JP2011232644A - 画像形成方法 - Google Patents

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Takuma Matsuda
拓真 松田
Minoru Ito
稔 伊藤
Kazuhito Wakabayashi
和仁 若林
義之 ▲高▼山
Yoshiyuki Takayama
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Abstract

【課題】 高品位の電子写真画像を安定して得られる画像形成方法の提供。
【解決手段】 現像剤担持体と、該現像剤担持体の表面に当接し、該現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する弾性ブレードとを有する画像形成装置を用いた画像形成方法であって、該現像剤担持体の表面に担持させた現像剤を静電潜像担持体の表面に移行させて現像する現像工程を含み、該現像剤担持体は、基体と樹脂層とを有し、該樹脂層は、無機微粒子、結着樹脂および黒鉛粒子を含み、かつ、結着樹脂に対する無機微粒子の存在比を該樹脂層の表面側で高めることによって形成されてなる脆化領域を有し、該現像工程は、該画像形成装置内において、該弾性ブレードを用いて該樹脂層の該脆化領域の少なくとも一部を削り、該黒鉛粒子を表面に露出させる研削工程を経た現像剤担持体を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は画像形成方法に関する。
電子写真装置に用いられる現像剤担持体として、グラファイトやカーボンの如き導電剤を含む塗料の塗膜を乾燥させて形成されてなる樹脂層を表面層として備えた現像剤担持体が用いられている。しかしながら、上記の方法により形成された樹脂層を備えた現像剤担持体は、新品の状態においては、その最表面が樹脂で被覆されており、導電剤は露出していないことが多い。かかる現像剤担持体においては、導電剤が露出していない部位では電気抵抗が局所的に上昇し、現像剤の微粉が過剰に帯電されやすくなる。その結果、現像剤担持体上の現像剤層の下層に強く付着し易くなり、初期の摩擦帯電量の立ち上がりが不十分且つ帯電量分布が不均一になり易い。その結果、特に小粒径の現像剤を用いると初期濃度が低く、スリーブゴーストも発生し易いと言う課題があった。
新品あるいはそれに近い状態の現像剤担持体の摩擦帯電付性を向上させるために、特許文献1では現像剤担持体の表面に導電剤を予め塗布しておくことが提案されている。
特開2006−119538号公報
しかしながら、特許文献1に係る方法は、現像剤担持体の製造工程として新たな工程を付加するものであり、現像剤担持体のコストアップを招来する。そこで、本発明の目的は、画出し初期のスリーブゴーストや濃度薄を抑制し、耐久を通じて安定した画質を低コストで実現し得る画像形成方法を提供することにある。
本発明の課題は、以下の手段により達成される。
現像剤担持体と、該現像剤担持体の表面に当接し、該現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する弾性ブレードとを有する画像形成装置を用いた画像形成方法であって、
該現像剤担持体の表面に担持させた現像剤を静電潜像担持体の表面に移行させて現像する現像工程を含み、
該現像剤担持体は、基体と樹脂層とを有し、該樹脂層は、無機微粒子、結着樹脂および黒鉛粒子を含み、かつ、結着樹脂に対する無機微粒子の存在比を該樹脂層の表面側で高めることによって形成されてなる脆化領域を有し、
該現像工程は、該画像形成装置内において、該弾性ブレードを用いて該樹脂層の該脆化領域の少なくとも一部を削り、該黒鉛粒子を表面に露出させる研削工程を経た現像剤担持体を用いることを特徴とする画像形成方法。
本発明によれば、現像剤担持体の製造工程を増やすことなく現像剤担持体から現像剤への初期時の摩擦帯電付与性能を安定化させることができる。その結果、初期のスリーブゴーストの発生が抑制されると共に、初期から耐久を通じて十分な画像濃度を有することができる。
本発明に係る現像剤担持体の樹脂層における研削工程を経る前の断面図である。 本発明に係る現像剤担持体の樹脂層における研削工程を経た後の断面図である。 本発明に係る現像装置の一例を示す断面図である。 規格化光電子収率Yと励起エネルギーeVの傾きγの説明図である。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明について詳述する。
本発明に係る、新品の状態における現像剤担持体の断面図を図1に示す。図1に示したように、現像剤担持体の基体2上の樹脂層1には、少なくとも無機微粒子3、結着樹脂5および黒鉛粒子4を含む。前記樹脂層1の表面側には、結着樹脂5に対する無機微粒子3の存在比が該樹脂層1の表面側で高められることによって形成される脆化領域6が存在する。具体的には、黒鉛粒子4は樹脂層1の表面近傍を除いて全体に均一に存在し、その樹脂層1の表面近傍に無機微粒子3が偏在することで脆化領域6を形成する。この脆化領域6では、無機微粒子3の存在量が多いために結着樹脂5の結着力が弱まって脆くなり、脆化領域6だけが摩耗しやすくなる。
この状態の現像剤担持体を画像形成装置に組み込み、弾性ブレードと当接させる。そして、現像剤担持体を回転させることにより、弾性ブレードの押圧力によって樹脂層の脆化領域の少なくとも一部を該画像形成装置内において削る。このような樹脂層の脆化領域の研削工程を経た現像剤担持体は図2に示したように、黒鉛粒子4が樹脂層の最表面に露出した状態となる。研削工程としては、例えば、ユーザーが本発明の画像形成装置を用いてプリントし始める際の前回転工程時に、現像剤担持体と弾性ブレード間のニップ部にトナーを介在させながら行う方法が、均一に脆化領域6を摩耗させる点で望ましい。
一方、樹脂層1の脆化領域6を除いた部分は、無機微粒子3が少なく樹脂層1の機械的強度は高まるので耐久性を有する。よって、現像剤への摩擦帯電付与が迅速に且つ安定に達成できるようになり、初期から耐久的な使用を通してスリーブゴースト画像が良好で、高い画像濃度を安定して出力することが可能となる。前述のように、本発明に係る現像剤担持体は、結着樹脂に対する無機微粒子の存在比が該樹脂層の表面近傍で高い脆化領域を有する。本発明においては、該樹脂層の脆化領域での無機微粒子の存在比として、現像剤担持体の樹脂層の深さ方向での裁断面での、該樹脂層表面から0.5μmまでの深さに存在する無機微粒子の占有面積率をその指標とする。本発明では、この樹脂層表面から0.5μmまでの深さに存在する該無機微粒子の占有面積率が40%以上であることが好ましい。この範囲である事により、使用初期に脆化領域が瞬時に摩耗し黒鉛粒子の露出が促進される。また、該樹脂層表面から1.0μm以下の深さに存在する該無機微粒子の占有面積率が10%以下であることが好ましい。この範囲であることにより、脆化領域が摩耗した後の耐久的な使用においては、該無機微粒子の存在比が少ない事から、良好な耐磨耗性を有する事ができる。
本発明に係る研削工程では、必ずしも脆化領域全てを摩耗させる必要は無く、脆化領域の一部を摩耗し黒鉛粒子が露出した状態であれば良い。現像剤担持体の樹脂層表面での導電性粒子の露出性が高いと、樹脂層表面の光電子分光測定で得られた仕事関数測定曲線における、規格化光電子収率Yと励起エネルギーeVの傾きγ(=Y/eV)が大きくなる。本発明では、研削工程の前後の黒鉛粒子の露出状態変化を、仕事関数測定曲線の傾きγの変化率Δγで定義する。研削工程前の該傾きをγ1、研削工程後の該傾きをγ2とした場合、研削前後の仕事関数測定曲線の傾きγの変化率Δγを下式とする。
Δγ=(γ2−γ1)/γ1
このΔγが0.3以上となるように、少なくとも脆化領域の一部を摩耗し、黒鉛粒子が露出した状態とすることで、現像剤への摩擦帯電付与が迅速に且つ安定に達成できるようになるので好ましい。
本発明で好適に使用される無機微粒子は以下のようなものが使用可能である。珪素、マグネシウム、アルミニウム、チタン等の酸化物粉体。チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム等の複合金属酸化物粉体。ホウ素、珪素、チタン、バナジウム等の炭化物。マグネシウム、カルシウム等の炭酸塩、硫酸塩、燐酸塩等。この無機微粒子の一次粒径は20nm以上200nm以下が好ましい。この範囲とすることで、樹脂層の表面近傍に脆化領域を形成しやすく、且つ脆化領域が局所的に摩耗する事無く、それに伴う現像スジの発生を抑制でき、黒鉛粒子が均一に露出するため望ましい。
有機−有機界面に比べると有機−無機界面の密着性は高くないため、有機樹脂粒子と比較すると無機微粒子は研削工程にて樹脂層より剥離されやすく、黒鉛粒子の露出が促進されやすい。また、無機微粒子は低比重であることが好ましく、その嵩密度は0.10g/cm以下であることが好ましい。この値の範囲とすることで、無機微粒子が樹脂や他の添加粒子との比重差で樹脂層表面近傍に存在しやすくなる。
無機微粒子は中空粒子である事が望ましい。中空粒子とは、内部に空隙を有し且つ外殻を有するものである。中空粒子の材質としては、無機材料であれば制約はないが、特に中空のシリカが好ましい。中空シリカは、低比重で粒径が小さいものがあり、且つ後述の結着樹脂との極性差もあることから表面近傍に移行しやすくなる。更に、結着樹脂との密着性があまり高くなく、剥離しやすいという利点もある。
本発明の無機微粒子は、下式で表されるシランカップリング剤によって表面処理することで、後述のような結着樹脂との自由エネルギー差によって、無機微粒子が好適に樹脂層表面近傍に存在しやすくなる。
RmSiAn (1)
R:アルコキシ基
m:2〜3の整数
A:アルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基の如き炭化水素基
n:1〜2の整数 m+n=4
ここで用いるシランカップリング剤としては、次のものが挙げられる。例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ラウリルトリエトキシシラン、n−ステアリルトリエトキシシラン、n−オクチルメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(βメトキシエトキシ)シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等。
特に、本発明でより好ましく用いられるシランカップリング剤は、表面処理後の無機微粒子の樹脂層への分散性、表面配向性を鑑みて、下式(2)で示されるn−アルキルトリアルコキシシランが望ましい。
Si(CH)X−CH (2)
R:アルコキシ基
X:0〜17の整数
特に、Xが4〜11の場合は、無機微粒子の結着樹脂への分散性が良好な点、表面配向性が良好な点で望ましい。
前記シランカップリング剤にて無機微粒子を表面処理する際に、金属塩化物を微量添加することにより、無機微粒子表面全体でシラン反応を速やかにかつ均一に起こさせることができ、無機微粒子の表面に均一にシランカップリング剤を被覆することができる。これによって、無機微粒子が好適に樹脂層表面近傍に存在しやすくなる。ここで、前記金属塩化物としては、例えば塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化錫、塩化カルシウム、等が挙げられる。なお、塩化アルミニウムは、シラン反応時における触媒としての作用が一段と優れている。
上記シランカップリング剤により無機微粒子を表面処理する方法としては、例えば、スプレー法,有機溶媒法,水溶液法、等があり、またバインダー樹脂への直接混合を用いることもできるが、好ましくは別途顔料に処理を行うほうがよい。一般に、スプレー法による処理とは、ピグメントを撹拌しここにカップリング剤の水溶液あるいは溶媒液をスプレーして、この後水あるいは溶媒を120〜130℃程度で除去乾燥する方法である。また、有機溶媒法による処理とは、カップリング剤の水溶液あるいは有機溶媒液にピグメントを浸漬した後、濾過或は圧搾により固液分離を行い120〜130℃程度で乾燥させるものである。水溶液法とは0.5%程度のカップリング剤を、一定pHの水あるいは水−溶媒中で加水分解させ、ここにピグメントを浸漬した後、同様に固液分離を行い乾燥するものである。以上の様な種々の方法により得ることが好ましいが、本発明では上記の方法に限定されるものではない。
本発明の現像剤担持体基体表面に形成された樹脂層は以下の中より選ばれる結着樹脂を少なくとも含有することが望ましい。メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂。これらの結着樹脂を用いることで、前述のような表面処理を施した無機微粒子との自由エネルギー差によって、無機微粒子が好適に樹脂層表面に露出する。例えば、シリコーン樹脂やポリプロピレン樹脂のような低表面自由エネルギーである樹脂の場合、無機微粒子が表面に露出しにくい。中でも、耐久による樹脂層の耐摩耗性を向上させる点、環境安定性に優れる点からフェノール樹脂がより好ましい。
本発明に係る現像剤担持体の樹脂層は黒鉛粒子を含み、かつ、体積抵抗が10−1Ω・cm以上10Ω・cm以下であるものが好ましい。この値の範囲とすることで、チャージアップによる現像剤の現像剤担持体上への固着や、現像剤への摩擦帯電付与不良を抑制することができる。
該黒鉛粒子は、粒子の形状が、燐片状あるいは針状の従来から用いられている結晶性グラファイトや、結晶性グラファイトに比べて黒鉛化の程度が若干低いが粒子自身が高硬度である黒鉛粒子を使用することが可能である。後者の高硬度黒鉛粒子としては、メソカーボンマイクロビーズ粒子やバルクメソフェーズピッチ粒子を黒鉛化して得たものが挙げられる。高硬度黒鉛粒子は、樹脂層中で均一に分散しやすく、均一な表面形状と耐磨耗性を樹脂層表面に与えることができるので好ましい。さらに、粒子自身の形状が変化し難いために樹脂層の樹脂部分の選択的な削れ、又はその影響による粒子自身の脱落が生じたとしても、樹脂層中から粒子が再度突出あるいは露出してくることもあり、表面形状の変化を小さく抑えることが可能となる。その結果、高硬度黒鉛粒子を含む樹脂層では、現像剤のチャージアップを発生させることなく、従来の結晶性グラファイトを用いた場合よりも現像剤への摩擦帯電付与性を向上することが可能となる。また、樹脂層中の黒鉛粒子の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して好ましくは30質量部以上100質量部以下であることが好ましい。黒鉛粒子の含有量が30質量部以上の場合には、樹脂層に導電性を付与することができ、樹脂層の現像剤による汚染を抑制することができる。また、黒鉛粒子の含有量が100質量部以下の場合には、樹脂層の機械的強度が充分確保されて耐磨耗性を維持する事が可能である。
本発明に係る現像剤担持体の樹脂層には更に下記に挙げる導電性微粒子を含有させても良い。この導電性微粒子は、樹脂層形成に用いる塗料の粘度調整、樹脂層の導電性のコントロールを司る。導電性微粒子の粒径は細かい方が樹脂層の導電性を高め易いため望ましく、粒径1μm以下であることが好ましい。この際に使用される導電性物質としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ等の金属酸化物、カーボンファイバー、カーボンブラック、グラファイトの如き炭素物が挙げられる。本発明においては、これらのうち一次粒径が1μm以下と細かいカーボンブラックを好適に用いうる。とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与し、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得るために好ましい。
また、本発明においては、樹脂層中に、表面粗さを均一にし、且つ適切な表面粗さを維持するために、凹凸形成の為の粗し粒子を添加することが好ましい。本発明に使用される凹凸形成の為の粗し粒子としては、球状のものが好ましい。球状粒子であることにより、不定形粒子に比べ、より少ない添加量で所望の表面粗さが得られるとともに、表面形状の均一な凹凸面が得られる。さらに、樹脂層表面が摩耗した場合でも樹脂層の表面粗さの変化が少なく、現像剤担持体上のトナー層厚の変化が起きにくい。このことから、トナーの帯電を均一化し、スリーブゴーストが良好で、スジ・ムラが発生しにくく、また現像剤担持体上でトナーによるスリーブ汚染及び融着の発生をしにくくするという効果を、長期に渡り発揮させることができる。
本発明に用いられる現像剤担持体の基体としては、円筒状部材、円柱状部材、ベルト状部材の如き部材を用い得る。このような基体の材質としては、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等の非磁性の金属または合金が上げられる。
本発明の樹脂層を得る方法として、樹脂層を形成する成分を溶剤中に分散混合して塗料化し、現像剤担持体の基体上に塗布し、乾燥固化あるいは硬化することにより形成することが好ましい。各成分の塗料液中への分散混合には、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミルの如き公知の分散装置が利用可能である。但し、あまり強いシェアをかけて分散を行うと、無機微粒子の表面処理剤が剥がれやすくなる場合があるので、適度なシェアをかけて分散を行うことが好ましい。例えば、スターミル(アシザワファインテック)や、分散メディアを使用しない衝突型微粒化法や薄膜旋回法を利用した、キャビトロン(ユーロテック)、フィルミックス(特殊機化)の如き分散装置が好適に利用可能である。また、現像剤担持体への樹脂層の塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法の如き公知の方法が適用可能である。
本発明では、樹脂層の表面粗さとして、算術平均粗さRa(JIS B0601−2001)が0.3μm以上2.5μm以下であることが好ましく、0.4μm以上2.0μm以下であることがより好ましい。樹脂層のRaが0.4μm未満である場合には、樹脂層の凹凸が殆どないため、現像剤担持体上の現像剤量が不安定になると共に樹脂層の耐摩耗性及び耐現像剤汚染性も不十分となる場合がある。一方、Raが2.0μmを越える場合には、現像剤担持体上の現像剤の搬送量が多くなりすぎて現像剤に均一に帯電付与しにくくなると共に樹脂層の機械的強度も低下してしまうことがある。上記したような構成の樹脂層の厚さの目安としては、25μm以下、特には20μm以下、さらには4μm以上20μm以下である。
<画像形成装置>
本発明に係る画像形成装置について実施形態の例を挙げて説明する。なお、特に以下の実施形態に限定するものではない。
図3は、磁性一成分現像剤を使用する本発明の画像形成装置における好ましい実施形態の一例の構成を示す模式図である。図3に示した実施形態の画像形成装置は、現像剤を収容するための容器(現像容器8)と、前記容器に貯蔵された現像剤(不図示)を担持搬送するための現像剤担持体12を有している。この画像形成装置は、まず、弾性ブレード17により前記現像剤担持体12上に現像剤層を形成する。
磁性一成分現像剤は、磁性現像剤粒子相互間及び現像剤担持体の樹脂層と弾性ブレードとの摩擦により、静電潜像担持体7上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。現像領域Dに搬送される現像剤の層厚を規制するため、及び、現像剤担持体の脆化領域を摩耗し黒鉛粒子を露出させる為に、現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード17が装着されている。当該画像形成装置は、ウレタンゴム若しくはシリコーンゴムのようなゴム弾性を有する材料、又はリン青銅若しくはステンレス鋼のような金属弾性を有する材料の如き弾性板からなる弾性ブレード17が使用できる。特に、黒鉛粒子を均一に露出させる為には、ウレタンゴム若しくはシリコーンゴムのようなゴム弾性を有する材料が好ましい。この弾性ブレード17は、現像剤担持体12に対して、磁性一成分現像剤を介して圧接させる。なお、現像剤担持体12に対する弾性ブレード17の当接圧力は、線圧0.196N/cm以上0.392N/cm以下であることが、現像剤担持体の樹脂層表面に黒鉛粒子を好適に露出させ且つ現像剤に適度な摩擦帯電量を付与しやすくなる点で好ましい。静電潜像担持体7は、公知のプロセスにより形成することができる。静電潜像を担持する静電潜像担持体7は、矢印B方向に回転する。現像剤担持体12は、現像容器8に収容された磁性現像剤粒子を有する磁性一成分現像剤を担持して、矢印A方向に回転することによって、現像剤担持体12と静電潜像担持体7とが対向している現像領域Dに現像剤を搬送する。現像剤担持体12においては、磁性一成分現像剤を現像剤担持体12上に磁気的に吸引しかつ保持するため、その内部に磁石(マグネットローラ)11が配置されている。現像剤担持体12上に形成される磁性一成分現像剤の薄層の厚みは、現像領域Dにおける現像剤担持体12と静電潜像担持体7との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。現像容器8は、第一室15と第二室16に分割されており、第一室15の磁性一成分現像剤は攪拌搬送部材10により現像容器8及び仕切り部材9により形成される隙間を通過して第二室16に送られる。磁性一成分現像剤はマグネットローラ11による磁力の作用により現像剤担持体12上に担持される。第二室16中には現像剤が滞留するのを防止するための攪拌部材511が設けられている。
本発明に係る現像剤担持体は、以上の様な磁性一成分現像剤により静電潜像を現像する方式の画像形成装置、すなわち非接触型画像形成装置に組み込むことが有効である。また、現像剤担持体12に担持された磁性現像剤を有する磁性一成分現像剤を飛翔させるため、現像剤担持体12にはバイアス手段としての現像バイアス電源14により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(現像剤が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像剤担持体12に印加するのが好ましい。現像された画像の濃度を高め、かつ階調性を向上させるためには、現像剤担持体12に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位との中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像剤担持体12に印加するのが好ましい。この時、高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部に現像剤を付着させて可視化する、いわゆる正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に摩擦帯電する磁性一成分現像剤を使用する。高電位部と低電位部を有する静電潜像の低電位部に現像剤を付着させて可視化する、いわゆる反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に摩擦帯電する磁性一成分現像剤を使用する。この場合、高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。
<現像剤>
本発明に係るトナー粒子を有する現像剤について説明する。トナー粒子は、粉砕法或いは重合法によって製造することができる。粉砕法により製造する場合は、公知の方法が用いられる。トナー粒子としては、フロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子における平均円形度が0.970以上であることが好ましい。平均円形度の高いトナー粒子は帯電均一性に優れているからである。ここで、球形化度の高いトナー粒子は、状況によっては帯電量が高くなり過ぎてチャージアップを生じる場合がある。しかしながら、本発明に係る現像剤担持体は、平均円形度の高いトナー粒子に対しても、初期から適切な摩擦電荷を付与でき、かつ、その性能を長期に亘り維持できる。よって、このような球形化度の高いトナーとの組合せにおいて、本発明に係る現像剤担持体は特に好適に用い得る。また、本発明に係るトナー粒子は、より一層の高画質化を達成する上で、より微小な潜像ドットを忠実に現像するために、質量平均粒径が3μm以上10μm以下であることが好ましい。この範囲とすることで、転写効率が向上し静電潜像担持体上の転写残トナーが少なくなり、接触帯電工程での静電潜像担持体の削れやトナー融着が抑制される。また、粉体としての流動性及び攪拌性が低下する事無く個々のトナー粒子を均一に帯電する事ができ、カブリや転写性が悪化する事無く均一な出力画像を得ることが可能となる。さらに、文字やライン画像の飛び散りも生じにくくなり、高解像度の出力画像が得られる。
現像剤には摩擦帯電特性を向上させる目的で、荷電制御剤をトナー粒子に包含させる(内添)、又はトナー粒子と混合して用いる(外添)ことができる。現像剤が、磁性現像剤である場合には磁性材料を配合する。磁性材料の例としては、酸化鉄系金属酸化物(マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等)、磁性金属(Fe、Co、Ni等)、当該磁性金属とAl、Co、Cu等の金属との合金が挙げられる。
また、これら磁性材料を、着色剤としての役目を兼用させても構わない。
現像剤には、定着時の離型性向上、定着性向上の目的で、離型剤を配合することが好ましい。離型剤としては、以下のものが挙げられる。
・脂肪族炭化水素系ワックス(低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等)。
・脂肪酸エステルを主成分とするワックス(カルナウバワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス、モンタンワックス等)。
さらに、現像剤(トナー)には、環境安定性、帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上及びクリーニング性向上のために、シリカ、酸化チタン、アルミナの如き無機微粉体を外添すること、すなわち現像剤表面近傍に存在させていることが好ましい。無機微粉体の添加量は、トナー中に0.1質量%乃至5.0質量%、好ましくは0.5質量%乃至4.0質量%である。また、種々のものを組み合わせて使用してもよい。
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明する。まず、本発明に関わる物性の測定方法について述べる。
(1)現像剤担持体表面の算術平均粗さ(Ra)の測定
現像剤担持体表面の算術平均粗さ(Ra)の測定は、JIS B0601(2001)の表面粗さに基づき、サーフコーダーSE−3500(商品名、小坂研究所社製)を用いた。測定条件としてはカットオフ0.8mm、評価長さ8mm、送り速度0.5mm/sにて実施した。測定位置は、現像剤担持体の中央位置と塗工両端部との中間の位置の計3箇所、更に90°現像剤担持体を回転した後同様に3箇所、更に90°現像剤担持体を回転した後同様に3箇所、計9点について各々測定し、その平均値をとった。
(2)無機微粒子の粒径測定
走査型電子顕微鏡、S4800(商品名、株式会社日立製作所製)を用い、5万倍にした写真を得、粒子の最長辺および最短辺の平均をその粒子の粒径とした。粒子が小さすぎて粒径の測定が難しい場合は5万倍で撮影したものをさらに拡大して20万倍の写真とした。そして、100個の粒子について測定し50%値をもって平均粒径とした。
(3)無機微粒子の嵩密度測定
無機微粒子の嵩密度は、JIS K5101の顔料試験法に準じて測定した。
(4)無機微粒子の占有面積率の測定
現像剤担持体断面を集束イオンビーム、FB−2000C(商品名、日立製作所)を用いて、樹脂層表面から深さ方向に切断した。その切断部位を、上記走査型電子顕微鏡の測定倍率を5万倍に設定し観察を行い、付属の元素分析手段(XMA(GENESIS4000:EDAXinc.))によって元素の検出を行った。1000nm×1000nmの領域を測定部位とし、その測定部位において無機微粉体に含有される元素(シリカの場合はケイ素)が検出された部分についてマッピングを行った。その後、画像解析機能を有するアプリケーション「Image−Pro Plus(Media Cybernetics社)」を用いて、元素がマッピングされた面積を測定した。マッピング画像において、特定元素が検出された部分の色の違いで2値化を行い、測定画像領域Rに対する無機微粉体存在部分の面積Mの比率(M/R)×100(%)を計算した。同様に20ヶ所の測定を行い平均した値を占有面積率とした。
(5)樹脂層の膜厚及び削れによる膜厚変動量
レーザー光にて円筒の外径を測定する株式会社キーエンス製の寸法測定器「LS5000シリーズ」(商品名)を用いた。樹脂層形成前の現像剤担持体の外径(S0)、樹脂層形成後の外径(S1)及び耐久使用後の外径(S2)をそれぞれ測定し、それらの値から、樹脂層の膜厚(S1−S0)及び樹脂層の削れ量(膜削れ)(S1−S2)を算出した。
測定には、前記装置のコントローラLS−5500及びセンサーヘッドLS−5040Tを用いた。まず、現像剤担持体固定治具及び現像剤担持体送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定した。現像剤担持体長手方向に対し30分割して30箇所、さらに現像剤担持体を周方向に90°回転させた後さらに30箇所、合計60箇所について現像剤担持体の外径寸法を測定した。外径寸法はその平均値とした。なお、耐久使用後の現像剤担持体外径の測定は、表面上に融着しているトナー融着物をメチルエチルケトン中で超音波洗浄により除去してから行う。
(6)現像剤担持体と弾性ブレードの当接圧力
目視により、現像剤担持体と弾性ブレードの軸方向の接触長さL(cm)を求める。圧力測定システム:タクタイルセンサ(商品名、ニッタ(株)製)を用いて、現像剤担持体との当接力(総圧)F(N)を測定する。
(現像剤担持体と弾性ブレードの当接圧力)=F/L(N/cm)
測定環境は20℃以上25℃以下、50%RH以上60%RH以下として行った。
(7)研削工程の前後での仕事関数測定曲線における規格化光電子収率Yと励起エネルギーeVの傾きγの変化率Δγ
導電性粒子の露出性の指標として、理研計器(株)製 光電子分光装置AC−2を用いて、下記の条件にて傾きγの測定を行った。
・ 照射エネルギー:4.2eV〜6.2eV
・ 光量:300nW
・ 計数時間:10秒
・ 陽極電圧:2900V
・ べき乗:0.5
上記条件での測定により得られた仕事関数測定曲線の例を図4に挙げた。図4において、横軸は励起エネルギー、縦軸は放出された光電子の個数の0.5乗の値(規格化光量子収率)Yを示す。一般的に、励起エネルギー値がある閾値を超えると急激に光電子の放出、即ち規格化光量子収率が多くなり、仕事関数測定曲線が急速に立ち上がる。この時の規格化光量子収率のベースラインをGとし、仕事関数測定曲線が急速に立ち上がった後の、曲線を線形近似して得られた直線をLとする。本願にて規定するγ値は、この直線Gと直線Lの傾きと定義した。そして、研削工程前のγ値をγ1、研削工程後のγ値をγ2とし、研削工程の前後の仕事関数測定曲線の傾きγの変化率Δγ(=(γ2−γ1)/γ1)を求めた。
(8)トナーの粒径測定
測定装置としては、コールターマルチサイザーII(べックマン・コールター社製)を用いた。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。測定方法としては、前記電解水溶液100ml中に分散剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩を、0.5ml加え、さらに測定試料を10mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャー或いは30μmアパーチャーを用いて、測定試料の体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。この結果より、体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
(9)トナー粒子の平均円形度
本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものである。本発明では東亞医用電子製フロー式粒子像分析装置「FPIA−1000」を用いて測定を行い、3μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)を下式によりそれぞれ求めた。
円形度(Ci)=(粒子数と同じ投影面積を持つ円の周囲長)/(粒子の投影像の周囲長)
更に下式で示すように、測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度(C)と定義した。
測定装置である「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及びモード円形度の算出に当たり、次のような方法を用いている。粒子を得られた円形度によって、円形度0.40〜1.00を0.010間隔で61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度の算出を行う方法である。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度の各値と、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形度の各値との誤差は、非常に少なく、実質的には無視出来る程度のものである。よって、本発明においては、算出時間の短絡化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いている。本発明における平均円形度とは、粒子の凹凸度合いの指標であり、粒子が完全な球形の場合1.000を示し、現像剤の表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。具体的な測定方法としては、界面活性剤を約0.1mg溶解している水10mlに現像剤約5mgを分散させて分散液を調整し、超音波(周波数50kHz、出力150W)を分散液に5分間照射する。分散液濃度を5000個/μl〜2万個/μlとして、前記装置により測定を行い、3μm以上の円相当径を有する粒子の平均円形度を求めた。測定の概略は、東亜医用電子社(株)発行のFPIA−1000のカタログ(1995年度6月版)、測定装置のマニュアルに記載されているが、以下のとおりである。試料分散液は、フラットで扁平なフローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子における2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。それぞれの粒子における2次元画像の投影面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円形度を算出する。なお、本測定で3μm以上の円相当径の粒子群のみの円形度を測定する理由は、3μm未満の円相当径の粒子群にはトナー粒子とは独立して存在する外部添加剤の粒子群も多数含まれるため、その影響によりトナー粒子群の円形度が正確に見積もれないからである。
<無機微粒子M−1の作成>
ヘンシェルミキサー内に、水500g、中空シリカ粒子、シリナックス(商品名、日鉄鉱業社製;一次粒径100nmを50g入れた。続いて、n−オクチルトリエトキシシラン、A−137(商品名、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製)を4g、塩化アルミニウム0.4gを添加し、常温で4時間攪拌した。その後乾燥機にて120℃に加熱し脱水した後粉砕して、表面処理された無機微粒子M−1を得た。
<無機微粒子M−2〜M−4、M−6の作成>
下記表1に示した成分としたこと以外は、M−1製造例と同様にして表面処理された無機微粒子M−2〜M−4、M−6を得た。また、無機微粒子M−5は表面処理を行わなかった。M−7は、無機微粒子ではなく未処理のアクリル樹脂粒子とした。
<現像剤の製造例>
・スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体
(Tg:62.1℃、質量平均分子量:13000) 100質量部
・磁性酸化鉄(平均粒径0.2μm、保磁力11.2KA/m、残留磁化8.8Am/kg、飽和磁化80.3Am/kg) 85質量部
・アゾ系鉄錯体化合物、T−77(商品名、保土谷化学工業社製、負帯電性荷電制御剤) 3質量部
・パラフィン(融点:76℃) 4質量部
上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、115℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕して現像剤粗粉砕物を得た。得られた現像剤粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(商品名、ターボ工業社製;回転子及び固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティング(めっき厚150μm、表面硬さHV1050))を用いて、機械的に微粉砕した。得られた微粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級装置エルボージェット(商品名、日鉄鉱業社製)で微粉及び粗粉を同時に分級除去した。以上の工程を経て、コールターカウンター法で測定される質量平均粒径(D4)5.7μm、平均円形度が0.959の負帯電性現像剤粒子を得た。
この現像剤粒子100質量部と、ヘキサメチルジシラザン処理し、次いでジメチルシリコーンオイル処理を行った疎水性シリカ微粉体1.4質量部とを、ヘンシェルミキサーで混合して負帯電性現像剤を調製した。
<実施例1>
・黒鉛粒子 HOP(商品名、日本黒鉛製;体積平均粒径4.0μm) 48.5質量部
・導電性カーボンブラック Conductex975(商品名、コロンビアカーボン社製) 1.5質量部
・レゾ−ル型フェノール樹脂 J−325(商品名、大日本インキ化学工業社製、固形分60%)固形分として100質量部
・無機微粒子 M−1 5質量部
・メタノール 25質量部
以上の材料を混合し、直径0.8mmのガラスビーズをメディア粒子として用い、バッチ式サンドグラインダーLSG−4U−8(商品名、アイメックス社製)にて120分分散し塗料中間体Jを得た。次に、下記の材料を混合し、直径1.5mmのガラスビーズをメディア粒子として用い、バッチ式サンドグラインダーLSG−4U−8(商品名、アイメックス社製)にて30分分散して塗工液B−1を得た。
・塗料中間体J 180質量部
・凹凸付与球状粒子 ICB1020(商品名、日本カーボン社製)12.5質量部
次いで、この塗工液にメタノールを添加することで固形分濃度を35%に調整した。外径14mm、算術平均粗さRa=0.2μmの研削加工したアルミニウム製の円筒管を回転台に立てて回転させ、両端部にマスキングを施し、エアスプレーガンを一定速度で下降させながら、塗工液B−1を円筒管表面に塗工することで樹脂層を形成させた。なお、塗工条件は30℃/35%RHの環境下にて、塗工液の温度は恒温槽で28℃に制御した状態で塗工を実施した。続いて熱風乾燥炉により160℃で20分間加熱して樹脂層を硬化させ、Ra=1.01μm、塗工膜厚6.6μmである現像剤担持体S−1を作製した。
表2に各実施例に対応した無機微粒子、結着樹脂、樹脂層膜厚、無機微粒子占有面積率、仕事関数の傾き変化率を記載した。この現像剤担持体S−1の評価にあたり、市販のレーザービームプリンタ、LaserJetP2055(商品名、ヒューレット・パッカード社製)用の純正カートリッジを改造したものを用いた。静電潜像担持体周速に対する現像剤担持体周速の周速比を130%、現像剤担持体と弾性ブレードの当接圧力を0.245N/cmと設定した。現像剤担持体S−1をカートリッジに装着可能なようにマグネット及びフランジを取り付けてこのカートリッジに装着し、さらに前記トナーを充填し、LeserJetP2055機により画像評価を行った。結果を表3に示す。
<実施例2>
実施例1の無機微粒子M−1の添加量を25質量部に変えた事以外は、実施例1と同様にして現像剤担持体を作成し、評価を行った。
<実施例3>
実施例1の無機微粒子M−1の添加量を5質量部に変えた事以外は、実施例1と同様にして現像剤担持体を作成し、評価を行った。
<実施例4〜6、10>
実施例1の無機微粒子M−1の代わりにM−2〜M−4、M−5を用いた事以外は、実施例1と同様にして現像剤担持体を作成し、評価を行った。
<実施例7>
実施例1のレゾ−ル型フェノール樹脂の代わりに、ブチル化メラミン樹脂、L−109−65(商品名、大日本インキ化学工業社製、固形分60%)を用いた事以外は実施例1と同様に現像剤担持体を作成し、評価を行った。
<実施例8>
実施例1のレゾ−ル型フェノール樹脂の代わりに、ブチル化尿素樹脂、P−196−M(商品名、大日本インキ化学工業社製、固形分60%)を用いた事以外は実施例1と同様に現像剤担持体を作成し、評価を行った。
<実施例9>
実施例1のレゾ−ル型フェノール樹脂の代わりに、ナイロン樹脂、M−20K(商品名、ナガセケムテックス社製、固形分20%)を用いた事以外は実施例1と同様に現像剤担持体を作成し、評価を行った。
<比較例1>
実施例1の無機微粒子を添加しない事以外は、実施例1と同様に現像剤担持体を作成し評価を行った。
<比較例2、3>
実施例1の無機微粒子M−1の代わりにM−6、M−7を用いた事以外は、実施例1と同様にして現像剤担持体を作成し、評価を行った。
<評価内容>
(A)初期評価
具体的には、低温低湿度環境(15℃、10%RH;L/L)にて実施した。画像評価は、下記の評価方法及び評価基準で判定した。
(1)ゴースト
プリンタの出力画像(複写機の場合には画像チャート)において、画像先端の現像剤担持体一周分に相当する領域を白地にベタ黒の正方形および円形の画像を等間隔で配置し、それ以外の部分をハーフトーンとしたものを用いた。そして、ハーフトーン上に象形画像のゴーストがどのように出現するかによりランク付けを行った。
A:濃淡差が全く見られない。
B:見る角度によってわずかな濃淡差が確認できる程度。
C:ゴーストが目視で明確に確認される。
D:ゴーストがはっきり濃淡として現れ、反射濃度計で濃度差が測定可能。
E:ゴーストがはっきり濃淡として現れ、現像剤担持体二周分以上の濃淡差が確認される。
(2)現像スジ
脆化領域が不均一に摩耗した際、画像進行方向に線状、帯状のスジとなって画像出力される。その評価として、ハーフトーン及びベタ黒画像を出力し、画像進行方向に走る、線状、帯状のスジ(濃淡差)について、下記基準にて評価した。
A:画像にも現像剤担持体上にも全く確認できない。
B:ハーフトーン画像上では軽微な濃度差が確認できるが、ベタ黒画像上では問題ないレベルである。
C:ベタ黒画像上では軽微な濃度差であるが、ハーフトーン画像上に目視で濃度差のわかるスジまたは帯が確認される。
D:ハーフトーン画像上に反射濃度計で明確に測定できる濃度差がスジまたは帯状に現れる。ベタ黒画像上でも目視で濃度差が確認できる。
E:ベタ黒画像でかなりはっきりと白抜けになって現れる。
(3)現像剤担持体上のトナー帯電量(Q/M)及びトナー搬送量(M/S)
現像剤担持体上に担持されたトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集した。その際金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q、捕集されたトナー質量M、トナーを吸引した面積Sを測定した。これらの値から、単位質量あたりの電荷量Q/M(mC/kg)、単位面積あたりのトナー質量M/S(g/m)を計算し、それぞれトナー帯電量(Q/M)、トナー搬送量(M/S)とした。
(B)耐久評価
高温高湿度環境(32℃、85%RH;H/H)で実施した。具体的には1枚/5秒の間欠モードで印字比率が1%の文字パターンにて15000枚の画出し(耐久)を行った。画像評価は、下記の評価方法及び評価基準で判定した。
(1)画像濃度
画出し初期と15000枚複写後のベタ黒画像の濃度を測定することにより評価した。画像濃度は、マクベス反射濃度計RD918(商品名、マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。
(2)現像剤担持体の表面粗さRa(μm)
画出し初期と50万枚複写後の現像剤担持体の表面粗さを測定した。
(3)耐久前後の膜厚変化量(μm)
初期と耐久後における現像剤担持体の樹脂層の膜厚を測定し、その差分を膜厚変化量とした。
表3の結果からも明らかなように、各実施例については、現像剤担持体の樹脂層表面に無機微粒子が偏在して脆化領域が形成されたため、初期から摩耗が促進されることにより黒鉛粒子の露出が見られトナーに対する帯電付与性能が向上した。その結果、L/L初期画像評価において、ゴーストについては評価基準に照らしてレベルC以上を達成できる、といった顕著な向上効果が認められた。また、H/H耐久評価においては安定して高い画像濃度の電子写真画像を得られた。
これに対して、比較例1は無機微粒子を添加していないため脆化領域が形成されず、黒鉛粒子の露出が促進されない為L/L初期での画像特性が劣る結果となった。比較例2では、樹脂粒子が研削工程で摩耗が促進されず、黒鉛粒子の露出がされ難くなってL/L初期での画像特性が劣る結果となった。また、耐磨耗性も低下しH/H耐久評価での画像特性が劣る結果となった。
1 樹脂層
2 現像剤担持体基体
3 無機微粒子
4 黒鉛粒子
5 結着樹脂
6 脆化領域
7 静電潜像担持体
8 現像容器
9 仕切り部材
10 攪拌搬送部材
11 磁石(マグネットローラ)
12 現像剤担持体
13 攪拌搬送部材
14 現像バイアス電源
15 第一室
16 第二室
17 現像剤層厚規制部材(弾性ブレード)

Claims (2)

  1. 現像剤担持体と、該現像剤担持体の表面に当接し、該現像剤担持体に担持される現像剤の層厚を規制する弾性ブレードとを有する画像形成装置を用いた画像形成方法であって、
    該現像剤担持体の表面に担持させた現像剤を静電潜像担持体の表面に移行させて現像する現像工程を含み、
    該現像剤担持体は、基体と樹脂層とを有し、該樹脂層は、無機微粒子、結着樹脂および黒鉛粒子を含み、かつ、結着樹脂に対する無機微粒子の存在比を該樹脂層の表面側で高めることによって形成されてなる脆化領域を有し、
    該現像工程は、該画像形成装置内において、該弾性ブレードを用いて該樹脂層の該脆化領域の少なくとも一部を削り、該黒鉛粒子を表面に露出させる研削工程を経た現像剤担持体を用いることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記無機微粒子が中空シリカ粒子である請求項1記載の画像形成方法。
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