JP2021084886A - 安定性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な温度条件下で経時的に安定である組成物を提供する。【解決手段】(a)少なくとも1種の油、(b)少なくとも1種の親油性界面活性剤、(c)少なくとも1種のセラミド化合物、(d)少なくとも1種の固体脂肪族アルコール、(e)少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び(f)水を含む組成物。好ましくは化粧用又は皮膚科用組成物である。本組成物は、室温及び高温、例えば25℃及び50℃等の様々な温度条件下で経時的に安定である。【選択図】なし

Description

本発明は、異なるタイプの界面活性剤並びにセラミド化合物及び固体脂肪族アルコールを含む組成物、好ましくは化粧用又は皮膚科用組成物に関する。
水中油型(O/W型)エマルション又は油中水型(W/O型)エマルションは、化粧品及び皮膚科学の分野で、詳細にはミルク、クリーム、トニック、美容液又は化粧水等の化粧料の製造用として、周知である。
しかしながら、このようなエマルションは、一部の温度条件下では経時的に不安定になることがあり、それによって相分離が生じる。
DE 4424530 DE 4424533 DE 4402929 DE 4420736 WO 95/23807 WO 94/07844 EP-A-0 646 572 WO 95/16665 FR-2 673 179 EP-A-0 227 994 WO 94/07844 WO 94/24097 WO 94/10131 EP-A-0 227 994 EP-A-0 647 617 EP-A-0 736 522 WO 94/07844
Walter Noll著「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)Academic Press Cosmetics and Toiletries、91巻、76年1月、27〜32頁、Todd & Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmetics Downing、Journal of Lipid Research、Vol. 35、2060〜2068頁、1994
本発明の目的は、室温及び高温、例えば25℃及び50℃等の様々な温度条件下で経時的に安定である組成物を提供することである。
ここでの「安定性」という用語は、組成物の様相が均一であり、経時的に、例えば約4週間以上、変化しないことを意味する。例えば、「安定性」組成物は、本来、均一な単相を有し、約4週間以上、相分離が生じない、又は実質的に生じない。
本発明の上記の目的は、
(a)少なくとも1種の油、
(b)少なくとも1種の親油性界面活性剤、
(c)少なくとも1種のセラミド化合物、
(d)少なくとも1種の固体脂肪族アルコール、
(e)少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び
(f)水
を含む組成物によって達成することができる。
(a)油は、極性油、好ましくはエステル油、より好ましくは植物油から選択されてもよい。
本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総質量に対して0.1質量%から20質量%、好ましくは0.5質量%から15質量%、より好ましくは1質量%から10質量%の範囲であってよい。
(b)親油性界面活性剤のHLB値は、2〜5、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3の範囲である。
(b)親油性界面活性剤は、スクロース脂肪酸エステル、より好ましくはスクロース脂肪酸ジエステル及びスクロース脂肪酸トリエステル、更により好ましくはスクロース脂肪酸トリエステルから選択することができる。
本発明による組成物中の(b)親油性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から15質量%、好ましくは0.5質量%から10質量%、より好ましくは1質量%から5質量%の範囲であってよい。
(c)セラミド化合物は、式(I)で表すことができる:
Figure 2021084886
[式中、
R1は、
- 飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C50、好ましくはC5〜C50炭化水素基(この基は、酸R7COOHによって任意選択でエステル化されている1個又は複数のヒドロキシル基によって置換されていることが可能であり、R7は、任意選択でモノ又はポリヒドロキシル化されている、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C35炭化水素基であり、R7基の1個又は複数のヒドロキシルは、任意選択でモノ又はポリヒドロキシル化されている、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C35脂肪酸によってエステル化されていることが可能である)、或いは
- R"-(NR-CO)-R'基(式中、Rは、水素原子、又はモノ若しくはポリヒドロキシル化、好ましくはモノヒドロキシル化C1〜C20炭化水素基を示し、R'及びR"は、炭素原子の総数が9個から30個の間の炭化水素基であり、R'は二価の基である)、或いは
- R8-O-CO-(CH2)p基(式中、R8は、C1〜C20炭化水素基を示し、pは、1〜12の整数である)
のいずれかを示し、
R2は、水素原子、糖類タイプの基、特に(グリコシル)n、(ガラクトシル)m又はスルホガラクトシルの各基、スルフェート又はホスフェート残基、ホスホリルエチルアミン基及びホスホリルエチルアンモニウム基から選択され、nは、1〜4の整数であり、mは、1〜8の整数であり、
R3は、水素原子、又はヒドロキシル化されている若しくはヒドロキシル化されていない、飽和若しくは不飽和のC1〜C33炭化水素基を示し、1個又は複数のヒドロキシルは、無機酸又は酸R7COOHによってエステル化されていることが可能であり、R7は、上記と同じ意味を有し、1個又は複数のヒドロキシルは、(グリコシル)n、(ガラクトシル)m、スルホガラクトシル、ホスホリルエチルアミン又はホスホリルエチルアンモニウム基によってエーテル化されていることが可能であり、nは、1〜4の整数であり、mは、1〜8の整数であり、R3が1個又は複数のC1〜C14アルキル基によって置換されていることもまた可能であり、
R4は、水素原子、メチル基若しくはエチル基、任意選択でヒドロキシル化されている、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状のC3〜C50炭化水素基、又は-CH2-CHOH-CH2-O-R6基を示し、R6は、C10〜C26炭化水素基、又はR8-O-CO-(CH2)p基を示し、R8は、C1〜C20炭化水素基を示し、pは、1〜12の整数であり、
R5は、水素原子、又は任意選択でモノ若しくはポリヒドロキシル化されている、飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分枝状のC1〜C30炭化水素基を示し、1個又は複数のヒドロキシルは、(グリコシル)n、(ガラクトシル)m、スルホガラクトシル、ホスホリルエチルアミン又はホスホリルエチルアンモニウム基によってエーテル化されていることが可能であり、nは、1〜4の整数であり、mは、1〜8の整数であり、但しR3及びR5が水素を示すとき、又はR3が水素を示してR5がメチルを示すとき、R4は水素原子もメチル基もエチル基も示さない]。
(c)セラミド化合物は、2-N-リノレオイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-オレオイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-パルミトイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-ステアロイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-ベヘノイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-[2-ヒドロキシパルミトイル]アミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-ステアロイルアミノオクタデカン-1,3,4-トリオール、2-N-パルミトイルアミノヘキサデカン-1,3-ジオール、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物中の(c)セラミド化合物の量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%〜5質量%、好ましくは0.005質量%〜3質量%、より好ましくは0.01質量%〜1質量%の範囲であってよい。
(d)固体脂肪族アルコールは、8〜30個の炭素原子を含む飽和直鎖状アルコールから選択することができ、好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択することができ、より好ましくはベヘニルアルコールである。
本発明による組成物中の(d)固体脂肪族アルコールの量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から15質量%、好ましくは0.5質量%から10質量%、より好ましくは1質量%から5質量%の範囲であってよい。
(e)アニオン性界面活性剤は、アミノ酸系界面活性剤及びタウリン系界面活性剤から選択することができ、好ましくはアミノ酸系界面活性剤から選択することができ、より好ましくはグルタミン酸塩、N-アシル化グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、N-アシル化アスパラギン酸塩、及びこれらの塩からなる群から選択することができる。
本発明による組成物中の(e)アニオン性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.05質量%〜5質量%、より好ましくは0.1質量%〜1質量%の範囲であってよい。
本発明による組成物は、エマルション、好ましくはO/W型エマルション、より好ましくはO/W型エマルション中の油滴が少なくとも1つのラメラ層で被覆されているO/W型エマルションの形態であってもよい。
本発明はまた、ケラチン物質を処置するための美容方法であって、本発明による組成物をケラチン物質に塗布する工程を含む、美容方法に関する。
鋭意検討の結果、本発明者らは、室温及び高温、例えば25℃及び50℃等の様々な温度条件下で経時的に安定である組成物を提供することが可能であることを発見した。
本発明による組成物は、
少なくとも1種の親油性界面活性剤、
少なくとも1種のセラミド化合物、
少なくとも1種の固体脂肪族アルコール、及び
少なくとも1種のアニオン性界面活性剤
の組み合わせを特徴としうる。
親油性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤とは異なり、アニオン性界面活性剤と区別される。
したがって、本発明の一態様は、
(a)少なくとも1種の油、
(b)少なくとも1種の親油性界面活性剤、
(c)少なくとも1種のセラミド化合物、
(d)少なくとも1種の固体脂肪族アルコール、
(e)少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び
(f)水
を含む組成物である。
本発明の非常に好ましい実施形態において、本発明は、スクロース脂肪酸トリエステル、セラミド化合物、固体脂肪族アルコール、及びアミノ酸系界面活性剤の組み合わせを特徴としうる。
これに応じて、本発明の非常に好ましい実施形態において、本発明は、少なくとも1種の油、スクロース脂肪酸トリエステル、セラミド化合物、固体脂肪族アルコール、アミノ酸系界面活性剤、及び水を含む組成物に関する。
本発明による組成物は、25℃のような周囲温度又は室温で長期間、安定である。
本発明による組成物は、50℃のような高温下で長期間、安定である。
したがって、本発明による組成物は、室温及び高温、例えば25℃及び50℃等の様々な温度条件下で経時的に安定である。
本発明による組成物の本来の様相を、周囲温度又は室温から昇温又は高温の様々な温度条件下、経時的に、約4週間以上、維持することができる。例えば、本発明による組成物が本来一様又は均一な様相を有する場合、この様相は約4週間以上変化しない。
したがって、本発明による組成物は、好ましくは、例えば、夏の期間中の高温の場所で使用することができる。
以下、本発明による組成物を、より詳細に説明する。
[油]
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種の油を含む。2種以上の油を使用する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
ここで「油」は、室温(25℃)、大気圧(760mmHg)下で液状又はペースト状(非固体)の形態である脂肪族化合物又は脂肪性物質を意味する。油として、化粧品において一般的に使用されるものを、単独で、又はそれらを組み合わせて使用することができる。これらの油は揮発性であっても不揮発性であってもよい。
(a)油は、炭化水素油、シリコーン油等の非極性油;植物油若しくは動物油及びエステル油若しくはエーテル油等の極性油;又はそれらの混合物となり得る。
(a)油は、植物又は動物起源の油、合成油、シリコーン油、炭化水素油、及び脂肪族アルコールからなる群から選択することができる。
植物油の例として、例えば、メドウフォーム油、亜麻仁油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、菜種油、ゴマ油、ダイズ油、ピーナツ油、及びこれらの混合物を挙げることができる。
動物油の例として、例えば、スクアレン及びスクアランを挙げることができる。
合成油の例として、イソドデカン及びイソヘキサデカン等のアルカン油、エステル油、エーテル油及び人工トリグリセリドを挙げることができる。
エステル油は、好ましくは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C26脂肪族一酸又は多酸と、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C26脂肪族一価アルコール又は多価アルコールとの液状エステルであり、これらのエステルの合計炭素原子数は10以上である。
好ましくは、一価アルコールのエステルの場合、本発明のエステルが由来するアルコール及び酸のうちの少なくとも1つは分枝状である。
一酸及び一価アルコールのモノエステルの中でも、パルミチン酸エチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル又はミリスチン酸エチル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル、及びネオペンタン酸イソステアリルが挙げられ得る。
C4〜C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸、及びC1〜C22アルコールのエステル、並びに、モノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸、及び非糖C4〜C26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ又はペンタヒドロキシアルコールのエステルも使用してもよい。
セバシン酸ジエチル、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソステアリル、マレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソステアリル、トリ乳酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリオレイル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコールを特に挙げることができる。
好ましいエステル油の例として、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチル、ヘキサン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸エチル、オクタン酸セチル、オクタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸イソデシル、プロピオン酸ミリスチル、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル、オクタン酸2-エチルヘキシル、(カプリル酸/カプリン酸)2-エチルヘキシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、ラウリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸イソデシル、トリ(2-エチルヘキサン酸)グリセリル、テトラ(2-エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、コハク酸2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、及びそれらの混合物を挙げることができる。
人工トリグリセリドの例として、例えば、カプリルカプリリルグリセリド、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリリノレン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリン酸/カプリル酸)グリセリル及びトリ(カプリン酸/カプリル酸/リノレン酸)グリセリルを挙げることができる。
シリコーン油の例として、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等;環状オルガノポリシロキサン、例えば、シクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等;並びにそれらの混合物を挙げることができる。
好ましくは、シリコーン油は、液体ポリジアルキルシロキサン、特に液体ポリジメチルシロキサン(PDMS)及び少なくとも1つのアリール基を含む液体ポリオルガノシロキサンから選択される。
これらのシリコーン油は、有機変性されていてもよい。本発明に従って使用することができる有機変性シリコーンは、上記で定義したようなシリコーン油であり、それらの構造中に、炭化水素系基を介して結合されている1個又は複数の有機官能基を含むシリコーン油である。
オルガノポリシロキサンは、Walter Noll著「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)Academic Pressにおいてより詳細に定義されている。これらは、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
これらが揮発性である場合、シリコーンは、より詳細には、沸点が60℃から260℃の間であるものから選択され、更により詳細には、以下のものから選択される:
(i)3〜7個、好ましくは4〜5個のケイ素原子を含む環状ポリジアルキルシロキサン。これらは、例えば、特に、Union Carbide社によりVolatile Silicone(登録商標)7207という名称で、又はRhodia社によりSilbione(登録商標)70045 V2という名称で販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Union Carbide社によりVolatile Silicone(登録商標)7158という名称で、Rhodia社によりSilbione(登録商標)70045 V5という名称で販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、及びMomentive Performance Materials社によりSilsoft 1217という名称で販売されているドデカメチルシクロペンタシロキサン、並びにこれらの混合物である。Union Carbide社により販売されているSilicone Volatile(登録商標)FZ 3109等の、次式の、ジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン等のタイプのシクロコポリマーを挙げることもできる。
Figure 2021084886
環状ポリジアルキルシロキサンと有機ケイ素化合物との混合物、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトールとの混合物(50/50)及びオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-ビス(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンとの混合物も挙げることもできる。
(ii)2〜9個のケイ素原子を含み、25℃で5×10-6m2/s以下の粘度を有する直鎖状揮発性ポリジアルキルシロキサン。例は、特にToray Silicone社からSH 200の名称で販売されているデカメチルテトラシロキサンである。この部類に属するシリコーン類は、Cosmetics and Toiletries、91巻、76年1月、27〜32頁、Todd & Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmeticsにおいて公表されている論文にも記載されている。シリコーンの粘度は、ASTM規格445付録Cに従って25℃で測定される。
不揮発性ポリジアルキルシロキサンを使用することもできる。これらの不揮発性シリコーンは、より詳細には、ポリジアルキルシロキサンから選択され、その中では、トリメチルシリル末端基を含むポリジメチルシロキサンを主に挙げることができる。
これらのポリジアルキルシロキサンの中では、非限定的に、以下の市販製品を挙げることができる:
- Rhodia社により販売されているSilbione(登録商標)油の47及び70 047シリーズ又はMirasil(登録商標)油、例えば70 047 V 500 000油、
- Rhodia社により販売されているMirasil(登録商標)シリーズの油、
- Dow Corning社製の200シリーズの油、例えば粘度60000mm2/sのDC200、並びに
- General Electric社製のViscasil(登録商標)油及びGeneral Electric社製のSFシリーズのある種の油(SF 96、SF 18)。
ジメチコノール(CTFA)の名称で知られている、ジメチルシラノール末端基を含むポリジメチルシロキサン、例えばRhodia社製の48シリーズの油も挙げることができる。
アリール基を含むシリコーンの中でも、ポリジアリールシロキサン、特にポリジフェニルシロキサン及びポリアルキルアリールシロキサン、例えばフェニルシリコーン油を挙げることができる。
フェニルシリコーン油は、以下の式のフェニルシリコーンから選択してもよい:
Figure 2021084886
(式中、
R1〜R10は、互いに独立に、飽和又は不飽和の、直鎖状、環状又は分枝状のC1〜C30炭化水素系基、好ましくはC1〜C12炭化水素系基、より好ましくはC1〜C6炭化水素系基、特にメチル、エチル、プロピル又はブチル基であり、
m、n、p及びqは、互いに独立に、両端を含んで0〜900、好ましくは両端を含んで0〜500、より好ましくは両端を含んで0〜100の整数であり、
但し、n+m+qの和は0以外である)。
挙げることができる例には、以下の名称で販売されている製品が含まれる:
- Rhodia社製のSilbione(登録商標)油の70 641シリーズ、
- Rhodia社製のRhodorsil(登録商標)70 633及び763シリーズの油、
- Dow Corning社製のDow Corning 556 Cosmetic Grade Fluid油、
- Bayer社製のPKシリーズのシリコーン、例えばPK20製品、
- General Electric社製のSFシリーズのある種の油、例えばSF 1023、SF 1154、SF 1250及びSF 1265。
フェニルシリコーン油として、フェニルトリメチコン(上記の式中、R1〜R10は、メチルであり;p、q、及びn=0であり;m=1である)が好ましい。
有機変性液状シリコーンは、とりわけ、ポリエチレンオキシ基及び/又はポリプロピレンオキシ基を含んでいてもよい。そのため、信越化学工業株式会社によって提案されているシリコーンKF-6017、及びUnion Carbide社製のSilwet(登録商標)L722油及びL77油を挙げることができる。
炭化水素油は、以下から選択してもよい:
- 直鎖状又は分枝状の、任意選択で環状のC6〜C16低級アルカン。(挙げることができる例としては、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、及びイソパラフィン、例としてはイソヘキサデカン、イソドデカン及びイソデカンが含まれる);並びに
- 16個超の炭素原子を含有する直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば流動パラフィン、液状ワセリン、ポリデセン及び水素化ポリイソブテン、例えばParleam(登録商標)、並びにスクアラン。
炭化水素油の好ましい例として、例えば、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えばイソヘキサデカン、イソドデカン、スクアラン、鉱油(例えば、液状パラフィン)、パラフィン、ワセリン又はペトロラタム、ナフタレン等;水素化ポリイソブテン、イソエイコサン及びデセン/ブテンコポリマー;並びにこれらの混合物を挙げることができる。
(a)油は、極性油、好ましくはエステル油、より好ましくは植物油から選択されることが好ましいことがある。
本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下でありうる。
本発明による組成物中の(a)油の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%〜20質量%、好ましくは0.5質量%〜15質量%、より好ましくは1質量%〜10質量%であってよい。
[親油性界面活性剤]
本発明による組成物は、(b)少なくとも1種の親油性界面活性剤を含む。単一のタイプの(b)親油性界面活性剤を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプの(b)親油性界面活性剤を組み合わせて使用することもできる。
(b)親油性界面活性剤のHLB値は、2〜5、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3の範囲のHLB値であることが好ましいことがある。
HLB(「親水性-親油性バランス」)という用語は、当業者に周知であり、分子中の親水性部分と親油性部分との間の比を反映している。
2種以上の(b)親油性界面活性剤を使用する場合、そのHLB値は、全ての(b)親油性界面活性剤のHLB値の質量平均により決定される。
(b)親油性界面活性剤は、糖脂肪酸エステル、より好ましくは糖脂肪酸ジエステル及び糖脂肪酸トリエステル、更により好ましくは糖脂肪酸トリエステルから選択することが好ましい。
糖脂肪エステルは、糖及び少なくとも1種の脂肪酸、好ましくは2種の脂肪酸、より好ましくは3種の脂肪酸の縮合によって形成することができる。
脂肪酸は、12個以上、好ましくは14個以上、より好ましくは16個以上及び/又は22個以下、好ましくは20個以下、より好ましくは18個以下の数の炭素原子を有しうる。したがって、脂肪酸の炭素原子の数は、12〜22個、好ましくは14〜20個、より好ましくは16〜18個であってもよい。
脂肪酸は、飽和又は不飽和の直鎖状アルキル又はアルケニル鎖を有しうる。脂肪酸は、特にラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、及びこれらの混合物から選択することができる。ステアリン酸を使用することが好ましい。
糖は、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
糖は、マルトース、ラクトース、サッカロース、セロビオース、トレハロース、及びスクロース等のオリゴ糖類から選択されることが好ましい。
(b)親油性界面活性剤は、スクロース脂肪酸エステル、より好ましくはスクロース脂肪酸ジエステル及びスクロース脂肪酸トリエステル、更により好ましくはスクロース脂肪酸トリエステルから選択することがより好ましい。
(b)親油性界面活性剤は、トリステアリン酸スクロースであることが特に好ましい。
本発明による組成物中の(b)親油性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の(b)親油性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であってもよい。
本発明による組成物中の(b)親油性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から15質量%、好ましくは0.5質量%から10質量%、より好ましくは1質量%から5質量%の範囲であってよい。
本発明による組成物中の(b)親油性界面活性剤の量/(a)油の量の質量比は、1から4、好ましくは1.5から3.5、より好ましくは2から3の範囲であってもよい。
[セラミド化合物]
本発明による組成物は、(c)少なくとも1種のセラミド化合物を含む。単一のタイプのセラミド化合物を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプのセラミド化合物を組み合わせて使用することもできる。
本発明によれば、用語「セラミド化合物」は、天然若しくは合成のセラミド及び/又はグリコセラミド及び/又はシュードセラミド及び/又はネオセラミドを意味すると理解される。
セラミド化合物は、例えば、特許出願DE 4424530、DE 4424533、DE 4402929、DE 4420736、WO 95/23807、WO 94/07844、EP-A-0 646 572、WO 95/16665、FR-2 673 179、EP-A-0 227 994、WO 94/07844、WO 94/24097及びWO 94/10131に開示されており、これらの教示は参照により本明細書に含まれる。
本発明により使用されうるセラミド化合物は、一般式(I):を含み、実際、好ましくは該式に相当する。
Figure 2021084886
[式中、
R1は、
- 飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C50、好ましくはC5〜C50炭化水素基(この基は、酸R7COOHによって任意選択でエステル化されている1個又は複数のヒドロキシル基によって置換されていることが可能であり、R7は、任意選択でモノ又はポリヒドロキシル化されている、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C35炭化水素基であり、R7基の1個又は複数のヒドロキシルは、任意選択でモノ又はポリヒドロキシル化されている、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C35脂肪酸によってエステル化されていることが可能である)、或いは
- R"-(NR-CO)-R'基(式中、Rは、水素原子、又はモノ若しくはポリヒドロキシル化、好ましくはモノヒドロキシル化C1〜C20炭化水素基を示し、R'及びR"は、炭素原子の総数が9個から30個の間の炭化水素基であり、R'は二価の基である)、或いは
- R8-O-CO-(CH2)p基(式中、R8は、C1〜C20炭化水素基を示し、pは、1〜12の整数である)
のいずれかを示し、
R2は、水素原子、糖類タイプの基、特に(グリコシル)n、(ガラクトシル)m又はスルホガラクトシルの各基、スルフェート又はホスフェート残基、ホスホリルエチルアミン基及びホスホリルエチルアンモニウム基から選択され、nは、1〜4の整数であり、mは、1〜8の整数であり、
R3は、水素原子、又はヒドロキシル化されている若しくはヒドロキシル化されていない、飽和若しくは不飽和のC1〜C33炭化水素基を示し、1個又は複数のヒドロキシルは、無機酸又は酸R7COOHによってエステル化されていることが可能であり、R7は、上記と同じ意味を有し、1個又は複数のヒドロキシルは、(グリコシル)n、(ガラクトシル)m、スルホガラクトシル、ホスホリルエチルアミン又はホスホリルエチルアンモニウム基によってエーテル化されていることが可能であり、nは、1〜4の整数であり、mは、1〜8の整数であり、R3が1個又は複数のC1〜C14アルキル基によって置換されていることもまた可能であり、
R4は、水素原子、メチル基若しくはエチル基、任意選択でヒドロキシル化されている、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状のC3〜C50炭化水素基、又は-CH2-CHOH-CH2-O-R6基を示し、R6は、C10〜C26炭化水素基、又はR8-O-CO-(CH2)p基を示し、R8は、C1〜C20炭化水素基を示し、pは、1〜12の整数であり、
R5は、水素原子、又は任意選択でモノ若しくはポリヒドロキシル化されている、飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分枝状のC1〜C30炭化水素基を示し、1個又は複数のヒドロキシルは、(グリコシル)n、(ガラクトシル)m、スルホガラクトシル、ホスホリルエチルアミン又はホスホリルエチルアンモニウム基によってエーテル化されていることが可能であり、nは、1〜4の整数であり、mは、1〜8の整数であり、但しR3及びR5が水素を示すとき、又はR3が水素を示してR5がメチルを示すとき、R4は水素原子もメチル基もエチル基も示さない]。
式(I)の化合物の中で、Journal of Lipid Research、Vol. 35、2060〜2068頁、1994においてDowningによって記載されている構造を有する、又は仏国特許出願FR-2 673 179に開示されているものの、セラミド及び/又はグリコセラミドが優先され、その教示は参照により本明細書に組み込まれる。
上式(I)中、R3は、C15〜C26α-ヒドロキシアルキル基を示し、ヒドロキシル基が任意選択でC16〜C30α-ヒドロキシ酸によってエステル化されていることが好ましい。
本発明による、より特に好ましいセラミド化合物は、式(I)の化合物であり、式中、R1は、C14〜C22脂肪酸に由来する、任意選択でヒドロキシル化されている飽和又は不飽和のアルキルを示し、R2は、水素原子を示し、R3は、任意選択でヒドロキシル化されている直鎖状のC11〜C17基、好ましくはC13〜C15基を示す。R3は、好ましくは、α-ヒドロキシセチル基を示し、R2、R4及びR5は、水素原子を示す。
(b)セラミド化合物は、2-N-リノレオイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-オレオイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-パルミトイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-ステアロイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-ベヘノイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-[2-ヒドロキシパルミトイル]アミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-ステアロイルアミノオクタデカン-1,3,4-トリオール、2-N-パルミトイルアミノヘキサデカン-1,3-ジオール、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。
(b)セラミド化合物は、ビス(N-ヒドロキシエチル-N-セチル)マロンアミド、セチル酸のN-(2-ヒドロキシエチル)-N-(3-セチルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)アミド、及びN-ドコサノイル-N-メチル-D-グルカミンから選択されることもまた好ましい。
セラミド化合物の混合物、例えば、Downing分類によるセラミド2とセラミド5との混合物もまた使用されてよい。
更に特に使用されてよいのはまた、式(I)の化合物であり、式中、R1は、C12〜C22脂肪酸に由来する飽和又は不飽和のアルキル基を示し、R2は、ガラクトシル基又はスルホガラクトシル基を示し、R3は、飽和又は不飽和のC12〜C22炭化水素基、好ましくは-CH=CH-(CH2)12-CH3基を示す。
挙げることができるのは、例えば、Waitaki International Biosciences社によって商標名Glycocerで販売されているグリコセラミドの混合物で構成される製品である。
特許出願EP-A-0 227 994、EP-A-0 647 617、EP-A-0 736 522及びWO 94/07844に開示されている式(I)の化合物もまた使用されてよい。
このような化合物には、例えば、Quest社により販売されているQuestamide H(ビス(N-ヒドロキシエチル-N-セチル)マロンアミド)、又はセチル酸のN-(2-ヒドロキシエチル)-N-(3-セチルオキシ-2-ヒドロキシ-プロピル)アミドが挙げられる。
特許出願WO 94/24097に開示されているN-ドコサノイル-N-メチル-D-グルカミンもまた使用されてよい。
当然ながら、本発明の組成物中に、種々のセラミド化合物の混合物を使用することが可能である。
本発明による組成物中の(c)セラミド化合物の量は、組成物の総質量に対して0.001質量%以上、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり得る。
本発明による組成物中の(c)セラミド化合物の量は、組成物の総質量に対して、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下であってよい。
本発明による組成物中の(c)セラミド化合物の量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%〜5質量%、好ましくは0.005質量%〜3質量%、より好ましくは0.01質量%〜1質量%の範囲であってよい。
本発明による組成物中の(c)セラミド化合物の量/(a)油の量の質量比は、0.001から1、好ましくは0.005から0.5、より好ましくは0.01から0.1の範囲であってもよい。
[固体脂肪族アルコール]
本発明による組成物は、(d)少なくとも1種の固体脂肪族アルコールを含む。単一のタイプの(d)固体脂肪族アルコールを使用してもよいが、2種以上の異なるタイプの固体脂肪族アルコールを組み合わせて使用してもよい。
(d)固体脂肪族アルコールにおける「固体」という用語は、脂肪族アルコールが、周囲温度(25℃)及び大気圧(760mm Hg)下で固体であることを意味する。
(d)固体脂肪族アルコールにおける「脂肪族」という用語は、比較的多数の炭素原子が含まれるものを意味する。したがって、8個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは12個以上の炭素原子を有するアルコールは、脂肪族アルコールの範囲内に包含される。脂肪族アルコールは、飽和であっても、不飽和であってもよい。脂肪族アルコールは、直鎖状であっても分枝状であってもよい。
(d)固体脂肪族アルコールは、構造R-OH(式中、Rは、8〜30個の炭素原子、好ましくは10〜26個の炭素原子、より好ましくは12〜22個の炭素原子を含有する飽和及び不飽和の、直鎖状及び分枝状の基から選択される)を有してもよい。少なくとも1つの実施形態において、Rは、C12〜C22アルキル及びC12〜C22アルケニル基から選択され得る。Rは、少なくとも1個のヒドロキシル基で置換されていてもいなくてもよい。
(d)固体脂肪族アルコールの例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物を挙げることができる。
(d)固体脂肪族アルコールは、ベヘニルアルコールであることが好ましい。
本発明による組成物中の(d)固体脂肪族アルコールの量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の(d)固体脂肪族アルコールの量は、組成物の総質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であってよい。
本発明による組成物中の(d)固体脂肪族アルコールの量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から15質量%、好ましくは0.5質量%から10質量%、より好ましくは1質量%から5質量%の範囲であってよい。
本発明による組成物中の(d)固体脂肪族アルコールの量/(a)油の量の質量比は、0.01から3、好ましくは0.05から2、より好ましくは0.1から1の範囲であってもよい。
[アニオン性界面活性剤]
本発明による組成物は、(e)少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含む。単一のタイプの(e)アニオン性界面活性剤を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプの(e)アニオン性界面活性剤を組み合わせて使用することもできる。
(e)アニオン性界面活性剤は、アミノ酸系界面活性剤及びタウリン系界面活性剤から選択することができる。
(アミノ酸系界面活性剤)
アミノ酸系界面活性剤は、アミノ酸又はその誘導体をベースとするアニオン性界面活性剤である。典型的には、アミノ酸系界面活性剤は、少なくとも1つのアミノ部分及び少なくとも1つの、カルボキシレートの形態であるカルボン酸部分を含むアニオン性界面活性剤である。アミノ酸系界面活性剤は、2つ以上のアミノ部分及び/又は2つ以上の、カルボキシレートの形態であるカルボン酸部分を有してよい。
アミノ酸系界面活性剤は、好ましくは、アミノ酸誘導体から選択することができる。アミノ酸誘導体は、より好ましくは、アミノ酸及びN-アシル化アミノ酸の塩、例えばアミノ酸及びN-アシル化アミノ酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばアミノ酸及びN-アシル化アミノ酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩から選択することができる。
アミノ酸誘導体のN-アシル部分を形成するアシル基は、C1〜C30アシル基、好ましくはC6〜C28アシル基、より好ましくはC12〜C24アシル基でよい。
アミノ酸系界面活性剤は、更により好ましくは、グルタミン酸塩、N-アシル化グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、N-アシル化アスパラギン酸塩、及びこれらの塩からなる群から選択することができる。
アミノ酸系界面活性剤の例には、これらに限定されないが、以下が挙げられる:
- サルコシン酸塩、例えばCiba社によってSarkosyl NL 97(登録商標)の名称で販売されている若しくはSeppic社によってOramix L 30(登録商標)の名称で販売されているラウロイルサルコシンナトリウム、Nikkol社によってNikkol Sarcosinate MN(登録商標)の名称で販売されているミリストイルサルコシンナトリウム、又はNikkol社によってNikkol Sarcosinate PN(登録商標)の名称で販売されているパルミトイルサルコシンナトリウム、
- アラニン、例えばNikkol社によりSodium Nikkol Alaninate LN 30(登録商標)という名称で、若しくはKawaken社によりAlanone ALE(登録商標)という名称で販売されているN-ラウロイル-N-メチルアミドプロピオン酸ナトリウム、Ajinomoto社によりAMILITE(登録商標)ACS-12という名称で販売されているココイルアラニンナトリウム、又はKawaken社によりAlanone ALTA(登録商標)という名称で販売されているトリエタノールアミンN-ラウロイル-N-メチルアラニン、
- グルタミン酸塩、例えばAjinomoto社によりAcylglutamate CT-12(登録商標)という名称で販売されているモノココイルグルタミン酸トリエタノールアミン、Ajinomoto社によりAcylglutamate LT-12(登録商標)という名称で販売されているラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、グルタミン酸二ナトリウム、Ajinomoto社によりAmisoft(登録商標)HS-21Pという名称で販売されているステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、及びこれらの混合物、
- アスパラギン酸塩、例えばアスパラギン酸二ナトリウム、N-ラウロイルアスパラギン酸二ナトリウム、及びこれらの混合物、例えばMitsubishi社によりAsparack(登録商標)という名称で販売されているN-ラウロイルアスパラギン酸トリエタノールアミンとN-ミリストイルアスパラギン酸トリエタノールアミンとの混合物、並びに
- グリシン誘導体(グリシン酸塩)、例えばAjinomoto社によりAmilite GCS-12(登録商標)及びAmilite GCK 12という名称で販売されているN-ココイルグリシン酸ナトリウム。
(タウリン系界面活性剤)
タウリン系界面活性剤は、少なくとも1つのタウリン部分を含むアニオン性界面活性剤である。
タウリン系界面活性剤は、好ましくはアシルタウリン、より好ましくはアシルメチルタウリン(すなわち、N-アシル-N-メチルタウリン)である。
タウリン系界面活性剤は、タウリン、カプロイルタウリン、ラウロイルタウリン、ミリストイルタウリン、パルミトイルタウリン、ステアロイルタウリン、オレオイルタウリン、ココイルタウリン、メチルタウリン、ヤシ油脂肪酸メチルタウリン、パーム核油脂肪酸メチルタウリン、水添パーム核油脂肪酸メチルタウリン、牛脂脂肪酸メチルタウリン、水添牛脂脂肪酸メチルタウリン、カプロイルメチルタウリン、ラウロイルメチルタウリン、ミリストイルメチルタウリン、パルミトイルメチルタウリン、ステアロイルメチルタウリン、オレオイルメチルタウリン、ココイルメチルタウリン、メチルタウリンココイルメチルタウリン、及びそれらの塩からなる群から選択することができる。
タウリン系界面活性剤の例としては、これらに限定されないが、以下が挙げられる:
- Clariant社によってHostapon CT Pate(登録商標)の名称で販売されている、パーム核油メチルタウリンのナトリウム塩、
- Clariant社によってHostapon LT-SF(登録商標)の名称で販売されている、又はNikkol社によってNikkol CMT-30-T(登録商標)の名称で販売されている、N-ココイル-N-メチルタウリンナトリウム、
- Nikkol SMT(登録商標)の名称で販売されているメチルステアロイルタウリンナトリウム、及び
- Nikkol社によってNikkol PMT(登録商標)の名称で販売されている、パルミトイルメチルタウリンナトリウム。
(e)アニオン性界面活性剤は、グルタミン酸塩、N-アシル化グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、N-アシル化アスパラギン酸塩、及びこれらの塩からなる群から選択されることが好ましい。
(e)アニオン性界面活性剤は、N-アシル化グルタミン酸塩及びその塩から選択されることがより好ましい。
(e)アニオン性界面活性剤は、N-アシルグルタミン酸ナトリウム、特に、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムであることが更により好ましい。
本発明による組成物中の(e)アニオン性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の(e)アニオン性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下であってよい。
本発明による組成物中の(e)アニオン性界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.05質量%〜5質量%、より好ましくは0.1質量%〜1質量%の範囲であってよい。
本発明による組成物中の(e)アニオン性界面活性剤の量/(a)油の量の質量比は、0.001から1、好ましくは0.005から0.5、より好ましくは0.01から0.1の範囲であってもよい。
[水]
本発明による組成物は、(f)水を含む。
本発明による組成物中の(f)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であってもよい。
本発明による組成物中の(f)水の量は、組成物の総質量に対して、95質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下であってもよい。
本発明による組成物中の(f)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%から95質量%、好ましくは60質量%から90質量%、より好ましくは70質量%から85質量%の範囲であってもよい。
[ポリオール]
本発明による組成物は、少なくとも1種のポリオールを更に含んでもよい。単一のタイプのポリオールを使用してもよいが、2つ以上の異なるタイプのポリオールを組み合わせて使用してもよい。
「ポリオール」という用語は、本明細書において、2つ以上のヒドロキシ基を有するアルコールを意味し、糖類又はその誘導体を包含しない。糖類の誘導体には、糖類の1つ又は複数のカルボニル基を還元することによって得られる糖アルコール、及びその1つ又は複数のヒドロキシ基中の1つ又は複数の水素原子が、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アシル基又はカルボニル基等の少なくとも1つの置換基で置き換えられている糖類又は糖アルコールが含まれる。
ポリオールは、少なくとも2つのヒドロキシ基、好ましくは2から5つのヒドロキシ基を含む、C2〜C12ポリオール、好ましくはC2〜C9ポリオールであってもよい。
ポリオールは、天然又は合成のポリオールであってよい。ポリオールは、直鎖状、分枝状又は環状の分子構造を有していてもよい。
ポリオールは、グリセリン及びその誘導体、並びにグリコール及びその誘導体から選択され得る。ポリオールは、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール(5〜50個のエチレンオキシド基)及びソルビトール等の糖からなる群から選択され得る。
本発明による組成物中のポリオールの量は、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であってもよい。
その一方で、本発明による組成物中のポリオールの量は、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下であってもよい。
したがって、ポリオールは、組成物の総質量に対して、1質量%から20質量%、好ましくは3質量%から15質量%、例えば5質量%から10質量%の範囲の量で本発明による組成物中に存在してもよい。
[任意選択の添加剤]
本発明による組成物はまた、例えば、非イオン性、アニオン性、カチオン性、又は両性のポリマー(本発明において使用される必須界面活性剤以外)、溶媒、ガム、樹脂、親水性増粘剤、疎水性増粘剤、分散剤、抗酸化剤、成膜剤、防腐剤、香料、中和剤、pH調整剤、消毒薬、UV遮蔽剤、化粧用活性剤、例えばビタミン、保湿剤、エモリエント、又はコラーゲン保護剤、及びこれらの混合物から選択される、化粧品の分野で通常使用される何らかの任意選択の添加剤を含んでもよい。
pH調整剤として、少なくとも1種の酸性化剤及び/又は少なくとも1種の塩基性化剤(アルカリ剤)を使用することができる。
酸性化剤は、例えば、鉱酸又は有機酸、例としては塩酸、リン酸、カルボン酸、例としては酒石酸、クエン酸及び乳酸、又はスルホン酸とすることができる。
塩基性化剤すなわちアルカリ剤は、例えば、化粧料中に一般的に使用される任意の無機又は有機の塩基性剤、例えばアンモニア;アルカノールアミン、例えばモノ-、ジ-、及びトリ-エタノールアミン、イソプロパノールアミン;水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム;尿素、グアニジン、及びこれらの誘導体;塩基性アミノ酸、例えばリジン又はアルギニン;並びにジアミン、例えば以下の構造で説明されるもの:
Figure 2021084886
(式中、
Rは、任意選択によりヒドロキシル又はC1〜C4アルキル基で置換されているプロピレン等のアルキレンを表し、R1、R2、R3、及びR4は、独立して、水素原子、アルキル基、又はC1〜C4ヒドロキシアルキル基を表し、これは、1,3-プロパンジアミン及びその誘導体によって例示されうる。アルギニン、尿素、及びモノエタノールアミンが好ましい場合がある。
酸性化剤又は塩基性化剤は、組成物の総質量に対して、5質量%未満、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下の範囲の量で存在してもよい。
組成物のpHは、例えば、4.0から7.5、好ましくは4.5から7.0、より好ましくは5.0から6.5に調整してもよい。
本発明による組成物中に存在しうる上記の任意選択の添加剤の性質及び量を、所望の美容特性が該添加剤により影響を受けないよう調節することは、当業者にとって常法である。
[調製]
本発明による組成物は、上記で説明した必須成分と、上記で説明した任意選択の添加剤(必要な場合)とを混合することによって調製することができる。
上記の必須成分と任意選択の成分とを混合する方法及び手段は、限定されない。任意の従来の方法及び手段が、上記の必須成分と任意選択の成分とを混合して本発明による組成物を調製するために、使用されうる。
[形態]
本発明による組成物の形態は、特に限定されず、エマルション(O/W型又はW/O型)、水性ゲル、水溶液等の様々な形態をとってよい。
本発明による組成物は、エマルションの形態であることが好ましい。本発明による組成物は、連続水性相中に分散された油性相を含むO/W型エマルションの形態であることがより好ましい。分散された油性相は、水性相中の油滴であってもよい。
水性相中に分散された油性相からなるO/W型の構成又は構造は、外部水性相を有し、したがって、本発明による組成物は、O/W型の構成又は構造を有する場合、水性相が与えることができる即時のみずみずしさの感触に起因して、使用中に心地良い感触を与えることができる。
O/W型エマルション中の油性相又は油滴は、オレオソームと呼ばれ得る少なくとも1つのラメラ層で被覆されることが好ましい。油性相又は油滴は、2つ以上のラメラ層、例えば、2〜5つのラメラ層を有してもよい。ラメラ層は、液晶層を形成しうる。
O/W型エマルションの形態の本発明による組成物中の少なくとも1つのラメラ層で被覆された油性相又は油滴は、障壁効果、保湿効果及び浸透促進効果を与えることができる。
上記のオレオソームは、下記のケラチン物質(例えば、皮膚)上に膜を形成することができ、これは該ケラチン物質を保護することができ、したがって、膜は障壁効果を作用させることができる。膜はまた、ケラチン物質内からの水分の蒸発又は損失を防止することができ、したがって、膜は保湿効果も作用させることができる。
油性相又は油滴の平均粒径は、1000nm未満、好ましくは800nm未満、より好ましくは500nm未満、及び/又は50nm以上、好ましくは100nm以上、より好ましくは150nm以上であってもよい。皮膚の内部ケラチン細胞間の空隙は比較的大きいが、油性相又は油滴のサイズは比較的小さい。これに応じて、油性相又は油滴は、適切に皮膚中に浸透することができる。油性相又は油滴が美容有効成分を含む場合、美容有効成分の皮膚浸透は、少なくとも1つのラメラ層で被覆された油性相又は油滴によって強化されうる。美容有効成分としては、アスコルビン酸等の美白剤を挙げることができる。
(c)固体脂肪族アルコールの使用は、剛体ラメラ層の形成に寄与することができ、その結果、油性相又は油滴の安定性がもたらされうる。
成分(a)〜(e)の少なくとも1つ、より好ましくは全てが、植物等の天然源を起源とすることが好ましい。言い換えれば、成分(a)〜(e)の少なくとも1つ、より好ましくは全てが、天然の成分である、又は天然の成分から調製することができることが好ましい。
[方法及び使用]
本発明による組成物は、化粧用又は皮膚科用組成物、好ましくは化粧用組成物、より好ましくは皮膚等のケラチン物質のための化粧用組成物であることが好ましい。
本発明による組成物は、ケラチン物質に塗布することによって、皮膚、毛髪、粘膜、爪、まつ毛、眉毛及び/又は頭皮等のケラチン物質を処置するための美容方法等の非治療的方法に使用することができる。
したがって、本発明はまた、ケラチン物質を処置するための美容方法であって、本発明による組成物をケラチン物質に塗布する工程を含む、美容方法に関する。
本発明はまた、身体及び/又は顔の皮膚、及び/又は粘膜、及び/又は頭皮、及び/又は毛髪、及び/又は爪、及び/又はまつ毛、及び/又は眉毛のための、ケア製品、洗浄製品、メイクアップ製品、メイクアップ除去製品等の化粧料としての又は化粧料における本発明による組成物の使用に関しうる。
言い換えれば、本発明による組成物は、そのまま、化粧料として使用することができる。或いは、本発明による組成物は、化粧料の一要素として使用することができる。例えば、本発明による組成物は、任意の他の要素に加えて又は任意の他の要素と組み合わせて、化粧料を形成することができる。
ケア製品は、ローション、クリーム、ヘアトニック、ヘアコンディショナー、日焼け止め剤等であってもよい。洗浄製品は、シャンプー、フェイスウォッシュ、ハンドウォッシュ等であってもよい。メイクアップ製品は、ファンデーション、マスカラ、口紅、リップグロス、ほお紅、アイシャドウ、マニキュア液等であってもよい。メイクアップ除去製品は、メイクアップクレンジング剤等であってもよい。
本発明の別の態様は、好ましくはエマルション、より好ましくはO/W型エマルション、更により好ましくはO/W型エマルション中の油滴が少なくとも1つのラメラ層で被覆されているO/W型エマルションの形態の、
(a)少なくとも1種の油、及び
(f)水
を含む安定性組成物の製造のための、
(b)少なくとも1種の親油性界面活性剤、
(c)少なくとも1種のセラミド化合物、
(d)少なくとも1種の固体脂肪族アルコール、及び
(e)少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、
の使用に関する。
本発明の別の態様はまた、好ましくはエマルション、より好ましくはO/W型エマルション、更により好ましくはO/W型エマルション中の油滴が少なくとも1つのラメラ層で被覆されているO/W型エマルションの形態の安定性組成物の調製方法であって、
(a)少なくとも1種の油、
(b)HLB値が8未満である少なくとも1種の第1の非イオン性界面活性剤、
(c)分枝状構造を有する少なくとも1種の第2の非イオン性界面活性剤、
(d)HLB値が10超である少なくとも1種の第3の非イオン性界面活性剤、
(e)少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び
(f)水
を混合する工程を含む方法に関する。
本発明による組成物についての成分(a)から(f)に関する上記の説明は、本発明による使用及び方法についてのそれらの成分に適用されうる。本発明による組成物の調製及び形態に関する説明もまた、上記の使用及び方法において記載された組成物の調製及び形態に適用されうる。
本発明を、実施例によってより詳細に説明するが、これは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
(実施例1及び比較例1〜5)
表1に示す実施例1及び比較例1〜5による次の組成物を、次のように、 表1に示す成分を混合することによって調製した:
(1)A相の成分を80〜85℃で混合してA相成分の均一な混合物を形成する工程、
(2)B相の成分を80〜85℃で混合してB相成分の均一な混合物を形成する工程、
(3)上記の2つの混合物を合わせ、続いて、80℃でホモジナイザー(5000rpm、5分)を用いて均質化する工程、及び
(4)得られた混合物をスターラーで攪拌しながら室温まで冷却する工程。
実施例1及び比較例1〜5による組成物は、O/W型エマルションの形態であった。
表1に示す成分の量の数値は、全て活性原料として「質量%」に基づく。
Figure 2021084886
[評価]
実施例1及び比較例1〜5による組成物の安定性を以下のように評価した。
(室温)
実施例1及び比較例1〜5による各組成物を、調製した直後に透明なガラスびんに充填した。室温で4週間びんに保管した後、組成物の外観を以下の格付けで評価した。
5: 分離は観察されなかった。
4: 分離はほとんど観察されなかった。
3: 若干の分離が観察された。
2: 分離が観察された。
1: 大きな分離が観察された。
結果を表1に示す。
(50℃)
実施例1及び比較例1〜5による各組成物を、調製した直後に透明なガラスびんに充填した。50℃で4週間びんに保管した後、組成物の外観を以下の格付けで評価した。
5: 分離は観察されなかった。
4: 分離はほとんど観察されなかった。
3: 若干の分離が観察された。
2: 分離が観察された。
1: 大きな分離が観察された。
結果を表1に示す。
(概略)
実施例1による組成物において、以下の成分は、本発明による組成物中の成分(a)〜(f)に対応する。
Limnanthes Alba(メドウフォーム)種子油:成分(a)
トリステアリン酸スクロース:成分(b)
2-オレアミド-1,3-オクタンジオール:成分(c)
ベヘニルアルコール:成分(d)
ステアロイルグルタミン酸ナトリウム:成分(e)
水:成分(f)
成分(a)〜(f)を含む実施例1による組成物は、室温及び50℃等の様々な温度条件下で経時的に安定である。
比較例1による組成物は、成分(c)を含まず、したがって、室温でのその安定性は悪化している。
比較例2による組成物は、成分(b)を含まず、したがって、その安定性は悪化している。
比較例3による組成物は、成分(d)を含まず、したがって、その安定性は悪化している。
比較例4による組成物は、成分(a)を含まず、したがって、その安定性は悪化している。
比較例5による組成物は、成分(e)を含まず、したがって、その安定性は悪化している。

Claims (15)

  1. (a)少なくとも1種の油、
    (b)少なくとも1種の親油性界面活性剤、
    (c)少なくとも1種のセラミド化合物、
    (d)少なくとも1種の固体脂肪族アルコール、
    (e)少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、及び
    (f)水
    を含む、組成物。
  2. 前記(a)油が、極性油、好ましくはエステル油、より好ましく植物油から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物中の前記(a)油の量が、前記組成物の総質量に対して、0.1質量%から20質量%、好ましくは0.5質量%から15質量%、より好ましくは1質量%から10質量%の範囲である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記(b)親油性界面活性剤のHLB値が2〜5、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3の範囲である、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記(b)親油性界面活性剤が、スクロース脂肪酸エステル、より好ましくはスクロース脂肪酸ジエステル及びスクロース脂肪酸トリエステル、更により好ましくはスクロース脂肪酸トリエステルから選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記組成物中の前記(b)親油性界面活性剤の量が、前記組成物の総質量に対して、0.1質量%〜15質量%、好ましくは0.5質量%〜10質量%、より好ましくは1質量%〜5質量%の範囲である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記(c)セラミド化合物が、次式(I)
    Figure 2021084886
    [式中、
    R1は、
    - 飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C50、好ましくはC5〜C50炭化水素基(この基は、酸R7COOHによって任意選択でエステル化されている1個又は複数のヒドロキシル基によって置換されていることが可能であり、R7は、任意選択でモノ又はポリヒドロキシル化されている、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C35炭化水素基であり、R7基の1個又は複数のヒドロキシルは、任意選択でモノ又はポリヒドロキシル化されている、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C35脂肪酸によってエステル化されていることが可能である)、或いは
    - R"-(NR-CO)-R'基(式中、Rは、水素原子、又はモノ若しくはポリヒドロキシル化、好ましくはモノヒドロキシル化C1〜C20炭化水素基を示し、R'及びR"は、炭素原子の総数が9個から30個の間の炭化水素基であり、R'は二価の基である)、或いは
    - R8-O-CO-(CH2)p基(式中、R8は、C1〜C20炭化水素基を示し、pは、1〜12の整数である)
    のいずれかを示し、
    R2は、水素原子、糖類タイプの基、特に(グリコシル)n、(ガラクトシル)m又はスルホガラクトシルの各基、スルフェート又はホスフェート残基、ホスホリルエチルアミン基及びホスホリルエチルアンモニウム基から選択され、nは、1〜4の整数であり、mは、1〜8の整数であり、
    R3は、水素原子、又はヒドロキシル化されている若しくはヒドロキシル化されていない、飽和若しくは不飽和のC1〜C33炭化水素基を示し、1個又は複数のヒドロキシルは、無機酸又は酸R7COOHによってエステル化されていることが可能であり、R7は、上記と同じ意味を有し、1個又は複数のヒドロキシルは、(グリコシル)n、(ガラクトシル)m、スルホガラクトシル、ホスホリルエチルアミン又はホスホリルエチルアンモニウム基によってエーテル化されていることが可能であり、nは、1〜4の整数であり、mは、1〜8の整数であり、R3が1個又は複数のC1〜C14アルキル基によって置換されていることもまた可能であり、
    R4は、水素原子、メチル基若しくはエチル基、任意選択でヒドロキシル化されている、飽和若しくは不飽和の、直鎖状若しくは分枝状のC3〜C50炭化水素基、又は-CH2-CHOH-CH2-O-R6基を示し、R6は、C10〜C26炭化水素基、又はR8-O-CO-(CH2)p基を示し、R8は、C1〜C20炭化水素基を示し、pは、1〜12の整数であり、
    R5は、水素原子、又は任意選択でモノ若しくはポリヒドロキシル化されている、飽和若しくは不飽和の直鎖状若しくは分枝状のC1〜C30炭化水素基を示し、1個又は複数のヒドロキシルは、(グリコシル)n、(ガラクトシル)m、スルホガラクトシル、ホスホリルエチルアミン又はホスホリルエチルアンモニウム基によってエーテル化されていることが可能であり、nは、1〜4の整数であり、mは、1〜8の整数であり、但しR3及びR5が水素を示すとき、又はR3が水素を示してR5がメチルを示すとき、R4は水素原子もメチル基もエチル基も示さない]
    で表される、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記(c)セラミド化合物が、2-N-リノレオイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-オレオイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-パルミトイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-ステアロイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-ベヘノイルアミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-[2-ヒドロキシパルミトイル]アミノオクタデカン-1,3-ジオール、2-N-ステアロイルアミノオクタデカン-1,3,4-トリオール、2-N-パルミトイルアミノヘキサデカン-1,3-ジオール、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記組成物中の前記(c)セラミド化合物の量が、前記組成物の総質量に対して、0.001質量%〜5質量%、好ましくは0.005質量%〜3質量%、より好ましくは0.01質量%〜1質量%の範囲である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記(d)固体脂肪族アルコールが、8〜30個の炭素原子を含む飽和直鎖状アルコールから選択され、好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくはベヘニルアルコールである、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記組成物中の前記(d)固体脂肪族アルコールの量が、前記組成物の総質量に対して、0.1質量%〜15質量%、好ましくは0.5質量%〜10質量%、より好ましくは1質量%〜5質量%の範囲である、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記(e)アニオン性界面活性剤が、アミノ酸系界面活性剤及びタウリン系界面活性剤から選択され、好ましくはアミノ酸系界面活性剤から選択され、より好ましくはグルタミン酸塩、N-アシル化グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、N-アシル化アスパラギン酸塩、及びこれらの塩からなる群から選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記組成物中の前記(e)アニオン性界面活性剤の量が、前記組成物の総質量に対して、0.01質量%〜10質量%、好ましくは0.05質量%〜5質量%、より好ましくは0.1質量%〜1質量%の範囲である、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記組成物が、エマルション、好ましくはO/W型エマルション、より好ましくはO/W型エマルション中の油滴が少なくとも1つのラメラ層で被覆されているO/W型エマルションの形態である、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. ケラチン物質を処置するための美容方法であって、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物を前記ケラチン物質に塗布する工程を含む、美容方法。
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JP2015196662A (ja) * 2014-04-01 2015-11-09 ロレアル ナノ又はマイクロエマルションの形態の組成物
JP2018095571A (ja) * 2016-12-09 2018-06-21 ロレアル 非粘着性安定組成物
JP2018131409A (ja) * 2017-02-15 2018-08-23 クラシエホームプロダクツ株式会社 化粧料

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