JP2001192459A - 油中極性溶媒エマルション及び複合エマルション - Google Patents

油中極性溶媒エマルション及び複合エマルション

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (i)油中極性溶媒型のエマルションPS1
O、(ii)水中油中極性溶媒型の複合エマルションPS
1/O/W、及び(iii)極性溶媒中油中極性溶媒型の複
合エマルションPS1/O/PSの提供。 【解決手段】 ポリマー分子の間に架橋単位を含有する
三次元分子ポリマー網状構造からなるゲルを形成する互
いに架橋されたポリマー分子を構成する、架橋されたエ
ラストマーのシリコーンポリエーテルであり、上記架橋
されたエラストマーのシリコーンポリエーテルは、65
から98重量%のシリコーンオイルを含有して膨潤され
ている乳化剤を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(i)油中極性溶
媒型のエマルションPS1/O、(ii)水中油中極性溶
媒型の複合エマルションPS1/O/W、及び(iii)極
性溶媒中油中極性溶媒型の複合エマルションPS1/O
/PS2に関する。特に、これらのエマルションは、1
つ以上の非水性極性溶媒を含有する。
【0002】
【従来の技術】米国特許5,948,855号は、乳化
剤として架橋されたエラストマーのシリコーンポリエー
テルを用いて調製できる、ある種の油中水型のエマルシ
ョンW 1/O及び複合エマルションW1/O/W2を記載
している。これらの架橋されたエラストマーシリコーン
ポリエーテル及びそれらの調製方法は、米国特許第5,
811,487号及び5,889,108号に記載され
ている。これらの特許は、本発明と同じ譲受人に譲受さ
れている。
【0003】しかしながら、これらの同じ譲受人の特許
は、油中非水性極性溶媒型のエマルションPS1/O及
び複合エマルションPS1/O/W及びPS1/O/PS
2の調製のための乳化剤としての架橋されたエラストマ
ーのシリコーンポリエーテルの用途を記載していない。
PS1/O、PS1/O/W及びPS1/O/PS2型エマ
ルションの利点は、それらがビタミンCなどの極性活性
剤、又は塩酸アルミニウム及び三塩酸アルミニウムジル
コニウムなどの活性化制汗性塩を供給するために用いら
れることができることであり、これらは水中よりもプロ
ピレングリコールなどの非水性極性溶媒中で化学的安定
性が高いことが知られている。
【0004】第1の実施態様において、本発明は、乳化
剤によってシリコーンオイル連続相に分散された非水性
極性溶媒相を含有する、油中非水性極性溶媒型のエマル
ションである組成物に関する。
【0005】第2の実施態様において、本発明は、乳化
剤によって主エマルションPS1/Oの第1の連続相と
してのシリコーンオイル中に分散された非水性極性溶媒
相PS1を含有するPS1/O/W型の、水中油中非水性
極性溶媒の複合エマルションである組成物に関する。主
エマルションPS1/Oは、第2の連続水相Wに分散さ
れて複合エマルションPS1/O/Wを形成している。
【0006】第3の実施態様において、本発明は、乳化
剤によって主エマルションPS1/Oの第1の連続相と
してのシリコーンオイル中に分散された非水性極性溶媒
相PS1を含有するPS1/O/PS2型の、非水性極性
溶媒中油中非水性極性溶媒型の複合エマルションである
組成物に関する。主エマルションPS1/Oは、第2の
連続非水性極性溶媒相PS2に分散されて、複合エマル
ションPS1/O/PS 2を形成している。
【0007】3つの実施態様において、乳化剤は、ポリ
マー分子の間に、何十、何百、何千の架橋単位を含有す
る三次元分子ポリマー網状構造からなるゲルを形成する
互いに架橋されたポリマー分子を構成する、架橋された
エラストマーのシリコーンポリエーテルである。架橋さ
れたエラストマーのシリコーンポリエーテルは、65か
ら98重量%のシリコーンオイルを含有して膨潤され
る。
【0008】本発明は、さらに、シリコーンオイル連続
相に、非水性極性溶媒相を分散させる乳化剤を提供す
る。該乳化剤は、ポリマー分子の間に架橋単位を含有す
る三次元分子ポリマー網状構造からなるゲルを形成する
互いに架橋されたポリマー分子を構成する架橋されたエ
ラストマーのシリコーンポリエーテルを含むものであ
り、該架橋されたエラストマーのシリコーンポリエーテ
ルは65から98重量%のシリコーンオイルを含有して
膨潤されているものである。
【0009】さらに本発明は、上記乳化剤を用いて、
(1)上記乳化剤を用いて、シリコーンオイル連続相
に、非水性極性溶媒相を分散させることを特徴とする、
油中非水性極性溶媒型のエマルションの製造方法;
(2)上記乳化剤を用いて、非水性極性溶媒相PS1
主エマルションPS1/Oの第1の連続相としてのシリ
コーンオイル中に分散させ、かつ主エマルションPS1
/Oを第2の連続水相Wに分散させて複合エマルション
PS1/O/Wを形成することを特徴とする、PS1/O
/W型の水中油中非水性極性溶媒型の複合エマルション
の製造方法;及び(3)上記乳化剤を用いて、非水性極
性溶媒相PS1を主エマルションPS1/Oの第1の連続
相としてのシリコーンオイル中に分散させ、かつ主エマ
ルションPS1/Oを第2の連続非水性極性溶媒相PS2
に分散させて複合エマルションPS 1/O/PS2を形成
することを特徴とするPS1/O/PS2型の非水性極性
溶媒中油中非水性極性溶媒型の複合エマルションの組成
物の製造方法を提供する。
【0010】エマルションは、第2の液体中に分散され
た1つの液体の小滴から構成されている。複合エマルシ
ョンは、ついで最終連続相に分散されている、第2の液
体中に分散された1つの液体の小滴から構成されてい
る。一般的に、内部の小滴相は、最終の連続相と混和性
のものか、あるいは同一であろう。
【0011】例えば、水中油中水型の複合エマルション
W/O/Wでは、内相と外相はともに水性である。水中
油中非水性極性溶媒型の複合エマルションPS1/O/
Wでは、内相は非水性極性溶媒であり、外相は水性であ
る。非水性極性溶媒中油中非水性極性溶媒型の複合エマ
ルションPS1/O/PS2では、内相と外相は共に非水
性極性溶媒である。
【0012】最終的な連続相が水性であるPS1/O/
Wの系について、主エマルションは油中極性溶媒型のエ
マルションPS1/Oであり、これはついで最終的な水
性相W中に乳化される。最終的な連続相が極性溶媒であ
るPS1/O/PS2の系について、主エマルションは油
中極性溶媒型のエマルションPS1/Oであり、これは
ついで最終的な極性溶媒相PS2中に乳化される。
【0013】明確化するために、及びPS1/O/W系
について用いられている命名法の承認された標準に従え
ば、主エマルションの油相はOと称され、主エマルショ
ンはPS1/Oと称される。主エマルションPS1/O
は、極性溶媒相PS1を含む。主エマルションPS1/O
がさらに最終的な水性相W中に分散された後、この複合
エマルションはPS1/O/Wと称される。PS1/O/
PS2系について、主エマルションの油相もまたOであ
り、主エマルションはPS1/Oである。主エマルショ
ンPS1/Oは、極性溶媒相PS1を含む。主エマルショ
ンPS1/Oがさらに最終的かつ第2の極性溶媒相PS2
中に分散された後、この複合エマルションはPS1/O
/PS2と称される。
【0014】これらのエマルションの形成において用い
られている、架橋されたエラストマーのシリコーンポリ
エーテルと、これらの架橋されたエラストマーのシリコ
ーンポリエーテルの調製方法は、譲受人が共通の米国特
許第5,811,487号に詳しく記載されている。
【0015】一般的に、そのような架橋されたエラスト
マーのシリコーンポリエーテルは、≡Si−Hを含有す
るポリシロキサン(A)とモノアルケニルポリエーテル
(B)とを、プラチナ触媒の存在下で反応させ、ポリエ
ーテル基を有する≡Si−Hを含有するシロキサン
(C)を形成することにより調製される。ポリエーテル
基を有する≡Si−Hを含有するシロキサン(C)は、
ついで、溶媒(E)とプラチナ触媒の存在下で、α、ω
-ジエンなどの不飽和炭化水素(D)と反応し、α、ω-
ジエン(D)の二重結合を渡って、≡Si−H が架橋
し、付加することによってシリコーンエラストマーが形
成される。
【0016】より具体的には、譲受人が共通の米国特許
第5,811,487号に記載されているように、架橋
されたエラストマーのシリコーンポリエーテルは、
(A)式:R3SiO(R’2SiO)a(R’’HSi
O)bSiR3または式:(R’2SiO)a(R’’HS
iO)bSiR3により表される≡Si−H含有ポリシロ
キサン、及び任意に式:HR2SiO(R’2SiO)c
SiR2Hにより表される≡Si−H含有ポリシロキサ
ン、又は式:HR2SiO(R’2SiO)a(R’’H
SiO)bSiR2Hにより表される≡Si−H含有ポリ
シロキサン(前記式中、R、R’及びR’’は炭素原子
数1〜6のアルキル基であり、aは0〜250の値、b
は1〜250の値、cは0〜250の値である。)、及
び(B)式:CH2=CH(CH2xO(CH2CH
2O)y(CH2CH3CHO)zT又は式:CH2=CH−
Q−O(CH2CH2O)y(CH2CH3CHO)zT(前
記式中、Tは水素、C1〜C10アルキル基、アリール
基、又はC1〜C20アシル基であり、Qは不飽和を含有
する二価連結基であり、xは1〜6の値であり、yは0
または1〜100の値であり、zは0または1〜100
の値であるが、y及びzの両方が0でないことを条件と
する。)により表されるモノアルケニルポリエーテル;
を白金触媒の存在下、ポリエーテル基を有する≡Si−
H含有ポリシロキサンが形成されるまで反応させる工
程;ならびに(C)前記ポリエーテル基を有する≡Si
−H含有ポリシロキサン;および(D)式:CH2=C
H(CH2xCH=CH2により表されるα,ω−ジエ
ン、式:CH≡C(CH2xC≡CHにより表される
α,ω−ジイン、及び式:CH2=CH(CH2xC≡C
Hにより表されるα,ω−エン−イン(前記式中、xは
1〜20の値である。);を(E)不飽和炭化水素中の
二重結合又は三重結合を交差して≡Si−Hが架橋及び
付加することによってシリコーンエラストマーが形成さ
れるまで(i)有機化合物、(ii)ケイ素原子を含有す
る化合物、(iii)有機化合物の混合物、(iv)ケイ素
原子を含有する化合物の混合物及び(v)有機化合物と
ケイ素原子を含有する化合物の混合物から選ばれる溶剤
ならびに白金触媒の存在下、反応させる工程;を含んで
なるシリコーンエラストマーの製造方法により調製する
ことができる。
【0017】これらの架橋されたエラストマーのシリコ
ーンポリエーテルは、一般的に、ポリマー分子の間に、
何十、何百、何千の架橋単位を含有する三次元分子ポリ
マー網状構造からなるゲルを形成する、互いに架橋して
いる、ポリマー分子を構成するものとして記載されてい
る。典型的には、これらの架橋されたエラストマーのシ
リコーンポリエーテルは、65から98重量%のオイル
を含有して膨潤される。
【0018】米国特許第5,811,487号及び第
5,889,108号の両方が、用いられる適当なオイ
ルの広範囲のリストを記載しており、(i)ヘキサメチ
ルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、及びデ
カメチルシクロペンタシロキサンなどの揮発性ポリジメ
チルシロキサン、(ii)一般的に5から1,000のセ
ンチストーク(mm2/s)の範囲の粘度を有する非揮
発性ポリジメチルシロキサン、及び(iii)ムスク、ミ
ルラなどの香料が含まれる。
【0019】動物、植物、又は鉱物起源の天然オイルな
どの有機オイルもまた好適である。例えば現代の化粧品
のオイルは最も代表的なものであり、化粧品の目的で安
全であることが知られている一般的な有機オイルの中で
は、アーモンドオイル、アプリコット仁(カーネル)オ
イル、アボガドオイル、カカオバター(theobromaオイ
ル)、ニンジン種オイル、ヒマシ油、カンキツ類種オイ
ル、ココナツオイル、コーンオイル、綿実油、キュウリ
オイル、卵油、ホホバ油、ラノリン油、アマニ油、鉱物
油、ミンクオイル、オリーブオイル、ヤシ任オイル、モ
モ仁オイル、ピーナッツオイル、菜種油、ベニバナ油、
ゴマ油、サメ肝油、大豆油、ヒマワリ種油、スイートア
ーモンド油、獣(牛)脂、獣(マトン)脂、カメ油、植
物油、クジラ油、小麦胚芽油である。
【0020】非水性極性溶媒という用語は、一般的に溶
媒を含むことを意図するものであり、エマルション及び
複合エマルションがパーソナルケアへの適用を意図する
ときに、非水性極性溶媒は、化粧品として許容されるも
のとして理解されるべきである。化粧品として許容され
る非水性極性溶媒の使用可能なものの代表としては、例
えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなど
のモノヒドロキシアルコール;各々プロピレングリコー
ル及びグリセロールなどのジオール及びトリオール;グ
リセリルトリアセテート(トリアセチン)、グリセリル
トリプロピオネート(トリプロピオニン)、及びグリセ
リルトリブチレート(トリブチリン)などのグリセロー
ルエステル;及びポリエチレングリコールなどのポリグ
リコールがある。パーソナルケア以外の適用において、
これらの及び他のより好適なタイプの非水性極性溶媒が
使用できる。
【0021】非水性極性溶媒分散相と油連続相からなる
油中非水性極性溶媒型のエマルションの調製のための、
架橋されたエラストマーのシリコーンポリエーテルの使
用において、非水性極性溶媒相は、非水性極性溶媒可溶
性活性成分を含むことができ、油相は油溶性活性成分を
含むことができる。
【0022】油中非水性極性溶媒型のエマルション及び
複合エマルションの非水性極性溶媒相のための非水性極
性溶媒可溶性活性成分の代表的なものは、(i)非水性
極性溶媒可溶性ビタミン、(ii)塩酸アルミニウム及び
三塩酸アルミニウムジルコニウムなどの活性化制汗性塩
を含む非水性極性溶媒可溶性薬剤、(iii)グリコール
酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、すなわち果酸などのα−
ヒドロキシ酸である。後者すなわち(iii)の場合、果
酸は、細かい皮膚の線やしみを減少させ、皮膚自体の修
復を可能にするコラーゲンを刺激することができるとい
われているので、多くの利点が得られる。
【0023】共通の譲受人の米国特許第5,948,8
55号は、使用可能ないくつかの適当な非水性極性溶媒
可溶性ビタミンと非水性極性溶媒可溶性薬剤の広範囲の
リストを記載しており、それらの中には、ビタミンC、
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB
12、ナイアシン、葉酸、ビオチン、及びパントテン酸が
挙げられる。非水性極性溶媒可溶性ビタミンは油中非水
性極性溶媒型エマルション及び複合エマルションの中
で、0.01から50重量%の量で用いることができ
る。
【0024】共通の譲受人の米国特許第5,948,8
55号は、油中非水性極性溶媒型のエマルション及び複
合エマルションの油相で使用可能な、ビタミン及び薬剤
などのいくつかの適当な油溶性活性成分の広範囲のリス
トも記載しており、それらの中には、これに制限される
ものではないが、ビタミンA1、レチノール、レチノー
ルのC2−C18エステル、ビタミンE、トコフェノー
ル、ビタミンEのエステル及びその混合物を含むビタミ
ンが挙げられる。レチノールは、トランス−レチノー
ル、13−cis−レチノール、11−cis−レチノール、
9−cis−レチノール及び3,4−ジデヒドロ−レチノ
ールを含む。他の好適なビタミンは、レチニルアセテー
ト、レチニルパルミテート、レチニルプロピオネート、
α−トコフェロール、トコフェルソラン、トコフェリル
アセテート、トコフェリルリノレート、トコフェリルニ
コチネート、トコフェリルサクシネートを含む。油溶性
ビタミン又は薬剤は、油中非水性極性溶媒型エマルショ
ン及び複合エマルション中で、0.01から50重量%
の量で用いることができる。
【0025】主エマルションPS1/Oの形成におい
て、0.1から99重量%の非水性極性溶媒相PS1
用いることが好ましく、この量は非水性極性溶媒とそれ
に含まれることができるいかなる非水性極性溶媒可溶性
活性成分、例えば1つ以上のビタミンなどの重量を含
む。主エマルションPS1/Oの油相Oは、1から9
9.9重量%の量で用いられ、この量は、それに含まれ
るエラストマーのシリコーンポリエーテル、オイル及び
1つ以上の油溶性ビタミン又は油溶性活性成分の重量を
含む。
【0026】好ましくは、非水性極性溶媒といかなる非
水性極性溶媒可溶性活性成分の重量を含む非水性極性溶
媒相は、主エマルションPS1/Oの重量に対して20
から95重量%であり、エラストマーのシリコーンポリ
エーテル、オイル、1つ以上の油溶性ビタミン又は油溶
性活性成分の重量を含む油相は、主エマルションPS 1
/O重量に対して15から80重量%である。
【0027】複合エマルションPS1/O/Wは、つい
で、0.1から70重量%の主エマルションPS1/O
を、30から99.9重量%の最終連続相Wとを単に合
わせて混合することにより、調製することができ、後者
の量は、最終連続相Wに含まれるいかなる1つ以上の水
溶性活性成分の重量を含む。一般的に、非水性極性溶媒
相への添加のために適当な活性成分として上記で参照さ
れるいかなる活性成分は、最終連続相Wへの添加のため
に適当な活性成分でもある。PS1/O/PS2型の複合
エマルションも同様に調製される。
【0028】以下の実施例は本発明をより詳細に説明す
るためのものである。 実施例1−油中プロピレングリコール型のエマルション
PS1/O 米国特許第5,811,487号に記載された方法に従
って調製された、デカメチルシクロペンタシロキサン
(D5)中の50.14グラムの架橋されたエラストマ
ーのシリコーンポリエーテルを計量し、ガラスビーカー
に機械的ミキサーで600rpm(63rad/s)で混合
した。この架橋されたエラストマーのシリコーンポリエ
ーテルには、そのバックボーン中の反復単位の9%が、
―(CH2CH2O)n―、(ここでnは12である)の
部分を含む単位を含んでいた。80.23グラムのプロ
ピレングリコールを、ガラスビーカーへ、ガラスビーカ
ーの中身を600rpm(63rad/s)で混合しなが
ら、ピペットを用いて15分の時間にわたって添加し
た。得られたD5中プロピレングリコールのエマルショ
ンは滑らかな白いクリームであった。
【0029】実施例2−プロピレングリコール/油/水
の複合エマルションPS1/O/W この実施例で、最終産物材料として2つの共存するエマ
ルションを調製した。一方のエマルションは、O’/W
として示され、他方のエマルションは本発明のPS1
O/W型の複合エマルションとして示される。
【0030】パートA.油相(O’)の調製 10グラムのステアリン酸(Witco Corporation、New Y
ork, New Yorkの製品、商品名HYSTRENE(商標)FGで市
販されている)をガラスビーカーに、10グラムのグリ
セロールモノステアレートとポリオキシエチレンステア
レート、(ICISurfactants、Wilmington,Delwareによ
り商品名ARLACEL(商標)165で市販されているアニ
オン性界面活性剤)、及びエモリエント剤として25グ
ラムのワセリン、つまり半固体の石油からのゼリー(Wi
tco Corporation, New York, New Yorkにより、商品名W
HITE PROTOPET(商標)で市販されている)とともに計
量した。この実施例でのステアリン酸の目的は、O’/
Wエマルション中で、ワセリンを乳化するために、ノニ
オン性活性剤ARLACEL(商標)165に加えて、アニオ
ン性活性剤として作用することであった。これらの成分
は固体であるので、溶解させるために80℃の熱した湯
浴に入れた。
【0031】パートB.水相(W)の調製 カーボマー増粘剤1重量%水性分散液の50グラムを、
308.5グラムの熱した脱イオン水とともに、他のビ
ーカーに計量した。この分散液を熱した湯浴に入れて、
機械的なミキサーにより200rpm(21rad/s)で混合
した。カーボマーは、B. F. Goodrich Company, Brecks
ville, Ohioにより、商品名CARBOPOL(商標) EDT 2001
で市販されている、架橋されたポリアクリル酸ポリマー
である。
【0032】パートC.中和剤 50グラムのトリエタノールアミンを、50グラムの脱
イオン水が入ったガラスビーカーに添加し、ガラス攪拌
棒を用いて手で混合し、ビーカーの中身を均一とした。
この実施例におけるトリエタノールアミンの目的は、や
や酸性の性質を有するカーボマー増粘剤のための中和剤
として機能することであった。
【0033】パートD.主エマルション(PS1/O)
の調製 米国特許第5,811,487に記載された方法によっ
て調製された、D5中の52グラムの架橋されたエラス
トマーシリコーンポリエーテルを計量し、ガラスビーカ
ーに機械的ミキサーで600rpm(63rad/s)で混
合した。この架橋されたエラストマーのシリコーンポリ
エーテルには、そのバックボーン中の反復単位の20%
が、―(CH2CH2O)n―、(ここでnは12であ
る)の部分を含む単位を含んでいた。48.18グラム
のプロピレングリコールを、ガラスビーカーへ、ピペッ
トを用いて15分の時間にわたって添加し混合した。得
られた材料、すなわち主エマルションPS1/Oは白い
エマルションであった。
【0034】この実施例において、エラストマーシリコ
ーンポリエーテルは、主エマルションPS1/Oの形成の
ためのD5に対する乳化剤として機能する。主エマルシ
ョンPS1/Oの相Oは、D5とエラストマーシリコーン
ポリエーテルの組み合わせから構成される。プロピレン
グリコールは、主エマルションPS1/Oの相PS1を構
成する。
【0035】複合エマルション(PS1/O/W)の調製 パートAが均一に溶解したとき、パートBにパートAを
注ぎ、パートAとパートBを200rpm(21rad/s)で
5分間混合することにより、エマルションO’/Wを調
製した。エマルションO’/WはついでパートC(W)
で中和し、さらに5分間混合した。中和の間、ミキサー
のスピードは徐々に200から350rpm(21−3
7rad/s)に増加し、確かに十分な混合が行なわれるよ
うにした。試料を熱した湯浴からはずし、350rpm
(37rad/s)で混合しながら、55℃まで冷却させ
た。試料の温度が55℃になったとき、25グラムのパ
ートDを添加した。混合を継続し、試料を50℃まで冷
却させた。冷却の後、1.5グラムのDMDMヒダント
インと、蒸発で失われた分を追加するための脱イオン水
を試料に添加し、さらに5分間混合した。DMDMヒダ
ントイン、すなわち1,3−ジメチロール−5,5−ジ
メチルは、エマルションのために最も一般的に用いられ
る防腐剤である。Lonza Incorporated, FairLawn New J
erseyにより、商品名GLYDANT(商標)で市販されている。
【0036】この実施例で得られた、プロピレングリコ
ール/油/水型の複合エマルションは、安定で滑らかな
白いクリーム状のローションであった。複合エマルショ
ンPS1/O/Wの粒子の平均サイズは3.7μmであ
った。
【0037】本発明による、エマルションと複合エマル
ションは、パーソナルケアの使用を主に意図している、
オルガノシリコーン材料の特性から利益を得ることがで
きるいかなる適用にも有用である。よって、多くの一般
市販薬(OTC)のパーソナルケア製品を形成するため
に、それらは単独であるいは化粧成分と組み合わせて用
いることができる。例えば、それらは耐汗剤及びデオド
ラントにおける担体として有用である。それらは滑らか
で、皮膚クリーム、スキンケアローション、保湿剤、に
きび又はしわ除去剤などの顔のトリートメント、身体及
び顔のクレンザー、浴用オイル、香水、コロン水、香
粉、サンスクリーン、髭剃り前及び髭剃り後のローショ
ン、液体石鹸、髭剃り用石鹸及び髭剃り用泡の特性を改
善することができる。それらは、光沢を増し、コンディ
ショニング効果を与えるために、髪のシャンプー、ヘア
コンディショナー、ヘアスプレー、ムース、パーマネン
ト、脱毛剤、キューティクルコートに用いることができ
る。
【0038】化粧品ではエマルション及び複合エマルシ
ョンは、メイクアップ剤、着色化粧品、ファンデーショ
ン、ほお紅、口紅、リップクリーム、アイライナー、マ
スカラ、油とり剤、着色化粧除去剤、及び粉における顔
料の均一・引延剤として機能する。スティック、ゲル、
ローション、エアロゾル及び回転塗布剤に加えられたと
き、エマルション及び複合エマルションは乾燥した絹の
ような滑らかな感触を与えることができる。
【0039】エマルション及び複合エマルションは、製
薬、微生物剤、除草剤、殺菌剤及び他の生物学的活性物
質のための担体として機能することもでき、それらは、
ウェットワイプ、ティッシュ及びタオルなどのぬれたよ
うな洗浄ワイプに用いられるセルロース又は合成不織担
体物質のための添加剤としての有用性があり、一般に身
体衛生及び家庭の掃除仕事のために市販されている。
【0040】本発明における使用には、共通の譲受人の
米国特許第5,811,487号によって調製される架
橋されたエラストマーシリコーンポリエーテルが非常に
好ましいが、好ましい架橋されたエラストマーシリコー
ンポリエーテルとパフォーマンス及び利点が同様であれ
ば、他のタイプの架橋されたエラストマーシリコーンポ
リエーテルも用いることができる。例えば、エラストマ
ーは、米国特許第5,948,855に記載されたよう
な他のタイプのオルガノシリコーンモノマーを用いるこ
とにより調製することができる。それらはまた、共通の
譲受人の米国特許第5,889,108号に記載された
ようなワンポット法によっても調製することができる。
【0041】本発明の必須の本質から離れずにここで記
載した化合物、組成物及び方法において他の変形も可能
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/32 A61K 7/32 7/48 7/48 B01F 17/54 B01F 17/54 B01J 13/00 B01J 13/00 A C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 83/04 C08L 83/04 (72)発明者 ウィリアム・ジェームス・シュルツ・ジュ ニア アメリカ合衆国・48640・ミシガン・ミッ ドランド・オールド・パイン・トレール・ 3841 (72)発明者 ジャネット・メアリー・スミス アメリカ合衆国・48706・ミシガン・ベ イ・シティ・サウス・エリー・ストリー ト・1312

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化剤によってシリコーンオイル連続相
    に分散された非水性極性溶媒相を含有する、油中非水性
    極性溶媒型のエマルションを含む組成物であって、上記
    乳化剤は、ポリマー分子の間に架橋単位を含有する三次
    元分子ポリマー網状構造からなるゲルを形成する互いに
    架橋されたポリマー分子を構成する、架橋されたエラス
    トマーのシリコーンポリエーテルであり、上記架橋され
    たエラストマーのシリコーンポリエーテルは、65から
    98重量%のシリコーンオイルを含有して膨潤されてい
    るものである、組成物。
  2. 【請求項2】 非水性極性溶媒は、モノヒドロキシアル
    コール、ジオール、トリオール、エステル、及びポリグ
    リコールから選ばれるものである、請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 1つ又は両方の非水性極性溶媒相が非水
    性極性溶媒可溶性活性成分を含むか、あるいはシリコー
    ンオイル連続相が油溶性活性成分を含むものである、請
    求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 非水性極性溶媒相中の非水性極性溶媒可
    溶性活性成分が、極性溶媒可溶性ビタミン、極性溶媒可
    溶性薬剤、活性化制汗性塩、及びα−ヒドロキシ酸から
    選ばれ;かつシリコーンオイル連続相中の油溶性活性成
    分が揮発性ポリジメチルシロキサン、非揮発性ポリジメ
    チルシロキサン、香料、油溶性ビタミン、油溶性薬剤、
    及び動物、植物及び鉱物起源の天然オイルから選ばれる
    ものである、請求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 非水性極性溶媒可溶性活性成分の重量を
    含む非水性極性溶媒相の重量が、エマルション重量に対
    して0.1から99重量%であり、油溶性活性成分の重
    量を含むシリコーンオイル連続相の重量が、エマルショ
    ン重量に対して1から99.9重量%である、請求項1
    記載の組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の組成物を髪、皮膚又は腋
    の下に適用することを含む、髪、皮膚又は腋の下の処理
    方法。
  7. 【請求項7】 PS1/O/W型の、水中油中非水性極
    性溶媒型の複合エマルションを含む組成物であって、乳
    化剤によって主エマルションPS1/Oの第1の連続相
    としてのシリコーンオイル中に分散された非水性極性溶
    媒相PS1を含有し、主エマルションPS1/Oは第2の
    連続水相Wに分散されて複合エマルションPS1/O/
    Wを形成しており、上記乳化剤は、ポリマー分子の間に
    架橋単位を含有する三次元分子ポリマー網状構造からな
    るゲルを形成する互いに架橋されたポリマー分子を構成
    する、架橋されたエラストマーのシリコーンポリエーテ
    ルであり、上記架橋されたエラストマーのシリコーンポ
    リエーテルは、さらに65から98重量%のシリコーン
    オイルを含有して膨潤されているものである、組成物。
  8. 【請求項8】 非水性極性溶媒は、モノヒドロキシアル
    コール、ジオール、トリオール、エステル、及びポリグ
    リコールから選ばれるものである、請求項7記載の組成
    物。
  9. 【請求項9】 1つ又は両方の非水性極性溶媒相が非水
    性極性溶媒可溶性活性成分を含むか、あるいは第1の連
    続相が油溶性活性成分を含むものである、請求項7記載
    の組成物。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の組成物を髪、皮膚又は
    腋の下に適用することを含む、髪、皮膚又は腋の下の処
    理方法。
  11. 【請求項11】 PS1/O/PS2型の、非水性極性溶
    媒中油中非水性極性溶媒型の複合エマルションを含む組
    成物であって、乳化剤によって主エマルションPS1
    Oの第1の連続相としてのシリコーンオイル中に分散さ
    れた非水性極性溶媒相PS1を含有し、主エマルション
    PS1/Oは第2の連続非水性極性溶媒相PS2に分散
    されて複合エマルションPS1/O/PS2を形成してお
    り、上記乳化剤は、ポリマー分子の間に架橋単位を含有
    する三次元分子ポリマー網状構造からなるゲルを形成す
    る互いに架橋されたポリマー分子を構成する、架橋され
    たエラストマーのシリコーンポリエーテルであり、架橋
    されたエラストマーのシリコーンポリエーテルは、さら
    に65から98重量%のシリコーンオイルを含有して膨
    潤されているものである、組成物。
  12. 【請求項12】 非水性極性溶媒PS1及びPS2は、モ
    ノヒドロキシアルコール、ジオール、トリオール、エス
    テル、及びポリグリコールから選ばれるものである、請
    求項11記載の組成物。
  13. 【請求項13】 1つ又は両方の非水性極性溶媒相PS
    1及びPS2が非水性極性溶媒可溶性活性成分を含むか、
    あるいは第1の連続相が油溶性活性成分を含むものであ
    る、請求項11記載の組成物。
  14. 【請求項14】 非水性極性溶媒相PS1及びPS2中の
    非水性極性溶媒可溶性活性成分が、極性溶媒可溶性ビタ
    ミン、極性溶媒可溶性薬剤、活性化制汗性塩、及びα−
    ヒドロキシ酸から選ばれ;かつ第1の連続相中の油溶性
    活性成分が揮発性ポリジメチルシロキサン、非揮発性ポ
    リジメチルシロキサン、香料、油溶性ビタミン、油溶性
    薬剤、及び動物、植物及び鉱物起源の天然オイルから選
    ばれるものである、請求項13記載の組成物。
  15. 【請求項15】 請求項11記載の組成物を髪、皮膚又
    は腋の下に適用することを含む、髪、皮膚又は腋の下の
    処理方法。
  16. 【請求項16】 シリコーンオイル連続相に、非水性極
    性溶媒相を分散させる乳化剤であって、該乳化剤は、ポ
    リマー分子の間に架橋単位を含有する三次元分子ポリマ
    ー網状構造からなるゲルを形成して互いに架橋されたポ
    リマー分子を構成する架橋されたエラストマーのシリコ
    ーンポリエーテルを含むものであり、該架橋されたエラ
    ストマーのシリコーンポリエーテルは65から98重量
    %のシリコーンオイルを含有して膨潤されているもので
    ある、乳化剤。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の乳化剤を用いて、シ
    リコーンオイル連続相に、非水性極性溶媒相を分散させ
    ることを特徴とする、油中非水性極性溶媒型のエマルシ
    ョンの製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項16記載の乳化剤を用いて、非
    水性極性溶媒相PS 1を主エマルションPS1/Oの第1
    の連続相としてのシリコーンオイル中に分散させ、かつ
    主エマルションPS1/Oを第2の連続水相Wに分散さ
    せて複合エマルションPS1/O/Wを形成することを
    特徴とする、PS1/O/W型の水中油中非水性極性溶
    媒型の複合エマルションの製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項16記載の乳化剤を用いて、非
    水性極性溶媒相PS 1を主エマルションPS1/Oの第1
    の連続相としてのシリコーンオイル中に分散させ、かつ
    主エマルションPS1/Oを第2の連続非水性極性溶媒
    相PS2に分散させて複合エマルションPS1/O/PS
    2を形成することを特徴とするPS1/O/PS2型の非
    水性極性溶媒中油中非水性極性溶媒型の複合エマルショ
    ンの組成物の製造方法。
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