JP2006335690A - 油中水型乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、ここで得られる乳化物は、使用感は良好であるものの、温度変化の激しい場合に不安定になることがあり、安定性の面で、十分満足できるものではなかった。
(A)一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類
(B)炭素数6〜30の脂肪酸、
(C)シリコーン系界面活性剤、
(D)シリコーン油、
(E)シリコーン油以外の油性成分
を含有する油中水型乳化組成物を提供するものである。
式中、R1は、ヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30、好ましくはヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数7〜22の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基である。特に、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、Y側末端にヒドロキシル基を持つ炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基で、分岐鎖アルキル基の場合は分岐鎖がメチル分岐のもの等が好ましい。具体的には、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、1−ヒドロキシトリデシル基、1−ヒドロキシペンタデシル基、イソヘキサデシル基、イソステアリル基が好ましい。
X1、X2、及びX3は、各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X4は水素原子、アセチル基、グリセリル基、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成する置換基を示す。特に、X1、X2、及びX3のうち0〜1個がヒドロキシル基で、残余が水素原子、及びX4が水素原子であるものが好ましい。なお、Yがメチン基のとき、X1とX2のいずれか一方のみが水素原子であり、他方は存在しない。また、X4がオキソ基を形成するとき、X3は存在しない。
(I)一般式(2)で表わされる天然型スフィンゴシン。
これらのスフィンゴシンは天然型(D(+)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(−)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。
特に、PHYTOSPHINGOSINE(INCI名;8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
天然型スフィンゴシンの市販のものとしては、例えば、D-Sphingosine(4-Sphingenine) (SIGMA-ALDRICH社)、DS-phytosphingosine (DOOSAN社)、phytosphingosine(コスモファーム社)が挙げられる。
また、aが2のときR2はR10及びR11を示し、aが3のときR2はR10、R11及びR12である。
特に、R10及びR11のいずれか1つが水素原子で、他方が2−ヒドロキシエチル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルである2級アミンが好ましい。
擬似型スフィンゴシンの具体例としては、次の擬似型スフィンゴシン(i)〜(iv)が挙げられる。
また、脂肪酸の鎖長は乳化する油性成分の種類、乳化組成物の粘度により選択される。例えば、比較的粘度が低い乳液状の乳化組成物の場合には鎖長の短いものを、粘度が高くクリーム状の乳化組成物の場合には、鎖長の長いものを用いることにより、安定な乳化状態が得られる。
これらのうち、炭素数12〜18の脂肪酸、特にミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸が、良好な使用感の点から好ましい。
また、成分(B)は、成分(A)のスフィンゴシン類のアミン基部分をカチオン化するために有効であり、成分(A)1モルに対して0.3モル以上、特に0.3〜5モル、更に0.5〜3モル含有するのが、乳化組成物の安定性向上のために好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリエーテル変性シリコーン、グリセリルエーテル変性シリコーン等が好ましく、より具体的には、次の一般式(4)、(5)で表されるものが挙げられる。
好ましくは、一般式(4)において、dは1〜10、eは1〜50、fは1〜50、gは10〜1000、hは1〜50の数であり、一般式(5)において、iは1〜20、jは1〜20、kは0〜30、pは10〜100、qは1〜100である。
本発明においては、特に、成分(A)及び(B)に、更に成分(C)を加えることにより、より過酷な環境下、例えば輸出時の船倉において赤道通過時に60℃を超えるような場合や、また、北海道などの寒冷地における冬季の倉庫などでの保存でも、十分な乳化安定性を得ることが可能である。
Zはメチレン基、メチン基又は酸素原子のいずれかを示す。
R17及びR18は、水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し、好ましいR17は水素原子又はヒドロキシメチル基であり、好ましいR18は水素原子である。
主鎖にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有していてもよい炭素数5〜60の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示す。好ましくは、ヒドロキシル基又はアミノ基が置換していてもよい炭素数5〜35の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基、又は該炭化水素基のω位に、ヒドロキシル基が置換してもよい炭素数8〜22の直鎖、分岐又は環状の飽和又は不飽和の脂肪酸がエステル結合又はアミド結合したものが挙げられる。結合する脂肪酸としては、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸又はリノール酸が好ましい。
(I)一般式(7)で表わされる天然由来のセラミド類又は同構造の合成物及びその誘導体(以下、天然型セラミドと記載する。)。
これらのセラミドは天然型(D(−)体)の光学活性体を用いても、非天然型(L(+)体)の光学活性体を用いても、更に天然型と非天然型の混合物を用いてもよい。上記化合物の相対立体配置は、天然型の立体配置のものでも、それ以外の非天然型の立体配置のものでも良く、また、これらの混合物によるものでもよい。特にCERAMIDE1、CERAMIDE2、CERAMIDE3、CERAMIDE5、CERAMIDE6IIの化合物(以上、INCI、8th Edition)及び次式で表わされるものが好ましい。
このような天然型セラミドの市販のものとしては、Ceramide I、Ceramide III、Ceramide IIIA、Ceramide IIIB、Ceramide IIIC、Ceramide VI(以上、コスモファーム社)、Ceramide TIC-001(高砂香料社)、CERAMIDE II(Quest International社)、DS-Ceramide VI、DS-CLA-Phytoceramide、C6-Phytoceramide、DS-ceramide Y3S(DOOSAN社)、CERAMIDE2(セダーマ社)が挙げられる。
表1に示す組成の油中水型乳化組成物を下記方法により製造した。得られた乳化組成物について、サイクル安定性、安定性及び使用感(すべすべ感)を評価した。結果を表1に併せて示す。
成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含む油相成分を80〜90℃で加熱撹拌して溶解させ、均一に撹拌しながら、水相成分及びその他の成分を添加した。更に撹拌しながら、室温まで冷却して、油中水型乳化組成物を得た。
(1)サイクル安定性:
各乳化組成物を、−15℃〜60℃を24時間で1サイクルとする保存庫に入れ、6日間静置した後、室温に戻し、以下の基準で評価した。
◎;乳化分離が認められず、外観上の変化もない。
○;乳化分離は認められないが、外観がわずかに変化。
×;乳化の分離を認め、外観が大きく変化した。
各乳化組成物を、50℃で、それぞれ1週間静置した後、以下の基準により外観を目視にて評価した。
◎;乳化分離が認められず、外観上の変化もない。
○;乳化分離は認められないが、外観がわずかに変化。
×;乳化の分離を認め、外観が大きく変化した。
10名の専門パネラーにより、各サイクル試験品を0.3g顔に塗布したときの「すべすべ感」を官能評価し、次の基準により判定した。
◎:9名以上が良好(良い)と評価した。
○:7〜8名が良好(良い)と評価した。
×:6名以下が良好(良い)と評価した。
Claims (4)
- 次の成分(A)〜(E):
(A)一般式(1)で表わされるスフィンゴシン類
(式中、R1はヒドロキシル基、カルボニル基又はアミノ基が置換していてもよい、炭素数4〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;Yはメチレン基、メチン基又は酸素原子を示し;X1、X2、及びX3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基又はアセトキシ基を示し、X4は水素原子、アセチル基又はグリセリル基を示すか、隣接する酸素原子と一緒になってオキソ基を形成し(但し、Yがメチン基のとき、X1とX2のいずれか一方が水素原子であり、他方は存在しない。X4がオキソ基を形成するとき、X3は存在しない。);R2及びR3は各々独立して水素原子、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基又はアセトキシメチル基を示し;a個のRは各々独立して水素原子又はアミジノ基であるか、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシ基及びアセトキシ基から選ばれる置換基を有していてもよい総炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し;aは2又は3の数を示し;破線部は不飽和結合であってもよいことを示す)、
(B)炭素数6〜30の脂肪酸、
(C)シリコーン系界面活性剤、
(D)シリコーン油、
(E)シリコーン油以外の油性成分
を含有する油中水型乳化組成物。 - 成分(C)が、ポリエーテル変性シリコーン又はグリセリルエーテル変性シリコーンである請求項1記載の油中水型乳化組成物。
- 成分(C)が、一般式(4)又は(5)
で表されるものである請求項1又は2記載の油中水型乳化組成物。 - 成分(E)が、25℃で固体又は半固体の油性成分を含むものである請求項1〜3のいずれか1項記載の油中水型乳化組成物。
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