JP2011234633A - カマンベール風味の熟成乾燥牛肉とカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法 - Google Patents

カマンベール風味の熟成乾燥牛肉とカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】肉質の硬い牛肉の部位を使用して柔らかく、保存性に優れる新しい食感と風味を有するカマンベール風味の熟成乾燥牛肉とその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法は、所定の大きさ及び状態に整形された牛肉の塊肉3に対して、糖を含まない、あるいは微量の糖を含んだピックル液Lを含浸させて熟成させる塩漬け工程と、上記塩漬け工程終了後の熟成牛肉5を洗浄後、低めの温度で所定時間熱風乾燥し、上記熱風乾燥と放熱と所定期間の冷蔵保管とを所定回数、繰り返して所定の目標水分活性Awになるまで乾燥させる乾燥工程と、上記所定の目標水分活性Awに乾燥された熟成乾燥牛肉7の表面に白カビを噴霧し、所定温度、所定湿度にて所定期間熟成させて上記熟成乾燥牛肉7の表面に白カビを付着させる白カビ付着工程と、を備えることによって構成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、塩漬けして熟成させた牛肉を乾燥して得られた熟成乾燥牛肉にカマンベール風味を付加したカマンベール風味の熟成乾燥牛肉とカマンベール風味の該熟成乾燥牛肉の製造方法に関する。
輸入ないし国産の牛肉で脂の乗っていない部位の牛肉は、加熱調理してもそのままでは肉質が硬過ぎて食べられないため、比較的安い値段で取り引きされている。したがって、従来このような脂の乗っていない硬めの牛肉は、塊肉としては一般に使用されないで、機械で細かく挽いた挽き肉として使用されていた。
また、上記硬めの牛肉の一部は、下記の特許文献1に示すようにスライスされ糖とアミノ酸ないし有機酸とを含んだ調味液に漬け、水分活性が0.662程度になるまで乾燥させることによって得られるビーフジャーキーに加工されている。
一方、豚肩ロース等を原料とするハム、ソーセージ等の分野や塩蔵鮭肉の分野では、新たな食感や風味を求めて、これらの原料の間にチーズを挟んだり、チーズを分散させたものも存在している。
特開平3−19646号公報
しかしながら、上記挽き肉やビーフジャーキーのみでは、用途として十分ではなく、上記硬めの牛肉を使用した新たな食感や風味を有する従来にない加工食品の開発と、当該加工食品の効率の良い製造方法の確立が求められている。
また、上記ハム、ソーセージのように牛肉の塊肉をミンチにしたり、細片化した場合には、牛肉の塊肉としての食感が味わえなくなってしまう。また、ハム、ソーセージは水分活性が0.91以上と高いため雑菌が繁殖し易く、保存できる期間が短くなってしまう。
一方、牛肉の塊肉をビーフジャーキーのように水分活性が0.662程度になるまで乾燥させれば保存できる期間が大幅に延びるが、糖を含まない分、肉が硬くなってしまう。また、乾燥に時間がかかるため生産性の点でも難がある。
また、上記チーズを牛肉の間に挟んだり、分散させれば、チーズによる新たな風味を牛肉に持たせることができるが、上述した塊肉としての食感や保存性の問題及び硬い肉質と生産性の問題もあってそのままでは商品化することはできない。
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、肉質の硬い牛肉の部位を使用して塊肉としての食感を活かしつつ、柔らかく、保存性に優れ、効率の良い生産が可能な新しい食感と風味、旨味を有するカマンベール風味の熟成乾燥牛肉とカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するべく本発明の請求項1によるカマンベール風味の熟成乾燥牛肉は、糖を含まない、あるいは微量の糖を含んだピックル液に塩漬けし熟成させた牛肉の塊肉を所定の目標水分活性になるまで乾燥させた熟成乾燥牛肉層と、上記熟成乾燥牛肉層の表面に白カビを付着させた白カビ層と、を備えていることを特徴とするものである。
また、請求項2によるカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法は、所定の大きさ及び状態に整形された牛肉の塊肉に対して、糖を含まない、あるいは微量の糖を含んだピックル液を含浸させて熟成させる塩漬け工程と、上記塩漬け工程終了後の熟成牛肉を洗浄後、低めの温度で所定時間熱風乾燥し、上記熱風乾燥と放熱と所定期間の冷蔵保管とを所定回数、繰り返して所定の目標水分活性になるまで乾燥させる乾燥工程と、上記所定の目標水分活性に乾燥された熟成乾燥牛肉の表面に白カビを噴霧し、所定温度、所定湿度にて所定期間熟成させて上記熟成乾燥牛肉の表面に白カビを付着させる白カビ付着工程と、を備えていることを特徴とするものである。
また、請求項3によるカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法は、請求項2記載のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法において、上記乾燥工程では、繰り返し行われる少なくとも一部の熱風乾燥において、乾燥と同時に上記熟成牛肉に対して燻煙処理が実行されるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4によるカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法は、請求項2または3記載のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法において、上記目標水分活性は、0.90〜0.86であることを特徴とするものである。
また、請求項5によるカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法は、請求項2〜4のいずれかに記載のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法において、上記塩漬け工程での牛肉の熟成は、冷蔵庫内において1週間〜10日間行われることを特徴とするものである。
また、請求項6によるカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法は、請求項2〜5のいずれかに記載のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法において、上記乾燥工程での熟成牛肉の熱風乾燥は、65〜85℃で5〜7時間ずつ行われることを特徴とするものである。
また、請求項7によるカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法は、請求項2〜6のいずれかに記載のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法において、上記乾燥工程での熟成牛肉の冷蔵保管は、冷蔵庫内において3〜5日間行われることを特徴とするものである。
また、請求項8によるカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法は、請求項2〜7のいずれかに記載のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法において、上記白カビ付着工程での熟成乾燥牛肉の熟成は庫内温度10〜15℃において湿度60〜70%の雰囲気下で2週間程度行われることを特徴とするものである。
そして、上記手段によって以下のような作用が得られる。まず、本発明のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉によれば、熟成乾燥牛肉層の表面に白カビ層を形成したことにより、熟成乾燥牛肉層9の表面に白カビ層11が形成された新しい外観と肉質をもった牛肉製品となる。
また、ビーフジャーキーのように甘い味付けにしなくても硬過ぎることなくサラミソーセージ様の食感とカマンベールチーズ風の風味が得られる。
また、本発明のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法によれば、比較的単純な工程によって短期間に効率良くカマンベール風味の熟成乾燥牛肉を製造できるようになる。また、中程度の温度で数回に分けて熱風乾燥させることによって熟成乾燥牛肉の外観と肉質を保った状態で、薄くスライスすればそのまま食べられる程度の柔らかさに熟成乾燥牛肉を仕上げることができる。
また、上記乾燥工程において、乾燥と同時に燻煙処理を実行した場合には、上記白カビによるカマンベール風味に加えて燻煙によって燻製の風味が加わって、より一層深い味わいのカマンベール風味の熟成乾燥牛肉を得ることができる。また、燻煙によって熟成乾燥牛肉の表面に深い色艶が付与されるため食欲増進作用も得られる。
また、熟成乾燥牛肉の目標水分活性を0.90〜0.86に設定した場合には、大腸菌やサルモネラ菌等の雑菌や白カビ以外のカビの繁殖を防止でき、保存性が向上する。また、熟成乾燥牛肉の肉質が硬くなり過ぎるのを防止し、乾燥時間の長大化を防止できる。
また、塩漬け工程での牛肉の熟成を冷蔵庫内(一例として通常の冷蔵庫内温度である庫内温度5℃の環境下)で1週間〜10日間行うようにした場合には、一般の冷蔵設備を使用して比較的短期間で所望の塩漬けを完了させることができる。
また、乾燥工程での熟成牛肉の熱風乾燥を65〜85℃で5〜7時間ずつ行うようにした場合には、熟成牛肉の急激な水分減少を防止して無理なく少しずつ乾燥させて目標水分活性に至らせることが可能になる。
また、乾燥工程での熟成牛肉の冷蔵保管を冷蔵庫内で3〜5日間行うようにした場合には、一般の冷蔵設備を使用して無理なく、熟成牛肉中に含まれている水分を外部に滲出させることができる。
また、白カビ付着工程での熟成乾燥牛肉の熟成を庫内温度10〜15℃、庫内湿度60〜70%の雰囲気下で2週間程度行うようにした場合には、不要な細菌や雑菌等を繁殖させることなく、白カビのみを増殖させて熟成乾燥牛肉の表面に白カビを付着させることが可能になる。
本発明のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉によれば、熟成乾燥牛肉層9の表面に白カビ層11が形成された新規な外観の熟成乾燥牛肉を得ることができる。
また、このカマンベール風味の熟成乾燥牛肉によれば、肉質の硬い牛肉の部位を使用しても塊肉としての食感を保った状態でサラミソーセージ様の食感でビーフジャーキーと同程度の硬さの熟成乾燥牛肉を得ることができる。
また、本発明のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法によれば、柔らかく、保存性に優れ、新しい食感と風味、旨味を有するカマンベール風味の熟成乾燥牛肉を短期間に効率良く低コストで製造することが可能になる。
本発明の実施の形態を示す図で、カマンベール風味の熟成乾燥牛肉を示す端部を破断した状態の斜視図である。 本発明の実施の形態を示す図で、カマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造プロセスを示す説明図である。 本発明の実施の形態を示す図で、乾燥工程で使用する熱風乾燥機を示す正面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、カマンベール風味の熟成乾燥牛肉を製造する場合の作業工程図である。
以下、図1〜図4を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
最初に図1に基づいて本発明のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉1について説明する。すなわち、本発明のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉1は、糖を含まない、あるいは微量の糖を含んだピックル液Lに塩漬けし熟成させた牛肉の塊肉3を所定の目標水分活性Awになるまで乾燥させた熟成乾燥牛肉層9と、上記熟成乾燥牛肉層9の表面に白カビを付着させた白カビ層11と、を備えることによって基本的に構成されている。
また、本実施の形態では上記熟成乾燥牛肉層9の表面に燻煙層13が形成されており、該燻煙層13の周りに上記白カビ層11が形成される構造になっている。
尚、本発明で使用する牛肉は、加熱調理してもそのままでは肉質が硬過ぎて食べるのに適さないとされている脂の乗っていない部位の牛肉であり、具体的には、牛のモモ肉やロース肉を使用する。本実施の形態では一例として牛のモモ肉を使用している。そして、上記7〜8kgのモモ肉を適宜の大きさのブロックにカットした牛肉の塊肉3を原料牛肉として使用している。
また、上記牛肉の塊肉3を塩漬けするためのピックル液Lとは、食塩、香辛料、調味料等を混ぜ合わせた調味液のことである。そして、本発明ではビーフジャーキーのような甘味を付けないカマンベール風味の熟成乾燥牛肉1にするため、上記ピックル液L中には微量な糖しか含まれていない。
具体的には、市販の食肉製品用塩漬け剤がピックル液Lとして使用でき、一例としてポリリン酸ナトリウムが5%、L−アスコルビン酸ナトリウムが2.8%、L−グルタミン酸ナトリウムが2.8%、ピロリン酸四ナトリウムが1.7%、ピロリン酸二水素二ナトリウムが1.7%、亜硝酸ナトリウムが0.55%、シクロデキストリンが0.55%、香辛料抽出物が0.01%、アラビアガムが微量、食品素材が84.89%、その他食塩、ぶどう糖、砂糖、水あめ、でん粉がそれぞれ微量ずつ含まれている食肉製品用塩漬け剤が使用される。
尚、以下、このようなピックル液Lで塩漬けされ熟成された牛肉を熟成牛肉5と称し、目標水分活性Awになるまで乾燥させた熟成牛肉5を熟成乾燥牛肉7と称する。
ここで使用した目標水分活性Awとは、上記熟成牛肉5を密閉された乾燥室15内に入れた時の水蒸気圧Pと、その温度における純水の蒸気圧P0との比のことである。そして、本実施の形態では、上記目標水分活性Awを0.90〜0.86に設定している。
因みに、目標水分活性Awを0.90より大きくすると、大腸菌やサルモネラ菌等の雑菌やカビの繁殖を招いて保存性が著しく低下してしまう。
一方、目標水分活性Awを0.86より小さくすると、ピックル液Lに微量な糖しか含めない条件下では技術的に困難であり、大掛かりな設備を導入して目標水分活性Awを0.86より小さくしても肉質が硬くなって却って食するのに適さない状態になってしまう。
また、目標水分活性Awを0.90〜0.86に設定した条件下では、上記雑菌や白カビ以外のカビの繁殖を防止し、白カビのみを増殖させて熟成乾燥牛肉層9の表面に白カビ層11を形成することが可能になる。
そして、このような白カビ層11を形成することによって、目標水分活性Awが0.90〜0.86になるまで乾燥された熟成乾燥牛肉7は、塊肉としての食感を保持しつつ、ピックル液Lによる味付けと、燻煙による風味と、白カビによるカマンベール風味とが組み合わされて、従来にない新しい食感と風味を有するカマンベール風味の熟成乾燥牛肉1となる。
次に、このようなカマンベール風味の熟成乾燥牛肉1を製造する本発明のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法を図2〜図4に基づいて説明する。
本発明のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法は、所定の大きさ及び状態に整形された牛肉の塊肉3に対して、上記ピックル液Lを含浸させて熟成させる塩漬け工程と、上記塩漬け工程終了後の熟成牛肉5を洗浄後、低めの温度で所定時間熱風乾燥し、上記熱風乾燥と放熱と所定期間の冷蔵保管とを所定回数、繰り返して所定の目標水分活性Awになるまで乾燥させる乾燥工程と、上記所定の目標水分活性Awに乾燥された熟成乾燥牛肉7の表面に白カビCを噴霧し、所定温度、所定湿度にて所定期間熟成させて上記熟成乾燥牛肉7の表面に白カビCを付着させる白カビ付着工程と、を備えることによって構成されている。
以下、(1)塩漬け工程と、(2)乾燥工程と、(3)白カビ付着工程とに分けて本実施の形態に係るカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法の内容を具体的に説明する。
(1)塩漬け工程
本工程では、原料牛肉として7〜8kg程度の牛モモ肉を使用し、これを1〜2kg程度のブロックにカットし、更に余分な脂や筋をとって整形し、牛肉の塊肉3を得る。
次に、ピックル液Lを調合し、上記牛肉の塊肉3に対して調合した上記ピックル液Lを注入する。ピックル液Lの注入には、図示しないインジェクションポンプ等によって駆動される多数本の注入針17を有する注入装置18を使用する。具体的には、多数本の注入針17を牛肉の塊肉3に一挙に突き刺し、牛肉の塊肉3に内部にピックル液Lを滲透させるようにする。
次に、注入したピックル液Lを牛肉の塊肉3に馴染ませるため、回転容器19内に上記牛肉の塊肉3を入れ、当該牛肉の塊肉3を叩きつけるように回転させ、ピックル液Lを牛肉の塊肉3内に満遍なく分散させるタンブリングという処理を実行する。
そして、1週間〜10日間位、一例として庫内温度5℃程度の冷蔵庫21内に上記牛肉の塊肉3を置いて熟成させ、熟成牛肉5を得る。以上で(1)塩漬け工程が完了する。
(2)乾燥工程
次に、塩漬けが完了した熟成牛肉5を水洗いして余分な塩分を除去し、消毒により雑菌を取り除く。
そして、洗浄した熟成牛肉5を図3に示すような熱風乾燥機23に入れて目標水分活性Awになるまで乾燥させる。
この熱風乾燥機23は、角箱状の乾燥室15を備えており、当該乾燥室15内には、乾燥させる熟成牛肉5を吊り下げるための吊下げバー25と、該吊下げバー25の両端部を支持する上下方向に複数段に亘って設けられている複数のバー受け27と、乾燥室15内の温度を管理する温度センサ29とが設けられている。
また、上記乾燥室15は前面が開口しており、該開口部には一例として水平方向前方及び後方に向けて回動する片開き式の開閉扉31が取り付けられている。
更に、上記乾燥室15の底面も開口しており、下方に設けられる燻煙室33で生成された燻煙Sが上記開口された底面を通って上方の乾燥室15内に至るように構成されている。上記燻煙室33は、上記乾燥室15よりも偏平で容量の小さな角箱状の部材で、燻煙室33内には燻煙に使用するサクラ、ナラ、リンゴ、ブナ等の木製のチップTが充填される。
また、上記乾燥室15の上方には、各種の操作ボタン35が配置されている操作ボックス37が設けられており、該操作ボックス37の適宜の操作ボタン35を押すことによって熱風乾燥機23の起動と停止の切り替えと、乾燥室15内の温度管理や乾燥時間の設定等ができるようになっている。
また、上記熱風乾燥機23には、熱風Hを上記乾燥室15内に供給するための送風ファン39と、送風ファン39によって生起された送風を加熱して暖めるヒータ40と、生成した熱風Hを上記乾燥室15内に導く給気管路41と、乾燥に使用された熱風Hを外部に排出するための排気管路43と、が設けられている。
そして、本乾燥工程では、上述した熱風乾燥機23を使用して、中程度の温度となる乾燥温度65〜85℃で乾燥時間5〜7時間乾燥し、乾燥した乾燥途中の熟成牛肉5を乾燥室15から一旦、取り出して放熱し、放熱後、上記熟成牛肉5を冷蔵庫21に移し替えて一例として庫内温度5℃で3〜5日間(一例として4日間)保管する。
同様の熱風乾燥、放熱、冷蔵保管を一例として3回繰り返し、4回目の熱風乾燥時に上記チップTによる燻煙処理を同時に実行する。尚、この時の乾燥温度は前3回の熱風乾燥と同じ65〜85℃であり、乾燥時間も前3回の熱風乾燥と同じ5〜7時間である。
上記熱風乾燥と燻煙処理の終了後、上記熟成牛肉5の目標水分活性Awは0.90〜0.86になり、熟成乾燥牛肉7として乾燥室15外に取り出されて放熱及び冷却される。
以上で(2)乾燥工程が完了する。
(3)白カビ付着工程
上記目標水分活性Awに達した熟成乾燥牛肉7の表面に付いている水分を拭き取り乾燥させた後、アルコール等によって消毒する。
次に、スプレーによって熟成乾燥牛肉7の表面に白カビCの胞子を吹き付ける。尚、本工程で使用する白カビCとしては、カマンベールチーズの製造に使用されているペニシリウム・カンデダム、ペニシリウム・カマンベルテイまたはペニシリウム・カゼイコラム等が使用でき、本実施の形態では一例としてクリスチャンハンセン社製のペニシリウム・カンデダムPC TT033を使用した。このものは、カビの色調が白色であり、生育スピードが速く、菌糸の長さがやや短く、かびの密度は高めであり、プロテアーゼ活性が高く、凍結乾燥パウダー状の形態を有するものである。
上記白カビCの胞子を熟成乾燥牛肉7の表面に吹き付けた後、庫内温度10〜15℃、庫内湿度60〜70%の保管庫45に上記熟成乾燥牛肉7を移動して2週間程度保管して熟成させる。尚、上記熟成期間は、熟成乾燥牛肉7の大きさや状態等の違いに応じて適宜調整する。
そして、上記熟成期間が経過すると、熟成乾燥牛肉7の表面全体に白カビCが付着してカマンベール風味の熟成乾燥牛肉1が完成する。尚、白カビCが付着しない部位もあるが、この部分は切除することもできる。
完成したカマンベール風味の熟成乾燥牛肉1は上記保管庫45から取り出され、包装、梱包後、製品として出荷される。
そして、このようにして製造されたカマンベール風味の熟成乾燥牛肉1は、熟成乾燥牛肉層9の表面に白カビ層11が形成された新しい外観と肉質をもった熟成乾燥牛肉となる。
また、肉質の硬い牛肉の部位を使用したのにも拘らず、1mm程度の厚さにスライスすることによってそのまま食べることができ、適度に柔らかく、塊肉としての食感も味わうことができる。
また、目標水分活性Awを0.90〜0.86としたことによって保存性が向上する。
具体的には、水分活性Awが低目の場合は、硬い食感となるとともに乾燥が進んだ状態となり、常温でも長期間の保存が可能となる。また、水分活性Awが高目の場合は、柔らかな食感となるとともにハム、ソーセージに近い乾燥状態となり、真空パック等で包装して冷蔵保存することで保存期間が約6ケ月と大幅に長くなる。
また、上述した乾燥条件での熱風乾燥機23等を使用することによって大掛かりな設備を導入することなく効率の良い生産が可能になる。
そして、上記ピックル液Lと燻煙処理によってサラミソーセージ様の風味や旨味が得られ、更に白カビCによるカマンベール風味が加わって新しい食感と風味、旨味を有するカマンベール風味の熟成乾燥牛肉1が製造できるようになる。
また、このような新しい牛肉の加工製品の開発によって、従来、脂が乗っていないため硬く一部の用途にしか使われていなかった牛肉の部位の利用価値を高め、用途の拡大を図ることもできる。
尚、本発明のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉1及び該熟成乾燥牛肉の製造方法は、上記の実施の形態のものに限定されず、その発明の要旨内での一部構成の変更等が可能である。例えば、牛肉の塊肉3の大きさは1〜2kgに限らず種々変更でき、牛肉の塊肉3の形状もブロック状に限らず、厚めにスライスした形状等であってもよい。
また、ピックル液Lは糖を全く含めない調合とすることも可能であるし、上記実施の形態で述べた調合に限らず、種々の調合のピックル液Lを使用することが可能である。
この他、乾燥工程での乾燥条件や放熱、冷蔵保管の期間や回数等も上記実施の形態において述べたものに限らず、種々の条件、期間、回数に変更することが可能である。
本発明のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉とカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法は、牛肉を原料とする加工食品の製造、処理現場等で利用でき、特に脂の乗っていない硬い肉質の牛肉を使用して新しい食感と風味を有するカマンベール風味の熟成乾燥牛肉を製造したい場合に利用可能性を有する。
1 カマンベール風味の熟成乾燥牛肉
3 牛肉の塊肉(原料牛肉)
5 熟成牛肉
7 熟成乾燥牛肉
9 熟成乾燥牛肉層
11 白カビ層
13 燻煙層
15 乾燥室
17 注入針
18 注入装置
19 回転容器
21 冷蔵庫
23 熱風乾燥機
25 吊下げバー
27 バー受け
29 温度センサ
31 開閉扉
33 燻煙室
35 操作ボタン
37 操作ボックス
39 送風ファン
40 ヒータ
41 給気管路
43 排気管路
45 保管庫
L ピックル液
Aw 目標水分活性
P 水蒸気圧
P0 純水の蒸気圧
C 白カビ
S 燻煙
T チップ
H 熱風

Claims (8)

  1. 糖を含まない、あるいは微量の糖を含んだピックル液に塩漬けし熟成させた牛肉の塊肉を所定の目標水分活性になるまで乾燥させた熟成乾燥牛肉層と、
    上記熟成乾燥牛肉層の表面に白カビを付着させた白カビ層と、を備えていることを特徴とするカマンベール風味の熟成乾燥牛肉。
  2. 所定の大きさ及び状態に整形された牛肉の塊肉に対して、糖を含まない、あるいは微量の糖を含んだピックル液を含浸させて熟成させる塩漬け工程と、
    上記塩漬け工程終了後の熟成牛肉を洗浄後、低めの温度で所定時間熱風乾燥し、上記熱風乾燥と放熱と所定期間の冷蔵保管とを所定回数、繰り返して所定の目標水分活性になるまで乾燥させる乾燥工程と、
    上記所定の目標水分活性に乾燥された熟成乾燥牛肉の表面に白カビを噴霧し、所定温度、所定湿度にて所定期間熟成させて上記熟成乾燥牛肉の表面に白カビを付着させる白カビ付着工程と、を備えていることを特徴とするカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法。
  3. 上記乾燥工程では、繰り返し行われる少なくとも一部の熱風乾燥において、乾燥と同時に上記熟成牛肉に対して燻煙処理が実行されるように構成したことを特徴とする請求項2記載のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法。
  4. 上記目標水分活性は、0.90〜0.86であることを特徴とする請求項2または3記載のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法。
  5. 上記塩漬け工程での牛肉の熟成は、冷蔵庫内において1週間〜10日間行われることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法。
  6. 上記乾燥工程での熟成牛肉の熱風乾燥は、65〜85℃で5〜7時間ずつ行われることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法。
  7. 上記乾燥工程での熟成牛肉の冷蔵保管は、冷蔵庫内において3〜5日間行われることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法。
  8. 上記白カビ付着工程での熟成乾燥牛肉の熟成は、庫内温度10〜15℃において湿度60〜70%の雰囲気下で2週間程度行われることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載のカマンベール風味の熟成乾燥牛肉の製造方法。
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