JP3892156B2 - 化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンを含んでなる化粧料に関するものである。詳しくは、本発明は、乳化重合によって得られた溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンを含んでなる化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ジメチルポリシロキサンは、皮膚や毛髪の表面に均一な皮膜を形成し、潤いや滑らかさを与えたり水撥き性を付与する重要な成分として、皮膚化粧料や毛髪化粧料などの各種化粧料で使用されてきた。
しかし、該ジメチルポリシロキサンは、他の化粧料用配合成分、例えばアルコール類、鉱物油、蜜ろう、脂肪酸エステル等との相溶性に乏しく、これらの成分を安定に分散させるために、特定界面活性剤により乳化物の粒子径を小さくする方法が行われてきた。
例えば、特開昭60−126209号公報には、ポリオキシアルキレン基含有オルガノシロキサンで乳化した2μm程度の平均粒子径を有する乳化化粧料、が開示されており、また特開昭60−197610号公報には、ポリオキシアルキレン基含有オルガノポリシロキサン、HLB10以上の界面活性剤、炭素原子数12〜22の直鎖状飽和高級アルコールおよびエタノール水溶液により乳化した0.2〜2μmの平均粒子径を有する乳化化粧料、が開示されている。
【0003】
また、例えば、特公平4−62288号公報には、乳化重合により得られたジメチルポリシロキサンマイクロエマルジョンであって、その平均粒子径が0.15μm以下であるものを含有する化粧料、が開示されている。
さらに、例えば特開平7−138136号公報には、アニオン系界面活性剤によって得られた乳化重合メチル又はフェニルポリシロキサンエマルジョンであって、その平均粒子径が0.2μm以上50μm未満のものを含有する毛髪用洗浄剤組成物、が開示されている。
しかしながら、上記のようにして得られた乳化化粧料やオルガノポリシロキサンの乳化重合物では、生成物の伸びが不充分であり、感触が不均一になるという欠点があった。
【0004】
ところで、ポリオルガノシロキサンをより均一に基材に適用するために、溶媒を併用することは従来から行われてきたことである。
溶媒併用に関しては、従来は、溶媒とポリオルガノシロキサンとを機械的乳化していたが、この方法は、乳化重合で得られるエマルジョンと比較して、ポリオルガノシロキサンのエマルジョンの保存安定性が劣るという欠点があり、この問題は、溶媒を併用した場合にも引き続いて生じていた。
また、ポリオルガノシロキサンは乳化重合法によっても得られていたが、この乳化重合ポリオルガノシロキサンには上記の問題は無いけれども、溶媒を併用してこれを乳化混合しても、基材の処理の均一性の改善は依然として不十分であり、良好な性質を有する化粧料も望めなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
[発明の概要]
本発明の目的は、上述した従来技術が包含する問題を解消することであり、具体的には、乳化重合によって得られた溶媒含有ポリオルガノシロキサンのエマルジョンを含んでなる、保存安定性に優れた化粧料、を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
<要旨>
本発明は、乳化重合によって得られるポリオルガノシロキサンおよび溶媒を含有するエマルジョン、さらに詳しくは、比較的に低い分子量のシラノール基末端ポリジオルガノシロキサンと溶媒を混合した上で、シラノール基で封鎖されたポリジオルガノシロキサンの部分を乳化重合させて得られるポリオルガノシロキサンを含有する安定なエマルジョン、を化粧料が含んでなることにより、伸びと感触が良好であって、且つ、保存安定性の優れた化粧料が得られることを見出したことに基づくものである。
【0007】
すなわち、本発明による化粧料は、下記の成分(A)〜(E)を含んでなるエマルジョンについて成分(A)の重合を行わせることによって得られる溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョン、を含んでなることを特徴とするものである。
(A)一般式
HO[(R12SiO]mH (I)
(式中、R1はたがいに同一でも異なっていてもよい、置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、mは成分(A)の25℃における粘度を10〜3,000cSt にする値である)で示される、シラノール基末端ポリジオルガノシロキサン、
(B)溶媒、
(C)イオン性界面活性剤、
(D)成分(A)に対する重合用触媒
(但し、成分(C)に触媒作用を有するイオン性界面活性剤を使用する場合は、成分(D)はその少なくとも一部を省略することができる)、および
(E)水。
【0008】
<効果>
特定のモノマー、すなわちシラノール基末端ポリオルガノシロキサン、の特定の重合、すなわちイオン性界面活性剤を使用する水性乳化重合、によって製造されたものであって、その製造の際に溶媒を共存させてそれをも同時に乳化させることによって得られた溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョン、を化粧料が含んでなることによって、前記した従来技術の問題点、特に化粧料の保存安定性ならびに化粧料の伸びおよび感触に関するもの、が改善される。すなわち、上記のようにして得られた溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンが、保存安定性に優れ、また塗布したときの広がり性や伸びなどに優れるという性質を有するため、これを含んでなる化粧料も、優れた保存安定性と良好な感触を示すことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
[発明の具体的説明]
<溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンの原料>
本発明の化粧料は、特定の方法によって製造したポリオルガノシロキサンを含んでなるものである。すなわち、ここでいう特定の製造法とは、成分(A)〜(D)から出発するものである。
【0010】
《成分(A)/ポリジオルガノシロキサン》
本発明でポリオルガノシロキサンを与えるモノマーとして使用する成分(A)は、分子鎖末端がシラノール基で封鎖されたポリジオルガノシロキサンであって、式(I)で示されるものである。このポリジオルガノシロキサンは、以下において、α,ω−ジヒドロキシポリジオルガノシロキサンと呼ぶことがある。また、このポリジオルガノシロキサンは、最終重縮合反応産物であるポリオルガノシロキサンに対してモノマーの関係に立つから、その重合度は最終重縮合産物のそれよりも低く、オリゴジオルガノシロキサンということもできる。
【0011】
成分(A)である、分子鎖末端がシラノール基で封鎖されたポリジオルガノシロキサンは、乳化重合の主原料である。その分子構造は、一般式(I)で示されるように直鎖状であるが、分子鎖末端がシラノール基で封鎖されたものでさえあれば、一部に分岐構造が含まれていてもよい。mは、25℃における該ポリジオルガノシロキサンの粘度が10〜3,000cSt 、好ましくは15〜1,000cSt 、特に好ましくは20〜300cSt 、の範囲になるようにする値である。すなわち、シラノール末端ポリジオルガノシロキサンの粘度が10cSt 未満のものは、安定に合成し、精製することが困難であり、3,000cSt を越えると乳化が困難になる。なお、mはケイ素原子に結合したR1の種類やその相互の比率によっても異なる。たとえば、後述のように最も好ましいポリジメチルシロキサンの場合、mは8〜500の範囲である。
【0012】
式(I)において、ケイ素原子に結合するR1としては、(1)炭素数1〜30、好ましくは1〜10、のアルキル基、たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシルなど、(2)炭素数4〜7、好ましくは6、のシクロアルキル基、たとえばシクロヘキシルなど、(3)炭素数2〜8、好ましくは2〜3、のアルケニル基、たとえばビニル、アリルなど、(4)アラルキル基、特にアリール部分がフェニルまたは低級アルキル(C4程度まで)置換フェニルで、アルキル部分がC4程度までのもの、たとえば2−フェニルエチル、2−フェニルプロピルなど、(5)アリール基、特にフェニルまたは置換フェニル(置換基は、たとえばC4程度までのアルキル基)、たとえばフェニル基、トリル基など、および(6)置換炭化水素基、特に置換基がハロゲンであるもの、たとえば3,3,3−トリフルオロプロピルなど、が例示される。乳化重合によって得られる高分子量ポリオルガノシロキサンが、表面張力が低くて塗布したときに広がりがよく、伸び、撥水性、つやなどが優れ、また生理活性がないことから、分子中のR1の85モル%以上がメチル基であることが好ましく、実質的にすべてがメチル基であることが特に好ましい。従って、成分(A)として好ましいものは、α,ω−ジヒドロキシポリ(ジメチルシロキサン)、およびそのジメチルシロキサン単位の一部がメチルエチルシロキサン単位、メチルヘキシルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、ジフェニルシロキサン単位などで置換された共重合ポリシロキサン、である。これらのうちでも、α,ω−ジヒドロキシポリ(ジメチルシロキサン)が特に好ましい。
【0013】
このようなシラノール基末端ポリジオルガノシロキサンは、たとえば、ジメチルジクロロシランを加水分解して重縮合させることによって合成されたものが好ましい。希望するならば、たとえば、水を末端停止体として、硫酸のような酸性触媒、または水酸化カリウム、カリウムシラノラートのようなアルカリ性触媒の存在下に、対応する環状シロキサンオリゴマーを開環重合させて合成したものであっても良い。
【0014】
《成分(B)/溶媒》
本発明において使用される成分(B)は溶媒である。ここで「溶媒」は、成分(A)に対して可溶化能を持つものが好ましいが、成分(A)に対する可溶化能を事実上持たないものであってもよい。いずれにしても、成分(B)は、成分(A)を分散させる媒体である。
成分(B)としては、n−ヘキサン、ガソリン、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、灯油、イソパラフィン系炭化水素のような脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、および、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状シロキサン、が例示される。
また、成分(B)としては、成分(B)の溶媒としての働きをする限り、化粧品を調製する際に使用する成分(後述する化粧料調製成分)の中から選択することもできる。すなわち、該化粧料調製成分に使用する成分を、成分(B)または成分(B)の一つとして用いて、溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンを製造し、これをそのまま、または、さらに化粧料調製成分を加えて、本発明の化粧料を調製することもできる。
このように、成分(B)として例示されたものは、1種単独で用いても良いし、上記各群内および(または)各群間で2種以上を組み合わせて用いても良い。
成分(B)の使用量は、成分(A)100重量部に対して、通常1〜1,000重量部であり、好ましくは10〜500重量部である。
【0015】
《成分(C)/イオン性界面活性剤》
成分(C)であるイオン性界面活性剤は、成分(A)および成分(B)を水中に乳化するために必要であって、これには、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤および両性界面活性剤、がある。
【0016】
アニオン系界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ないしその塩、アルキル硫酸ないしその塩、不飽和脂肪族スルホン酸ないしその塩、水酸化脂肪族スルホン酸ないしその塩、およびポリオキシエチレンモノアルキルエーテルの硫酸エステルないしその塩、が代表的なものとして例示される。具体的には、アニオン系界面活性剤として下記のものを例示することができる。
すなわち、(1)アルキル(アルキル基は一般に長鎖のものである)ベンゼンスルホン酸、たとえば、ヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸など、ならびに、(2)アルキル硫酸、たとえば、オクチル硫酸、ドデシル硫酸、テトラデシル硫酸、ヘキサデシル硫酸、オクタデシル硫酸など、である。
【0017】
本発明で使用することができるアニオン系界面活性剤としては、これらの他にも、不飽和および(または)水酸化脂肪族スルホン酸、ならびにこれらの水溶性塩がある。これらのスルホン酸の代表的なものは、下記の式[1]および[2]で示される。
【0018】
(3) R2CH=CH(CH2mSO3H [1]
(4) R2CH2CH(OH)(CH2mSO3H [2]
(式中、R2は水素原子または1価の脂肪族炭化水素基を表し、mは分子中の炭素原子数が6〜32となる整数である)。詳しくは、R2としては、炭素原子数6〜30の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルケニル基および脂肪族ジエニル基が好ましく、炭素原子数6〜18のものがさらに好ましい。具体的には、このようなR2としては、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルおよびメリシルのようなアルキル基、オクテニル、ノネニル、オレイルおよびフィチルのようなアルケニル基、ならびにペンタデカジエニルのような脂肪族ジエニル基、が例示される。
従って、式[1]で示される不飽和脂肪族スルホン酸としては、ドデセンスルホン酸、テトラデセンスルホン酸およびヘキサデセンスルホン酸など、が例示され、また式[2]で示される水酸化脂肪族スルホン酸としては、ヒドロキシドデカンスルホン酸、ヒドロキシテトラデカンスルホン酸およびヒドロキシヘキサデカンスルホン酸など、が例示される。
【0019】
上記のような典型的なスルホン酸および(または)硫酸エステル((1)および(2))、ならびに不飽和および(または)水酸化脂肪族スルホン酸(特に(3)および(4))は、これらの酸の形としてアニオン系界面活性剤として代表的なものであって、本発明でも成分(C)として有用なものである。これらの酸の形としてのアニオン系界面活性剤は、またα,ω−ジヒドロキシポリ(ジメチルシロキサン)に対する重合用触媒としても有用なものである(詳細後記)。
上記のような酸としてのアニオン系界面活性剤は、特にその触媒作用を利用しないのであれば、水溶性の塩、ないしは、中和塩の形でもよい。塩の場合は所与の親油性部分、たとえばアルキルベンゼンスルホン酸でいえばアルキルベンゼンの部分、に対する親水性の部分の寄与が大きくなって、乳化作用が酸の場合よりも大きくなることが多い。
塩の種類としては、乳化効果から、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩およびトリエタノールアミンなどのアミン塩、が好ましい。
【0020】
本発明で成分(C)として使用するイオン性界面活性剤の他の一群は、カチオン系界面活性剤である。
前記のアニオン系界面活性剤と同様に、カチオン系界面活性剤もまた周知であって、その具体例は各種の教科書に詳述されていることは、アニオン系界面活性剤と同様である。
【0021】
本発明で使用するカチオン系界面活性剤は、4級アンモニウム塩またはヒドロキシ4級アンモニウム、就中アミノ基を4級化する脂肪族基の少なくとも一つが長鎖のもの、たとえばC6〜C20、好ましくはC8〜C18、程度のもの、が適当である。このようなカチオン系界面活性剤としては、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、牛脂トリメチルアンモニウムヒドロキシドおよびヤシ油トリメチルアンモニウムヒドロキシドのような第4級アンモニウムヒドロキシド、ならびにこれらの塩、が例示される。
【0022】
本発明で使用するイオン性界面活性剤は、両性界面活性剤であってもよい。このような界面活性剤の具体例は、界面活性剤に関する教科書ないし総説あるいは化学辞典に見出すことができる。
上記のような各種のイオン性界面活性剤は、各群内および(または)各群間で併用することができる。その場合は、アニオン系界面活性剤とカチオン系界面活性剤のようなイオン性の異なるものの併用は、必ずしも好ましくない。
本発明においては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤あるいはこれらの併用が好ましい。
【0023】
成分(C)としてのイオン性界面活性剤の使用量は、それを重合触媒として使用する場合をも考慮して、合目的的な任意のものでありうる。
使用量の代表的な具体例を挙げれば、下記の通りである。すなわち、成分(C)は、成分(A)+(B)100重量部に対して換算して0.5〜100重量部となる量が好ましく、1〜50重量部がより好ましく、2〜10重量部が特に好ましい。0.5重量部末端ではエマルジョンの安定性が悪くて分離することがあり、100重量部を超えるとエマルジョンが増粘して流動性が悪くなる場合がある。イオン性界面活性剤を併用する場合は、合計量について、この使用量を考えるものとする。
【0024】
《成分(D)/重合触媒》
成分(D)は、成分(A)を重合させるための触媒である。成分(A)の重合は、末端水酸基の脱水を伴う重合、すなわち重縮合の範疇に属するものである。
アニオン系触媒としては、鉱酸ないし無機酸、および有機酸がある。鉱酸ないし無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸、その他がある。有機酸としては、カルボン酸(ギ酸を包含する)、スルホン酸、スルファミン酸、硫酸モノエステル、その他がある。有機酸のうち、スルホン酸および硫酸モノエステルは、その有機基の寄与の大きいもの、従って界面活性を有するもの、をも包含する。スルホン酸および硫酸モノエステルであって界面活性を有するもの、すなわちアニオン系界面活性剤、の具体例は、成分(C)として前記した具体例(造塩していないもの)中に適当なものを見出すことができる。アニオン系界面活性剤でアニオン系触媒として好ましい具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸、不飽和脂肪族スルホン酸および水酸化脂肪族スルホン酸、アルキルナフチルスルホン酸、ならびにポリオキシエチレンモノアルキルエーテルの硫酸モノエステルその他、が例示される。
【0025】
一方、カチオン系触媒としては、水溶性の無機塩基および有機塩基化合物がある。無機塩基としては、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物(ないし本発明の水性反応系において触媒として必要な水溶性を有するもの)、アルカリ金属炭酸塩、その他がある。水溶性有機塩基としては、水酸化第4級アンモニウム化合物、その他がある。有機塩基のうち、第4級アンモニウム化合物は、その有機基の寄与が大きいものはカチオン系界面活性剤としての機能を持つ化合物であって、その具体例は、成分(C)として前記したものの例示中に見出すことができて、第4級アンモニウムヒドロキシおよびその塩を代表的なものとして挙げることができる。なお、第4級アンモニウム塩は、触媒作用が低いので、アルカリ金属水酸化物と併用して、活性化させて使用するとよい。
その他にも、弱酸と強塩基の塩で水中で塩基性を示すもの、たとえば前記したアルカリ金属炭酸塩の他に、有機酸のアルカリ金属塩(石炭酸/フェノールのアルカリ金属塩を包含する)、を例示することができる。
【0026】
一般に塩基として作用の弱いものは触媒作用が弱いことが多いので、第4級アンモニウム塩について前記したように、事前にあるいは触媒としての使用時に、アルカリ金属水酸化物を併用して活性させることが好ましい。
これらのイオン性触媒は、各群内および(または)各群間で併用することができる。
前記したように、また前記したところから明らかなように、これらのイオン性重合触媒のあるものは、イオン性界面活性剤の範疇に属する。従って、本発明では、使用するイオン性界面活性剤が触媒活性を有するものである場合は、その触媒活性を利用して、別途触媒を使用することを減量ないし省略することができる。
界面活性剤と触媒のイオン性の関係から、アニオン系界面活性剤を使用する場合には、触媒はアニオン系を使用し、カチオン系界面活性剤を使用する場合の触媒はカチオン系を使用するのがふつうである。
【0027】
イオン性界面活性剤は、その親水性部分が塩であるものが乳化性が一般に良好であって、この点に着目して塩の形のイオン性界面活性剤を使用することは、その意味で有利であるといえる。そのような塩は重合活性を示さないことが多いが、このような塩を、エマルジョン形成後、場合により重合中に、少なくとも部分的に酸ないし塩基の形に変換することによって触媒として使用する遊離の酸または塩基とすることも可能である。
【0028】
成分(D)は、成分(A)に対する所期の重合活性が得られる限り、その使用量は任意である。しかし、典型的な例についていえば、成分(D)は、成分(A)+(B)100重量部に対して0.05〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部が特に好ましい。なお、この量は触媒としての有効量であって、イオン性界面活性剤が塩の形、たとえばスルホン酸塩、であるときは、触媒、たとえば鉱酸、は、界面活性剤塩に作用してこれを遊離の酸にするのにも消費されるから、その消費量(化学量論的量)を考慮して触媒使用量を定めるべきである。
【0029】
《成分(E)/水》
成分(E)である水は、成分(A)および(B)を分散・乳化させる媒体である。成分(E)の使用量は、成分(A)+(B)100重量部に対して、通常、30〜1,000重量部であり、エマルジョン中の成分(A)+(B)の濃度が10〜70重量%となるような量が好ましい。本発明のエマルジョンは、高濃度のものが良好な安定性を有するので、その特徴を生かすことから、成分(E)の使用量は、エマルジョン中の成分(A)+(B)の濃度が40〜70重量%となるような量が特に好ましい。
【0030】
《成分(F)/補助的成分》
本発明による溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンは、上記の成分(A)〜(E)を含有するエマルジョンについて成分(A)の重合を行わせることによって得られるものであるが、このエマルジョンは成分(A)〜(E)を必須成分として含有するものであれば、本発明の趣旨を損わない限り、各種の補助的成分を溶存ないし分散させて含有するものであってもよい。なお、そのような補助的成分は、この項において記載するように、重合前のまたは重合中のエマルジョンに添加してもよいし、重合後のエマルジョンに添加してもよい。成分(A)の重合を阻害しないものである限り、これらの補助的成分は、重合前または重合中に添加する方が、その分散性が良好となるのでふつうである。
このような補助的成分については、特に、後記の<エマルジョンの改変>の項を参照されたい。
なお、この他には、このような補助的成分には、本発明の化粧料を調製する際に使用する成分(後述の化粧料調製成分)も含むことができる。
【0031】
<溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンの製造>
《エマルジョンの形成》
本発明の化粧料に含まれる溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンは、次のようにして製造することができる。
すなわち、α,ω−ジヒドロキシポリジオルガノシロキサン(成分(A))、溶媒(成分(B))、イオン性界面活性剤(成分(C))および使用する場合の重合触媒(成分(D))、ならびに水(成分(E))を混合する。混合順序は任意であるが、たとえば撹拌槽中で成分(E)に成分(C)を混合して溶解させ、撹拌しながら、これに成分(A)および成分(B)を添加する。ついで、ホモジナイザー、コロイドミル、ラインミキサー、ソノレーターなどの乳化機を通す。ホモミキサー、コロイドミルまたはラインミキサーなどの乳化機を用いて粗乳化し、さらに加圧ホモジナイザーや超音波ホモジナイザーなどの乳化機を通して乳化することが好ましい。必要であればさらに水を加えて均一に乳化分散させる。乳化に成分(C)のイオン性界面活性剤として塩を使用したときは、酸または塩基(通常は鉱酸またはアルカリ金属水酸化物)を重合完了前に添加して界面活性剤塩の少なくとも一部を遊離の酸(たとえばスルホン酸)または塩基(たとえば第4級アンモニウムヒドロキシド)に変換させて、重合触媒(成分(D))の少なくとも一部を「現場(in situ)」形成することもできることは前記したところである。
【0032】
《重合》
撹拌を継続すると、成分(A)の分子末端のシラノール基の重縮合反応によって、高分子量ポリオルガノシロキサンが合成されるのに対し、成分(B)は、反応に関与せず残り、それらを含有するエマルジョンが形成される。より高い重合度のポリオルガノシロキサンが得られるためには、重縮合反応の温度は低いほど好ましい。一方、過度に冷却するとエマルジョンの安定性が損なわれるので、これらを総合して、好ましい縮合条件は、エマルジョン凍結点〜80℃、より好ましくはエマルジョン凍結点〜50℃で2〜48時間、であるが、必要に応じてさらに長時間をかけても差し支えない。
なお、成分(B)の溶媒として環状シロキサンを使用する場合は、環状シロキサンが開環反応をすることなく、溶媒として良好な特性を発現することから、温度は、好ましくはエマルジョン凍結点〜50℃、より好ましくはエマルジョン凍結点〜30℃、で重合反応を行う。
【0033】
所望の重合度に達したら重合反応を停止する。重合反応を停止するには、アニオン系界面活性剤を使用したエマルジョンでは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、酢酸カリウム、トリエタノールアミン、その他のアミン、アンモニア水等の塩基性物質で中和すればよい。カチオン系界面活性剤を使用したエマルジョンでは、酢酸、ギ酸、リン酸、硫酸、塩酸等の酸性物質で中和する。
【0034】
<エマルジョンの改変>
このような製造法によって得られる溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンは、必要に応じて各種の改変を施すことができる。
改変は、重合前および(または)重合中のエマルジョンに対して行うことができるが、重合後の生成エマルジョンについて実施することもできる。そのような改変のいくつかを例示すれば、下記の通りである。
【0035】
すなわち、本発明に用いられる成分(C)のほかに、本発明のポリオルガノシロキサンエマルジョンの安定性を向上させるために、本発明の目的を損わない範囲で、ノニオン性の界面活性剤の1種または2種以上を、最初の乳化の際に、または成分(A)の重縮合反応の後、その他、任意の段階で配合することができる。ノニオン性界面活性剤としては、HLBが6〜19、好ましくは8〜18のもの、または2種以上の相対的HLBが6〜19、好ましくは8〜18になる組合せ、が好ましい。このようなものとしては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルなどが例示される。これらは例示であって、本発明で併用しうるノニオン性界面活性剤は、これらに限定されるものではない。
【0036】
また、乳化重合する際、必要により、ヘキサメチルジシロキサンのような末端停止剤を微量添加して、分子鎖末端の一部がトリメチルシリル基のような末端封鎖基で封鎖したオルガノポリシロキサンを得ることも可能である。すなわち、乳化重合によって得られる高分子量ポリオルガノシロキサンの分子末端のシラノール基を安定なトリオルガノシリル基で封鎖するために、または該ポリオルガノシロキサンの平均重合度を所望の値に制御する末端停止剤として、乳化の際に、該トリオルガノシリル基を有するシロキサンオリゴマーを微量、すなわち、α、ω−ジヒドロキシポリジオルガノシロキサン(成分(A))に対して20重量%までの量、添加することができる。トリオルガノシリル基がトリメチルシリル基の場合、添加されるシロキサンオリゴマーとしては、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサンなどが例示される。また、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンのような、ビニル基を有するシロキサンオリゴマーを添加して、分子末端にトリオルガノシリル基としてビニルジメチルシリル基を導入し、ビニル基の反応性を利用して、架橋性の高分子量ベースポリマーのエマルジョンとすることもできる。
【0037】
さらに、乳化重合する際や乳化重合したエマルジョンを用いて対象物を処理する際、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランまたはメチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン類を少量添加することも可能である。
その他、このようにして得られたポリオルガノシロキサンエマルジョンを安定化するために、グリセリン、水溶性アルキレングリコールまたは水溶性ポリアルキレングリコールなどを添加してもよい。さらに、エマルジョンを保存するための防腐剤、防カビ剤、金属の腐食を防止するための防錆剤などを添加してもよい。
【0038】
<化粧料>
本発明の化粧料は、以上のようにして得られた溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンを主剤として含んでなるものであればよく、エマルジョンそれ自体をハンドクリーム等のような化粧料として用いる場合も含まれる。
また、本発明の化粧料は、該エマルジョンを、0.1重量%以上、好ましくは0.3〜50重量%、特に好ましくは0.5〜20重量%、配合し、必要に応じて本発明の目的を損わない範囲で、任意の成分(後述する化粧料調製成分)を任意量配合したものであることができる。すなわちこの場合、化粧料調製成分は、0〜99.9重量%、配合される。
【0039】
《化粧料調製成分》
本発明の溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンを配合して化粧料を調製するのに使用される化粧料調製成分としては、下記のものが具体的に例示される。
すなわち、該成分としては、(1)炭化水素類、たとえば、流動パラフィン、ワセリン、固形パラフィン、スクワランおよびオレフィンオリゴマーなど、(2)エステル類、たとえば、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、および2−エチルヘキサン酸トリグリセリドなど、(3)高級アルコール、たとえば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラノリンアルコール、およびミツロウなど、(4)パルミチン酸、ステアリン酸のような高級脂肪酸およびそれを中和するジエタノールアミンのようなアミン類など、(5)保湿剤、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、およびソルビトールなど、(6)無機粉体、たとえば、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、セリサイト、タルク、カオリン、およびマイカなど、(7)有機粉体、たとえば、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレン、およびポリ(メタ)アクリル酸エステルなど、(8)溶媒、たとえば、水およびエタノールなど、(9)前述のポリオルガノシロキサンの乳化重合の際に任意に配合される界面活性剤として例示されたアニオン系、カチオン系の界面活性剤、およびベタインのような両性界面活性剤、ならびにノニオン系界面活性剤(10)防腐剤、(11)着色剤、ならびに(12)香料、などが例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
《化粧料の調製》
本発明の化粧料に前記の化粧料調製成分を配合するには、溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンおよび他の成分を、単に均一に混合するか、または該エマルジョン以外の成分をあらかじめホモジナイザー、コロイドミル、ラインミキサーなどの乳化機によって乳化し、または撹拌機によって均一に混合しておき、これに該エマルジョンを添加して分散させるなど、各種の方法をとることができる。
【0041】
また、本発明の化粧料に前記化粧料調製成分を配合するにあたっては、上記のように、生成した溶媒含有エマルジョンに化粧料調製成分を加えた上で混合等させて化粧料とする場合の他に、化粧料調製成分が「溶媒」としての機能を有するものである場合は、予め溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンの原料の成分(B)あるいはその一部として、化粧料調製成分を用いて、該エマルジョンを製造し、これをそのまま、または、さらに化粧料調製成分を加えて、本発明の化粧料とすることもできる。さらに、該化粧料調製成分をエマルジョンの補助的成分(成分(F))として、重合前のまたは重合中のエマルジョンに添加して、溶媒含有エマルジョンを生成した上で、これをそのまま、または、さらに化粧料調製成分を加えて、本発明の化粧料としてもよい。
【0042】
《化粧料》
本発明による化粧料は、上記のような溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンを含有するので、そのエマルジョンの有する性質、すなわち、塗布したときの広がり性や伸びなどに優れ、良好な保存安定性を有し、かつ皮膚に対する感触が良い、等の優れた性質、を化粧料とされた場合にも保持することができるため、その結果、得られた化粧料は、良好な伸びや触感、ならびに優れた保存安定性などの優れた性質を発揮することが可能となっている。
以上のようにして得られる本発明の化粧料としては、髪油、染毛料、スキ油、セットローション、チック、びん付油、ヘアクリーム、ヘアトニック、ヘアリキッド、ヘアスプレー、ポマード、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアローション、枝毛防止剤等のような毛髪化粧料、ならびに、ハンドクリーム、ハンドローション、スキンクリーム、ファウンデーション、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、洗顔料、制汗剤等のような皮膚化粧料などが例示される。化粧料の形態としては、固形状、ゲル状、液状、ペースト状などが例示される。
【0043】
【発明の効果】
本発明による化粧料が、従来技術の問題点、特に化粧料の保存安定性ならびに化粧料の伸びおよび感触についてのもの、を解決したものであることは[発明の概要]の項において前記したところである。
【0044】
【実施例】
以下の実施例および比較例は、本発明をさらに詳細に説明するものである。実施例中の部および%は、特に断らない限り、重量部および重量%であり、粘度は25℃における値である。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
【0045】
乳化重合によって得られたエマルジョンに含まれるポリオルガノシロキサンの粘度は次のようにして測定したものである。
(ポリオルガノシロキサンの粘度)
エマルジョン10部にイソプロピルアルコールを20部加えて、十分に撹拌し、静置して2層に分離させた後、オイル層をGPC測定に付して、既知の動粘度のジメチルポリシロキサンにて検量線を引いたグラフより、ポリオルガノシロキサンの粘度を換算し算出した。
【0046】
[実施例1]
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部およびドデシル硫酸ナトリウム5部(以上、成分(C))を、脱イオン水(成分(E))100部中に均一に分散させた。この分散液に、粘度83cSt のα,ω−ジヒドロキシ(ジメチルシロキサン)(成分(A))75部、ヘキサメチルジシロキサン(末端停止剤)0.2部およびデカメチルシクロペンタシロキサン(成分(B))25部を添加し、撹拌により予備混合した後、加圧ホモジナイザーに圧力1000kgf/cm2で1回通すことにより、α,ω−ジヒドロキシ(ジメチルシロキサン)、ヘキサメチルジシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサンを含むエマルジョンを得た。
このエマルジョンに、硫酸(成分(D)。成分(C)を触媒に変換させるものともいえる。)0.2部を添加し、撹拌しながら25℃にて10時間保持した。ついで、撹拌を続けながら10%炭酸ナトリウム水溶液をpHが7になるまで滴下することにより、重合反応を停止させて、高分子量のポリジメチルシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサンを含むエマルジョンE−1を製造した。
【0047】
[実施例2]
テトラデセンスルホン酸ナトリウム75%とヒドロキシテトラデカンスルホン酸ナトリウム25%の混合物であるアニオン系界面活性剤8部を、脱イオン水100部中に均一に分散させた。この分散液に、粘度155cSt のα,ω−ジヒドロキシ(ジメチルシロキサン)30部、イソパラフィン系炭化水素油(沸点166〜202℃)30部および流動パラフィン30部を添加し、撹拌により予備混合した後、加圧ホモジナイザーに圧力500kgf/cm2で2回通すことにより、α,ω−ジヒドロキシ(ジメチルシロキサン)、イソパラフィン系炭化水素油(沸点166〜202℃)および流動パラフィンを含むエマルジョンを得た。
このエマルジョンに、リン酸0.5部を添加し、撹拌しながら1℃にて48時間保持した。ついで、撹拌を続けながら10%炭酸ナトリウム水溶液をpHが7になるまで滴下することにより、重合反応を停止させて、高分子量のポリジメチルシロキサン、イソパラフィン系炭化水素油(沸点166〜202℃)と流動パラフィンを含むエマルジョンを製造した。これに、さらにポリオキシエチレン(7)第2級ドデシルエーテル3部を添加して混合し、エマルジョンE−2を得た。
【0048】
[比較例1]
これは、溶媒を使用しない場合の例である。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部およびドデシル硫酸ナトリウム5部を、脱イオン水100部中に均一に分散させた。この分散液に、粘度83cSt のα,ω−ジヒドロキシ(ジメチルシロキサン)100部を添加し、撹拌により予備混合した後、加圧ホモジナイザーに圧力1000kgf/cm2で1回通すことにより、α,ω−ジヒドロキシ(ジメチルシロキサン)を含むエマルジョンを得た。
このエマルジョンに硫酸0.2部を添加し、撹拌しながら1℃にて24時間保持した。ついで、撹拌を続けながら10%炭酸ナトリウム水溶液をpHが7になるまで滴下することにより、重合反応を停止させて、ポリジメチルシロキサンを含むエマルジョンE−C1を製造した。
【0049】
[エマルジョンの評価]
実施例1、実施例2および比較例1で得られたポリジメチルシロキサンエマルジョンE−1、E−2およびE−C1の油相の平均粒子径を測定した。また、これらのエマルジョンに含まれるポリジメチルシロキサンについて、粘度を測定した。それらの結果を表1に示す。
【0050】
Figure 0003892156
【0051】
上記の表1に示した結果から、本発明の化粧料に使用される溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンは、ベースポリマーであるポリオルガノシロキサンの粘度を任意にコントロールすることが可能であることがわかる。
【0052】
[化粧料としての評価]
上記の各例で得られたエマルジョンE−1、E−2およびE−C1を、下記に示すような化粧料、すなわちリンスインシャンプー、ボディーシャンプーおよびハンドクリーム、に配合して、それぞれについての評価を行った。
【0053】
<リンスインシャンプー>
ポリジメチルシロキサンエマルジョンE−1、E−2およびE−C1を用いて、リンスインシャンプーを調製した。すなわち、下記の表2に示すリンスインシャンプー処方に従って、エマルジョンE−1を5.0%含むリンスインシャンプーを調製し、これを実施例3とした。同様にして、エマルジョンE−2およびE−C1を用いてリンスインシャンプーを調製し、実施例4および比較例2とした。また、これらのエマルジョンを含まない例として、比較例3のリンスインシャンプーも調製した。
【0054】
Figure 0003892156
【0055】
実施例3、4および比較例2、3で調製された各リンスインシャンプーを、新たに洗浄した湿った暗褐色の未処理の毛髪の一房に、別々に施して、それぞれ洗浄(リンスインシャンプー処理)を行った。これら処理した毛髪の房を乾燥しながら、それらの湿潤時および乾燥時のくしけずり性を評価した。くしけずり性は、上記のようにして処理した各毛髪について、テスター産業(株)製「引張万能試験機」を使用して、毛髪の房を一端に固定して移動台のくしに通し、くしを移動させたときの張力を読み、未処理の毛髪の房と比較することによって、測定した。その結果、得られた性質を下記の<評価尺度>を用いて評価した。評価は、サンプル数を10とし、その平均値より算出した。
実施例3、4および比較例2、3で調製された各リンスインシャンプーの性質の評価値の結果を、表3に示す。
【0056】
<評価尺度>
1=きわめて不良、効果なし。
2=不良、ほとんど認めうる効果なし。
3=並の程度、認めうる効果はあるが、許容し得る水準には達しない。
4=許容し得る、概して典型的なまたは平均的な効果。
5=良好、平均的効果よりも幾分良好。
6=きわめて良好、明瞭に判別し得る効果。
7=優、きわめて明白に判別し得るかつきわめてはっきり識別し得る効果。
【0057】
Figure 0003892156
【0058】
この表に示した結果から、溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンをリンスインシャンプーに処方した場合は、溶媒を含有しないエマルジョンを処方した場合よりも、くしけずり性の改善効果が優れていることがわかる。
【0059】
<ボディーシャンプー>
ポリジメチルシロキサンエマルジョンE−1、E−2およびE−C1を用いて、ボディーシャンプーを調製した。すなわち、下記の表4に示すボディーシャンプー処方に従って、エマルジョンE−1を2.0%含むボディーシャンプーを調製し、これを実施例5とした。同様にして、エマルジョンE−2およびE−C1を用いてボディーシャンプーを調製し、実施例6および比較例4とした。また、これらのエマルジョンを含まない例として、比較例5のボディーシャンプーも調製した。
【0060】
Figure 0003892156
【0061】
実施例5、6および比較例4、5で調製されたボディーシャンプーを判定者20名によりテストし、使用感(サラッとした感じ)を上述した1〜7段階の<評価尺度>により評価した。結果を表5に示す。
【0062】
Figure 0003892156
【0063】
この表に示した結果から、溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンをボディーシャンプーに処方した場合は、溶媒を含有しないエマルジョンを処方した場合よりも、くしけずり性の改善効果が優れていることがわかる。
【0064】
<ハンドクリーム>
ポリジメチルシロキサンエマルジョンE−1、E−2およびE−C1を用いて、ハンドクリームを調製した。すなわち、下記の表6に示すハンドクリーム処方に従って、エマルジョンE−1を5.0%含むハンドクリームを調製し、これを実施例7とした。同様にして、エマルジョンE−2およびE−C1を用いてハンドクリームを調製し、実施例8および比較例6とした。また、これらのエマルジョンを含まない例として、比較例7のハンドクリームも調製した。
【0065】
Figure 0003892156
【0066】
実施例7、8および比較例6、7で調製されたハンドクリームを判定者20名によりテストし、使用感(サラッとした感じ)を上述した1〜7段階の<評価尺度>により評価した。結果を表7に示す。
【0067】
Figure 0003892156
【0068】
この表に示した結果から、溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンをハンドクリームに処方した場合は、溶媒を含有しないエマルジョンを処方した場合よりも、くしけずり性の改善効果が優れていることがわかる。

Claims (1)

  1. 下記の成分(A)〜(E)を含んでなるエマルジョンについて成分(A)の重合を行わせることによって得られる溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョン、を含んでなることを特徴とする、化粧料。
    (A)一般式
    HO[(RSiO]H (I)
    (式中、Rは互いに同一でも異なっていても良い、置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、mは成分(A)の25℃における粘度を15〜1,000cSt にする値である)で示される、シラノール基末端ポリジオルガノシロキサン、
    (B)n−ヘキサン、ガソリン、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、灯油、イソパラフィン系炭化水素ベンゼン、トルエン、キシレンデカメチルシクロペンタシロキサン、および、オクタメチルシクロテトラシロキサンからなる群より選択される、溶媒、
    (C)イオン性界面活性剤、
    (D)成分(A)に対する重合用触媒
    (但し、成分(C)に触媒作用を有するイオン性界面活性剤を使用する場合は、成分(D)はその少なくとも一部を省略することができる)、および
    (E)水。
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