JP3804731B2 - シリコーン乳化組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコーン乳化組成物に係り、特に、経時、温度変化および剪断に対する安定性が良好なシリコーン乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からシリコーン油は安定な乳化系を得ることが非常に困難であるという欠点を有しており、これを解決することが望まれている。
【0003】
経時、温度変化および剪断に対して安定なシリコーン乳化物を得るためには、エチレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドで変性されたポリエーテル変性シリコーンを乳化剤として用いる方法や増粘剤を用いて安定化させる方法が公知技術として知られている。また、多量に乳化剤を用いてミセル径を細かくして安定化させる方法や、イオン性の乳化剤を用いて安定化させる方法も知られている。
【0004】
しかしながら、これらの方法では、経時、温度変化および剪断に対する安定性が不十分であったり、乳化剤が多すぎるために基油の特性が発揮されなかったり、イオン性や高粘性のためにその使用に制約を受けるという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような欠点を解決し、経時、温度変化および剪断に対する安定性の高いシリコーン乳化組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を持つポリエーテル変性シリコーン化合物を乳化剤として用いることで本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、シリコーン油(A)と、
一般式
【化3】
(式中、Rはメチル基またはフェニル基であり、R1 およびR2 は、下式
【化4】
(式中、aは3〜12の整数、bは0〜50の整数、cは1〜50の整数、R3 は水素、メチル基、エチル基またはブチル基である)、メチル基またはフェニル基であり、R1 およびR2 のうち少なくとも一つは式(2)であり、mは0〜1000、nは0〜1000、m+nが5〜2000という関係を満たし、nが0のときR1 は式(2)である)で表わされるポリエーテル変性シリコーン(B)と、水(C)とを含有するシリコーン乳化組成物である。
【0008】
本発明のシリコーン乳化組成物において、(A)成分は5〜90重量部、(B)成分は0.5〜50重量部含有されている。また、(A)成分は、代表的にはポリジメチルシロキサンである。
【0009】
以下に本発明についてさらに詳述する。
【0010】
本発明のシリコーン乳化組成物の(A)成分は、シリコーン油であれば特に制限されるものではないが、ストレートシリコーン油としては、ジメチルシリコーンオイル、ポリジメチルシロキサンジオール、メチルハイドロジェンシリコーンオイルおよびメチルフェニルシリコーンオイル等の低粘度から高粘度までのジオルガノポリシロキサンが挙げられ、この他、環状シロキサンであるオクタメチルシクロテトラシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサン;高重合度の生ゴム状ジメチルポリシロキサン;メチルフェニルポリシロキサンおよびメチルビニルポリシロキサンの各種溶剤での希釈物;シリコーンレジンの各種溶剤での希釈物が挙げられる。また、変性シリコーンオイルとしては、炭素数2〜50のアルキル基を有するアルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、トリフロロプロピル変性シリコーンやパーフロロアルキル変性シリコーンのようなフルオロアルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイルおよびアルキル・ポリエーテル変性シリコーンオイルが挙げられる。
【0011】
乳化組成物における(A)成分の含有量は特に限定されるものではないが、乳化組成物100重量部中、5〜90重量部とする。より好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは30〜70重量部とする。
【0012】
(A)成分は一種類のみ用いても、複数種類用いてもよい。
【0013】
本発明のシリコーン乳化組成物の(B)成分であるポリエーテル変性シリコーン化合物は、ブチレンオキサイド、ブチレンオキサイド/エチレンオキサイドで変性されたことを特徴としている。この(B)成分は、ポリメチルハイドロジェンシロキサンとアリル化ポリエーテルとのヒドロシリル化反応等の一般的な方法により製造することができる。
【0014】
(B)成分は一般式(1)で示される化合物であり、各シロキサン単位の結合はランダムでもブロックでもよい。式中、Rはメチル基またはフェニル基であり、(A)成分としてフェニル基を有するものを使用する場合は、Rの5〜50モル%がフェニル基であることが好ましいが、(A)成分としてフェニル基を含有しないものを使用する場合は、Rはすべてメチル基であることが好ましい。
【0015】
R1 およびR2 は式(2)で示されるポリオキシアルキレン基、メチル基またはフェニル基であり、R1 およびR2 のうち少なくとも一つは式(2)である。
【0016】
式(2)はブチレンオキシ単位を有するポリオキシアルキレン基であり、エチレンオキシ単位を有していてもよい。式(2)で示されるポリオキシアルキレン基は、(B)成分のポリエーテル変性シリコーンにおいて、ケイ素原子に結合する置換基のうち、0.1〜50モル%、好ましくは1〜20モル%である。
【0017】
式(1)におけるmとnは、mが0〜1,000、nが0〜1,000、m+nが5〜2,000という関係を満たす数字であり、nが0のときはR1 は式(2)である。またR1 が式(2)でない場合は、nは0より大きい整数である。好ましくはmは10〜1,000、nは2〜500、より好ましくはmは50〜1,000、nは5〜200である。式(2)においてaは3〜12の整数、bは0〜50の整数、cは1〜50の整数であり、好ましくはaは3〜7、bは0〜20、cは2〜40の整数であり、より好ましくはaは3〜5、bは0〜10、cは4〜30の整数である。
【0018】
このような(B)成分を使用することにより、シリコーン乳化組成物の温度変化および剪断に対する安定性が優れたものとなる。
【0019】
乳化組成物における(B)成分の含有量は特に限定されるものではないが、乳化組成物100重量部中、0.5〜50重量部とする。より好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは2〜20重量部とする。
【0020】
(B)成分は一種類のみ用いても、複数種類用いてもよい。
【0021】
また同時に、同一系に他種のノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤を併用してもよい。
【0022】
ノニオン系界面活性剤としては、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリルのようなグリセリン脂肪酸エステル;同様の脂肪酸残基を有するポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;オキシエチレン・オキシプロピレンブロック共重合体;ならびにポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンが例示される。
【0023】
アニオン系界面活性剤としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ミリスチルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム;ブチルナフチルスルホン酸ナトリウムのようなアルキルナフチルスルホン酸ナトリウム;ポリオキシエチレンオクチルエーテル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンデシルエーテル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンイコシルエーテル硫酸エステルナトリウムのようなポリオキシエチレンモノアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩;ポリオキシエチレンデシルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムのようなポリオキシエチレンモノ(アルキルフェニル)エーテル硫酸エステルナトリウム塩などが例示される。
【0024】
カチオン系界面活性剤としては、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、牛脂トリメチルアンモニウムクロリド、ヤシ油トリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリドのような第四級アンモニウム塩が例示される。
【0025】
本発明において、(Α)成分を溶解させ乳化を容易にするために、必要に応じて有機溶媒を配合してもよい。有機溶媒は、上記の機能を果たすものであれば特に限定されず、n−へキサン、n−へプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソパラフィン混合溶媒、ガソリン、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、灯油のような脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;n−ブチルエーテル、メチルフェニルエーテルのようなエーテル類;メチルイソブチルケトン、ジエチルケトンのようなケトン類;酢酸−n−ブチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ジオクタン酸−2,2−ジメチルプロペン−1,3−ジイルのようなエステル類;ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンのような鎖状揮発性シロキサン類;ならびにオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンのような環状揮発性シロキサン類が例示され、用途によって適宜選択され、1種を用いても2種以上を併用しても差し支えない。これらのうち、(Α)成分の乳化を良好に行いうることから、脂肪族炭化水素類またはエステル類を用いることが好ましく、特にこのような脂肪族炭化水素類およびエステル類から選ばれた少なくとも1種の有機溶媒を含む組成物をシャンプー、リンス、へアコンディショナーなどの毛髪化粧料に配合すると、使用後に毛髪に対してさらさらとした良好な感触を与えるという特徴が得られる。
【0026】
本発明の組成物は、髪油、染毛料、スキ油、セットローション、チック、びん付油、へアクリーム、へアトニック、へアリキッド、へアスプレー、ポマード、シャンプー、へアリンス、へアコンディショナー、ヘアローション等の毛髪化粧料、ハンドクリーム、スキンクリーム、ファンデーション、アイシャドウ、洗顔料、皮膚洗浄・洗拭剤等の皮膚化粧料のほか、使用時に感触が問題とされる外用医薬品などに至るまで、皮膚に外用される全ての製品に使用することができる。
【0027】
また、製品の形態としては、固形状、ゲル状、液状、ペースト状のものが例示される。これ以外にも、化粧料および化粧料以外の用途にも幅広く適用でき、例えばゴム、プラスチックおよびシェルモールド等の離型剤、電線の芯線の引抜きやアイロン掛けの際の潤滑剤、ゴム、プラスチック製品あるいは家具等の艶出剤、ラテックスやパルプ廃液等の消泡剤、繊維に撥水性や柔軟性等を付与するための繊維処理剤、あるいは塗料成分等の用途にも適宜、使用することができる。
【0028】
本発明の組成物には、必要に応じて、防腐剤、増粘剤などを配合することができる。防腐剤としては、パラベン、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、安息香酸ナトリウム、クエン酸、サリチル酸などが例示される。増粘剤については、前述の通りである。
【0029】
上記以外の任意の成分としては、流動パラフィン、ワセリン、固形パラフィン、スクワラン、およびオレフィンオリゴマー等の炭化水素;イソプロピルパルミテート、ステアリルステアレート、ミリスチン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸トリグリセライド等のエステル;ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;パラミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトールのような保湿剤;酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、セリサイト、タルク、カオリン、マイカのような無機粉体;ナイロン、ポリスチレン、ポリエステル、シリコーンパウダー、テフロンパウダー、ポリエチレン、ポリアクリレートのような有機粉体;エタノール等の溶剤;水;殺菌剤;香料等が挙げられる。
【0030】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の(B)成分であるポリエーテル変性シリコーンA〜Eを次のようにして調製した。
【0031】
[ポリエーテル変性シリコーンA]
フラスコにCH2 =CH−CH2 −O−(C4 H8 O)4 Hで表わされる重量平均分子量(Mw)360のアリル化ポリエーテル100重量部、トルエン104重量部、トルエンとイソプロピルアルコールとの1:1溶液に溶かした酢酸ナトリウムの1%溶液3.5重量部を仕込み、105〜115℃まで加熱した。約110℃の温度で安定化させた後、Pt/DVi 4 (白金/テトラビニルテトラメチルシクロシロキサン)錯体5.3×10-3重量部を添加し、引き続きこれに
【化5】
で表わされるポリオルガノハイドロジェンシロキサン(Mw4200)143重量部を滴下した。
【0032】
混合物ははじめ懸濁していたが、反応が進むにつれて透明化した。8時間反応させた後、IRスペクトルにてSi−Hの吸収が消失したことを確認し、120mmHg、60〜70℃で溶解した。これにより、目的とするポリエーテル変性シリコーンA
【化6】
が淡褐色の透明な油状物として、97%の収率で得られた。この油状物の重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析により求めたところ、Mw=6500であり、Mw/Mn=1.9であった。これはトルエン中、ポリスチレン換算により求めたものである。
【0033】
[ポリエーテル変性シリコーンB]
アリル化ポリエーテル100重量部に対し、トルエン48重量部、Pt/DVi 4 錯体2.5×10-3重量部を用い、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンとして
【化7】
(Mw3470)13重量部を用いた以外は実施例1と同様にしてポリエーテル変性シリコーンB
【化8】
を97%の収率で得た。このGPC分析によるMwは23700、Mw/Mn=2.0であった。
【0034】
[ポリエーテル変性シリコーンC]
アリル化ポリエーテルとしてCH2 =CH−CH2 −O−(C2 H4 O)10(C4 H8 O)10H(Mw=1200)を用い、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンとして
【化9】
(Mw4300)を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリエーテル変性シリコーンC
【化10】
を98%の収率で得た。GPC分析によるMwは6600、Mw/Mn=2.0であった。
【0035】
[ポリエーテル変性シリコーンD]
ポリオルガノハイドロジェンシロキサンとして
【化11】
(Mw72500)140重量部を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリエーテル変性シリコーンD
【化12】
を96%の収率で得た。GPC分析によるMwは112300、Mw/Mn=2.0であった。
【0036】
[ポリエーテル変性シリコーンE]
アリル化ポリエーテルとしてCH2 =CH−CH2 −O−(C2 H4 O)10(C4 H8 O)10Hを用い、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンとして
【化13】
(Mw73700)を153重量部用いた以外は実施例1と同様にして、ポリエーテル変性シリコーンE
【化14】
を98%の収率で得た。GPC分析によるMwは110700、Mw/Mn=2.1であった。
【0037】
次に、比較例に用いるポリエーテル変性シリコーンF〜Hを次のようにして調製した。
【0038】
[ポリエーテル変性シリコーンF]
アリル化ポリエーテルとしてCH2 =CH−CH2 −O−(C2 H4 O)9 H(Mw450)を100重量部用い、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンとして
【化15】
(Mw4200)を142重量部用いた以外は実施例1と同様にして、ポリエーテル変性シリコーンF
【化16】
を95%の収率で得た。GPC分析によるMwは6500、Mw/Mn=1.9であった。
【0039】
[ポリエーテル変性シリコーンG]
アリル化ポリエーテルとしてCH2 =CH−CH2 −O−(C3 H6 O)25H(Mw1500)100重量部を用い、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンとして
【化17】
(Mw4300)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリエーテル変性シリコーンG
【化18】
を98%の収率で得た。GPC分析によるMwは6600、Mw/Mn=1.9であった。
【0040】
[ポリエーテル変性シリコーンH]
アリル化ポリエーテルとしてCH2 =CH−CH2 −O−(C2 H4 O)18(C3 H6 O)18H(Mw2200)を用い、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンとして
【化19】
(Mw4300)を用いた以外は実施例1と同様にして、ポリエーテル変性シリコーンH
【化20】
を98%の収率で得た。GPC分析によるMwは6600、Mw/Mn=1.9であった。
【0041】
以上の操作で合成したポリエーテル変性シリコーンA〜Hを用い、実施例1〜9および比較例1〜3のシリコーン乳化組成物を以下のようにして調製した。
【0042】
ステンレス製容器内の中心軸にステーターを有し、その周囲を回転し、容器の内壁に付着した内容物をかき取るスクレーパーを備えた攪拌部を有するアンカー型回転式低速攪拌装置と、ステーター内部に設けられた高速剪断分散装置(ホモミキサー)とを組み合わせた乳化装置(商品名アジホモミキサー、特殊機化(株)製)を用い、表1に示す成分および組成比により、水中油型シリコーン乳化組成物を調製した。
【0043】
すなわち、まず、ポリジメチルシロキサン60重量部、ポリエーテル変性シリコーン(A〜Hの指定量)、次いで他の乳化剤(指定量)及び防腐剤を加え、攪拌しながら70℃に昇温し、2時間攪拌して系を均一にした。
【0044】
ついで徐々に水を添加、反転させてシリコーン濃度60%の均一な水中油型シリコーン組成物を得た。
【0045】
得られた実施例1〜9および比較例1〜3のシリコーン乳化組成物について、経時安定性および剪断性を評価した。
【0046】
<安定性評価>
各エマルジョンを50℃にて保管した場合の経時安定性を排水の有無により評価した。結果は表1に示すとおりである。
【0047】
【表1】
<剪断性評価>
各エマルジョンを卓上ホモミキサー(4000rpm)にて一定時間攪拌後のエマルジョンの外観を油分離の有無により評価した。結果を表1に併記する。
【0048】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜9のシリコーン乳化組成物はいずれも安定性および剪断性共に優れていたのに対し、比較例1〜3のシリコーン乳化組成物は安定性にも剪断性にも劣るものであった。
【0049】
【発明の効果】
シリコーン油は安定な乳化系を得るのが困難であったが、本発明によれば、経時、温度変化および剪断に対して良好な安定性を示すシリコーン乳化組成物を得ることができる。
【0050】
Claims (3)
- 前記シリコーン油(A)が5〜90重量部、前記ポリエーテル変性シリコーン(B)が0.5〜50重量部含有されることを特徴とする請求項1記載のシリコーン乳化組成物。
- 前記シリコーン油(A)がポリジメチルシロキサンであることを特徴とする請求項1記載のシリコーン乳化組成物。
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