JPH10180088A - 高粘度乳化液体の製造方法 - Google Patents

高粘度乳化液体の製造方法

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JPH10180088A
JPH10180088A JP35727296A JP35727296A JPH10180088A JP H10180088 A JPH10180088 A JP H10180088A JP 35727296 A JP35727296 A JP 35727296A JP 35727296 A JP35727296 A JP 35727296A JP H10180088 A JPH10180088 A JP H10180088A
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oil
liquid crystal
tank
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JP35727296A
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Akio Shiraishi
昭夫 白石
Masami Yoshiba
正美 吉葉
Shoji Konishi
詔二 小西
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 油相と水相の一部とからなる液晶構造体
を形成する工程、及び該液晶構造体に水相の残部を添
加、混合して転相させる工程をそれぞれライン混合装置
5,6により行って高粘度のO/W型エマルジョンタイ
プの乳化液体を製造することを特徴とする高粘度乳化液
体の製造方法。 【効果】 系の粘度が高くなる工程及び気泡が混入し易
い工程である液晶構造体の形成工程及び液晶構造体の転
相工程をライン混合装置を用いて連続的に行うことによ
って、乳化の均一性に優れ、且つ気泡の混入も少ない高
粘度乳化液体を高価な装置を使用することなく容易に製
造することができ、装置の大型化も容易であるために大
量生産も可能となり、例えばヘアリンス、クリーム、乳
液、液体洗剤、柔軟剤などの繊維仕上げ剤等として使用
され、その粘度が高い乳化液体を製造する方法として好
適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、減圧装置や特殊な
型式の撹拌装置を用いることなく、高粘度のO/W型エ
マルジョンタイプの乳化液体を調製することができる高
粘度乳化液体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】高粘度
乳化液体は、一般にチクソトロピー性を有しており、静
置状態では著しく高粘度となるために、一旦、高粘度乳
化液体に気泡を混入させると、これを除去することは困
難である。従って、高粘度乳化液体を製造する際には、
気泡の混入を防止することが必須であり、従来より、高
粘度乳化液体を製造する場合は、減圧装置を付属した真
空用撹拌槽を用いることによって、気泡の混入を防止し
ながら製造する方法が採用されている。
【0003】一方、従来、ヘアリンス、クリーム、柔軟
剤、シャンプー等のO/W型(水中油型)エマルジョン
タイプの乳化液体を製造する好適な方法としては、例え
ば予め油相と水相の一部とからなる液晶構造体を形成
し、これに水相の残部を加え、転相させてO/W型エマ
ルジョンを形成させる方法があり、この方法によれば、
単に油相と水相とを混合乳化する他の方法に比べて容易
にO/W型エマルジョンタイプの乳化液体を製造するこ
とができ、且つ油相の分散状態が均一で、しかも安定性
にも優れる乳化液体を得ることができる。
【0004】しかし、上記方法の場合、通常の粘度のも
のを製造する場合であっても、工程途中で著しい高粘度
域を経由することが多く、高粘度の乳化液体を製造する
ためには、撹拌装置としてパドルにアジホモミキサーや
掻き取り装置を兼備した特殊な型式のものを使用し、更
に減圧装置を付属した真空用撹拌槽を用いることが必要
となるために、上記のような方法で高粘度乳化液体を製
造するには、高価で、且つ大型化が困難な製造装置を使
用する必要があった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、高粘度の乳化液体を製造するに当たり、減圧装置や
特殊な型式の撹拌装置を用いなくても、油相の分散状態
が均一で、しかも安定性にも優れるのみならず、気泡の
混入もない高粘度乳化液体を容易に製造することができ
る高粘度乳化液体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、
連続相が液晶相から非液晶相に転相を伴う方法、即ち油
相と水相の一部とからなる液晶構造体を形成し、これに
水相の残部を添加、混合して転相させる方法によって、
高粘度のO/W型エマルジョンタイプの乳化液体を製造
する場合、著しく高粘度域となる工程及び気泡の混入し
易い工程を配管途中に設けたライン混合装置で連続的に
行うことにより、減圧装置や特殊な型式の撹拌装置を用
いることなく、気泡の混入の少ない高粘度乳化液体を容
易に製造することができることを見出し、本発明をなす
に至った。
【0007】即ち、本発明は、油相と水相の一部とから
なる液晶構造体を形成する工程、及び該液晶構造体に水
相の残部を添加、混合して転相させる工程をそれぞれラ
イン混合装置により行って高粘度のO/W型エマルジョ
ンタイプの乳化液体を製造することを特徴とする高粘度
乳化液体の製造方法を提供する。
【0008】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の高粘度乳化液体の製造方法は、油相と液晶
とから液晶構造体を形成する工程と液晶構造体を転相さ
せる工程とをライン混合装置を用いて連続的に行うこと
によって、特殊な撹拌装置、撹拌槽を使用することな
く、気泡の混入のない高粘度のO/W型乳化液体を製造
するものであり、製造過程において転相を伴う方法で製
造されるO/W型エマルジョンタイプの乳化液体、例え
ばヘアリンス、クリーム、乳液、液体洗剤、柔軟剤など
の繊維仕上げ剤等として使用される高粘度の乳化液体を
容易に製造することができるものである。ここで、本発
明の製造方法によって製造される高粘度乳化液体は、B
型回転粘度計を使用し、30rpmで回転させて10回
転目の粘度を測定する場合、0.5〜10Pa・s(2
5℃)であり、且つ密度が980〜1100kg/m3
の範囲のものである。なお、以下において「粘度」は、
上記測定方法による粘度を意味する。
【0009】ここで、本発明において用いられる油相
は、乳化液体の種類、目的に応じた各種の油性成分から
なるものであり、このような油性成分として、柔軟剤な
どの衣料用仕上げ剤、化粧料、医薬品、洗浄剤等の各種
分野の製品に使用されている疎水性の油分を使用するこ
とができるが、通常、衣類の風合いを変える、皮膚に保
湿効果を与える、髪に栄養を与える、抗菌・殺菌効果を
与えるなどの機能を持つものが好適に使用される。具体
的には、例えばシリコーンオイル,環状シリコーン,変
性シリコーンなどの合成油、流動パラフィン,流動イソ
パラフィン,パラフィンワックスなどの鉱油、ホホバ
油,オリーブ油,オリーブスクワラン,ヒマシ油,カル
ナウバワックスなどの植物油、ラノリン,スクワラン,
ミンク油などの動物油、ラウリン酸ヘキシル,パルミチ
ン酸イソプロピル,オレイン酸,ステアリン酸等の脂肪
酸や脂肪酸エステルなどを挙げることができ、さらに具
体的機能として、トリクロサン,ヒノキチオール,トリ
クロカルバン,イソプロピルメチルフェノールなどの油
溶性の抗菌・殺菌剤、ブチルパラベン,プロピルパラベ
ン,安息香酸,サリチル酸,ソルビン酸などの油溶性の
防腐剤、ジブチルヒドロキシトルエン,ブチルヒドロキ
シアニソール,トコフェロールなどの油溶性の酸化防止
剤、リナロール,シトロネロール,ゲラニオール,ゲラ
ニルアセテートなどの油溶性の香料、その他油溶性のU
V吸収剤、防虫剤、保湿剤等を挙げることができ、これ
らは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用す
ることができる。
【0010】本発明の上記油性成分の配合量は、その種
類、乳化液体の目的、用途等により適宜選定されるもの
であるが、通常、乳化液体全体の0.5〜20重量%、
特に1〜15重量%であることが望ましい。油性成分の
配合量が少なすぎると油性成分配合の効果が十分に得ら
れない場合があり、油性成分の配合量が多すぎると液晶
構造体及びエマルジョンの形成が困難となる場合があ
る。
【0011】本発明の油相は、上記油性成分の他に、膜
形成成分を含有するものであり、膜形成成分としては、
下記一般式(1)で示される第4級アンモニウム塩、第
3級アミン塩、イミダゾリン塩、イミダゾリニウム塩、
アミノ酸系カチオン界面活性剤などのカチオン界面活性
剤から選ばれる1種又は2種以上か、あるいは上記カチ
オン界面活性剤と下記一般式(2)で示される高級アル
コールとの混合物が好適に使用され、これらの中でも特
に第4級アンモニウム塩が好適である。
【0012】
【化1】 (但し、式中R1は炭素数10〜24のアルキル基又は
アルケニル基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、炭素
数10〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、R
1及びR2はそれぞれ無置換であってもよく、−O−,−
CONH−,−COO−等の官能基で分断もしくは−O
H等の官能基で置換されていてもよい。R3は炭素数1
〜3のアルキル基、R4は炭素数1〜3のアルキル基又
はベンジル基であり、Xはハロゲン原子又はモノアルキ
ル硫酸基である。) R5−OH …(2) (但し、式中R5は炭素数12〜22のアルキル基であ
る。)
【0013】上記膜形成成分としては、具体的に式
(1)の第4級アンモニウム塩としてステアリルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルア
ンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ジ牛脂アルキルジメチルアンモニウムブ
ロマイド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライ
ド、オレイルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘ
ニルトリメチルアンモニウムクロライド等、アミノ酸系
カチオン界面活性剤としてヤシ油脂肪酸L−アルギニン
エチル−DL−ピロリドンカルボン酸、4−グアニジノ
ブチルラウリルアミド酢酸等が例示され、第3級アミン
塩としてジステアリルメチルアミン塩酸塩、ジオレイル
メチルアミン塩酸塩、ジステアリルメチルアミン硫酸塩
等が例示され、これら第3級アミン塩の場合、アルキル
鎖は、−COO−,−CONH−等の官能基で分断され
ていてもよい。また、イミダゾリン塩として1−オクタ
デカノイルアミノエチル−2−ヘプタデシルイミダゾリ
ン塩酸塩、1−オクタデセノイルアミノエチル−2−ヘ
プタデセニルイミダゾリン塩酸塩等、イミダゾリニウム
塩としてメチル−1−牛脂アミドエチル−2−牛脂アル
キルイミダゾリニウムメチルサルフェート、メチル−1
−ヘキサデカノイルアミドエチル−2−ペンタデシルイ
ミダゾリニウムクロライド、エチル−1−オクタデセノ
イルアミドエチル−2−ヘプタデセニルイミダゾリニウ
ムエチルサルフェート等、式(2)の高級アルコールと
してセトステアリルアルコール、ドデシルアルコール、
セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルア
ルコール等が例示される。
【0014】上記膜形成成分の配合量は、乳化液体全体
に対して1〜30重量%、特に2〜20重量%が好適で
ある。配合量が少なすぎると液晶構造体及びエマルジョ
ンの形成が困難となる場合があり、一方、過剰量配合す
ると粘度の経日安定性が不良となる場合がある。また、
上記油相中における油性成分との配合割合は、上記油性
成分が膜形成成分の0重量%を超え、50重量%以下、
特に0重量%を超え、20重量%以下であることが望ま
しく、油性成分の配合割合が大きすぎると油性成分を包
含している膜形成成分からなるベシクルが破壊してしま
う場合がある。
【0015】本発明の油相には、上記油性成分及び膜形
成成分以外に、本発明の効果を妨げない範囲で、エチレ
ングリコール,プロピレングリコール,グリセリン等の
多価アルコールやエタノール,イソプロピルアルコール
等の低級アルコールなどの有機溶剤、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の各種乳化
剤などの添加剤を、通常の使用量で配合することができ
る。
【0016】次に、本発明の水相としては、液晶形成工
程に使用される液晶形成用水相(水相の一部)と転相工
程に使用される転相用水相(水相の残部)とからなるも
のである。ここで、液晶形成用水相と転相用水相とは、
同一成分からなるものであっても、異なっていてもよ
く、それぞれ液晶構造体の形成に適した水相成分からな
る水相、エマルジョンの形成及び安定性に適した水相成
分からなる水相とすることができるが、得られる乳化液
体の乳化均一性を考慮すると、転相用水相として、ヒド
ロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロー
ス,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,メチルセル
ロース等の疎水基を有するセルロースポリマー又はカル
ボキシビニルポリマーを転相用水相全体に対して0.1
重量%以上含む水相、又は油相を全体の1重量%以上含
むO/W型エマルジョンからなる水相を使用すると、い
ずれの場合も転相時の水相と油相との親和力が増すの
で、油相の分散が良好となり、均一な乳化液体が得られ
るので好適である。
【0017】特に、転相用水相として、上記疎水基を有
するセルロースポリマー又はカルボキシビニルポリマー
を転相用水相全体に対して0.2重量%以上含む水相、
又は油相を全体の3重量%以上含むO/W型エマルジョ
ンからなる水相を使用すれば、転相時の水相と油相との
親和力がより増加するので、液晶構造体に転相させる際
の温度を上記油相の融点以下としても、油相の分散性に
優れた乳化液体を得ることが可能となり、より好適であ
る。
【0018】本発明の水相を形成する水相成分として
は、水の他に乳化剤、分散安定剤、低温安定化剤、無機
塩類、色素及びその他の各種水溶性有効成分等が例示さ
れる。具体的には、乳化剤としてポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル,脂肪酸ポリエチレングリコール
等の非イオン界面活性剤など、分散安定剤としてポリア
クリル酸,カルボキシメチルセルロースなど、低温安定
化剤としてエチレングリコール,プロピレングリコー
ル,グリセリンなど、無機塩類として塩化ナトリウム,
塩化カルシウム等の塩酸塩,硫酸ナトリウム塩等の硫酸
塩など、色素としてアシッドレッド138,アシッドブ
ルー9,アシッドイエロー141,リアクティブブル
ー、その他の各種水溶性有効成分としてイソチアゾロン
などの抗菌剤、ヒドロキシエタンジホスホン酸などの酸
化防止剤などが挙げられる。また、上記疎水基を有する
セルロースポリマーやカルボキシビニルポリマーにグリ
シン等を適宜量混合したものを性能向上剤として配合し
ても好適である。
【0019】なお、本発明により製造された高粘度乳化
液体は、転相工程が終了した後であっても、本発明の効
果を妨げない範囲で、更に上記性能向上剤、低温安定化
剤、無機塩類、色素等を適宜配合することもできる。
【0020】上記高粘度乳化液体における水相と油相と
の配合割合は、油相の組成、目的とする粘度等により適
宜選定されるが、通常、重量比で油相:水相=1:2〜
1:20となる量が好適である。油相の配合割合が低す
ぎると油相配合の効果を得るのが困難となる場合があ
り、高すぎるとエマルジョン形成が困難となる場合があ
る。また、液晶構造体を形成する際に使用される液晶形
成用水相(水相の一部)の油相に対する配合割合は、液
晶構造体形成及び膜形成成分のベシクル化率の点からベ
シクルになる直前の液晶構造体を形成する量が好適であ
り、通常、重量比で油相:液晶形成用水相=1:0.5
〜1:2となる量が好適である。一方、液晶構造体に対
して添加される水相の残部(転相用水相)の配合割合
は、乳化液体中の油相の配合量、乳化液体の安定性、油
相の成分等により適宜選定されるが、通常、重量比で液
晶構造体:転相用水相=1:0.5〜1:15となる量
が好適である。
【0021】次に、本発明の高粘度乳化液体の製造方法
を図面を用いて説明する。図1は、本発明の製造方法に
おいて使用される装置配置の一例を示すものである。図
1において、1は油相混合槽、2は水相加温槽、3は水
相調製槽であり、これらの槽内の油相及び水相は、それ
ぞれ定量供給ポンプ4,4,4により、液晶構造体形成
用混合装置5又は転相用混合装置6内に供給される。そ
して、上述したように転相工程終了後に、乳化液体に性
能向上剤等を調合する場合は、転相用混合装置6から調
合用撹拌槽7に供給される。本発明の場合、上記油相混
合槽1、水相加温槽2、水相調製槽3、定量供給ポンプ
4,4,4及び調合用撹拌槽7は、製造工程に転相を伴
う乳化液体の製造装置として、従来より使用されている
装置を用いるものである。
【0022】本発明の製造方法は、系の粘度が液晶構造
体が形成されるに従って高くなる液晶構造体形成工程に
使用される液晶構造体形成用混合装置5、及び粘度が高
い液晶構造体を水相と混合して、液晶構造体を転相させ
る工程で使用される転相用混合装置6としてライン混合
装置を使用して、液晶構造体の形成及びその転相を連続
的に行うことによって、製造工程における気泡の混入を
防止するものである。ここで、ライン混合装置として
は、例えばラインミキサー、ラインアジホモミキサー、
遠心式ポンプ等を挙げることができ、特に液晶構造体形
成用混合装置5の場合、これらの装置の中でも、回転数
が600rpm以上、特に600〜3000rpmであ
って、且つ液の滞留時間が3分間以上であるものが好適
に使用される。この範囲を逸脱した装置では、液晶構造
体の形成が不十分となり、最終的に均一な乳化液体が得
られない場合がある。ここで、液晶構造体形成用混合装
置5が使用される系の粘度は、上述したように、液晶構
造体が形成されるに従って高くなるものであるが、本発
明の場合、液晶構造体形成用混合装置5が使用される系
の粘度としては、10〜100Pa・sが好適である。
【0023】また、転相用混合装置6の場合、回転数が
1200rpm以上、特に1200rpm〜4000r
pmであるものが好適に使用される。この範囲を逸脱し
た装置では、油相の分散が不十分となり、均一な乳化液
体が得られない場合がある。本発明の製造方法によって
製造される高粘度乳化液体は、上述したように粘度が
0.5〜10Pa・s(25℃)の範囲のものであるの
で、転相用混合装置6が使用される系の粘度としても同
様の範囲のものが好適である。
【0024】本発明の製造方法は、まず、油相混合槽1
中で油相の上記各成分を適宜溶融、混合して油相を調製
した後、必要に応じて加温、保温しておき、また、水相
加温槽2及び水相調製槽3中で、それぞれ水を適宜加
温、保温すると共に、必要に応じて上記水溶性成分を適
宜溶解させて、液晶形成用水相及び転相用水相を調製
し、保温しておく。そして、油相混合槽1中の油相及び
水相加温槽2中の水相を上述した所定の配合割合となる
ように、定量供給ポンプ4,4で同時に液晶構造体形成
用混合装置5に連続供給して、液晶構造体を形成する。
この場合、液晶構造体形成温度、即ち油相混合槽1及び
水相加温槽2での保温温度と液晶構造体形成用混合装置
5の設定温度を油相の膜形成成分の相転移温度(Tc
以上とする。液晶構造体形成温度がTcに満たないと液
晶構造体形成及び液晶構造体と油相中の膜形成成分以外
の成分との混合が不十分となり、膜形成成分のベシクル
化率が低下する。なお、液晶構造体の形成温度とTc
の温度差は、液晶構造体形成の際の他の形成条件を考慮
して適宜選定することができるが、通常、液晶構造体の
形成温度がTcよりも5〜20℃、特に10〜15℃程
度高いことが望ましい。
【0025】そして、上記液晶構造体形成用混合装置5
において形成された液晶構造体を転相用混合装置6に連
続的に供給すると同時に、水相調製槽3内の転相用水相
を定量供給ポンプ4で転送用混合装置6に上述した所定
の配合割合となるように転相用水相の供給速度を調節し
て連続供給して、液晶構造体を転相させて高粘度のO/
W型乳化液体を調製する。ここで、水相調製槽3での保
温温度は、特に制限されるものではなく、上記Tc以下
でも転相可能であるが、油相の水相への分散性を考慮す
れば、転相用水相を上記Tc以上に保温して、液晶構造
体と混合することが好ましい。
【0026】なお、本発明の高粘度乳化液体の製造方法
において、上述したように転相工程が終了した後に、更
に上記性能向上剤等を配合する場合、得られた高粘度乳
化液体を調合用撹拌槽7に供給すると共に、性能向上剤
Aを調合用撹拌槽7に仕込み、気泡が混入しないよう
に、例えばパドルを用いて20〜100rpm程度で混
合する。
【0027】
【発明の効果】本発明の高粘度乳化液体の製造方法によ
れば、系の粘度が高くなる工程及び気泡が混入し易い工
程である液晶構造体の形成工程及び液晶構造体の転相工
程をライン混合装置を用いて連続的に行うことによっ
て、乳化の均一性に優れるのみならず、気泡の混入も少
ない高粘度乳化液体を高価な装置を使用することなく容
易に製造することができる。また、従来より高粘度乳化
液体の製造に一般に使用されている撹拌槽は真空用であ
るために耐圧構造が必要であり、更に撹拌装置としては
パドルにアジホモミキサーや掻き取り装置(スクレー
パ)を兼備したものが使用され、その構造が複雑である
のみならず、槽壁とのクリアランスが小さいために、撹
拌槽が真円である必要があることなどから、大型撹拌槽
の製作は技術的に難しく、また製作費も非常に高価とな
るのに対して、本発明のようにパイプラインミキサー等
のライン混合装置を使用して高粘度乳化液体を製造する
場合、設備自体が小さくてすむ上に、供給速度の調整だ
けで大量生産が可能となる。また、ライン混合装置を使
用しない工程においては、通常の常圧タイプの撹拌槽を
使用することができるために、装置の大型化も容易であ
る。従って、本発明は、例えばヘアリンス、クリーム、
乳液、液体洗剤、柔軟剤などの繊維仕上げ剤等として使
用され、その粘度が高い乳化液体を製造する方法として
好適である。
【0028】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、以下の例において、部は重量部を、
%は重量%を意味する。
【0029】[実施例1〜4] <リンスの製造>図1に示す上記装置を使用して、下記
のようにリンスを製造した。まず、油相混合槽1に下記
成分を仕込み、約70℃で混合溶解して、油相を得た。 塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 12.5部 ステアリルアルコール 20.0部 パルミチン酸セチル 5.0部 モノラウリン酸ソルビタン 5.0部 モノステアリン酸ソルビタン 5.0部 プロピレングリコール 50.3部 メチルパラベン 1.8部 油溶性香料 4.0部 安息香酸 1.0部 合 計 104.6部
【0030】次に、精製水115.0部を水相加温槽2
に仕込み、約70℃に保持して液晶構造体形成用水相と
すると共に、精製水132.0部を水相調製槽3に仕込
み、約70℃に加温してヒドロキシエチルセルロース
1.0部を溶解して転相用水相とした。
【0031】上記油相と液晶構造体形成用水相とを、そ
れぞれ定量供給ポンプ4,4により、30分間かけて一
定速度で70℃に設定した表1に示す型式の液晶構造体
形成用混合装置5内に供給して、表1に示す回転数、滞
留時間で混合して液晶構造体を連続的に形成すると共
に、形成された液晶構造体は、転相用水相とそれぞれ3
0分間かけて一定速度で同時に表1に示す型式の転相用
混合装置6内に供給されるように設定して、表1に示す
回転数で混合して連続的にO/W型エマルジョンに転相
させた。
【0032】得られたO/W型エマルジョンをパドル型
の調合用撹拌槽7に仕込み、全液晶構造体の転相工程が
終了した後に、調合用撹拌槽7に精製水524.4部及
び下記組成の性能向上剤123部を添加して、実施例1
〜4のリンス(高粘度乳化液体)を得た。 [性能向上剤の組成] ヒドロキシエチルセルロース 5.0部 グリシン液(グリシン10.0部及びメチルパラベン 0.2部を精製水84.8部に溶解) 95.0部 NA−8E液(ポリオキシエチレンノニルフェニルエ ーテル2.7部及びプロピレングリコール3.3部 を精製水4.0部に溶解) 10.0部 リン酸液(リン酸1.2部を精製水4.8部に溶解) 6.0部 色素液(微量の色素を精製水7.0部に溶解) 7.0部
【0033】[比較例1〜3]実施例1において、液晶
構造体形成用混合装置5及び転相用混合装置6に代えて
図2に示すように、パドル8にアジホモミキサー9及び
スクレーパ10を付設した混合装置を使用し、各装置に
おける撹拌条件を表1に示すものとした以外は、実施例
1と同様にして比較例1〜3のリンス(高粘度乳化液
体)を得た。
【0034】得られた各高粘度乳化液体の乳化の均一性
及び気泡の混入程度を下記の方法で評価した。結果を表
1に併記する。 [乳化の均一性の評価]顕微鏡により(拡大倍率:40
0倍)、油滴径を観察して、最大油滴径と平均油滴径の
比をもって均一性の指標とした。 [気泡の混入の評価]化粧品原料基準の一般試験法「比
重測定法−第1法A」により、高粘度乳化液体の見掛比
重を測定し、真比重との差の大小をもって気泡の混入の
指標とした。
【0035】
【表1】
【0036】表1によれば、本発明の製造方法の場合、
液晶構造体を形成する工程及び液晶構造体を転相させる
工程をライン混合装置で連続的に行うことによって、乳
化の均一性に優れ、且つ気泡の混入の少ない高粘度乳化
液体が得られるのに対して、上記工程をライン混合装置
を使用しないで行った場合(比較例1〜3)、得られた
高粘度乳化液体は均一性に劣るのみならず、気泡の混入
が多いものとなってしまうことが認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一例を説明する製造装置の
該略説明図である。
【図2】本発明の比較例に使用した混合装置の模式図で
ある。
【符号の説明】
5 液晶構造体形成用混合装置(ライン混合装置) 6 転相用混合装置(ライン混合装置)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油相と水相の一部とからなる液晶構造体
    を形成する工程、及び該液晶構造体に水相の残部を添
    加、混合して転相させる工程をそれぞれライン混合装置
    により行って高粘度のO/W型エマルジョンタイプの乳
    化液体を製造することを特徴とする高粘度乳化液体の製
    造方法。
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