JP2000095661A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JP2000095661A
JP2000095661A JP26823598A JP26823598A JP2000095661A JP 2000095661 A JP2000095661 A JP 2000095661A JP 26823598 A JP26823598 A JP 26823598A JP 26823598 A JP26823598 A JP 26823598A JP 2000095661 A JP2000095661 A JP 2000095661A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶媒含有オルガノシロキサンの乳化重合によ
って得られたエマルジョン、を含んでなる、保存安定性
に優れ且つ伸びや感触の良好な化粧料を得ること。 【解決手段】 比較的に低い分子量のシラノール基末端
ポリジオルガノシロキサンと溶媒とを混合した上で、ポ
リジオルガノシロキサンをそのシラノール基末端部分で
乳化脱水重合させて得られるポリオルガノシロキサンを
含有する安定なエマルジョン、を化粧料が含んでなるこ
とにより、伸びと感触が良好であって、且つ、保存安定
性の優れた化粧料が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶媒含有ポリオル
ガノシロキサンエマルジョンを含んでなる化粧料に関す
るものである。詳しくは、本発明は、乳化重合によって
得られた溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョン
を含んでなる化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ジメチルポリシロキサンは、皮膚
や毛髪の表面に均一な皮膜を形成し、潤いや滑らかさを
与えたり水撥き性を付与する重要な成分として、皮膚化
粧料や毛髪化粧料などの各種化粧料で使用されてきた。
しかし、該ジメチルポリシロキサンは、他の化粧料用配
合成分、例えばアルコール類、鉱物油、蜜ろう、脂肪酸
エステル等との相溶性に乏しく、これらの成分を安定に
分散させるために、特定界面活性剤により乳化物の粒子
径を小さくする方法が行われてきた。例えば、特開昭6
0−126209号公報には、ポリオキシアルキレン基
含有オルガノシロキサンで乳化した2μm程度の平均粒
子径を有する乳化化粧料、が開示されており、また特開
昭60−197610号公報には、ポリオキシアルキレ
ン基含有オルガノポリシロキサン、HLB10以上の界
面活性剤、炭素原子数12〜22の直鎖状飽和高級アル
コールおよびエタノール水溶液により乳化した0.2〜
2μmの平均粒子径を有する乳化化粧料、が開示されて
いる。
【0003】また、例えば、特公平4−62288号公
報には、乳化重合により得られたジメチルポリシロキサ
ンマイクロエマルジョンであって、その平均粒子径が
0.15μm以下であるものを含有する化粧料、が開示
されている。さらに、例えば特開平7−138136号
公報には、アニオン系界面活性剤によって得られた乳化
重合メチル又はフェニルポリシロキサンエマルジョンで
あって、その平均粒子径が0.2μm以上50μm未満
のものを含有する毛髪用洗浄剤組成物、が開示されてい
る。しかしながら、上記のようにして得られた乳化化粧
料やオルガノポリシロキサンの乳化重合物では、生成物
の伸びが不充分であり、感触が不均一になるという欠点
があった。
【0004】ところで、ポリオルガノシロキサンをより
均一に基材に適用するために、溶媒を併用することは従
来から行われてきたことである。溶媒併用に関しては、
従来は、溶媒とポリオルガノシロキサンとを機械的乳化
していたが、この方法は、乳化重合で得られるエマルジ
ョンと比較して、ポリオルガノシロキサンのエマルジョ
ンの保存安定性が劣るという欠点があり、この問題は、
溶媒を併用した場合にも引き続いて生じていた。また、
ポリオルガノシロキサンは乳化重合法によっても得られ
ていたが、この乳化重合ポリオルガノシロキサンには上
記の問題は無いけれども、溶媒を併用してこれを乳化混
合しても、基材の処理の均一性の改善は依然として不十
分であり、良好な性質を有する化粧料も望めなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】[発明の概要]本発明
の目的は、上述した従来技術が包含する問題を解消する
ことであり、具体的には、乳化重合によって得られた溶
媒含有ポリオルガノシロキサンのエマルジョンを含んで
なる、保存安定性に優れた化粧料、を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】<要旨>本発明は、乳化
重合によって得られるポリオルガノシロキサンおよび溶
媒を含有するエマルジョン、さらに詳しくは、比較的に
低い分子量のシラノール基末端ポリジオルガノシロキサ
ンと溶媒を混合した上で、シラノール基で封鎖されたポ
リジオルガノシロキサンの部分を乳化重合させて得られ
るポリオルガノシロキサンを含有する安定なエマルジョ
ン、を化粧料が含んでなることにより、伸びと感触が良
好であって、且つ、保存安定性の優れた化粧料が得られ
ることを見出したことに基づくものである。
【0007】すなわち、本発明による化粧料は、下記の
成分(A)〜(E)を含んでなるエマルジョンについて
成分(A)の重合を行わせることによって得られる溶媒
含有ポリオルガノシロキサンエマルジョン、を含んでな
ることを特徴とするものである。 (A)一般式 HO[(R12SiO]mH (I) (式中、R1はたがいに同一でも異なっていてもよい、
置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、mは成分
(A)の25℃における粘度を10〜3,000cSt に
する値である)で示される、シラノール基末端ポリジオ
ルガノシロキサン、(B)溶媒、(C)イオン性界面活
性剤、(D)成分(A)に対する重合用触媒(但し、成
分(C)に触媒作用を有するイオン性界面活性剤を使用
する場合は、成分(D)はその少なくとも一部を省略す
ることができる)、および(E)水。
【0008】<効果>特定のモノマー、すなわちシラノ
ール基末端ポリオルガノシロキサン、の特定の重合、す
なわちイオン性界面活性剤を使用する水性乳化重合、に
よって製造されたものであって、その製造の際に溶媒を
共存させてそれをも同時に乳化させることによって得ら
れた溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョン、を
化粧料が含んでなることによって、前記した従来技術の
問題点、特に化粧料の保存安定性ならびに化粧料の伸び
および感触に関するもの、が改善される。すなわち、上
記のようにして得られた溶媒含有ポリオルガノシロキサ
ンエマルジョンが、保存安定性に優れ、また塗布したと
きの広がり性や伸びなどに優れるという性質を有するた
め、これを含んでなる化粧料も、優れた保存安定性と良
好な感触を示すことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】[発明の具体的説明] <溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンの原料
>本発明の化粧料は、特定の方法によって製造したポリ
オルガノシロキサンを含んでなるものである。すなわ
ち、ここでいう特定の製造法とは、成分(A)〜(D)
から出発するものである。
【0010】《成分(A)/ポリジオルガノシロキサ
ン》本発明でポリオルガノシロキサンを与えるモノマー
として使用する成分(A)は、分子鎖末端がシラノール
基で封鎖されたポリジオルガノシロキサンであって、式
(I)で示されるものである。このポリジオルガノシロ
キサンは、以下において、α,ω−ジヒドロキシポリジ
オルガノシロキサンと呼ぶことがある。また、このポリ
ジオルガノシロキサンは、最終重縮合反応産物であるポ
リオルガノシロキサンに対してモノマーの関係に立つか
ら、その重合度は最終重縮合産物のそれよりも低く、オ
リゴジオルガノシロキサンということもできる。
【0011】成分(A)である、分子鎖末端がシラノー
ル基で封鎖されたポリジオルガノシロキサンは、乳化重
合の主原料である。その分子構造は、一般式(I)で示
されるように直鎖状であるが、分子鎖末端がシラノール
基で封鎖されたものでさえあれば、一部に分岐構造が含
まれていてもよい。mは、25℃における該ポリジオル
ガノシロキサンの粘度が10〜3,000cSt 、好まし
くは15〜1,000cSt 、特に好ましくは20〜30
0cSt 、の範囲になるようにする値である。すなわち、
シラノール末端ポリジオルガノシロキサンの粘度が10
cSt 未満のものは、安定に合成し、精製することが困難
であり、3,000cSt を越えると乳化が困難になる。
なお、mはケイ素原子に結合したR1の種類やその相互
の比率によっても異なる。たとえば、後述のように最も
好ましいポリジメチルシロキサンの場合、mは8〜50
0の範囲である。
【0012】式(I)において、ケイ素原子に結合する
1としては、(1)炭素数1〜30、好ましくは1〜
10、のアルキル基、たとえば、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシルなど、
(2)炭素数4〜7、好ましくは6、のシクロアルキル
基、たとえばシクロヘキシルなど、(3)炭素数2〜
8、好ましくは2〜3、のアルケニル基、たとえばビニ
ル、アリルなど、(4)アラルキル基、特にアリール部
分がフェニルまたは低級アルキル(C4程度まで)置換
フェニルで、アルキル部分がC4程度までのもの、たと
えば2−フェニルエチル、2−フェニルプロピルなど、
(5)アリール基、特にフェニルまたは置換フェニル
(置換基は、たとえばC4程度までのアルキル基)、た
とえばフェニル基、トリル基など、および(6)置換炭
化水素基、特に置換基がハロゲンであるもの、たとえば
3,3,3−トリフルオロプロピルなど、が例示され
る。乳化重合によって得られる高分子量ポリオルガノシ
ロキサンが、表面張力が低くて塗布したときに広がりが
よく、伸び、撥水性、つやなどが優れ、また生理活性が
ないことから、分子中のR1の85モル%以上がメチル
基であることが好ましく、実質的にすべてがメチル基で
あることが特に好ましい。従って、成分(A)として好
ましいものは、α,ω−ジヒドロキシポリ(ジメチルシ
ロキサン)、およびそのジメチルシロキサン単位の一部
がメチルエチルシロキサン単位、メチルヘキシルシロキ
サン単位、メチルフェニルシロキサン単位、ジフェニル
シロキサン単位などで置換された共重合ポリシロキサ
ン、である。これらのうちでも、α,ω−ジヒドロキシ
ポリ(ジメチルシロキサン)が特に好ましい。
【0013】このようなシラノール基末端ポリジオルガ
ノシロキサンは、たとえば、ジメチルジクロロシランを
加水分解して重縮合させることによって合成されたもの
が好ましい。希望するならば、たとえば、水を末端停止
体として、硫酸のような酸性触媒、または水酸化カリウ
ム、カリウムシラノラートのようなアルカリ性触媒の存
在下に、対応する環状シロキサンオリゴマーを開環重合
させて合成したものであっても良い。
【0014】《成分(B)/溶媒》本発明において使用
される成分(B)は溶媒である。ここで「溶媒」は、成
分(A)に対して可溶化能を持つものが好ましいが、成
分(A)に対する可溶化能を事実上持たないものであっ
てもよい。いずれにしても、成分(B)は、成分(A)
を分散させる媒体である。成分(B)としては、n−ヘ
キサン、ガソリン、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、
灯油、イソパラフィン系炭化水素のような脂肪族炭化水
素、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化
水素、および、デカメチルシクロペンタシロキサン、オ
クタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状シロキサ
ン、が例示される。また、成分(B)としては、成分
(B)の溶媒としての働きをする限り、化粧品を調製す
る際に使用する成分(後述する化粧料調製成分)の中か
ら選択することもできる。すなわち、該化粧料調製成分
に使用する成分を、成分(B)または成分(B)の一つ
として用いて、溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマル
ジョンを製造し、これをそのまま、または、さらに化粧
料調製成分を加えて、本発明の化粧料を調製することも
できる。このように、成分(B)として例示されたもの
は、1種単独で用いても良いし、上記各群内および(ま
たは)各群間で2種以上を組み合わせて用いても良い。
成分(B)の使用量は、成分(A)100重量部に対し
て、通常1〜1,000重量部であり、好ましくは10
〜500重量部である。
【0015】《成分(C)/イオン性界面活性剤》成分
(C)であるイオン性界面活性剤は、成分(A)および
成分(B)を水中に乳化するために必要であって、これ
には、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤お
よび両性界面活性剤、がある。
【0016】アニオン系界面活性剤としては、アルキル
ベンゼンスルホン酸ないしその塩、アルキル硫酸ないし
その塩、不飽和脂肪族スルホン酸ないしその塩、水酸化
脂肪族スルホン酸ないしその塩、およびポリオキシエチ
レンモノアルキルエーテルの硫酸エステルないしその
塩、が代表的なものとして例示される。具体的には、ア
ニオン系界面活性剤として下記のものを例示することが
できる。すなわち、(1)アルキル(アルキル基は一般
に長鎖のものである)ベンゼンスルホン酸、たとえば、
ヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホ
ン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンス
ルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデ
シルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホ
ン酸など、ならびに、(2)アルキル硫酸、たとえば、
オクチル硫酸、ドデシル硫酸、テトラデシル硫酸、ヘキ
サデシル硫酸、オクタデシル硫酸など、である。
【0017】本発明で使用することができるアニオン系
界面活性剤としては、これらの他にも、不飽和および
(または)水酸化脂肪族スルホン酸、ならびにこれらの
水溶性塩がある。これらのスルホン酸の代表的なもの
は、下記の式[1]および[2]で示される。
【0018】 (3) R2CH=CH(CH2mSO3H [1] (4) R2CH2CH(OH)(CH2mSO3H [2] (式中、R2は水素原子または1価の脂肪族炭化水素基
を表し、mは分子中の炭素原子数が6〜32となる整数
である)。詳しくは、R2としては、炭素原子数6〜3
0の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アルケニル基
および脂肪族ジエニル基が好ましく、炭素原子数6〜1
8のものがさらに好ましい。具体的には、このようなR
2としては、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、
テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルおよびメリ
シルのようなアルキル基、オクテニル、ノネニル、オレ
イルおよびフィチルのようなアルケニル基、ならびにペ
ンタデカジエニルのような脂肪族ジエニル基、が例示さ
れる。従って、式[1]で示される不飽和脂肪族スルホ
ン酸としては、ドデセンスルホン酸、テトラデセンスル
ホン酸およびヘキサデセンスルホン酸など、が例示さ
れ、また式[2]で示される水酸化脂肪族スルホン酸と
しては、ヒドロキシドデカンスルホン酸、ヒドロキシテ
トラデカンスルホン酸およびヒドロキシヘキサデカンス
ルホン酸など、が例示される。
【0019】上記のような典型的なスルホン酸および
(または)硫酸エステル((1)および(2))、なら
びに不飽和および(または)水酸化脂肪族スルホン酸
(特に(3)および(4))は、これらの酸の形として
アニオン系界面活性剤として代表的なものであって、本
発明でも成分(C)として有用なものである。これらの
酸の形としてのアニオン系界面活性剤は、またα,ω−
ジヒドロキシポリ(ジメチルシロキサン)に対する重合
用触媒としても有用なものである(詳細後記)。上記の
ような酸としてのアニオン系界面活性剤は、特にその触
媒作用を利用しないのであれば、水溶性の塩、ないし
は、中和塩の形でもよい。塩の場合は所与の親油性部
分、たとえばアルキルベンゼンスルホン酸でいえばアル
キルベンゼンの部分、に対する親水性の部分の寄与が大
きくなって、乳化作用が酸の場合よりも大きくなること
が多い。塩の種類としては、乳化効果から、ナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩およびトリエタノール
アミンなどのアミン塩、が好ましい。
【0020】本発明で成分(C)として使用するイオン
性界面活性剤の他の一群は、カチオン系界面活性剤であ
る。前記のアニオン系界面活性剤と同様に、カチオン系
界面活性剤もまた周知であって、その具体例は各種の教
科書に詳述されていることは、アニオン系界面活性剤と
同様である。
【0021】本発明で使用するカチオン系界面活性剤
は、4級アンモニウム塩またはヒドロキシ4級アンモニ
ウム、就中アミノ基を4級化する脂肪族基の少なくとも
一つが長鎖のもの、たとえばC6〜C20、好ましくはC8
〜C18、程度のもの、が適当である。このようなカチオ
ン系界面活性剤としては、オクチルトリメチルアンモニ
ウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒ
ドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒド
ロキシド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムヒド
ロキシド、デシルジメチルベンジルアンモニウムヒドロ
キシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、牛脂トリメチルアンモニウムヒドロキシドおよびヤ
シ油トリメチルアンモニウムヒドロキシドのような第4
級アンモニウムヒドロキシド、ならびにこれらの塩、が
例示される。
【0022】本発明で使用するイオン性界面活性剤は、
両性界面活性剤であってもよい。このような界面活性剤
の具体例は、界面活性剤に関する教科書ないし総説ある
いは化学辞典に見出すことができる。上記のような各種
のイオン性界面活性剤は、各群内および(または)各群
間で併用することができる。その場合は、アニオン系界
面活性剤とカチオン系界面活性剤のようなイオン性の異
なるものの併用は、必ずしも好ましくない。本発明にお
いては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤
あるいはこれらの併用が好ましい。
【0023】成分(C)としてのイオン性界面活性剤の
使用量は、それを重合触媒として使用する場合をも考慮
して、合目的的な任意のものでありうる。使用量の代表
的な具体例を挙げれば、下記の通りである。すなわち、
成分(C)は、成分(A)+(B)100重量部に対し
て換算して0.5〜100重量部となる量が好ましく、
1〜50重量部がより好ましく、2〜10重量部が特に
好ましい。0.5重量部末端ではエマルジョンの安定性
が悪くて分離することがあり、100重量部を超えると
エマルジョンが増粘して流動性が悪くなる場合がある。
イオン性界面活性剤を併用する場合は、合計量につい
て、この使用量を考えるものとする。
【0024】《成分(D)/重合触媒》成分(D)は、
成分(A)を重合させるための触媒である。成分(A)
の重合は、末端水酸基の脱水を伴う重合、すなわち重縮
合の範疇に属するものである。アニオン系触媒として
は、鉱酸ないし無機酸、および有機酸がある。鉱酸ない
し無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、スルファミン
酸、その他がある。有機酸としては、カルボン酸(ギ酸
を包含する)、スルホン酸、スルファミン酸、硫酸モノ
エステル、その他がある。有機酸のうち、スルホン酸お
よび硫酸モノエステルは、その有機基の寄与の大きいも
の、従って界面活性を有するもの、をも包含する。スル
ホン酸および硫酸モノエステルであって界面活性を有す
るもの、すなわちアニオン系界面活性剤、の具体例は、
成分(C)として前記した具体例(造塩していないも
の)中に適当なものを見出すことができる。アニオン系
界面活性剤でアニオン系触媒として好ましい具体例とし
ては、アルキルベンゼンスルホン酸、不飽和脂肪族スル
ホン酸および水酸化脂肪族スルホン酸、アルキルナフチ
ルスルホン酸、ならびにポリオキシエチレンモノアルキ
ルエーテルの硫酸モノエステルその他、が例示される。
【0025】一方、カチオン系触媒としては、水溶性の
無機塩基および有機塩基化合物がある。無機塩基として
は、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸
化物(ないし本発明の水性反応系において触媒として必
要な水溶性を有するもの)、アルカリ金属炭酸塩、その
他がある。水溶性有機塩基としては、水酸化第4級アン
モニウム化合物、その他がある。有機塩基のうち、第4
級アンモニウム化合物は、その有機基の寄与が大きいも
のはカチオン系界面活性剤としての機能を持つ化合物で
あって、その具体例は、成分(C)として前記したもの
の例示中に見出すことができて、第4級アンモニウムヒ
ドロキシおよびその塩を代表的なものとして挙げること
ができる。なお、第4級アンモニウム塩は、触媒作用が
低いので、アルカリ金属水酸化物と併用して、活性化さ
せて使用するとよい。その他にも、弱酸と強塩基の塩で
水中で塩基性を示すもの、たとえば前記したアルカリ金
属炭酸塩の他に、有機酸のアルカリ金属塩(石炭酸/フ
ェノールのアルカリ金属塩を包含する)、を例示するこ
とができる。
【0026】一般に塩基として作用の弱いものは触媒作
用が弱いことが多いので、第4級アンモニウム塩につい
て前記したように、事前にあるいは触媒としての使用時
に、アルカリ金属水酸化物を併用して活性させることが
好ましい。これらのイオン性触媒は、各群内および(ま
たは)各群間で併用することができる。前記したよう
に、また前記したところから明らかなように、これらの
イオン性重合触媒のあるものは、イオン性界面活性剤の
範疇に属する。従って、本発明では、使用するイオン性
界面活性剤が触媒活性を有するものである場合は、その
触媒活性を利用して、別途触媒を使用することを減量な
いし省略することができる。界面活性剤と触媒のイオン
性の関係から、アニオン系界面活性剤を使用する場合に
は、触媒はアニオン系を使用し、カチオン系界面活性剤
を使用する場合の触媒はカチオン系を使用するのがふつ
うである。
【0027】イオン性界面活性剤は、その親水性部分が
塩であるものが乳化性が一般に良好であって、この点に
着目して塩の形のイオン性界面活性剤を使用すること
は、その意味で有利であるといえる。そのような塩は重
合活性を示さないことが多いが、このような塩を、エマ
ルジョン形成後、場合により重合中に、少なくとも部分
的に酸ないし塩基の形に変換することによって触媒とし
て使用する遊離の酸または塩基とすることも可能であ
る。
【0028】成分(D)は、成分(A)に対する所期の
重合活性が得られる限り、その使用量は任意である。し
かし、典型的な例についていえば、成分(D)は、成分
(A)+(B)100重量部に対して0.05〜10重
量部が好ましく、0.1〜5重量部が特に好ましい。な
お、この量は触媒としての有効量であって、イオン性界
面活性剤が塩の形、たとえばスルホン酸塩、であるとき
は、触媒、たとえば鉱酸、は、界面活性剤塩に作用して
これを遊離の酸にするのにも消費されるから、その消費
量(化学量論的量)を考慮して触媒使用量を定めるべき
である。
【0029】《成分(E)/水》成分(E)である水
は、成分(A)および(B)を分散・乳化させる媒体で
ある。成分(E)の使用量は、成分(A)+(B)10
0重量部に対して、通常、30〜1,000重量部であ
り、エマルジョン中の成分(A)+(B)の濃度が10
〜70重量%となるような量が好ましい。本発明のエマ
ルジョンは、高濃度のものが良好な安定性を有するの
で、その特徴を生かすことから、成分(E)の使用量
は、エマルジョン中の成分(A)+(B)の濃度が40
〜70重量%となるような量が特に好ましい。
【0030】《成分(F)/補助的成分》本発明による
溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンは、上記
の成分(A)〜(E)を含有するエマルジョンについて
成分(A)の重合を行わせることによって得られるもの
であるが、このエマルジョンは成分(A)〜(E)を必
須成分として含有するものであれば、本発明の趣旨を損
わない限り、各種の補助的成分を溶存ないし分散させて
含有するものであってもよい。なお、そのような補助的
成分は、この項において記載するように、重合前のまた
は重合中のエマルジョンに添加してもよいし、重合後の
エマルジョンに添加してもよい。成分(A)の重合を阻
害しないものである限り、これらの補助的成分は、重合
前または重合中に添加する方が、その分散性が良好とな
るのでふつうである。このような補助的成分について
は、特に、後記の<エマルジョンの改変>の項を参照さ
れたい。なお、この他には、このような補助的成分に
は、本発明の化粧料を調製する際に使用する成分(後述
の化粧料調製成分)も含むことができる。
【0031】<溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマル
ジョンの製造> 《エマルジョンの形成》本発明の化粧料に含まれる溶媒
含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンは、次のよう
にして製造することができる。すなわち、α,ω−ジヒ
ドロキシポリジオルガノシロキサン(成分(A))、溶
媒(成分(B))、イオン性界面活性剤(成分(C))
および使用する場合の重合触媒(成分(D))、ならび
に水(成分(E))を混合する。混合順序は任意である
が、たとえば撹拌槽中で成分(E)に成分(C)を混合
して溶解させ、撹拌しながら、これに成分(A)および
成分(B)を添加する。ついで、ホモジナイザー、コロ
イドミル、ラインミキサー、ソノレーターなどの乳化機
を通す。ホモミキサー、コロイドミルまたはラインミキ
サーなどの乳化機を用いて粗乳化し、さらに加圧ホモジ
ナイザーや超音波ホモジナイザーなどの乳化機を通して
乳化することが好ましい。必要であればさらに水を加え
て均一に乳化分散させる。乳化に成分(C)のイオン性
界面活性剤として塩を使用したときは、酸または塩基
(通常は鉱酸またはアルカリ金属水酸化物)を重合完了
前に添加して界面活性剤塩の少なくとも一部を遊離の酸
(たとえばスルホン酸)または塩基(たとえば第4級ア
ンモニウムヒドロキシド)に変換させて、重合触媒(成
分(D))の少なくとも一部を「現場(in situ)」形
成することもできることは前記したところである。
【0032】《重合》撹拌を継続すると、成分(A)の
分子末端のシラノール基の重縮合反応によって、高分子
量ポリオルガノシロキサンが合成されるのに対し、成分
(B)は、反応に関与せず残り、それらを含有するエマ
ルジョンが形成される。より高い重合度のポリオルガノ
シロキサンが得られるためには、重縮合反応の温度は低
いほど好ましい。一方、過度に冷却するとエマルジョン
の安定性が損なわれるので、これらを総合して、好まし
い縮合条件は、エマルジョン凍結点〜80℃、より好ま
しくはエマルジョン凍結点〜50℃で2〜48時間、で
あるが、必要に応じてさらに長時間をかけても差し支え
ない。なお、成分(B)の溶媒として環状シロキサンを
使用する場合は、環状シロキサンが開環反応をすること
なく、溶媒として良好な特性を発現することから、温度
は、好ましくはエマルジョン凍結点〜50℃、より好ま
しくはエマルジョン凍結点〜30℃、で重合反応を行
う。
【0033】所望の重合度に達したら重合反応を停止す
る。重合反応を停止するには、アニオン系界面活性剤を
使用したエマルジョンでは、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモ
ニウム、酢酸カリウム、トリエタノールアミン、その他
のアミン、アンモニア水等の塩基性物質で中和すればよ
い。カチオン系界面活性剤を使用したエマルジョンで
は、酢酸、ギ酸、リン酸、硫酸、塩酸等の酸性物質で中
和する。
【0034】<エマルジョンの改変>このような製造法
によって得られる溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマ
ルジョンは、必要に応じて各種の改変を施すことができ
る。改変は、重合前および(または)重合中のエマルジ
ョンに対して行うことができるが、重合後の生成エマル
ジョンについて実施することもできる。そのような改変
のいくつかを例示すれば、下記の通りである。
【0035】すなわち、本発明に用いられる成分(C)
のほかに、本発明のポリオルガノシロキサンエマルジョ
ンの安定性を向上させるために、本発明の目的を損わな
い範囲で、ノニオン性の界面活性剤の1種または2種以
上を、最初の乳化の際に、または成分(A)の重縮合反
応の後、その他、任意の段階で配合することができる。
ノニオン性界面活性剤としては、HLBが6〜19、好
ましくは8〜18のもの、または2種以上の相対的HL
Bが6〜19、好ましくは8〜18になる組合せ、が好
ましい。このようなものとしては、ポリオキシアルキレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエ
ーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレングリ
セリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミン、グリセリ
ン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルな
どが例示される。これらは例示であって、本発明で併用
しうるノニオン性界面活性剤は、これらに限定されるも
のではない。
【0036】また、乳化重合する際、必要により、ヘキ
サメチルジシロキサンのような末端停止剤を微量添加し
て、分子鎖末端の一部がトリメチルシリル基のような末
端封鎖基で封鎖したオルガノポリシロキサンを得ること
も可能である。すなわち、乳化重合によって得られる高
分子量ポリオルガノシロキサンの分子末端のシラノール
基を安定なトリオルガノシリル基で封鎖するために、ま
たは該ポリオルガノシロキサンの平均重合度を所望の値
に制御する末端停止剤として、乳化の際に、該トリオル
ガノシリル基を有するシロキサンオリゴマーを微量、す
なわち、α、ω−ジヒドロキシポリジオルガノシロキサ
ン(成分(A))に対して20重量%までの量、添加す
ることができる。トリオルガノシリル基がトリメチルシ
リル基の場合、添加されるシロキサンオリゴマーとして
は、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロ
キサン、デカメチルテトラシロキサンなどが例示され
る。また、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン
のような、ビニル基を有するシロキサンオリゴマーを添
加して、分子末端にトリオルガノシリル基としてビニル
ジメチルシリル基を導入し、ビニル基の反応性を利用し
て、架橋性の高分子量ベースポリマーのエマルジョンと
することもできる。
【0037】さらに、乳化重合する際や乳化重合したエ
マルジョンを用いて対象物を処理する際、γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リメトキシシランまたはメチルトリメトキシシラン等の
アルコキシシラン類を少量添加することも可能である。
その他、このようにして得られたポリオルガノシロキサ
ンエマルジョンを安定化するために、グリセリン、水溶
性アルキレングリコールまたは水溶性ポリアルキレング
リコールなどを添加してもよい。さらに、エマルジョン
を保存するための防腐剤、防カビ剤、金属の腐食を防止
するための防錆剤などを添加してもよい。
【0038】<化粧料>本発明の化粧料は、以上のよう
にして得られた溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマル
ジョンを主剤として含んでなるものであればよく、エマ
ルジョンそれ自体をハンドクリーム等のような化粧料と
して用いる場合も含まれる。また、本発明の化粧料は、
該エマルジョンを、0.1重量%以上、好ましくは0.
3〜50重量%、特に好ましくは0.5〜20重量%、
配合し、必要に応じて本発明の目的を損わない範囲で、
任意の成分(後述する化粧料調製成分)を任意量配合し
たものであることができる。すなわちこの場合、化粧料
調製成分は、0〜99.9重量%、配合される。
【0039】《化粧料調製成分》本発明の溶媒含有ポリ
オルガノシロキサンエマルジョンを配合して化粧料を調
製するのに使用される化粧料調製成分としては、下記の
ものが具体的に例示される。すなわち、該成分として
は、(1)炭化水素類、たとえば、流動パラフィン、ワ
セリン、固形パラフィン、スクワランおよびオレフィン
オリゴマーなど、(2)エステル類、たとえば、パルミ
チン酸イソプロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリス
チン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシ
ル、酢酸ラノリン、および2−エチルヘキサン酸トリグ
リセリドなど、(3)高級アルコール、たとえば、ラウ
リルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコ
ール、ラノリンアルコール、およびミツロウなど、
(4)パルミチン酸、ステアリン酸のような高級脂肪酸
およびそれを中和するジエタノールアミンのようなアミ
ン類など、(5)保湿剤、たとえば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、グリセリン、およびソルビトールなど、(6)無機
粉体、たとえば、酸化チタン、カーボンブラック、酸化
鉄、セリサイト、タルク、カオリン、およびマイカな
ど、(7)有機粉体、たとえば、ナイロン、ポリスチレ
ン、ポリエチレン、およびポリ(メタ)アクリル酸エス
テルなど、(8)溶媒、たとえば、水およびエタノール
など、(9)前述のポリオルガノシロキサンの乳化重合
の際に任意に配合される界面活性剤として例示されたア
ニオン系、カチオン系の界面活性剤、およびベタインの
ような両性界面活性剤、ならびにノニオン系界面活性剤
(10)防腐剤、(11)着色剤、ならびに(12)香
料、などが例示されるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0040】《化粧料の調製》本発明の化粧料に前記の
化粧料調製成分を配合するには、溶媒含有ポリオルガノ
シロキサンエマルジョンおよび他の成分を、単に均一に
混合するか、または該エマルジョン以外の成分をあらか
じめホモジナイザー、コロイドミル、ラインミキサーな
どの乳化機によって乳化し、または撹拌機によって均一
に混合しておき、これに該エマルジョンを添加して分散
させるなど、各種の方法をとることができる。
【0041】また、本発明の化粧料に前記化粧料調製成
分を配合するにあたっては、上記のように、生成した溶
媒含有エマルジョンに化粧料調製成分を加えた上で混合
等させて化粧料とする場合の他に、化粧料調製成分が
「溶媒」としての機能を有するものである場合は、予め
溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンの原料の
成分(B)あるいはその一部として、化粧料調製成分を
用いて、該エマルジョンを製造し、これをそのまま、ま
たは、さらに化粧料調製成分を加えて、本発明の化粧料
とすることもできる。さらに、該化粧料調製成分をエマ
ルジョンの補助的成分(成分(F))として、重合前の
または重合中のエマルジョンに添加して、溶媒含有エマ
ルジョンを生成した上で、これをそのまま、または、さ
らに化粧料調製成分を加えて、本発明の化粧料としても
よい。
【0042】《化粧料》本発明による化粧料は、上記の
ような溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマルジョンを
含有するので、そのエマルジョンの有する性質、すなわ
ち、塗布したときの広がり性や伸びなどに優れ、良好な
保存安定性を有し、かつ皮膚に対する感触が良い、等の
優れた性質、を化粧料とされた場合にも保持することが
できるため、その結果、得られた化粧料は、良好な伸び
や触感、ならびに優れた保存安定性などの優れた性質を
発揮することが可能となっている。以上のようにして得
られる本発明の化粧料としては、髪油、染毛料、スキ
油、セットローション、チック、びん付油、ヘアクリー
ム、ヘアトニック、ヘアリキッド、ヘアスプレー、ポマ
ード、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナ
ー、ヘアローション、枝毛防止剤等のような毛髪化粧
料、ならびに、ハンドクリーム、ハンドローション、ス
キンクリーム、ファウンデーション、アイシャドウ、ア
イライナー、マスカラ、洗顔料、制汗剤等のような皮膚
化粧料などが例示される。化粧料の形態としては、固形
状、ゲル状、液状、ペースト状などが例示される。
【0043】
【発明の効果】本発明による化粧料が、従来技術の問題
点、特に化粧料の保存安定性ならびに化粧料の伸びおよ
び感触についてのもの、を解決したものであることは
[発明の概要]の項において前記したところである。
【0044】
【実施例】以下の実施例および比較例は、本発明をさら
に詳細に説明するものである。実施例中の部および%
は、特に断らない限り、重量部および重量%であり、粘
度は25℃における値である。なお、本発明は、これら
の実施例によって限定されるものではない。
【0045】乳化重合によって得られたエマルジョンに
含まれるポリオルガノシロキサンの粘度は次のようにし
て測定したものである。 (ポリオルガノシロキサンの粘度)エマルジョン10部
にイソプロピルアルコールを20部加えて、十分に撹拌
し、静置して2層に分離させた後、オイル層をGPC測
定に付して、既知の動粘度のジメチルポリシロキサンに
て検量線を引いたグラフより、ポリオルガノシロキサン
の粘度を換算し算出した。
【0046】[実施例1]ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム3部およびドデシル硫酸ナトリウム5部(以
上、成分(C))を、脱イオン水(成分(E))100
部中に均一に分散させた。この分散液に、粘度83cSt
のα,ω−ジヒドロキシ(ジメチルシロキサン)(成分
(A))75部、ヘキサメチルジシロキサン(末端停止
剤)0.2部およびデカメチルシクロペンタシロキサン
(成分(B))25部を添加し、撹拌により予備混合し
た後、加圧ホモジナイザーに圧力1000kgf/cm
2で1回通すことにより、α,ω−ジヒドロキシ(ジメ
チルシロキサン)、ヘキサメチルジシロキサンおよびデ
カメチルシクロペンタシロキサンを含むエマルジョンを
得た。このエマルジョンに、硫酸(成分(D)。成分
(C)を触媒に変換させるものともいえる。)0.2部
を添加し、撹拌しながら25℃にて10時間保持した。
ついで、撹拌を続けながら10%炭酸ナトリウム水溶液
をpHが7になるまで滴下することにより、重合反応を
停止させて、高分子量のポリジメチルシロキサンおよび
デカメチルシクロペンタシロキサンを含むエマルジョン
E−1を製造した。
【0047】[実施例2]テトラデセンスルホン酸ナト
リウム75%とヒドロキシテトラデカンスルホン酸ナト
リウム25%の混合物であるアニオン系界面活性剤8部
を、脱イオン水100部中に均一に分散させた。この分
散液に、粘度155cSt のα,ω−ジヒドロキシ(ジメ
チルシロキサン)30部、イソパラフィン系炭化水素油
(沸点166〜202℃)30部および流動パラフィン
30部を添加し、撹拌により予備混合した後、加圧ホモ
ジナイザーに圧力500kgf/cm2で2回通すこと
により、α,ω−ジヒドロキシ(ジメチルシロキサ
ン)、イソパラフィン系炭化水素油(沸点166〜20
2℃)および流動パラフィンを含むエマルジョンを得
た。このエマルジョンに、リン酸0.5部を添加し、撹
拌しながら1℃にて48時間保持した。ついで、撹拌を
続けながら10%炭酸ナトリウム水溶液をpHが7にな
るまで滴下することにより、重合反応を停止させて、高
分子量のポリジメチルシロキサン、イソパラフィン系炭
化水素油(沸点166〜202℃)と流動パラフィンを
含むエマルジョンを製造した。これに、さらにポリオキ
シエチレン(7)第2級ドデシルエーテル3部を添加し
て混合し、エマルジョンE−2を得た。
【0048】[比較例1]これは、溶媒を使用しない場
合の例である。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
3部およびドデシル硫酸ナトリウム5部を、脱イオン水
100部中に均一に分散させた。この分散液に、粘度8
3cStのα,ω−ジヒドロキシ(ジメチルシロキサン)
100部を添加し、撹拌により予備混合した後、加圧ホ
モジナイザーに圧力1000kgf/cm2で1回通す
ことにより、α,ω−ジヒドロキシ(ジメチルシロキサ
ン)を含むエマルジョンを得た。このエマルジョンに硫
酸0.2部を添加し、撹拌しながら1℃にて24時間保
持した。ついで、撹拌を続けながら10%炭酸ナトリウ
ム水溶液をpHが7になるまで滴下することにより、重
合反応を停止させて、ポリジメチルシロキサンを含むエ
マルジョンE−C1を製造した。
【0049】[エマルジョンの評価]実施例1、実施例
2および比較例1で得られたポリジメチルシロキサンエ
マルジョンE−1、E−2およびE−C1の油相の平均
粒子径を測定した。また、これらのエマルジョンに含ま
れるポリジメチルシロキサンについて、粘度を測定し
た。それらの結果を表1に示す。
【0050】 表1 エマルジョン ポリジメチルシロキサン No 平均粒子径(nm) 粘度(25℃、cSt ) 実施例1 E−1 230 740,000 実施例2 E−2 250 5,730,000 比較例1 E−C1 280 7,300,000
【0051】上記の表1に示した結果から、本発明の化
粧料に使用される溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマ
ルジョンは、ベースポリマーであるポリオルガノシロキ
サンの粘度を任意にコントロールすることが可能である
ことがわかる。
【0052】[化粧料としての評価]上記の各例で得ら
れたエマルジョンE−1、E−2およびE−C1を、下
記に示すような化粧料、すなわちリンスインシャンプ
ー、ボディーシャンプーおよびハンドクリーム、に配合
して、それぞれについての評価を行った。
【0053】<リンスインシャンプー>ポリジメチルシ
ロキサンエマルジョンE−1、E−2およびE−C1を
用いて、リンスインシャンプーを調製した。すなわち、
下記の表2に示すリンスインシャンプー処方に従って、
エマルジョンE−1を5.0%含むリンスインシャンプ
ーを調製し、これを実施例3とした。同様にして、エマ
ルジョンE−2およびE−C1を用いてリンスインシャ
ンプーを調製し、実施例4および比較例2とした。ま
た、これらのエマルジョンを含まない例として、比較例
3のリンスインシャンプーも調製した。
【0054】 表2 (リンスインシャンプー処方) 実施例3 実施例4 比較例2 比較例3 2−アルキル−N−カルボキシ メチル−N−ヒドロキシエチル イミダゾリウムベタイン 35(%) ← ← ← ラウリルジメチル アミノ酢酸ベタイン 15 ← ← ← 塩化ステアリルトリメチル アンモニウム 3.8 ← ← ← ラウリン酸ジエタノールアミド 4.5 ← ← ← 水 残量 ← ← ← E−1 5.0 E−2 5.0E−C1 5.0
【0055】実施例3、4および比較例2、3で調製さ
れた各リンスインシャンプーを、新たに洗浄した湿った
暗褐色の未処理の毛髪の一房に、別々に施して、それぞ
れ洗浄(リンスインシャンプー処理)を行った。これら
処理した毛髪の房を乾燥しながら、それらの湿潤時およ
び乾燥時のくしけずり性を評価した。くしけずり性は、
上記のようにして処理した各毛髪について、テスター産
業(株)製「引張万能試験機」を使用して、毛髪の房を
一端に固定して移動台のくしに通し、くしを移動させた
ときの張力を読み、未処理の毛髪の房と比較することに
よって、測定した。その結果、得られた性質を下記の<
評価尺度>を用いて評価した。評価は、サンプル数を1
0とし、その平均値より算出した。実施例3、4および
比較例2、3で調製された各リンスインシャンプーの性
質の評価値の結果を、表3に示す。
【0056】<評価尺度> 1=きわめて不良、効果なし。 2=不良、ほとんど認めうる効果なし。 3=並の程度、認めうる効果はあるが、許容し得る水準
には達しない。 4=許容し得る、概して典型的なまたは平均的な効果。 5=良好、平均的効果よりも幾分良好。 6=きわめて良好、明瞭に判別し得る効果。 7=優、きわめて明白に判別し得るかつきわめてはっき
り識別し得る効果。
【0057】
【0058】この表に示した結果から、溶媒含有ポリオ
ルガノシロキサンエマルジョンをリンスインシャンプー
に処方した場合は、溶媒を含有しないエマルジョンを処
方した場合よりも、くしけずり性の改善効果が優れてい
ることがわかる。
【0059】<ボディーシャンプー>ポリジメチルシロ
キサンエマルジョンE−1、E−2およびE−C1を用
いて、ボディーシャンプーを調製した。すなわち、下記
の表4に示すボディーシャンプー処方に従って、エマル
ジョンE−1を2.0%含むボディーシャンプーを調製
し、これを実施例5とした。同様にして、エマルジョン
E−2およびE−C1を用いてボディーシャンプーを調
製し、実施例6および比較例4とした。また、これらの
エマルジョンを含まない例として、比較例5のボディー
シャンプーも調製した。
【0060】 表4 (ボディーシャンプー処方) 実施例5 実施例6 比較例4 比較例5 N−ヤシ油脂肪酸アシル−L− グルタミン酸トリエタノールアミン 30.0(%) ← ← ← POE(3)トリデシルエーテル 酢酸ナトリウム 5.0 ← ← ← N−ヤシ油脂肪酸アシル−N− カルボキシメチル−N−ヒドロキシ エチルエチレンジアミンナトリウム 10.0 ← ← ← POE(50)硬化ヒマシ油 0.5 ← ← ← 1,3−ブチレングリコール 5.0 ← ← ← 水 残量 ← ← ← E−1 2.0 E−2 2.0E−C1 2.0
【0061】実施例5、6および比較例4、5で調製さ
れたボディーシャンプーを判定者20名によりテスト
し、使用感(サラッとした感じ)を上述した1〜7段階
の<評価尺度>により評価した。結果を表5に示す。
【0062】
【0063】この表に示した結果から、溶媒含有ポリオ
ルガノシロキサンエマルジョンをボディーシャンプーに
処方した場合は、溶媒を含有しないエマルジョンを処方
した場合よりも、くしけずり性の改善効果が優れている
ことがわかる。
【0064】<ハンドクリーム>ポリジメチルシロキサ
ンエマルジョンE−1、E−2およびE−C1を用い
て、ハンドクリームを調製した。すなわち、下記の表6
に示すハンドクリーム処方に従って、エマルジョンE−
1を5.0%含むハンドクリームを調製し、これを実施
例7とした。同様にして、エマルジョンE−2およびE
−C1を用いてハンドクリームを調製し、実施例8およ
び比較例6とした。また、これらのエマルジョンを含ま
ない例として、比較例7のハンドクリームも調製した。
【0065】 表6 (ハンドクリーム処方) 実施例7 実施例8 比較例6 比較例7 モノミリスチン酸デカグリセリル 1.2 ← ← ← 水素添加大豆リン脂質 0.5 ← ← ← 自己乳化型モノステアリン酸 グリセリル 1.0 ← ← ← ステアリン酸 4.0 ← ← ← セタノール 4.0 ← ← ← パルミチン酸セチル 2.0 ← ← ← スクワラン 4.0 ← ← ← イソステアリン酸ヘキシルデシル 2.0 ← ← ← ミリスチン酸オクチルドデシル 4.0 ← ← ← ジプロピレングリコール 5.0 ← ← ← 防腐剤 適量 ← ← ← 精製水 残量 ← ← ← E−1 5.0 E−2 5.0E−C1 5.0
【0066】実施例7、8および比較例6、7で調製さ
れたハンドクリームを判定者20名によりテストし、使
用感(サラッとした感じ)を上述した1〜7段階の<評
価尺度>により評価した。結果を表7に示す。
【0067】
【0068】この表に示した結果から、溶媒含有ポリオ
ルガノシロキサンエマルジョンをハンドクリームに処方
した場合は、溶媒を含有しないエマルジョンを処方した
場合よりも、くしけずり性の改善効果が優れていること
がわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AB051 AB282 AB312 AC012 AC072 AC122 AC182 AC242 AC352 AC422 AC642 AC662 AC692 AC712 AC792 AD042 AD152 AD161 AD162 AD172 AD572 BB01 CC01 CC05 CC23 CC38 DD31 EE01 EE06 EE07

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の成分(A)〜(E)を含んでなるエ
    マルジョンについて成分(A)の重合を行わせることに
    よって得られる溶媒含有ポリオルガノシロキサンエマル
    ジョン、を含んでなることを特徴とする、化粧料。 (A)一般式 HO[(R12SiO]mH (I) (式中、R1は互いに同一でも異なっていても良い、置
    換または非置換の1価の炭化水素基を表し、mは成分
    (A)の25℃における粘度を10〜3,000cSt に
    する値である)で示される、シラノール基末端ポリジオ
    ルガノシロキサン、 (B)溶媒、 (C)イオン性界面活性剤、 (D)成分(A)に対する重合用触媒 (但し、成分(C)に触媒作用を有するイオン性界面活
    性剤を使用する場合は、成分(D)はその少なくとも一
    部を省略することができる)、および (E)水。
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