JP2796856B2 - 油性化粧料 - Google Patents

油性化粧料

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JP2796856B2
JP2796856B2 JP1253539A JP25353989A JP2796856B2 JP 2796856 B2 JP2796856 B2 JP 2796856B2 JP 1253539 A JP1253539 A JP 1253539A JP 25353989 A JP25353989 A JP 25353989A JP 2796856 B2 JP2796856 B2 JP 2796856B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、油性基剤、シリコーンゲル組成物及び水性
基剤を混合してなり、使用感、化粧効果、経時安定性に
優れた油性組成物を含有する化粧料に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
油性化粧料は、皮膚に対する付着力、被覆力、化粧膜
の耐水性にどの点で優れた特性を有することから、広く
使用されている。そして従来の油性化粧料は、一般に半
固体油もしくは液体油及び固体油からなる油性基剤、あ
るいはさらに油性ゲル化剤を配合してゲル化させた油性
基剤を用い、これに化粧用粉体を混合、分散させ、固
化、成型することにより製造されている。
しかしながら従来能の油性化粧料は油分含有量が多い
ことから、油性タイプ製品特有のべとつき感や油っぽさ
を感じる、延び、拡がりが悪い等の欠点があった。
これらの欠点を解決するため、水や水性成分を配合
し、分散タイプもしくはW/O型の乳化タイプとする、
油分量の下げる、油っぽさの少ない油剤、例えば低粘
度シリコーン油を配合する等が行なわれてきた。
ところが、水や水性成分等のの水性基剤を配合した分
散タイプもしくはW/O型乳化タイプの油性化粧料にあっ
ては、さっぱり感を付与することはできるものの、経時
的に水分が揮散したり、同時に油性ゲル化剤として公知
のデキストリン脂肪酸エステル、金属石ケン等を併用し
ても経時安定性において問題があった。
また油分量を下げたり、油っぽさの少ない油剤を配合
しても油性基剤の有する油っぽさは充分に解消されな
い。特に低粘度シリコーン油は、それ自身ではべたつき
が少なくさっぱりした感触を有するにもかかわらず、通
常の油性基剤に配合した場合、さっぱり感を付与するこ
とができず、また油性基剤との相溶性が悪いため化粧料
を安定に維持することが困難であった。
従って、油性化粧料の優れた特性を保持しつつ、その
欠点であるべとつき感や油っぽさを感じさせず、さっぱ
りした使用感を有し、且つ水性基剤を安定に保持できる
化粧料が望まれていた。
〔課題を解決するための手段〕
斯かる実情において、本発明者らは鋭意研究を行なっ
た結果、油性基剤、架橋構造を有するオルガノポリシロ
キサン重合物と低粘度シリコーン油とからなるシリコー
ンゲル組成物及び水性基剤を混合せしめれば、べたつき
感や油っぽさが少なく、さっぱりとした使用感を有し、
経時安定性にも優れた油性組成物が得られ、この油性組
成物を含有した化粧料も同様な優れた特性をもつことを
見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)〜(C) (A)半固体油もしくは液体油と、固体油及び/または
油性ゲル化剤とを含む油性基剤 20〜90重量% (B)部分三次元架橋型オルガノポリシロキサン重合物
と、粘度50cs以下のシリコーン油とからなるシリコーン
ゲル組成物 5〜70重量% (C)水単独、または水と水溶性高分子、水膨潤性粘土
鉱物もしくは多価アルコールとの組み合わせから選ばれ
る1種または2種以上の水性基材 0.5〜50重量% を含有することを特徴とする油性化粧料を提供するもの
である。
本発明において(A)成分として使用される油性基剤
は、半固体油もしくは液体油に、固体油及び/または油
性ゲル化剤を配合してなるものである。
半固体油または液体油としては、通常化粧品に使用さ
れるものであれば特に制限されず、鉱物油、植物油、動
物油、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコー
ル等が使用できる。具体的には、例えば流動パラフィ
ン、スクワラン、ヒマシ油、ミリスチン酸イソプロピ
ル、パルミチン酸イソプロピル、ラノリン、ワセリン、
オリーブ油、ホホバ油、マカデキアンナッツ油、ミンク
油、タートル油、アーモンド油、サフラワー油、アボガ
ド油、ミリスチン線オクチルドデシル、2エチルヘキサ
ン酸セチル、2−エチルヘキサン酸トイグリセライドな
どのグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリルソステア
レートなどのジグリセリン脂肪酸エステル、ジカプリン
酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコール脂
肪酸エステル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、
オレイン酸、オレイルアルコールなどが挙げられる。
固体油としては、通常化粧品に使用される融点40℃以
上の固体油であれば得に制限されず、炭化水素類、ロウ
類、硬化油、高級脂肪酸、高級アルコール等が使用でき
る。具体的には、例えば固形パラフィンワックス、セレ
シンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナ
ウバワックス、キャンデリラワックス、ミツロウ、モク
ロウ、ゲイロウ、ポリエチレンワックス、硬化ヒマシ
油、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ステアリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、セチルア
ルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール
などが挙げられる。
油性ゲル化剤は、前記油成分をゲル化して化粧料の固
さを調整し、また該化粧料の肌への適度な伸びを得るた
めに配合されるものである。この油性ゲル化剤としては
化粧品分野において公知のものが使用でき、例えば有機
変性モンモリロナイトクレーなどの粘土鉱物;でんぷん
脂肪酸エステル類(例えば平均重合度10〜50のでんぷん
分解物の脂肪酸エステル);親油性ショ糖脂肪酸エステ
ル類(例えば脂肪酸の炭素数が12以上で、エステル組成
はモノエステルが10重量%以下のもの);ラウロイルグ
ルタミン酸シブチルアミド、ジラウロイルリジンステア
リルアミン塩などのN−アシルアミノ酸のアミド、エス
テル、アミン塩などの誘導体;12−ヒドロキシステアリ
ン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチ
ン酸カルシウム等の金属石ケン類などが用いられる。
これらの固体油、油性ゲル化剤を各々単独で、または
二種以上を組み合わせて前記半固体油または液体油と混
合することにより、本発明に使用される油性基剤とする
ことができる。固体油及び/または油性ゲル化剤の配合
割合は、特に限定されないが、油性基剤中5〜40重量%
が好ましい。
また、(B)成分であるシリコーンゲル組成物は、 (a)部分三次元架橋型オルガノポリシロキサン重合物
と、 (b)低粘土シリコーン油とからなるものであり、
(a)の重合物中に(b)のシリコーン油を内包せしめ
たものである。
上記(a)の部分三次元架橋型オルガノポリシロキサ
ン重合物としては、例えば、オルガノポリシロキサンを
架橋結合させて得られる、ベンゼンに不溶で、自重以上
のベンゼンを含み得る三次元架橋構造を一部に有するオ
ルガノポリシロキサン重合物が挙げられる。
該重合物は、R2SiO単位及びRSiO1.5単位を有するもの
であり、R3SiO0.5単位及び/またはSiO2単位を含んでい
ても良い。このものが、ベンゼンに不溶であるが、自重
以上のベンゼンを含み得る三次元架橋構造を有する構造
をとるためには、RSiO1.5単位及び/またはSiO2単位
と、R2SiO単位及び/またはR3SiO0.5単位との比が適当
な範囲にあることが必要である。RSiO1.5単位及び/ま
たはSiO2単位が少なすぎると、オルガノポリシロキサン
重合物は十分な三次元架橋構造とならず、ベンゼンに可
溶となり、たとえ見掛上架橋構造をとっていても使用で
きない。また、R2SiO単位及び/またはR3SiO0.5単位に
比して、R3SiO1.5単位及び/またはSiO2単位が多すぎる
と、オルガノポリシロキサンは強固な架橋構造をとり、
ベンゼンに不溶ではあるが、重合物の自重量未満しかベ
ンゼンを含むことができないものとなり、低粘度シリコ
ーン油と混和するとオルガノポリシロキサン重合物が充
分に膨潤せず、シリコーン油の分離、排出を生じ、安定
維持ができないため使用できなくなる。このため、ソフ
トで安定性の良好なシリコーンゲル組成物を得るために
は、(該重合物の分子量にも影響されるが)一般には
(R2SiO単位及び/またはR3SiO0.5単位):(RSiO1.5
位及び/またはSiO2単位)が1:1〜30:1の範囲内である
ものを用いるのが好ましい結果を与える。
前記各構造単位において、Rは水素原子;メチル基、
エチル基、プロピル基等のアルキル基;フェニル基、ト
リル基等のアリール基;ビニル基等の脂肪族不飽和基な
どが例示され、同種でも、または異なった種類であって
も良い。
このような、ベンゼンに不溶であるが、自重以上のベ
ンゼンを含み得る三次元架橋構造を有するオルガノポリ
シロキサン重合物は、例えば次に示すような種々の方法
で合成することができる。
1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した
水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンに、触媒量のアルカリ金属水酸化物のアルコール性水
溶液を加えて加熱し、脱水素反応及び縮合反応を行なう
方法。
1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した
水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンと、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合し
た水酸基お有するオルガノポリシロキサンとを、触媒量
のアルカリ金属水酸化物、白金化合物等の存在下に加熱
し、脱水素縮合反応を行なう方法。
1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した
水酸基を有するオルガノポリシロキサンを、触媒量のア
ルカリ金属水酸化物、有機錫化合物等の存在下に加熱
し、脱水縮合反応を行なう方法。
1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した
水酸基を有するオルガノポリシロキサンと、1分子中に
少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルコキシル基
を有するオルガノポリシロキサンとを、触媒量のアルカ
リ金属水酸化物、有機金属錫化合物等の存在下に加熱
し、脱アルコール反応を行なう方法。
これらのいずれの方法にても、ベンゼンに不溶である
が、自重以上のベンゼンを含み得る三次元架橋構造を有
するオルガノポリシロキサン重合物を容易に得ることが
できる。
また(a)の部分三次元架橋型オルガノポリシロキサ
ン重合物の上記以外の例としては、シリコーン油に不溶
ではあるが、十分に膨潤するオルガノポリシロキサン重
合物で、(イ)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
と(ロ)脂肪族不飽和基含有オルガノポリシロキサンを
付加重合させて得られる重合物であり、一部に三次元架
橋構造を有するものが挙げられる。
ここで用いられる(イ)及び(ロ)のポリシロキサン
の分子構造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであって
もよいが、目的のオルガノポリシロキサン重合物の合成
反応をコントロールするためには、直鎖状であるこがよ
り好ましい。
ここで、反応性基である(イ)のオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンにおけるケイ素原子に結合した水素
原子及び(ロ)と脂肪酸不飽和基含有オルガノポリシロ
キサンにおける脂肪酸不飽和基は、それぞれ1分子中に
少なくとも2個存在することが両者を重合させて得られ
るオルガノポリシロキサン重合物の一部に三次元架橋構
造を形成する上で必須である。
また、これら反応性基のそれぞれの分子中における位
置は、一般的には分子鎖内部であるが、分子鎖末端であ
ってもよい。
また、これら反応性基の各々のオルガノポリシロキサ
ン中に占める含有量は、ソフトで安定性の良好なシリコ
ーンゲル組成物を得るためには、その分子構造が直鎖状
または分岐状のものの場合1〜20モル%、また環状のも
のの場合1〜50モル%であるのが好ましい。含有量が該
範囲を超えると硬い重合物となってしまうと共に後述す
る低粘度シリコーン油が三次元架橋構造中に内包し難く
なる傾向となり、分離、排出が起こり安定保持できなく
なってしまう。逆に含有量が該範囲に満たないと、シリ
コーンゲル組成物の構造粘性が乏しくなる傾向にある。
(イ)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、
HSiO1.5単位、RSiO1.5単位、RHSiO単位、R2SiO単位、R2
HSiO0.5単位、R3SiO0.5単位等からなるものである。こ
こで、Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基など
のアリール基、シクロヘキシル基、またはこれらの基の
炭素原子に結合した水素原子の一部または全部をハロゲ
ン原子、シアノ基などで置換した基などから選択され
る、ビニル基などの脂肪族不飽和基を除く非置換または
置換一価炭化水素基が例示される。
このようなものの代表的の例としては、 (CH33SiO−、(CH32SiO、CH3HSiO、S
i(CH3(但し、p=10〜500、q=2〜50)の単位
を含んでなるメチルハイドロジェンポリシロキサンが挙
げられ、好適な材料となる。
また、(ロ)の脂肪族不飽和基含有オルガノポリシロ
キサンの脂肪族不飽和基としては、ビニル基、アリール
基等が挙げられるが、ビニル基が一般手的であり、オル
ガノビニルポリシロキサンとしては、(CH2=CH)SiO
1.5単位、RSiO1.5単位、R(CH=CH2)SiO単位、R2SiO
単位、R2(CH=CH2)SiO0.5単位、R3SiO0.5単位等から
なるものが挙げられる。ここでRは前記(イ)の場合と
同じ意味を示す。
このようなものの代表的な例としては、 (CH2=CH)(CH32SiO−、(CH32SiO−及び
−Si(CH3(CH=CH2)(但し、r=10〜100)の単
位、あるいは(CH33SiO−、(CH32SiO−
(CH=CH2)CH3SiO及び−Si(CH3(但し、m=
10〜500、n=2〜50)の単位を含んでなるメチルビニ
ルポリシロキサンが挙げられ、これらは混合物であって
もよく、好適な材料となる。
このような(イ)のオルガノハイドロジェンポリシロ
キサン(ロ)の脂肪族不飽和基含有オルガノポリシロキ
サンの付加反応は、従来公知の一般的な方法で行えばよ
い。例えば、然るべきオルガノハイドロジェンポリシロ
キサンとオルガノビニルポリシロキサンを、各々の反応
性基であるケイ素原子に結合した水素基とビニル化のモ
ル比で1/3〜3/1の範囲となるように配合したのち、白金
あるいはパラジウムなどの付加重合触媒を添加し、加温
撹拌することにより容易に目的とするシリコーン油に不
溶なオルガノポリシロキサン重合物が得られる。特に本
付加重合触媒としては、特公昭33−9969号公報に記載さ
れている塩化白金酸を用いるかとが好ましい。
一方(b)の低粘度シリコーン油は、特に限定される
ものではないが、粘度50cs程度以下のものであれば好適
に使用し得る。これは高粘度になるにつれ、それを多量
に用いた結果として感触的に油っぽさが生じ、使用感上
好ましくない方向となるからである。そして低粘度シリ
コーン油としては、低重合度鎖状のジメチルポリシロキ
サン、メチルフェニルポリシロキサン、環状のオクタメ
チルシクロテトラシロキサン、デカメチルキクロペンタ
シロキサン等が例示され、必要に応じてこれらの1種ま
たは2種以上を適宜選択して用いられる。
シリコーンゲル組成物(成分(B))は、以上の如く
して得られた(a)の部分三次元架橋型オルガノポリシ
ロキサン重合物と、(b)の低粘度シリコーン油とを充
分混練等し、膨潤させることにより容易に調製するこが
できる。ここで、(a)と(b)の混合割合は、重量比
で5:95〜30:70、好ましくは10:90〜25:75である。部分
三次元架橋型オルガノポリシロキサン重合物の量が少な
くなると、流動粘性を帯び良好なゲル構造を維持できな
くなり、逆に多くなると軟らかいゲル組成物が得難くな
る。
本発明において(C)成分として使用される水性基材
は、水単独または水と水溶性高分子、水膨潤性粘土鉱物
もしくは多価アルコールとの組み合せからなるものであ
る。具体的には、水溶性高分子としては、カルボキシビ
ニルポリマー等のポリアクリル酸系化合物、デンプン、
メチルセルロース、ビドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース等のセルロース系化合物、カ
ラギーナン、キサンタンガム、アルギン酸塩等の多糖類
系化合物が挙げられる。水膨潤性粘土鉱物としては、カ
オリン、ベントナイト等が挙げられる。また、多価アル
コールとしては、グリセリン、1,3−ブチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール等
が挙げられる。
ここにおいて、上記水溶性高分子、水膨潤性粘土鉱物
または多価アルコールを水性基材の成分として使用する
場合、各成分の配合比率は以下の範囲であるのが好まし
い。
水:水溶性高分子=99.9:0.1〜90:10 水:水膨潤性粘土鉱物=99.5:0.5〜80:20 水:多価アルコール=90:10〜20:80 また、これらの水性基材は、単独で、または2種以上
のを組み合わせて使用することができる。
本発明における油性組成物を構成する(A)の油性基
材、(B)のシリコーンゲル組成物及び(C)の水性基
材の配合比率は、次に示す範囲内であるのが好ましい。
成分 好ましい配分量 特に好ましい配分量 (A) 20〜90重量% 40〜70重量% (B) 5〜70重量% 15〜50重量% (C) 0.5〜50重量% 0.5〜20重量% また、成分(A)と成分(B)との配合比率は90:10
〜25:75、成分(A)と成分(C)との配合比率は99:1
〜30:70の範囲であるのが好ましい。
本発明の油性組成物を製造するには、上記成分(A)
〜(C)、即ち、油性基剤、シリコーンゲル組成物及び
水性基材を常法に従い混合すればよい。添加順序は特に
限定されないが、混合することにより油性基剤、シリコ
ーンゲル組成物及び水性基材が安定な状態となるように
するのが好ましい。
本発明の油性組成物を含有する化粧料としては、クリ
ーム、乳液等の基礎化粧料;整髪料等の頭髪化粧料;フ
ァンデーション、白粉、ほほ紅、アイシャドウ、口紅、
ネイルトリートメント等のメーキャップ化粧料などが挙
げられる。
本発明の化粧料には、前記必須成分の他に本発明な硬
化を防げない範囲で香料、防腐剤、紫外線吸収剤、海面
活性剤、酸化防止剤愛、美容成分、高分子化合物、化粧
用粉体等を製品種や化粧目的に応じて適宜配合すること
ができる。
〔使用及び発明の効果〕
本発明の化粧料は、油性基剤、シリコーンゲル組成物
及び水性基材が混合分散しているものである。
そしてこのシリコーンゲル組成物中に配合されている
低粘土シリコーン油は、部分三次元架橋型オルガノポリ
シロキサン重合物の三次元架橋構造中にとり込まれて存
在している。すなわち、このシリコーンゲル組成物のゲ
ル構造は、僅かな外力で速やかに破壊されるため、本発
明化粧料使用時の塗布体での擦取、肌上での塗布展延に
より、内包されていた低粘度シリコーン油が速やかにに
じみ出てくる。
また、水、水溶性高分子医、水膨潤性粘土鉱物及び多
価アルコールは、水性基材として、他と混じり合わない
滴状態で存在しているものである。このため水分の揮散
が効果的に抑制されると共に安定に保持され、使用時に
は油性メークアップ化粧料で往々に見受けられた思い油
感が解消され、しかも化粧効果が改善される。
従って本発明の化粧料は、油性タイプの製品特有の付
着力、被覆力、化粧膜の耐水性などの特性を有し、かつ
低粘度シリコーン油が皮膚に直接作用することからべた
つきや油っぽさがなく、なめらかですべり感のある、さ
っぱりとした感触を有する。また本発明化粧料は、化粧
膜にあぶらびかりがなく、自然で仕上り状態が良好であ
り、化粧もちが良い等、化粧効果も良好である。
〔実施例〕
次に参考例及び実施例を挙げて本発明を説明する。
参考例1 トリメチルシリル末端封鎖ジメチルメチルハイドロジ
ェンポリシロキサン〔分子量2300、CH3HSiO:(CH32Si
O=1:4(モル比)〕に1%水酸化カリウム溶液〔エタノ
ール:水=2:1(重量比)〕を適量加え、加熱、還流し
て重合反応を行ない、反応生成物を得た。次いでこの反
応生成物を水洗浄してアルカリ剤を除去後、自然乾燥さ
せることによりベンゼンに不溶であり、ベンゼンを自重
の180%含み得るシリコーンン重合物を製造した。
このシリコーン重合物2重量部とジメチルポリジロキ
サン(粘度5cs)8重量部とを分散混合後、三本ロール
により充分混練し、膨潤させてシリコーンゲル組成物を
作成した。
参考例2 内容積約5のプラネタリーミキサーに、トリメチル
シリル末端封鎖ジメチルメチルハイドロジェンポリシロ
キサン(平均分子量2340、Si−H4.5モル%)1790g、及
びジメチルビニルシリル末端封鎖ジメチルポリシロキサ
ン(平均分子量930、ビニル基7.7モル%)710gを投入
し、撹拌混合した。
同混合溶液に、塩化白金酸の2%イソプロピルアルコ
ール溶液の0.5g添加を行ない、70〜80℃に昇温し、2時
間撹拌を続けた。その後、系内を5〜10mmHgに減圧し、
ストリッピングを30分間続行した。この結果得られたオ
ルガノポリシロキサン重合物は、無色の柔軟性を有する
固形物であった。
このオルガノポリシロキサン重合物25重量部とジメチ
ルポリシロキサン(粘度6cs)75重量部とを分散混合
後、三本ロールにより充分混練し、膨潤させてシリコー
ゲル組成物を作成した。
実施例1〜3及び比較例1〜3 ペースト状ファンデーション: 表1に示す組成のペースト状ファンデーションを、下
記製法により調製した。
(製法) 工程A:成分(1)〜(3)を混合加熱溶解。
〃 B:成分(6)〜(11)を混合溶解。
〃 C:成分(12)〜(16)を均一混合後、粉砕。
〃 D:上記工程A〜Cで得た各混合物と(4)又は
(5)を三本ロールミルにて均一に混和した後、加熱溶
融し次いで容器に流し込み、冷却固化してペースト状フ
ァンデーションを得る。
(官能評価) 得らてたペースト状ファンデーションの製造直後のも
の、及び密封チューブ容器に充填して1カ月放置したも
のの2種について女性パネル20名による使用テストを行
ない評価した。下記の如く各項目に評価点をつけ、さら
に判定した。この結果を表2及び表3に示す。
評価点 非常に良い 3点 良いまたは普通 2点 悪い 1点 判 定 平均点2.5以上 ◎ 平均点2.0〜2.5未満 ○ 平均点1.5〜2.0未満 △ 平均点1.5未満 × 以上の結果より、本発明のペースト状ファンデーショ
ンは比較例1または3のものに比べ、塗布時ののびが非
常に軽く、べたつき感、油っぽさがなく、肌へのフィッ
ト感、しっとり感に優れた使用感触の良い、更には水分
保持能力等の経時安定性に優れたものであった。
実施例4 含水油性基剤: (成分) 重量% (1) ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 20.0 (2) ラノリン 10.0 (3) 精製水 10.0 (4) シリコーンゲル組成物 (参考例1で得たもの) 50.0 (製法) A.成分(1)及び(2)を混合する。
B.Aに成分(3)を徐々に加えて強撹拌する。
C.Bに(4)を加えて混合する。
実施例5 ほほ紅: (成分) 重量% (1) デキストリン脂肪酸エステル 5.7 (2) ポリイソブチレン 9.7 (3) トリイソオクタン酸グリセリル 2.0 (4) 流動パラフィン 26.6 (5) シリコーンゲル組成物 (参考例1で得たもの) 25.0 (6) メチルセルロース 0.1 (7) 精製水 9.9 (8) ナイロン粉末 3.0 (9) マイカ 残量 (10) 着色顔料 6.2 (11) 香料 0.1 (製法) A.成分(1)〜(4)を混合加熱溶解する。
B.成分(6)〜(7)を混合膨潤する。
C.A、B及びCを混合後、(5)及び(11)を添加して
三本ロールミルにて均一に混和した後、加熱溶融し、次
いで容器に流し込み冷却固化してほほ紅を得た。
実施例6 スティック状アイクリーム: (成分) 重量% (1) マイクロクリスタリンワックス (m.p.85℃) 12.0 (2) ロジン酸ペンタエリスリトール 8.0 (3) ジペンタエリトットテトラ12− ヒドロキシステアリン酸セスキス テアリン酸ヘミロジン酸エステル 3.5 (4) グリセリルイソステアレート 13.0 (5) 2−エチルヘキサン酸セチル 6.0 (6) ジカプリン酸プロピレングリコール 10.0 (7) ジクリセリルイソステアレート 18.0 (8) シリコーンゲル組成物 (参考例2で得られたもの) 18.0 (9) ヒドロキシエチルセルロース 0.5 (10) 精製水 残量 (11) ジグリセリルトリイソステアレート 2.0 (12) ビタミンEアセテート 0.5 (製法) A.成分(1)〜(7)、(11)及び(12)を混合加熱溶
解する。
B.成分(9)及び(10)を混合膨潤する。
C.A,B及び成分(8)を混合後、三本ロールミルにて均
一に混和した後、加熱溶融し、次いで容器に流し込み冷
却固化してスティック状アイクリームを得た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の成分(A)〜(C) (A)半固体油もしくは液体油と、固体油及び/または
    油性ゲル化剤とを含む油性基剤 20〜90重量% (B)部分三次元架橋型オルガノポリシロキサン重合物
    と、粘度50cs以下のシリコーン油とからなるシリコーン
    ゲル組成物 5〜70重量% (C)水単独、または水と水溶性高分子、水膨潤性粘土
    鉱物もしくは多価アルコールとの組み合わせから選ばれ
    る1種または2種以上の水性基材 0.5〜50重量% を含有することを特徴とする油性化粧料。
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