JP3091267B2 - 乳化化粧料 - Google Patents

乳化化粧料

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JP3091267B2 JP03197880A JP19788091A JP3091267B2 JP 3091267 B2 JP3091267 B2 JP 3091267B2 JP 03197880 A JP03197880 A JP 03197880A JP 19788091 A JP19788091 A JP 19788091A JP 3091267 B2 JP3091267 B2 JP 3091267B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乳化化粧料、更に詳細に
は低刺激性で、保湿性に優れ、かつ安定性の良好な乳化
化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、クリーム、乳液等の乳化化粧料にはアニオン性界面
活性剤や非イオン性界面活性剤が乳化剤として使用され
ている。しかし、これら通常の界面活性剤は、いずれも
多少の皮膚刺激性を有するという難点があった。
【0003】一方、正常な皮膚の角質層には通常10〜
20重量%の水分が含まれており、これが肌に弾力性、
柔軟性及び保護機能を付与する上で重要であることが知
られている。
【0004】そこで、本出願人は、後記一般式(1)で
表わされるアミド誘導体が、角質層の水分保持能力を根
本的に改善する効果を奏し、且つこれを用いれば皮膚刺
激の懸念のある親水性界面活性剤を実質的に使用するこ
となく、乳化組成物を調製できることを見出し、先に特
許出願した(特開昭64−4236号公報)。
【0005】しかしながら、このアミド誘導体は両親媒
性であるために、三次元構造を作りやすく、乳化化粧料
にした場合には、高温において経時的に流動性が無くな
ったり、指どれが悪くなる等、安定性に問題を有してい
た。
【0006】従って、皮膚刺激性がなく、保湿効果に優
れ、且つ高温における安定性の良好な乳化化粧料の開発
が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、後記一般式(1)で
表わされるアミド誘導体に、界面活性剤として後記一般
式(2)で表わされるN−長鎖アシルアルキルタウリン
塩を併用すれば、高温においても安定な乳化化粧料が得
られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は次の成分(A)、
(B)、(C)及び(D) (A)次の一般式(1)で表わされるアミド誘導体
【0009】
【化3】
【0010】〔式中、R1 は炭素数10〜26の直鎖若
しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、R2
は炭素数9〜25の直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは
不飽和の炭化水素基を示し、Xは基−(CH2n−、−
(CH2CH2O)m−CH2CH 2−又は−CH2CH(O
H)−CH2−から選ばれる基を示す。但しnおよびm
は2〜6の数を示す〕 (B)次の一般式(2)で表わされるN−長鎖アシルア
ルキルタウリン塩
【0011】
【化4】
【0012】〔式中、R3 は平均炭素数11〜19のア
ルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示
し、R4 は平均炭素数1〜3のアルキル基を示し、Mは
アルカリ金属又は有機アミン類を示す〕 (C)油性物質 (D)水 を含有する乳化化粧料を提供するものである。
【0013】本発明に用いられる(A)成分の一般式
(1)で表わされるアミド誘導体は公知の化合物であ
り、その製造法については、特開昭62−228048
号公報、特開昭63−216812号公報、特開昭63
−218609号公報、特開昭63−227514号公
報等に詳述されている。
【0014】一般式(1)中、R1で示される炭化水素
基は炭素数10〜26のものであるが、就中炭素数14
〜18のものが好ましく、また、R2で示される炭化水
素基は炭素数9〜25のものであるが、就中炭素数14
〜18のものが好ましい。斯かる炭化水素の具体例とし
てはノニル、デシル、ドデシル、ウンデシル、トリデシ
ル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプ
タデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘ
ンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、
ペンタコシル、ヘキサコシル、ノネニル、デセニル、ド
デセニル、ウンデセニル、トリデセニル、テトラデセニ
ル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニ
ル、オクタデセニル、ノナデセニル、ニイコセニル、ヘ
ンエイコセニル、ドコセニル、トリコセニル、テトラコ
セニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ノナジエニ
ル、デカジエニル、ドデカジエニル、ウンデカジエニ
ル、トリデカジエニル、テトラデカジエニル、ペンタデ
カジエニル、ヘキサデカジエニル、ヘプタデカジエニ
ル、オクタデカジエニル、ノナデカジエニル、エイコサ
ジエニル、ヘンエイコサジエニル、ドコサジエニル、ト
リコサジエニル、テトラコサジエニル、ペンタコサジエ
ニル、ヘキサコサジエニル、2−ヘキシルデシル、2−
オクチルウンデシル、2−デシルテトラデシル基等が挙
げられる。
【0015】これらの(A)成分のアミド誘導体は単独
で、又は二種以上を組み合わせて用いることができ、そ
の本発明乳化化粧料への配合量は、全量中に0.1〜1
0重量%(以下単に%で示す)、特に0.5〜5%であ
ることが好ましい。
【0016】また、本発明に用いられる(B)成分の一
般式(2)で表わされるN−長鎖アシルアルキルタウリ
ン塩も公知の化合物である。一般式(2)中、R3CO
−で示されるアルキロイル基の具体例としては、ラウロ
イル、パルミトイル、ステアロイル、オレオイル、ヤシ
油脂肪酸からのココイル基(R3の炭素数が11〜19
の間に分布しているアルキロイル基)等が挙げられ、R
4で示されるアルキル基の具体例としては、メチル、エ
チル、プロピル基等が挙げられ、更に対イオンMの具体
例としては、リチウム、カリウム、ナトリウム、トリエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノール
アミン等が挙げられる。
【0017】これらの(B)成分のN−長鎖アシルアル
キルタウリン塩は単独で、又は二種以上を組み合わせて
用いることができ、その本発明乳化化粧料への配合量は
0.01〜5%、特に0.1〜2%であることが好まし
い。
【0018】本発明に用いられる(C)成分の油性物質
としては、通常化粧料に使用されている一般化粧料油剤
を用いることができる。これらの油剤は特に限定されな
いが、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシ
ロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイ
ドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラ
シロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デ
カメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン油;ア
ボカド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、オリーブ
油、ホホバ油等の植物油;オレイン酸、イソステアリン
酸等の脂肪酸;ヘキサデシルアルコール、オレイルアル
コール等のアルコール類;2−エチルヘキサン酸セチ
ル、パルミチン酸−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸
−2−オクチルドデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネ
オペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グ
リセロール、オレイン酸−2−オクチルドデシル、ミリ
スチン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセロ
ール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセロール、オレ
イン酸−2−オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロ
ピル、トリイソステアリン酸グリセロール、2−エチル
ヘキサン酸ジグリセリド、ジ−パラメトキシケイヒ酸−
モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のエステル
類;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン等の液状
炭化水素油等が挙げられ、特に油性感、べたつき感を軽
減する場合には、揮発性のジメチルポリシロキサン、ジ
メチルシクロポリシロキサン等を好ましいものとして例
示することができる。
【0019】これらの(C)成分の油性物質は単独で、
又は二種以上を組み合わせて用いることができ、その本
発明乳化化粧料への配合量は1〜30%、特に5〜20
%であることが好ましい。
【0020】また、本発明の(D)成分である水は任意
の量で配合することができるが、良好な使用感、すなわ
ち油性感あるいはべたつき感が少なくかつのびを良くす
るためには、他の水溶性溶剤との合計で20〜90%、
特に34〜78%、特に50%以上配合することが好ま
しい。ここで他の水溶性溶剤としては、エタノール、グ
リセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、1,
3−ブチレングリコール等の低級アルコール又はポリオ
ールが挙げられる。
【0021】更に、本発明においては、必要に応じてそ
の他の乳化剤を、本発明の効果を損なわない範囲で使用
することもできる。このような乳化剤としては、例えば
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導
体、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシアルキレ
ン変性ポリシロキサン等が挙げられる。油剤としてシリ
コーン油を用いる場合には、ポリオキシアルキレン変性
ポリシロキサンを用いることが好ましく、なかでも次の
一般式(3)
【0022】
【化5】
【0023】〔式中、R5 は同一でも異なってもよく、
それぞれメチル基又はフェニル基を、R6 は同一でも異
なってもよく、それぞれメチル基、基R7(OC36b
(OC 24a O(CH2d−(R7 は水素原子又は炭
素数1〜12のアルキル基を、dは1〜5の数を、a及
びbは平均値で、それぞれ0〜35の数を示す)又はフ
ェニル基を、p及びqは平均値で、pは1〜200の数
を、qは0〜50の数を示す〕で表わされるものを用い
るのが特に好ましい。これらは、単独で、又は二種以上
を組み合わせて用いることができる。
【0024】本発明の乳化化粧料には、更に通常化粧料
に用いられるその他の成分を0〜40%、本発明の効果
を損なわない範囲で適宜配合することができる。その他
の成分としては、粉体、保湿剤、固体脂、細胞間脂質
(セラミド等)、紫外線吸収剤、アルコール類、キレー
ト剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、色素、香料等が挙げ
られる。
【0025】これらのうち、粉体を化粧料中に10〜4
0%、好ましくは15〜30%配合することにより、液
状又はクリーム状ファンデーションとすることができ
る。粉体としては、一般に化粧料に用いられる粉体、例
えばタルク、マイカ、カオリン、セリサイト等の体質顔
料;酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、群青等の無機顔
料;チタンマイカ系パール顔料;及び青色404号、赤
色202号、黄色401号等の有機顔料、並びにこれら
顔料の疎水化処理物を挙げることができる。本発明にお
いては、上記粉体の一種又は二種以上が任意に選ばれて
用いられる。
【0026】本発明の対象となる化粧料は、一般の皮膚
化粧料に限定されるものではなく、毛髪化粧料、医薬部
外品、外用医薬品等を包含するものであり、例えばフェ
イスケアクリーム又は乳液、ハンド・ボディケアクリー
ム又は乳液、ヘアミルク、ヘアクリーム等のクリーム・
乳液類、液状又はクリームタイプのファンデーション
類、更に消炎クリーム、虫さされ用クリーム等の外用医
薬品等を挙げることができる。これらは、上記成分から
常法に従って調製される。
【0027】
【発明の効果】本発明の乳化化粧料は、皮膚刺激性がな
く、保湿効果に優れ、かつ高温における安定性の良好な
ものである。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0029】実施例1 表1に示す組成の乳液を下記製造法に従って調製し、下
記評価法よりその安定性を試験した。その結果を表1に
示す。
【0030】(製造法) 1.油相成分(1)、(4)、(5)を80℃に加熱溶
解し、油相(A)を得る。 2.水相成分(2)、(3)、(6)、(8)を80℃
に加熱溶解し、これに(7)を加え、水相(B)を得
る。 3.攪拌している油相(A)に水相(B)を加え、ホモ
ミキサーで処理し、室温まで除冷して、乳液を得る。
【0031】(安定性の評価法)上記製造法で得られた
乳液をガラスびんに入れて50℃で1ヶ月保存した。こ
れを室温にもどし外観を観察し下記基準で評価した。 ○:流動性のある均一な乳化物 ×:流動性がない
【0032】
【表1】
【0033】実施例2 保湿クリーム 油相成分; (%) ホホバ油 3.0 流動イソパラフィン 4.0 POE(40)硬化ヒマシ油 2.0 ミリスチン酸イソステアリン酸 ジクリセライド 15.0 アミド誘導体 (式(1)でR1=C1633、R2=C919、X=C24 ) 5.0 水相成分; ステアロイルメチルタウリンナトリウム 0.5 グリセリン 20.0 メチルパラベン 0.1 香料 0.1 精製水 バランス 計 100.0 上記水相成分を加熱混合して、70℃に保った。上記油
相成分も同様に70℃で加熱溶解分散した。この油相部
に上記の水相部を加え、乳化機にて乳化した。乳化物を
熱交換機にて終温25℃まで冷却し、保湿クリーム(本
発明品2)を得た。
【0034】実施例3 サンケアクリーム 油相成分; (%) グリセリンモノステアレート 2.0 2−エチルヘキサン酸イソステア リン酸ジクリセライド 20.0 メトキシケイ皮酸オクチル 3.0 オキシベンゾン 1.0 アミド誘導体 (式(1)でR1=C1633、R2=C919、X=C24 ) 3.0 水相成分; ステアロイルメチルタウリントリエタノールアミン 0.2 グリセリン 2.0 POE(3)ラウリルリン酸ナトリウム 2.0 1,3−ブチレングリコール 2.0 メチルパラベン 0.1 香料 0.1 精製水 バランス 粉体成分; 微粒子酸化チタン 3.0 計 100.0 上記水相成分を加熱混合して、70℃に保った。上記油
相成分も同様に70℃に加熱溶解した後、粉体成分を加
え分散した。この油相/粉体部に上記の水相部を加え、
乳化機にて乳化した。乳化物を熱交換機にて終温25℃
まで冷却し、サンケアクリーム(本発明品3)を得た。
【0035】実施例4 クリーム状ファンデーション 油相成分; (%) ジメチルポリシロキサンポリオキシ アルキレン共重合体*2 2.0 α−モノイソステアリルグリセリルエーテル 0.2 流動パラフィン 5.0 ジメチルポリシロキサン(10cs) 10.0 メチルフェニルポリシロキサン 4.0 アミド誘導体 (式(1)でR1=C1633、R2=C1531、X=C24) 5.0 水相成分; 硫酸マグネシウム 0.7 パルミトイルメチルタウリンカリウム 1.0 グリセリン 5.0 メチルパラベン 0.1 香料 0.1 精製水 バランス 粉体成分; 微粒子酸化チタン 5.0 セリサイト 2.0 タルク 3.0 ベンガラ 0.4 酸化鉄黄 0.7 酸化鉄黒 0.1 計 100.0 *2:シリコーン KF−945A (信越化学工業(株)製) 上記成分を用いる以外は実施例3と同様にして、クリー
ム状ファンデーション(本発明品4)を得た。
【0036】以上、実施例2〜4で製造した本発明品2
〜4は、いずれも皮膚刺激がなく、保湿性、安定性及び
使用感触に優れた乳化化粧料であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−4236(JP,A) 特開 昭57−195800(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の成分(A)、(B)、(C)及び
    (D) (A)次の一般式(1)で表わされるアミド誘導体 【化1】 〔式中、R1 は炭素数10〜26の直鎖若しくは分岐鎖
    の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、R2 は炭素数9〜
    25の直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化
    水素基を示し、Xは基−(CH2n−、−(CH2CH2
    O)m−CH2CH 2−又は−CH2CH(OH)−CH2
    −から選ばれる基を示す。但しnおよびmは2〜6の数
    を示す〕 (B)次の一般式(2)で表わされるN−長鎖アシルア
    ルキルタウリン塩 【化2】 〔式中、R3 は平均炭素数11〜19のアルキル基、ア
    ルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R4 は平
    均炭素数1〜3のアルキル基を示し、Mはアルカリ金属
    又は有機アミン類を示す〕 (C)油性物質 (D)水 を含有する乳化化粧料。
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