JP2011234712A - 起泡性水中油型乳化物の製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】油脂、乳蛋白質及び水を含む水中油型乳化物であって、殺菌又は滅菌処理後、水中油型乳化物を冷流路Aで急冷し、その後Aより冷却能力が低い槽中Bでの撹拌下で水中油型乳化物の油脂粒子中の油脂の結晶化を促進させることを特徴とし、冷流路Aの冷却能力が水中油型乳化物の品温を5℃/分以上に低下可能な能力であり、槽中Bの冷却能力が水中油型乳化物の品温を5℃/分未満に低下可能な能力である、起泡性水中油型乳化物の製造法である。
【選択図】なし
Description
これらのクリームに使用される油脂は、生クリームは乳脂肪だけからなる油脂であり、コンパウンドクリームは乳脂肪と他の植物性油脂の混合物であり、植物性クリームは植物性油脂であり、具体的には、ヤシ油、パーム核油などのラウリン系油脂やパーム油、菜種油等の植物油及びこれらの硬化油、分別油、エステル交換油、さらにはこれらの混合油等が挙げられる。
これらの起泡性水中油型乳化物の製造は、油脂、乳蛋白質、乳化剤及び水を含む原料を混合して、予備乳化、殺菌又は滅菌処理し、均質化、冷却するか、又は油脂、乳蛋白質、乳化剤及び水を含む原料を混合して、予備乳化、均質化、殺菌又は滅菌処理し、再均質化、冷却する方法が一般的に採用されている。
これらの起泡性水中油型乳化物は油脂を主要原料とするだけに、その品質の安定性及び生産効率の点において冷却工程が重要な工程であると考えられる。
特許文献1では、冷却工程の最終冷却温度を15〜30℃に制御する起泡性水中油型乳化組成物の製造方法が提案され、特許文献2では、クリームの加熱殺菌処理後の冷却工程において一旦7℃〜25℃まで冷却し、その温度で1分間〜30分間保持し、その後3℃〜5℃まで冷却することを特徴とする乳化安定性に優れたクリームの製造方法が提案され、特許文献3では、クリームを急冷した後、一時的な加温処理を行い冷却することにより得られる、常に安定的で良好なホイップ性を有する脂肪率27%以上35%未満の乳脂肪クリームが提案されているが、品質の安定性という点で充分ではなかった。
また、クリームの冷却について非特許文献1に、「油脂が冷却によって結晶化する場合、油脂と接する界面の違いにより結晶化の仕方が異なると考えられる。クリームの場合は、油脂/水界面の存在下で油脂の結晶化が起こるので、油脂粒子の界面に油脂成分の中で、高融点成分や極性の高い成分が優先的に界面に配向する形で結晶化していくと考えられる。」が記載されている。
即ち本発明の第1は、油脂、乳蛋白質及び水を含む水中油型乳化物であって、殺菌又は滅菌処理後、水中油型乳化物を冷流路Aで急冷し、その後Aより冷却能力が低い槽中Bでの撹拌下で水中油型乳化物の油脂粒子中の油脂の結晶化を促進させることを特徴とする、起泡性水中油型乳化物の製造法である。第2は、冷流路Aでの急冷が水中油型乳化物の品温を1〜20℃に急冷する、第1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法である。第3は、冷流路Aの冷却能力が水中油型乳化物の品温を5℃/分以上に低下可能な能力である、第1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法である。第4は、冷流路Aの冷媒の温度が0℃以上である、第1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法である。第5は、槽中Bの冷却能力が水中油型乳化物の品温を5℃/分未満に低下可能な能力である、第1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法である。第6は、槽中Bでの水中油型乳化物の最高品温を((急冷時の品温)+(0〜8℃))に温度制御する、第1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法である。第7は、槽中Bの冷媒の温度が0℃以上である、第1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法である。第8は、冷流路Aの急冷時から最終冷却品温が5℃になるまでの時間が18時間以内である、第1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法である。第9は、水中油型乳化物の油脂分が10〜50重量%である、第1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法である。第10は、水中油型乳化物の油脂粒子の平均粒子径が0.8〜2.4μmの範囲である、第1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法である。
急冷時の品温が低すぎると乳化状態が不安定になる。急冷時の品温が高すぎるとホイップし難くなる。
急冷の平均冷却速度としては5℃/分以上が好ましく、より好ましくは7℃/分以上であり、さらに好ましくは10℃/分以上である。
連続式冷却の冷媒の温度が0℃以上であるのが好ましい。
その際に冷媒の温度が少なくとも2種以上であるのが好ましく、例えば、冷媒の温度が0〜5℃の温度範囲のもの、12〜18℃の温度範囲のもの、20〜40℃の温度範囲のものというように2種以上組合わせるのが好ましい。
回転数についても適宜調整することができる。
冷流路Aで急冷され水中油型乳化物の油脂粒子の油脂の一部が結晶化し、その後槽中Bでの撹拌下で水中油型乳化物の油脂粒子中の油脂の結晶化を促進させ、油脂粒子の残りの油脂結晶を成長安定化させることができる。
冷却の温度制御は二重ジャケット式、スプレー式、圧力型ジャケット式の何れの方法でも良い。
本発明の起泡性水中油型乳化物の製造法は、油脂、乳蛋白質及び水を含む原料を混合して、予備乳化、殺菌又は滅菌処理し、均質化、冷却するか、又は油脂、乳蛋白質及び水を含む原料を混合して、予備乳化、均質化、殺菌又は滅菌処理し、再均質化、冷却する方法において、殺菌又は滅菌処理後、冷流路Aで水中油型乳化物の品温を1〜20℃に急冷し、その後槽中Bでの撹拌下で水中油型乳化物の油脂粒子中の油脂の結晶化を促進させるのであるが水中油型乳化物の最高品温を((急冷時の品温)+(0〜8℃))の温度範囲に制御し、品温を3〜7℃に冷却する製造法である。
そして、この水中油型乳化物の最高品温を((急冷時の品温)+(0〜8℃))に温度制御することが重要であり、好ましくは最高品温を((急冷時の品温)+(0〜7℃))の温度範囲に制御するのであり、更に好ましくは最高品温を((急冷時の品温)+(0〜6℃))の温度範囲に制御するのである。
また、別な方法として、水中油型乳化物の油脂粒子中の結晶量はSFC測定をすることにより求めることができる。
槽中Bの冷却能力が水中油型乳化物の品温を5℃/分未満に低下可能な能力下で冷却するのであるが、水中油型乳化物の油脂分や油脂の種類を考慮して水中油型乳化物の最高品温を((急冷時の品温)+(0〜8℃))の温度範囲に制御するのが好ましい。
このような制御によって槽中における水中油型乳化物の油脂粒子中の残りの油脂結晶化を促進し安定化できるので好ましい。
水中油型乳化物の急冷時の品温をT1とし、温度制御する際の水中油型乳化物の最高品温をT2とした。
槽中Bの冷媒の温度が0℃以上であるのが好まく、媒体としては水が好ましい。
そして、本発明に使用する油脂としては、食用として使用できるものを広く採用することができ、例えばナタネ油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂(融点15〜40℃程度のもの)が例示できる。 本発明においては上記で例示した何れの油脂も使用できる。
そして、冷流路Aの急冷時から6日後の水中油型乳化物の油脂粒子中の結晶量はSFC値で10℃で12〜40%、20℃で8〜32%の範囲が好ましく、より好ましくは、10℃で14〜38%、20℃で10〜30%の範囲であり、更に好ましくは、10℃で16〜35%、20℃で12〜28%の範囲である。SFC値が低すぎると水中油型乳化物を起泡する際の起泡性、保形性が悪化する傾向にある。SFC値が高すぎると水中油型乳化物を起泡した際の起泡物の口どけが悪くなる。
本発明の起泡性水中油型乳化物の製造法においては、水中油型乳化物を殺菌又は滅菌処理後、水中油型乳化物の品温を1〜20℃に急冷するのであるが、冷却に際しては、これらの油脂の結晶化挙動が重要であって、油脂組成、固体脂と液体油のバランス、結晶化特性が影響する。
これらの油脂の中にあって、乳脂はその構成する脂肪酸組成が鎖長の短い脂肪酸から鎖長の長い脂肪酸まで、また、不飽和脂肪酸も含み脂肪酸種が400以上とも言われている。
本発明の製造法では油脂として乳脂を含むものであるが、好ましくは(乳脂÷全油脂)が0.95以下であり、更に好ましくは(乳脂÷全油脂)が0.85以下であり、最も好ましくは(乳脂÷全油脂)が0.70以下である。
無脂乳固形分由来の乳蛋白質が使用のし易さと風味の点で好ましい。
無脂乳固形分由来の乳蛋白質としては生乳、牛乳、脱脂乳、生クリーム、濃縮乳、無糖練乳、加糖練乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエー蛋白が例示できる。 乳蛋白質の使用量は0.3〜7重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜6重量%であり、更に好ましくは0.3〜5重量%である。乳蛋白質が少なすぎると水中油型乳化物の乳化安定性が悪くなる。乳蛋白質が多すぎると殺菌工程で風味劣化が起こりやすくなる。
そして、乳蛋白質と共存している乳糖は本発明の糖類に含まれる。
その他所望により香料、着色剤、保存料等を使用することができる。
この最高品温が高すぎると最終冷却品温までの冷却に時間を要することになり生産効率が悪くなる。
好ましくは、急冷時から品温を3〜7℃に冷却する際の最終冷却品温5℃までの時間が18時間以内であるのが好ましく、16時間以内が生産効率と起泡性水中油型乳化物の品質の両立という点で好ましい。
急冷時の品温(℃);T1:冷流路A出口の温度計によって測定した水中油型乳化物の温度とする。
水中油型乳化物の最高品温(℃);T2:冷却工程での槽中Bに取り付けた温度計、もしくはサンプリング容器に取り付けた温度計にて測定した温度とする。
水中油型乳化物の粘度、ボテテスト(水中油型乳化物の安定性)、平均粒子径を評価した。方法は、
粘度:水中油型乳化物の粘度の測定は、B型粘度計(株式会社東京計器製)にて、2号ローター、30rpmの条件下で行った。
ボテテスト:水中油型乳化物を100ml容ビーカーに50g採り、20℃で2時間インキュベートし、その後5分間攪拌した時のボテの発生の有無を確認した。
平均粒子径:レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製、SALD−2200)を用いて、水中油型乳化物を蒸留水で測定可能範囲に希釈し測定後、データとして出力される平均値を平均粒子径とした。
水中油型乳化物の油脂粒子中の結晶量SFC値の測定:Bruker社製、mq20 NMR Analyerより求めた。
(1)ホイップタイム:水中油型乳化物1kgをホバードミキサー(HOBART CORPORATION製 MODEL N−5)3速(300rpm)にてホイップし、最適起泡状態に達するまでの時間及び、同2速(130rpm)にて緩やかに混ぜた時間
(2)オーバーラン:[(一定容積の水中油型乳化物重量)ー(一定容積の起泡後の起泡物重量)]÷(一定容積の起泡後の起泡物重量)×100
(3)保形性:造花した起泡物を15℃で24時間放置した場合の美しさ
四段階評価 A;良好 B;やや良好
C;やや悪い D;悪い(実用的でない)
(4)離水:上記保形性評価と同時に離水状態を評価
四段階評価 A; 無し B;殆ど無し
C; 有り D;非常に多い
風味の評価方法
起泡したクリームの口溶け、乳味感、食感を評価
(5)風味
五段階評価 5;良好 4;やや良好 3;可
2;やや悪い 1;悪い
(6)口溶け
五段階評価 5;良好 4;やや良好 3;可
2;やや悪い 1;悪い
パーム核油(融点28℃)15部、硬化パーム核油(融点36℃)10部、菜種硬化油(融点36℃)7部、パーム硬化油(融点36℃)2部にレシチン0.2部、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製、商品名エマルジーMS)0.1部、ソルビタン脂肪酸エステル(花王(株)製、商品名エマゾールO−10V)0.15部を添加混合溶解し油相とする。
これとは別に水60.46部に、脱脂粉乳4.5部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、 商品名:S−570)0.12部、ソルビタン脂肪酸エステル(花王(株)製、商品名エマゾールS−10V)0.05部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.2部、重曹0.02部、キサンタンガム0.05部、グァーガム0.05部、ミルクフレーバー0.1部を溶解し水相を調製する。
上記油相と水相を65℃で30分間調合タンクで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、5MPa の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却しその後攪拌冷却した。冷却工程における冷却時の品温は5.0℃であり、油脂粒子中の結晶量はSFC値で8.7%であった。水中油型乳化物の最高品温は10.0℃であり、急冷時から最高品温到達時までの時間は7200秒であった。冷却して起泡性水中油型乳化物を得た。(水中油型乳化物の処理量は8850kg) そして、急冷時から最終冷却品温5℃までの時間は12時間であった。その時の油脂粒子中の結晶量はSFC値で28.1%であった。冷流路Aの急冷時から6日後の油脂粒子中の結晶量はSFC値で29.5%であった。
これらの結果を表1に纏めた。
この起泡性水中油型乳化物1kgに80gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味、口溶けの評価を行った。結果を表1に纏めた。
パーム硬化油(融点31℃)18部、大豆硬化油(融点36℃)17部、ヤシ油(融点24℃)8部、バターオイル2部にレシチン0.3部を添加混合溶解し油相とする。
これとは別に水49.67部に、脱脂粉乳4.5部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、 商品名:S−570)0.15部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.15部、重曹0.02部、グァーガム0.01部、ミルクフレーバー0.2部を溶解し水相を調製する。
上記油相と水相を65℃で30分間調合タンクで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、4MPa の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却しその後攪拌冷却した。冷却工程における冷却時の品温は5.0℃であり、油脂粒子中の結晶量はSFC値で8.5%であった。水中油型乳化物の最高品温は10.4℃であり、急冷時から最高品温到達時までの時間は3600秒であった。冷却して起泡性水中油型乳化物を得た。(水中油型乳化物の処理量は8876kg) そして、急冷時から最終冷却品温5℃までの時間は16時間であった。その時の油脂粒子中の結晶量はSFC値で24.9%であった。冷流路Aの急冷時から6日後の油脂粒子中の結晶量はSFC値で26.4%であった。
これらの結果を表1に纏めた。
この起泡性水中油型乳化物1kgに80gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味、口溶けの評価を行った。結果を表1に纏めた。
パーム硬化油(融点31℃)11部、大豆硬化油(融点36℃)10部、硬化パーム核油(融点34℃)3部、パーム核油(融点28℃)2部、バターオイル19部にレシチン0.25部、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製、商品名エマルジーMS)0.1部を添加混合溶解し油相とする。
これとは別に水49.43部に、脱脂粉乳4.5部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、 商品名:S−570)0.25部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.15部、重曹0.02部、グァーガム0.05部、キサンタンガム0.05部、ミルクフレーバー0.2部を溶解し水相を調製する。
上記油相と水相を65℃で30分間調合タンクで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、3MPa の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却しその後攪拌冷却した。冷却工程における冷却時の品温は5.0℃であり、油脂粒子中の結晶量はSFC値で10.0%であった。水中油型乳化物の最高品温は10.1℃であり、急冷時から最高品温到達時までの時間は7200秒であった。冷却して起泡性水中油型乳化物を得た。(水中油型乳化物の処理量は2506kg) そして、急冷時から最終冷却品温5℃までの時間は12時間であった。その時の油脂粒子中の結晶量はSFC値で25.6%であった。冷流路Aの急冷時から6日後の油脂粒子中の結晶量はSFC値で26.8%であった。
これらの結果を表1に纏めた。
この起泡性水中油型乳化物1kgに80gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味、口溶けの評価を行った。結果を表1に纏めた。
クリーム(カルピス(株)製、乳脂肪分51%)95部、水4.92部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、 商品名:S−570)0.05部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.02部、重曹0.01部を混合調製する。
上記を65℃で30分間調合タンクで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、1MPa の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却しその後攪拌冷却した。冷却工程における冷却時の品温は5.0℃であり、水中油型乳化物の最高品温は9.9℃であり、急冷時から最高品温到達時までの時間は3600秒であった。冷却して起泡性水中油型乳化物を得た。(水中油型乳化物の処理量は3357kg)
そして、急冷時から最終冷却品温5℃までの時間は6時間であった。
これらの結果を表1に纏めた。
この起泡性水中油型乳化物1kgに80gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味、口溶けの評価を行った。結果を表1に纏めた。
パーム核油(融点28℃)15部、硬化パーム核油(融点36℃)10部、菜種硬化油(融点36℃)7部、パーム硬化油(融点36℃)2部にレシチン0.2部、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製、商品名エマルジーMS)0.1部、ソルビタン脂肪酸エステル(花王(株)製、商品名エマゾールO−10V)0.15部を添加混合溶解し油相とする。
これとは別に水60.46部に、脱脂粉乳4.5部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、 商品名:S−570)0.12部、ソルビタン脂肪酸エステル(花王(株)製、商品名エマゾールS−10V)0.05部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.2部、重曹0.02部、キサンタンガム0.05部、グァーガム0.05部、ミルクフレーバー0.1部を溶解し水相を調製する。
上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、5MPa の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却しその後攪拌冷却した。冷却工程における冷却時の品温は5.0℃であり、水中油型乳化物の最高品温は8.0℃であり、急冷時から最高品温到達時までの時間は1800秒であった。冷却して起泡性水中油型乳化物を得た。(水中油型乳化物の処理量は10kg)
そして、急冷時から最終冷却品温5℃までの時間は8時間であった。
これらの結果を表2に纏めた。
この起泡性水中油型乳化物1kgに80gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味、口溶けの評価を行った。結果を表2に纏めた。
パーム硬化油(融点31℃)18部、大豆硬化油(融点36℃)17部、ヤシ油(融点24℃)8部、バターオイル2部にレシチン0.3部を添加混合溶解し油相とする。
これとは別に水49.67部に、脱脂粉乳4.5部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、 商品名:S−570)0.15部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.15部、重曹0.02部、グァーガム0.01部、ミルクフレーバー0.2部を溶解し水相を調製する。
上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、4MPa の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却しその後攪拌冷却した。冷却工程における冷却時の品温は5.0℃であり、水中油型乳化物の最高品温は9.0℃であり、急冷時から最高品温到達時までの時間は1800秒であった。冷却して起泡性水中油型乳化物を得た。(水中油型乳化物の処理量は10kg)
そして、急冷時から最終冷却品温5℃までの時間は6時間であった。
これらの結果を表2に纏めた。
この起泡性水中油型乳化物1kgに80gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味、口溶けの評価を行った。結果を表2に纏めた。
パーム硬化油(融点31℃)11部、大豆硬化油(融点36℃)10部、硬化パーム核油(融点34℃)3部、パーム核油(融点28℃)2部、バターオイル19部にレシチン0.25部、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製、商品名エマルジーMS)0.1部を添加混合溶解し油相とする。
これとは別に水49.43部に、脱脂粉乳4.5部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、 商品名:S−570)0.25部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.15部、重曹0.02部、グァーガム0.05部、キサンタンガム0.05部、ミルクフレーバー0.2部を溶解し水相を調製する。
上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、3MPa の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却しその後攪拌冷却した。冷却工程における冷却時の品温は5.0℃であり、水中油型乳化物の最高品温は9.0℃であり、急冷時から最高品温到達時までの時間は1800秒であった。冷却して起泡性水中油型乳化物を得た。(水中油型乳化物の処理量は10kg)
そして、急冷時から最終冷却品温5℃までの時間は6時間であった。
これらの結果を表2に纏めた。
この起泡性水中油型乳化物1kgに80gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味、口溶けの評価を行った。結果を表2に纏めた。
パーム核油(融点28℃)20部、パーム硬化油(融点31℃)5部、硬化パーム核油(融点38℃)5部にレシチン0.25部、ポリグリセリン脂肪酸エステル(坂本薬品工業(株)製、商品名SYグリスターMO−3S)0.1部を添加混合溶解し油相とする。
これとは別に水65.38部に、脱脂粉乳3.5部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、 商品名:S−570)0.20部、ポリグリセリン脂肪酸エステル(坂本薬品工業(株)製、商品名SYグリスターMS −5S)0.05部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.2部、重曹0.02部、グァーガム0.05部、キサンタンガム0.05部、ミルクフレーバー0.2部を溶解し水相を調製する。
上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、4MPa の均質化圧力で均質化して、直ちに11℃に冷却しその後攪拌冷却した。冷却工程における冷却時の品温は11.0℃であり、水中油型乳化物の最高品温は13.5℃であり、急冷時から最高品温到達時までの時間は600秒であった。冷却して起泡性水中油型乳化物を得た。(水中油型乳化物の処理量は10kg)
そして、急冷時から最終冷却品温5℃までの時間は10時間であった。
これらの結果を表2に纏めた。
この起泡性水中油型乳化物1kgに80gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味、口溶けの評価を行った。結果を表2に纏めた。
パーム油(融点28℃)20部、硬化パーム核油(融点38℃)5部にレシチン0.1部、ポリグリセリン脂肪酸エステル(坂本薬品工業(株)製、商品名SYグリスターMO−3S)0.3部、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製、商品名エマルジーMS)0.1部を添加混合溶解し油相とする。
これとは別に水69.43部に、脱脂粉乳4.5部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、 商品名:S−570)0.05部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.2部、重曹0.02部、グァーガム0.05部、キサンタンガム0.05部、ミルクフレーバー0.2部を溶解し水相を調製する。
上記油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、4MPa の均質化圧力で均質化して、直ちに11℃に冷却しその後攪拌冷却した。冷却工程における冷却時の品温は11.0℃であり、水中油型乳化物の最高品温は16.0℃であり、急冷時から最高品温到達時までの時間は21600秒であった。冷却して起泡性水中油型乳化物を得た。(水中油型乳化物の処理量は10kg)
そして、急冷時から最終冷却品温5℃までの時間は12時間であった。
これらの結果を表3に纏めた。
この起泡性水中油型乳化物1kgに80gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味、口溶けの評価を行った。結果を表3に纏めた。
パーム油(融点28℃)20部、硬化パーム核油(融点38℃)5部にレシチン0.1部、ポリグリセリン脂肪酸エステル(坂本薬品工業(株)製、商品名SYグリスターMO−3S)0.3部、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製、商品名エマルジーMS)0.1部を添加混合溶解し油相とする。
これとは別に水69.43部に、脱脂粉乳4.5部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(三菱化学フーズ(株)製、 商品名:S−570)0.05部、ヘキサメタリン酸ナトリウム0.2部、重曹0.02部、グァーガム0.05部、キサンタンガム0.05部、ミルクフレーバー0.2部を溶解し水相を調製する。
上記油相と水相を65℃で30分間調合タンクで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、4MPa の均質化圧力で均質化して、直ちに11℃に冷却しその後攪拌冷却した。冷却工程における冷却時の品温は11.0℃であり、水中油型乳化物の最高品温は16.0℃であり、急冷時から最高品温到達時までの時間は21600秒であった。冷却して起泡性水中油型乳化物を得た。(水中油型乳化物の処理量は9000kg)
そして、急冷時から最終冷却品温5℃までの時間は12時間であった。
これらの結果を表3に纏めた。
この起泡性水中油型乳化物1kgに80gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味、口溶けの評価を行った。結果を表3に纏めた。
実施例5の配合において、油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、5MPa の均質化圧力で均質化して、直ちに25℃に冷却した。冷却工程における冷却時の品温は25.0℃であり、その後の品温上昇は観察されなかった。冷却して起泡性水中油型乳化物を得た。(水中油型乳化物の処理量は10kg)
そして、急冷時から最終冷却品温5℃までの時間は8時間であった。
これらの結果を表3に纏めた。
この起泡性水中油型乳化物1kgに80gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味、口溶けの評価を行った。結果を表3に纏めた。
実施例5の配合において、油相と水相を65℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、5MPa の均質化圧力で均質化して、直ちに5℃に冷却した。冷却後5℃の冷蔵庫にて1時間保持したクリームを15℃にて1時間一時的加温処理した。一時的加温処理後再び5℃の冷蔵庫にて冷却して起泡性水中油型乳化物を得た。(水中油型乳化物の処理量は10kg)
そして、急冷時から最終冷却品温5℃までの時間は10時間であった。
これらの結果を表3に纏めた。
この起泡性水中油型乳化物1kgに80gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従いオーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味、口溶けの評価を行った。結果を表3に纏めた。
Claims (10)
- 油脂、乳蛋白質及び水を含む水中油型乳化物であって、殺菌又は滅菌処理後、水中油型乳化物を冷流路Aで急冷し、その後Aより冷却能力が低い槽中Bでの撹拌下で水中油型乳化物の油脂粒子中の油脂の結晶化を促進させることを特徴とする、起泡性水中油型乳化物の製造法。
- 冷流路Aでの急冷が水中油型乳化物の品温を1〜20℃に急冷する、請求項1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法。
- 冷流路Aの冷却能力が水中油型乳化物の品温を5℃/分以上に低下可能な能力である、請求項1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法。
- 冷流路Aの冷媒の温度が0℃以上である、請求項1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法。
- 槽中Bの冷却能力が水中油型乳化物の品温を5℃/分未満に低下可能な能力である、請求項1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法。
- 槽中Bでの水中油型乳化物の最高品温を((急冷時の品温)+(0〜8℃))に温度制御する、請求項1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法。
- 槽中Bの冷媒の温度が0℃以上である、請求項1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法。
- 冷流路Aの急冷時から最終冷却品温が5℃になるまでの時間が18時間以内である、請求項1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法。
- 水中油型乳化物の油脂分が10〜50重量%である、請求項1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法。
- 水中油型乳化物の油脂粒子の平均粒子径が0.8〜2.4μmの範囲である、第1記載の起泡性水中油型乳化物の製造法である。
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