JPH10182339A - 乳化液体の粘度の調整方法 - Google Patents

乳化液体の粘度の調整方法

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JPH10182339A
JPH10182339A JP35726996A JP35726996A JPH10182339A JP H10182339 A JPH10182339 A JP H10182339A JP 35726996 A JP35726996 A JP 35726996A JP 35726996 A JP35726996 A JP 35726996A JP H10182339 A JPH10182339 A JP H10182339A
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viscosity
phase
emulsified liquid
liquid crystal
liquid
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JP35726996A
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English (en)
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Akio Shiraishi
昭夫 白石
Masami Yoshiba
正美 吉葉
Naomoto Okubo
直基 大久保
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Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 膜形成成分を含有する油相に液晶形成用
水相を添加して液晶構造体を形成させた後、該液晶構造
体に転相用水相を添加、混合して転相させて、O/W型
エマルジョンタイプの乳化液体を製造する際に、転相時
に加える撹拌力を調整することによって、乳化液体の粘
度を調整することを特徴とする乳化液体の粘度の調整方
法。 【効果】 油相と水相とからなる液晶構造体を形成し、
これをO/W型エマルジョンに転相させる際に、撹拌力
を調整するのみで乳化液体の粘度を調整でき、増粘剤の
増減などによる成分調整が不要なので、乳化液体の成
分、製品原価の変動、操作の煩雑化を伴うこともなく、
製品原価の低減も可能で、例えばヘアリンス、乳液、液
体洗剤、繊維仕上げ剤等の乳化液体の粘度調整方法とし
て好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、O/W型エマルジ
ョンタイプの乳化液体の粘度を乳化液体を製造する際の
撹拌条件によって調整することができる乳化液体の粘度
の調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ヘアリンス、クリーム、シャンプー等のO/W型エマル
ジョンタイプの乳化液体は、通常、適度な粘度をもたせ
ることにより、使用時の使用感や付着性を良好にしてい
る。ところで、上記のような乳化液体において所定の粘
度を得るためには、高分子増粘剤の添加量を増減するな
どの方法によって、乳化液体の粘度を調整する必要があ
る場合が多い。
【0003】しかし、上記のような方法により粘度を調
整すると、乳化液体の成分の変動や製品原価の変動が生
じたり、製造時の操作の煩雑化を伴うという問題が生じ
る。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、油相と水相の一部とからなる液晶構造体に水相の残
部を添加してO/W型エマルジョンに転相させる際に加
える撹拌力を変化させることによって、乳化液体の成分
の変動を伴わずにその粘度を調整することができる乳化
液体の粘度の調整方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、
液晶構造体をO/W型エマルジョンに転相させる際に用
いる機械的力の大小によって、水相中に分散する油滴の
大きさ、形状、分散均一性等を変動させて、得られる乳
化液体の粘度を調整できることを見出し、本発明をなす
に至った。
【0006】即ち、本発明は、膜形成成分を含有する油
相に液晶形成用水相を添加して液晶構造体を形成させた
後、該液晶構造体に転相用水相を添加、混合して転相さ
せて、O/W型エマルジョンタイプの乳化液体を製造す
る際に、転相時に加える撹拌力を調整することによっ
て、乳化液体の粘度を調整することを特徴とする乳化液
体の粘度の調整方法を提供する。
【0007】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の乳化液体の粘度の調整方法は、乳化液体の
粘度をその成分によって調整するのではなく、膜形成成
分を含有する油相及び水相とを用いて乳化液体を製造す
る際の製造条件、即ち油相と液晶形成用水相とからなる
液晶構造体に転相用水相を添加して、液晶構造体をO/
W型エマルジョンに転相させる際に用いる撹拌機やミキ
サーの回転数を変えることにより、乳化液体の粘度を調
整するものであり、製造過程において転相を伴う方法で
製造されるO/W型エマルジョンタイプの乳化液体、例
えばヘアリンス、クリーム、乳液、液体洗剤、柔軟剤な
どの繊維仕上げ剤等として使用される乳化液体の粘度
を、乳化液体中の高分子化合物等の増粘剤の増減によら
ず調整するものである。
【0008】ここで、本発明において用いられる油相
は、乳化液体の種類、目的に応じた各種の油性成分から
なるものであり、このような油性成分として、柔軟剤な
どの衣料用仕上げ剤、化粧料、医薬品、洗浄剤等の各種
分野の製品に使用されている疎水性の油分を使用するこ
とができるが、通常、衣類の風合いを変える、皮膚に保
湿効果を与える、髪に栄養を与える、抗菌・殺菌効果を
与えるなどの機能を持つものが好適に使用される。具体
的には、例えばシリコーンオイル,環状シリコーン,変
性シリコーンなどの合成油、流動パラフィン,流動イソ
パラフィン,パラフィンワックスなどの鉱油、ホホバ
油,オリーブ油,オリーブスクワラン,ヒマシ油,カル
ナウバワックスなどの植物油、ラノリン,スクワラン,
ミンク油などの動物油、ラウリン酸ヘキシル,パルミチ
ン酸イソプロピル,オレイン酸,ステアリン酸等の脂肪
酸や脂肪酸エステルなどを挙げることができ、さらに具
体的機能として、トリクロサン,ヒノキチオール,トリ
クロカルバン,イソプロピルメチルフェノールなどの油
溶性の抗菌・殺菌剤、ブチルパラベン,プロピルパラベ
ン,安息香酸,サリチル酸,ソルビン酸などの油溶性の
防腐剤、ジブチルヒドロキシトルエン,ブチルヒドロキ
シアニソール,トコフェロールなどの油溶性の酸化防止
剤、リナロール,シトロネロール,ゲラニオール,ゲラ
ニルアセテートなどの油溶性の香料、その他油溶性のU
V吸収剤、防虫剤、保湿剤等を挙げることができ、これ
らは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用す
ることができる。
【0009】上記油性成分の配合量は、その種類、乳化
液体の目的、用途等により適宜選定されるものである
が、通常、乳化液体全体の0.5〜20重量%、特に1
〜15重量%であることが望ましい。油性成分の配合量
が少なすぎると油性成分配合の効果が十分に得られない
場合があり、油性成分の配合量が多すぎると液晶構造体
の形成及びエマルジョンの形成が困難となる場合があ
る。
【0010】本発明の油相は、上記油性成分の他に、膜
形成成分を含有するものであり、膜形成成分としては、
下記一般式(1)で示される第4級アンモニウム塩、第
3級アミン塩、イミダゾリン塩、イミダゾリニウム塩、
アミノ酸系カチオン界面活性剤などのカチオン界面活性
剤から選ばれる1種又は2種以上か、あるいは上記カチ
オン界面活性剤と下記一般式(2)で示される高級アル
コールとの混合物が好適に使用され、これらの中でも特
に第4級アンモニウム塩が好適である。
【0011】
【化1】 (但し、式中R1は炭素数10〜24のアルキル基又は
アルケニル基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、炭素
数10〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、R
1及びR2はそれぞれ無置換であってもよく、−O−,−
CONH−,−COO−等の官能基で分断もしくは−O
H等の官能基で置換されていてもよい。R3は炭素数1
〜3のアルキル基、R4は炭素数1〜3のアルキル基又
はベンジル基であり、Xはハロゲン原子又はモノアルキ
ル硫酸基である。) R5−OH …(2) (但し、式中R5は炭素数12〜22のアルキル基であ
る。)
【0012】上記膜形成成分としては、具体的に式
(1)の第4級アンモニウム塩としてステアリルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルア
ンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ジ牛脂アルキルジメチルアンモニウムブ
ロマイド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライ
ド、オレイルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘ
ニルトリメチルアンモニウムクロライド等、アミノ酸系
カチオン界面活性剤としてヤシ油脂肪酸L−アルギニン
エチル−DL−ピロリドンカルボン酸、4−グアニジノ
ブチルラウリルアミド酢酸等が例示され、第3級アミン
塩としてジステアリルメチルアミン塩酸塩、ジオレイル
メチルアミン塩酸塩、ジステアリルメチルアミン硫酸塩
等が例示され、これら第3級アミン塩の場合、アルキル
鎖は、−COO−,−CONH−等の官能基で分断され
ていてもよい。また、イミダゾリン塩として1−オクタ
デカノイルアミノエチル−2−ヘプタデシルイミダゾリ
ン塩酸塩、1−オクタデセノイルアミノエチル−2−ヘ
プタデセニルイミダゾリン塩酸塩等、イミダゾリニウム
塩としてメチル−1−牛脂アミドエチル−2−牛脂アル
キルイミダゾリニウムメチルサルフェート、メチル−1
−ヘキサデカノイルアミドエチル−2−ペンタデシルイ
ミダゾリニウムクロライド、エチル−1−オクタデセノ
イルアミドエチル−2−ヘプタデセニルイミダゾリニウ
ムエチルサルフェート等、式(2)の高級アルコールと
してセトステアリルアルコール、ドデシルアルコール、
セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルア
ルコール等が例示される。
【0013】上記膜形成成分の配合量は、乳化液体全体
に対して1〜30重量%、特に2〜20重量%が好適で
ある。配合量が少なすぎると液晶構造体及びエマルジョ
ンの形成が困難となる場合があり、一方、過剰量配合す
ると粘度の経日安定性が不良となる場合がある。また、
上記油性成分との配合割合は、上記油性成分が膜形成成
分の0重量%を超え、50重量%以下、特に0重量%を
超え、20重量%以下であることが望ましく、油性成分
の配合割合が大きすぎると油性成分を包含している膜形
成成分からなるベシクルが破壊してしまう場合がある。
【0014】本発明の油相には、上記油性成分及び膜形
成成分以外に、エチレングリコール,プロピレングリコ
ール,グリセリン等の多価アルコールやエタノール,イ
ソプロピルアルコール等の低級アルコールなどの有機溶
剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ソルビタン
脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル等の各種乳化剤などの添加剤を通常の使用量で
配合することができる。
【0015】次に、本発明の水相としては、液晶形成用
水相と転相用水相とが用いられ、本発明において液晶形
成用水相と転相用水相とは、同一成分からなるものであ
る必要はなく、それぞれ液晶構造体の形成に適した水相
成分からなる水相、エマルジョンの形成及び安定性に適
した水相成分からなる水相とすることができる。
【0016】これらの水相の成分としては、水の他に増
粘剤、乳化剤、分散安定剤、低温安定化剤、無機塩類、
色素及びその他の各種水溶性有効成分等が例示される。
具体的には、増粘剤としてヒドロキシエチルセルロー
ス,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース,メチルセルロース等の疎水基を有
するセルロースポリマー、カルボキシビニルポリマーな
ど、乳化剤としてポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル,ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレンアルキル
エーテル,脂肪酸ポリエチレングリコール等の非イオン
界面活性剤など、分散安定剤としてポリアクリル酸,カ
ルボキシメチルセルロースなど、低温安定化剤としてエ
チレングリコール,プロピレングリコール,グリセリン
など、無機塩類として塩化ナトリウム,塩化カルシウム
等の塩酸塩,硫酸ナトリウム塩等の硫酸塩など、色素と
してアシッドレッド138,アシッドブルー9,アシッ
ドイエロー141,リアクティブブルー、その他の各種
水溶性有効成分としてイソチアゾロンなどの抗菌剤、ヒ
ドロキシエタンジホスホン酸などの酸化防止剤などが挙
げられ、これらは本発明の効果を損なわない範囲で通常
量が使用される。また、本発明の効果を妨げない範囲
で、上記増粘剤にグリシン等を適宜配合したものを性能
向上剤として配合しても好適である。
【0017】なお、本発明の乳化液体は、エマルジョン
形成後に、本発明の効果を妨げない範囲で、更に上記水
相で希釈したり、上記性能向上剤、低温安定化剤、無機
塩類、色素等を適宜配合することもできる。
【0018】本発明の乳化液体における水相全体と油相
全体の配合割合は、油相の組成、乳化液体の用途、目的
等により適宜選定されるが、通常、重量比で油相:水相
=1:2〜1:20となる量が好適であり、また、液晶
形成用水相の油相全体に対する配合割合は、液晶構造体
形成及び膜形成成分のベシクル化率の点からベシクルに
なる直前の液晶構造体を形成する量が好適であり、通
常、重量比で油相:液晶用水相=1:0.5〜1:2と
なる量が好適である。一方、上記液晶構造体に対して添
加される転相用水相の液晶構造体を形成する油相及び液
晶用水相に対する配合割合は、乳化液体中の油相の配合
量、乳化液体の安定性、油相の成分等により適宜選定さ
れるが、通常、重量比で(油相+液晶用水相):転相用
水相=1:0.5〜1:15となる量が好適である。
【0019】本発明の乳化液体の粘度の調整方法は、上
述した油性成分、膜形成成分及びその他の油相成分を適
宜溶融混合して油相を調製した後、この油相に上記液晶
形成用水相を添加して液晶構造体を形成させた後、該液
晶構造体に上記転相用水相の残部を添加、混合して転相
させる際に、撹拌力を調整することによって、得られる
乳化液体の粘度を調整するものである。
【0020】即ち、従来は、油相と水相とからなる液晶
構造体に、さらに水相を添加、混合して転相させてO/
W型エマルジョンタイプの乳化液体を製造する場合、粘
度が2.5Pa・s(25℃)の乳化液体を得るために
は、例えば増粘剤としてヒドロキシエチルセルロースを
使用し、この増粘剤を乳化液体全体の0.8重量%配合
して、転相時の撹拌装置として撹拌機(アジホモミキサ
ー)を使用する場合は回転数を1800rpmとし、ま
た、ミキサー(パイプラインミキサー)を使用する場合
は回転数を1500rpmとすることによって、上記粘
度を有する乳化液体を調製していた。なお、この場合、
転相時の上記撹拌力をかける時間は、通常、0.5〜5
分間程度である。それに対して、本発明の乳化液体の粘
度の調整方法によれば、上記増粘剤を使用し、その配合
量を乳化液体全体の0.6重量%としても、上記撹拌機
の回転数を2100rpm、又は上記ミキサーの回転数
を1800rpmとすることによって、上記粘度を有す
る乳化液体を調製することができる。
【0021】従って、本発明は、ヒドロキシエチルセル
ロース等の疎水基を有するセルロースポリマーやカルボ
キシビニルポリマーなどの増粘剤を乳化液体全体の0.
7重量%以下、とりわけ0.6重量以下の量を使用し、
撹拌装置の回転数を上記撹拌機の場合、1600rpm
以上、とりわけ1800rpm以上、上記ミキサーの場
合、1400rpm以上、とりわけ1500rpm以上
として、25℃での粘度が2.0Pa・s以上、とりわ
け2.5Pa・s以上の油相含有量が1〜40重量%、
とりわけ5〜30重量%であるO/W型の乳化液体を得
る方法として有効である。
【0022】なお、本発明の転相用水相として、ヒドロ
キシエチルセルロース等の疎水基を有するセルロースポ
リマーやカルボキシビニルポリマーなどの増粘剤を転相
用水相に対して0.2重量%以上含むものを使用すれ
ば、液晶構造体を転相させる際の温度を油相の融点以下
としても、分散性に優れた乳化液体を得ることが可能と
なる。
【0023】本発明の乳化液体の粘度の調整方法におい
て、液晶構造体形成温度は膜形成成分の相転移温度(T
c)以上である。液晶構造体形成温度がTcに満たないと
液晶構造体形成及び液晶構造体と油相中の膜形成成分以
外の成分との混合が不十分となり、膜形成成分のベシク
ル化率が低下する。なお、液晶構造体の形成温度とTc
との温度差は、液晶構造体形成の際の他の形成条件を考
慮して適宜選定することができるが、通常、液晶構造体
の形成温度がTcよりも5〜20℃、特に10〜15℃
程度高いことが望ましい。
【0024】上記油相と液晶形成用水相を混合する場
合、これらを添加する順序は特に制限されず、全部を同
時に添加してもよい。また、これらを混合して液晶構造
体を形成する装置は、特に制限されず、従来より使用さ
れている撹拌装置を使用することができ、その撹拌力も
特に限定されるものではないが、系の粘度が液晶構造体
が形成されるに従って高くなることを考慮すれば、高粘
度物を全体混合できるものが望ましく、このような装置
として、例えばニーダー、パドルミキサー、スクリュー
ミキサー、スパイラルミキサー、ナウターミキサー、ダ
ブルヘリカルリボンミキサー、コンティニュアスニーダ
ー等を挙げることができる。
【0025】本発明の乳化液体の粘度の調整方法は、上
記混練工程によって、液晶構造体を形成するものである
が、かかる工程において液晶構造体が形成されたか否か
は、系の粘度が液晶構造体が形成された場合、例えば1
0〜100Pa・sと高くなるので、この粘度変化を利
用して確認することができる。
【0026】本発明の乳化液体の粘度の調整方法は、上
述したように上記液晶構造体に転相用水相を添加、混合
して転相させる際の撹拌力を調整することによって、乳
化液体中の増粘剤等の配合量の増減というような成分組
成によらずに、得られる乳化液体の粘度を調整するもの
であり、転相時の撹拌力を調整する具体的な手段として
は、撹拌機やミキサーの回転数を変える等の手段を挙げ
ることができる。
【0027】ここで、転相時に使用される装置は、通常
の乳化分散に使用される装置を用いることができるが、
本発明の場合、転相時の撹拌力を変えることによって粘
度調整を行う点を考慮すれば、撹拌機やミキサーの回転
数の変動範囲が大きいものが望ましい。また、撹拌力と
乳化液体の粘度とは、撹拌力が大きくなるに従って、乳
化液体の粘度が高くなるという相関関係が成り立つの
で、粘度の高い乳化液体を得ることを目的とする場合に
は、比較的高い撹拌力を備えた装置が望ましい。具体的
には、ホモミキサー、マイルダー、クレアミックス、ラ
インミキサー、アジホモミキサー、ホモミックラインフ
ロー、ディスパーミキサー、逆流ミキサー等が好適に使
用され、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合
わせて使用してもよい。
【0028】上記撹拌装置の容器内への液晶構造体と転
相用水相の添加順序は、特に問わず、例えば液晶構造体
及び転相用水相の全部を同時に添加してもよい。
【0029】本発明の乳化液体の粘度の調整方法におい
て、液晶構造体転相時の撹拌力は、上述したように、目
的とする乳化液体の粘度によって適宜選定するものであ
り、その選定範囲は特に制限されるものではないが、通
常、上記のような装置の回転数として1000〜400
0rpm、特に1200〜3000rpmの範囲で選定
することが望ましい。回転数を上記より高くしてもそれ
以上の粘度変化に対する効果が得られない場合があり、
低すぎると転相が困難となったり、乳化液体中での油相
の分散均一性が得られない場合がある。また、粘度調整
が可能な範囲は、乳化液体の組成により一定ではない
が、例えば後述する実施例の組成の場合には1.5〜
3.2Pa・sの範囲で調整可能である。この範囲の粘
度調整を、例えばヒドロキシエチルセルロースで行うと
すれば、配合量を0.4〜0.9重量%変動させる必要
がある。
【0030】なお、本発明において、乳化分散工程にお
ける撹拌力は常に一定である必要はなく、例えば複数種
の撹拌装置により連続的に撹拌を行う場合、最終の撹拌
装置内の乳化液体の粘度を確認しながら転相時(初期撹
拌)の撹拌装置の撹拌力を高くしたり、また、一つの撹
拌装置で乳化分散工程を行う場合であっても、乳化液体
の粘度が高くなるように転相時に高い撹拌力を付加した
後に、通常の撹拌力で混合することもできる。なお、転
相時の上記撹拌力をかける時間は、特に限定されるもの
ではなく、乳化分散工程に使用される撹拌装置、系の粘
度、油相の分散性等により適宜選定することができる
が、通常、0.5〜5分間程度とすると好適である。転
相時の上記撹拌力を付加する時間が短すぎると、乳化液
体の粘度の調整を十分に行うことが困難となる場合があ
り、長すぎてもそれ以上には効果が上がらない場合があ
る。
【0031】
【発明の効果】本発明の乳化液体の粘度の調整方法によ
れば、予め油相と水相とからなる液晶構造体を形成し、
これをO/W型エマルジョンに転相させる際に、撹拌機
やミキサーの回転数を変えて撹拌力を調整するのみで乳
化液体の粘度を調整でき、乳化液体中の高分子化合物等
の増粘剤の増減などによる成分調整が不要なので、乳化
液体の成分の変動、製品原価の変動、操作の煩雑化を伴
うこともなく、また、製品原価の低減も可能となる。従
って、本発明は、例えばヘアリンス、クリーム、乳液、
液体洗剤、柔軟剤などの繊維仕上げ剤等として使用され
る乳化液体の粘度を調整する方法として好適である。
【0032】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。なお、以下の例において、部は重量部を、%は重量
%を意味する。
【0033】[実施例1〜6] <リンスの製造>まず、精製水656.4部を約70℃
に保持し、これにヒドロキシエチルセルロース6.0部
を溶解して、転相用の水相を調製した。次に、下記成分
を約70℃で混合溶解して、油相を得た。 塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 12.5部 ステアリルアルコール 20.0部 パルミチン酸セチル 5.0部 モノラウリン酸ソルビタン 5.0部 モノステアリン酸ソルビタン 5.0部 プロピレングリコール 50.3部 メチルパラベン 1.8部 油溶性香料 4.0部 安息香酸 1.0部 合 計 104.6部
【0034】上記油相に約70℃の精製水115.0部
を添加、混合して液晶構造体を形成した後、これを先に
調製しておいた水相と共に表1に示す各撹拌装置に仕込
み、表1に示す撹拌機又はミキサーの回転数により、撹
拌機の場合は3分間、ミキサーの場合は0.5分間撹拌
して、O/W型エマルジョンに転相させた後、更に、下
記組成からなる性能向上剤を124.0部添加して、乳
化液体を得た。なお、撹拌機は撹拌羽根としてアジホモ
ミキサーを撹拌槽内に配設したものを使用し、ミキサー
はパイプラインホモミキサーを使用した。 [性能向上剤]ヒドロキシエチルセルロース6.0部、
グリシン液(グリシン10.0部及びメチルパラベン
0.2部を精製水84.8部に溶解)95.0部、NA
−8E液(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
2.7部及びプロピレングリコール5.3部を精製水
4.0部に溶解)12.0部、リン酸液(リン酸1.2
部を精製水4.8部に溶解)6.0部及び色素液(微量
の色素を精製水5.0部に溶解)5.0部をパドルミキ
サーを使用して、30rpmで30分間撹拌して、性能
向上剤を調製した。
【0035】得られた乳化液体の粘度を下記の方法で測
定した。結果を表1に併記すると共に、転相時の撹拌機
又はミキサーの回転数と乳化液体の粘度との相関関係を
示すグラフを図1に示す。 [乳化液体の粘度]B型回転粘度計を使用して、粘度計
の回転数を30rpmとして25℃における乳化液体の
粘度の測定を行い、10回転目の数値を乳化液体の粘度
とした。
【0036】
【表1】
【0037】表1及び図1に示すグラフによれば、本発
明の乳化液体の粘度の調整方法によれば、予め形成した
液晶構造体をO/W型エマルジョンに転相させる際の混
合装置の回転数を変えるだけで、乳化液体の粘度を調整
できることが認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における転相用の撹拌装置の回
転数と、乳化液体の粘度との関係を示したものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜形成成分を含有する油相に液晶形成用
    水相を添加して液晶構造体を形成させた後、該液晶構造
    体に転相用水相を添加、混合して転相させて、O/W型
    エマルジョンタイプの乳化液体を製造する際に、転相時
    に加える撹拌力を調整することによって、乳化液体の粘
    度を調整することを特徴とする乳化液体の粘度の調整方
    法。
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