JPH10180087A - 高濃度乳化液体の製造方法 - Google Patents

高濃度乳化液体の製造方法

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JPH10180087A
JPH10180087A JP8357271A JP35727196A JPH10180087A JP H10180087 A JPH10180087 A JP H10180087A JP 8357271 A JP8357271 A JP 8357271A JP 35727196 A JP35727196 A JP 35727196A JP H10180087 A JPH10180087 A JP H10180087A
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oil phase
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JP8357271A
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Akio Shiraishi
昭夫 白石
Masami Yoshiba
正美 吉葉
Shoji Konishi
詔二 小西
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 油相に液晶形成用水相を添加して液晶構
造体を形成し、該液晶構造体に水相を添加し、上記液晶
構造体を転相してO/W型乳化液体を調製した後、この
乳化液体に液晶構造体を混合する操作を1回以上行うこ
とを特徴とする高濃度O/W型乳化液体の製造方法。 【効果】 油相と水相とからなる液晶構造体を形成し、
これをO/W型エマルジョンに転相させた乳化液体に液
晶構造体を混合する操作を1回以上行うことによって、
容易に油相粒子径が均一な高濃度乳化液体を得ることが
できる。従って、本発明は、例えばヘアリンス、クリー
ム、乳液、液体洗剤、柔軟剤などの繊維仕上げ剤等とし
て使用され、その油相濃度が高い乳化液体を製造する方
法として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油相濃度が高濃度
のO/W型エマルジョンタイプの乳化液体を容易に調製
することができる高濃度乳化液体の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ヘアリンス、クリーム、柔軟剤、シャンプー等のO/W
型(水中油型)エマルジョンタイプの乳化液体を製造す
る好適な方法としては、例えば予め油相と水相の一部と
からなる液晶構造体を形成し、これに水相の残部を加
え、転相させてO/W型エマルジョンを形成させる方法
があり、この方法によれば、単に油相と水相とを混合乳
化する他の方法に比べて容易にO/W型エマルジョンタ
イプの乳化液体を製造することができ、且つ油相の分散
状態が均一で、しかも安定性にも優れる乳化液体を得る
ことができる。
【0003】しかし、上記方法の場合、その水相として
は、水の他に例えば低温安定化剤、有機塩類、無機塩類
等のように目的とする乳化液体の配合成分中の水溶性物
質を水に溶解したものが使用されているので、転相させ
る際の水相と油相との親和力がなく、油相の水相中への
分散に難がある。ところで、乳化液体中に配合された種
々の機能を有する油性成分の配合量を増加しようとする
と、必然的に乳化液体中の油相濃度が高くなるが、上述
したように油相の水相中への分散に難がある場合には、
乳化状態が不均一となったり、乳化液体の粘度が異常に
上昇して流動性がなくなり、ハンドリングができなくな
る、商品として供し得ないというような乳化液体の物性
の変化による問題が生じてしまい、油相濃度の高濃度化
には限界があった。
【0004】特にカチオン界面活性剤を含有するエマル
ジョンは、油性成分粒子の周囲及び連続相に、界面活性
剤を中心とした分子構造体(液晶やゲル)が形成され、
安定化している(また、水を内包した小胞体を形成する
ので単なる油相よりも見掛けの分散質濃度も高くな
る)。従って、油相濃度が高くなると、この分子構造体
が増加し、乳化液体の粘度が急激に増大するので、例え
ば油相濃度が15重量%を超えるような乳化液体を製造
することは困難であった。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、高濃度の油相が均一に分散したO/W型乳化液体を
容易に製造することができる高濃度乳化液体の製造方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、
油相と水相とから液晶構造体を形成し、この液晶構造体
を転相させたO/W型エマルジョンタイプの乳化液体
に、油相と水相とからなる液晶構造体を混合することに
よって、乳化液体の油相濃度を高濃度化することができ
ると共に、乳化液体と液晶構造体との親和力がよいの
で、乳化液体中の油相濃度が増しても均一な油相の分散
性が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】即ち、本発明は、油相に液晶形成用水相を
添加して液晶構造体を形成し、該液晶構造体に水相を添
加し、上記液晶構造体を転相してO/W型乳化液体を調
製した後、この乳化液体に液晶構造体を混合する操作を
1回以上行うことを特徴とする高濃度O/W型乳化液体
の製造方法を提供する。
【0008】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の高濃度O/W型乳化液体の製造方法では、
油相と水相とを用いるものである。ここで、本発明の場
合、液晶形成用水相と液晶構造体の転相時に添加される
水相(転相用水相)、並びに転相されて乳化液体となる
液晶構造体と得られた乳化液体に添加される液晶構造体
は、それぞれ同一成分からなるものであっても、異なる
成分からなるものであってもよいが、液晶構造体の場
合、最終的に得られる高濃度乳化液体の成分調整の容易
性、乳化液体とこれに混合される液晶構造体との親和性
という点で、転相される液晶構造体と乳化液体に添加さ
れる液晶構造体は同一成分からなるものを使用すること
が望ましい。
【0009】本発明の油相は、乳化液体の種類、目的に
応じた各種の油性成分からなるものであり、このような
油性成分として、柔軟剤などの衣料用仕上げ剤、化粧
料、医薬品、洗浄剤等の各種分野の製品に使用されてい
る疎水性の油分を使用することができるが、通常、衣類
の風合いを変える、皮膚に保湿効果を与える、髪に栄養
を与える、抗菌・殺菌効果を与えるなどの機能を持つも
のが好適に使用される。具体的には、例えばシリコーン
オイル,環状シリコーン,変性シリコーンなどの合成
油、流動パラフィン,流動イソパラフィン,パラフィン
ワックスなどの鉱油、ホホバ油,オリーブ油,オリーブ
スクワラン,ヒマシ油,カルナウバワックスなどの植物
油、ラノリン,スクワラン,ミンク油などの動物油、ラ
ウリン酸ヘキシル,パルミチン酸イソプロピル,オレイ
ン酸,ステアリン酸等の脂肪酸や脂肪酸エステルなどを
挙げることができ、さらに具体的機能として、トリクロ
サン,ヒノキチオール,トリクロカルバン,イソプロピ
ルメチルフェノールなどの油溶性の抗菌・殺菌剤、ブチ
ルパラベン,プロピルパラベン,安息香酸,サリチル
酸,ソルビン酸などの油溶性の防腐剤、ジブチルヒドロ
キシトルエン,ブチルヒドロキシアニソール,トコフェ
ロールなどの油溶性の酸化防止剤、リナロール,シトロ
ネロール,ゲラニオール,ゲラニルアセテートなどの油
溶性の香料、その他油溶性のUV吸収剤、防虫剤、保湿
剤等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種
以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0010】本発明の上記油性成分の配合量は、その種
類、乳化液体の目的、用途等により適宜選定されるもの
であるが、乳化液体に混合する液晶構造体については、
液晶構造体全体の0.5〜50重量%が好適である。油
性成分の配合量が少なすぎると高濃度化の効率が悪くな
る場合があり、油性成分の配合量が多すぎると液晶構造
体の形成が困難となる場合がある。そして、高濃度の油
相を含有する乳化液体を製造するという本発明の目的を
考慮すれば、最終的に得られる高濃度乳化液体中の上記
油性成分の配合量は、乳化液体全体の0.5〜40重量
%、特に1〜30重量%であることが望ましい。油性成
分の配合量が少なすぎると油相を高濃度化する意義がな
くなる場合があり、油性成分の配合量が多すぎると、均
一な乳化状態を得るのが困難となる場合がある。
【0011】本発明の油相は、上記油性成分の他に、膜
形成成分を含有するものであり、膜形成成分としては、
下記一般式(1)で示される第4級アンモニウム塩、第
3級アミン塩、イミダゾリン塩、イミダゾリニウム塩、
アミノ酸系カチオン界面活性剤などのカチオン界面活性
剤から選ばれる1種又は2種以上か、あるいは上記カチ
オン界面活性剤と下記一般式(2)で示される高級アル
コールとの混合物が好適に使用され、これらの中でも特
に第4級アンモニウム塩が好適である。
【0012】
【化1】 (但し、式中R1は炭素数10〜24のアルキル基又は
アルケニル基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、炭素
数10〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、R
1及びR2はそれぞれ無置換であってもよく、−O−,−
CONH−,−COO−等の官能基で分断もしくは−O
H等の官能基で置換されていてもよい。R3は炭素数1
〜3のアルキル基、R4は炭素数1〜3のアルキル基又
はベンジル基であり、Xはハロゲン原子又はモノアルキ
ル硫酸基である。) R5−OH …(2) (但し、式中R5は炭素数12〜22のアルキル基であ
る。)
【0013】上記膜形成成分としては、具体的に式
(1)の第4級アンモニウム塩としてステアリルトリメ
チルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルア
ンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ジ牛脂アルキルジメチルアンモニウムブ
ロマイド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライ
ド、オレイルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘ
ニルトリメチルアンモニウムクロライド等、アミノ酸系
カチオン界面活性剤としてヤシ油脂肪酸L−アルギニン
エチル−DL−ピロリドンカルボン酸、4−グアニジノ
ブチルラウリルアミド酢酸等が例示され、第3級アミン
塩としてジステアリルメチルアミン塩酸塩、ジオレイル
メチルアミン塩酸塩、ジステアリルメチルアミン硫酸塩
等が例示され、これら第3級アミン塩の場合、アルキル
鎖は、−COO−,−CONH−等の官能基で分断され
ていてもよい。また、イミダゾリン塩として1−オクタ
デカノイルアミノエチル−2−ヘプタデシルイミダゾリ
ン塩酸塩、1−オクタデセノイルアミノエチル−2−ヘ
プタデセニルイミダゾリン塩酸塩等、イミダゾリニウム
塩としてメチル−1−牛脂アミドエチル−2−牛脂アル
キルイミダゾリニウムメチルサルフェート、メチル−1
−ヘキサデカノイルアミドエチル−2−ペンタデシルイ
ミダゾリニウムクロライド、エチル−1−オクタデセノ
イルアミドエチル−2−ヘプタデセニルイミダゾリニウ
ムエチルサルフェート等、式(2)の高級アルコールと
してセトステアリルアルコール、ドデシルアルコール、
セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルア
ルコール等が例示される。
【0014】上記膜形成成分の配合量は、乳化液体に混
合される液晶構造体については、液晶構造体全体の2〜
50重量%、特に5〜40重量%が好適である。膜形成
成分の配合量が少なすぎると液晶構造体の形成が困難と
なる場合があり、膜形成成分の配合量が多すぎると粘度
の経日安定性が不良となる場合がある。また、最終的に
得られる高濃度乳化液体中の上記膜形成成分の配合量
は、乳化液体全体に対して1〜50重量%、特に2〜4
0重量%が好適である。配合量が少なすぎると乳化液体
中の油相の分散安定性が十分得られない場合があり、一
方、過剰量配合すると粘度の経日安定性が不良となる場
合がある。また、油相中における上記油性成分との配合
割合は、上記油性成分が膜形成成分の0重量%を超え、
50重量%以下、特に0重量%を超え、20重量%以下
であることが望ましく、油性成分の配合割合が大きすぎ
ると油性成分を包含している膜形成成分からなるベシク
ルが破壊してしまう場合があり、油性成分の配合割合が
小さすぎると油相を高濃度化しても、油性成分による機
能を十分に得るのが困難となる場合がある。
【0015】本発明の油相には、上記油性成分及び膜形
成成分以外に、本発明の効果を妨げない範囲で、エチレ
ングリコール,プロピレングリコール,グリセリン等の
多価アルコールやエタノール,イソプロピルアルコール
等の低級アルコールなどの有機溶剤、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の各種乳化
剤などの添加剤を、通常の使用量で配合することができ
る。
【0016】次に、本発明において各工程で使用される
水相は、上述したように同一成分からなるものであって
も、異なっていてもよく、それぞれ液晶構造体の形成に
適した水相成分からなる水相、転相,エマルジョンの形
成及びエマルジョン構造の安定性に適した水相成分から
なる水相とすることができる。これらの水相成分として
は、水の他に乳化剤,分散安定剤,低温安定化剤,無機
塩類,色素及びその他の各種水溶性有効成分等が例示さ
れる。具体的には、乳化剤としてポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル,脂肪酸ポリエチレングリコール
等の非イオン界面活性剤など、分散安定剤としてポリア
クリル酸,カルボキシメチルセルロースなど、低温安定
化剤としてエチレングリコール,プロピレングリコー
ル,グリセリンなど、無機塩類として塩化ナトリウム,
塩化カルシウム等の塩酸塩,硫酸ナトリウム塩等の硫酸
塩など、色素としてアシッドレッド138,アシッドブ
ルー9,アシッドイエロー141,リアクティブブル
ー、その他の各種水溶性有効成分としてイソチアゾロン
などの抗菌剤、ヒドロキシエタンジホスホン酸などの酸
化防止剤などが挙げられる。また、本発明の効果を妨げ
ない範囲で、例えばヒドロキシエチルセルロース,ヒド
ロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチル
セルロース,メチルセルロース等の疎水基を有するセル
ロースポリマー、カルボキシビニルポリマーなどの高分
子や、これらの成分に更にグリシン等を適宜量混合した
ものを性能向上剤として配合すると好適である。
【0017】なお、本発明の製造方法において液晶構造
体を混合する操作を繰り返し行うに当たり、各操作で使
用される液晶構造体の組成は同一である必要はないが、
最終的に得られる高濃度乳化液体の成分調整の容易性、
乳化液体との親和力という点で、各操作において同一成
分の液晶構造体を使用することが望ましい。
【0018】本発明の製造方法に使用される乳化液体に
おける水相と油相との配合割合は、油相の組成、目的と
する油相濃度等により適宜選定されるが、通常、重量比
で油相:水相=1:0.6〜1:15となる量が好適で
ある。油相濃度が低すぎると高濃度乳化液体を得るのが
困難となる場合があり、高すぎるとエマルジョン形成が
困難となる場合がある。また、液晶形成用水相の油相に
対する配合割合は、液晶構造体形成及び膜形成成分のベ
シクル化率の点からベシクルになる直前の液晶構造体を
形成する量が好適であり、通常、重量比で油相:液晶形
成用水相=1:0.5〜1:2となる量が好適である。
また、転相時に液晶構造体に添加される転相用水相の配
合割合は、乳化液体中の油相の配合量、乳化液体の安定
性、油相の成分等により適宜選定されるが、通常、重量
比で液晶構造体:転相用水相=1:0.5〜1:15と
なる量が好適である。なお、乳化液体に混合される液晶
構造体中での水相と油相との配合割合は、上記液晶形成
用水相と油相と同様であるが、目的とする油相濃度等を
考慮して上記範囲内で適宜選定される。
【0019】本発明の製造方法によって得られる高濃度
乳化液体中の油相濃度は、高濃度乳化液体全体の5〜6
0重量%である。油相濃度が低すぎる場合、本発明の製
造方法によらなくても容易に製造することができ、本発
明方法を採用する利点があまり発揮することができな
い。一方。油相濃度が高すぎる場合、十分な分散均一性
及び分散安定性を有する高濃度乳化液体を得ることが困
難な場合がある。
【0020】本発明の高濃度乳化液体の製造方法では、
上述した各油相成分を適宜溶融、混合して油相を調製し
た後、この油相に液晶形成用水相を添加、混合して液晶
構造体を形成する。この場合、液晶構造体形成温度は油
相の膜形成成分の相転移温度(Tc)以上である。液晶
構造体形成温度がTcに満たないと液晶構造体形成及び
液晶構造体と油相中の膜形成成分以外の成分との混合が
不十分となり、膜形成成分のベシクル化率が低下する。
なお、液晶構造体の形成温度とTcとの温度差は、液晶
構造体形成の際の他の形成条件を考慮して適宜選定する
ことができるが、通常、液晶構造体の形成温度がTc
りも5〜20℃、特に10〜15℃程度高いことが望ま
しい。
【0021】上記油相と液晶形成用水相とを混合する場
合、これらを添加する順序は特に制限されず、全部を同
時に添加してもよい。また、これらを混合して液晶構造
体を形成する装置は、特に制限されず、従来より使用さ
れている撹拌装置を使用することができるが、系の粘度
が液晶構造体が形成されるに従って高くなることを考慮
すれば、高粘度物を全体混合できるものが望ましく、こ
のような装置として、例えばニーダー、パドルミキサ
ー、スクリューミキサー、スパイラルミキサー、ナウタ
ーミキサー、ダブルヘリカルリボンミキサー、コンティ
ニュアスニーダー等を挙げることができる。かかる工程
において液晶構造体が形成されたか否かは、液晶構造体
が形成された場合、系の粘度が例えば10〜100Pa
・sと高くなるので、この粘度変化を利用して確認する
ことができる。
【0022】次に、上記のようにして形成された液晶構
造体に更に水相(転相用水相)を添加、混合して、液晶
構造体を転相させて乳化液体を調製する。ここで、混合
時の温度は、特に制限されるものではなく、上記Tc
下でも転相可能であるが、分散性を考慮すれば、上記T
c以上で混合することが好ましい。なお、本発明の場
合、転相用水相として、ヒドロキシエチルセルロース等
の疎水基を有する上記セルロースポリマー又はカルボキ
シビニルポリマーを転相用水相全体に対して0.2重量
%以上含む水性溶液を使用すれば、液晶構造体を転相さ
せる際の温度を上記油相の融点以下としても、分散性に
優れた乳化液体を得ることが可能となる。
【0023】本発明において、混合時に使用される装置
は、通常の乳化分散に使用される装置を用いることがで
きるが、分散性を考慮すれば、比較的高い撹拌力を備え
た装置が望ましい。具体的には、ホモミキサー、マイル
ダー、クレアミックス、ラインミキサー、アジホモミキ
サー、ホモミックラインフロー、ディスパーミキサー、
逆流ミキサー等が好適に使用され、これらは1種単独で
又は2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0024】上記撹拌装置の容器内への液晶構造体と水
相の添加順序は、特に問わず、例えば液晶構造体及び水
相の全部を同時に添加してもよい。
【0025】本発明の製造方法において、上記乳化液体
に液晶構造体を配合する場合、上記乳化液体をその油相
の融点以下に保持した後に液晶構造体を配合することが
望ましく、これによって、乳化液体のエマルジョン構造
が安定化される。ここで、油相の融点とは、上記油相成
分を適宜溶融、混合して調製された油相全体が溶融する
温度をいう。本発明の製造方法の場合、乳化液体を保持
する温度は、乳化液体の組成、組成による分散安定性等
により、適宜選定されるものであるが、通常、油相の融
点よりも1〜70℃以下、特に2〜10℃以下の温度で
あることが望ましい。保持温度が高すぎると十分な安定
化効果が得られない場合があり、低すぎるとエマルジョ
ンの形成が困難となる場合がある。なお、保持時間も特
に制限されるものではないが、通常、10分〜24時
間、特に10〜60分間である。保持時間が短すぎると
十分な安定化効果が得られない場合があり、一方、長す
ぎる場合、生産性が低下する。
【0026】また、上記乳化液体に液晶構造体を配合す
る場合、乳化液体はそのまま使用することもできるが、
本発明の効果を妨げない範囲で、上記性能向上剤,乳化
剤,分散安定剤,低温安定化剤,無機塩類,色素及びそ
の他の各種水溶性有効成分等を通常量配合することもで
き、この場合、必要に応じて、上記成分を少量の水に溶
解して添加することもできる。
【0027】本発明の高濃度乳化液体の製造方法は、上
記のようにして調製された乳化液体に、上記と同様にし
て形成された液晶構造体を混合する操作を行うことによ
って、より油相濃度が高い乳化液体を得るものである。
ここで、混合時の温度は、特に制限されるものではない
が、分散性を考慮すれば、上記Tc以上で混合すること
が好ましい。混合時に使用される装置は、通常の乳化分
散に使用される装置を用いることができ、分散性を考慮
すれば、比較的高い撹拌力を備えた装置が望ましく、具
体的には、上記と同様の撹拌装置を好適に使用すること
ができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合
わせて使用することができる。
【0028】上記撹拌装置の容器内への乳化液体と液晶
構造体との添加順序は、特に問わず、例えば乳化液体と
液晶構造体との全部を同時に添加してもよい。
【0029】本発明の高濃度乳化液体の製造方法は、上
記高濃度化の操作を繰り返すことによって、より高濃度
の乳化液体を順次調製していくことができる。なお、上
記操作を繰り返し行う場合、その度に乳化液体を上記の
ように油相の融点以下に保持して安定化する操作を行う
ことが望ましい。
【0030】なお、本発明により得られた高濃度乳化液
体は、最終の高濃度化工程が終了した後であっても、本
発明の効果を妨げない範囲で、更に上記性能向上剤、低
温安定化剤、無機塩類、色素等を適宜配合することもで
きる。
【0031】本発明の高濃度乳化液体の製造方法によれ
ば、乳化液体と液晶構造体とを混合することによって、
より高濃度の油相を乳化液体中に分散させるものであ
り、乳化液体と液晶構造体との親和性がよいので、高濃
度の油相を均一に分散させることができ、高濃度の油相
が均一に分散された高濃度乳化液体を容易に製造するこ
とができる。このようにして得られた高濃度乳化液体
は、ヘアリンス、クリーム、乳液、液体洗剤、柔軟剤な
どの繊維仕上げ剤等として使用することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明の高濃度乳化液体の製造方法によ
れば、油相と水相とからなる液晶構造体を形成し、これ
をO/W型エマルジョンに転相させた乳化液体に液晶構
造体を混合する操作を1回以上行うことによって、容易
に油相粒子径が均一な高濃度乳化液体を得ることができ
る。従って、本発明は、例えばヘアリンス、クリーム、
乳液、液体洗剤、柔軟剤などの繊維仕上げ剤等として使
用され、その油相濃度が高い乳化液体を製造する方法と
して好適である。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、以下の例において、部は重量部を、
%は重量%を意味する。
【0034】[実施例1、2] <高濃度リンスの製造>まず、精製水656.4部を約
70℃に保持し、これにヒドロキシエチルセルロース
6.0部を溶解して、転相用水相を調製した。一方、下
記成分を約70℃で混合溶解して、油相を得た。 塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 12.5部 ステアリルアルコール 20.0部 パルミチン酸セチル 5.0部 モノラウリン酸ソルビタン 5.0部 モノステアリン酸ソルビタン 5.0部 プロピレングリコール 50.3部 メチルパラベン 1.8部 油溶性香料 4.0部 安息香酸 1.0部 合 計 104.6部
【0035】上記油相に約70℃の精製水115.0部
(液晶形成用水相)を添加、混合して液晶構造体を形成
した後、これを先に調製しておいた転相用水相に添加
し、アジホモミキサーで3分間撹拌して、O/W型エマ
ルジョンに転相させた後、これを油相の融点(約50
℃)以下の35℃まで冷却した後、35℃で10分間保
持することによって、O/W型エマルジョン構造を安定
化させた。更に、下記組成からなる性能向上剤124.
0部を添加して、リンス(乳化液体)を得た後、このリ
ンスを約70℃に保持した。なお、このリンスの油相濃
度は10.5%であった。
【0036】次に、上記油相と同じ油相を調製し、これ
に約70℃の精製水115.0部(液晶形成用水相)を
添加、混合して液晶構造体を形成して、この液晶構造体
を表1に示す量の上記リンスに添加し、上記撹拌装置に
より全体を3分間撹拌した後、これを35℃まで冷却し
てO/W型エマルジョンを安定化させ、次いで、下記組
成からなる性能向上剤124.0部を添加して、実施例
1及び実施例2の高濃度乳化液体を得た。 [性能向上剤の組成] ヒドロキシエチルセルロース 6.0部 グリシン液(グリシン10.0部及びメチルパラベン 0.2部を精製水84.8部に溶解) 95.0部 NA−8E液(ポリオキシエチレンノニルフェニルエ ーテル2.7部及びプロピレングリコール3.3部 を精製水4.0部に溶解) 10.0部 リン酸液(リン酸1.2部を精製水4.8部に溶解) 6.0部 色素液(微量の色素を精製水7.0部に溶解) 7.0部
【0037】[比較例1、2]まず、表1に示す量の精
製水を約70℃に保持して、転相用水相を調製した。一
方、下記成分を約70℃で混合溶解して、油相を得た。 塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 12.5部 ステアリルアルコール 20.0部 パルミチン酸セチル 5.0部 モノラウリン酸ソルビタン 5.0部 モノステアリン酸ソルビタン 5.0部 プロピレングリコール 50.3部 メチルパラベン 1.8部 油溶性香料 4.0部 安息香酸 1.0部 合 計 104.6部
【0038】上記油相に約70℃の精製水115.0部
(液晶形成用水相)を添加、混合して液晶構造体を形成
した後、これを先に調製しておいた転相用水相に添加
し、アジホモミキサーで3分間撹拌して、O/W型エマ
ルジョンに転相させ、次いで上記性能向上剤124.0
部を添加して、油相濃度が実施例1及び実施例2と同じ
になるように調製した比較例1及び比較例2の高濃度乳
化液体を得た。
【0039】実施例1、2及び比較例1、2の各高濃度
乳化液体の乳化の均一性及び物性を下記の方法で評価し
た。結果を表1に併記する。 [乳化の均一性]顕微鏡により(拡大倍率:400
倍)、油滴径を観察して、最大油滴径と平均油滴径の比
をもって均一性の指標とした。 [物性の評価]粘度をB型回転粘度計を使用して、粘度
計の回転数を30rpmとして25℃における乳化液体
の粘度の測定を行い、10回転目の数値を乳化液体の粘
度とした。
【0040】
【表1】
【0041】表1によれば、本発明の製造方法の場合、
乳化液体(リンス)に液晶構造体を混合することによっ
て、均一性に優れるのみならず、粘度の異常な増加とい
う物性変化も生じず、低粘度で取り扱い性にも優れる高
濃度のリンスが得られるのに対して、単に液晶構造体を
水で転相させたのみで、同一濃度のリンスを製造する場
合(比較例1、2)、得られた高濃度のリンスは均一性
に劣るのみならず、物性変化が生じて非常に高粘度のも
のとなってしまうことが認められる。
【0042】[実施例3、4] <高濃度仕上げ剤の製造>まず、下記成分を約35℃で
混合溶解して、転相用水相を調製した。 塩化カルシウム 1.8部 エチレングリコール 30.0部 ポリオキシエチレン牛脂アルキルエーテル 8.0部 精製水 444.5部 合 計 484.3部
【0043】一方、下記成分を約55℃で混合溶解し
て、油相を得た。 塩化トリメチルアンモニウム 10.0部 塩化ジオレイルジメチルアンモニウム 173.3部 油溶性香料 5.1部 合 計 188.4部
【0044】更に、下記成分を約35℃で混合溶解し
て、液晶形成用水相を得た。 塩化カルシウム 1.2部 エチレングリコール 20.0部 ポリオキシエチレン牛脂アルキルエーテル 5.3部 精製水 296.4部 合 計 322.9部
【0045】上記液晶形成用水相に油相を添加、混合し
て液晶構造体を形成した後、これを先に調製しておいた
転相用水相に添加し、アジホモミキサーで3分間撹拌し
て、O/W型エマルジョンに転相させた。更に、微量の
色素を4.4部の精製水に溶解したものを添加して、柔
軟仕上げ剤(乳化液体)を得た。この時の油相濃度は1
8.8%であった。次に、この柔軟仕上げ剤に表2に示
す成分を混合溶解した後、室温(油相の融点は約40
℃)に1昼夜放置した。更に、上記油相及び液晶形成用
水相とから同様にして液晶構造体を形成し、この液晶構
造体を上記柔軟仕上げ剤に添加して、上記撹拌装置によ
り全体を3分間撹拌した後、更に、微量の色素を4.4
部の精製水に溶解したものを添加して、実施例3及び実
施例4の高濃度乳化液体を得た。
【0046】[比較例3、4]まず、表2に示す成分を
約35℃で混合溶解して、転相用水相を調製した。一
方、下記成分を約55℃で混合溶解して、油相を得た。 塩化トリメチルアンモニウム 10.0部 塩化ジオレイルジメチルアンモニウム 173.3部 油溶性香料 5.1部 合 計 188.4部
【0047】更に、下記成分を約35℃で混合溶解し
て、液晶形成用水相を得た。 塩化カルシウム 1.2部 エチレングリコール 20.0部 ポリオキシエチレン牛脂アルキルエーテル 5.3部 精製水 296.4部 合 計 322.9部
【0048】上記油相に液晶形成用水相を添加、混合し
て液晶構造体を形成した後、これを先に調製しておいた
転相用水相に添加し、アジホモミキサーで3分間撹拌し
て、O/W型エマルジョンに転相させた。更に、微量の
色素を4.4部の精製水に溶解したものを添加して、油
相濃度が実施例3及び実施例4と同じになるように調製
した比較例3及び比較例4の高濃度乳化液体を得た。
【0049】得られた高濃度乳化液体の乳化の均一性及
び物性を上記と同様に評価した。結果を表2に併記す
る。
【0050】
【表2】
【0051】表2によれば、本発明の製造方法の場合、
乳化液体(柔軟仕上げ剤)と液晶構造体とを混合するこ
とによって、均一性に優れるのみならず、粘度の異常な
増加という物性変化も生じず、低粘度で取り扱い性にも
優れる高濃度の柔軟仕上げ剤が得られるのに対して、単
に液晶構造体を水相で転相させるのみで同じ油相濃度の
柔軟仕上げ剤を製造した場合(比較例3、4)、得られ
た高濃度の柔軟仕上げ剤は均一性に劣るのみならず、物
性変化が生じて非常に高粘度のものとなってしまうこと
が認められる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油相に液晶形成用水相を添加して液晶構
    造体を形成し、該液晶構造体に水相を添加し、上記液晶
    構造体を転相してO/W型乳化液体を調製した後、この
    乳化液体に液晶構造体を混合する操作を1回以上行うこ
    とを特徴とする高濃度O/W型乳化液体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105091A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Lion Corp 小胞体分散液の製造方法、小胞体分散液、及び衣料用柔軟仕上げ剤

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