JP2011238427A - 非水電解質電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 異常過熱した際の安全性と、内部短絡およびデンドライトによる短絡に対する信頼性に優れ、かつ高温貯蔵時の特性低下を抑制した非水電解質電池を提供する。
【解決手段】 正極、負極、セパレータおよび非水電解質を構成要素とする非水電解質電池であって、前記セパレータは、セルロースおよびセルロース誘導体から選択される少なくとも1種を含む層と、絶縁性の無機物を主体として含む層とを有しており、前記セパレータのガーレー値で表される透気度が100〜500秒であり、バブルポイント法により測定される前記セパレータの最大孔径が0.01〜1μmであり、前記正極は、少なくともMnを含むリチウム含有複合酸化物を有するものであることを特徴とする非水電解質電池により、前記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高温時の安全性および信頼性に優れ、かつ高温貯蔵時の性能低下を抑制できる非水電解質電池に関するものである。
リチウム二次電池に代表される非水電解液を用いた非水電解質電池は、エネルギー密度が高いという特徴から、携帯電話やノート型パーソナルコンピューターなどの携帯機器の電源として広く用いられている。こうした非水電解質電池では、携帯機器の高性能化に伴って高容量化が更に進む傾向にあり、安全性の確保が重要となっている。
現行のリチウム二次電池では、正極と負極との間に介在させるセパレータとして、例えば厚みが15〜30μm程度のポリオレフィン系の多孔性フィルム(微多孔膜)が使用されている。こうしたセパレータには、例えば、多孔化と強度向上のために一軸延伸または二軸延伸したフィルムが用いられている。このようなセパレータは、前記延伸によってフィルムにはひずみが生じており、これが高温に曝されると、残留応力によって収縮が起こるという問題がある。収縮によりセパレータが小さくなると、正極、負極が直接接触して短絡部分が生じ、その部分が大きくなった場合には短絡電流によって電池の内部温度が上昇し電池が危険になる可能性がある。
このようなセパレータの熱収縮による短絡を防止し、電池の安全性および信頼性を高める技術として、例えば、ベースとなる樹脂製の多孔質膜(微多孔膜など)の表面に耐熱性の高い層を形成した多層構造のセパレータが提案されている(例えば、特許文献1)。このようなセパレータを用いることで、例えば、異常過熱した際にも熱暴走が生じ難く、信頼性に優れた電池を構成することができる。
国際公開第2009/096451号
ところで、従来から一般的に用いられているリチウム二次電池は、LiCoOに代表される層状構造のリチウムコバルト複合酸化物を正極活物質に用い、グラファイト、非晶質黒鉛などの炭素材料を負極活物質に用い、LiPFなどのリチウム塩をエチレンカーボネート、ジエチルカーボネートなどの炭酸エステル類に溶解した非水電解液を電解液に用いた構成が一般的である。ところが、近年、熱安定性を高めて安全性を確保したり、より高い電位で作動させてエネルギー密度を高めたりするために、LiMnに代表されるスピネル型リチウムマンガン複合酸化物や、LiMnNiCoで代表される層状化合物などが正極活物質として用いられるようになってきた。
しかしながら、これらMnを含有する複合酸化物を正極に用いた場合、特に高温状態で正極からMnイオンが溶出し、これによりセパレータの負極表面近傍で目詰まりが発生して、電池特性が大幅に低下する虞がある。電池の高温貯蔵時における正極活物質から溶出するMnイオンによるセパレータの目詰まりに起因する特性低下は、特許文献1に記載されているような耐熱性の高いセパレータを用いた電池においても発生し得る。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、異常過熱した際の安全性と、内部短絡およびデンドライトによる短絡に対する信頼性に優れ、かつ高温貯蔵時の特性低下を抑制した非水電解質電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水電解質電池は、正極、負極、セパレータおよび非水電解質を構成要素としており、前記セパレータは、セルロースおよびセルロース誘導体から選択される少なくとも1種を含む層と、絶縁性の無機物を主体として含む層とを有しており、前記セパレータのガーレー値で表される透気度が100〜500秒であり、バブルポイント法により測定される前記セパレータの最大孔径が0.01〜1μmであり、前記正極は、少なくともMnを含むリチウム含有複合酸化物を有するものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、異常過熱した際の安全性と、内部短絡およびデンドライトによる短絡に対する信頼性に優れ、かつ高温貯蔵時の特性低下を抑制した非水電解質電池を提供することができる。
本発明の非水電解質電池に係る正極は、例えば、集電体の片面に、正極活物質、バインダおよび導電助剤などを含有する正極合剤からなる正極合剤層を有する構造のものが挙げられる。
本発明の電池に係る正極は、少なくともMnを含むリチウム含有複合酸化物を正極活物質としており、これにより電池の高容量化を図ることができる。
少なくともMnを含むリチウム含有複合酸化物の具体例としては、例えば、下記一般式(1)で表されるスピネル型リチウムマンガン複合酸化物や、下記一般式(2)で表される層状化合物などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
LiM Mn2−x (1)
[前記一般式(1)中、Mは、Li、B、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Al、Sn、Sb、In、Nb、Mo、W、Y、RuおよびRhよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.01≦x≦0.6である。]
LiMn(1−b−c)Ni 2−d (2)
[前記一般式(2)中、Mは、Co、Mg、Al、B、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Zr、Mo、Sn、SrおよびWよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.8≦a≦1.2、0<b<0.5、0≦c≦0.5、d+e<1、−0.1≦d≦0.2、0≦e≦0.1である。]
また、正極活物質には、LiCo1−f (Mは、Al、Mg、Ti、Zr、Fe、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Nb、Mo、Sn、SbおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0≦f≦0.5)で表されるリチウムコバルト複合酸化物、LiNi1−g (Mは、Al、Mg、Ti、Zr、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、Nb、Mo、Sn、SbおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、0≦g≦0.5)で表されるリチウムニッケル複合酸化物、LiM 1−hPO(Mは、Fe、MnおよびCoから選ばれる少なくとも1種の元素で、Nは、Al、Mg、Ti、Zr、Fe、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Nb、Mo、Sn、SbおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素であり、0≦h≦0.5)で表されるオリビン型複合酸化物などを、前記スピネル型リチウムマンガン複合酸化物や前記層状化合物と併用することもできる。
ただし、本発明の電池に係る正極においては、少なくともMnを含むリチウム含有複合酸化物の使用による効果をより良好に確保する観点からは、正極活物質全量中における、少なくともMnを含むリチウム含有複合酸化物(好ましくは前記スピネル型リチウムマンガン複合酸化物および/または前記層状化合物)の割合を、20質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上とすることがより好ましく、100質量%としてもよい。
正極のバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などフッ素樹脂などが、また、正極の導電助剤としては、例えば、カーボンブラックなどの炭素材料などが使用される。
また、正極の集電体としては、アルミニウムなどの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
正極側のリード部は、通常、正極作製時に、集電体の一部に正極合剤層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、リード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体にアルミニウム製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
正極における正極合剤層の組成としては、例えば、正極活物質の量が80〜99質量%であることが好ましく、バインダの量が0.5〜10質量%であることが好ましく、導電助剤の量が0.5〜10質量%であることが好ましい。また、正極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり、20〜100μmであることが好ましい。
本発明の非水電解質電池に係るセパレータは、セルロースおよびセルロース誘導体から選択される少なくとも1種を含む層[以下、「セパレータ層(I)」という]と、絶縁性の無機物を主体として含む層[以下、「セパレータ層(II)」という]とを有している。
セパレータ層(I)は、主に正極と負極とを隔離するセパレータ本来の機能を有するものである。また、セパレータ層(I)の含有するセルロースやセルロース誘導体は、正極活物質として使用されるMnを含むLi含有複合酸化物から溶出するMnイオンをトラップする作用を有している。そのため、本発明の電池では、正極活物質から溶出したMnイオンによる負極近傍でのセパレータの目詰まりを抑制し得ることから、高温貯蔵時の特性低下を抑えることができる。
セパレータ層(I)に係るセルロースには、天然のセルロース、レーヨンなどの合成セルロースのいずれを用いてもよい。また、セパレータ層(I)には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロース誘導体を用いることもできる。これらのセルロースやセルロース誘導体は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、セルロースやセルロース誘導体の形態は、繊維状、粒状などのいずれの形状でもよい。
セパレータ層(I)は多孔質構造をとる必要があるが、このような多孔質構造とするには、セルロースやセルロース誘導体を含む不織布や織布などの構造;樹脂製の微多孔膜中にセルロースやセルロース誘導体を分散させた構造;有機微粒子や無機微粒子を含む多孔質膜中にセルロースやセルロース誘導体を分散させた構造;などとすることができる。
セルロース繊維やセルロース誘導体を含む不織布や織布としては、例えば、セルロース繊維やセルロース誘導体の繊維からなる不織布や織布が挙げられる。
セルロース繊維やセルロース誘導体の繊維からなる不織布は、従来から知られている湿式法、すなわち、繊維を水などの媒体に分散させ、バインダーなどと共に抄造する方法;繊維をカードまたはエアランダム機で薄いシートにし、必要に応じてこれらを何枚か重ね、接着剤で結着するサーマルボンド法;刺のある針で刺し絡めて作製するニードルパンチ法;セルロースやセルロース誘導体を各種溶媒に溶解した溶液を、針先から電場中に吐出してマイクロファイバーを作製するエレクトロスピンデポジション法;などの方法により作製することができる。
また、セルロース繊維やセルロース誘導体の繊維を織機などで織ることにより、セルロース繊維やセルロースの誘導体からなる織布を得ることができる。
更に、セルロース繊維やセルロース誘導体の繊維を含む不織布や織布は、セルロース繊維やセルロース誘導体の繊維以外に他の繊維を混合して作製してもよい。より具体的は、前記の湿式法や乾式法によって不織布を作製する際に、セルロース繊維やセルロース誘導体の繊維と他の繊維とを混合して用いる方法;セルロース繊維やセルロース誘導体の繊維と、他の繊維との混紡糸を用いて、前記方法により織布を得る方法;などによって、セルロース繊維やセルロース誘導体の繊維と他の繊維とを含む不織布や織布を得ることができる。
また、セルロース繊維やセルロース誘導体の繊維以外の他の繊維からなる不織布(前記の湿式法や乾式法などで作製した不織布)の表面に、エレクトロスピンデポジション法などによってセルロース繊維やセルロース誘導体の繊維を積層して、セルロース繊維やセルロース誘導体の繊維を含む不織布としてもよい。
更に、湿式法で、セルロース繊維やセルロース誘導体の繊維を含む分散体を漉き取ったフリースと、セルロース繊維やセルロース誘導体の繊維以外の他の繊維を含む分散体を漉き取ったフリースとを重ね合わせて乾燥して、セルロース繊維やセルロース誘導体の繊維からなる層と、他の繊維からなる層とを積層した構造の不織布を、セルロース繊維やセルロース誘導体の繊維を含む不織布としてもよい。
セパレータ層(I)に用い得るセルロース繊維やセルロース誘導体の繊維以外の他の繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル;ポリアクリロニトリル(PAN)およびその誘導体;ポリビニルアルコール(PVA)およびその誘導体;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリイミド;ポリアミドイミド;アラミド;などのように、非水電解質電池の有する非水電解質に溶解せず、非水電解質電池内で電気化学的な材料で構成された繊維であれば特に制限はない。
セルロースやセルロース誘導体を分散させた樹脂製の微多孔膜は、例えば、後述する樹脂製の微多孔膜を作製する際に、セルロースやセルロース誘導体からなる繊維、微粒子などを混合することで作製することができる。
セルロースやセルロース誘導体を分散させた有機微粒子や無機微粒子を含む多孔質膜は、例えば、有機微粒子や無機微粒子と、水や有機溶媒などの分散媒体と、バインダなどとを含むスラリー中に、セルロースやセルロース誘導体の繊維、微粒子などを均一に混合し、これをPETや金属などの適当な基材表面に塗布し、乾燥した後に剥離することによって作製することができる。この場合、分散媒体には溶解せず、他の溶剤や水(分散媒体に水を使用しない場合)などに溶解する微粒子をスラリーに混合しておき、これを基材表面に塗布し、乾燥した後に、前記微粒子を溶解して多孔質膜を作製してもよく、これにより多孔質膜の多孔質化がより容易となる。
セパレータ層(I)におけるセルロースおよびセルロース誘導体の量は、その使用による前記の効果を良好に確保する観点から、セパレータ層(I)の構成成分の全体積中、30体積%以上であることが好ましく、50体積%以上であることがより好ましく、100体積%であってもよい。
セパレータ層(I)の厚み[セパレータがセパレータ層(I)を複数有する場合は、その合計厚み。以下同じ。]は、セルロースまたはセルロース誘導体による前記の効果を良好に確保する観点から、3μm以上であることが好ましい。ただし、セパレータ層(I)が厚すぎると、電池のエネルギー密度が低下したり内部抵抗が上昇したりする虞がある。よって、セパレータ層(I)の厚みは、20μm以下であることが好ましい。
セパレータの有するセパレータ層(II)は、絶縁性の無機物を主体として含む層であり、この層によって、例えば、セパレータの耐熱性を高め、電池内が高温となった際のセパレータ全体の収縮を抑制することができ、また、熱収縮し難いセパレータ層(II)自体が存在することで、正極と負極との接触による短絡を抑制することができるため、高温下における電池の安全性を高めることが可能となる。
また、例えば、セパレータ層(I)が、セルロースやセルロース誘導体を含む不織布や織布の場合などでは、セパレータ層(I)の孔径が不均一で、かつ最大孔径が比較的大きくなるため、欠点となる部分が生じやすく、これが電池の内部短絡や、デンドライトに起因する短絡に対する耐性低下の要因となることがある。しかし、本発明の電池に係るセパレータの有するセパレータ層(II)は、絶縁性の無機物を主体として含む層であることから、比較的緻密な多孔質構造とすることができる。そのため、本発明の電池に係るセパレータでは、セパレータ層(I)を前記の不織布や織布で構成しても、ガーレー値や最大孔径を後述する範囲に調整することが可能であり、内部短絡やデンドライトに起因する短絡の発生を抑制して、電池の信頼性を高めることができる。
セパレータ層(II)は、セパレータ層(I)と同様に多孔質構造である。無機物を主体として含み、かつ多孔質構造とする方法としては、無機微粒子を後述するバインダなどで互いに結着した構造とする方法;樹脂微粒子などから形成したテンプレートに無機物を含むスラリー、または無機物の前駆体を流し込み、焼結してテンプレートの部分を空孔としたセラミックスを形成した多孔質体を形成する方法;などが挙げられる。
なお、セパレータをより安価に形成するためには、セパレータ層(II)を、無機微粒子をバインダなどで結着した構造とすることが望ましい。
無機微粒子の構成材料の具体例としては、電気化学的に安定で、かつ電気絶縁性であればいずれでもよいが、例えば、酸化鉄(Fe;FeO,Feなど)、SiO、Al、TiO、BaTiO、ZrOなどの無機酸化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの無機窒化物;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの難溶性のイオン結晶;シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶;モンモリロナイトなどの粘土;などが挙げられる。ここで、前記無機酸化物は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来物質またはこれらの人造物などであってもよい。また、金属、SnO、スズ−インジウム酸化物(ITO)などの導電性酸化物、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素質材料などで例示される導電性材料の表面を、電気絶縁性を有する材料(例えば、前記の無機酸化物など)で被覆することにより電気絶縁性を持たせた粒子であってもよい。前記の無機微粒子は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記の無機酸化物の中でも、Al、SiOおよびベーマイトが特に好ましく用いられる。
無機微粒子の形状としては、例えば、球状に近い形状であってもよく、板状であってもよいが、短絡防止の点からは、板状の粒子であることが好ましい。板状粒子の代表的なものとしては、板状のAlや板状のベーマイトなどが挙げられ、これらを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
板状粒子の形態としては、アスペクト比が、5以上、より好ましくは10以上であって、100以下、より好ましくは50以下であることが望ましい。また、粒子の平板面の長軸方向長さと短軸方向長さの比(長軸方向長さ/短軸方向長さ)の平均値は、3以下、より好ましくは2以下で、1に近い値であることが望ましい。
なお、板状粒子における前記の平板面の長軸方向長さと短軸方向長さの比の平均値は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した画像を画像解析することにより求めることができる。更に板状粒子における前記のアスペクト比も、SEMにより撮影した画像を、画像解析することにより求めることができる。
セパレータ中での板状粒子の存在形態は、平板面がセパレータの面に対して略平行であることが好ましく、より具体的には、セパレータの表面近傍における板状粒子について、その平板面とセパレータ面との平均角度が30°以下であることが好ましい[最も好ましくは、当該平均角度が0°、すなわち、セパレータの表面近傍における板状の平板面が、セパレータの面に対して平行である]。ここでいう「表面近傍」とは、セパレータの表面から全体厚みに対しておよそ10%の範囲を指す。板状粒子の存在形態が前記のような場合には、電極表面に析出するリチウムデンドライトや電極表面の活物質の突起により内部短絡が生じるのをより効果的に防ぐことができる。
また、無機微粒子の形状としては、前記板状粒子以外にも、球状、略球状、粒状、またはこれらを一次粒子として連なった2次粒子形状の房状粒子などを用いることができる。セパレータ層(II)の空孔率を大きくし、イオン伝導性を向上して、電池の出力をより高めるためには、前記の房状粒子を用いることが好ましい。
無機微粒子の粒径(2次粒子形状の房状粒子を除く)は、平均粒径で、例えば、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、また、15μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。なお、本明細書でいう微粒子[前記無機微粒子、後記の樹脂(A)、後記の樹脂(B)]の平均粒径は、例えば、レーザー散乱粒度分布計(例えば、HORIBA社製「LA−920」)を用い、無機微粒子の場合には、これらを溶解しない媒体に、樹脂(A)や樹脂(B)の場合には、これらの樹脂を膨潤させない媒体(例えば水)に、これら微粒子を分散させて測定した数平均粒子径として規定することができる。
また、無機微粒子が前記の2次粒子形状の房状粒子の場合、前記と同様にして測定される平均粒径で、0.1μm以上であることが好ましく、0.2μm以上であることがより好ましく、また、15μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、また、房状粒子を構成する1次粒子の平均粒径は、2次粒子などと同様にして測定される平均粒径で、0.001〜1μmであることが好ましい。
セパレータ層(II)において、絶縁性の無機物は、その主体として含まれるため、セパレータ層(II)におけるその量は、セパレータ層(II)の構成成分の全体積中、50体積%以上であり、内部短絡防止の効果をより向上させるためには、セパレータ層(II)の構成成分の全体積中、70体積%以上とすることが好ましく、90体積%以上とすることがより好ましい。また、セパレータ層(II)における絶縁性の無機物の量は、セパレータ層(II)の構成成分の全体積中、99質量%以下であることが好ましい。
なお、セパレータ層(II)には、後記のバインダや樹脂(B)、樹脂(A)、その他の添加粒子などを含有させることもできるが、前記の通り、正負極の直接接触による短絡や、異物が混入した際の内部短絡、デンドライト形成による内部短絡を防止する機能を確保するためには、絶縁性の無機物の含有量は、前記の範囲内であることが望ましい。
セパレータ層(II)には、セパレータ層(II)の構成成分[絶縁性の無機物(無機微粒子など)や、後述する樹脂(A)、樹脂(B)など]同士を結着したり、セパレータ層(I)とセパレータ層(II)とを結着したり、セパレータの形状安定性を確保したりする目的で、バインダを含有させることが好ましい。バインダとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、CMC、HEC、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられるが、特に、150℃以上の耐熱温度を有する耐熱性のバインダが好ましく用いられる。バインダは、前記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記例示のバインダの中でも、EVA、エチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、SBRなどの柔軟性の高いバインダが好ましい。このような柔軟性の高いバインダの具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の「エバフレックスシリーズ(EVA)」、日本ユニカー社のEVA、三井デュポンポリケミカル社の「エバフレックス−EEAシリーズ(エチレン−アクリル酸共重合体)」、日本ユニカー社のEEA、ダイキン工業社の「ダイエルラテックスシリーズ(フッ素ゴム)」、JSR社の「TRD−2001(SBR)」、日本ゼオン社の「BM−400B(SBR)」などがある。
なお、前記のバインダを使用する場合には、後記するセパレータ層(II)形成用の組成物の溶媒に溶解させるか、または分散させたエマルジョンの形態で用いればよい。
セパレータ層(II)の厚み[セパレータがセパレータ層(II)を複数有する場合には、その合計厚み。]は、前記したセパレータ層(I)と同じ理由から、3μm以上20μm以下であることが望ましい。
また、本発明の電池に係るセパレータには、電池内部の温度が上昇した際に、セパレータの孔を塞いでリチウムイオンの伝導を阻害し、電池の安全性を確保するための機能、いわゆるシャットダウン機能を付与することもできる。
セパレータへのシャットダウン機能の付与は、例えば、シャットダウン機能が発現する温度付近に融点をもつ熱可塑性樹脂[以下、「樹脂(A)」という]をセパレータに含有させることで実現することができる。
樹脂(A)としては、電気絶縁性を有しており、非水電解質電池の有する電解液に対して安定であり、更に、電池の作動電圧範囲において酸化還元されにくい電気化学的に安定な材料が好ましい。具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)共重合ポリオレフィン、またはポリオレフィン誘導体(塩素化ポリエチレンなど)、ポリオレフィンワックス、石油ワックス、カルナバワックスなどが挙げられる。前記共重合ポリオレフィンとしては、エチレン−ビニルモノマー共重合体、より具体的には、エチレン−プロピレン共重合体、EVA、エチレン−メチルアクリレート共重合体やエチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体が例示できる。前記共重合ポリオレフィンにおけるエチレン由来の構造単位は、85モル%以上であることが望ましい。また、ポリシクロオレフィンなどを用いることもできる。樹脂(A)には、前記例示の樹脂を1種単独で用いてもよく、2種以上を用いても構わない。
樹脂(A)としては、前記例示の材料の中でも、PE、ポリオレフィンワックス、PP、またはエチレン由来の構造単位が85モル%以上のEVAが好適に用いられる。また、樹脂(A)は、必要に応じて、樹脂に添加される公知の各種添加剤(例えば、酸化防止剤など)を含有していても構わない。
樹脂(A)の融点は、80〜150℃であることが望ましい。樹脂(A)の融点を前記の温度範囲に設定することで、所望の温度でシャットダウン機能を発現させることができ、電池内部温度が上昇した時の安全性を確保することが容易となる。
樹脂(A)の融点は、例えば、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度により求めることができる。
樹脂(A)のセパレータ中での存在状態としては、セルロースおよびセルロース誘導体から選択される少なくとも1種を含むセパレータ層(I)に含有させてもよく、絶縁性の無機物を主体として含むセパレータ層(II)に含有させてもよい。また、セパレータ層(I)およびセパレータ層(II)とは別に、樹脂(A)を含有する多孔質層[以下、「セパレータ層(III)」という]を設け、これらによってセパレータを構成してもよい。樹脂(A)を含有する多孔質層を別途設ける場合は、セパレータ層(I)とセパレータ層(II)とを有するセパレータと一体化した構成としてもよく、また、それぞれ独立した構成としてもよい。セパレータ層(III)を設ける場合、その厚みは、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、また、20μm以下であることが好ましく、16μm以下であることがより好ましい。
樹脂(A)をセパレータ層(I)に含有させるには、前記方法によってセパレータ層(I)を作製する際に、樹脂(A)からなる微粒子をセルロースやセルロース誘導体に混合する方法;セパレータ層(I)に樹脂(A)からなる微粒子の分散液を含浸させて、樹脂(A)からなる微粒子をセパレータ層(I)の内部に含ませる方法;セパレータ層(I)に含まれる繊維(セルロース繊維、セルロース誘導体の繊維、その他の繊維)を芯材として、その表面に樹脂(A)を付着させたり、その表面を樹脂(A)で被覆させたりする方法;などが採用できる。
また、セパレータ層(II)に樹脂(A)を含有させるには、後述するセパレータ層(II)形成用組成物中に、樹脂(A)の微粒子を含有させ、これを用いてセパレータ層(II)を形成する方法が採用できる。なお、セパレータ層(II)における絶縁性の無機物(無機微粒子)などをコアとし、樹脂(A)をシェルとするコアシェル構造の形態で、樹脂(A)をセパレータ層(II)に含有させてもよい。
更に、樹脂(A)を含有するセパレータ層(III)を作製する方法としては、樹脂(A)からなる微粒子の分散液を、セパレータ層(I)およびセパレータ層(II)を有するセパレータ[セパレータ層(I)およびセパレータ層(II)を有する積層体]の表面に塗布し、乾燥することによりセパレータ層(III)を形成する方法;樹脂(A)の溶融物をセパレータ層(I)およびセパレータ層(II)を有するセパレータ[セパレータ層(I)およびセパレータ層(II)を有する積層体]の表面に、スプレー法、エレクトロスピニング法などによって吹き付ける方法;樹脂(A)からなる微粒子の分散液をPETなどの基材上に塗布して乾燥した後、基材から剥離してセパレータ層(III)を形成する方法;樹脂(A)の溶融物をPETなどの基材上に、スプレー法、エレクトロスピニング法などによって吹き付けた後、基材から剥離する方法などが挙げられる。
なお、微粒子状の樹脂(A)の場合には、乾燥時におけるその粒径が、微粒子状の樹脂(A)を含有する層[セパレータ層(I)またはセパレータ層(II)]の厚みより小さければよいが、微粒子状の樹脂(A)を含有する層の厚みの1/100〜1/3の平均粒径を有することが好ましい。具体的には、樹脂(A)の平均粒径は0.1〜20μmであることが好ましい。樹脂(A)の粒径が小さすぎる場合は、粒子同士の隙間が小さくなり、イオンの伝導パスが長くなって電池特性が低下することがある。また、粒径が大きすぎると、セパレータ層(I)やセパレータ層(II)の厚みが大きくなり、電池のエネルギー密度の低下を招くために好ましくない。
また、樹脂(A)を含有する樹脂多孔質膜を、セパレータの作製に使用することもできる。このような樹脂多孔質膜としては、例えば、従来から知られているリチウム二次電池などの非水電解質電池で使用されているポリオレフィン(PE、エチレン−プロピレン共重合体などの共重合ポリオレフィンなど)製の微多孔膜、すなわち、無機フィラーなどを混合した樹脂(A)を用いて形成したフィルムやシートに、一軸または二軸延伸を施して微細な空孔を形成したものなどを用いることができる。また、樹脂(A)と他の樹脂とを混合してフィルムやシートとし、その後、前記他の樹脂のみを溶解する溶媒中に、これらフィルムやシートを浸漬して、前記他の樹脂のみを溶解させて空孔を形成したものや、樹脂(A)からなるシートを一軸または二軸延伸を施して微細な空孔を形成したものなどを、セパレータ層(III)として用いることもできる。
また、セパレータ層(III)を構成する樹脂多孔質膜は、例えば、PEとPPとの積層体のような積層構造(積層構造の微多孔膜など)とすることもできる。積層体のより具体的な構成としては、PE層とPP層との2層構造体;PP層、PE層、PP層を前記に順に積層した3層構造体;PE層、PP層、PE層を前記の順に積層した3層構造体などが挙げられる。積層体の積層数には特に制限はないが、その厚みが、後記の好適厚みの範囲内となるようにすることが好ましい。
なお、セパレータ層(III)にはバインダを含有させることもできる。このようなバインダとしては、セパレータ層(II)用のものとして先に例示した各種バインダと同じものが使用できる。セパレータ層(III)にバインダを含有させる場合には、前記の後記するセパレータ層(III)形成用の組成物[樹脂(A)を含有する分散体]の溶媒に溶解させるか、または分散させたエマルジョンの形態で用いればよい。
前記のいずれの態様においても、セパレータ層(III)は多孔質構造とすることが望ましく、平均孔径は、0.001〜3μmであることが好ましい。また、セパレータ層(III)の厚みは、1〜20μmであることが好ましい。
セパレータにおける樹脂(A)の含有量は、シャットダウンの効果をより得やすくするために、例えば、下記のようであることが好ましい。セパレータの全構成成分中における樹脂(A)の体積は、10体積%以上であることが好ましく、20体積%以上であることがより好ましい。また、樹脂(A)の体積が、セパレータ層(III)の全構成成分中、50体積%以上であることが好ましく、70体積%以上であることがより好ましく、80体積%以上であることがより好ましい。
一方、セパレータの高温時における形状安定性確保の点から、セパレータの全構成成分中における樹脂(A)の体積は、80体積%以下であることが好ましく、40体積%以下であることがより好ましい。
また、本発明の電池に係るセパレータには、加熱によって液状の非水電解質(以下、「電解液」と省略する場合がある)を吸収して膨潤し且つ温度上昇と共に膨潤度が増大する樹脂(B)を含有させてもよい。
樹脂(B)としては、通常、電池が使用される温度領域(およそ70℃以下)では、電解液を吸収しないかまたは吸収量が限られており、従って膨潤の度合いが一定以下であるが、必要となる温度(Tc)まで加熱されたときには、電解液を吸収して大きく膨潤し且つ温度上昇と共に膨潤度が増大するような性質を有する樹脂が用いられる。樹脂(B)を含有するセパレータを用いた非水電解質電池では、Tcより低温側においては、樹脂(B)に吸収されない流動可能な電解液がセパレータの空孔内に存在するため、セパレータ内部のLi(リチウム)イオンの伝導性が高くなり、良好な負荷特性を有する非水電解質電池となるが、温度上昇に伴って膨潤度が増大する性質(以下、「熱膨潤性」という場合がある)が現れる温度以上に加熱された場合には、樹脂(B)は電池内の電解液を吸収して大きく膨潤し、膨潤した樹脂(B)がセパレータの空孔を塞ぐと共に、流動可能な電解液が減少して非水電解質電池が液枯れ状態となることにより、電解液と活物質との反応性を抑制し非水電解質電池の安全性が確保される。しかも、Tcを超える高温となった場合、熱膨潤性により前記液枯れが更に進行し、電池の反応が更に抑制されることになるため、高温での安全性をより高めることもできる。
樹脂(B)が熱膨潤性を示し始める温度は、75℃以上であることが好ましい。樹脂(B)が熱膨潤性を示し始める温度を75℃以上とすることにより、Liイオンの伝導性が著しく減少して電池の内部抵抗が上昇する温度(Tc)を、およそ80℃以上に設定することができるからである。一方、熱膨潤性を示す温度の下限が高くなるほど、セパレータのTcが高くなるので、Tcをおよそ130℃以下に設定するために、樹脂(B)の熱膨潤性を示し始める温度は、125℃以下とすることが好ましく、115℃以下とすることがより好ましい。熱膨潤性を示す温度が高すぎると、電池内の活物質の熱暴走反応を十分に抑制できず、非水電解質電池の安全性向上効果が十分に確保できないことがあり、また、熱膨潤性を示す温度が低すぎると、通常の非水電解質電池の使用温度域(およそ70℃以下)におけるLiイオンの伝導性が低くなりすぎることがある。
また、熱膨潤性を示す温度より低い温度では、樹脂(B)は電解液をできるだけ吸収せず、膨潤が少ない方が望ましい。これは、非水電解質電池の使用温度領域、例えば室温では、電解液は、樹脂(B)に取り込まれるよりもセパレータの空孔内に流動可能な状態で保持される方が、非水電解質電池の負荷特性などの特性が良好になるからである。
常温(25℃)において樹脂(B)が吸収する電解液量は、樹脂(B)の体積変化を表す下記式(3)で定義される膨潤度Bにより評価することができる。
= (V/V)−1 (3)
[前記式中、Vは、電解液中に25℃で24時間浸漬後の樹脂(B)の体積(cm)、Vは、電解液に浸漬する前の樹脂(B)の体積(cm)をそれぞれ表す。]
本発明の電池に係るセパレータに樹脂(B)を使用する場合では、常温(25℃)における樹脂(B)の膨潤度Bは、1以下であることが好ましく、電解液の吸収による膨潤が小さいこと、すなわち、Bはできるだけ0に近い小さな値となることが望まれる。また、熱膨潤性を示す温度より低温側では、膨潤度の温度変化ができるだけ小さくなるものが望ましい。例えば樹脂(B)をバインダで結着させたセパレータ層(III)では、バインダと共に存在する状態で樹脂(B)の膨潤度が小さな値となればよい。
その一方で、樹脂(B)としては、熱膨潤性を示す温度の下限以上に加熱された時は、電解液の吸収量が大きくなり、熱膨潤性を示す温度範囲において、温度と共に膨潤度が増大するものが用いられる。例えば、120℃において測定される、下記式(4)で定義される膨潤度Bが、1以上であるものが好ましく用いられる。
= (V/V)−1 (4)
[前記式中、Vは、電解液中に25℃で24時間浸漬後の樹脂(B)の体積(cm)、Vは、電解液中に25℃で24時間浸漬後、電解液を120℃に昇温させ、120℃で1時間経過後における樹脂(B)の体積(cm)をそれぞれ表す。]
一方、前記式(4)で定義される樹脂(B)の膨潤度は、大きくなりすぎると非水電解質電池の変形を発生させることもあるため、10以下であることが望ましい。
前記式(4)で定義される膨潤度は、樹脂(B)の大きさの変化を、光散乱法やCCDカメラなどにより撮影された画像の画像解析といった方法を用いて、直接測定することにより見積もることができるが、例えば以下の方法を用いてより正確に測定することができる。
前記式(3)および式(4)と同様に定義される、25℃および120℃における膨潤度が既知のバインダ樹脂を用い、その溶液またはエマルジョンに、樹脂(B)を混合してスラリーを調製し、これをPETシートやガラス板などの基材上に塗布してフィルムを作製し、その質量を測定する。次に、このフィルムを、25℃の電解液中に24時間浸漬して質量を測定し、更に、電解液を120℃に加熱昇温させ、120℃で1時間保持後における質量を測定し、下記式(5)〜(11)によって膨潤度Bを算出する。なお、下記(5)〜(11)式では、25℃から120℃までの昇温した際の、電解液以外の成分の体積増加は無視できるものとする。
= M×W/P (5)
= (M−M)/P (6)
= M/P−M/P (7)
= M×(1−W)/P (8)
= V+V−V×(B+1) (9)
= V×(B+1) (10)
= {V+V−V×(B+1)}/V−1 (11)
ここで、前記式(3)〜(9)中、
:電解液に浸漬する前の樹脂(B)の体積(cm)、
:電解液中に25℃で24時間浸漬後の樹脂(B)の体積(cm)、
:電解液中に常温で24時間浸漬後に、フィルムに吸収された電解液の体積(cm)、
:電解液中に常温に24時間浸漬した時点から、電解液を120℃まで昇温させ、更に120℃で1時間経過するまでの間に、フィルムに吸収された電解液の体積(cm)、
:電解液に浸漬する前のバインダ樹脂の体積(cm)、
:電解液中に常温で24時間浸漬後のバインダ樹脂の体積(cm)、
:電解液に浸漬する前のフィルムの質量(g)、
:電解液中に常温で24時間浸漬後のフィルムの質量(g)、
:電解液中に常温で24時間浸漬した後、電解液を120℃まで昇温させ、更に120℃で1時間経過した後におけるフィルムの質量(g)、
W:電解液に浸漬する前のフィルム中の樹脂(B)の質量比率、
:電解液に浸漬する前の樹脂(B)の比重(g/cm)、
:常温における電解液の比重(g/cm)、
:所定温度での電解液の比重(g/cm)、
:電解液に浸漬する前のバインダ樹脂の比重(g/cm)、
:電解液中に常温で24時間浸漬後のバインダ樹脂の膨潤度、
:前記(4)式で定義される昇温時のバインダ樹脂の膨潤度
である。
また、前記の方法により前記(5)式および前記(9)式から求められるVおよびVから、前記(3)式を用いて常温での膨潤度Bを求めることができる。
なお、本発明の非水電解質電池は、従来から知られている非水電解質電池と同様に、例えば、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液が非水電解質として使用される(リチウム塩や有機溶媒の種類、リチウム塩濃度などの詳細は後述する)。よって、樹脂(B)としては、リチウム塩の有機溶媒溶液中で、75〜125℃のいずれかの温度に達した時に前記の熱膨潤性を示し始め、好ましくは該溶液中において膨潤度BおよびBが前記の値を満足するように膨潤し得るものが推奨される。
樹脂(B)としては、耐熱性および電気絶縁性を有しており、電解液に対して安定であり、更に、電池の作動電圧範囲において酸化還元されにくい電気化学的に安定な材料が好ましく、そのような材料としては、例えば、樹脂架橋体が挙げられる。より具体的には、スチレン樹脂〔ポリスチレン(PS)など〕、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル樹脂〔ポリメチルメタクリレート(PMMA)など〕、ポリアルキレンオキシド〔ポリエチレンオキシド(PEO)など〕、フッ素樹脂〔ポリフッ化ビニリデン(PVDF)など〕およびこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂の架橋体;尿素樹脂;ポリウレタン;などが例示できる。樹脂(B)には、前記例示の樹脂を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、樹脂(B)は、必要に応じて、樹脂に添加される公知の各種添加剤、例えば、酸化防止剤などを含有していても構わない。
前記の構成材料の中でも、スチレン樹脂架橋体、アクリル樹脂架橋体およびフッ素樹脂架橋体が好ましく、架橋PMMAが特に好ましく用いられる。
これら樹脂架橋体が、温度上昇により電解液を吸収して膨潤するメカニズムについては明らかでないが、ガラス転移点(Tg)との相関が考えられる。すなわち、樹脂は、一般にそのTgまで加熱されたときに柔軟になるため、前記のような樹脂は、Tg以上の温度で多くの電解液の吸収が可能となり膨潤するのではないかと推定される。従って、樹脂(B)としては、実際にシャットダウン作用が生じる温度が樹脂(B)熱膨潤性を示し始める温度より多少高くなることを考慮し、およそ75〜125℃にTgを有する樹脂架橋体を用いることが望ましいと考えられる。なお、本明細書でいう樹脂(B)である樹脂架橋体のTgは、JIS K 7121の規定に準じて、DSCを用いて測定される値である。
前記樹脂架橋体では、電解液を含む前の所謂乾燥状態においては、温度上昇により膨張しても、温度を下げることにより再び収縮するというように、温度変化に伴う体積変化にある程度可逆性があり、また、熱膨潤性を示す温度よりもかなり高い耐熱温度を有するため、熱膨潤性を示す温度の下限が100℃くらいであっても、200℃またはそれ以上まで加熱することが可能な材料を選択することができる。そのため、セパレータの作製工程などで加熱を行っても、樹脂が溶解したり樹脂の熱膨潤性が損なわれたりすることがなく、一般の加熱プロセスを含む製造工程での取り扱いが容易となる。
セパレータに含有させる樹脂(B)の形態については特に制限はなく、微粒子状のものを使用して、セパレータ層(I)やセパレータ層(II)に含有させることができる他、例えば、セパレータ層(I)に樹脂(B)を含有させる場合には、セパレータ層(I)中に含まれる繊維(セルロース繊維、セルロース誘導体の繊維、その他の繊維)を芯材として、その表面に樹脂(B)を付着させたり、その表面を樹脂(B)で被覆させたりすることができる。また、セパレータ層(II)における絶縁性の無機物(無機微粒子)などをコアとし、樹脂(B)をシェルとするコアシェル構造の形態で、セパレータ層(II)に含有させてもよい。
更に、セパレータ層(II)に樹脂(A)と樹脂(B)とを共に用いる場合では、例えば樹脂(B)の表面に樹脂(A)を付着させたり、樹脂(B)の表面を樹脂(A)で被覆させたりして、一体化して使用することもできる。中でも、樹脂(A)および樹脂(B)は、微粒子状のものを用いることが好ましい。
微粒子状の樹脂(B)の場合には、乾燥時におけるこれらの粒径が、微粒子状の樹脂(B)を含有する層[セパレータ層(I)またはセパレータ層(II)]の厚みより小さければよいが、微粒子状の樹脂(B)を含有する層の厚みの1/100〜1/3の平均粒径を有することが好ましい。具体的には、樹脂(B)の平均粒径は0.1〜20μmであることが好ましい。樹脂(B)の粒径が小さすぎる場合は、粒子同士の隙間が小さくなり、イオンの伝導パスが長くなって電池特性が低下することがある。また、粒径が大きすぎると、セパレータ層(I)やセパレータ層(II)の厚みが大きくなり、電池のエネルギー密度の低下を招くために好ましくない。
本発明の電池に係るセパレータは、電池における短絡防止効果をより高め、セパレータの強度を確保して取り扱い性を良好にする観点から、その厚みが、6μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。他方、非水電解質電池のエネルギー密度をより高める観点からは、セパレータの厚みは、40μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。
なお、本発明の電池に係るセパレータは、セパレータ層(I)とセパレータ層(II)とを、それぞれ1層ずつ有していてもよく、複数有していてもよい。また、セパレータ層(III)も有するセパレータの場合、セパレータ層(III)を1層有していてもよく、複数有していてもよい。ただし、ただし、セパレータの有する層数が多くなりすぎると、セパレータの厚みを増やして電池の内部抵抗の増加やエネルギー密度の低下を招く虞があるので好ましくなく、セパレータ中の層数は5層以下であることが好ましい。
また、セパレータの空孔率としては、電解液の保液量を確保してイオン透過性を良好にするために、乾燥した状態で、15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。一方、セパレータ強度の確保と内部短絡の防止の観点から、セパレータの空孔率は、乾燥した状態で、70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。なお、セパレータの空孔率:P(%)は、セパレータの厚み、面積あたりの質量、構成成分の密度から、下記(12)式を用いて各成分iについての総和を求めることにより計算できる。
P =100−(Σa/ρ) ×(m/t) (12)
ここで、前記式中、a:質量%で表した成分iの比率、ρ:成分iの密度(g/cm)、m:セパレータの単位面積あたりの質量(g/cm)、t:セパレータの厚み(cm)である。
また、前記(12)式において、mを例えば、セパレータ層(I)の単位面積あたりの質量(g/cm)とし、tをセパレータ層(I)の厚み(cm)とすることで、前記(12)式を用いてセパレータ層(I)の空孔率:P(%)を求めることもできる。この方法により求められるセパレータ層(I)の空孔率は、前記の通り、10〜50%であることが好ましい。また、同様にしてセパレータ層(II)の空孔率やセパレータ層(III)の空孔率も計算することができる。
本発明の電池に係るセパレータは、JIS P 8117に規定のガーレー値で表される透気度が、100秒以上500秒以下であることが必要である。ガーレー値が小さすぎると、リチウムのデンドライト結晶などが貫通しやすく、内部短絡を生じやすくなる虞があり、ガーレー値が大きすぎると、イオン伝導性が低くなりすぎて電池の内部抵抗が大きくなり、負荷特性が悪くなる虞がある。
また、本発明の電池に係るセパレータは、JIS K 3832に規定のバブルポイント法により測定される最大孔径(以下、単に「最大孔径」という)が、0.01μm以上1μm下であることが必要である。セパレータの最大孔径が小さすぎる場合には、セパレータの孔径が小さすぎてイオンの透過性が悪くなり、電池の内部抵抗が大きくなりすぎる虞がある。一方、セパレータの最大孔径が大きすぎると、セパレータの孔径が大きくなりすぎて、正極負極の直接接触による短絡やリチウムのデンドライト結晶による内部短絡が発生しやすくなる。
なお、本発明の電池に係るセパレータのガーレー値および最大孔径は、これまでに詳述してきた構成を採用することで前記の値とすることができるが、特にセパレータ層(II)における絶縁性の無機物の構成[形状、サイズ、セパレータ層(II)中の含有量など]の調整によって容易に制御できる。
セパレータの強度としては、直径1mmのニードルを用いた突き刺し強度で50g以上であることが望ましい。かかる突き刺し強度が小さすぎると、リチウムのデンドライト結晶が発生した場合に、セパレータの突き破れによる短絡が発生する場合がある。
本発明に係るセパレータのシャットダウン特性は、例えば、非水電解質電池の内部抵抗の温度変化により求めることができる。具体的には、非水電解質電池を恒温槽中に設置し、温度を室温から毎分1℃の割合で上昇させ、非水電解質電池の内部抵抗が上昇する温度を求めることで測定することが可能である。この場合、150℃における非水電解質電池の内部抵抗は、室温の5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることが更に好ましい。
本発明に係るセパレータでは、前記の各構成を採用することによって、少なくともセパレータ層(I)とセパレータ層(II)との積層体の150℃での熱収縮率を1%以下とすることができる。すなわち、非水電解質電池内部が150℃程度になっても、前記積層セパレータ層[セパレータ層(I)とセパレータ層(II)との積層体]の収縮が殆ど生じないため、正負極の接触による短絡を防止することができ、高温での非水電解質電池の安全性を高めることができる。なお、本発明における「150℃の熱収縮率」とは、セパレータまたは前記積層セパレータ層を恒温槽に入れ、温度を150℃まで上昇させて30分放置した後に取り出して、恒温槽に入れる前のセパレータまたはセパレータ層(II)の寸法と比較することで求められる寸法の減少割合を百分率で表したものである。
本発明の電池に係るセパレータは、セパレータ層(I)とセパレータ層(II)とが一体となった構造であるが、例えば、以下の方法により、このような構造とすることができる。
例えば、セパレータ層(I)を構成する多孔質膜(セルロースやその誘導体を含有する多孔質膜)に、絶縁性の無機物を含有するセパレータ層(II)形成用組成物(スラリーなどの液状組成物など)を塗布した後、所定の温度で乾燥してセパレータ層(II)を形成することにより、セパレータ層(I)とセパレータ層(II)とが一体化した構造とすることができる。
セパレータ層(II)形成用組成物は、絶縁性の無機物(無機微粒子など)の他、必要に応じて樹脂(A)や樹脂(B)(例えば微粒子状のもの)、バインダなどを含有し、これらを溶媒(分散媒を含む。以下同じ。)に分散させたものである。なお、バインダについては溶媒に溶解させることもできる。セパレータ層(II)形成用組成物に用いられる溶媒は、絶縁性の無機物や、樹脂(A)、樹脂(B)などを均一に分散でき、また、バインダを均一に溶解または分散できるものであればよいが、例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素、テトラヒドロフランなどのフラン類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類など、一般に有機溶媒が好適に用いられる。なお、これらの溶媒に、界面張力を制御する目的で、アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコールなど)、または、モノメチルアセテートなどの各種プロピレンオキサイド系グリコールエーテルなどを適宜添加してもよい。また、バインダが水溶性である場合、エマルジョンとして使用する場合などでは、水を溶媒としてもよく、この際にもアルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)を適宜加えて界面張力を制御することもできる。
セパレータ層(II)形成用組成物は、絶縁性の無機物、樹脂(A)、樹脂(B)およびバインダなどを含む固形分含量を、例えば10〜80質量%とすることが好ましい。
セパレータ層(I)の空孔の開口径が比較的大きい場合、例えば、5μm以上の場合には、これが非水電解質電池の短絡の要因となりやすい。よって、この場合には、絶縁性の無機物(無機微粒子)や樹脂(A)、樹脂(B)などの全部または一部が、セパレータ層(I)の空孔内に存在する構造とすることが好ましい。セパレータ層(I)の空孔内に絶縁性の無機物や樹脂(A)、樹脂(B)などを存在させるには、例えば、これらを含有するセパレータ層(II)形成用組成物をセパレータ層(I)を構成する多孔質膜に塗布した後に一定のギャップを通し、余分の組成物を除去した後、乾燥するなどの工程を用いればよい。
なお、絶縁性の無機物が板状粒子の場合、セパレータにおける配向性を高めてその機能をより有効に作用させるためには、板状粒子を含有するセパレータ層(II)形成用組成物を、セパレータ層(I)を構成する多孔質膜に塗布し含浸させた後、前記組成物にシェアや磁場をかけるといった方法を用いればよい。例えば、前記のように、板状粒子を含有するセパレータ層(II)形成用組成物をセパレータ層(I)を構成する多孔質膜に塗布した後、一定のギャップを通すことで、前記組成物にシェアをかけることができる。
また、絶縁性の無機物や樹脂(A)、樹脂(B)など、それぞれの構成物の持つ作用をより有効に発揮させるために、前記構成物を偏在させて、セパレータの膜面と平行または略平行に、前記構成物が層状に集まった形態としてもよい。
本発明のセパレータにセパレータ層(III)を形成する場合、前述したように、樹脂(A)からなる多孔質層を樹脂微多孔膜といった形態で、別途も受けることも可能であり、また、樹脂(A)や必要に応じて樹脂(B)やバインダからなる組成物[スラリー状などのセパレータ層(III)形成用組成物]を、セパレータ層(I)とセパレータ層(II)との積層体の表面に塗布し、乾燥するなどして形成することができる。
また、セパレータ層(III)は、前記の通り、セパレータ層(III)形成用組成物をPETなどの基材表面に塗布し、乾燥した後、基材から剥離することで、独立した多孔質膜として形成してもよい。更に、PETなどの基材に代えて、非水電解質電池の正極または負極の表面にセパレータ層(III)形成用組成物を塗布し、乾燥することで、正極や負極の表面にセパレータ層(III)を直接形成してもよい。
また、樹脂(B)をセパレータに含有させる場合、前記の各方法の他、セパレータ層(III)に含有させたり、樹脂(B)や必要に応じてバインダを含む組成物(スラリーなど)を調製し、これを、セパレータ層(I)とセパレータ層(II)とを含む積層体の表面や、セパレータ層(III)の表面に塗布し、乾燥することで、樹脂(B)を含む層を別途形成したりしてもよい。
セパレータ層(II)形成用組成物や、セパレータ層(III)形成用組成物、樹脂(B)含有層形成用組成物を塗布する方法としては、例えば、公知のグラビアコーター、ダイコーター、スプレーコーター、コンマコーター、ナイフコーターなどを用いることができる。
本発明の非水電解質電池は、前記の正極および前記のセパレータを備えていればよく、その他の構成および構造については、従来から知られている非水電解質電池(リチウム二次電池など)で採用されている各種構成および構造を適用することができる。
負極としては、従来から知られている非水電解質電池に用いられている負極、すなわち、Liイオンを吸蔵放出可能な活物質を含有する負極であれば特に制限はない。例えば、活物質として、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、Si、Sn、Ge、Bi、Sb、Inなどの元素を含む単体、化合物およびその合金、リチウム含有窒化物、または酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物、もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金、更にはLiTi12で表されるようなTi酸化物も負極活物質として用いることができる。これらの負極活物質に導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やPVDFなどのバインダなどを適宜添加した負極合剤を、集電体を芯材として成形体(負極合剤層)に仕上げたもの、または前記の各種合金やリチウム金属の箔を単独、もしくは集電体上に積層したものなどが用いられる。
負極に集電体を用いる場合には、集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、下限は5μmであることが望ましい。また、負極側のリード部は、正極側のリード部と同様にして形成すればよい。
前記の正極と前記の負極とは、前記のセパレータを介して積層した積層体や、更にこれを巻回した電極巻回体の形態で用いることができる。
なお、前記の積層体や電極巻回体を形成する際には、絶縁性の無機物を主体として含むセパレータ層(II)が正極と接するようにすることが好ましい。このような構成とした場合には、耐酸化性に優れる絶縁性の無機物の作用によって、正極によるセパレータの酸化を抑制することが可能となる。
また、本発明の非水電解質電池は、前記の通り、リチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液(電解液)を非水電解質として使用することができる。リチウム塩としては、溶媒中で解離してLiイオンを形成し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こしにくいものであれば特に制限は無い。例えば、LiClO、LiPF、LiBF 、LiAsF 、LiSbF などの無機リチウム塩、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(ROSO〔ここでRはフルオロアルキル基〕などの有機リチウム塩などを用いることができる。
非水電解質に用いる有機溶媒としては、前記のリチウム塩を溶解し、電池として使用される電圧範囲で分解などの副反応を起こさないものであれば特に限定されない。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート、プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル、γ−ブチロラクトンなどの環状エステル、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル類、エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類などが挙げられ、これらは2種以上混合して用いることもできる。なお、より良好な特性の電池とするためには、エチレンカーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒など、高い導電率を得ることができる組み合わせで用いることが望ましい。また、これらの非水電解質に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。
このリチウム塩の非水電解質中の濃度としては、0.5〜1.5mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/lとすることがより好ましい。
本発明の非水電解質電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形など)などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
本発明の非水電解質電池は、従来から知られている非水電解質電池が用いられている各種用途と同じ用途に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
なお、本実施例で示す樹脂(A)の融点(融解温度)は、JIS K 7121の規定に準じて、DSCを用いて測定した値である。
また、ガーレー値の測定は、JIS P 8117の規定に準じて、ガーレー式透気度測定装置を用いて測定した値である。なお、セパレータ層(III)を独立膜として別途設けた場合は、セパレータ層(I)とセパレータ層(II)との積層体(一体化物)とセパレータ層(III)とを重ね合わせた状態で測定した値を、セパレータのガーレー値とした。
更に、バブルポイント法による細孔径の測定は、JIS K 3832の規定に準じて、PMI社製「CFP−1500AEX型パームポロメーター」を用いて測定し、測定されたバブルポイントを用いて、下記式(13)により求めることで行った。
D = 4γ/P (13)
前記式(13)中、D:バブルポイント法による細孔径(m)、γ:液体の表面張力(N/m)、P:バブルポイントでの圧力(Pa)である。
なお、セパレータ層(III)を独立膜として別途設けた場合は、セパレータ層(I)とセパレータ層(II)の積層体(一体化物)のバブルポイント細孔径と、セパレータ層(III)のバブルポイント細孔径とを、それぞれ個別に測定し、測定値のより大きな値をセパレータのバブルポイント細孔径とした。
製造例1(負極1の作製)
負極活物質である黒鉛:95質量部と、バインダーであるPVDF:5質量部とを、NMPを溶剤として均一になるように混合して負極合剤含有ペーストを調製した。この負極合剤含有ペーストを、銅箔からなる厚さ10μmの集電体の両面に、塗布長が表面320mm、裏面260mmになるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って全厚が142μmになるように負極合剤層の厚みを調整し、幅45mmになるように切断して、長さ330mm、幅45mmの負極を作製した。さらにこの負極の銅箔の露出部にタブを溶接してリード部を形成した。
製造例2(負極2の作製)
負極活物質をLiTi12に変更した以外は、製造例1と同様にして負極2を作製した。
実施例1
(正極の作製)
正極活物質であるLiMn1.5Ni0.5:85質量部、導電助剤であるアセチレンブラック:10質量部、およびバインダであるPVDF:5質量部を、NMPを溶剤として均一になるように混合して、正極合剤含有ペーストを調製した。このペーストを、集電体となる厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に、塗布長が表面320mm、裏面260mmになるように間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が150μmになるように正極合剤層の厚みを調整し、幅43mmになるように切断して、長さ330mm、幅43mmの正極を作製した。さらにこの正極のアルミニウム箔の露出部にタブを溶接してリード部を形成した。
(セパレータの作製)
絶縁性の無機物として板状ベーマイト(平均粒径1μm、アスペクト比10)1000gを水1000gに分散させ、更にバインダとしてSBRラテックス120gを加えて均一に分散させて、セパレータ層(II)形成用組成物を調製した。
セパレータ層(I)として、セルロース製不織布(厚み20μm)を用い、その表面に前記のセパレータ層(II)形成用組成物をブレードコーターにより塗布して乾燥し、トータル厚みが25μmとなるように、絶縁性の無機物である板状ベーマイトを主体として含むセパレータ層(II)を形成し、セパレータ層(I)とセパレータ層(II)との一体化物を得た。なお、バインダの比重を1.2g/cm、ベーマイトの比重を3g/cmとして算出したセパレータ層(II)中の板状ベーマイトの体積含有率は、87%である。
また、セパレータ層(III)として、PE製微多孔膜(厚み16μm、空孔率40%)を用意した。セパレータ層(III)に係るPEの融点は135℃である。更に、セパレータ層(III)中における樹脂(A)であるPEの体積含有率は、100%である。
前記のセパレータ層(I)とセパレータ層(II)との一体化物と、前記のセパレータ層(III)とを一体化することなく重ねて、セパレータとした。このセパレータのガーレー値は250秒で、バブルポイント細孔径は0.19μmであった。
(電池の作製)
製造例1で作製した負極1と、前記の正極とを、前記のセパレータ[セパレータ層(I)とセパレータ層(II)との一体化物と、セパレータ層(III)とを重ねたもの]を、セパレータ層(II)が正極と対向し、かつセパレータ層(III)が負極と対向するように介在させつつ重ね、渦巻状に巻回して電極巻回体を作製した。この電極巻回体を押しつぶして扁平状にして電池容器内に装填し、非水電解質(エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートを体積比1:2で混合した溶媒にLiPFを1.2mol/lの濃度で溶解させた溶液)を電池容器内に注入した後、封止を行って、リチウム二次電池とした。
実施例2
(正極の作製)
正極活物質としてLiMnOを用いた以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。
(セパレータの作製)
セパレータ層(I)として、PET繊維とセルロース繊維とを混合して抄紙して作製した不織布を用いた以外は、実施例1と同様にしてセパレータ層(I)とセパレータ層(II)との一体化物を作製し、これをセパレータとした。なお、セパレータ層(I)中のセルロース繊維の混合比は30体積%であった。このセパレータのガーレー値は120秒で、バブルポイント細孔径は0.20μmであった。
(電池の作製)
製造例2で作製した負極2と、前記の正極とを、前記のセパレータを、セパレータ層(II)が正極と対向するように介在させつつ重ね、渦巻状に巻回して電極巻回体を作製した。この電極巻回体を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
実施例3
(正極の作製)
正極活物質としてLiMn1.9Al0.1を用いた以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。
(セパレータの作製)
実施例1で調製したものと同じセパレータ層(II)形成用組成物に、更に樹脂(A)として、PE微粒子(PEの融点130℃)の水分散体(固形分比率40質量%)を3000g混合してセパレータ層(II)形成用組成物を調製した。そして、このセパレータ層(II)形成用組成物を用いた以外は、実施例2と同様にしてセパレータ[セパレータ層(I)とセパレータ層(II)との一体化物]を作製した。なお、バインダの比重を1.2g/cm、ベーマイトの比重を3g/cm、PEの比重を0.9/cmとして算出したセパレータ層(II)中の板状ベーマイトの体積含有率は、65%である。また、このセパレータのガーレー値は130秒で、バブルポイント細孔径は0.22μmであった。
(電池の作製)
製造例2で作製した負極2と、前記の正極とを、セパレータ層(II)が正極と対向するように前記のセパレータを介在させつつ重ね、渦巻状に巻回して電極巻回体を作製した。この電極巻回体を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
実施例4
(正極の作製)
正極活物質としてLiMn1.9Al0.1とLiNi0.8Co0.15Al0.05とを質量比で1:1に混合したものを用いた以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。
(セパレータの作製)
セパレータ層(III)として、PP層、PE層およびPP層からなる3層構造のポリオレフィン微多孔膜(厚み16μm、空孔率44%)を用意した。
セルロース微粒子(平均粒径0.5μm)1000gを水1000gに分散させた。前記分散液に、バインダとして自己架橋性を有するポリブチルアクリレートエマルジョン(固形分濃度45質量%)を100g混合し均一に攪拌して、セパレータ層(I)形成用組成物を調製した。このセパレータ層(I)形成用組成物を、前記セパレータ層(III)の片面に、セパレータ層(I)の乾燥時の厚みが5μmになるように塗布し、乾燥してセパレータ層(I)を形成し、セパレータ層(I)とセパレータ層(III)との一体化物を得た。
絶縁性の無機物であるアルミナの微粒子(平均粒径0.4μm)1000gを水1000gに均一に分散させた。前記分散液にバインダとして自己架橋性を有するポリブチルアクリレートエマルジョン(固形分濃度45質量%)を100g混合して均一に攪拌し、セパレータ層(II)形成用組成物を調製した。前記のセパレータ層(I)とセパレータ層(III)との一体化物におけるセパレータ層(III)側の表面に、前記セパレータ層(II)形成用組成物を乾燥時の厚みが5μmになるように塗布し、乾燥してセパレータを作製した。なお、バインダの比重を1.2g/cm、アルミナの比重を4g/cmとして算出したセパレータ層(II)中のアルミナ微粒子の体積含有率は、87%である。また、このセパレータのガーレー値は200秒で、バブルポイント細孔径は0.22μmであった。
(電池の作製)
製造例1で作製した負極1と、前記の正極とを、前記のセパレータを、セパレータ層(II)が正極と対向し、かつセパレータ層(I)が負極と対向するように介在させつつ重ね、渦巻状に巻回して電極巻回体を作製した。この電極巻回体を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
実施例5
(正極の作製)
正極活物質としてLiNi1/3Co1/3Mn1/3を用いた以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。
(セパレータの作製)
セパレータ層(III)として、PP層、PE層、PP層からなる3層構造のポリオレフィン微多孔膜(厚み16μm、空孔率44%)を用意した。
カルボキシメチルセルロース微粒子(平均粒径0.5μm、エーテル化度0.4)1000gを水1000gに分散させた。前記分散液に、バインダとして自己架橋性を有するポリブチルアクリレートエマルジョン(固形分濃度45質量%)を100g混合し、均一に攪拌してセパレータ層(I)形成用組成物を調製した。このセパレータ層(I)形成用組成物を、前記セパレータ層(III)の片面に、セパレータ層(I)の乾燥時の厚みが5μmになるように塗布し、乾燥してセパレータ層(I)を形成し、セパレータ層(I)とセパレータ層(III)との一体化物を得た。
絶縁性の無機物である粒状ベーマイト(平均粒径0.6μm)500gを水500gに分散させ、樹脂(B)として架橋PMMAのエマルジョン(平均粒径0.4μm、固形分濃度40質量%)1250g、およびバインダとしてSBRラテックス200gを加え、均一に分散させてセパレータ層(II)形成用組成物を調製した。前記のセパレータ層(I)とセパレータ層(III)との一体化物におけるセパレータ層(III)側の表面に、セパレータ層(II)形成用組成物を乾燥時の厚みが5μmになるように塗布し、乾燥してセパレータを作製した。なお、バインダの比重を1.2g/cm、ベーマイトの比重を3g/cm、架橋PMMAの比重を1.2/cmとして算出したセパレータ層(II)中の粒状ベーマイトの体積含有率は、25%である。また、このセパレータのガーレー値は300秒で、バブルポイント細孔径は0.08μmであった。
(電池の作製)
製造例1で作製した負極1と、前記の正極とを、前記のセパレータを、セパレータ層(II)が正極と対向し、かつセパレータ層(I)が負極と対向するように介在させつつ重ね、渦巻状に巻回して電極巻回体を作製した。この電極巻回体を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
比較例1
セパレータ層(I)として、セルロース製不織布に代えてPET製不織布(厚み20μm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製し、このセパレータを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。比較例1で用いたセパレータのガーレー値は240秒で、バブルポイント細孔径は0.20μmであった。
比較例2
セパレータを、実施例1でセパレータ層(I)に用いたものと同じセルロース製不織布のみとした以外は、実施例4と同様にしてリチウム二次電池を作製した。比較例2で用いたセパレータのガーレー値は5秒で、バブルポイント細孔径は0.7μmであった。
比較例3
セパレータを、実施例1でセパレータ層(III)に用いたものと同じPE製微多孔膜のみとした以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。比較例3で用いたセパレータのガーレー値は136秒で、バブルポイント細孔径は0.03μmであった。
比較例4
絶縁性の無機物である粒状のベーマイト(平均粒径0.08μm)の水分散体(固形分比率25質量%)1000gに、バインダであるアクリル樹脂のエマルジョン(固形分比率15質量%)167gを加えて均一になるまで攪拌し、セパレータ層(II)形成用組成物を調製した。このセパレータ層(II)形成用組成物を用いた以外は、実施例1と同様にしてセパレータ層(I)とセパレータ層(II)との一体化物を作製した。なお、バインダの比重を1.2g/cm、ベーマイトの比重を3g/cmとして算出したセパレータ層(II)中の粒状ベーマイトの体積含有率は、80%である。
また、セパレータ層(III)として、PP層、PE層およびPP層からなる3層構造のポリオレフィン製微多孔膜(厚み21μm、空孔率40%)を用意し、前記のセパレータ層(I)とセパレータ層(II)との一体化物と、このセパレータ層(III)とを一体化することなく重ねてセパレータとし、このセパレータを用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池を作製した。なお、前記のセパレータのガーレー値は710秒で、バブルポイント細孔径は0.008μmであった。
実施例1〜5および比較例1〜4のリチウム二次電池について、下記の評価を行った。
<充放電試験>
実施例1〜5および比較例1〜4のリチウム二次電池について、以下の条件で初期化を実施した後、充放電試験を実施した。
電池の初期化は、0.2Cの電流値で、実施例1、比較例1、比較例3および比較例4の電池については充電電圧5.0Vまで、その他の電池については4.2Vまで定電流充電を行った後、実施例1、比較例1、比較例3および比較例4の電池については5.0Vでの定電圧充電を、その他の電池については4.2Vでの定電圧充電を、それぞれ総充電時間15時間で実施し、充電状態で7日間室温で放置した後、0.2Cの電流値で3.0Vまで放電することで初期化を実施した。
次に、以下の条件で充電を行い、充電容量および放電容量をそれぞれ求め、充電容量に対する放電容量の割合を充電効率として評価した。まず、充電は、1Cの電流値で、電池電圧が、実施例1、比較例1、比較例3および比較例4の電池については5.0Vになるまで、それ以外の電池については4.2Vになるまで定電流充電を行い、次いで、実施例1、比較例1、比較例3および比較例4の電池については5.0Vでの定電圧充電を、その他の電池については4.2Vでの定電圧充電を行う定電流−定電圧充電で実施した。充電終了までの総充電時間は5時間とした。充電後の電池は、1Cの放電電流で、電池電圧が3.0Vになるまで放電を行った。実施例1〜5、比較例1および比較例3の電池は、充放電効率がほぼ100%で、電池として正常に動作することが確認できた。しかしながら、比較例2の電池については、充放電効率が約80%となり、充電時に微小な内部短絡が発生していることが分かった。また、比較例4の電池については、充放電効率が60%で、充放電曲線から内部短絡が発生している様子は確認できなかったが、放電容量が小さいことが分かった。このため、比較例2および比較例4の電池については、以降の試験を実施しなかった。
<高温貯蔵試験>
実施例1〜5、比較例1および比較例3の電池について、電流値を0.2Cとした以外は、充放電試験時と同じ条件で定電流−定電圧充電、および放電を行って、貯蔵前の放電容量を測定した。
次に、貯蔵前の放電容量測定時と同じ条件で定電流−定電圧充電を行った各電池を60℃の恒温槽中で保存し、20日後に取り出して室温になるまで冷却した。続いて、各電池について、貯蔵前の放電容量測定時と同じ条件で放電を行い、貯蔵後の放電容量を測定した。そして、貯蔵前の放電容量に対する貯蔵後の放電容量の割合を百分率で表して、各電池における高温貯蔵後の容量維持率を求めた。
<加熱試験>
実施例1〜5、比較例1および比較例3の電池を恒温槽に入れ、30℃から150℃まで毎分1℃の割合で温度上昇させて加熱し、電池の内部抵抗の温度変化を求めた。そして、抵抗値が30℃での値の5倍以上に上昇したときの温度を、シャットダウン温度とした。また、150℃に昇温後30分保持して、各電池の状態の変化を調べた。
実施例1〜5および比較例1〜4のセパレータの層構成を表1に示し、前記の各評価結果を表2に示す。
Figure 2011238427
表1において、「PET・セルロース混合不織布」とは、PET繊維とセルロース繊維とを混合して抄紙して作製した不織布を、「板状ベーマイト微粒子+PE微粒子」とは、セパレータ層(II)が板状ベーマイト微粒子とPE微粒子とを含んでいることを、「3層微多孔膜」とは、PP層、PE層およびPP層の3層からなる微多孔膜を、それぞれ意味している。
Figure 2011238427
表2に示すように、実施例1〜5のリチウム二次電池は、比較例1および比較例3の電池と比較して、高温貯蔵後の容量維持率が高く、高温貯蔵時の特性劣化が抑制されている。
また、実施例1、3〜5、比較例1および比較例3のセパレータでは、シャットダウン温度が100〜150℃の範囲となり、電池の高温での安全性を確保するのに適切な温度範囲でシャットダウンを生じることが明らかとなった。実施例2の電池に関しては、シャットダウン特性を付与するための樹脂(A)を含まないため、シャットダウン特性は発現しない結果となった。また、比較例3の電池を除く全て電池で、その後150℃で30分保持しても、電池の表面温度が上昇したり、電圧が低下するといった異常は見られなかった。
これに対し、比較例3のセパレータは、150℃で30分保持することにより、内部抵抗が急激に低下して内部短絡を生じやすい状態となることが分かった。これは、セパレータが収縮しているためと推測される。

Claims (6)

  1. 正極、負極、セパレータおよび非水電解質を構成要素とする非水電解質電池であって、
    前記セパレータは、セルロースおよびセルロース誘導体から選択される少なくとも1種を含む層と、絶縁性の無機物を主体として含む層とを有しており、
    前記セパレータのガーレー値で表される透気度が100〜500秒であり、
    バブルポイント法により測定される前記セパレータの最大孔径が0.01〜1μmであり、
    前記正極は、少なくともMnを含むリチウム含有複合酸化物を有するものであることを特徴とする非水電解質電池。
  2. 少なくともMnを含むリチウム含有複合酸化物が、下記一般式(1)
    LiM Mn2−x (1)
    [前記一般式(1)中、Mは、Li、B、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Al、Sn、Sb、In、Nb、Mo、W、Y、RuおよびRhよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.01≦x≦0.6である。]で表されるスピネル型リチウムマンガン複合酸化物、および
    下記一般式(2)
    LiMn(1−b−c)Ni 2−d (2)
    [前記一般式(2)中、Mは、Co、Mg、Al、B、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Zr、Mo、Sn、SrおよびWよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.8≦a≦1.2、0<b<0.5、0≦c≦0.5、d+e<1、−0.1≦d≦0.2、0≦e≦0.1である。]で表される層状化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の非水電解質電池。
  3. セパレータが、更にポリオレフィンを含有している請求項1または2に記載の非水電解質電池。
  4. セパレータが、融点が80〜150℃のポリオレフィンの微粒子を含有している請求項3に記載の非水電解質電池。
  5. セパレータが、融点が80〜150℃のポリオレフィンを含む微多孔膜からなる層を有している請求項3に記載の非水電解質電池。
  6. セパレータにおける絶縁性の無機物を主体として含む層が、少なくとも正極と接する側に形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解質電池。
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