物がジ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤を含有したとしても、このようなジ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤の濃度は非常に低いことを意味する。本発明では、このようなジ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤の濃度は、含まれる場合でも、組成物の1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である。最も好ましくは、このようなジ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤の濃度は、組成物の0重量%である。
高融点脂肪族化合物
高融点脂肪族化合物は、本発明の効果を提供することを考慮して、組成物の約1.5重量%以上、好ましくは約2重量%以上、より好ましくは約4重量%以上、更に好ましくは約5重量%以上、更により好ましくは約5.5重量%以上であり、約15重量%以下、好ましくは約10重量%以下の濃度で組成物中に含むことができる。
本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、ゲルマトリックスの安定性を考慮して、25℃以上、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上、更に好ましくは50℃以上の融点を有する。このような融点は、より容易な製造及びより容易な乳化を考慮して、好ましくは最大約90℃、より好ましくは最大約80℃、更に好ましくは最大約70℃、更により好ましくは最大約65℃である。本発明では、高融点脂肪族化合物は、単一化合物として、又は、少なくとも2つの高融点脂肪族化合物の配合物若しくは混合物として、使用することができる。このような配合物又は混合物として使用されるとき、上記融点とは、配合物又は混合物の融点を意味する。
本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体及びこれらの混合物からなる群から選択される。当業者は、本明細書のこの項に開示されている化合物が、場合によっては2つ以上の分類に属することができる(例えば、いくつかの脂肪族アルコール誘導体が脂肪酸誘導体として分類されることもあり得る)ことを理解している。しかしながら、示されている分類は、その特定の化合物に対する限定であるように意図するのではなく、分類及び命名法の便宜上そのようにしている。更に、二重結合の数及び位置、並びに分枝鎖の長さ及び位置に応じて、ある必要な炭素原子を有するある化合物が上記の本発明において好ましい融点未満の融点を有する可能性があることが、当業者には理解されている。そのような低融点の化合物はこの項に含まれないものとする。高融点化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992に記載されている。
様々な高融点脂肪族化合物のうち、脂肪族アルコールが好ましくは本発明の組成物に使用される。本明細書で有用な脂肪族アルコールは、約14個〜約30個の炭素原子、好ましくは約16個〜約22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪族アルコールは、飽和しており、直鎖若しくは分枝鎖アルコールでもあり得る。
好ましい脂肪族アルコールには、例えば、セチルアルコール(約56℃の融点を有する)、ステアリルアルコール(約58〜59℃の融点を有する)、ベヘニルアルコール(約71℃の融点を有する)及びこれらの混合物が挙げられる。これらの化合物は、上記の融点を有することが知られている。しかしながら、これらは多くの場合、供給されるときにより低い融点を有するが、それはこのような供給される製品は多くの場合、主アルキル鎖がセチル、ステアリル又はベヘニル基であるアルキル鎖長分布を有する脂肪族アルコールの混合物であるからである。本発明では、より好ましい脂肪族アルコールは、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びこれらの混合物である。
本明細書で有用な市販の高融点脂肪族化合物には、Shin Nihon Rika(Osaka、Japan)から入手可能な商品名KONOLシリーズ及びNOF(Tokyo、Japan)から入手可能な商品名NAAシリーズのセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコール;WAKO(Osaka、Japan)から入手可能な商品名1−DOCOSANOLの純粋なベヘニルアルコールが挙げられる。
水性キャリア
本発明のコンディショニング組成物は水性キャリアを含む。このキャリアの濃度と種は、他の成分との適合性及び製品の他の所望の特性により選択される。
本発明で有用なキャリアには、水、並びに低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、炭素数1〜6の一価アルコール、より好ましくはエタノール及びイソプロパノールである。本明細書で有用な多価アルコールには、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
好ましくは、水性キャリアは実質的に水である。好ましくは脱イオン水が使用される。ミネラルカチオンを包含する天然源からの水も、製品の所望の特性に応じて使用することができる。一般的に、本発明の組成物は約20%〜約99%、好ましくは約30%〜約95%、より好ましくは約80%〜約90%の水を含む。
ゲルマトリックス
本発明の組成物は、ラメラゲルマトリックスを含むゲルマトリックスを含む。ゲルマトリックスは、カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族化合物、及び水性キャリアを含む。このゲルマトリックスは、濡れた毛髪へ塗布する際のツルツル感、並びに乾いた毛髪の柔らかさ及びしっとり感などの種々のコンディショニング効果を提供するのに好適である。
このカチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物は、改善された濡れコンディショニング効果を提供することを考慮して、カチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物の重量比が、好ましくは約1:1〜約1:10、より好ましくは約1:1〜約1:4、更に好ましくは約1:2〜約1:4の範囲になるように、含有される。
好ましくは、ゲルマトリックスの安定性を考慮して、本発明のコンディショニング組成物は、アニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを実質的に含まない。本発明では、「組成物は、アニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを実質的に含まない」とは、組成物がアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを実質的に含まないこと、又は、たとえ組成物がアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを含有したとしても、このようなアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーの濃度は非常に低いことを意味する。本発明では、このようなアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーの合計濃度は、含まれる場合でも、組成物の1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である。最も好ましくは、このようなアニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーの合計濃度は、組成物の0重量%である。
シリコーン化合物
好ましくは、本発明の組成物は好ましくはシリコーン化合物を含有する。シリコーン化合物は、乾燥した毛髪に滑らかさ及び柔らかさを提供することができると考えられる。本明細書のシリコーン化合物は、好ましくは組成物の約0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、更により好ましくは約1重量%〜約8重量%の濃度で使用され得る。
好ましくは、シリコーン化合物は、組成物中にて、約1ミクロン〜約50ミクロンの平均粒径を有する。
本明細書において有用なシリコーン化合物は、単一化合物として、少なくとも2つのシリコーン化合物の配合物又は混合物として、あるいは少なくとも1つのシリコーン化合物と少なくとも1つの溶媒との配合物又は混合物として、好ましくは25℃において約1,000〜約2,000,000mPa・sの粘度を有する。
粘度は、Dow Corning Corporate試験方法CTM0004、1970年7月20日に記載されるガラスキャピラリー粘度計によって測定できる。好適なシリコーン流体には、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、アミノ置換シリコーン、四級化シリコーン及びこれらの混合物が挙げられる。コンディショニング特性を有する他の不揮発性シリコーン化合物も使用することができる。
好ましいポリアルキルシロキサンには、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。ジメチコンとしても知られるポリジメチルシロキサンが、特に好ましい。これらのシリコーン化合物は、例えば、General Electric CompanyからそのViscasil(登録商標)及びTSF 451シリーズで、及び、Dow CorningからそのDow Corning SH200シリーズで入手可能である。
上記ポリアルキルシロキサンは、例えば、低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として入手可能である。このような混合物の粘度は、好ましくは約1,000mPa・s〜約100,000mPa・s、より好ましくは約5,000mPa・s〜約50,000mPa・sである。かかる混合物は、好ましくは、(i)25℃において約100,000mPa・s〜約30,000,000mPa・s、好ましくは約100,000mPa・s〜約20,000,000mPa・sの粘度を有する第一シリコーンと、(ii)25℃において約5mPa・s〜約10,000mPa・s、好ましくは約5mPa・s〜約5,000mPa・sの粘度を有する第二シリコーンと、を含む。本明細書で有用なこのような混合物には、例えば、GE Toshibaから入手可能な18,000,000mPa・sの粘度を有するジメチコンと200mPa・sの粘度を有するジメチコンとの配合物、GE Toshibaから入手可能な18,000,000mPa・sの粘度を有するジメチコンとシクロペンタシロキサンとの配合物が挙げられる。
本明細書で有用なシリコーン化合物は、また、シリコーンゴムを含む。用語「シリコーンゴム」は、本明細書で使用するとき、25℃において1m2/s(1,000,000センチストークス)以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン材料を意味する。本明細書に記載のシリコーンゴムはまた、上に開示したシリコーン化合物と一部重複する部分もあり得るとみなされる。この重複は、これらの物質のいずれにおいても限定を意図しない。「シリコーンゴム」は、典型的に約200,000を超え、一般的に約200,000〜約1,000,000の質量分子量を有する。具体例には、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサンジフェニルシロキサンメチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。シリコーンゴムは、例えば、低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として入手可能である。本明細書で有用なそのような混合物には、例えば、Shin−Etsuから入手可能なゴム/シクロメチコンブレンドが挙げられる。
本明細書で有用なシリコーン化合物には、また、アミノ置換物質が挙げられる。好ましいアミノシリコーンには、例えば、次の一般式(I)に一致するものが挙げられる。
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-bm−O−SiG3-a(R1a
式中、Gは水素、フェニル、ヒドロキシ又はC1〜C8アルキルであり、好ましくはメチルであり、aは0又は1〜3の値を有する整数であり、好ましくは1であり、bは0、1又は2であり、好ましくは1であり、nは0〜1,999の数であり、mは0〜1,999の整数であり、nとmの合計は1〜2,000の数であり、aとmは両方共に0にはならず、R1は一般式CqH2qLに従う一価のラジカルであり、式中、qは2〜8の値を有する整数であり、Lは以下の基:−N(R2)CH2−CH2−N(R22、−N(R22、−N(R23-、−N(R2)CH2−CH2−NR22-から選択され、式中、R2は水素、フェニル、ベンジル又は飽和炭化水素ラジカルであり、好ましくは約C1〜約C20のアルキルラジカルであり、A-はハロゲン化物イオンである。
極めて好ましいアミノシリコーンは、式(I)に対応するものであり、式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは好ましくは約1500〜約1700、より好ましくは約1600であり、Lは−N(CH32又は−NH2、より好ましくは−NH2である。別の極めて好ましいアミノシリコーンは、式(I)に対応するものであり、式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルであり、nは好ましくは約400〜約600、より好ましくは約500であり、Lは−N(CH32又は−NH2、より好ましくは−NH2である。このような極めて好ましいアミノシリコーンは、末端アミノシリコーンと呼ばれるが、これはシリコーン鎖の一端又は両端が、窒素含有基によって末端処理されているためである。
上述のアミノシリコーンを組成物中に組み込む場合、低粘度を有する溶媒と混合することができる。このような溶媒には、例えば、極性若しくは非極性、揮発性若しくは不揮発性油が挙げられる。このような油には、例えば、シリコーン油、炭化水素、及びエステルが挙げられる。このような各種溶媒のうち、好ましいものは、非極性、揮発性炭化水素、揮発性環状シリコーン、不揮発性直鎖シリコーン及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。本発明で有用な不揮発性直鎖シリコーンは、25℃において約1E−6〜約0.02m2/s(約1〜約20,000センチストークス)、好ましくは約2E−5〜約0.01m2/s(約20〜約10,000センチストークス)の粘度を有するものである。好ましい溶媒のうち、極めて好ましいのは、アミノシリコーンの粘度を低下させ、乾燥した毛髪上の摩擦低減のような改善されたヘアコンディショニング効果を提供することを考慮して、非極性で揮発性の炭化水素、特に非極性で揮発性のイソパラフィンである。このような混合物の粘度は、好ましくは約1,000mPa・s〜約100,000mPa・s、より好ましくは約5,000mPa・s〜約50,000mPa・sである。
他の好適なアルキルアミノ置換シリコーン化合物には、シリコーン主鎖のペンダント基としてアルキルアミノ置換体を有するものが挙げられる。極めて好ましいものは、「アモジメチコン」として知られているものである。本明細書で有用な市販のアモジメチコンには、例えば、Dow Corningから入手可能なBY16−872が挙げられる。
上記シリコーン化合物は更に、機械的混合によるか又はエマルション重合化による合成段階で、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される界面活性剤の助けを借りて又は助け無しで製造されるエマルションの形態で本発明の組成物に組み入れることができる。
追加的構成成分
本発明の組成物は、他の追加的な成分を包含してもよく、それは最終的な製品の所望の特性に照らして当業者により選択されてもよく、またそれは組成物をより美容的又は審美的に許容可能なものにするかあるいは付加的な使用効果を組成物に提供するのに好適なものである。このような他の追加的な成分は、一般に、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約5重量%までの濃度で個々に使用される。
他の多種多様な追加的な成分が本組成物に配合可能である。これらには、他のコンディショニング剤、例えば、Hormelから入手可能な商標名Peptein 2000の加水分解コラーゲン、Eisaiから入手可能な商標名Emix−dのビタミンE、Rocheから入手可能なパンテノール、Rocheから入手可能なパンテニルエチルエーテル、加水分解したケラチン、タンパク質、植物抽出物、及び栄養素;防腐剤、例えば、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン及びイミダゾリジニル尿素;pH調整剤、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム;着色剤、例えば、食品、医薬品及び化粧品用又は医薬品及び化粧品用染料のいずれか;香料;及び金属封鎖剤、例えば、二ナトリウムエチレンジアミンテトラ−アセテート;紫外線及び赤外線用スクリーニング及び吸収用薬剤、例えば、ベンゾフェノン;並びにふけ防止剤、例えば、ジンクピリチオン、が挙げられる。
低融点油
本明細書で有用な低融点油は、25℃未満の融点を有するものである。本発明で有用な低融点油は、約10個〜約40個の炭素原子を有する炭化水素、オレイルアルコールなどの約10個〜約30個の炭素原子を有する不飽和脂肪族アルコール、約10個〜約30個の炭素原子を有する不飽和脂肪酸、脂肪酸誘導体、脂肪族アルコール誘導体、ペンタエリスリトールテトライソステアレートなどのペンタエリスリトールエステル油、トリメチロールエステル油、クエン酸エステル油及びグリセリルエステル油のようなエステル油、ポリデセンなどのポリα−オレフィン油、並びに、これらの混合物からなる群から選択される。
製品形態
本発明のコンディショニング組成物は、リンスオフ製品又はリーブオン製品の形態であることができ、これらに制限されないが、クリーム、ジェル、エマルション、ムース及びスプレーを包含する多種多様な製品形態で配合されることができる。本発明のコンディショニング組成物は、リンスオフヘアーコンディショナーに特に好適である。
使用方法
本発明のコンディショニング組成物は、好ましくは毛髪のコンディショニング方法に使用され、この方法は以下の工程を含む。
(i)毛髪をシャンプーした後、毛髪をコンディショニングするために有効量のコンディショニング組成物を毛髪に塗布する工程、及び、
(ii)その後、毛髪をすすぐ工程。
本明細書での有効量は、例えば、毛髪10g当たり約0.1mL〜約2mL、好ましくは毛髪10g当たり約0.2mL〜約1.5mLである。
本発明のコンディショニング組成物は、改善されたコンディショニング効果、特に、すすぎ前の濡れコンディショニング効果を維持する一方ですすぎ後の改善された濡れコンディショニング効果及び改善された乾燥コンディショニングを提供する。本発明のコンディショニング組成物はまた、消費者に改善された製品外観を提供することができる。それゆえに、本発明のコンディショニング組成物は低減された投与量でも、全投与量の従来のコンディショナー組成物のコンディショニング効果と同じレベルのコンディショニング効果を提供することができる。本明細書では、このような低減された投与量は、例えば、毛髪10g当たり約0.3mL〜約0.7mLである。
製造方法
本発明の組成物は、好ましくは以下の工程を含む方法により調製される。
(1)カチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物とを含むプレミックス(これ以降、「油相」として示し得る)を調製する工程であって、このプレミックスの温度が高融点脂肪族化合物の融点よりも高い、工程と、
(2)水性キャリア(これ以降、「水相」として示し得る)を調製する工程であって、この水性キャリアの温度が高融点脂肪族化合物の融点よりも低い、工程と、
(3)プレミックスを水性キャリアと混合して、ゲルマトリックスを形成する工程。
好ましくは、この方法は、含まれる場合にはシリコーン化合物、香料、防腐剤などの追加成分をゲルマトリックスに添加する工程を更に含む。
プレミックスは、水性キャリアと混合するとき、好ましくは約25℃以上、より好ましくは約40℃以上、更に好ましくは約50℃以上、更により好ましくは約55℃以上、一層好ましくは約65℃以上、並びに、好ましくは約150℃以下、より好ましくは約95℃以下、更に好ましくは約90℃以下、更により好ましくは約85℃以下、の温度を有する。
水性キャリアは、プレミックスと混合するとき、好ましくは約10℃以上、より好ましくは約15℃以上、更に好ましくは約20℃以上、並びに、好ましくは約65℃以下、より好ましくは約55℃以下、更に好ましくは約52℃以下、の温度を有する。水性キャリアの温度は、プレミックスと混合するとき、プレミックスの温度よりも好ましくは少なくとも約5℃低く、より好ましくは少なくとも約10℃低い。水性キャリアの温度は、プレミックスと混合するとき、高融点脂肪族化合物の融点よりも好ましくは約2℃〜約60℃低く、より好ましくは約2℃〜約40℃低く、更に好ましくは約2℃〜約30℃低い。
好ましくは、プレミックスと水性キャリアは、高剪断ホモジナイザーを使用することにより、混合される。本明細書で有用なこのような高剪断ホモジナイザーには、例えば、Sonic Corporationから入手可能なSonolator(登録商標)、APV Manton Corporationから入手可能なManton Gaulinタイプのホモジナイザー、Microfluidics Corporationから入手可能なMicrofluidizer、A.Berents Gmbh & Co.から入手可能なBecomix(登録商標)が挙げられる。
カチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物との合計量は、本組成物の効果を提供することを考慮して好ましくは組成物の約7.0重量%以上、より好ましくは約7.5重量%以上、更に好ましくは約8.0重量%以上であり、広がり性及び製品外観を考慮して組成物の約15%以下、好ましくは約14重量%以下、より好ましくは約13重量%以下、更に好ましくは10重量%以下である。
好ましくは、混合工程(3)は、以下の詳細な工程を含む。(3−1)約1.0×102J/m3以上のエネルギー密度を有する高剪断場の中に油相又は水相のいずれかを供給する工程と、(3−2)その場にもう一方の相を供給する工程と、(3−3)エマルションを形成する工程。好ましくは、方法は、以下のうちの少なくとも1つを要求する。混合工程(3)が、回転部材を有するホモジナイザーを使用することにより行われ、界面活性剤がモノアルキルカチオン性界面活性剤であり、組成物がジアルキルカチオン性界面活性剤を実質的に含まないこと、並びに、界面活性剤がカチオン性界面活性剤であり、油相が、油相の0〜約50重量%の水性キャリアを含有し、好ましくは油相が水を実質的に含まないこと。
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明し、かつ、実証する。これら実施例は、例示目的のためにのみ提供され、しかも、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、それらの多くの変更が可能であることから、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。成分は、適用できる場合は、化学名又はCTFA名称で識別され、そうでない場合には以下で定義される。
Figure 2011525542
構成成分の定義
*1 アミノシリコーン:GEから入手可能、10,000mPa・sの粘度を有し、以下の化学式(I)を有する。
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-bm−O−SiG3-a(R1a (I)
式中、Gはメチルであり、aは1の整数であり、bは0、1又は2であり、好ましくは1であり、nは400〜約600の数であり、mは0の整数であり、R1は、一般式CqH2qLに従う一価のラジカルであり、式中、qは3の整数であり、Lは、−NH2である。
*2 セチルヒドロキシエチルセルロース:Hurcules Incから入手可能なPolysurf。
調製方法
「実施例1」〜「実施例4」のコンディショニング組成物は、以下のようにして好適に作製される。
カチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物を混合し、約65℃〜約90℃に加熱して、プレミックスを形成する。別個に、水を約25℃〜約52℃で準備する。Becomix(登録商標)直接噴射式ローター/ステーターホモジナイザーにおいて、水が存在し、1.0×104J/m3〜1.0×107J/m3のエネルギー密度を有する高剪断場にプレミックスを噴射する。ゲルマトリックスが形成される。シリコーン化合物、香料、防腐剤を、含まれる場合、ゲルマトリックスに攪拌しながら添加する。次に、組成物を室温に冷却する。
上記で示したように、「実施例i」〜「実施例ii」のコンディショニング組成物は、当該技術分野において周知の任意の従来方法によって調製することができる。これらは、次のようにして好適に調製される。
カチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物を、攪拌しながら水に添加して、約80℃に加熱する。混合物を約55℃に冷却し、ゲルマトリックスが形成される。シリコーン化合物、香料、防腐剤を、含まれる場合、ゲルマトリックスに攪拌しながら添加する。次に、混合物を室温に冷却する。ポリマーを、含まれる場合、混合物に攪拌しながら添加する。
特性及びコンディショニング効果
実施例1〜4及び実施例i〜iiの上記組成物に関して、降伏応力を上記方法により測定する。組成物のいくつかについては、面間隔dも上記方法により測定する。組成物のいくつかについては、コンディショニング効果を以下の方法により評価する。組成物のこのような特性及び評価の結果を下表1に示す。
すすぎ前の濡れコンディショニング
Texture Analyzer(TA XT Plus,Texture Technologies(Scarsdale,NY,USA))という名称の装置によって測定される毛髪摩擦推力により、すすぎ前の濡れコンディショニングを評価する。1gの組成物を10gの毛髪サンプルに塗布する。毛髪サンプル上に組成物を広げた後、それをすすぐ前に、毛髪サンプルとポリウレタンパッドとの間の摩擦推力(g)を上記装置により測定する。
A:対照と比較して、5%超(5%は除外)〜10%の摩擦推力低減
B:対照と比較して、最大5%(5%を含む)の摩擦推力低減
C:対照又は対照と同等
D:対照と比較して、摩擦推力増加
すすぎ後の濡れコンディショニング
Texture Analyzer(TA XT Plus,Texture Technologies(Scarsdale,NY,USA))という名称の装置によって測定される毛髪摩擦推力により、すすぎ後の濡れコンディショニングを評価する。1gの組成物を10gの毛髪サンプルに塗布する。毛髪サンプル上に組成物を広げた後、それを温水で30秒間にわたってすすぐ。次に、毛髪サンプルとポリウレタンパッドとの間の摩擦推力(g)を上記装置により測定する。
A:対照と比較して、5%超(5%は除外)〜10%の摩擦推力低減
B:対照と比較して、最大5%(5%を含む)の摩擦推力低減
C:対照又は対照と同等
D:対照と比較して、摩擦推力増加
乾燥コンディショニング
Instron Tester(Instron 5542,Instron,Inc(Canton,Mass.,USA))という名称の装置によって測定される毛髪摩擦推力により、乾燥コンディショニング性能を評価する。2gの組成物を20gの毛髪サンプルに塗布する。毛髪サンプル上に組成物を広げた後、それを温水で30秒間にわたってすすぎ、毛髪サンプルを一晩にわたって置いておき、乾燥させる。毛髪に沿って毛髪表面とウレタンパッドとの間の摩擦推力(g)を測定する。
A:対照と比較して、5%超(5%は除外)〜10%の摩擦推力低減
B:対照と比較して、最大5%(5%を含む)の摩擦推力低減
C:対照又は対照と同等
D:対照と比較して、摩擦推力増加
製品外観
6人の官能試験員により、パッケージから0.4mLのコンディショナー製品を分配するときの製品外観を評価する。
A:3人〜6人の官能試験員が、「製品が粘りのある製品外観を有し、その外観から好印象を受けた」と答えた。
B:1人〜2人の官能試験員が、「製品が粘りのある製品外観を有し、その外観から好印象を受けた」と答えた。
C:対照又は対照と同等
Figure 2011525542
開示され、先述の「実施例1」〜「実施例4」により示されている実施形態は、洗い流し用途に特に有用である本発明のヘアコンディショニング組成物である。このような実施形態は、多くの利点を有する。例えば、これらは、毛髪にコンディショニング効果を有効に送達する、すなわち、同量の有効成分(カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪族化合物など)から改善されたコンディショニング効果を送達する。
例えば、実施例1〜4と実施例iiは、本発明の組成物が、実施例iiの組成物と比較して、毛髪にコンディショニング効果を有効に送達することを示す。同じ量及び約18%低減量のカチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物とをそれぞれ有する実施例3及び2の組成物は、実施例iiの組成物と比較して、改善されたコンディショニング効果及び製品外観を提供する。約23%低減量のカチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物とを共に有する実施例1及び4の組成物は、実施例iiの組成物と比較して、同じ又はより良好なコンディショニング効果及び改善された製品外観を提供する。
例えば、実施例3と実施例iとの間の比較は、実施例3の組成物が、同じ量のカチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物とを有するが増粘ポリマーも有する実施例iの組成物と比較して、改善されたコンディショニング効果を有することを示す。例えば、実施例1、2及び4の組成物は、増粘ポリマーを有さずに改善されたレオロジー及び安定性を有し、一方、低減量のカチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物を有する。
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各々のこうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、本明細書中に参照により全てが組み込まれる。いずれの文献の引用も、こうした文献が本明細書中で開示又は特許請求の範囲に記載されるいずれかの発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のあらゆる参照文献との組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、援用文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

Claims (11)

  1. (a)ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェートであるカチオン性界面活性剤と、
    (b)高融点脂肪族化合物と、
    (c)水性キャリアと、を含むヘアコンディショニング組成物であって、
    前記組成物は、少なくとも15Paの降伏点を有し、前記降伏点は以下の数式:
    Y≧3.57X2−44.4X+151を満たし、
    式中、Yは前記組成物の降伏点であり、Xはカチオン性界面活性剤と高融点脂肪族化合物との合計量(前記組成物の重量百分率)であり、
    ここで、前記組成物は増粘ポリマーを実質的に含まない、ヘアコンディショニング組成物。
  2. 前記数式がY≧3.51X2−41.8X+137である、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
  3. 前記数式がY≧3.51X2−41.8X+140である、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
  4. 前記組成物の降伏点が少なくとも約18Paである、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
  5. 前記組成物の降伏点が最大約80Paである、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
  6. 前記組成物が、ジ長鎖アルキルカチオン性界面活性剤を実質的に含まない、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
  7. ベヘニルトリメチルアンモニウムメトサルフェートが前記組成物中に前記カチオン性界面活性剤の合計量の約50%〜約100%の濃度で含まれる、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
  8. 前記組成物が、アニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを実質的に含まない、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
  9. 前記カチオン性界面活性剤及び前記高融点脂肪族化合物の重量比が、約1:1〜約1:4の範囲内である、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
  10. 毛髪のコンディショニング方法であって、前記方法は以下の工程:
    (i)毛髪をシャンプーした後、前記毛髪をコンディショニングするために有効量の請求項1に記載のコンディショニング組成物を前記毛髪に塗布する工程と、
    (ii)その後、毛髪をすすぐ工程と、を含む、毛髪のコンディショニング方法。
  11. 前記有効量が毛髪10g当たり約0.3mL〜約0.7mLの低減投与量である、請求項10に記載の毛髪のコンディショニング方法。
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